霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第46巻(酉の巻)
序文
総説
第1篇 仕組の縺糸
第1章 榛並樹
第2章 慰労会
第3章 噛言
第4章 沸騰
第5章 菊の薫
第6章 千代心
第7章 妻難
第2篇 狐運怪会
第8章 黒狐
第9章 文明
第10章 唖狐外れ
第11章 変化神
第12章 怪段
第13章 通夜話
第3篇 神明照赫
第14章 打合せ
第15章 黎明
第16章 想曖
第17章 惟神の道
第18章 エンゼル
第4篇 謎の黄板
第19章 怪しの森
第20章 金の力
第21章 民の虎声
第22章 五三嵐
第23章 黄金華
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第46巻(酉の巻)
> 第3篇 神明照赫 > 第18章 エンゼル
<<< 惟神の道
(B)
(N)
怪しの森 >>>
第一八章 エンゼル〔一二二八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻
篇:
第3篇 神明照赫
よみ(新仮名遣い):
しんめいしょうかく
章:
第18章 エンゼル
よみ(新仮名遣い):
えんぜる
通し章番号:
1228
口述日:
1922(大正11)年12月16日(旧10月28日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年9月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
お寅と魔我彦が論戦する中へお千代がやってきた。お千代は二人の前に駆け上がり、もろ手を組んでウンとひと声三尺ばかり空中に飛び上がり、キチンと二人の前に端座した。お寅も魔我彦も威厳備わり優美なお千代の姿に思わず頭を下げ、両手をついてかしこまった。
お千代は自分はユラリ彦命であり、小北山の祭神の善悪正邪についての論戦に結論を与えるために天極紫微宮から降臨したとおごそかに宣旨した。
お千代にかかった天使は、小北山にまつった神は八衢にさまよい、または根底の国の醜神であると告げた。そして人は天地の司であるので、けがれた神も救うべきだと述べた。
天使はユラリ彦とはロッキー山の曲神であり、魔我彦を救うために自分はその神名を借りたにすぎないと述べ、小北山は罪や汚れを犯した曲の霊を祀っていると明かした。
魔我彦も天使の託宣に今までの信仰の過ちを悔い、自分の心の曲の仕業であると述べた。お寅は、自分の心の鬼に罪とがをきせてはならないと諭した。魔我彦はエンゼルの訓戒によって心の闇を晴らし、無限の歓喜を感得することを得た。魔我彦はエンゼルに向かってその神恩を感謝した。
魔我彦はこれからは一心に真の神様のために全力を注ぐ考えだと決意を述べた。天使は、神の力は広大無辺だから汝の力を加える余地は少しもない、ただ汝は天の良民として身につける一切のものを完全に照り輝かし、万一余裕があればこれを人に施せと諭した。
あくまで自分は人を救いたいと訴える魔我彦に対し、天使は世を救い人を救うは救世主の神業であると説いた。宣伝使は単に、神の有難きこと、尊きことを体得してこれを世人に宣べ伝えるのみであると教示した。
エンゼルの訓戒にお寅と魔我彦は歓喜の涙をしゃくりあげてうずくまっていた。あたりに芳香薫じ微妙の音楽が耳に入ると見る間に、エンゼルは元津御座に帰り給うた。お千代は元のあどけない少女に代わってしまった。
魔我彦は初めて前非を悔い、神の光に照らされ、松彦の指揮にしたがって小北山の祭神をひとところにあつめて厳粛な修祓式を行った。そして誠の神を鎮祭することを心から承認したのである。松彦を斎主とし、五三公を祓戸主とし、厳粛な遷座式に着手することとなった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-03-17 19:20:24
OBC :
rm4618
愛善世界社版:
220頁
八幡書店版:
第8輯 437頁
修補版:
校定版:
231頁
普及版:
91頁
初版:
ページ備考:
001
お
寅
(
とら
)
、
002
魔我彦
(
まがひこ
)
両人
(
りやうにん
)
が、
003
犬
(
いぬ
)
と
猫
(
ねこ
)
とが
互
(
たがひ
)
に
隙
(
すき
)
を
窺
(
うかが
)
ひ、
004
虚々
(
きよきよ
)
実々
(
じつじつ
)
論戦
(
ろんせん
)
に
火花
(
ひばな
)
を
散
(
ち
)
らし、
005
仁義
(
じんぎ
)
の
争
(
あらそ
)
ひ、
006
最
(
もつと
)
も
酣
(
たけなは
)
なる
所
(
ところ
)
へ、
007
エンゼルの
如
(
ごと
)
き
美人
(
びじん
)
が
降
(
くだ
)
つて
来
(
き
)
た。
008
これは
言
(
い
)
ふまでもなくお
千代
(
ちよ
)
であつた。
009
お
千代
(
ちよ
)
は
足早
(
あしばや
)
に
二人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
にかけ
上
(
あが
)
り、
010
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み、
011
ウンと
一声
(
ひとこゑ
)
、
012
三尺
(
さんじやく
)
ばかり
空中
(
くうちう
)
に
飛上
(
とびあが
)
り、
013
キチンと
二人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
に
端坐
(
たんざ
)
した。
014
お
寅
(
とら
)
も
魔我彦
(
まがひこ
)
も、
015
威厳
(
ゐげん
)
備
(
そな
)
はり
何
(
なん
)
となく
優美
(
いうび
)
なる
乙女
(
をとめ
)
の
姿
(
すがた
)
に、
016
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
頭
(
かしら
)
を
下
(
さ
)
げ、
017
両手
(
りやうて
)
をついて
畏
(
かしこ
)
まつた。
018
千代
(
ちよ
)
『われこそはユラリ
彦
(
ひこの
)
命
(
みこと
)
なり。
019
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
