霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 下層(かそう)天国(てんごく)〔一二四六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第13章 下層天国 よみ(新仮名遣い):かそうてんごく 通し章番号:1246
口述日:1923(大正12)年01月09日(旧11月23日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
高天原の東と西の団体は、信愛の善徳に居る。東は分明に愛の善徳を感得し、西はおぼろげに感ずるものが住む。南と北の団体は、愛信の智慧証覚に居るものである。南は明白に、北はおぼろげに光れるものが住む。
高天原の天国にある愛は、神に対する愛である。これより来る真光は、智慧と正覚である。霊国にある愛は隣人に対する愛であり、仁である。仁愛から来る真光は智慧であり信である。
高天原には時間空間、春夏秋冬の区別はない。ただ天人各自の情態の変化があるのみである。現界の人は時間の概念を離れることができない。天人はみな情態の上から思惟する。
春と朝は第一情態における愛の善、証覚の境涯に対する想念である。夏と午時は第二情態における愛善および証覚の境涯に対する想念である。秋と夕べは第三情態の愛善および証覚の境涯、冬と夜は地獄に落ちた精霊の境涯に対する想念である。
言依別命は説明を続けた。いかなる状態にある人間でも、生まれ赤子の純粋無垢の心に帰りさえすれば、直ちに第一天国と相応し、神格の内流によって容易に天国に上り得ると説いた。
天国の太陽とは、厳の御霊の御神格が顕現したものであるという。また霊国では瑞の御霊の大神が月と現れ、天国ではまた太陽と現れ給うという。
神様の愛は現実界の太陽の熱烈なるに比較して一層強く、その神愛は下降するにしたがって熱烈の度を和らげて行き、第三天国のもっとも低いところでは大神の御光を拝することが遠く、現界の太陽を拝するように明瞭にわからないのだという。
第三天国の天人たちの前に、神がそのまま太陽となって現れると天人たちの眼がくらんでしまうので、大神様は一個の天人となって善、真、智慧証覚相応の団体へおくだりあそばし、親しく教えを垂れさせ給うという。
治国別と竜公は、言依別命の案内で二三丁ばかり丘を下って行った。言依別命は火光と化して天空に姿を没した。二人は暗夜に火を取られた心地ながら大地にひざまづき、言依別命に涙ながらに感謝をささげた。
治国別は、言依別命の案内に頼る心を持った自分たちの想念の過ちによって、神様が遠ざかったのだと竜公のみならず自らを諭し、合掌して感涙にむせびながら主神に祈りを凝らした。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-26 21:15:15 文字数:3441 OBC :rm4713
愛善世界社版:191頁 八幡書店版:第8輯 543頁 修補版: 校定版:199頁 普及版:95頁 初版: ページ備考:
001高天原(たかあまはら)の天国(てんごく)の
002東(ひがし)と西(にし)との団体(だんたい)に
003住(す)む天人(てんにん)は信愛(しんあい)の
004其(その)善徳(ぜんとく)に居(を)るものぞ
005東(ひがし)はいとも分明(ぶんめい)に
006愛(あい)の善徳(ぜんとく)感得(かんとく)し
007西(にし)には少(すこ)しおぼろげに
008感(かん)ずるもののみ住(す)めるなり
009南(みなみ)と北(きた)との団体(だんたい)は
010愛信(あいしん)の徳(とく)より出(い)で来(きた)る
011智慧(ちゑ)証覚(しようかく)に居(を)れるもの
012いや永久(とこしへ)に住居(ぢゆうきよ)せり
013中(なか)にも南(みなみ)に住(す)むものは
014証覚(しようかく)光明(くわうみやう)明白(めいはく)に
015北(きた)は証覚(しようかく)おぼろげに
016光(ひか)れるもののみ住(す)めるなり
017高天原(たかあまはら)の霊国(れいごく)に
018ある天人(てんにん)と天国(てんごく)に
019ある天人(てんにん)は皆(みな)共(とも)に
020右(みぎ)の順序(じゆんじよ)を守(まも)れども
