霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 使者(ししや)〔一〇九二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第2篇 寒梅照国 よみ(新仮名遣い):かんばいしょうこく
章:第8章 使者 よみ(新仮名遣い):ししゃ 通し章番号:1092
口述日:1922(大正11)年11月02日(旧09月14日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ケーリスとタークスの二人は、述懐の歌を歌いながら清春山を登っていく。照国別に託された手紙を岩窟にいるバラモン教徒たちに渡すためにやってきたのであった。
ようやく岩窟の前にたどり着いた二人は、耳を澄ますと奥から騒々しい声が聞こえてくる。二人は腕を組み頭を傾けて中の様子を怪しんでいる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-11-29 09:59:35 OBC :rm4008
愛善世界社版:93頁 八幡書店版:第7輯 453頁 修補版: 校定版:97頁 普及版:45頁 初版: ページ備考:
001ケーリス、タークス両人(りやうにん)
002照国別(てるくにわけ)命令(めいれい)
003(よろこ)(いさ)(まも)りつつ
004栗毛(くりげ)(こま)(またが)りて
005クルスの(もり)()(いだ)
006一目散(いちもくさん)大野原(おほのはら)
007()()(かぜ)頭髪(とうはつ)
008(くしけづ)りつつ驀地(まつしぐら)
009(たに)()()(やま)(わた)
010秋野(あきの)にすだく(むし)(こゑ)
011いと(かな)しげに(きこ)ゆなる
012荒野(あらの)(はら)辿(たど)りつつ
013(いきほ)()んで村肝(むらきも)
014(こころ)(いさ)(たましひ)
015清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)
016(すす)()くこそ健気(けなげ)なれ
017清春山(きよはるやま)(ふもと)にて
018(こま)()りすて両人(りやうにん)
019崎嶇(きく)たる(さか)(のぼ)りつつ
020三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)
021(うた)(うた)ひて(すす)()く。
022 ケーリス、023タークス両人(りやうにん)清春山(きよはるやま)山麓(さんろく)(こま)をつなぎ、024(はげ)しき山颪(やまおろし)(あた)りながらエイヤ エイヤと一歩(ひとあし)々々(ひとあし)(ちから)をこめて(のぼ)るのであつた。025ケーリスは道々(みちみち)(うた)ふ。
026ケーリス(かみ)(おもて)(あら)はれて
027善神(ぜんしん)邪神(じやしん)立分(たてわ)ける
028(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
029とはいひながら(ひと)()
030いかでか(かみ)(さば)きえむ
031三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)
032(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
033仁慈(じんじ)無限(むげん)()聖徳(せいとく)
034五六七(みろく)(かみ)()れましぬ
035バラモン(けう)()(たま)
036大黒主(おほくろぬし)神司(かむづかさ)
037(たふと)(かみ)(きこ)ゆれど
038(その)(みなもと)をたづぬれば
039常世(とこよ)(くに)()れませる
040常世(とこよ)神王(しんわう)自在天(じざいてん)
041大国彦(おほくにひこ)御裔(みすゑ)なる
042大国別(おほくにわけ)神司(かむつかさ)
043(ひら)(たま)ひし(おん)(をしへ)
044(この)正統(せいとう)(うづ)御子(みこ)
045国別彦(くにわけひこ)(あら)はれて
046バラモン(けう)(まも)りまし
047()べさせ(たま)(みち)なるに
048鬼雲彦(おにくもひこ)(あら)はれて
049国別彦(くにわけひこ)放逐(はうちく)
050(みづか)教主(けうしゆ)となりすまし
051大黒主(おほくろぬし)()()へて
052(つき)(みやこ)威勢(ゐせい)よく
053(あら)はれ(きた)りし曲津(まがつ)(かみ)
054(ぜん)(あく)とは(あきら)かに
055これにて(おも)()られけり
056ウラルの(をしへ)(ほう)じたる
