霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
王仁DB
|
設定
×
設定
URL:
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
行間
ふつう
【標準】
少し広く
もっと広く
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新刊】
『神眼で読む霊界物語』ヒカルランド社から発売中
第1篇 恋雲魔風 > 第3章 落橋
<<< 出陣
(B)
(N)
珍客 >>>
第三章
落橋
(
らくけう
)
〔一〇八七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻
篇:
第1篇 恋雲魔風
よみ(新仮名遣い):
れんうんまふう
章:
第3章 落橋
よみ(新仮名遣い):
らっきょう
通し章番号:
1087
口述日:
1922(大正11)年11月01日(旧09月13日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年5月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
鬼熊別は、大雲山の会議を終わって悄然として我が家に帰った。そこへ家老の熊彦がやってきて、大黒主が近侍を刺客に仕立てて鬼熊別に向かわせたという急報を注進した。
鬼熊別は、大黒主がそのようなことをするはずがないと一生に付したが、熊彦は、ハルナの館に仕える自分の親友が特に報せてくれた重大事だと主人をいさめた。鬼熊別はたとえそれが真実だとしても、大自在天に任せて主人たる大黒主に最期まで忠義を通す覚悟を熊彦に示した。
熊彦は逆に鬼熊別の覚悟を知り、諭されてただ涙を流して声を忍ばせ、しゃくり泣きをするのみであった。
刺客に仕立てられた大黒主の侍従たちは、黒装束に身を固めて鬼熊別の館を指して進んでいた。しかし館に通じる森の中の橋が落とされていることに気が付いた。熊彦が部下に命じて落とさせておいたものであった。
刺客たちはもともと怖気づいていたので、橋が落ちていたのを幸い、夜明けに間に合わなかったと大黒主に言い訳が立つとかえって喜び合う始末であった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-27 09:37:38
OBC :
rm4003
愛善世界社版:
34頁
八幡書店版:
第7輯 430頁
修補版:
校定版:
35頁
普及版:
16頁
初版:
ページ備考:
001
空
(
そら
)
一面
(
いちめん
)
にドンヨリとかき
曇
(
くも
)
り、
002
あたり
陰鬱
(
いんうつ
)
として
風
(
かぜ
)
もなく
蒸暑
(
むしあつ
)
き
秋
(
あき
)
の
夕
(
ゆふ
)
べ、
003
内地
(
ないち
)
の
秋
(
あき
)
とは
事変
(
ことか
)
はり、
004
初秋
(
はつあき
)
の
今日
(
けふ
)
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
松虫
(
まつむし
)
鈴虫
(
すずむし
)
の
声
(
こゑ
)
もなく、
005
梢
(
こずゑ
)
にとまつて
千切
(
ちぎ
)
れ
千切
(
ちぎ
)
れに
鳴
(
な
)
く
蝉
(
せみ
)
の
声
(
こゑ
)
、
006
轡虫
(
くつわむし
)
等
(
など
)
喧
(
やかま
)
しく
騒
(
さわ
)
ぎ
鳴
(
な
)
きたつる
有様
(
ありさま
)
は、
007
月
(
つき
)
の
都
(
みやこ
)
のハルナ
城
(
じやう
)
の
内外
(
ないぐわい
)
に
穏
(
おだや
)
かならぬ
事
(
こと
)
の
勃発
(
ぼつぱつ
)
する
前兆
(
ぜんてう
)
にはあらずやと
思
(
おも
)
はるるばかりであつた。
008
館
(
やかた
)
の
主
(
あるじ
)
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
は
大雲山
(
たいうんざん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
於
(
お
)
ける
会議
(
くわいぎ
)
を
終
(
を
)
へて、
009
悄然
(
せうぜん
)
として
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
り、
010
奥
(
おく
)
の
一間
(
ひとま
)
に
座
(
ざ
)
をしめて、
011
双手
(
もろて
)
をくみ、
012
青息
(
あをいき
)
吐息
(
といき
)
の
体
(
てい
)
であつた。
013
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
家老職
(
からうしよく
)
を
勤
(
つと
)
めてゐた
熊彦
(