021少(すこ)し相違(さうゐ)の要点(えうてん)は
022一(ひと)つは愛(あい)の善徳(ぜんとく)に
023従(したが)ひて進(すす)み又(また)一(ひと)つは
024善(ぜん)の徳(とく)より出(い)で来(きた)る
025信(しん)の光(ひかり)に従(したが)うて
026いや永久(とこしへ)に住(す)めるなり
027此(この)天国(てんごく)にある愛(あい)は
028神(かみ)に対(たい)する愛(あい)にして
029之(これ)より来(きた)る真光(しんくわう)は
030全(まつた)く智慧(ちゑ)と証覚(しようかく)ぞ
031又(また)霊国(れいごく)にある愛(あい)は
032隣人(りんじん)に対(たい)する愛(あい)にして
033之(これ)を称(しよう)して仁(じん)と云(い)ふ
034此(この)仁愛(じんあい)より出(い)で来(きた)る
035真(しん)の光(ひかり)は智慧(ちゑ)なるぞ
036或(あるひ)は之(これ)を信(しん)と云(い)ふ
037○
038久方(ひさかた)の高天原(たかあまはら)の神国(しんこく)には
039時間(じかん)空間(くうかん)春夏(しゆんか)秋冬(しうとう)の区別(くべつ)なし
040只(ただ)天人(てんにん)各自(かくじ)が
041情態(じやうたい)の変化(へんくわ)あるのみ
042現(うつ)し世(よ)に於(お)けるが如(ごと)く、天界(てんかい)の
043万事(ばんじ)に継続(けいぞく)あり進行(しんかう)もあり
044されど天人(てんにん)は
045時間(じかん)と空間(くうかん)との
046概念(がいねん)なし
047久方(ひさかた)の高天原(たかあまはら)には
048年(とし)もなく
049月日(つきひ)もあらず時(とき)もなし
050只(ただ)情態(じやうたい)の変移(へんい)あるのみ
051情態(じやうたい)の変移(へんい)の
052ありし所(ところ)には
053只(ただ)情態(じやうたい)ばかりあるなり
054現界(げんかい)の
055凡(すべ)ての人(ひと)は
056時間(じかん)てふ
057其(その)概念(がいねん)を離(はな)るる能(あた)はず
058天人(てんにん)は
059皆(みな)情態(じやうたい)の
060上(うへ)より之(これ)を思惟(しゐ)すれば
061人(ひと)の想念(さうねん)の中(うち)に於(おい)て
062時間(じかん)より
063来(きた)れるものは
064天人(てんにん)の間(あひだ)に入(い)りては
065皆(みな)悉(ことごと)く
066情態(じやうたい)の想念(さうねん)となるものぞ
067春(はる)と朝(あさ)は
068第一(だいいち)情態(じやうたい)に於(お)ける
069天人(てんにん)が居(を)る所(ところ)の
070愛(あい)の善(ぜん)及(およ)び
071証覚(しようかく)の境涯(きやうがい)に対(たい)する
072想念(さうねん)となるものぞ
073夏(なつ)と午時(うまどき)は
074第二(だいに)情態(じやうたい)にある天人(てんにん)が
075居(を)る所(ところ)の愛善(あいぜん)及(およ)び
076証覚(しようかく)の境涯(きやうがい)に対(たい)する
077想念(さうねん)となるものぞ
078秋(あき)と夕(ゆふ)べとは
079第三(だいさん)情態(じやうたい)に於(お)ける
080天人(てんにん)が居(を)る所(ところ)の愛善(あいぜん)及(およ)び
081証覚(しようかく)の境涯(きやうがい)に対(たい)する
082想念(さうねん)となるものぞ
083冬(ふゆ)と夜(よる)とは
084地獄(ぢごく)におちし精霊(せいれい)が
085之(これ)等(ら)の境涯(きやうがい)に対(たい)する
086想念(さうねん)となるものぞ
087 言依別(ことよりわけの)命(みこと)は治国別(はるくにわけ)に向(むか)つて尚(なほ)も天国(てんごく)団体(だんたい)の説明(せつめい)を続(つづ)けて居(ゐ)る。
088治国(はるくに)『実(じつ)に天国(てんごく)と云(い)ふ所(ところ)は、089吾々(われわれ)の想像(さうざう)意外(いぐわい)に秩序(ちつじよ)のたつた立派(りつぱ)な国土(こくど)ですな。090到底(たうてい)吾々(われわれ)如(ごと)き罪悪(ざいあく)に充(み)ちた人間(にんげん)は将来(しやうらい)此(この)国土(こくど)に上(のぼ)る見込(みこみ)はない様(やう)ですな』
