霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 間接(かんせつ)内流(ないりう)〔一二五三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第20章 間接内流 よみ(新仮名遣い):かんせつないりゅう 通し章番号:1253
口述日:1923(大正12)年01月10日(旧11月24日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
高天原の天界は、天国と霊国に区分されている。日の国・天国は、人身に例えれば心臓および心臓に属している一切のものと相応している。月の国・霊国は、肺臓および肺臓に属している一切の諸機関と相応している。
心臓と肺臓は人間における二つの国土である。霊界の二つの国土も一は意志の国、一は智性の国である。意志は善に対する情動より、智性は真に対する情動によって、人身内分の二国土を統治している。
心臓は天国であり意志の国、肺臓は霊国であり智性の国に相応している。天国と霊国の奸計は、人における心臓と肺臓の関係に相応している。今ここに、高天原の全体を巨人にたとえて説明する。
天界の頭部に居るものは愛、平和、無垢、証覚、智慧の中に住し、歓喜と幸福に住する。天界いたるところ、この頭部における善徳に比すべきものはない。人の頭部は高天原の最高天国・霊国に比すべきものである。
胸部は仁と信との善徳中に住して胸部に流れ入り、これと相応する。腰部および生殖器官に属するものは夫婦の愛に住し、第二天国の情態である。
脚部にあるものは下層天国の徳、自然的および霊的善徳の中に住している。腕と手にあるものは、善徳の中より出で来る真理の力に住している。
目にあるものは智に住し、耳にあるものは注意と従順に住し、鼻孔に属するものは知覚に住している。また口と舌に属するものは言語の中に住し、内腎は研究調査すべき真理、肝臓、膵臓、脾臓に属するものは、善と真といろいろに洗練するに長じている。
治国別一行は、人体における心臓部に相当する第二天国のもっとも中枢部たるところを巡覧している。各天国内も上中下三段に区画され、各段の天国は個々の団体をもって構成されている。愛善の徳と智慧証覚の度合いによって幾百ともなく分立している。霊国も同様である。
高天原においては惟神的な天然律にしたがって勝者が劣者を導くので、皆その分度に応じて安んじ、不安・怨恨・不満の起こることなく平和の生涯を送り居るのである。
治国別ら三人は美しい丘陵の上に着いた。天日晃々として輝きわたり、被面布を通しても霊光が厳しく放射し、治国別は目がくらみ、竜公は身体の各部に苦悶を兆してきた。五三公は依然として被面布もかぶらずにここまで進んできた。
五三公は二人の様子を見て、ここで景色を眺めながら休息することにした。治国別はもう一度霊丹が欲しいものだというが、五三公は、大神の直接内流である愛の熱をいただけばもはや霊丹は必要ないのでは、と指摘した。
そして五三公や竜公との会話から、惟神霊幸倍坐世という御神文の方が霊丹よりも効能が顕著であることを悟らしめた。大神はこのように第三者の口を借りて、治国別に諸々の真理を諭させたのである。
天国の太陽について尋ねる竜公に対し、五三公は、天国では大神様が日輪となって現れ、霊国では月となって現れるのだと教えた。そして高天原にては、大神様が日輪様として現れる東をもって方位を定めると続けた。
一切のものの生命の源泉は日輪様たる大神様から来るゆえに、天界では厳の御魂、瑞の御魂をお東様と呼んでいると説明した。治国別は五三公、竜公の口を通して間接内流にてお示しをいただいたご高恩を感謝し、厳の御霊・瑞の御魂に祈りを捧げた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-01 18:35:29 文字数:4426 OBC :rm4720
