霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 天人(てんにん)歓迎(くわんげい)〔一二五〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第47巻 舎身活躍 戌の巻 篇:第3篇 天国巡覧 よみ(新仮名遣い):てんごくじゅんらん
章:第17章 天人歓迎 よみ(新仮名遣い):てんにんかんげい 通し章番号:1250
口述日:1923(大正12)年01月09日(旧11月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年10月6日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
治国別と竜公は祝詞づくしの宣伝歌を歌いながら、ある天国団体の一画に着いた。数多の天人は男女の区別なく道の両脇に列を正して、愛と善のこもった言霊を張り上げて二人を歓迎するごとくであった。
天人の衣類は、その智慧と真と相応する。一切の智慧は神真から来るからである。ゆえに天人の衣類は神真の程度の如何によると言えるかもしれない。火焔のように輝く色は愛と善と相応している。光明は善から来る真に相応している。
さまざまな色の衣服をつけた諸々の天人は、治国別と竜公がこの団体を訪ねることを大神の宣示によって知り、歓迎の準備を整えていた。天人は二人の側近く進み来て天国の言葉で歓迎の意を表示していたが、二人はなぜか口舌が硬直して言葉を発することができなかった。
治国別は無言で表情にて感謝の意を表していたが、竜公は『アーアー』という叫び声で喜びを表した。『ア』は喜びを表白する意味であるから、竜公の一言は天人から称揚の的となった。
人間の想念は記憶に付着して、その言語の根源となる。もし天人が人間に向かい来たり両者が和合するに至れば、その人のすべての記憶は天人の前に現出する。大神の特別の御恵により、天人と人間の和合があらしめられれば、天界を人間の内に投入したごとくになる。
治国別は自分がまだ肉体のある精霊であることを天人たちに告げようとしたが、なにゆえか一言も発することができなかった。第二天国の天人に相応すべき愛善と信真と智慧と証覚とが備わっていなかったからである。
治国別たちは天人の諸団体に歓迎されながら、言葉が話せないまま旅行を続けてあまり大きな恥もかかず、首尾よく巡覧して天人に好印象を与えて去ることができたのは不思議であった。
治国別は木花姫命のお導きによって智慧と証覚を与えられ、第二天国の各団体を巡歴し、進んで最高第一天国および霊国に進む物語は、次節より口述する。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-04-30 17:38:03 文字数:4529 OBC :rm4717
愛善世界社版:232頁 八幡書店版:第8輯 558頁 修補版: 校定版:243頁 普及版:114頁 初版: ページ備考:
001木(こ)の花姫(はなひめ)に助(たす)けられ
002治国別(はるくにわけ)や竜公(たつこう)は
003心(こころ)いそいそ中間(ちうかん)の
004さしもに広(ひろ)き天国(てんごく)を
005当途(あてど)もなしにイソイソと
006東(ひがし)を指(さ)して進(すす)み行(ゆ)く
007金銀(きんぎん)瑪瑙(めなう)硨磲(しやこ)瑠璃(るり)や
008玻璃(はり)水晶(すゐしやう)の色(いろ)つやを
009照(てら)して立(た)てる木々(きぎ)の間(ま)を
010宣伝歌(せんでんか)をば歌(うた)ひつつ
011足(あし)を揃(そろ)へて進(すす)み行(ゆ)く。
012治国別(はるくにわけ)『高天原(たかあまはら)に八百万(やほよろづ)
013尊(たふと)き神(かみ)ぞつまります
014神漏岐(かむろぎ)、神漏美(かむろみ)二柱(ふたはしら)