091言依別『決(けつ)して決(けつ)して左様(さやう)な道理(だうり)はありませぬ、092御(ご)安心(あんしん)なさいませ。093此処(ここ)は最下(さいか)の天国(てんごく)で、094まだ此(この)上(うへ)に中間(ちうかん)天国(てんごく)もあり、095最高(さいかう)天国(てんごく)もあるのです。096猶(なほ)其(その)外(ほか)に霊国(れいごく)と云(い)ふのがあつて、097それ相応(さうおう)の天人(てんにん)が生活(せいくわつ)を続(つづ)けて居(ゐ)ます』
098治国別『其(その)最高(さいかう)天国(てんごく)へ上(のぼ)り得(う)る天人(てんにん)は、099非常(ひじやう)な善徳(ぜんとく)を積(つ)み、100智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の勝(すぐ)れたものでなければ参(まゐ)る事(こと)は出来(でき)ますまいな』
101言依別『厳(いづ)の御霊(みたま)の聖言(せいげん)にもある通(とほ)り、102生(うま)れ赤子(あかご)の純粋(じゆんすゐ)無垢(むく)の心(こころ)に帰(かへ)りさへすれば、103直(ただ)ちに第一(だいいち)天国(てんごく)と相応(さうおう)し、104神格(しんかく)の内流(ないりう)によつて案外(あんぐわい)容易(ようい)に上(のぼ)り得(う)るものです』
105治国別『成程(なるほど)、106然(しか)し吾々(われわれ)は如何(どう)しても赤子(あかご)の心(こころ)にはなれないので困(こま)ります。107然(しか)し天国(てんごく)にも矢張(やは)り自然界(しぜんかい)の如(ごと)き太陽(たいやう)がおでましになるのでせうな』
108言依別『アレ、109あの通(とほ)り東(ひがし)の天(てん)に輝(かがや)いて居(を)られます。110貴方(あなた)には拝(をが)めませぬかな』
111治国別『ハイ、112遺憾(ゐかん)乍(なが)ら未(ま)だ高天原(たかあまはら)の太陽(たいやう)を拝(はい)する丈(だ)けの視力(しりよく)が備(そな)はつて居(ゐ)ないと見(み)えます』
113言依別『さうでせう。114貴方(あなた)には未(ま)だ現実界(げんじつかい)に対(たい)するお役目(やくめ)が残(のこ)つて居(ゐ)ますから、115現界(げんかい)から見(み)る太陽(たいやう)の様(やう)に拝(をが)む事(こと)は出来(でき)ますまい。116天国(てんごく)の太陽(たいやう)とは厳(いづ)の御霊(みたま)の御(ご)神格(しんかく)が顕現(けんげん)して、117茲(ここ)に太陽(たいやう)と現(あら)はれ給(たま)ふのです。118故(ゆゑ)に現界(げんかい)の太陽(たいやう)とは非常(ひじやう)に趣(おもむき)が違(ちが)つて居(を)ります。119霊国(れいごく)にては瑞(みづ)の御霊(みたま)の大神(おほかみ)月(つき)と現(あら)はれ給(たま)ひ、120天国(てんごく)にては又(また)太陽(たいやう)と現(あら)はれ給(たま)ふのであります。121さうして霊国(れいごく)の月(つき)は現界(げんかい)から見(み)る太陽(たいやう)の光(ひかり)の如(ごと)く輝(かがや)き給(たま)ひ、122又(また)天国(てんごく)の太陽(たいやう)は現界(げんかい)で見(み)る太陽(たいやう)の光(ひかり)に七倍(しちばい)した位(くらゐ)な輝(かがや)き方(かた)であります。123さうして日(ひ)は真愛(しんあい)を現(あら)はし、124月(つき)は真信(しんしん)を現(あら)はし、125星(ほし)は善(ぜん)と真(しん)との知識(ちしき)を現(あら)はし給(たま)ふのであります。126故(ゆゑ)に瑞(みづ)の御霊(みたま)の聖言(せいげん)には[※以下の6つの聖言はキリスト教聖書に書いてある文言がベースになっている。]、