057ウラルの(ひこ)(みなもと)
058(くは)しくたづね調(しら)ぶれば
059(この)()(ひら)(たま)ひたる
060塩長彦(しほながひこ)神柱(かむばしら)
061盤古(ばんこ)神王(しんわう)正系(せいけい)
062疎外(そぐわい)しながら傲然(がうぜん)
063八王(やつわう)大神(だいじん)御裔(みすゑ)なる
064ウラルの(ひこ)やウラル(ひめ)
065その正系(せいけい)(いつは)りて
066(まが)(をしへ)遠近(をちこち)
067(ひら)いて(この)()(みだ)()
068(その)やり(かた)物凄(ものすご)
069あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
070御霊(みたま)(さち)はひましまして
071三五教(あななひけう)やウラル(けう)
072バラモン(けう)障壁(しやうへき)
073(いち)()(はや)撤回(てつくわい)
074天地(てんち)(つく)(かた)めたる
075国治立(くにたるたちの)大神(おほかみ)
076(ひと)つの(をしへ)(まつろ)ひて
077(かみ)(おん)()()()めに
078世界(せかい)(そろ)うて一日(いちじつ)
079(はや)(まこと)(つく)すべく
080(まも)らせ(たま)三五(あななひ)
081(たふと)(かみ)(おん)(まへ)
082ケーリス、タークス両人(りやうにん)
083(つつし)(うやま)()ぎまつる
084朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
085(つき)()つとも()くるとも
086仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
087(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
088(をしへ)(まも)(こと)ならば
089如何(いか)なる(こと)()らざらむ
090如何(いか)なる(まが)(おそ)れむや
091(かみ)(われ)()(とも)にあり
092(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
093これの(たふと)御諭(みさとし)
094三五教(あななひけう)(おん)(をしへ)
095バラモン(けう)(くら)ぶれば
096天地(てんち)霄壌(せうじやう)(ちが)ひあり
097月日(つきひ)(そら)(あきら)かに
098(かがや)(わた)吾々(われわれ)
099(かうべ)()らし(たま)ひつつ
100(こころ)にかかる村雲(むらくも)
101(かみ)息吹(いぶき)(はら)()
102(きよ)()らさせ(たま)ひけり
103(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
104(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
105(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
106直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
107()(あやま)ちは()(なほ)
108かく(あきら)けき御教(みをしへ)
109(まも)(たま)へる神司(かむづかさ)
110照国別(てるくにわけ)吾々(われわれ)
111(もも)(つみ)をば(ゆる)しまし
112生命(いのち)(たす)(いたは)りて
113まだホヤホヤの信徒(しんと)をば
114(すこ)しも(うたが)(たま)はずに
115かくも(たふと)御使(みつかひ)
116()さし(たま)ひし有難(ありがた)
117(こころ)(うみ)(ごと)くなり
118(みたま)(そら)(ごと)くなり
119あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
120(かみ)(まも)りの(ふか)くして
121(いま)まで(まよ)ひしバラモンの
122(むね)(まつた)()(きた)
123至仁(しじん)至愛(しあい)大神(おほかみ)
124(をしへ)(つか)ふる(うれ)しさよ
125あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
126御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