くまひこ
)
は
襖
(
ふすま
)
を
押
(
お
)
しあけ
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
014
叮嚀
(
ていねい
)
に
会釈
(
ゑしやく
)
しながら、
015
熊彦
『モシ
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
、
016
承
(
うけたま
)
はりますれば、
017
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
大変
(
たいへん
)
な
嫌疑
(
けんぎ
)
がかかり、
018
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
が
近侍
(
きんじ
)
の
誰彼
(
たれかれ
)
を
遣
(
つか
)
はして、
019
夜陰
(
やいん
)
に
紛
(
まぎ
)
れ、
020
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
りに
来
(
く
)
るとの
急報
(
きふはう
)
を
自分
(
じぶん
)
の
親友
(
しんいう
)
よりソツと
聞
(
き
)
きました。
021
どうぞ
御
(
ご
)
用心
(
ようじん
)
下
(
くだ
)
さいませ。
022
今
(
いま
)
にも
刺客
(
しきやく
)
が
参
(
まゐ
)
るかも
知
(
し
)
れませぬから……』
023
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
は
平然
(
へいぜん
)
として
打笑
(
うちわら
)
ひ、
024
鬼熊別
『アハヽヽヽ
風声
(
ふうせい
)
鶴唳
(
かくれい
)
に
驚
(
おどろ
)
いてはならぬ。
025
真心
(
まごころ
)
を
以
(
もつ
)
て
真心
(
まごころ
)
の
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
に
如何
(
どう
)
して
不義
(
ふぎ
)
の
刃
(
やいば
)
が
当
(
あ
)
てられようか。
026
決
(
けつ
)
して
心配
(
しんぱい
)
は
致
(
いた
)
すものではない。
027
かやうな
騒々
(
さうざう
)
しい
時
(
とき
)
にはいろいろの
噂
(
うはさ
)
の
立
(
た
)
つものだから、
028
お
前
(
まへ
)
も
冷静
(
れいせい
)
に
物
(
もの
)
を
考
(
かんが
)
へ、
029
決
(
けつ
)
して
騒
(
さわ
)
いではならないぞ』
030
熊彦
『
私
(
わたくし
)
も
大抵
(
たいてい
)
の
事
(
こと
)
ならば
騒
(
さわ
)
ぐ
男
(
をとこ
)
では
厶
(
ござ
)
いませぬが
確
(
たしか
)
な
証拠
(
しようこ
)
が
厶
(
ござ
)
います。
031
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
の
近侍
(
きんじ
)
に
仕
(
つか
)
へてゐる
友行
(
ともゆき
)
といふ
男
(
をとこ
)
、
032
実
(
じつ
)
は
私
(
わたくし
)
の
義理
(
ぎり
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
033
彼
(
かれ
)
がソツと
私
(
わたくし
)
まで
耳
(
みみ
)
うちをしてくれました。
034
グヅグヅしては
居
(
を
)
られませぬ。
035
キツと
今夜
(
こんや
)
攻寄
(
せめよ
)
せて
来
(
く
)
るに
間違
(
まちが
)
ひはないので
厶
(
ござ
)
います。
036
これが
違
(
ちが
)
うたら、
037
此
(
この
)
熊彦
(
くまひこ
)
は
二度
(
にど
)
とあなたのお
目
(
め
)
にはかかりませぬ』
038
鬼熊別
『
現
(
げん
)
に
俺
(
おれ
)
は
今
(
いま
)
、
039
大雲山
(
たいうんざん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
集会
(
しふくわい
)
に
参
(
まゐ
)
り、
040
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
の
面前
(
めんぜん
)
に
於
(
おい
)
て
議論
(
ぎろん
)
を
戦
(
たたか
)
はし、
041
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
の
疑惑
(
ぎわく
)
を
解
(
と
)
き、
042
漸
(
やうや
)
く
氷解
(
ひようかい
)
されて、
043
遂
(
つひ
)
には
石生能
(
いその
)
姫
(
ひめ
)
の
推薦
(