127一、128月(つき)の光(ひかり)は日(ひ)の光(ひかり)の如(ごと)く、129日(ひ)の光(ひかり)は七倍(しちばい)を加(くは)へて七(なな)つの日(ひ)の光(ひかり)の如(ごと)くならむ。[※参考 イザヤ書30:26「さらに主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日には、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍となり、七つの日の光のようになる。」〔口語訳聖書〕]
130一、131我(われ)汝(なんぢ)を亡(ほろ)ぼす時(とき)は空(そら)を覆(おほ)ひ其(その)星(ほし)を暗(くら)くし雲(くも)を以(もつ)て日(ひ)を蔽(おほ)はむ。132月(つき)は其(その)光(ひかり)を放(はな)たざるべし。[※参考 エゼキエル書32:7「わたしはあなたを滅ぼす時、空をおおい、星を暗くし、雲で日をおおい、月に光を放たせない。」〔口語訳聖書〕]
133一、134我(われ)、135空(そら)の照(て)る光明(くわうみやう)を汝(なんぢ)等(ら)の上(うへ)に暗(くら)くし汝(なんぢ)の地(ち)を暗(やみ)となすべし。
136一、137我(われ)は日(ひ)の出(い)づる時(とき)之(これ)を暗(くら)くすべし。138又(また)月(つき)は其(その)光(ひかり)を輝(かがや)かさざるべし。[※イザヤ書13:10「天の星とその星座とはその光を放たず、太陽は出ても暗く、月はその光を輝かさない。」〔口語訳聖書〕]
139一、140日(ひ)は毛布(まうふ)の如(ごと)く暗(くら)くなり、141月(つき)は地(ち)の如(ごと)くなり、142天(てん)の星(ほし)は地(ち)に落(お)ちむ。
143一、144之(これ)等(ら)の艱難(なやみ)の後(のち)、145直(ただ)ちに日(ひ)は暗(くら)く月(つき)は光(ひかり)を失(うしな)ひ、146星(ほし)は空(そら)より落(お)つべし。[※参考 マタイ福音書24:29「しかし、その時に起る患難の後、たちまち日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。」。マルコ福音書13:24-25「その日には、この患難の後、日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。」〔口語訳聖書〕]
147とありませう。148此(この)聖言(せいげん)は愛(あい)と信(しん)との全(まつた)く滅亡(めつぼう)したる有様(ありさま)を、149お示(しめ)しになつたのでせう。150今日(こんにち)の現界(げんかい)は自然界(しぜんかい)の太陽(たいやう)や月(つき)は天空(てんくう)に輝(かがや)き渡(わた)つて居(を)りますが、151太陽(たいやう)に比(ひ)すべき愛(あい)と、152月(つき)に比(ひ)すべき信(しん)と星(ほし)に比(ひ)すべき善(ぜん)と真(しん)との知識(ちしき)を亡(ほろ)ぼして居(ゐ)ますから、153天国(てんごく)の移写(いしや)たる現実界(げんじつかい)も今日(こんにち)の如(ごと)く乱(みだ)れ果(は)てたのです。154かかる事(こと)を称(しよう)して聖言(せいげん)は……之(これ)等(ら)の諸徳(しよとく)、155亡(ほろ)ぶる時(とき)、156之(これ)等(ら)の諸天体(しよてんたい)暗(くら)くなり其(その)光(ひかり)を失(うしな)ひて空(そら)より落(お)つ……と云(い)はれてあるのです。157大神(おほかみ)の神愛(しんあい)の如何(いか)に大(だい)なるか又(また)如何(いか)なるものなるかは現界(げんかい)に輝(かがや)く太陽(たいやう)との比較(ひかく)によつて推知(すゐち)する事(こと)が出来(でき)るでせう。158即(すなは)ち神(かみ)の愛(あい)なるものは頗(すこぶ)る熱烈(ねつれつ)なる事(こと)が窺(うかが)はれませう。159人間(にんげん)にして実(じつ)に之(これ)を信(しん)ずる事(こと)を得(う)るならば、160神(かみ)様(さま)の愛(あい)は現実界(げんじつかい)の太陽(たいやう)の熱烈(ねつれつ)なるに比較(ひかく)して層一層(そういつそう)強(つよ)いと云(い)ふ事(こと)が分(わか)りませう。161大神(おほかみ)様(さま)は又(また)現実界(げんじつかい)の太陽(たいやう)の如(ごと)く直接(ちよくせつ)に高天原(たかあまはら)の中空(ちうくう)に輝(かがや)き給(たま)はず、162その神愛(しんあい)はおひおひ下降(げかう)するに従(したが)つて熱烈(ねつれつ)の度(ど)は和(やは)らぎ行(ゆ)くものです。