月の影山にかくれて曲神のさやぎ一入高くなるなり〈序文に代へて(初版)〉
打ち寄する醜の荒波高くともやがては和がむ心安の海は〈序文に代へて(初版)〉
桶伏の山に神霊を止めつつ西行く月の影は清けし〈緒言(初版)〉
高山の醜の嵐は強くとも時さへ待たば静まり行かむ〈緒言(初版)〉
月入りて再び出づる松の代を憧憬れ暮す信徒の群〈緒言(初版)〉
神のため世人のために聖場を離れて高き神国に住むも〈総説(初版)〉
曲神の舌の剣に悩まされ出で行く吾は神と倶なり〈総説(初版)〉
日の本の人の心に飽き果てて進み行くかも青山の空に〈総説(初版)〉
ともすれば昔の御魂のあらはれて乱さむとする○役の魂〈一章(初版)〉
固陋なる頭脳の持主大本に一人あるため道は進まず〈一章(初版)〉
曲彦や醜原別の精霊は今に残りて神に刃向かふ〈一章(初版)〉
草枕旅に出でたる人の身を悲しみ歎く真人愛しき〈三章(初版)〉
真明の光は東の大空ゆ輝き初めむ常世の野辺に〈四章(初版)〉
三千年の永き年月待ちあぐむ君とし知らば世人勇まむ〈四章(初版)〉
天の下四方の民草守らむと神と倶なる吾は出で行くも〈六章(初版)〉
善のため善を行ひ愛のため愛を行ふは真人なりけり〈七章(初版)〉
愛善の徳に住する真人はこの世ながらの天人なりけり〈七章(初版)〉
常世なる曲神等に聖場を汚され吾は神に泣謝す〈八章(初版)〉
天の下四方の国々人草を救はむとして雲に隠るる〈九章(初版)〉
わが姿目に見えずとも驚くな真の神に姿なければ〈九章(初版)〉
春の花秋の紅葉も今よりは光さやかに見え初めにけり〈十一章(初版)〉
月雪も花も忘れて神のため尽し来たりし吾は嬉しき〈十一章(初版)〉
天地の秘密も人の運命も落つる桐葉の中に潜める〈十四章(初版)〉
曲神の醜の猛びの強くして神の柱を打ち倒しける〈十四章(初版)〉
省みる事をば知らぬ八十曲霊群がり住める聖場の庭〈十四章(初版)〉
わが曲を覆ひかくして罪科を瑞の御魂に負はす醜神〈十六章(初版)〉
黄金の光出づると聞きしより伊寄り来るかも欲の醜神〈十六章(初版)〉
吾が出でし後の聖地は皇神の恵の露は一入注がむ〈二十章(初版)〉
しばしの間嵐吹けども皇神の御水火に触れて安く和ぐべし〈二十章(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]