愛善世界社版:273頁 八幡書店版:第8輯 574頁 修補版: 校定版:286頁 普及版:135頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]:出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第四篇 神霊世界 > 第十七章 間接内流
001 高天原(たかあまはら)の天界(てんかい)を区分(くぶん)して天国(てんごく)、002霊国(れいごく)の二(に)となす事(こと)は前(まへ)に述(の)べた通(とほ)りである。003概(がい)して云(い)へば日(ひ)の国(くに)即(すなは)ち天国(てんごく)は人身(じんしん)に譬(たと)ふれば心臓(しんざう)及(およ)び全身(ぜんしん)にして心臓(しんざう)に属(ぞく)すべき、004一切(いつさい)のものと相応(さうおう)して居(ゐ)る。005又(また)月(つき)の国(くに)即(すなは)ち霊国(れいごく)は其(その)肺臓(はいざう)及(およ)び全身(ぜんしん)にして肺臓(はいざう)に属(ぞく)すべき一切(いつさい)の諸機関(しよきくわん)と相応(さうおう)してゐる。006さうして心臓(しんざう)と肺臓(はいざう)とは小宇宙(せううちう)、007小天地(せうてんち)に譬(たと)ふべき人間(にんげん)に於(お)ける二(ふた)つの国土(こくど)である。008心臓(しんざう)は動脈(どうみやく)、009静脈(ぜうみやく)により、010肺臓(はいざう)は神経(しんけい)と運動(うんどう)繊維(せんゐ)によりて、011人(ひと)の肉体中(にくたいちう)に主治者(しゆちしや)となり、012力(ちから)の発(はつ)する所(ところ)、013動作(どうさ)する所(ところ)、014必(かなら)ずや右(みぎ)両者(りやうしや)の協力(けふりよく)を認(みと)めずと云(い)ふ事(こと)はない。015各人(かくじん)の内分(ないぶん)、016即(すなは)ち人(ひと)の霊的(れいてき)人格(じんかく)をなせる霊界(れいかい)の中(なか)にも亦(また)二国土(にこくど)があつて、017一(いち)を意思(いし)の国(くに)と云(い)ひ一(いち)を智性(ちせい)の国(くに)と云(い)ふ。018意思(いし)は善(ぜん)に対(たい)する情動(じやうどう)より、019智性(ちせい)は真(しん)に対(たい)する情動(じやうだう)によつて人身(じんしん)内分(ないぶん)の二国土(にこくど)を統治(とうち)してゐるのである。020之(これ)等(ら)の二国土(にこくど)は又(また)肉体中(にくたいちう)の肺臓(はいざう)、021心臓(しんざう)の二国土(にこくど)とに相応(さうおう)してゐる。022故(ゆゑ)に心臓(しんざう)は天国(てんごく)であり意思(いし)の国(くに)に相応(さうおう)し、023肺臓(はいざう)は霊国(れいごく)であり智性(ちせい)の国(くに)と相応(さうおう)するものである。
024 高天原(たかあまはら)に於(おい)ても亦(また)以上(いじやう)の如(ごと)き相応(さうおう)がある。025天国(てんごく)は即(すなは)ち高天原(たかあまはら)の意力(いりよく)にして、026愛(あい)の徳(とく)之(これ)を統御(とうぎよ)し、027霊国(れいごく)は高天原(たかあまはら)の智力(ちりよく)にして信(しん)の徳(とく)之(これ)を統御(とうぎよ)する事(こと)になつてゐる。028故(ゆゑ)に天国(てんごく)と霊国(れいごく)との関係(くわんけい)は人(ひと)に於(お)ける心臓(しんざう)と肺臓(はいざう)との関係(くわんけい)に全(まつた)く相応(さうおう)してゐるものである。029聖言(せいげん)に心臓(しんざう)を以(もつ)て意(い)を示(しめ)し、030又(また)愛(あい)の徳(とく)を示(しめ)し、031肺臓(はいざう)の呼吸(こきふ)を以(もつ)て智(ち)及(および)信(しん)の真(しん)を示(しめ)すは此(この)相応(さうおう)によるからである。