両人
(
りやうにん
)
、
020
小北山
(
こぎたやま
)
の
祭神
(
さいじん
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
に
就
(
つ
)
いて
論戦
(
ろんせん
)
稍
(
やや
)
久
(
ひさ
)
しきを
知
(
し
)
り、
021
天極
(
てんきよく
)
紫微宮
(
しびきう
)
より
降臨
(
かうりん
)
し、
022
汝
(
なんぢ
)
両人
(
りやうにん
)
が
迷夢
(
めいむ
)
を
醒
(
さ
)
まさむとす、
023
謹聴
(
きんちやう
)
あれよ』
024
とおごそかに
宣示
(
せんじ
)
した。
025
お
寅
(
とら
)
は
意外
(
いぐわい
)
の
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれ、
026
実否
(
じつぴ
)
如何
(
いかん
)
と、
027
神勅
(
しんちよく
)
の
裁断
(
さいだん
)
を
待
(
ま
)
つてゐる。
028
魔我彦
(
まがひこ
)
は
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
にて……それお
寅
(
とら
)
さま、
029
御覧
(
ごらん
)
なさい、
030
ヤツパリ
私
(
わたし
)
の
信仰
(
しんかう
)
するユラリ
彦
(
ひこの
)
命
(
みこと
)
さまは
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
だろ、
031
此
(
この
)
エンゼルの
降臨
(
かうりん
)
に
依
(
よ
)
つて、
032
一切
(
いつさい
)
の
迷夢
(
めいむ
)
を
醒
(
さ
)
ましなされ……と
口
(
くち
)
には
言
(
い
)
はねど、
033
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
期待
(
きたい
)
してゐる。
034
魔我
(
まが
)
『これはこれはユラリ
彦様
(
ひこさま
)
、
035
よくマア
御
(
ご
)
降臨
(
かうりん
)
下
(
くだ
)
さいました。
036
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はお
寅
(
とら
)
さまと、
037
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
おん
)
事
(
こと
)
や
信仰
(
しんかう
)
上
(
じやう
)
の
点
(
てん
)
に
就
(
つい
)
て
衝突
(
しようとつ
)
を
来
(
きた
)
し、
038
互
(
たがひ
)
に
論戦
(
ろんせん
)
をしてゐた
所
(
ところ
)
で
厶
(
ござ
)
います。
039
どうぞ
明晰
(
めいせき
)
なる
御
(
ご
)
宣示
(
せんじ
)
を
願
(
ねが
)
ひたう
厶
(
ござ
)
います』
040
天使
(
てんし
)
『
魔我彦
(
まがひこ
)
、
041
汝
(
なんぢ
)
の
苦悶
(
くもん
)
をはらすべく
降臨
(
かうりん
)
せしものなれば、
042
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
はいらぬ、
043
何事
(
なにごと
)
でも
質問
(
しつもん
)
をなされよ』
044
魔我彦
『
然
(
しか
)
らばお
言葉
(
ことば
)
に
甘
(
あま
)
へてお
尋
(
たづ
)
ね
致
(
いた
)
しますが、
045
此
(
この
)
小北山
(
こぎたやま
)
にお
祀
(
まつ
)
りしてある
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
有名
(
いうめい
)
無実
(
むじつ
)
だとお
寅
(
とら
)
さまが
申
(
まを
)
しますが、
046
実際
(
じつさい
)
は
如何
(
いかが
)
で
厶
(
ござ
)
いませうか。
047
ある
神
(
かみ
)
ならばあると
仰有
(
おつしや
)
つて
頂
(
いただ
)
きたい。
048
なき
神
(
かみ
)
ならば、
049
ないと
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さらば、
050
それにて
私
(
わたし
)
は
去就
(
きよしう
)
を
決
(
けつ
)
します』
051
天使
『
此
(
この
)
小北山
(
こぎたやま
)
に
祀
(
まつ
)
られたる
大小
(
だいせう
)
無数
(
むすう
)
の
神霊
(
しんれい
)
は、
052
宇宙
(
うちう
)
に
存在
(
そんざい
)
せるは
確
(
たしか
)
なる
事実
(
じじつ
)
である。
053
生羽
(
いきば
)
神社
(
じんしや
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
054
リンドウビテンの
大神
(
おほかみ
)
、
055
五六七
(
みろく
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
神
(
かみ
)
、
056
木曽
(
きそ
)
義姫
(
よしひめ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
057
旭
(
あさひ
)
の
豊栄昇
(
とよさかのぼ
)
り
姫
(
ひめ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
058
地
(
ち
)
の
世界
(
せかい
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
059
日
(
ひ
)
の
丸姫
(
まるひめ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
060
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
、