015皇(すめ)大神(おほかみ)の神言(みこと)もて
016日(ひ)の神国(かみくに)をしろしめす
017神(かむ)伊弉諾(いざなぎ)の大御神(おほみかみ)
018筑柴(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の
019小戸(をど)の青木(あをき)が清原(きよはら)に
020みそぎ祓(はら)はせ給(たま)ふ時(とき)
021生(な)り出(い)でませる祓戸(はらひど)の
022貴四柱(うづよはしら)の大御神(おほみかみ)
023吾(わが)身(み)に犯(をか)せる諸々(もろもろ)の
024罪(つみ)や汚(けが)れや過(あやま)ちを
025祓(はら)はせ給(たま)へ速(すみやか)に
026清(すす)がせ給(たま)へと願(ね)ぎ申(まを)す
027吾(わが)言霊(ことたま)を小男鹿(さをしか)の
028八(や)つの耳(みみ)をばふり立(た)てて
029聞(きこ)しめさへとねぎまつる
030世(よ)の太元(おほもと)とあれませる
031皇(すめ)大神(おほかみ)よ吾(わが)一行(いつかう)
032守(まも)らせ給(たま)へ村肝(むらきも)の
033心(こころ)を清(きよ)め給(たま)へかし
034あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
035御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ
036治国別(はるくにわけ)は謹(つつし)みて
037天津(あまつ)御神(みかみ)や国津(くにつ)神(かみ)
038百(もも)の御神(みかみ)の御(おん)前(まへ)に
039神言(かみごと)申(まを)し奉(たてまつ)る
040珍(うづ)の御国(みくに)の神(かみ)の国(くに)
041高天原(たかあまはら)に八百万(やほよろづ)
042尊(たふと)き神(かみ)ぞつまります
043此(この)世(よ)をすぶる大御祖(おほみおや)
044神漏岐(かむろぎ)、神漏美(かむろみ)二柱(ふたはしら)
045厳(いづ)の神言(みこと)を畏(かしこ)みて
046覚(さと)りの神(かみ)と現(あ)れませる
047此(この)世(よ)を思兼(おもひかね)の神(かみ)
048百千万(ももちよろづ)の神(かみ)たちを
049安(やす)の河原(かはら)に神集(かむつど)ひ
050集(つど)ひ給(たま)ひて神議(かむはか)り
051議(はか)らせ給(たま)ひ主(す)の神(かみ)は
052豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みづほくに)
053いと安国(やすくに)と平(たひ)らけく
054しろしめさへと事依(ことよ)さし
055固(かた)く任(ま)けさせ給(たま)ひたり
056斯(か)くも依(よ)させし国中(くになか)に
057荒(あら)ぶり猛(たけ)ぶ神(かみ)等(ども)を
058神(かむ)問(と)はしに問(と)はしまし
059神(かむ)掃(はら)ひに掃(はら)ひまし
060語(かた)り問(と)はして岩根(いはね)木根(きね)
061立木(たちき)や草(くさ)の片葉(かきは)をも
062語(かた)り止(や)めさせいづしくも
063天(あめ)の磐座(いはくら)相放(あひはな)ち
064天(あめ)にふさがる八重雲(やへくも)を
065伊頭(いづ)の千別(ちわき)に千別(ちわき)まし
066天(あめ)より降(くだ)り依(よ)さします
067神(かみ)の守(まも)りの四方(よも)の国(くに)
068其(その)真秀良場(まほらば)と聞(きこ)えたる
069大日本(おほやまと)日高見(ひたかみ)の国(くに)を
070浦安国(うらやすくに)と定(さだ)めまし
071下津(したつ)磐根(いはね)に宮柱(みやはしら)
072いとも太(ふと)しく立(た)て給(たま)ひ