032又(また)情動(じやうどう)なるものは心臓中(しんざうちう)にもあらず、033心臓(しんざう)より来(きた)らざれども、034之(これ)を心臓(しんざう)に帰(き)するは相応(さうおう)の理(り)に基(もとづ)く為(ため)である。035高天原(たかあまはら)の以上(いじやう)二国土(にこくど)と心臓(しんざう)及(および)肺臓(はいざう)との相応(さうおう)は高天原(たかあまはら)と人間(にんげん)との間(あひだ)に於(お)ける一般(いつぱん)的(てき)相応(さうおう)である。036さうして人身(じんしん)の各肢体(かくしたい)及(および)各機関(かくきくわん)及(および)内臓(ないざう)等(とう)に対(たい)しては、037斯(かく)の如(ごと)く一般(いつぱん)的(てき)ならざる相応(さうおう)があるのである。
038 今(いま)茲(ここ)に高天原(たかあまはら)の全体(ぜんたい)を巨人(きよじん)に譬(たと)へて説明(せつめい)する事(こと)としよう。
039 巨人(きよじん)即(すなは)ち天界(てんかい)の頭部(とうぶ)に居(を)るものは愛(あい)、040平和(へいわ)、041無垢(むく)、042証覚(しようかく)、043智慧(ちゑ)の中(うち)に住(ぢゆう)し、044従(したが)つて歓喜(くわんき)と幸福(かうふく)とに住(ぢゆう)するを以(もつ)て天界(てんかい)到(いた)る所(ところ)、045この頭部(とうぶ)に於(お)ける善徳(ぜんとく)に比(ひ)すべきものはない。046人間(にんげん)の頭部(とうぶ)及(およ)び頭部(とうぶ)に属(ぞく)する一切(いつさい)のものに其(その)神徳(しんとく)流(なが)れ入(い)つて之(これ)と相応(さうおう)するのである。047故(ゆゑ)に人(ひと)の頭部(とうぶ)は高天原(たかあまはら)の最高(さいかう)の天国(てんごく)、048霊国(れいごく)に比(ひ)すべきものである。
049 次(つぎ)に巨人(きよじん)即(すなは)ち天界(てんかい)の胸部(きようぶ)にあるものは仁(じん)と信(しん)との善徳中(ぜんとくちう)に住(ぢゆう)して、050人(ひと)の胸部(きようぶ)に流(なが)れ入(い)り、051之(これ)と相応(さうおう)するものである。
052一、053巨人(きよじん)即(すなは)ち天界(てんかい)に於(お)ける腰部(えうぶ)及(および)生殖器(せいしよくき)機関(きくわん)に属(ぞく)するものは、054所謂(いはゆる)夫婦(ふうふ)の愛(あい)に住(ぢゆう)してゐる、055之(これ)は第二(だいに)天国(てんごく)の状態(じやうたい)である。
056一、057脚部(きやくぶ)にあるものは、058天界(てんかい)最劣(さいれつ)の徳(とく)即(すなは)ち自然(しぜん)的(てき)及(および)霊的(れいてき)善徳(ぜんとく)の中(うち)に住(ぢゆう)してゐる。
059一、060腕(うで)と手(て)とにあるものは、061善徳(ぜんとく)の中(うち)より出(い)で来(きた)る真理(しんり)の力(ちから)に住(ぢゆう)してゐる。
062一、063目(め)にあるものは智(ち)に住(ぢゆう)し、064耳(みみ)にあるものは注意(ちゆうい)と従順(じゆうじゆん)に住(ぢゆう)し、065鼻口(びこう)に属(ぞく)するものは知覚(ちかく)に住(ぢゆう)してゐる。066又(また)、067口(くち)と舌(した)とに属(ぞく)するものは智性(ちせい)と知覚(ちかく)とより出(い)づる言語(げんご)の中(うち)に住(ぢゆう)し、068内腎(ないじん)に属(ぞく)するものは研究(けんきう)し調査(てうさ)し分析(ぶんせき)し訂正(ていせい)する処(ところ)の諸々(もろもろ)の真理(しんり)に住(ぢゆう)し、069肝臓(かんざう)、070膵臓(すゐざう)、071脾臓(ひざう)に属(ぞく)するものは善(ぜん)と真(しん)と色々(いろいろ)に洗練(せんれん)するに長(ちやう)じてゐる。