061
玉則姫
(
たまのりひめ
)
、
062
大将軍
(
だいしやうぐん
)
、
063
常世姫
(
とこよひめ
)
、
064
ヘグレ
神社
(
じんしや
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
065
末代
(
まつだい
)
日
(
ひ
)
の
王天
(
わうてん
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
066
上義姫
(
じやうぎひめ
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
067
其
(
その
)
他
(
ほか
)
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
の
祭神
(
さいじん
)
は、
068
確
(
たしか
)
に
存在
(
そんざい
)
する
神
(
かみ
)
なることは
証明
(
しようめい
)
しておくぞよ』
069
魔我彦
(
まがひこ
)
は
狂喜
(
きやうき
)
しながら、
070
お
寅
(
とら
)
の
方
(
はう
)
を
打見
(
うちみ
)
やり、
071
したり
顔
(
がほ
)
にて、
072
魔我彦
『コレお
寅
(
とら
)
さま、
073
如何
(
どう
)
でげす、
074
ヤツパリ
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
へは
違
(
ちが
)
ひますかな』
075
と
稍
(
やや
)
得意
(
とくい
)
の
面
(
おもて
)
をさらしてみせる。
076
お
寅
(
とら
)
『そりや
祀
(
まつ
)
つてある
以上
(
いじやう
)
は
神霊
(
しんれい
)
はなけねばなりませぬ』
077
魔我
(
まが
)
『それ
御覧
(
ごらん
)
なさい、
078
それなら
朝夕
(
あさゆふ
)
御
(
お
)
給仕
(
きふじ
)
をしても
差支
(
さしつかへ
)
はないぢやありませぬか』
079
天使
(
てんし
)
『
神
(
かみ
)
といへば
皆斉
(
みなひと
)
しくや
思
(
おも
)
ふらむ
080
鳥
(
とり
)
なるもあり
虫
(
むし
)
なるもあり。
081
よき
神
(
かみ
)
も
曲
(
まが
)
れる
神
(
かみ
)
もおしなべて
082
神
(
かみ
)
と
言
(
い
)
ふなり
天地
(
あめつち
)
の
間
(
うち
)
は』
083
お
寅
(
とら
)
『どうも
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
いました。
084
コレ
魔我彦
(
まがひこ
)
さま、
085
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
には
違
(
ちが
)
ひないが、
086
神
(
かみ
)
の
中
(
なか
)
にも
百
(
ひやく
)
八十一
(
はちじふいち
)
の
階段
(
かいだん
)
があるのだから、
087
そこを
考
(
かんが
)
へねばなりますまいぞや』
088
魔我
(
まが
)
『エンゼル
様
(
さま
)
に
重
(
かさ
)
ねてお
尋
(
たづ
)
ね
致
(
いた
)
します。
089
小北山
(
こぎたやま
)
に
祀
(
まつ
)
られたる
神々
(
かみがみ
)
様
(
さま
)
は、
090
上
(
うへ
)
は
第一
(
だいいち
)
天国
(
てんごく
)
より、
091
地
(
ち
)
の
世界
(
せかい
)
を
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
遊
(
あそ
)
ばす
主
(
しゆ
)
なる
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
聞
(
き
)
きましたが、
092
それに
間違
(
まちが
)
ひ
御座
(
ござ
)
りますまいなア』
093
天使
(
てんし
)
『
小北山
(
こぎたやま
)
宮居
(
みやゐ
)
は
数多
(
あまた
)
建
(
た
)
ちぬれど
094
まつれる
神
(
かみ
)
は
八衢
(
やちまた
)
にます。
095
八衢
(
やちまた
)
にさまよふ
神
(
かみ
)
はまだおろか
096
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
の
醜神
(
しこがみ
)
にます。
097
さりながら
人
(
ひと
)
は
天地
(
てんち
)
の
司
(
つかさ
)
なれば
098
汚
(
けが
)
れし
神
(
かみ
)
を
救
(
すく
)
ふも
宜
(
う
)
べよ。
099
世
(
よ
)
を
守
(
まも
)
り
人
(
ひと
)
の
身魂
(
みたま
)
を
守
(
まも
)
るてふ
100
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
此
(
この
)
神
(
かみ
)
ならず。
101
此
(
この
)
神
(
かみ
)
は
罪
(
つみ
)
や
汚
(
けが
)
れを
犯
(
をか
)
したる
102
曲
(
まが
)
の
霊
(
みたま
)
をいつきしものぞ。
103
拝
(
をが
)
むより
救
(
すく
)
うてやれよ
小北山
(
こぎたやま
)
104
まつれる
神
(
かみ
)
の
身
(
み
)
を
憐
(
あは
)
れみて。
105
われこそはユラリの
彦
(
ひこ
)
と
宣
(
の
)
りつれど
106
只
(
ただ
)
魔我彦
(
まがひこ
)
を
救
(
すく
)
はむがため。
107
ユラリ
彦
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
とふ
神
(
かみ
)
は
常世国
(
とこよくに
)
108
ロツキー
山
(
ざん
)
に
蟠
(
わだか
)
まる
曲
(
まが
)
。
109
松彦
(
まつひこ
)
をユラリの
彦
(
ひこ
)
と
尊
(
たふと
)
みて
110
敬
(
うやま
)
ひ
仕
(
つか
)
ふる
人
(
ひと
)
の
愚
(
おろ
)
かさ。