すいせん
)
に
依
(
よ
)
り、
044
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く
左守
(
さもり
)
に
任
(
にん
)
ぜられ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た
所
(
ところ
)
だ。
045
決
(
けつ
)
して
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
はあるまい。
046
大方
(
おほかた
)
何
(
なん
)
らかの
間違
(
まちが
)
ひだらう』
047
熊彦
『イヤ
其
(
その
)
事
(
こと
)
は
友行
(
ともゆき
)
から
能
(
よ
)
く
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
ります。
048
併
(
しか
)
しそれが
今晩
(
こんばん
)
の
大事変
(
だいじへん
)
を
起
(
おこ
)
した
原因
(
げんいん
)
です。
049
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
嫉妬
(
しつと
)
の
深
(
ふか
)
い
人物
(
じんぶつ
)
、
050
そこへ
寝
(
ね
)
ても
醒
(
さ
)
めても
忘
(
わす
)
れられぬ
惚
(
ほ
)
れ
切
(
き
)
つた
石生能
(
いその
)
姫
(
ひめ
)
さまが、
051
旦那
(
だんな
)
さまの
肩
(
かた
)
を
持
(
も
)
ち、
052
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
最
(
もつと
)
も
嫌
(
きら
)
ひ
給
(
たま
)
ふ
旦那
(
だんな
)
さまを
左守
(
さもり
)
に
任
(
にん
)
じ、
053
城内
(
じやうない
)
一切
(
いつさい
)
の
教務
(
けうむ
)
及
(
およ
)
び
国務
(
こくむ
)
を
総括
(
そうくわつ
)
せしめむとされたので、
054
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
気
(
き
)
が
気
(
き
)
でならず、
055
ぢやと
云
(
い
)
つて
最愛
(
さいあい
)
の
女房
(
にようばう
)
石生能
(
いその
)
姫
(
ひめ
)
の
言
(
げん
)
を
打消
(
うちけ
)
す
訳
(
わけ
)
にもゆかず、
056
イヤイヤながら
承諾
(
しようだく
)
したので
厶
(
ござ
)
います。
057
それより
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
旦那
(
だんな
)
さまを
亡
(
な
)
き
者
(
もの
)
に
致
(
いた
)
さねば
大変
(
たいへん
)
だと
考
(
かんが
)
へ、
058
石生能
(
いその
)
姫
(
ひめ
)
さまに
極内々
(
ごくないない
)
で
今夜
(
こんや
)
の
内
(
うち
)
に
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
をやつつけて
了
(
しま
)
へと、
059
数多
(
あまた
)
の
近侍
(
きんじ
)
に
命
(
めい
)
じて
今宵
(
こよひ
)
御
(
お
)
館
(
やかた
)
へ
襲来
(
しふらい
)
することになつたので
厶
(
ござ
)
います。
060
其
(
その
)
中
(
なか
)
の
一人
(
ひとり
)
なる
友行
(
ともゆき
)
がソツと
密書
(
みつしよ
)
を
以
(
もつ
)
て
私
(
わたくし
)
迄
(
まで
)
知
(
し
)
らしてくれたので
厶
(
ござ
)
いますから、
061
メツタに
間違
(
まちが
)
ひは
厶
(
ござ
)
いますまい。
062
サア
旦那
(
だんな
)
さま、
063
さう
安閑
(
あんかん
)
としてゐる
時
(
とき
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬ。
064
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
防戦
(
ばうせん
)
の
用意
(
ようい
)
を
致
(
いた
)
されるか、
065
但
(
ただし
)
は
今
(
いま
)
の
内
(
うち
)
に
此
(
この
)
館
(
やかた
)
を
逐電
(
ちくでん
)
なさらねば、
066
呑噬
(
どんぜい
)
の
悔
(
くい
)
を
残
(
のこ
)
すとも
及
(
およ
)
びませぬ。
067
及
(
およ
)
ばぬながらも
熊彦
(
くまひこ
)
がどこ
迄
(
まで
)
もお
供
(
とも
)
を
致
(
いた
)
し、
068
苦労
(
くらう