073高天原(たかあまはら)に千木(ちぎ)高(たか)く
074すみきりませる主(す)の神(かみ)の
075美頭(みづ)の御舎(みあらか)仕(つか)へまし
076天津(あまつ)御蔭(みかげ)や日(ひ)のみかげ
077被(かうむ)りたりと隠(かく)りまし
078心安国(うらやすくに)と平(たひ)らけく
079しろしめします国中(くになか)に
080生(うま)れ出(い)でたる益人(ますひと)が
081過(あやま)ち犯(をか)し雑々(くさぐさ)の
082作(つく)りし罪(つみ)は速(すみや)かに
083宣(の)り直(なほ)しませ惟神(かむながら)
084珍(うづ)の御前(みまへ)に願(ね)ぎまつる
085天津罪(あまつつみ)とは畔(あほ)放(はな)ち
086溝(みぞ)埋(う)め樋(ひ)放(はな)ち頻(しき)蒔(ま)きし
087串(くし)差(さ)し生(いけ)剥(は)ぎ逆(さか)剥(は)ぎや
088屎戸(くそへ)許々多久(ここたく)罪科(つみとが)を
089詔(のり)別(わ)け給(たま)ふ天津罪(あまつつみ)
090国津罪(くにつつみ)とは地(ち)の上(うへ)の
091生膚断(いきはだだち)や死膚断(しはだだち)
092白人(しらひと)胡久美(こくみ)吾(わが)母(はは)を
093犯(をか)せし罪(つみ)や吾(わが)子(こ)をば
094虐(しひた)げ犯(をか)す百(もも)の罪(つみ)
095母子(おやこ)共々(ともども)犯(をか)す罪(つみ)
096けものを犯(をか)し昆虫(はふむし)の
097醜(しこ)の災(わざはひ)天翔(あまかけ)り
098国翔(くにかけ)りといふ高神(たかがみ)の
099醜(しこ)の災(わざはひ)高津鳥(たかつとり)
100百(もも)の災禍(わざはひ)獣(けだもの)を
101たふし蠱物(まじもの)なせる罪(つみ)
102いや許々太久(ここたく)の罪(つみ)出(い)でむ
103かく数多(かずおほ)き罪出(つみい)でば
104天津(あまつ)祝詞(のりと)の神言(みこと)もて
105天津(あまつ)金木(かなぎ)の本末(もとすゑ)を
106打切(うちき)り打断(うちた)ち悉(ことごと)く
107千座(ちくら)の置座(をきくら)におきなして
108天津(あまつ)菅曾(すがそ)を本(もと)と末(すゑ)
109刈(か)りたち刈(か)り切(き)り八(や)つ針(はり)に
110取(と)り裂(さ)きまつり皇神(すめかみ)の
111授(さづ)け給(たま)ひし天津国(あまつくに)
112みやび言霊(ことたま)の太祝詞(ふとのりと)
113完全(うまら)に委曲(つばら)に宣(の)らせませ
114斯(か)く宣(の)る上(うへ)は天津(あまつ)神(かみ)は
115天(あま)の磐戸(いはと)を推(お)しひらき
116天(あめ)にふさがる八重雲(やへくも)を
117伊頭(いづ)の千別(ちわき)に千別(ちわき)つつ
118心(こころ)おだひに聞(きこ)しめせ
119国津(くにつ)御神(みかみ)は高山(たかやま)と
120小(ちひ)さき山(やま)の尾(を)に登(のぼ)り
121高(たか)き低(ひく)きの山々(やまやま)の
122いほりを清(きよ)くかきわけて
123百(もも)の願(ねがひ)を聞(きこ)しめす
124かく聞(きこ)しては罪(つみ)といふ
125あらゆる罪(つみ)はあらざれと
126科戸(しなど)の風(かぜ)の八重雲(やへくも)を
127気吹(いぶき)放(はな)てる事(こと)の如(ごと)
128朝(あした)の霧(きり)や夕霧(ゆふぎり)を
129科戸(しなど)の風(かぜ)の心地(ここち)よく
130気吹(いぶ)き払(はら)ひし事(こと)の如(ごと)
131浪(なみ)うちよする大津辺(おほつべ)に
132つなぎし大船(おほふね)小舟(こぶね)をば
133舳(へ)を解(と)きはなち艫解(ともと)きて
134千尋(ちひろ)の深(ふか)き海原(うなばら)に