111
松彦
(
まつひこ
)
も
其
(
その
)
真相
(
しんさう
)
は
悟
(
さと
)
れども
112
汝
(
なれ
)
救
(
すく
)
はむとしばし
忍
(
しの
)
びつ。
113
松姫
(
まつひめ
)
も
上義
(
じやうぎ
)
の
姫
(
ひめ
)
は
曲神
(
まがかみ
)
と
114
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
知
(
し
)
らぬ
生宮
(
いきみや
)
でなし。
115
さりながら
迷
(
まよ
)
へる
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふべく
116
あらぬ
御名
(
みな
)
をば
忍
(
しの
)
びゐる
哉
(
かな
)
』
117
魔我
(
まが
)
『これはしたり
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
神々
(
かみがみ
)
と
118
思
(
おも
)
ひし
事
(
こと
)
の
仇
(
あだ
)
となりしか。
119
訳
(
わけ
)
もなき
神
(
かみ
)
を
山々
(
やまやま
)
いつかひて
120
世
(
よ
)
を
迷
(
まよ
)
はせし
事
(
こと
)
の
悔
(
くや
)
しさ。
121
今
(
いま
)
よりは
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
122
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へむ』
123
お
寅
(
とら
)
『エンゼルの
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
輝
(
かがや
)
きて
124
魔我彦
(
まがひこ
)
の
暗
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らし
給
(
たま
)
ひぬ。
125
有難
(
ありがた
)
し
心
(
こころ
)
にかかる
村雲
(
むらくも
)
を
126
払
(
はら
)
ひ
給
(
たま
)
ひし
神
(
かみ
)
ぞ
嬉
(
うれ
)
しき。
127
魔我彦
(
まがひこ
)
もさぞ
今
(
いま
)
よりは
村肝
(
むらきも
)
の
128
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
に
月
(
つき
)
を
仰
(
あふ
)
がむ』
129
魔我
(
まが
)
『
久方
(
ひさかた
)
の
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
も
晴
(
は
)
れにけり
130
神
(
かみ
)
の
使
(
つか
)
ひのエンゼルの
声
(
こゑ
)
に』
131
お
寅
(
とら
)
『
吾
(
わが
)
言葉
(
ことば
)
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
れざりし
魔我彦
(
まがひこ
)
も
132
神
(
かみ
)
の
使
(
つか
)
ひにまつろふ
嬉
(
うれ
)
しさ。
133
身
(
み
)
に
魂
(
たま
)
に
光
(
ひかり
)
の
足
(
た
)
らぬ
吾
(
われ
)
なれば
134
魔我彦
(
まがひこ
)
司
(
つかさ
)
を
救
(
すく
)
ひかねつつ。
135
有難
(
ありがた
)
き
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
の
下
(
くだ
)
りまし
136
照
(
て
)
らし
給
(
たま
)
ひぬ
二人
(
ふたり
)
の
胸
(
むね
)
を』
137
天使
(
てんし
)
『
相生
(
あひおひ
)
の
松
(
まつ
)
より
生
(
あ
)
れし
愛娘
(
まなむすめ
)
138
千代
(
ちよ
)
の
固
(
かた
)
めを
茲
(
ここ
)
に
築
(
きづ
)
きぬ。
139
これよりは
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
の
神々
(
かみがみ
)
を
140
祀
(
まつ
)
り
直
(
なほ
)
せよ
神
(
かみ
)
の
詞
(
ことば
)
に』
141
お
寅
(
とら
)
『いかにして
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
反
(
そむ
)
くべき
142
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
むで
仕
(
つか
)
へまつらむ』
143
魔我
(
まが
)
『
今
(
いま
)
は
只
(
ただ
)
神
(
かみ
)
の
御旨
(
みむね
)
に
任
(
まか
)
すのみ
144
力
(
ちから
)
も
知慧
(
ちゑ
)
も
足
(
た
)
らぬ
吾
(
わが
)
身
(
み
)
は。
145
掛巻
(
かけま
)
くも
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
に
146
うるほひにけりかわきし
魂
(
たま
)
も。
147
うゑかわき
悩
(
なや
)
み
苦
(
くるし
)
む
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
も
148
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
に
甦
(
よみがへ
)
りける。
149
瑞御霊
(
みづみたま
)
、
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
神柱
(
かむばしら
)
150
おろそかにせしわれぞ
悔
(
くや
)
しき。
151
今迄
(
いままで
)
の
深
(
ふか
)
き
罪科
(
つみとが
)
許
(
ゆる
)
せかし
152
心
(
こころ
)
の
曲
(
まが
)
の
仕業
(
しわざ
)
なりせば』
153
お
寅
(
とら
)
『
魔我彦
(
まがひこ
)