163此(この)和(やは)らぎの度合(どあひ)は一種(いつしゆ)の帯(おび)をなして天界(てんかい)太陽(たいやう)の辺(ほとり)を輝(かがや)き亘(わた)り、164諸々(もろもろ)の天人(てんにん)は又(また)此(この)太陽(たいやう)の内流(ないりう)によつて自(みづか)らの身(み)を障害(しやうがい)せざらむが為(た)め、165適宜(てきぎ)に薄(うす)い雲(くも)の如(ごと)き霊衣(れいい)を以(もつ)て其(その)身(み)を覆(おほ)うて居(ゐ)るのです。166故(ゆゑ)に高天原(たかあまはら)に於(お)ける諸々(もろもろ)の天国(てんごく)の位置(ゐち)は其処(そこ)に住(す)める天人(てんにん)が神(かみ)の愛(あい)を摂受(せつじゆ)する度合(どあひ)の如何(いかん)によつて大神(おほかみ)の御(おん)前(まへ)を去(さ)る事(こと)或(あるひ)は遠(とほ)くなつたり、167或(あるひ)は近(ちか)くなつたりするものです。168又(また)高天原(たかあまはら)の高処(かうしよ)即(すなは)ち最高(さいかう)天国(てんごく)に居(ゐ)る天人(てんにん)は愛(あい)の徳(とく)に住(ぢゆう)するが故(ゆゑ)に、169太陽(たいやう)と現(あら)はれたる大神(おほかみ)の御(お)側近(そばちか)く居(ゐ)るものです。170されど最下(さいか)の天国(てんごく)団体(だんたい)にあるものは信(しん)の徳(とく)に住(ぢゆう)するものなるが故(ゆゑ)に、171太陽(たいやう)と現(あら)はれ給(たま)うた大神(おほかみ)を去(さ)る事(こと)最(もつと)も遠(とほ)きものであります。172ここは即(すなは)ち其(その)高天原(たかあまはら)の最下層(さいかそう)第三(だいさん)天国(てんごく)の中(なか)でも最(もつと)も低(ひく)い所(ところ)ですから、173太陽(たいやう)と現(あら)はれました大神(おほかみ)の御光(みひかり)を拝(はい)する事(こと)が余程(よほど)遠(とほ)くて現界(げんかい)の太陽(たいやう)を拝(はい)する如(ごと)く明瞭(めいれう)に分(わか)らないのです。174さうして最(もつと)も不善(ふぜん)なるもの、175例(たと)へば暗国界(あんこくかい)の地獄(ぢごく)に居(を)るものの如(ごと)きは、176大神(おほかみ)様(さま)の目(め)の前(まへ)を去(さ)る事(こと)極(きは)めて遠(とほ)く且(か)つ太陽(たいやう)の光(ひかり)に背(そむ)いて居(ゐ)るものである。177さうして其(その)暗国界(あんこくかい)に於(お)ける神(かみ)と隔離(かくり)の度合(どあひ)は善(ぜん)の道(みち)に背(そむ)く度合(どあひ)に比(ひ)するものである。178故(ゆゑ)に極悪(ごくあく)の者(もの)は到底(たうてい)少(すこ)しの光(ひかり)も見(み)る事(こと)が出来(でき)ず無明(むみやう)暗黒(あんこく)の最低(さいてい)地獄(ぢごく)におつるものであります』
179治国別『やア有難(ありがた)う厶(ござ)いました。180吾々(われわれ)はまだ善(ぜん)と真(しん)よりする智慧(ちゑ)証覚(しようかく)が足(た)りませぬから、181大神(おほかみ)の御姿(みすがた)を仰(あふ)ぐ事(こと)が出来(でき)ないのでせう』
182言依別『第三(だいさん)天国(てんごく)の天人(てんにん)等(ら)の前(まへ)に神(かみ)其(その)儘(まま)太陽(たいやう)となつて現(あら)はれ給(たま)ふ時(とき)は、183各(おのおの)眼(まなこ)晦(くら)み頭痛(づつう)を感(かん)じ苦(くるし)みに堪(た)へませぬ。184それ故(ゆゑ)大神(おほかみ)様(さま)は一個(いつこ)の天人(てんにん)となつて、185善相応(ぜんさうおう)、186真相応(しんさうおう)、187智慧(ちゑ)証覚(しようかく)相応(さうおう)の団体(だんたい)へお下(くだ)り遊(あそ)ばし、188親(した)しく教(をしへ)を垂(た)れさせ給(たま)ふのであります』