072何(いづ)れも神(かみ)の神格(しんかく)は人体中(じんたいちう)に相似(さうじ)せる各局部(かくきよくぶ)に流入(りうにふ)して之(これ)と相応(さうおう)し給(たま)ふ。073天界(てんかい)よりの内流(ないりう)は諸肢体(しよしたい)の働(はたら)き及(および)用(よう)の中(うち)に入(い)り、074而(しか)して具体(ぐたい)的(てき)結果(けつくわ)を現(げん)ずるが故(ゆゑ)に、075茲(ここ)に於(おい)てか相応(さうおう)なるものが行(おこな)はれて来(く)るものである。
076一、077人(ひと)は智(ち)あり覚(かく)ある者(もの)を呼(よ)んで彼(かれ)は頭(あたま)を持(も)つて居(ゐ)るとか、078頭脳(づなう)が緻密(ちみつ)であるとか、079よい頭(あたま)だとか云(い)つて称(たた)へ、080又(また)仁(じん)に厚(あつ)いものを呼(よ)んで彼(かれ)は胸(むね)の友(とも)だとか、081心(こころ)が美(うつく)しいとか、082気(き)のよい人(ひと)だとか、083心意気(こころいき)がよいとか称(たた)へ、084知覚(ちかく)に勝(すぐ)れた人(ひと)を呼(よ)んで彼(かれ)は鋭敏(えいびん)なる嗅覚(きうかく)を持(も)つてゐるとか、085鼻(はな)が高(たか)いとか云(い)ひ、086智慮(ちりよ)に秀(ひい)でたものを呼(よ)んで、087彼(かれ)の視覚(しかく)は鋭(するど)いと云(い)ひ、088或(あるひ)は鬼(おに)の目(め)と云(い)ひ、089強力(がうりき)なる人(ひと)を呼(よ)んで、090彼(かれ)は手(て)が長(なが)いと云(い)ひ、091或(あるひ)は利(き)くと云(い)ひ、092愛(あい)と心(こころ)を基(もと)として志(こころざ)す所(ところ)を決(けつ)するものを呼(よ)んで、093彼(かれ)の行動(かうどう)は心臓(しんざう)より出(い)づるとか、094心底(しんてい)から来(きた)るとか、095同情心(どうじやうしん)が深(ふか)いとか称(とな)へるのである。
096 斯(かく)の如(ごと)く人間(にんげん)の不用意(ふようい)の中(うち)に使(つか)ふ言葉(ことば)や諺(ことわざ)は尚(なほ)此(この)外(ほか)に何程(いくら)とも限(かぎ)りない程(ほど)あるのは、097相応(さうおう)の理(り)に基(もとづ)いて其(その)実(じつ)は厳(いづ)の御霊(みたま)の神示(しんじ)にある通(とほ)り、098何事(なにごと)も神界(しんかい)よりのお言葉(ことば)なる事(こと)は自覚(じかく)し得(え)らるるのである。
099 治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)は人体(じんたい)に於(お)ける心臓部(しんざうぶ)に相当(さうたう)する第二(だいに)天国(てんごく)の最(もつと)も中枢部(ちうすうぶ)たる処(ところ)を今(いま)や巡覧(じゆんらん)の最中(さいちう)である。100さうして天国(てんごく)の組織(そしき)は最高(さいかう)天国(てんごく)が上(じやう)中(ちう)下(げ)三段(さんだん)に区画(くくわく)され、101中間(ちうかん)天国(てんごく)が又(また)上(じやう)中(ちう)下(げ)三段(さんだん)に区画(くくわく)され、102最下層(さいかそう)の天国(てんごく)亦(また)三段(さんだん)に区画(くくわく)されてある。103各段(かくだん)の天国(てんごく)は個々(ここ)の団体(だんたい)を以(もつ)て構成(こうせい)され、104愛善(あいぜん)の徳(とく)と智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の度合(どあひ)の如何(いかん)によりて幾百(いくひやく)ともなく個々(ここ)分立(ぶんりつ)し、105到底(たうてい)之(これ)を明瞭(めいれう)に計算(けいさん)する事(こと)は出来(でき)ないのである。