霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 山上訓(さんじやうくん)〔一六一一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第1篇 妙法山月 よみ(新仮名遣い):すだるまさんげつ
章:第4章 山上訓 よみ(新仮名遣い):さんじょうくん 通し章番号:1611
口述日:1923(大正12)年05月18日(旧04月3日) 口述場所:教主殿 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行はスダルマ山の峠の頂上で野宿をすることになった。治道居士は自分のかつての部下だったベルやバットが強盗をして人々を苦しめていることを気に病み、玉国別に懺悔した。
玉国別は人間はそれぞれ自らの心の垢によって迷い、一時的な変調異常が起こるものだと治道居士に諭した。
一同が寝に就くとベルとバットがやってきた。二人は、暗闇の中に野宿している人間がいるとわかり、泥棒をしようと相談している。
治道居士は実際には寝入らずに玉国別一行の保護の任に当たっていた。智道はベルとバットを驚かしてやろうと、法螺貝を吹きたてた。
ベルとバットは法螺貝の化け物だと思いしりもちをついて震えている。ベルはバラモン教の陀羅尼を唱えた。
玉国別たちはこの騒ぎに目を覚まして成り行きに聞き入っていた。治道居士はベルとバットに対し、自分は元上司の鬼春別将軍であり、今は三五教の比丘となっていることを告げた。そして早く心を入れ替えるよう、厳かに呼ばわった。
ベルとバットは治道居士の言霊に打たれて、「ハイ」と言ったきりその場にしゃがんでしまった。
黒雲が破れて大空の月がパッと覗かせ給うた。一同の姿は昼のように見えてきた。一同が述懐の歌をそれぞれ歌っていると、天空に嚠喨たる音楽が聞こえ、月を笠にかぶりながら雲を押し分けて、神素盞嗚大神が悠々と下り給うた。
大神は一同の前に声も涼しく一行の前に神訓を垂れ給うた。
無限絶対無始無終、霊力体の大元霊と現れたまう真の神はただ一柱である。これを真の神または宇宙の主神という。この大神を真の父となし母となし敬愛し奉るべし。天之御中主大神と奉称し、また大国常立大神と奉称する。
厳の御霊日の大神、瑞の御魂月の大神は、主神大国常立大神の神霊の御顕現にして、高天原の天国にては日の大神と顕れ給い、高天原の霊国にては月の大神と顕れ給う。
愛善の徳に住するものは天国に昇り、真信の光徳に住するものは霊国に昇る。
真の神は大国常立大神ただ一柱ましますのみであり、天津神八百万の神は皆天使であると知るべきである。
国津神八百万ましませども、皆現界における宣伝使や正しい誠の司である。
真の神は天之御中主大神ただ一柱、それゆえ幽の幽と称え奉る。
真の神が変現し給いし神を幽の顕と称え奉る。天国における日の大神、霊国における月の大神はいずれも幽の顕神なり。
いったん人の肉体を保って霊界に入り給いし神を、顕の幽と称え奉る。大国主之大神およびもろもろの天使および天人のことを言う。
顕界に肉体を保ち、神の大道を伝え、また現界諸種の事業を司宰する人間を称して、顕の顕神と称え奉る。しかして真に敬愛し尊敬し依信すべき根本の大神は、幽の幽にまします一柱の大神のみである。その他の八百万の神々は、主神の命によりておのおのその神務を分掌し給うものである。
愛善の徳に住し真信の光に住し、神を愛し神を信じ、神のために尽くすものは天界の住民となる。悪と虚偽とに浸って魂を曇らすものは地獄に自ら堕落するものである。
かく宣りたまいて、従神たちを従えて紫の雲に乗り、大空高く月とともに昇られ給うた。
一行はそれぞれ神訓についての述懐を歌った。ベルとバットは心の底から悔い改め、玉国別一行にしたがって聖地エルサレムを指して進むこととなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-05-24 12:24:01 OBC :rm6304
愛善世界社版:43頁 八幡書店版:第11輯 278頁 修補版: 校定版:44頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第二篇 新興宗教 > 第十章 山上の神訓
001玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)
002スダルマ(さん)(ふもと)にて
003伊太彦(いたひこ)徒弟(とてい)立別(たちわか)
004(こげ)つく(ごと)炎天(えんてん)
005(おと)名高(なだか)急坂(きふはん)
006(あせ)をたらたら(しぼ)りつつ