)
艱難
(
かんなん
)
を
共々
(
ともども
)
に
嘗
(
な
)
めても、
069
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
身辺
(
しんぺん
)
を
守
(
まも
)
らねばなりませぬ。
070
サア
早
(
はや
)
く
御
(
ご
)
決心
(
けつしん
)
を……』
071
と
促
(
うなが
)
せば、
072
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
は
高笑
(
たかわら
)
ひ、
073
鬼熊別
『アハヽヽヽ
何
(
なん
)
とマア
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
面白
(
おもしろ
)
いものだなア。
074
昨日
(
きのふ
)
の
敵
(
てき
)
は
今日
(
けふ
)
の
味方
(
みかた
)
、
075
今日
(
けふ
)
の
味方
(
みかた
)
は
明日
(
あす
)
の
敵
(
てき
)
、
076
昨日
(
きのふ
)
に
変
(
かは
)
る
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
、
077
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
は
世
(
よ
)
のならひ、
078
どうなり
行
(
ゆ
)
くも
宿世
(
すぐせ
)
の
因縁
(
いんねん
)
だ。
079
騒
(
さわ
)
ぐな、
080
あはてな。
081
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひし
梵天
(
ぼんてん
)
帝釈
(
たいしやく
)
自在天
(
じざいてん
)
の
御心
(
みこころ
)
に
任
(
まか
)
すより
外
(
ほか
)
に
取
(
と
)
るべき
手段
(
しゆだん
)
はない』
082
熊彦
『それはさうでも
厶
(
ござ
)
いませうが、
083
ミスミス
敵
(
てき
)
に
襲撃
(
しふげき
)
されるのを
前知
(
ぜんち
)
しながら
傍観
(
ばうくわん
)
してゐるのは
余
(
あま
)
り
気
(
き
)
が
利
(
き
)
かぬぢやありませぬか。
084
何
(
なん
)
とかそれに
対
(
たい
)
する
方法
(
はうはふ
)
手段
(
しゆだん
)
を
講
(
かう
)
ぜねば、
085
如何
(
どう
)
してあなたの
善
(
ぜん
)
が
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
分
(
わか
)
りませう。
086
今宵
(
こよひ
)
やみやみと
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
に
亡
(
ほろ
)
ぼされなば、
087
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
にかあなた
様
(
さま
)
の
恨
(
うらみ
)
が
晴
(
は
)
れませう……
否
(
いな
)
疑
(
うたが
)
ひがとけませう』
088
鬼熊別
『
吾々
(
われわれ
)
は
人
(
ひと
)
も
恨
(
うら
)
まない、
089
又
(
また
)
敵
(
てき
)
も
憎
(
にく
)
まない。
090
妻子
(
つまこ
)
には
離
(
はな
)
れ、
091
何程
(
なにほど
)
結構
(
けつこう
)
な
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
になつたとて、
092
一寸先
(
いつすんさき
)
は
分
(
わか
)
らぬ
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
093
ただ
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
すより
手段
(
しゆだん
)
がない。
094
神
(
かみ
)
さまが
吾々
(
われわれ
)
を
殺
(
ころ
)
さうと
思
(
おも
)
へば、
095
人
(
ひと
)
の
手
(
て
)
をかつてお
殺
(
ころ
)
し
遊
(
あそ
)
ばすだらうし、
096
まだ
娑婆
(
しやば
)
に
必要
(
ひつえう
)
があると
思召
(
おぼしめ
)
したら、
097
殺
(
ころ
)
さずにおかれるだらう。
098
一寸先
(
いつすんさき
)
は
人間
(
にんげん
)
の
目
(
め
)
からは
暗
(
やみ
)
だ。
099
只
(
ただ
)
刹那
(
せつな
)
の
心
(
こころ
)
を
楽
(
たの
)
しみ、
100
神司
(
かむづかさ
)
としての
最善
(
さいぜん
)
のベストを
尽
(
つく
)
せばいいのだ』
101