よ
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
に
罪科
(
つみとが
)
を
154
きせてはならぬ
汝
(
なれ
)
が
身
(
み
)
の
錆
(
さび
)
。
155
迷
(
まよ
)
ひたる
汝
(
なれ
)
が
身魂
(
みたま
)
に
鬼
(
おに
)
住
(
す
)
みて
156
あらぬ
御業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
へせしかな』
157
天使
(
てんし
)
『
二柱
(
ふたはしら
)
迷
(
まよ
)
ひの
雲
(
くも
)
は
春
(
はる
)
の
水
(
みづ
)
158
氷
(
こほり
)
となりて
解
(
と
)
けし
嬉
(
うれ
)
しさ。
159
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
永遠
(
とは
)
にまします
神国
(
かみくに
)
は
160
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ。
161
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
は
天
(
あま
)
つ
御空
(
みそら
)
の
神国
(
かみくに
)
の
162
真人
(
まびと
)
とならむ
苗代
(
なはしろ
)
にこそ。
163
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
は
汚
(
けが
)
れ
果
(
は
)
てたるものなりと
164
思
(
おも
)
ふは
心
(
こころ
)
の
迷
(
まよ
)
ひなりけり。
165
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
に
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
あらば
166
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
も
神国
(
かみくに
)
となる。
167
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
を
立
(
た
)
ておほせ
168
おかねば
死
(
し
)
して
神国
(
かみくに
)
はなし。
169
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
住
(
す
)
みて
地獄
(
ぢごく
)
に
身
(
み
)
をおかば
170
まかれる
後
(
のち
)
は
鬼
(
おに
)
となるらむ。
171
鬼
(
おに
)
大蛇
(
をろち
)
醜
(
しこ
)
の
曲霊
(
まがひ
)
の
猛
(
たけ
)
ぶ
世
(
よ
)
も
172
心
(
こころ
)
清
(
きよ
)
くば
神
(
かみ
)
の
花園
(
はなぞの
)
。
173
うつし
世
(
よ
)
を
地獄
(
ぢごく
)
や
修羅
(
しゆら
)
と
称
(
とな
)
へつつ
174
さげすみ
暮
(
くら
)
す
人
(
ひと
)
ぞゆゆしき。
175
人
(
ひと
)
は
皆
(
みな
)
天津
(
あまつ
)
御国
(
みくに
)
に
昇
(
のぼ
)
るべく
176
生
(
う
)
みなされたる
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
ぞや。
177
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
は
青人草
(
あをひとぐさ
)
の
霊体
(
れいたい
)
を
178
もらさず
落
(
おと
)
さず
天国
(
てんごく
)
へ
救
(
すく
)
ふ。
179
救
(
すく
)
はむと
御心
(
みこころ
)
いらち
給
(
たま
)
へども
180
人
(
ひと
)
は
自
(
みづか
)
ら
暗
(
やみ
)
におちゆく。
181
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
や
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
なる
暗
(
やみ
)
の
世
(
よ
)
へ
182
おちゆく
魂
(
たま
)
を
救
(
すく
)
ふ
大神
(
おほかみ
)
。
183
此
(
この
)
神
(
かみ
)
は
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
とあれまして
184
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
開
(
ひら
)
き
給
(
たま
)
へり。
185
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
の
誠
(
まこと
)
を
守
(
まも
)
る
身
(
み
)
は
186
いかでおとさむ
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
へ。
187
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
神
(
かみ
)
の
智慧
(
ちゑ
)
をば
理解
(
りかい
)
して
188
住
(
す
)
めば
地上
(
ちじやう
)
も
天国
(
てんごく
)
の
春
(
はる
)
。
189
秋冬
(
あきふゆ
)
も
夜
(
よる
)
をも
知
(
し
)
らぬ
天国
(
てんごく
)
は
190
人
(
ひと
)
の
住
(
す
)
むべきパラダイスなり。
191
永久
(
とこしへ
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ひ
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
まで
192
豊
(
ゆたか
)
な
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