007迦陵(かりよう)嚬伽(びんが)()(こゑ)
008(なぐさ)められつ(のぼ)()
009見渡(みわた)(かぎ)()(やま)
010(みどり)(いろ)どる夏景色(なつげしき)
011(なが)めも()かず頂上(ちやうじやう)
012黄昏(たそがれ)ちかき(ゆふ)(そら)
013(やうや)辿(たど)りつきにけり。
014真純(ますみ)『お(かげ)によつて(この)急坂(きふはん)(やうや)無事(ぶじ)(のぼ)つて(まゐ)りました。015今夜(こんや)(つき)(まくら)(くさ)(しとね)016蒼空(あをぞら)蒲団(ふとん)(かぶ)つて(やす)けき(ゆめ)(むす)びませう。017天空(てんくう)快濶(くわいくわつ)一点(いつてん)暗雲(あんうん)もなく、018(ほし)(まれ)(つき)(ひかり)(われ)()一行(いつかう)()らし(まも)らせたまふ有難(ありがた)愉快(ゆくわい)さ、019(たび)をすればこそ、020こんな結構(けつこう)(めぐみ)(つゆ)(うるほ)(こと)出来(でき)るのですなア』
021三千(みち)本当(ほんたう)愉快(ゆくわい)だ。022スダルマ(さん)(たうげ)頂上(ちやうじやう)(つき)(ひかり)()びて()ると()(こと)は、023(じつ)爽快(さうくわい)気分(きぶん)(ただよ)はされる。024四方(よも)山野(さんや)(ひろ)(とほ)展開(てんかい)し、025西南方(せいなんぱう)(あた)つてスーラヤの(みづうみ)(かがみ)(ごと)(つき)(かがや)026(あたか)天国(てんごく)のやうだなア。027先生(せんせい)(これ)からは(くだ)(ざか)028今晩(こんばん)此処(ここ)(やす)(こと)(いた)しませうか』
029玉国(たまくに)本当(ほんたう)有難(ありがた)(こと)だ。030此処(ここ)一夜(いちや)雨宿(あまやど)り、031(めぐみ)(つゆ)()びて霊肉(れいにく)(とも)天国(てんごく)(すす)まう。032(しか)(なが)()第一(だいいち)吾々(われわれ)(つと)めを(はた)し、033(かみ)(さま)感謝(かんしや)言葉(ことば)奏上(そうじやう)し、034それから(ゆつく)りと(はなし)でも交換(かうくわん)して華胥(くわしよ)(くに)()らうぢやないか』
035三千(みち)『さう(ねが)へば(じつ)有難(ありがた)いです』
036(ここ)一同(いちどう)(こゑ)(たか)らかに、037スダルマ(さん)谷々(たにだに)木魂(こだま)(ひび)かせ天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、038(をは)つて(はす)()(ふところ)より()夜食(やしよく)にかへ四方(よも)八方(やも)(はなし)(とき)(うつ)し、039()(うた)など()んで(たの)しんで()る。
040玉国別(たまくにわけ)大空(おほぞら)(かがや)(つき)安々(やすやす)
041(かたむ)きたまへば(やが)()けなむ。
042(この)景色(けしき)天津(あまつ)御国(みくに)楽園(らくゑん)
043(なん)(たと)へむ(すべ)もなければ』
044真純彦(ますみひこ)『スダルマの(やま)尾上(をのへ)()()れば
045いよいよ(たか)(つき)(かがや)く。
046真澄空(ますみぞら)(ほし)はまばらに(かがや)けど
047(つき)のみ(ひと)()(しろ)()す』
048三千彦(みちひこ)大空(おほぞら)(ほし)はみちけり三五(あななひ)
049(つき)(ひかり)天地(てんち)にみちぬ。
050みちみちし(かみ)御稜威(みいづ)(ただ)一人(ひとり)
051(いただ)きにけり三千彦(みちひこ)(むね)に。
052さりながら天津(あまつ)御空(みそら)()(わた)
053玉国別(たまくにわけ)(めぐみ)(わす)れじ』
054治道(ちだう)三五(あななひ)(かみ)(つかさ)諸共(もろとも)
055伊都(いづ)のみやこに()くぞ(たの)しき。
056村肝(むらきも)(こころ)宿(やど)曲神(まがかみ)
057()()りにけり(つき)(ひかり)に』
058デビス(ひめ)()(きみ)御跡(みあと)(した)ひて()(きみ)
059(やうや)(のぼ)りぬ(こひ)山路(やまぢ)を。
060見渡(みわた)せば(わが)故郷(ふるさと)(かす)みけり
061テルモン(ざん)(ゆき)のみ()えて』
062治道(ちだう)『ベル、バット(いくさ)(つかさ)(いま)いづこ
063()泥棒(どろばう)となり()てし(かれ)
064三千彦(みちひこ)()()ねし(すき)(うかが)抜足(ぬきあし)
065(ちか)よりバット(くび)()かなむ。