127(うた)ひながら清春山(きよはるやま)峻坂(しゆんぱん)(のぼ)りつつあつた。128最早(もはや)(やま)三合目(さんがふめ)(まで)(のぼ)りついた。129これより(さか)益々(ますます)(けは)しく(みち)()しく容易(ようい)(のぼ)(こと)出来(でき)ない難路(なんろ)である。130タークスは一歩(ひとあし)々々(ひとあし)指先(ゆびさき)(ちから)()れながら、131(いき)(はづ)ませ(のぼ)りつつ拍子(ひやうし)をとつて(うた)()した。
132タークス『ウントコドツコイ、ハアハアハア
133フウフウフウフウ息苦(いきぐる)
134断崕(だんがい)絶壁(ぜつぺき)きつい(みち)
135こんな(ところ)()けたなら
136(からだ)(たちま)千仭(せんじん)
137谷間(たにま)にドツコイ転落(てんらく)
138(あたま)はめしやげ(うで)()
139手足(てあし)五体(ごたい)もグタグタに
140なつて猛獣(まうじう)のウントコシヨ
141うまい餌食(ゑじき)になるだらう
142ウントコドツコイ、ハアハアハア
143コリヤ コリヤ ケーリス()をつけよ
144これから(さき)難関(なんくわん)
145照国別(てるくにわけ)()命令(めいれい)
146首尾(しゆび)よく御用(ごよう)をウントコシヨ
147()まして目出度(めでた)(かへ)(ごと)
148(まを)()げねば(いのち)をば
149(たす)けて(もら)うたウントコシヨ
150()恩報(おんはう)じが出来(でき)まいぞ
151(また)もや(はげ)しい(かぜ)()
152そこらの樹木(じゆもく)をしつかりと
153(つか)まへながら指先(ゆびさき)
154(ちから)をこめて(のぼ)らうか
155こんな(はげ)しいドツコイシヨ
156凩風(こがらしかぜ)()かれては
157(おれ)(からだ)()りさうだ
158ポーロやシヤムの連中(れんちう)
159(さぞ)今頃(いまごろ)はドツコイシヨ
160目玉(めだま)(ひか)つたウントコシヨ
161大足別(おほだるわけ)(つかさ)()
162カルマタ(こく)出陣(しゆつぢん)
163主人(あるじ)留守(るす)間鍋焚(まなべた)
164(おく)一間(ひとま)胡坐(あぐら)かき
165ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
166(あぢ)よい(さけ)()()して
167鱈腹(たらふく)()んで(くだ)()
168ウントコドツコイ、ヘベレケに
169なつて(かうべ)右左(みぎひだり)
170張子(はりこ)(とら)のウントコシヨ
171(やう)にプリプリふりながら
172駄法螺(だぼら)()いて()るだらう
173照国別(てるくにわけ)()手紙(てがみ)
174如何(いか)なる(こと)がドツコイシヨ
175()いてあるかは()らねども
176ポーロの(やつ)はドツコイシヨ
177(さだ)めて(おどろ)(こと)だらう
178ウントコドツコイ(その)(かほ)
179(いま)()のあたり()るやうに
180(おも)ひなされて仕様(しやう)がない
181(あめ)(あられ)(また)(かぜ)
182地震(ぢしん)(かみなり)()(あめ)
183(いづ)れはドツコイ悶錯(もんさく)
184(おこ)つて()るに(ちが)ひない
185(その)(とき)ケーリス、ドツコイシヨ
186シツカリ(いた)して曲神(まがかみ)
187ちよろまかされてはならないぞ
188一旦(いつたん)(まこと)御教(みをしへ)
189(さと)つた(うへ)はウントコシヨ
190ハアハアハアハア後返(あとがへ)
191してはならない(かみ)(みち)
192(のぼ)(がた)きは坂道(さかみち)
193(まこと)(みち)(すす)むのは
194(この)坂道(さかみち)をのぼるやうな
195ウントコドツコイものだらう
196チツとの油断(ゆだん)があつたなら
197ガラガラガラガラ後戻(あともど)
198(するど)(とが)つたガラ(いし)
199(くるま)()つて谷底(たにそこ)
200()ちてはならぬドツコイシヨ
201(かみ)(おもて)(あら)はれて
202善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)立分(たてわ)ける
203(その)功績(いさをし)はドツコイシヨ
204天地(てんち)(ひろ)()(わた)
205(いかづち)(ごと)ドツコイシヨ
206(ねむ)れる(ひと)()()まし
207(こころ)(まが)()ひやりて
208水晶玉(すゐしやうだま)(かみ)(みや)
209(すく)はせ(たま)有難(ありがた)
210あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
211ドツコイ ドツコイ(おん)(みたま)
212(さち)はひ(たま)ひて吾々(われわれ)