135押(お)し出(だ)し放(はな)つ事(こと)の如(ごと)
136彼方(かなた)に繁(しげ)る木(き)の元(もと)を
137かぬちの造(つく)る焼鎌(やきかま)や
138敏鎌(とがま)を以(もつ)て打払(うちはら)ふ
139神事(しんじ)の如(ごと)く塵(ちり)ほども
140残(のこ)れる罪(つみ)はあらざれと
141清(きよ)め払(はら)はせ給(たま)ふ事(こと)を
142高山(たかやま)の末(すゑ)短山(ひきやま)の
143末(すゑ)より強(つよ)く佐久那太理(さくなだり)
144おち滝津瀬(たきつせ)や速川(はやかは)に
145まします瀬織津(せおりつ)比売(ひめ)の神(かみ)
146大海原(おほうなばら)に持出(もちい)でむ
147かくも持出(もちい)でましまさば
148罪(つみ)も汚(けが)れも荒塩(あらしほ)の
149塩(しほ)の八百道(やほぢ)の八塩道(やしほぢ)の
150塩(しほ)の八百重(やほへ)にましませる
151瀬(せ)も速(はや)秋津(あきつ)比売(ひめ)の神(かみ)
152忽(たちま)ち呵々呑(かかの)み給(たま)ひてむ
153かくも呵々呑(かかの)み給(たま)ひなば
154気吹(いぶき)の小戸(をど)にましませる
155気吹戸主(いぶきどぬし)と申(まを)す神(かみ)
156根(ね)の国(くに)底(そこ)の国(くに)までも
157気吹(いぶき)放(はな)たせ給(たま)ふべし
158斯(か)くも気吹(いぶき)放(はな)ち給(たま)ひては
159根底(ねそこ)の国(くに)にあれませる
160速(はや)佐須良(さすら)比売(ひめ)と申(まを)す神(かみ)
161総(すべ)てを佐須良比(さすらひ)失(うしな)はむ
162斯(か)くも失(うしな)ひましまさば
163現世(うつしよ)に在(あ)る吾々(われわれ)が
164身魂(みたま)に罪(つみ)とふ罪科(つみとが)は
165少(すこ)しもあらじと惟神(かむながら)
166払(はら)はせ給(たま)へいと清(きよ)く
167あらはせ給(たま)へと大前(おほまへ)に
168畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎ申(まを)す
169あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
170御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ』
171 斯(か)く祝詞(のりと)くづしの宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひながら、172或(ある)天国(てんごく)団体(だんたい)の一劃(いつくわく)に着(つ)いた。173数多(あまた)の天人(てんにん)は男女(だんぢよ)の区別(くべつ)なく、174数十(すうじふ)人(にん)道(みち)の両側(りやうわき)に列(れつ)を正(ただ)し、175『ウオーウオー』と、176愛(あい)と善(ぜん)のこもつた言霊(ことたま)を張(は)り上(あ)げて、177二人(ふたり)の来(きた)るを歓迎(くわんげい)するものの如(ごと)くであつた。
178 茲(ここ)に一(ひと)つ天人(てんにん)の衣服(いふく)と其(その)変化(へんくわ)の状態(じやうたい)に就(つい)て、179一言(いちごん)述(の)べておく必要(ひつえう)があると思(おも)ふ。180抑(そもそ)も天人(てんにん)の衣類(いるゐ)は其(その)智慧(ちゑ)と相応(さうおう)するが故(ゆゑ)に、181天国(てんごく)にある者(もの)は皆(みな)其(その)智慧(ちゑ)の度(ど)の如何(いかん)に依(よ)つてそれぞれの衣服(いふく)を着用(ちやくよう)してゐるものである。