066(こころ)して今宵(こよひ)一夜(いちや)(ねむ)るべし
067ベルとバットの(まが)のありせば』
068玉国別(たまくにわけ)『ベル、バット如何(いか)(ちから)(つよ)くとも
069(われ)には(かみ)(まも)りありけり。
070()(そと)(あだ)(こころ)(こが)すより
071(わが)()(うち)(あだ)(おそ)れよ』
072デビス(ひめ)皇神(すめかみ)(わが)()(きみ)()(うへ)
073(なに)(おそ)れむ(つゆ)()宿(やど)も』
074真純彦(ますみひこ)『いざ(きた)れベルもバットも曲津見(まがつみ)
075生言霊(いくことたま)(まつろ)へて()む。
076大空(おほぞら)(かがや)(つき)(かげ)()れば
077(わが)心根(こころね)(はづ)かしくなりぬ』
078 ()(たがひ)(うた)(をは)り、079(みの)()雑談(ざつだん)(ふけ)つた。
080治道(ちだう)拙者(せつしや)部下(ぶか)使(つか)つて()たベル、081バット(その)(ほか)連中(れんちう)082軍隊(ぐんたい)(はな)れて猛悪(まうあく)泥坊(どろばう)となり、083四方(しはう)放浪(はうらう)して数多(あまた)人間(にんげん)(くる)しめるのを(おも)へば、084()(わたし)(たつ)ても()ても()られないやうな(くる)しい(おも)ひが(いた)します。085どうしても人間(にんげん)境遇(きやうぐう)左右(さいう)せらるるものと()えますなア。086吾々(われわれ)自分(じぶん)(つみ)(まを)すも(さら)なり、087部下(ぶか)一同(いちどう)(つみ)(あがな)ふために将軍職(しやうぐんしよく)(はい)し、088治国別(はるくにわけ)(さま)御教(みをしへ)によりて三五教(あななひけう)(をしへ)()となり、089比丘(びく)となりてビクトル(さん)根拠(こんきよ)(かま)090同僚(どうれう)(さん)(にん)(とも)(かは)(がは)天下(てんか)遍歴(へんれき)して()ますが、091(おも)へば(おも)へば(かみ)(さま)(たい)(はづ)かしい(こと)です。092かう()部下(ぶか)出来(でき)たのも(まつた)(わたし)(つみ)(ござ)います』
093述懐(じゆつくわい)()べ、094吐息(といき)をついて(なみだ)(しづ)む。095玉国別(たまくにわけ)()(どく)さに()へやらぬ面持(おももち)にて言葉(ことば)(しづ)かに、
096治道(ちだう)居士(こじ)(さま)097(かなら)()心配(しんぱい)なさいますな。098現在(げんざい)親子(おやこ)(あひだ)でも、099(からだ)()んでも(たましひ)()みつけぬと()(たとへ)(ござ)います。100(けつ)して貴方(あなた)(つみ)では(ござ)いませぬ。101(その)人々(ひとびと)(こころ)(あか)によつて種々(いろいろ)(まよ)ふのですよ。102吾々(われわれ)人間(にんげん)精神(せいしん)といふものは、103いつも健全(けんぜん)なものでは()い。104時々(ときどき)(いち)()(てき)変調(へんてう)異常(いじやう)(おこ)るもので105この異常(いじやう)には(いつ)つの(かた)があるやうです。
106()
1061 第一(だいいち)107利欲(りよく)(まよ)ふた(とき)だ。108利欲(りよく)(まよ)ふた(とき)誰人(たれ)冷静(れいせい)判断(はんだん)周密(しうみつ)考慮(かうりよ)(うしな)(やす)いものだから、109()(もつ)()らるる(こと)(おほ)いものだ。110たとへば他人(たにん)物品(ぶつぴん)(あづ)かつて()るやうな場合(ばあひ)111フト「(これ)自分(じぶん)のもので()つたらなア」と()ふやうな(こころ)(うか)ぶと、112責任(せきにん)観念(くわんねん)などが()くなり、113それを自分(じぶん)使(つか)つた場合(ばあひ)状態(じやうたい)などに眩惑(げんわく)されて自分(じぶん)のものに()たり、114また平生(へいぜい)から()しい()しいと(おも)つて()るものが()(まへ)にあると115前後(ぜんご)(かんが)へる(いとま)がなくなつて万引(まんびき)をしたりするやうに()る、116これは()ふまでも()副守(ふくしゆ)先生(せんせい)発動(はつどう)で、117利益(りえき)のために理智(りち)(ふさ)がれ118健全(けんぜん)なる(はたら)きをせないといふ(こと)原因(げんいん)するものです。