ぞ
楽
(
たの
)
しき。
193
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
は
数多
(
あまた
)
のエンゼル
地
(
ち
)
に
降
(
くだ
)
し
194
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふべく
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
ふ。
195
三五
(
あななひ
)
の
教司
(
をしへつかさ
)
はエンゼルよ
196
ゆめ
疑
(
うたが
)
ふな
神
(
かみ
)
の
詞
(
ことば
)
を』
197
魔我
(
まが
)
『ウラナイの
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
も
皇神
(
すめかみ
)
の
198
珍
(
うづ
)
の
使
(
つか
)
ひにおはしまさずや』
199
天使
(
てんし
)
『ウラナイの
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
鳥
(
とり
)
獣
(
けもの
)
200
虫族
(
むしけら
)
なぞを
救
(
すく
)
ふ
正人
(
まさびと
)
』
201
魔我
(
まが
)
『
虫族
(
むしけら
)
も
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
生
(
うま
)
れたる
202
ものとし
聞
(
き
)
けば
救
(
すく
)
はむとぞ
思
(
おも
)
ふ』
203
天使
(
てんし
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
心
(
こころ
)
用
(
もち
)
ひて
救
(
すく
)
ふべし
204
人
(
ひと
)
の
愛
(
あい
)
する
神
(
かみ
)
ならざるを
知
(
し
)
れ』
205
お
寅
(
とら
)
『
此
(
この
)
山
(
やま
)
にまつれる
神
(
かみ
)
は
虫族
(
むしけら
)
の
206
救
(
すく
)
ひ
求
(
もと
)
むる
神
(
かみ
)
にますらむ』
207
天使
(
てんし
)
『さに
非
(
あら
)
ず
虫族
(
むしけら
)
までも
取
(
と
)
りて
食
(
く
)
ふ
208
曲
(
まが
)
の
神
(
かみ
)
ぞや
心
(
こころ
)
許
(
ゆる
)
すな』
209
魔我彦
(
まがひこ
)
は
始
(
はじ
)
めて、
210
エンゼルの
訓戒
(
くんかい
)
に
依
(
よ
)
り、
211
心
(
こころ
)
の
闇
(
やみ
)
をはらし、
212
俄
(
にはか
)
に
顔色
(
がんしよく
)
清
(
きよ
)
く、
213
元気
(
げんき
)
百倍
(
ひやくばい
)
して
無限
(
むげん
)
の
歓喜
(
くわんき
)
を
感得
(
かんとく
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
た。
214
魔我彦
(
まがひこ
)
はエンゼルに
向
(
むか
)
ひ、
215
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
其
(
その
)
神恩
(
しんおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
した。
216
魔我
(
まが
)
『
尊
(
たふと
)
き
清
(
きよ
)
きエンゼルの
御
(
ご
)
降臨
(
かうりん
)
、
217
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
に
依
(
よ
)
りまして、
218
今
(
いま
)
までの
私
(
わたし
)
の
迷
(
まよ
)
ひも
春
(
はる
)
の
雪
(
ゆき
)
が
太陽
(
たいやう
)
にとけるが
如
(
ごと
)
く
氷解
(
ひようかい
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
ました。
219
実
(
じつ
)
に
無限
(
むげん
)
の
努力
(
どりよく
)
と
生命
(
せいめい
)
とを
賦与
(
ふよ
)
されたやうな
思
(
おも
)
ひに
漂
(
ただよ
)
ひます、
220
歓喜
(
くわんき
)
の
涙
(
なみだ
)
にうるほひました。
221
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
今迄
(
いままで
)
の
愚
(
おろか
)
なる
心
(
こころ
)
を
立直
(
たてなほ
)
し、
222
只
(
ただ
)
一心
(
いつしん
)
に
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
為
(
ため
)
に
全力
(
ぜんりよく
)
を
注
(
そそ
)
ぐ
考
(
かんが
)
へで
厶
(
ござ
)
います』
223
天使
(
てんし
)
『
魔我彦
(
まがひこ
)
、
224
汝
(
なんぢ
)
は
今
(
いま
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
すと
云
(
い
)
つたが、
225
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
は
広大
(
くわうだい
)
無辺
(
むへん
)
、
226
汝
(
なんぢ
)
の
力
(
ちから
)
を
加
(
くは
)
ふべき
余地
(
よち
)
は
少
(
すこ
)
しもないぞよ。
227
只
(
ただ
)
汝
(
なんぢ
)
は
天
(
てん
)
の
良民
(
りようみん
)
として
汝
(
なんぢ
)
の
身
(
み
)
につける
一切
(
いつさい
)
の
物
(
もの
)
を
完全
(
くわんぜん
)
に
照
(
て
)
り
輝
(
かがや
)
かし、
228
万一
(
まんいち
)
余裕
(
よゆう
)
あらば
之
(
これ
)
を
人
(
ひと
)
に
施
(
ほどこ
)
すべきものだ。
229