182其(その)中(なか)でも智慧(ちゑ)の最(もつと)も秀(すぐ)れた者(もの)の衣類(いるゐ)は、183他(た)の天人(てんにん)の衣服(いふく)に比(くら)べてきわ立(だ)つて美(うつく)しう見(み)えて居(ゐ)る。184又(また)特(とく)に秀(ひい)でた者(もの)の衣類(いるゐ)は恰(あだか)も火焔(くわえん)の如(ごと)く輝(かがや)き渡(わた)り、185或(あるひ)は光明(くわうみやう)の如(ごと)く四方(あたり)に照(て)り渡(わた)つてゐる。186其(その)智慧(ちゑ)の稍(やや)劣(おと)つた者(もの)の衣服(いふく)は、187輝(かがや)きはあつて真白(まつしろ)に見(み)えて居(ゐ)るけれども、188どこともなくおぼろげに見(み)えて、189赫々(かくかく)たる光(ひかり)がない、190又(また)其(その)智慧(ちゑ)の之(これ)に次(つ)ぐ者(もの)は、191それ相応(さうおう)の衣類(いるゐ)を着用(ちやくよう)し、192其(その)色(いろ)も亦(また)さまざまであつて、193決(けつ)して一様(いちやう)ではない。194併(しか)しながら最高(さいかう)最奥(さいあう)の天国(てんごく)霊国(れいごく)に在(あ)る天人(てんにん)は、195決(けつ)して衣類(いるゐ)などを用(もち)ひる事(こと)はない。196天人(てんにん)の衣類(いるゐ)は其(その)智慧(ちゑ)と相応(さうおう)するが故(ゆゑ)に又(また)真(しん)とも相応(さうおう)するのである。197何故(なにゆゑ)ならば、198一切(いつさい)の智慧(ちゑ)なるものは、199神真(しんしん)より来(く)るからである。200故(ゆゑ)に天人(てんにん)の衣類(いるゐ)は智慧(ちゑ)の如何(いかん)によるといふよりも、201神真(しんしん)の程度(ていど)の如何(いかん)に依(よ)るといふのが穏当(をんたう)かも知(し)れない。202而(しか)して火焔(くわえん)の如(ごと)く輝(かがや)く色(いろ)は、203愛(あい)の善(ぜん)と相応(さうおう)し、204其(その)光明(くわうみやう)は善(ぜん)より来(きた)る真(しん)に相応(さうおう)してゐるのである。205其(その)衣類(いるゐ)の或(あるひ)は輝(かがや)きて且(かつ)純白(じゆんぱく)なるも、206光輝(くわうき)を欠(か)いでゐるのもあり、207其(その)色(いろ)又(また)いろいろにして一様(いちやう)ならざるあるは、208神善(しんぜん)及(および)神真(しんしん)の光(ひかり)、209之(これ)に輝(かがや)く事(こと)少(すくな)くして、210智慧(ちゑ)尚(なほ)足(た)らざる天人(てんにん)の之(これ)を摂受(せつじゆ)する事(こと)、211種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)にして、212一様(いちやう)ならざる所(ところ)に相応(さうおう)するからである。213又(また)最高(さいかう)最奥(さいあう)の天国(てんごく)霊国(れいごく)に在(あ)る天人(てんにん)が衣類(いるゐ)を用(もち)ひないのは、214其(その)霊身(れいしん)の清浄(しやうじやう)無垢(むく)なるに依(よ)るものである。215清浄(しやうじやう)無垢(むく)といふ事(こと)は即(すなは)ち赤裸々(せきらら)に相応(さうおう)するが故(ゆゑ)である。216而(しか)して天人(てんにん)は多(おほ)くの衣類(いるゐ)を所有(しよいう)して、217或(あるひ)は之(これ)を脱(ぬ)ぎ、218或(あるひ)は之(これ)を着(つ)け、219不用(ふよう)なるものは暫(しばら)く之(これ)を貯(たくは)へおき、220其(その)用(よう)ある時(とき)に至(いた)つて又(また)之(これ)を着用(ちやくよう)する、221そして此(この)衣類(いるゐ)は皆(みな)大神(おほかみ)様(さま)の賜(たま)ふ所(ところ)である。