霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 天人(てんにん)歓迎(くわんげい)〔一二五〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第17章 天人歓迎 よみ(新仮名遣い):てんにんかんげい 通し章番号:1250
口述日:1923(大正12)年01月09日(旧11月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
治国別と竜公は祝詞づくしの宣伝歌を歌いながら、ある天国団体の一画に着いた。数多の天人は男女の区別なく道の両脇に列を正して、愛と善のこもった言霊を張り上げて二人を歓迎するごとくであった。
天人の衣類は、その智慧と真と相応する。一切の智慧は神真から来るからである。ゆえに天人の衣類は神真の程度の如何によると言えるかもしれない。火焔のように輝く色は愛と善と相応している。光明は善から来る真に相応している。
さまざまな色の衣服をつけた諸々の天人は、治国別と竜公がこの団体を訪ねることを大神の宣示によって知り、歓迎の準備を整えていた。天人は二人の側近く進み来て天国の言葉で歓迎の意を表示していたが、二人はなぜか口舌が硬直して言葉を発することができなかった。
治国別は無言で表情にて感謝の意を表していたが、竜公は『アーアー』という叫び声で喜びを表した。『ア』は喜びを表白する意味であるから、竜公の一言は天人から称揚の的となった。
人間の想念は記憶に付着して、その言語の根源となる。もし天人が人間に向かい来たり両者が和合するに至れば、その人のすべての記憶は天人の前に現出する。大神の特別の御恵により、天人と人間の和合があらしめられれば、天界を人間の内に投入したごとくになる。
治国別は自分がまだ肉体のある精霊であることを天人たちに告げようとしたが、なにゆえか一言も発することができなかった。第二天国の天人に相応すべき愛善と信真と智慧と証覚とが備わっていなかったからである。
治国別たちは天人の諸団体に歓迎されながら、言葉が話せないまま旅行を続けてあまり大きな恥もかかず、首尾よく巡覧して天人に好印象を与えて去ることができたのは不思議であった。
治国別は木花姫命のお導きによって智慧と証覚を与えられ、第二天国の各団体を巡歴し、進んで最高第一天国および霊国に進む物語は、次節より口述する。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-30 17:38:03 OBC :rm4717
愛善世界社版:232頁 八幡書店版:第8輯 558頁 修補版: 校定版:243頁 普及版:114頁 初版: ページ備考:
001()花姫(はなひめ)(たす)けられ
002治国別(はるくにわけ)竜公(たつこう)
003(こころ)いそいそ中間(ちうかん)
004さしもに(ひろ)天国(てんごく)
005当途(あてど)もなしにイソイソと
006(ひがし)()して(すす)()
007金銀(きんぎん)瑪瑙(めなう)硨磲(しやこ)瑠璃(るり)
008玻璃(はり)水晶(すゐしやう)(いろ)つやを
009(てら)して()てる木々(きぎ)()
010宣伝歌(せんでんか)をば(うた)ひつつ
011(あし)(そろ)へて(すす)()く。
012治国別(はるくにわけ)高天原(たかあまはら)八百万(やほよろづ)
013(たふと)(かみ)ぞつまります
014神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)二柱(ふたはしら)
015(すめ)大神(おほかみ)神言(みこと)もて
016()神国(かみくに)をしろしめす
017(かむ)伊弉諾(いざなぎ)大御神(おほみかみ)
018筑柴(つくし)日向(ひむか)(たちばな)
019小戸(をど)青木(あをき)清原(きよはら)
020みそぎ(はら)はせ(たま)(とき)
021()()でませる祓戸(はらひど)
022貴四柱(うづよはしら)大御神(おほみかみ)
023(わが)()(をか)せる諸々(もろもろ)
024(つみ)(けが)れや(あやま)ちを
025(はら)はせ(たま)(すみやか)
026(すす)がせ(たま)へと()(まを)
027(わが)言霊(ことたま)小男鹿(さをしか)
028()つの(みみ)をばふり()てて
029(きこ)しめさへとねぎまつる
030()太元(おほもと)とあれませる
031(すめ)大神(おほかみ)(わが)一行(いつかう)
032(まも)らせ(たま)村肝(むらきも)
033(こころ)(きよ)(たま)へかし
034あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
035御霊(みたま)(さち)はへましませよ
036治国別(はるくにわけ)(つつし)みて
037天津(あまつ)御神(みかみ)国津(くにつ)(かみ)
038(もも)御神(みかみ)(おん)(まへ)
039神言(かみごと)(まを)(たてまつ)
040(うづ)御国(みくに)(かみ)(くに)
041高天原(たかあまはら)八百万(やほよろづ)
042(たふと)(かみ)ぞつまります
043(この)()をすぶる大御祖(おほみおや)
044神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)二柱(ふたはしら)
045(いづ)神言(みこと)(かしこ)みて
046(さと)りの(かみ)()れませる
047(この)()思兼(おもひかね)(かみ)
048百千万(ももちよろづ)(かみ)たちを
049(やす)河原(かはら)神集(かむつど)
050(つど)(たま)ひて神議(かむはか)
051(はか)らせ(たま)()(かみ)
052豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほくに)
053いと安国(やすくに)(たひ)らけく
054しろしめさへと事依(ことよ)さし
055(かた)()けさせ(たま)ひたり
056()くも()させし国中(くになか)
057(あら)ぶり(たけ)(かみ)(ども)
058(かむ)()はしに()はしまし
059(かむ)(はら)ひに(はら)ひまし
060(かた)()はして岩根(いはね)木根(きね)
061立木(たちき)(くさ)片葉(かきは)をも
062(かた)()めさせいづしくも
063(あめ)磐座(いはくら)相放(あひはな)
064(あめ)にふさがる八重雲(やへくも)
065伊頭(いづ)千別(ちわき)千別(ちわき)まし
066(あめ)より(くだ)()さします
067(かみ)(まも)りの四方(よも)(くに)
068(その)真秀良場(まほらば)(きこ)えたる
069大日本(おほやまと)日高見(ひたかみ)(くに)
070浦安国(うらやすくに)(さだ)めまし
071下津(したつ)磐根(いはね)宮柱(みやはしら)
072いとも(ふと)しく()(たま)
073高天原(たかあまはら)千木(ちぎ)(たか)
074すみきりませる()(かみ)
075美頭(みづ)御舎(みあらか)(つか)へまし
076天津(あまつ)御蔭(みかげ)()のみかげ
077(かうむ)りたりと(かく)りまし
078心安国(うらやすくに)(たひ)らけく
079しろしめします国中(くになか)
080(うま)()でたる益人(ますひと)
081(あやま)(をか)雑々(くさぐさ)
082(つく)りし(つみ)(すみや)かに
083()(なほ)しませ惟神(かむながら)
084(うづ)御前(みまへ)()ぎまつる
085天津罪(あまつつみ)とは(あほ)(はな)
086(みぞ)()()(はな)(しき)()きし
087(くし)()(いけ)()(さか)()ぎや
088屎戸(くそへ)許々多久(ここたく)罪科(つみとが)
089(のり)()(たま)天津罪(あまつつみ)
090国津罪(くにつつみ)とは()(うへ)
091生膚断(いきはだだち)死膚断(しはだだち)
092白人(しらひと)胡久美(こくみ)(わが)(はは)
093(をか)せし(つみ)(わが)()をば
094(しひた)(をか)(もも)(つみ)
095母子(おやこ)共々(ともども)(をか)(つみ)
096けものを(をか)昆虫(はふむし)
097(しこ)(わざはひ)天翔(あまかけ)
098国翔(くにかけ)りといふ高神(たかがみ)
099(しこ)(わざはひ)高津鳥(たかつとり)
100(もも)災禍(わざはひ)(けだもの)
101たふし蠱物(まじもの)なせる(つみ)
102いや許々太久(ここたく)(つみ)()でむ
103かく数多(かずおほ)罪出(つみい)でば
104天津(あまつ)祝詞(のりと)神言(みこと)もて
105天津(あまつ)金木(かなぎ)本末(もとすゑ)
106打切(うちき)打断(うちた)(ことごと)
107千座(ちくら)置座(をきくら)におきなして
108天津(あまつ)菅曾(すがそ)(もと)(すゑ)
109()りたち()()()(はり)
110()()きまつり皇神(すめかみ)
111(さづ)(たま)ひし天津国(あまつくに)
112みやび言霊(ことたま)太祝詞(ふとのりと)
113完全(うまら)委曲(つばら)()らせませ
114()()(うへ)天津(あまつ)(かみ)
115(あま)磐戸(いはと)()しひらき
116(あめ)にふさがる八重雲(やへくも)