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
人間
(
にんげん
)
として、
230
どうして
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ひ、
231
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ようぞ。
232
汝
(
なんぢ
)
自
(
みづか
)
らの
目
(
め
)
を
以
(
もつ
)
て、
233
汝
(
なんぢ
)
の
顔
(
かほ
)
及
(
およ
)
び
背
(
せ
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
を
得
(
う
)
るならば、
234
始
(
はじ
)
めて
人
(
ひと
)
を
幾分
(
いくぶん
)
なりとも
救
(
すく
)
ふべき
力
(
ちから
)
が
備
(
そな
)
はつたものだ。
235
之
(
これ
)
を
思
(
おも
)
へば、
236
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
として、
237
如何
(
いか
)
でか
余人
(
よじん
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
む。
238
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
考
(
かんが
)
へを
有
(
いう
)
する
間
(
あひだ
)
は、
239
未
(
いま
)
だ
慢心
(
まんしん
)
の
雲
(
くも
)
晴
(
は
)
れきらぬものなるぞ』
240
魔我彦
『ハイ、
241
いろいろの
御
(
ご
)
教訓
(
けうくん
)
、
242
誠
(
まこと
)
に
以
(
もつ
)
て
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
243
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
吾々
(
われわれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
を
救
(
すく
)
うて、
244
それで
決
(
けつ
)
して
満足
(
まんぞく
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
245
憐
(
あは
)
れな
同胞
(
どうはう
)
の
身魂
(
みたま
)
を
救
(
すく
)
つてやりたいので
厶
(
ござ
)
います。
246
宣伝使
(
せんでんし
)
の
必要
(
ひつえう
)
も
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を
救
(
すく
)
ふ
為
(
ため
)
では
厶
(
ござ
)
いますまい。
247
ここをハツキリと
御
(
ご
)
教示
(
けうじ
)
願
(
ねが
)
ひたいもので
厶
(
ござ
)
います』
248
天使
『
宣伝使
(
せんでんし
)
は
読
(
よ
)
んで
字
(
じ
)
の
如
(
ごと
)
く、
249
神
(
かみ
)
の
有難
(
ありがた
)
き
事
(
こと
)
、
250
尊
(
たふと
)
き
事
(
こと
)
を
体得
(
たいとく
)
して、
251
之
(
これ
)
を
世人
(
よびと
)
に
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふる
使者
(
ししや
)
である。
252
決
(
けつ
)
して
一人
(
ひとり
)
なりとも
救
(
すく
)
ふべき
権利
(
けんり
)
はない。
253
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ひ、
254
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふは
即
(
すなは
)
ち
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
神業
(
しんげふ
)
である。
255
只
(
ただ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
たるものは、
256
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
に
至
(
いた
)
る
亡者引
(
もさひき
)
である。
257
此
(
この
)
亡者引
(
もさひき
)
は、
258
ややもすれば
眼
(
まなこ
)
くらみ、
259
八衢
(
やちまた
)
にさまよひ、
260
或
(
あるひ
)
は
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
に
客
(
きやく
)
を
導
(
みちび
)
き、
261
自
(
みづか
)
らも
落
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
くものである。
262
それ
故
(
ゆゑ
)
何事
(
なにごと
)
も
惟神
(
かむながら
)
に
任
(
まか
)
すが
一等
(
いつとう
)
だ。
263
何程
(
なにほど
)
人間
(
にんげん
)
が
知識
(
ちしき
)
ありとて、
264
力
(
ちから
)
ありとて、
265
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
す
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ないではないか。
266
一塊
(
いつくわい
)
の
土
(
つち
)
たりとも
産出
(
さんしゆつ
)
する
事
(
こと
)
の
出来
(
でき
)
ない
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て、
267
いかでか
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