222其(その)衣類(いるゐ)にはいろいろの変化(へんくわ)があつて、223第一(だいいち)及(および)第二(だいに)の情態(じやうたい)に居(を)る時(とき)には、224光(ひか)り輝(かがや)いて白(しろ)く清(きよ)く、225第三(だいさん)と第四(だいし)との情態(じやうたい)に居(ゐ)る時(とき)には、226稍(やや)曇(くも)つた様(やう)にみえてをる。227これは相応(さうおう)の理(り)より起来(きらい)するものであつて、228智慧(ちゑ)及(および)証覚(しようかく)の如何(いかん)によつて、229斯(か)く天人(てんにん)の情態(じやうたい)に、230それぞれ変化(へんくわ)がある故(ゆゑ)である。231序(ついで)に地獄界(ぢごくかい)にある者(もの)の、232衣類(いるゐ)のことを述(の)べておく。
233 根底(ねそこ)の国(くに)に陥(おちい)つてゐる者(もの)も亦(また)一種(いつしゆ)の衣類(いるゐ)の着用(ちやくよう)を許(ゆる)されて居(ゐ)る、234されど彼(かれ)等(ら)の悪霊(あくれい)は、235総(すべ)ての真理(しんり)の外(ほか)に脱出(だつしゆつ)せるを以(もつ)て、236着(ちやく)する所(ところ)の衣服(いふく)は其(その)癲狂(てんきやう)の度(ど)と虚偽(きよぎ)の度(ど)とによつて、237或(あるひ)は破(やぶ)れ、238或(あるひ)は綻(ほころ)び、239ボロつぎの如(ごと)く見苦(みぐる)しく、240又(また)其(その)汚穢(をわい)なる事(こと)は到底(たうてい)面(おもて)を向(む)くるに堪(た)へない位(くらゐ)である。241併(しか)し彼(かれ)等(ら)は実(じつ)にこれ以外(いぐわい)の衣類(いるゐ)を着用(ちやくよう)する事(こと)が出来(でき)ないのである。242又(また)地獄界(ぢごくかい)にゐる悪霊(あくれい)は美(うる)はしき光沢(くわうたく)の衣類(いるゐ)を着用(ちやくよう)する時(とき)は、243相応(さうおう)の理(り)に反(はん)するが故(ゆゑ)に、244身体(しんたい)苦(くる)しく、245頭(あたま)痛(いた)み、246体(からだ)をしめつけられる如(ごと)くで、247到底(たうてい)着用(ちやくよう)することが出来(でき)ないのである。248故(ゆゑ)に大神(おほかみ)が彼(かれ)等(ら)の霊(みたま)相応(さうおう)の衣類(いるゐ)を着用(ちやくよう)することを許(ゆる)し給(たま)うたのは、249其(その)悪相(あくさう)と虚偽(きよぎ)と汚穢(をわい)とが赤裸々(せきらら)に暴露(ばくろ)する事(こと)を防(ふせ)がしめむが為(ため)の御(ご)仁慈(じんじ)である。
250 種々(いろいろ)さまざまの衣服(いふく)をつけたる諸々(もろもろ)の天人(てんにん)は、251治国別(はるくにわけ)、252竜公(たつこう)両人(りやうにん)の此(この)団体(だんたい)に入(い)り来(く)ることを、253大神(おほかみ)の宣示(せんじ)に仍(よ)つて前知(ぜんち)し、254歓迎(くわんげい)の準備(じゆんび)を整(ととの)へて、255今(いま)や遅(おそ)しと待(ま)つてゐたのである。256数多(あまた)の天人(てんにん)の中(なか)から、257最(もつと)も美(うる)はしく光(ひか)り輝(かがや)いてゐる清浄(せいじやう)の衣類(いるゐ)を着用(ちやくよう)した一人(ひとり)の天人(てんにん)は、258治国別(はるくにわけ)の側近(そばちか)く進(すす)み来(きた)り、259『ウーオー』と言(い)ひながら、260心(こころ)の底(そこ)より歓迎(くわんげい)の意(い)を表示(へうじ)してゐる。261治国別(はるくにわけ)も意外(いぐわい)の待遇(たいぐう)に且(か)つ驚(おどろ)き且(かつ)喜(よろこ)びながら、262叮嚀(ていねい)に会釈(ゑしやく)をなし、263固(かた)く天人(てんにん)の手(て)を握(にぎ)りしめて、264何事(なにごと)か言(い)はむとしたが、265何故(なにゆゑ)か口舌(こうぜつ)硬直(かうちよく)して、266一言(いちごん)も発(はつ)することが出来(でき)なかつた。