106又(また)霊国(れいごく)も同様(どうやう)に区画(くくわく)され、107信(しん)と智(ち)の善徳(ぜんとく)や智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の度合(どあひ)によつて霊国(れいごく)が三段(さんだん)に大別(たいべつ)され、108又(また)個々(ここ)分立(ぶんりつ)して数(かぞ)へ尽(つく)せない程(ほど)の団体(だんたい)が作(つく)られてゐる。109さうして又(また)一個(いつこ)の団体(だんたい)の中(なか)にも愛(あい)と信(しん)と智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の度(ど)の如何(いかん)によつて或(あるひ)は中央(ちうあう)に座(ざ)を占(し)め、110或(あるひ)は外辺(ぐわいへん)に居(きよ)を占(し)め、111決(けつ)して一様(いちやう)ではない。112斯(か)くの如(ごと)く天人(てんにん)の愛信(あいしん)と証覚(しようかく)の上(うへ)に変移(へんい)あるは、113所謂(いはゆる)勝者(しようじや)は劣者(れつしや)を導(みちび)き、114劣者(れつしや)は勝者(しようじや)に従(したが)ふ天然律(てんねんりつ)が惟神(かむながら)的(てき)に出来(でき)てゐるがために、115各人(かくじん)皆(みな)其(その)分度(ぶんど)に応(おう)じて安(やす)んじ、116少(すこ)しも不安(ふあん)や怨恨(ゑんこん)や不満足(ふまんぞく)等(とう)の起(おこ)る事(こと)なく、117極(きは)めて平和(へいわ)の生涯(しやうがい)を送(おく)り居(ゐ)るものである。
118 さて三(さん)人(にん)は、119とある美(うる)はしき丘陵(きうりよう)の上(うへ)に着(つ)いた。120天日(てんじつ)晃々(くわうくわう)として輝(かがや)き渡(わた)り、121被面布(ひめんぷ)を通(とほ)して其(その)霊光(れいくわう)は厳(きび)しく放射(はうしや)し、122治国別(はるくにわけ)は殆(ほとん)ど目(め)も眩(くら)むばかりになつて来(き)た。123竜公(たつこう)も稍(やや)身体(しんたい)の各部(かくぶ)に苦悶(くもん)を兆(きざ)して来(き)た。124五三公(いそこう)は依然(いぜん)として被面布(ひめんぷ)も被(かぶ)らず此処(ここ)迄(まで)進(すす)んで来(き)たのである。
125五三(いそ)『皆(みな)さま、126大変(たいへん)に御(ご)疲労(ひらう)の様(やう)ですから、127此処(ここ)で山野(さんや)の景色(けしき)を眺(なが)めて、128暫(しばら)く休養(きうやう)さして頂(いただ)きませうか』
129治国(はるくに)『ハイ、130さう致(いた)しませう。131何(なん)だか神(かみ)様(さま)の霊光(れいくわう)にうたれて苦(くる)しくなつて参(まゐ)りました』
132竜公(たつこう)『ヤア私(わたし)も何(なん)となしに苦痛(くつう)を感(かん)じます。133ラジオシンターでもあれば、134一杯(いつぱい)飲(の)みたいものですな』
135五三公『ハヽヽヽヽ、136ラジオシンターは貴方(あなた)等(がた)の様(やう)な壮健(さうけん)な肉体(にくたい)の飲(の)むものぢやありませぬ。137あの薬(くすり)は人体(じんたい)の組織(そしき)を害(がい)しますからな。138然(しか)しながら九死(きうし)一生(いつしやう)の病人(びやうにん)には、139とつたか、140みたかですから宜(よ)いでせう。141あの薬(くすり)は霊国(れいごく)より地上(ちじやう)に下(くだ)る霊薬(れいやく)であつて、142之(これ)を服用(ふくよう)すれば未(いま)だ現界(げんかい)に生(い)きて働(はたら)くべき人間(にんげん)は速(すみや)かに元気(げんき)恢復(くわいふく)し、143又(また)霊界(れいかい)に来(きた)るべき運命(うんめい)にある人間(にんげん)が服用(ふくよう)すれば、144断末魔(だんまつま)の苦痛(くつう)を逃(のが)れ、145楽々(らくらく)と霊肉(れいにく)脱離(だつり)の苦(くる)しみを助(たす)くるものです。146さうだから、147あれは霊薬(れいやく)と云(い)つて霊国(れいごく)から下(くだ)るものです』