熊彦
『エヽこれ
程
(
ほど
)
申上
(
まをしあ
)
げても、
102
旦那
(
だんな
)
さまはお
聞
(
き
)
き
下
(
くだ
)
さりませぬか。
103
最早
(
もはや
)
是非
(
ぜひ
)
には
及
(
およ
)
びませぬ。
104
誠
(
まこと
)
にすまぬ
事
(
こと
)
ながら、
105
旦那
(
だんな
)
さまのお
痛
(
いた
)
はしい
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
ぬ
間
(
うち
)
にお
暇
(
ひま
)
を
賜
(
たま
)
はり、
106
ここにて
切腹
(
せつぷく
)
仕
(
つかまつ
)
ります。
107
左様
(
さやう
)
ならば
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
』
108
と
涙
(
なみだ
)
を
夕立
(
ゆふだち
)
の
如
(
ごと
)
くパラパラとこぼしながら、
109
早
(
はや
)
くも
懐剣
(
くわいけん
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
き、
110
腹
(
はら
)
十文字
(
じふもんじ
)
に
掻切
(
かきき
)
らむとするを、
111
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
はグツと
其
(
その
)
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
り、
112
鬼熊別
『アハヽヽヽ、
113
何
(
なん
)
と
気
(
き
)
の
早
(
はや
)
い
男
(
をとこ
)
だなア。
114
暇
(
ひま
)
をくれと
云
(
い
)
つても
暇
(
ひま
)
はやらぬ、
115
死
(
し
)
なしてくれと
申
(
まを
)
しても
決
(
けつ
)
して
死
(
し
)
なしはせぬぞ。
116
主従
(
しゆじゆう
)
の
間柄
(
あひだがら
)
といふものは
左様
(
さやう
)
な
水臭
(
みづくさ
)
いものではない。
117
お
前
(
まへ
)
が
死
(
し
)
にたければ、
118
俺
(
おれ
)
の
先途
(
せんど
)
を
見届
(
みとど
)
けて
其
(
その
)
後
(
のち
)
に
死
(
し
)
んだがよからう。
119
主人
(
しゆじん
)
より
先
(
さき
)
に
勝手
(
かつて
)
気儘
(
きまま
)
に
自殺
(
じさつ
)
するとは
不心得
(
ふこころえ
)
千万
(
せんばん
)
だ』
120
ときめつけられて、
121
熊彦
(
くまひこ
)
は
気
(
き
)
を
取
(
と
)
り
直
(
なほ
)
し、
122
熊彦
『これはこれは
若気
(
わかげ
)
の
至
(
いた
)
り、
123
血気
(
けつき
)
にはやり、
124
誠
(
まこと
)
にすまない
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました。
125
主人
(
しゆじん
)
の
意志
(
いし
)
に
従
(
したが
)
ふのは
下僕
(
しもべ
)
の
役
(
やく
)
、
126
モウ
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
何事
(
なにごと
)
も
申
(
まを
)
しませぬ。
127
どうぞ
主従
(
しゆじゆう
)
の
縁
(
えん
)
切
(
き
)
ること
丈
(
だけ
)
は
赦
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
128
決
(
けつ
)
して
旦那
(
だんな
)
さまより
先
(
さき
)
へは
早
(
はや
)
まつた
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬ。
129
同
(
おな
)
じ
死
(
し
)
ぬのならば、
130
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
と
渡
(
わた
)
り
合
(
あ
)
ひ、
131
旦那
(
だんな
)
さまの
馬前
(
ばぜん
)
に
於
(
おい
)
て、
132
斬死
(
きりじに
)
を
致
(
いた
)
します』
133
鬼熊別
『コリヤコリヤ
斬死
(
きりじに
)
などとは
不穏当
(
ふをんたう
)
きはまる。
134
如何
(
いか
)
なる
敵
(
てき
)
が
来
(
きた
)
るとも、
135
彼
(
かれ
)
がなすままに
任
(
まか
)
しておけ、
136
神
(
かみ
)
さまがよきやうにして
下
(
くだ
)
さるだらうから……』
137
熊彦
(
くまひこ
)
は、
138
熊彦
『ハイ』
139
と
答
(
こた
)
へてさし
俯