267茲(ここ)に於(おい)て治国別(はるくにわけ)は其(その)顔面(がんめん)の表情(へうじやう)を以(もつ)て、268感謝(かんしや)の意(い)を示(しめ)す事(こと)としたのである。269数多(あまた)の天人(てんにん)は治国別(はるくにわけ)の前後(ぜんご)左右(さいう)に群(むらが)り来(きた)り、270『ウオーウオー』と叫(さけ)びながら、271且(かつ)歌(うた)ひ、272且(かつ)舞(ま)ひ踊(をど)り狂(くる)うて、273其(その)旅情(りよじやう)を慰(なぐさ)めむと吾(われ)を忘(わす)れて其(その)優待(いうたい)に全力(ぜんりよく)を尽(つく)してゐる。274竜公(たつこう)は余(あま)りの嬉(うれ)しさに口(くち)をあけた儘(まま)、275ポカンとして、276只(ただ)『アーアー』とのみ叫(さけ)んでゐる。277併(しか)し天国(てんごく)に於(おい)ては、278『ア』といふ声(こゑ)は喜(よろこ)びを表白(へうはく)する意味(いみ)であるから、279竜公(たつこう)の此(この)一言(いちごん)は治国別(はるくにわけ)の無言(むごん)に引替(ひきか)へ、280最(もつと)も天人間(てんにんかん)から尊重(そんちよう)され、281且(かつ)賞揚(しやうやう)の的(まと)となつたのである。282天人(てんにん)が総(すべ)て人間(にんげん)と相語(あひかた)る時(とき)は、283天人(てんにん)は決(けつ)して自(みづか)らの言語(げんご)を用(もち)ひず、284其(その)相手(あひて)の言語(げんご)及(および)相手(あひて)が知(し)れる所(ところ)の言語(げんご)を用(もち)ひ、285其(その)人(ひと)の知(し)らざる言語(げんご)は一切(いつさい)用(もち)ひない事(こと)になつてゐる。286天人(てんにん)の人間(にんげん)ともの云(い)ふ時(とき)は、287自己(じこ)を転(てん)じて人間(にんげん)に向(むか)ひ、288これと相和合(あひわがう)するものである。289此(この)和合(わがふ)は両者(りやうしや)をして相似(さうじ)の想念(さうねん)情態(じやうたい)中(ちう)に入(い)らしむるものである。290併(しか)しながら、291治国別(はるくにわけ)は天人(てんにん)の団体(だんたい)に於(おい)ては、292これを肉体(にくたい)のある精霊(せいれい)とは思(おも)はなかつた為(ため)に、293天人(てんにん)の語(ご)を用(もち)ひたから、294治国別(はるくにわけ)が面(めん)くらつたのである。
295 凡(すべ)て人間(にんげん)の想念(さうねん)は記憶(きおく)に附着(ふちやく)して、296其(その)言語(げんご)の根源(こんげん)となるが故(ゆゑ)に、297此(この)両者(りやうしや)は共(とも)に同一(どういつ)の言語中(げんごちう)にありと云(い)つても良(よ)いのである。298且(かつ)又(また)天人(てんにん)及(および)精霊(せいれい)の人間(にんげん)に向(むか)ひ来(きた)るや、299自(みづか)ら転(てん)じて彼(かれ)に向(むか)ひ、300彼(かれ)と和合(わがふ)するに至(いた)れば、301其(その)人(ひと)のすべての記憶(きおく)は、302天人(てんにん)の前(まへ)に現出(げんしゆつ)するものである。