力
(
ちから
)
あらむ。
268
只
(
ただ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
及
(
およ
)
び
信者
(
しんじや
)
たるものは、
269
神
(
かみ
)
を
理解
(
りかい
)
し
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
の
方向
(
はうかう
)
を
知
(
し
)
り、
270
迷
(
まよ
)
へる
亡者
(
まうじや
)
をして
天国
(
てんごく
)
の
門
(
もん
)
に
導
(
みちび
)
く
事
(
こと
)
を
努
(
つと
)
むれば、
271
これで
人間
(
にんげん
)
としての
職務
(
しよくむ
)
は
勤
(
つと
)
まつたのだ。
272
それ
以上
(
いじやう
)
の
救
(
すく
)
ひは
神
(
かみ
)
の
御手
(
みて
)
にあることを
忘
(
わす
)
れてはなりませぬ』
273
魔我彦
『ハイ、
274
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
親切
(
しんせつ
)
なる
御
(
ご
)
教訓
(
けうくん
)
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます』
275
天使
『
最前
(
さいぜん
)
お
寅
(
とら
)
どのの
口
(
くち
)
をかつて、
276
惟神
(
かむながら
)
の
説明
(
せつめい
)
を
致
(
いた
)
しておいたが、
277
其
(
その
)
方
(
はう
)
はお
寅
(
とら
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
軽蔑
(
けいべつ
)
して
居
(
ゐ
)
るから、
278
誠
(
まこと
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かしても
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
分
(
わか
)
らなかつた。
279
そこで
今度
(
こんど
)
は
清浄
(
せいじやう
)
無垢
(
むく
)
の
少女
(
せうぢよ
)
が
体
(
からだ
)
をかつて、
280
神
(
かみ
)
は
魔我彦
(
まがひこ
)
の
為
(
ため
)
に
訓戒
(
くんかい
)
を
与
(
あた
)
へたのである、
281
決
(
けつ
)
して
慢心
(
まんしん
)
致
(
いた
)
すでないぞや』
282
魔我彦
(
まがひこ
)
は
歓喜
(
くわんき
)
の
涙
(
なみだ
)
をしやくり
上
(
あ
)
げ、
283
畳
(
たたみ
)
を
潤
(
うるほ
)
はし
蹲
(
うづく
)
まる。
284
お
寅
(
とら
)
は
有難涙
(
ありがたなみだ
)
にくれ、
285
顔
(
かほ
)
もえ
上
(
あ
)
げず、
286
合掌
(
がつしやう
)
して
伏拝
(
ふしをが
)
む。
287
四辺
(
あたり
)
に
芳香
(
はうかう
)
薫
(
くん
)
じ
微妙
(
びめう
)
の
音楽
(
おんがく
)
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
るよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
288
エンゼルは
元
(
もと
)
つ
御座
(
みくら
)
に
帰
(
かへ
)
り
給
(
たま
)
ひ、
289
可憐
(
かれん
)
なるお
千代
(
ちよ
)
の
優
(
やさ
)
しき
姿
(
すがた
)
は、
290
依然
(
いぜん
)
として
十二
(
じふに
)
才
(
さい
)
のあどけなき
少女
(
せうぢよ
)
と
変
(
かは
)
つて
了
(
しま
)
つた。
291
魔我彦
(
まがひこ
)
は
初
(
はじ
)
めて
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
ひ、
292
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされ、
293
松彦
(
まつひこ
)
の
指揮
(
しき
)
に
従
(
したが
)
つて
小北山
(
こぎたやま
)
の
祭神
(
さいじん
)
を
一所
(
ひととこ
)
に
集
(
あつ
)
め、
294
厳粛
(
げんしゆく
)
なる
修祓式
(
しうばつしき
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
295
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
を
鎮祭
(
ちんさい
)
する
事
(
こと
)
を
心
(
こころ
)
より
承認
(
しようにん
)
したのである。
296
いよいよこれより
松彦
(
まつひこ
)
を
斎主
(
さいしゆ
)
とし、
297
五三公
(
いそこう
)
を
祓戸主
(
はらひどぬし
)
となし、
298
厳粛
(
げんしゆく
)
なる
遷座式
(
せんざしき
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
することとなつた。
299
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
300
(
大正一一・一二・一六
旧一〇・二八
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 惟神の道
(B)
(N)
怪しの森 >>>
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第46巻(酉の巻)
> 第3篇 神明照赫 > 第18章 エンゼル
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第18章 エンゼル|第46巻|舎身活躍|霊界物語|/rm4618】
合言葉「みろく」を入力して下さい→