(
うつ
)
むき、
140
左右
(
さいう
)
の
肩
(
かた
)
を
上
(
あ
)
げ
下
(
さ
)
げしながら、
141
声
(
こゑ
)
を
忍
(
しの
)
ばせ、
142
しやくり
泣
(
な
)
きつつあつた。
143
○
144
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
側近
(
そばちか
)
く
仕
(
つか
)
へたる
侍従
(
じじゆう
)
の
面々
(
めんめん
)
は、
145
丑満
(
うしみつ
)
の
刻限
(
こくげん
)
を
伺
(
うかが
)
ひ、
146
裏門
(
うらもん
)
よりソツと
脱
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
し、
147
檳榔樹
(
びんらうじゆ
)
の
林
(
はやし
)
に
包
(
つつ
)
まれたる
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
が
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して、
148
黒装束
(
くろしやうぞく
)
に
身
(
み
)
をかため、
149
草鞋
(
わらぢ
)
脚絆
(
きやはん
)
を
穿
(
うが
)
ちながら
手槍
(
てやり
)
を
提
(
ひつさ
)
げ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
150
如何
(
いかが
)
はしけむ、
151
如時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
横幅
(
よこはば
)
五間
(
ごけん
)
ばかりの
深溝
(
ふかみぞ
)
の
橋梁
(
けうりやう
)
が
苦
(
く
)
もなく
墜落
(
つゐらく
)
して
居
(
ゐ
)
た。
152
一同
(
いちどう
)
は
立止
(
たちど
)
まり、
153
甲
(
かふ
)
『ヤアこりや
大変
(
たいへん
)
だ。
154
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
奴
(
やつ
)
、
155
早
(
はや
)
くも
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
行
(
ゆ
)
くのを
天眼通
(
てんがんつう
)
力
(
りき
)
にて
前知
(
ぜんち
)
したと
見
(
み
)
え、
156
橋
(
はし
)
を
落
(
おと
)
して
了
(
しま
)
ひよつた。
157
下手
(
しもて
)
の
橋
(
はし
)
へまはれば、
158
これより
一里半
(
いちりはん
)
ばかり、
159
さうかうしてる
間
(
ま
)
に
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けて
了
(
しま
)
ふ。
160
困
(
こま
)
つたことが
出来
(
でき
)
たワイ』
161
と
呟
(
つぶや
)
いてゐる。
162
これは
熊彦
(
くまひこ
)
がひそかに
部下
(
ぶか
)
数人
(
すうにん
)
に
命
(
めい
)
じ、
163
主人
(
しゆじん
)
の
危難
(
きなん
)
を
救
(
すく
)
ふべく
落
(
おと
)
させておいたのであつた。
164
乙
(
おつ
)
『オイ、
165
橋
(
はし
)
を
落
(
おと
)
して
用意
(
ようい
)
をして
居
(
ゐ
)
るくらいなれば、
166
先方
(
むかふ
)
にも
準備
(
じゆんび
)
をして
居
(
を
)
るだらう。
167
何程
(
なにほど
)
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
に
部下
(
ぶか
)
がないと
云
(
い
)
つても
館
(
やかた
)
の
中
(
なか
)
に
抱
(
かか
)
へてある
部下
(
ぶか
)
の
者
(
もの
)
は
七八十
(
しちはちじふ
)
人
(
にん
)
は
確
(
たしか
)
に
居
(
を
)
る。
168
何奴
(
どいつ
)
も
此奴
(
こいつ
)
も
皆
(
みな
)
命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずの
強者
(
つわもの
)
ばかりだ。
169
到底
(
たうてい
)
吾々
(
われわれ
)
の
力
(
ちから
)
では
及
(
およ
)
ぶまい。
170
騙討
(
だましうち
)
ならば
彼奴
(
あいつ
)
等
(
ら
)
の
眠
(
ねむ
)
つてゐる
内
(
うち
)
に、
171
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へふみ
込
(
こ
)
んで
仕止
(
しと
)
められぬ