117伊頭(いづ)千別(ちわき)千別(ちわき)つつ
118(こころ)おだひに(きこ)しめせ
119国津(くにつ)御神(みかみ)高山(たかやま)
120(ちひ)さき(やま)()(のぼ)
121(たか)(ひく)きの山々(やまやま)
122いほりを(きよ)くかきわけて
123(もも)(ねがひ)(きこ)しめす
124かく(きこ)しては(つみ)といふ
125あらゆる(つみ)はあらざれと
126科戸(しなど)(かぜ)八重雲(やへくも)
127気吹(いぶき)(はな)てる(こと)(ごと)
128(あした)(きり)夕霧(ゆふぎり)
129科戸(しなど)(かぜ)心地(ここち)よく
130気吹(いぶ)(はら)ひし(こと)(ごと)
131(なみ)うちよする大津辺(おほつべ)
132つなぎし大船(おほふね)小舟(こぶね)をば
133()()きはなち艫解(ともと)きて
134千尋(ちひろ)(ふか)海原(うなばら)
135()()(はな)(こと)(ごと)
136彼方(かなた)(しげ)()(もと)
137かぬちの(つく)焼鎌(やきかま)
138敏鎌(とがま)(もつ)打払(うちはら)
139神事(しんじ)(ごと)(ちり)ほども
140(のこ)れる(つみ)はあらざれと
141(きよ)(はら)はせ(たま)(こと)
142高山(たかやま)(すゑ)短山(ひきやま)
143(すゑ)より(つよ)佐久那太理(さくなだり)
144おち滝津瀬(たきつせ)速川(はやかは)
145まします瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)(かみ)
146大海原(おほうなばら)持出(もちい)でむ
147かくも持出(もちい)でましまさば
148(つみ)(けが)れも荒塩(あらしほ)
149(しほ)八百道(やほぢ)八塩道(やしほぢ)
150(しほ)八百重(やほへ)にましませる
151()(はや)秋津(あきつ)比売(ひめ)(かみ)
152(たちま)呵々呑(かかの)(たま)ひてむ
153かくも呵々呑(かかの)(たま)ひなば
154気吹(いぶき)小戸(をど)にましませる
155気吹戸主(いぶきどぬし)(まを)(かみ)
156()(くに)(そこ)(くに)までも
157気吹(いぶき)(はな)たせ(たま)ふべし
158()くも気吹(いぶき)(はな)(たま)ひては
159根底(ねそこ)(くに)にあれませる
160(はや)佐須良(さすら)比売(ひめ)(まを)(かみ)
161(すべ)てを佐須良比(さすらひ)(うしな)はむ
162()くも(うしな)ひましまさば
163現世(うつしよ)()吾々(われわれ)
164身魂(みたま)(つみ)とふ罪科(つみとが)
165(すこ)しもあらじと惟神(かむながら)
166(はら)はせ(たま)へいと(きよ)
167あらはせ(たま)へと大前(おほまへ)
168(かしこ)(かしこ)()(まを)
169あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
170御霊(みたま)(さち)はへましませよ』
171 ()祝詞(のりと)くづしの宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら、172(ある)天国(てんごく)団体(だんたい)一劃(いつくわく)()いた。173数多(あまた)天人(てんにん)男女(だんぢよ)区別(くべつ)なく、174数十(すうじふ)(にん)(みち)両側(りやうわき)(れつ)(ただ)し、175『ウオーウオー』と、176(あい)(ぜん)のこもつた言霊(ことたま)()()げて、177二人(ふたり)(きた)るを歓迎(くわんげい)するものの(ごと)くであつた。
178 (ここ)(ひと)天人(てんにん)衣服(いふく)(その)変化(へんくわ)状態(じやうたい)(つい)て、179一言(いちごん)()べておく必要(ひつえう)があると(おも)ふ。180(そもそ)天人(てんにん)衣類(いるゐ)(その)智慧(ちゑ)相応(さうおう)するが(ゆゑ)に、181天国(てんごく)にある(もの)(みな)(その)智慧(ちゑ)()如何(いかん)()つてそれぞれの衣服(いふく)着用(ちやくよう)してゐるものである。182(その)(なか)でも智慧(ちゑ)(もつと)(すぐ)れた(もの)衣類(いるゐ)は、183()天人(てんにん)衣服(いふく)(くら)べてきわ()つて(うつく)しう()えて()る。184(また)(とく)(ひい)でた(もの)衣類(いるゐ)(あだか)火焔(くわえん)(ごと)(かがや)(わた)り、185(あるひ)光明(くわうみやう)(ごと)四方(あたり)()(わた)つてゐる。