148竜公(たつこう)『霊体(れいたい)分離(ぶんり)の時(とき)、149地獄(ぢごく)におつる精霊(せいれい)は虚空(こくう)を掴(つか)み泡(あわ)を吹(ふ)き、150或(あるひ)は暗黒色(あんこくしよく)になり、151非常(ひじやう)な苦悶(くもん)をするものですが、152その様(やう)な精霊(せいれい)でも矢張(やは)り楽(らく)に霊肉(れいにく)脱離(だつり)の難境(なんきやう)を越(こ)えられますか』
153五三公『さうです。154地獄(ぢごく)へ直接(ちよくせつ)落下(らくか)すべき悪霊(あくれい)は此(この)霊薬(れいやく)の力(ちから)によつて肉体(にくたい)より逸早(いちはや)く逃走(たうそう)するが故(ゆゑ)に、155後(あと)には善霊(ぜんれい)即(すなは)ち正(せい)守護神(しゆごじん)のみが残(のこ)り、156安々(やすやす)と脱離(だつり)の境(さかひ)を渡(わた)り得(う)るのです。157霊国(れいごく)に於(おい)ては之(これ)を以(もつ)て霊丹(れいたん)と云(い)ふ薬(くすり)を作(つく)ります。158治国別(はるくにわけ)様(さま)や貴方(あなた)が、159第二(だいに)天国(てんごく)の入口(いりぐち)に於(おい)て木花姫(このはなひめの)命(みこと)よりお頂(いただ)きになつた霊薬(れいやく)は即(すなは)ちそれです。160霊(れい)に充(み)ちてゐる薬(くすり)だから、161霊充(れいじう)と云(い)ふのです。162これを地上(ちじやう)の人間(にんげん)は、163ラヂウムと称(とな)へて居(ゐ)るのですが、164語源(ごげん)は、165つまり一(ひと)つですからな』
166治国(はるくに)『ラジオシンターは止(や)めにして、167それならもう一度(いちど)霊丹(れいたん)が頂(いただ)き度(た)いものですな』
168竜公『先生(せんせい)、169自分(じぶん)の苦痛(くつう)を薬(くすり)によつて治(なほ)さうなどと云(い)ふ想念(さうねん)が起(おこ)りますと、170神(かみ)様(さま)のお道(みち)に対(たい)し所謂(いはゆる)冷淡(れいたん)(霊丹(れいたん))になりやしませぬか。171それよりも天国(てんごく)は愛(あい)の熱(ねつ)によつて充(み)たされてゐるのですから、172大神(おほかみ)直接(ちよくせつ)の内流(ないりう)たる愛(あい)の熱(ねつ)を頂(いただ)く様(やう)に願(ねが)つたら如何(どう)でせう。173私(わたし)は最早(もはや)霊丹(れいたん)の必要(ひつえう)もない様(やう)に思(おも)ひますが……』
174治国別『さうだな、175一(いち)か八(ばち)かの時(とき)に用(もち)ふる霊薬(れいやく)だから、176さう濫用(らんよう)するのは勿体(もつたい)ない。177それよりも尊(たふと)い神(かみ)様(さま)の愛(あい)の熱(ねつ)を頂(いただ)く事(こと)に致(いた)しませう。178あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
179五三公『治国別(はるくにわけ)さま、180如何(どう)です、181もうお疲(つか)れは直(なほ)りましたか』
182治国別『ハイ、183御(ご)神徳(しんとく)によつて、184甦(よみがへ)つた様(やう)です』