事
(
こと
)
もないが、
172
モウ
斯
(
か
)
うなつては
公然
(
こうぜん
)
の
戦
(
たたか
)
ひだ。
173
オイ
今晩
(
こんばん
)
はモウ
中止
(
ちうし
)
したら
如何
(
どう
)
だ。
174
そして
敵
(
てき
)
に
油断
(
ゆだん
)
をさせ、
175
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
経
(
た
)
つた
所
(
ところ
)
で、
176
ソツと
夜襲
(
やしふ
)
を
試
(
こころ
)
みることにしようかい』
177
甲
(
かふ
)
『それだと
云
(
い
)
つて、
178
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
が
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
を
御
(
ご
)
信任
(
しんにん
)
遊
(
あそ
)
ばし、
179
是非
(
ぜひ
)
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
の
手
(
て
)
をからねばならぬと、
180
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して
仰有
(
おつしや
)
つたでないか。
181
沢山
(
たくさん
)
な
強者
(
つわもの
)
もあるに、
182
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
のやうな
奥勤
(
おくづと
)
めをする
者
(
もの
)
に
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
が
下
(
さが
)
つたのは、
183
実
(
じつ
)
に
光栄
(
くわうえい
)
といはねばらぬ。
184
御
(
ご
)
信任
(
しんにん
)
が
厚
(
あつ
)
ければこそ、
185
こんな
秘密
(
ひみつ
)
の
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
たして
下
(
くだ
)
さつたのだ。
186
其
(
その
)
御
(
ご
)
信任
(
しんにん
)
に
対
(
たい
)
してもノメノメと
引返
(
ひきかへ
)
す
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
くまいぞ』
187
乙
(
おつ
)
『
何程
(
なにほど
)
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
だと
言
(
い
)
つても、
188
橋
(
はし
)
は
落
(
おと
)
され、
189
敵
(
てき
)
は
数倍
(
すうばい
)
の
勢力
(
せいりよく
)
、
190
到底
(
たうてい
)
駄目
(
だめ
)
だ。
191
何
(
なん
)
とか
口実
(
こうじつ
)
を
設
(
まう
)
けて、
192
今晩
(
こんばん
)
はゴミを
濁
(
にご
)
しておかうぢやないか』
193
甲
(
かふ
)
『
怪
(
け
)
しからぬことをいふな。
194
家来
(
けらい
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として、
195
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
を
詐
(
いつは
)
るといふことがあるか。
196
仮令
(
たとへ
)
命
(
いのち
)
はなくなつても、
197
此
(
この
)
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
すのが
吾々
(
われわれ
)
の
勤
(
つと
)
めだ。
198
事
(
こと
)
の
成否
(
せいひ
)
はさておき、
199
如何
(
どう
)
しても
良心
(
りやうしん
)
が
承知
(
しようち
)
をせぬ。
200
何
(
なん
)
とかして
此
(
この
)
橋
(
はし
)
を
向方
(
むかふ
)
へ
渡
(
わた
)
り、
201
吾
(
わが
)
良心
(
りやうしん
)
に
満足
(
まんぞく
)
を
与
(
あた
)
へ、
202
精忠
(
せいちう
)
無比
(
むひ
)
の
奴
(
やつ
)
と
褒
(
ほ
)
められねばならないではないか』
203
乙
(
おつ
)
『ハヽヽヽヽ、
204
良心
(
りやうしん
)
や
精忠
(
せいちう
)
無比
(
むひ
)
が
聞
(
き
)
いて
呆
(
あき
)
れるワイ。
205
とは
云
(
い
)
ふものの、
206
俺
(
おれ
)
も
主人
(
しゆじん
)
の
為
(
ため
)
、
207
身
(
み
)
を
粉
(
こな
)