189治国別『いや大(おほい)に諒解(りやうかい)致(いた)しました。190私(わたくし)も之(これ)から現界(げんかい)へ帰(かへ)りますれば、191其(その)心得(こころえ)を以(もつ)て善(ぜん)の為(た)め真(しん)の為(た)めに活動(くわつどう)をさして頂(いただ)きませう。192あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
193言依別『サア之(これ)から天人(てんにん)の団体(だんたい)へ御(ご)案内(あんない)致(いた)しませう』
194 治国別(はるくにわけ)、195竜公(たつこう)は、
196治国別、竜公『ハイ、197有難(ありがた)う』
198と感謝(かんしや)しながら言依別(ことよりわけ)の後(あと)に従(したが)ひ欣々(いそいそ)として進(すす)み行(ゆ)く。
199 二三丁(にさんちやう)ばかり丘(をか)を下(くだ)り行(ゆ)くと、200忽(たちま)ち巨大(きよだい)なる火光(くわくわう)と化(くわ)し言依別(ことよりわけ)は天空(てんくう)さして其(その)姿(すがた)を没(ぼつ)し給(たま)うた。201二人(ふたり)は暗夜(あんや)に灯(ひ)をとられし如(ごと)き心地(ここち)し、202大地(だいち)に跪(ひざまづ)き感謝(かんしや)に咽(むせ)びながら、
203治国別『あゝ有難(ありがた)し、204勿体(もつたい)なし、205吾々(われわれ)の愛(あい)と善(ぜん)の徳(とく)、206全(まつた)からず信真(しんしん)の光(ひかり)明(あき)らかならず、207従(したが)つて智慧(ちゑ)と証覚(しようかく)の光(ひかり)弱(よわ)き為(た)めに、208畏(おそ)れ多(おほ)くも皇(すめ)大神(おほかみ)は天国(てんごく)の太陽(たいやう)と現(あら)はれ給(たま)はず、209言依別(ことよりわけの)命(みこと)と身(み)を現(げん)じ、210此処(ここ)迄(まで)導(みちび)いて下(くだ)さつたのだらう。211あゝ有難(ありがた)し有難(ありがた)し、212仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の御(ご)神徳(しんとく)よ』
213と感謝(かんしや)の涙(なみだ)に暮(く)れてゐる。
214竜公『もし先生(せんせい)、215之(これ)から如何(どう)致(いた)しませうか。216斯様(かやう)な処(ところ)に捨(す)てられては如何(どう)行(い)つてよいか、217少(すこ)しも分(わか)らぬぢやありませぬか。218あれ程(ほど)最前(さいぜん)明瞭(めいれう)に見(み)えて居(を)つた東西(とうざい)南北(なんぼく)の天人(てんにん)の部落(ぶらく)も、219何時(いつ)の間(ま)にか吾々(われわれ)の視線内(しせんない)を外(はづ)れて了(しま)つたぢやありませぬか』
220治国別『獅子(しし)は三日(みつか)にして其(その)子(こ)を谷底(たにそこ)へ捨(す)てるとやら、221これ全(まつた)く神(かみ)様(さま)の仁慈(じんじ)無限(むげん)の御(ご)摂理(せつり)だ。222これだから三五教(あななひけう)の聖言(せいげん)にも「師匠(ししやう)を杖(つゑ)につくな、223人(ひと)を力(ちから)にするな、224只(ただ)神(かみ)のまにまに活動(くわつどう)せよ」と仰有(おつしや)るのだ。225言依別(ことよりわけ)様(さま)の御(ご)案内(あんない)下(くだ)さるに甘(あま)え、226気(き)を許(ゆる)し、227凭(もた)れかかつて居(を)つたが吾々(われわれ)の過(あやま)ちだ。228それだから神(かみ)様(さま)は吾々(われわれ)の想念中(さうねんちう)より遠(とほ)ざかり給(たま)うたのだ。229吾々(われわれ)はまだまだ愛(あい)と信(しん)とが徹底(てつてい)しないのだ。230あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
231と合掌(がつしやう)し感涙(かんるゐ)に咽(むせ)びつつ主神(すしん)に祈(いの)りを凝(こら)すのであつた。
232(大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 北村隆光録)
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