185竜公(たつこう)『それ御覧(ごらん)、186惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)と今(いま)仰有(おつしや)つたでせう。187其(その)御(ご)神文(しんもん)の方(はう)が霊充(れいじう)よりも、188霊丹(れいたん)よりも効能(かうのう)が顕著(けんちよ)でせう』
189治国別『ハイ、190有難(ありがた)う厶(ござ)いました』
191 大神(おほかみ)は斯(か)くの如(ごと)くにして第三者(だいさんしや)の口(くち)をかり、192第二者(だいにしや)たる治国別(はるくにわけ)に諸々(もろもろ)の真理(しんり)を悟(さと)させ給(たま)うたのである。
193 凡(すべ)て人(ひと)を教(をし)ふる身(み)は、194其(その)人(ひと)直接(ちよくせつ)に云(い)つては聞(き)かないものである。195人間(にんげん)と云(い)ふものは自尊心(じそんしん)や自負心(じふしん)が強(つよ)いものであるから、196直接(ちよくせつ)其(その)人間(にんげん)に対(たい)して教説(けうせつ)らしき事(こと)を云(い)へば、197其(その)人間(にんげん)は「ヘン其(その)位(くらゐ)の事(こと)はお前(まへ)に聞(き)かなくとも俺(おれ)は知(し)つてゐる。198馬鹿(ばか)々々(ばか)しい」と、199テンデ耳(みみ)に入(い)れぬものである。200故(ゆゑ)に第二者(だいにしや)に直接(ちよくせつ)教説(けうせつ)すべき所(ところ)を第三者(だいさんしや)たる傍人(ばうじん)に問答(もんだふ)を発(はつ)し、201其(その)第三者(だいさんしや)の口(くち)より談話(だんわ)的(てき)に話(はな)さしめて之(これ)を第二者(だいにしや)の耳(みみ)に知覚(ちかく)に流入(りうにう)せしむる方(はう)が余程(よほど)効験(かうけん)のあるものである。202故(ゆゑ)に神界(しんかい)に於(おい)ても時々(ときどき)第一者(だいいつしや)と第三者(だいさんしや)が問答(もんだふ)をなし、203是非(ぜひ)聞(き)かしてやらねばならぬ第二者(だいにしや)に対(たい)して間接(かんせつ)に教示(けうじ)を垂(た)れ給(たま)ふ事(こと)が往々(わうわう)あるのである。204今(いま)茲(ここ)に大神(おほかみ)は五三公(いそこう)、205竜公(たつこう)の両人(りやうにん)をして問答(もんだふ)をなさしめ、206治国別(はるくにわけ)の心霊(しんれい)に耳(みみ)を通(とほ)して諭(さと)さしめたのである。
207竜公『先生(せんせい)、208大変(たいへん)な立派(りつぱ)な日輪(にちりん)様(さま)がお上(あが)りになりましたな。209吾々(われわれ)の日々(にちにち)拝(はい)する日輪(にちりん)様(さま)とは非常(ひじやう)にお姿(すがた)も大(おほ)きく光(ひかり)も強(つよ)いぢやありませぬか』
210治国別『さうだなア、211吾々(われわれ)の現界(げんかい)で見(み)る日輪(にちりん)様(さま)は、212人間(にんげん)の邪気(じやき)がこつて中空(ちうくう)にさまようてゐるから、213其(その)為(た)めに御光(ごくわう)が薄(うす)らいで居(ゐ)るのだらう。214天国(てんごく)へ来(く)ると清浄(せいじやう)無垢(むく)だから、215日輪(にちりん)様(さま)も立派(りつぱ)に拝(をが)めるのだらうよ』
216竜公『それでも吾々(われわれ)の拝(をが)む日輪(にちりん)様(さま)とは何(なん)だか様子(やうす)が違(ちが)ふぢやありませぬか。217もし五三公(いそこう)さま、218如何(どう)でせう』