にしてでも
此
(
この
)
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
したいのだが、
208
翼
(
つばさ
)
なき
身
(
み
)
を
如何
(
いか
)
にせむ、
209
此
(
この
)
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
ることが
出来
(
でき
)
ねば
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
駄目
(
だめ
)
だ。
210
見
(
み
)
よ、
211
大雲山
(
たいうんざん
)
より
流
(
なが
)
れ
来
(
きた
)
る
此
(
この
)
激流
(
げきりう
)
、
212
もし
過
(
あやま
)
つて
水中
(
すゐちう
)
に
陥
(
おちい
)
りなば、
213
それこそ
一
(
いち
)
もとらず
二
(
に
)
もとらず、
214
犬
(
いぬ
)
に
咬
(
か
)
まれたやうなものだ』
215
甲
(
かふ
)
『イヤ
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
、
216
俺
(
おれ
)
もかうはいふものの、
217
俺
(
おれ
)
の
良心
(
りやうしん
)
も
良心
(
りやうしん
)
だ。
218
チツとは
怪
(
あや
)
しくなつて
来
(
き
)
たよ。
219
不精忠
(
ふせいちう
)
無比
(
むひ
)
の
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
が、
220
ソロソロ
頭
(
あたま
)
をもたげて
来
(
き
)
さうで……ないワイ。
221
斯
(
か
)
うしてゐる
内
(
うち
)
に
夜
(
よ
)
も
明方
(
あけがた
)
に
近
(
ちか
)
くなる。
222
さうすりや、
223
却
(
かへつ
)
て
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
言訳
(
いひわけ
)
が
立
(
た
)
つ、
224
あの
橋
(
はし
)
が
落
(
お
)
ちてゐた
為
(
ため
)
に、
225
架橋
(
かけう
)
工事
(
こうじ
)
に
暇取
(
ひまど
)
り、
226
とうとう
夜
(
よ
)
があけて
了
(
しま
)
つたから、
227
又
(
また
)
出直
(
でなほ
)
して
夜襲
(
やしふ
)
に
参
(
まゐ
)
りませうと、
228
甘
(
うま
)
い
口実
(
こうじつ
)
が
出来
(
でき
)
たぢやないか。
229
これ
全
(
まつた
)
く
大自在天
(
だいじざいてん
)
様
(
さま
)
が
吾々
(
われわれ
)
を
愛
(
あい
)
し
給
(
たま
)
ふ
慈悲
(
じひ
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
、
230
あゝ
有難
(
ありがた
)
し
勿体
(
もつたい
)
なし、
231
願
(
ねが
)
はくは
自在天
(
じざいてん
)
様
(
さま
)
、
232
此
(
この
)
橋
(
はし
)
はいつ
迄
(
まで
)
もかからずに
居
(
を
)
ります
様
(
やう
)
に……とは
申
(
まを
)
しませぬ。
233
それは
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
申
(
まを
)
す
言葉
(
ことば
)
、
234
どうぞ
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
完全
(
くわんぜん
)
な
橋
(
はし
)
が
架
(
かか
)
り、
235
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
の
恨
(
うら
)
みの
敵
(
てき
)
が
亡
(
ほろ
)
びますやう、
236
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
を
偏
(
ひとへ
)
に
希
(
こひねが
)
ひ
上
(
あ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
ります』
237
乙
(
おつ
)
『ウフヽヽヽ』
238
一同
(
いちどう
)
『イヒヽヽヽ』
239
(
大正一一・一一・一
旧九・一三
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 出陣
(B)
(N)
珍客 >>>
第1篇 恋雲魔風 > 第3章 落橋
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第3章 落橋|/rm4003】
合言葉「みろく」を入力して下さい→