213(かた)(こころ)(いや)(かた)
214()らせ(たま)へよ三五(あななひ)
215(かみ)(つかさ)太柱(ふとばしら)
216(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
217御前(みまへ)(ねが)(たてまつ)
218朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
219(つき)()つとも()くるとも
220ウントコドツコイ(やま)()
221(うみ)はあせなむ()はありとも
222一旦(いつたん)(さと)つた三五(あななひ)
223(かみ)(をしへ)(わす)れなよ
224あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
225ケーリスしつかり肝玉(きもだま)
226()ゑてかかれよ(いま)(しば)
227(のぼ)つて()けば岩窟(がんくつ)
228ポーロやシヤムの(かほ)()
229もとの(ごと)くに撥返(はねかへ)
230バラモン(けう)堕落(だらく)して
231(かみ)(いか)りに()れざらめ
232(おれ)はお(まへ)親友(しんいう)
233(まへ)(おも)(こころ)から
234くどい(こと)とは()りながら
235一寸(ちよつと)此処(ここ)にて()をつける
236ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
237アイタタタツタ、アイタツタ
238あんまり(しやべ)つて足許(あしもと)
239(まなこ)(くば)るを(わす)れたか
240(とが)つた(いし)のウントコシヨ
241(さか)(くるま)()せられて
242したたか()つた膝頭(ひざがしら)
243(あか)血潮(ちしほ)がドツコイシヨ
244タラタラタラと(なが)()
245(この)()(いろ)(なが)むれば
246余程(よつぽど)(おれ)(たましひ)
247(きよ)められたに(ちが)ひない
248鮮血(せんけつ)淋漓(りんり)(ほとばし)
249(あづま)(そら)(あかね)さす
250()大神(おほかみ)(ごと)くなり
251(まこと)(みち)(まつろ)ひて
252(あさ)(ゆふ)なに肉体(にくたい)
253活動(くわつどう)させて()るならば
254筋肉(きんにく)次第(しだい)活動(くわつどう)
255血液(けつえき)流通(りうつう)よくなつて
256ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
257鬱血(うつけつ)するよな(うれ)ひない
258(からだ)をヂツと(あそ)ばせて
259体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(こと)ばかり
260(かんが)(くら)枉神(まがかみ)
261血潮(ちしほ)(いろ)真黒気(まつくろけ)
262ヤツトコドツコイ小人(せうじん)
263閑居(かんきよ)しながらウントコシヨ
264不善(ふぜん)()すと()くからは
265(ひと)(うま)れし(この)(うへ)
266月日(つきひ)(ごと)朝夕(あさゆふ)
267タイムを(をし)んで活動(くわつどう)
268ウントコドツコイ光陰(くわういん)
269(むな)しく(つひ)やすウントコシヨ
270不道理(ふだうり)至極(しごく)(こと)をせず
271(あさ)から(ばん)まで(みち)のため
272(まこと)のために(はたら)けば
273こんな(うつく)しい()(めぐ)
274あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
275三五教(あななひけう)(かみ)(さま)
276(うづ)御前(みまへ)真心(まごころ)
277(ささ)げて感謝(かんしや)(たてまつ)る』
278 (やうや)くにしてポーロ、279シヤム()(まも)つて()岩窟(いはや)(まへ)両人(りやうにん)辿(たど)りついた。280岩窟(いはや)(くち)二人(ふたり)はソツと(たたず)み、281(なか)様子(やうす)(ひそか)(うかが)へば、282(おく)には(なん)となく騒々(さうざう)しい阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)(こゑ)(きこ)えて()る。283ケーリス、284ターリス両人(りやうにん)(うで)()(かうべ)(かたむ)けながら、
285『はてな』
286大正一一・一一・二 旧九・一四 北村隆光録)
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