219五三公『天国(てんごく)に於(おい)ては大神(おほかみ)様(さま)が日輪(にちりん)様(さま)となつて現(あら)はれ給(たま)ひます。220地上(ちじやう)の現界(げんかい)に於(おい)て見(み)る太陽(たいやう)は所謂(いはゆる)自然界(しぜんかい)の太陽(たいやう)であつて、221天国(てんごく)の太陽(たいやう)に比(くら)ぶれば非常(ひじやう)に暗(くら)いものですよ。222自然界(しぜんかい)の太陽(たいやう)より来(きた)るものは凡(すべ)て自愛(じあい)と世間愛(せけんあい)に充(み)ち、223天国(てんごく)の太陽(たいやう)より来(きた)る光(ひかり)は愛善(あいぜん)の光(ひかり)ですから雲泥(うんでい)の相違(さうゐ)がありますよ。224又(また)霊国(れいごく)に於(おい)ては大神(おほかみ)様(さま)は月様(つきさま)とお現(あら)はれになります。225大神(おほかみ)様(さま)に変(かは)りはなけれども、226天人(てんにん)共(ども)の愛(あい)と信(しん)と証覚(しようかく)の如何(いかん)によつて、227或(あるひ)は太陽(たいやう)と現(あら)はれ給(たま)ひ或(あるひ)は月(つき)と現(あら)はれ給(たま)ふのです』
228竜公(たつこう)『やはり天国(てんごく)にても日輪(にちりん)様(さま)は東(ひがし)からお上(あが)りになるのでせうな』
229五三公『地上(ちじやう)の世界(せかい)に於(おい)ては日輪(にちりん)様(さま)が上(のぼ)りきられた最(もつと)も高(たか)い処(ところ)を南(みなみ)と云(い)ひ、230正(まさ)に之(これ)に反(はん)して地下(ちか)にある所(ところ)を北(きた)となし、231日輪(にちりん)様(さま)が昼夜(ちうや)の平分線(へいぶんせん)に上(のぼ)る所(ところ)を東(ひがし)となし、232其(その)没(ぼつ)する所(ところ)を西(にし)となす事(こと)は貴方(あなた)等(がた)の御存(ごぞん)じの通(とほ)りです。233斯(か)くの如(ごと)く現界(げんかい)に於(おい)ては一切(いつさい)の方位(ほうゐ)を南(みなみ)から定(さだ)めますけれども、234高天原(たかあまはら)に於(おい)ては大神(おほかみ)様(さま)が日輪(にちりん)様(さま)と現(あら)はれ給(たま)ふ処(ところ)を東(ひがし)となし、235之(これ)に対(たい)するを西(にし)となし、236それから高天原(たかあまはら)の右(みぎ)の方(はう)を南(みなみ)となし、237左(ひだり)の方(はう)を北(きた)とするのです。238さうして天界(てんかい)の天人(てんにん)は何(いづ)れの処(ところ)に其(その)顔(かほ)と体躯(からだ)とを転向(てんかう)するとも、239皆(みな)日月(じつげつ)に向(むか)つて居(ゐ)るのです。240其(その)日月(じつげつ)に向(むか)うた処(ところ)を東(ひがし)と云(い)ふのです。241故(ゆゑ)に高天原(たかあまはら)の方位(ほうゐ)は皆(みな)東(ひがし)より定(さだ)まります。242何故(なにゆゑ)なれば、243一切(いつさい)のものの生命(せいめい)の源泉(げんせん)は、244日輪(にちりん)様(さま)たる大神(おほかみ)様(さま)より来(きた)る故(ゆゑ)である。245故(ゆゑ)に天界(てんかい)にては、246厳(いづ)の御魂(みたま)、247瑞(みづ)の御魂(みたま)をお東様(ひがしさま)と呼(よ)んでゐます』
248治国(はるくに)『尊(たふと)き厳(いづ)の御魂(みたま)、249瑞(みづ)の御魂(みたま)の大神(おほかみ)様(さま)、250愚昧(ぐまい)なる吾々(われわれ)を教導(けうだう)せむが為(ため)に、251五三公(いそこう)、252竜公(たつこう)の口(くち)を通(とほ)し間接(かんせつ)内流(ないりう)を以(もつ)て吾々(われわれ)にお示(しめ)し下(くだ)さいました其(その)御(ご)高恩(かうおん)を、253有難(ありがた)く感謝(かんしや)致(いた)します。254あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
255(大正一二・一・一〇 旧一一・一一・二四 北村隆光録)
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