303天人(てんにん)が人間(にんげん)と談話(だんわ)するに当(あた)り、304其(その)人(ひと)と和合(わがふ)するは、305人(ひと)の霊的(れいてき)思想(しさう)とつまり和合(わがふ)するものであるけれども、306其(その)霊的(れいてき)想念(さうねん)流(なが)れて、307自然界(しぜんかい)想念中(さうねんちう)に入(い)り、308其(その)記憶(きおく)に附着(ふちやく)し離(はな)れざるに仍(よ)り、309其(その)人(ひと)の言語(げんご)は天人(てんにん)の如(ごと)く見(み)え、310又(また)其(その)人(ひと)の知識(ちしき)は天人(てんにん)の知識(ちしき)の如(ごと)く見(み)ゆるものである。311斯(かく)の如(ごと)きは大神(おほかみ)の特別(とくべつ)の御恵(みめぐみ)に依(よ)つて、312天人(てんにん)と人間(にんげん)との間(あひだ)に和合(わがふ)あらしめ給(たま)ひ、313恰(あだか)も天界(てんかい)を人間(にんげん)の内(うち)に投入(とうにふ)したるが如(ごと)くならしめ給(たま)ふに仍(よ)るのである。314併(しか)しながら現代(げんだい)人間(にんげん)の情態(じやうたい)は、315太古(たいこ)に於(お)ける天的(てんてき)人間(にんげん)の観(くわん)なく、316天人(てんにん)との和合(わがふ)も亦(また)難(むつ)かしい。317却(かへつ)て天界(てんかい)以外(いぐわい)の悪精霊(あくせいれい)と和合(わがふ)するに立至(たちいた)つたのである。318精霊(せいれい)は斯(か)く物語(ものがた)る者(もの)の、319人間(にんげん)なることを信(しん)ぜず、320この人(ひと)の内(うち)にある自分(じぶん)共(ども)なりと信(しん)じ切(き)つて居(ゐ)るのである。
321 茲(ここ)に治国別(はるくにわけ)は自分(じぶん)が未(いま)だ肉体(にくたい)のある精霊(せいれい)なる事(こと)を告(つ)げて、322未(いま)だ天人(てんにん)の域(ゐき)に進(すす)んでゐない事(こと)をあから様(さま)に告(つ)げようと努(つと)めたけれど、323何故(なにゆゑ)か一言(いちごん)も発(はつ)することが出来(でき)なかつた。324其(その)故(ゆゑ)は第二(だいに)天国(てんごく)の天人(てんにん)に相応(さうおう)すべき愛善(あいぜん)と信真(しんしん)と智慧(ちゑ)と証覚(しようかく)とが、325備(そな)はつてゐなかつたからである。326ここに治国別(はるくにわけ)は天人(てんにん)の諸団体(しよだんたい)に歓迎(くわんげい)され、327唖(おし)の旅行(りよかう)を続(つづ)けて、328只(ただ)アオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)を僅(わづか)に発(はつ)する様(やう)になり、329辛(から)うじて余(あま)り大(おほ)きな恥(はぢ)をかかず、330此(この)一(ひと)つの団体(だんたい)を首尾(しゆび)良(よ)く巡覧(じゆんらん)し、331且(か)つ天人(てんにん)に比較(ひかく)的(てき)好感(かうかん)を与(あた)へて此処(ここ)を去(さ)る事(こと)を得(え)たのは、332実(じつ)に不思議(ふしぎ)と云(い)へば不思議(ふしぎ)な位(くらゐ)であつた。333是(これ)より治国別(はるくにわけ)は再(ふたた)び木花姫(このはなひめの)命(みこと)の御(お)導(みちび)きに仍(よ)つて、334智慧(ちゑ)と証覚(しようかく)を与(あた)へられ、335第二(だいに)天国(てんごく)の各団体(かくだんたい)を巡歴(じゆんれき)し、336進(すす)んで最高(さいかう)第一(だいいち)天国(てんごく)及(および)霊国(れいごく)に進(すす)む物語(ものがたり)は次節(じせつ)より口述(こうじゆつ)する事(こと)とする。
337 惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)。
338(大正一二・一・九 旧一一・一一・二三 松村真澄録)
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