186(その)智慧(ちゑ)(やや)(おと)つた(もの)衣服(いふく)は、187(かがや)きはあつて真白(まつしろ)()えて()るけれども、188どこともなくおぼろげに()えて、189赫々(かくかく)たる(ひかり)がない、190(また)(その)智慧(ちゑ)(これ)()(もの)は、191それ相応(さうおう)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)し、192(その)(いろ)(また)さまざまであつて、193(けつ)して一様(いちやう)ではない。194(しか)しながら最高(さいかう)最奥(さいあう)天国(てんごく)霊国(れいごく)()天人(てんにん)は、195(けつ)して衣類(いるゐ)などを(もち)ひる(こと)はない。196天人(てんにん)衣類(いるゐ)(その)智慧(ちゑ)相応(さうおう)するが(ゆゑ)(また)(しん)とも相応(さうおう)するのである。197何故(なにゆゑ)ならば、198一切(いつさい)智慧(ちゑ)なるものは、199神真(しんしん)より()るからである。200(ゆゑ)天人(てんにん)衣類(いるゐ)智慧(ちゑ)如何(いかん)によるといふよりも、201神真(しんしん)程度(ていど)如何(いかん)()るといふのが穏当(をんたう)かも()れない。202(しか)して火焔(くわえん)(ごと)(かがや)(いろ)は、203(あい)(ぜん)相応(さうおう)し、204(その)光明(くわうみやう)(ぜん)より(きた)(しん)相応(さうおう)してゐるのである。205(その)衣類(いるゐ)(あるひ)(かがや)きて(かつ)純白(じゆんぱく)なるも、206光輝(くわうき)()いでゐるのもあり、207(その)(いろ)(また)いろいろにして一様(いちやう)ならざるあるは、208神善(しんぜん)(および)神真(しんしん)(ひかり)209(これ)(かがや)(こと)(すくな)くして、210智慧(ちゑ)(なほ)()らざる天人(てんにん)(これ)摂受(せつじゆ)する(こと)211種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)にして、212一様(いちやう)ならざる(ところ)相応(さうおう)するからである。213(また)最高(さいかう)最奥(さいあう)天国(てんごく)霊国(れいごく)()天人(てんにん)衣類(いるゐ)(もち)ひないのは、214(その)霊身(れいしん)清浄(しやうじやう)無垢(むく)なるに()るものである。215清浄(しやうじやう)無垢(むく)といふ(こと)(すなは)赤裸々(せきらら)相応(さうおう)するが(ゆゑ)である。216(しか)して天人(てんにん)(おほ)くの衣類(いるゐ)所有(しよいう)して、217(あるひ)(これ)()ぎ、218(あるひ)(これ)()け、219不用(ふよう)なるものは(しばら)(これ)(たくは)へおき、220(その)(よう)ある(とき)(いた)つて(また)(これ)着用(ちやくよう)する、221そして(この)衣類(いるゐ)(みな)大神(おほかみ)(さま)(たま)(ところ)である。222(その)衣類(いるゐ)にはいろいろの変化(へんくわ)があつて、223第一(だいいち)(および)第二(だいに)情態(じやうたい)()(とき)には、224(ひか)(かがや)いて(しろ)(きよ)く、225第三(だいさん)第四(だいし)との情態(じやうたい)()(とき)には、226(やや)(くも)つた(やう)にみえてをる。227これは相応(さうおう)()より起来(きらい)するものであつて、228智慧(ちゑ)(および)証覚(しようかく)如何(いかん)によつて、229()天人(てんにん)情態(じやうたい)に、230それぞれ変化(へんくわ)がある(ゆゑ)である。231(ついで)地獄界(ぢごくかい)にある(もの)の、232衣類(いるゐ)のことを()べておく。
233 根底(ねそこ)(くに)(おちい)つてゐる(もの)(また)一種(いつしゆ)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)(ゆる)されて()る、234されど(かれ)()悪霊(あくれい)は、235(すべ)ての真理(しんり)(ほか)脱出(だつしゆつ)せるを(もつ)て、236(ちやく)する(ところ)衣服(いふく)(その)癲狂(てんきやう)()虚偽(きよぎ)()とによつて、237(あるひ)(やぶ)れ、238(あるひ)(ほころ)び、239ボロつぎの(ごと)見苦(みぐる)しく、240(また)(その)汚穢(をわい)なる(こと)到底(たうてい)(おもて)()くるに()へない(くらゐ)である。241(しか)(かれ)()(じつ)にこれ以外(いぐわい)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)する(こと)出来(でき)ないのである。242(また)地獄界(ぢごくかい)にゐる悪霊(あくれい)(うる)はしき光沢(くわうたく)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)する(とき)は、243相応(さうおう)()(はん)するが(ゆゑ)に、244身体(しんたい)(くる)しく、245(あたま)(いた)み、246(からだ)をしめつけられる(ごと)くで、247到底(たうてい)着用(ちやくよう)することが出来(でき)ないのである。248(ゆゑ)大神(おほかみ)(かれ)()(みたま)相応(さうおう)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)することを(ゆる)(たま)うたのは、249(その)悪相(あくさう)虚偽(きよぎ)汚穢(をわい)とが赤裸々(せきらら)暴露(ばくろ)する(こと)(ふせ)がしめむが(ため)()仁慈(じんじ)である。
250 種々(いろいろ)さまざまの衣服(いふく)をつけたる諸々(もろもろ)天人(てんにん)は、251治国別(はるくにわけ)252竜公(たつこう)両人(りやうにん)(この)団体(だんたい)()()ることを、253大神(おほかみ)宣示(せんじ)()つて前知(ぜんち)し、254歓迎(くわんげい)準備(じゆんび)(ととの)へて、255(いま)(おそ)しと()つてゐたのである。256数多(あまた)天人(てんにん)(なか)から、257(もつと)(うる)はしく(ひか)(かがや)いてゐる清浄(せいじやう)衣類(いるゐ)着用(ちやくよう)した一人(ひとり)天人(てんにん)は、258治国別(はるくにわけ)側近(そばちか)(すす)(きた)り、259『ウーオー』と()ひながら、260(こころ)(そこ)より歓迎(くわんげい)()表示(へうじ)してゐる。261治国別(はるくにわけ)意外(いぐわい)待遇(たいぐう)()(おどろ)(かつ)(よろこ)びながら、262叮嚀(ていねい)会釈(ゑしやく)をなし、263(かた)天人(てんにん)()(にぎ)りしめて、264何事(なにごと)()はむとしたが、265何故(なにゆゑ)口舌(こうぜつ)硬直(かうちよく)して、266一言(いちごん)(はつ)することが出来(でき)なかつた。267(ここ)(おい)治国別(はるくにわけ)(その)顔面(がんめん)表情(へうじやう)(もつ)て、268感謝(かんしや)()(しめ)(こと)としたのである。269数多(あまた)天人(てんにん)治国別(はるくにわけ)前後(ぜんご)左右(さいう)(むらが)(きた)り、270『ウオーウオー』と(さけ)びながら、271(かつ)(うた)ひ、272(かつ)()(をど)(くる)うて、273(その)旅情(りよじやう)(なぐさ)めむと(われ)(わす)れて(その)優待(いうたい)全力(ぜんりよく)(つく)してゐる。274竜公(たつこう)(あま)りの(うれ)しさに(くち)をあけた(まま)275ポカンとして、276(ただ)『アーアー』とのみ(さけ)んでゐる。277(しか)天国(てんごく)(おい)ては、278『ア』といふ(こゑ)(よろこ)びを表白(へうはく)する意味(いみ)であるから、279竜公(たつこう)(この)一言(いちごん)治国別(はるくにわけ)無言(むごん)引替(ひきか)へ、280(もつと)天人間(てんにんかん)から尊重(そんちよう)され、281(かつ)賞揚(しやうやう)(まと)となつたのである。282天人(てんにん)(すべ)人間(にんげん)相語(あひかた)(とき)は、283天人(てんにん)(けつ)して(みづか)らの言語(げんご)(もち)ひず、284(その)相手(あひて)言語(げんご)(および)相手(あひて)()れる(ところ)言語(げんご)(もち)ひ、285(その)(ひと)()らざる言語(げんご)一切(いつさい)(もち)ひない(こと)になつてゐる。286天人(てんにん)人間(にんげん)ともの()(とき)は、287自己(じこ)(てん)じて人間(にんげん)(むか)ひ、288これと相和合(あひわがう)するものである。289(この)和合(わがふ)両者(りやうしや)をして相似(さうじ)想念(さうねん)情態(じやうたい)(ちう)()らしむるものである。290(しか)しながら、291治国別(はるくにわけ)天人(てんにん)団体(だんたい)(おい)ては、292これを肉体(にくたい)のある精霊(せいれい)とは(おも)はなかつた(ため)に、293天人(てんにん)()(もち)ひたから、294治国別(はるくにわけ)(めん)くらつたのである。
295 (すべ)人間(にんげん)想念(さうねん)記憶(きおく)附着(ふちやく)して、296(その)言語(げんご)根源(こんげん)となるが(ゆゑ)に、297(この)両者(りやうしや)(とも)同一(どういつ)言語中(げんごちう)にありと()つても()いのである。298(かつ)(また)天人(てんにん)(および)精霊(せいれい)人間(にんげん)(むか)(きた)るや、299(みづか)(てん)じて(かれ)(むか)ひ、300(かれ)和合(わがふ)するに(いた)れば、301(その)(ひと)のすべての記憶(きおく)は、302天人(てんにん)(まへ)現出(げんしゆつ)するものである。303天人(てんにん)人間(にんげん)談話(だんわ)するに(あた)り、304(その)(ひと)和合(わがふ)するは、305(ひと)霊的(れいてき)思想(しさう)とつまり和合(わがふ)するものであるけれども、306(その)霊的(れいてき)想念(さうねん)(なが)れて、307自然界(しぜんかい)想念中(さうねんちう)()り、308(その)記憶(きおく)附着(ふちやく)(はな)れざるに()り、309(その)(ひと)言語(げんご)天人(てんにん)(ごと)()え、310(また)(その)(ひと)知識(ちしき)天人(てんにん)知識(ちしき)(ごと)()ゆるものである。311(かく)(ごと)きは大神(おほかみ)特別(とくべつ)御恵(みめぐみ)()つて、312天人(てんにん)人間(にんげん)との(あひだ)和合(わがふ)あらしめ(たま)ひ、313(あだか)天界(てんかい)人間(にんげん)(うち)投入(とうにふ)したるが(ごと)くならしめ(たま)ふに()るのである。314(しか)しながら現代(げんだい)人間(にんげん)情態(じやうたい)は、315太古(たいこ)()ける天的(てんてき)人間(にんげん)(くわん)なく、316天人(てんにん)との和合(わがふ)(また)(むつ)かしい。317(かへつ)天界(てんかい)以外(いぐわい)悪精霊(あくせいれい)和合(わがふ)するに立至(たちいた)つたのである。318精霊(せいれい)()物語(ものがた)(もの)の、319人間(にんげん)なることを(しん)ぜず、320この(ひと)(うち)にある自分(じぶん)(ども)なりと(しん)()つて()るのである。
321 (ここ)治国別(はるくにわけ)自分(じぶん)(いま)肉体(にくたい)のある精霊(せいれい)なる(こと)()げて、322(いま)天人(てんにん)(ゐき)(すす)んでゐない(こと)をあから(さま)()げようと(つと)めたけれど、323何故(なにゆゑ)一言(いちごん)(はつ)することが出来(でき)なかつた。324(その)(ゆゑ)第二(だいに)天国(てんごく)天人(てんにん)相応(さうおう)すべき愛善(あいぜん)信真(しんしん)智慧(ちゑ)証覚(しようかく)とが、325(そな)はつてゐなかつたからである。326ここに治国別(はるくにわけ)天人(てんにん)諸団体(しよだんたい)歓迎(くわんげい)され、327(おし)旅行(りよかう)(つづ)けて、328(ただ)アオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)(わづか)(はつ)する(やう)になり、329(から)うじて(あま)(おほ)きな(はぢ)をかかず、330(この)(ひと)つの団体(だんたい)首尾(しゆび)()巡覧(じゆんらん)し、331()天人(てんにん)比較(ひかく)(てき)好感(かうかん)(あた)へて此処(ここ)()(こと)()たのは、332(じつ)不思議(ふしぎ)()へば不思議(ふしぎ)(くらゐ)であつた。333(これ)より治国別(はるくにわけ)(ふたた)木花姫(このはなひめの)(みこと)()(みちび)きに()つて、334智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(あた)へられ、335第二(だいに)天国(てんごく)各団体(かくだんたい)巡歴(じゆんれき)し、336(すす)んで最高(さいかう)第一(だいいち)天国(てんごく)(および)霊国(れいごく)(すす)物語(ものがたり)次節(じせつ)より口述(こうじゆつ)する(こと)とする。
337 惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
338大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 松村真澄録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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