119 第二(だいに)(かた)は、120(つよ)(つよ)刺戟(しげき)(せつ)した(とき)だ。121単純(たんじゆん)蔭口(かげぐち)(ぐら)()いても(こころ)(みだ)さない(やう)人間(にんげん)でも、122(めん)(むか)つて手酷(てきび)しく痛罵(つうば)されると、123(わが)()(わす)れて予期(よき)しなかつた行為(かうゐ)をしたり、124また普通(ふつう)異性(いせい)(たい)しては普通(ふつう)態度(たいど)(たも)たれ()人間(にんげん)が、125(うつく)しく化粧(けしやう)した異性(いせい)誘惑(いうわく)(てき)嬌態(けうたい)(せつ)すると日頃(ひごろ)平静(へいせい)(やぶ)られやすいと()(やう)126(おな)刺戟(しげき)でもその程度(ていど)によつて精神(せいしん)異常(いじやう)影響(えいきやう)(あた)へる(こと)がある。127無論(むろん)(これ)()はその人間(にんげん)先天(せんてん)(てき)性質(せいしつ)後天(こうてん)(てき)教養(けうやう)によつて程度(ていど)()()ることは()ふまでもないが、128副守(ふくしゆ)先生(せんせい)活動(くわつどう)原因(げんいん)する(こと)(もつと)(おほ)いのである。129(また)異常(いじやう)なる強烈(きやうれつ)刺戟(しげき)人間(にんげん)精神(せいしん)異常(いじやう)ならしむると()(こと)間違(まちが)ひの()事実(じじつ)だ。
130 第三(だいさん)(かた)は、131焦心(せうしん)したり狼狽(らうばい)した(とき)(おこ)精神(せいしん)状態(じやうたい)だ。132こんな(とき)には精神(せいしん)活動(くわつどう)安静(あんせい)()いで()るので133精神(せいしん)(てき)作業(さげふ)にしても、134(また)肉体(にくたい)(てき)作業(さげふ)にしても過失(くわしつ)失敗(しつぱい)(まね)(やす)いものだ。135少々(せうせう)(ばか)りの失策(しつさく)(かく)さうと()たために136(かへつ)て、1361その失策(しつさく)(おほ)きくしたり、137(また)少々(せうせう)損失(そんしつ)狼狽(らうばい)した結果(けつくわ)138大損失(だいそんしつ)(まね)くやうな(こと)をした事実(じじつ)は、139()()にあることだ。140こんな(とき)には副守(ふくしゆ)先生(せんせい)(もつと)煩悶(はんもん)(つづ)けて()(さい)である。
141 第四(だいし)(かた)は、142失意(しつい)(とき)得意(とくい)(とき)だ。143失意(しつい)(とき)には精神(せいしん)能率(のうりつ)減退(げんたい)して因循(いんじゆん)になり、144消極(せうきよく)(てき)になつて努力(どりよく)(いと)ふやうな(かたむ)きになり、145得意(とくい)(とき)には(その)反対(はんたい)精神(せいしん)能率(のうりつ)増進(ぞうしん)して快活(くわいくわつ)になり、146積極(せききよく)(てき)になつて努力(どりよく)(をし)まぬやうになるものです。147(したが)つて事業(じげふ)成功(せいこう)身体(しんたい)健康(けんかう)慰安(ゐあん)のある(とき)()(とき)148名誉(めいよ)()(とき)(はぢ)()けた(とき)とは(その)精神(せいしん)(およ)ぼす影響(えいきやう)(まつた)正反対(せいはんたい)だ。149そして精神(せいしん)極端(きよくたん)沮喪(そさう)した(とき)(あま)消極(せうきよく)(てき)になる結果(けつくわ)150次第(しだい)々々(しだい)社会(しやくわい)生活(せいくわつ)敗残者(はいざんしや)となり、151極端(きよくたん)精神(せいしん)発揚(はつやう)した(とき)積極(せつきよく)(すす)()ぎた結果(けつくわ)152実力(じつりよく)以上(いじやう)仕事(しごと)をするやうに()つて153冒険(ばうけん)(てき)独断(どくだん)(てき)(はし)るやうに()るものだ。154これも副守(ふくしゆ)先生(せんせい)活動(くわつどう)結果(けつくわ)()つても()(くらゐ)なものです。
155 第五(だいご)迷信(めいしん)(おちい)つた(とき)(おこ)精神(せいしん)状態(じやうたい)だ。156不健全(ふけんぜん)なる信仰(しんかう)(もつ)()人間(にんげん)157(その)()方面(はうめん)事物(じぶつ)(つい)ては普通(ふつう)判断(はんだん)(あやま)ることが()いにも(かかは)らず、158信仰(しんかう)方面(はうめん)になると(いちじる)しい誤解(ごかい)()たすものです。159(したが)つてそれが難病(なんびやう)治癒(ちゆ)(くわん)する場合(ばあひ)であつても160(また)利欲(りよく)(くわん)して()場合(ばあひ)であつても、161冷静(れいせい)判断(はんだん)や、162前後(ぜんご)(かんが)へも(めぐ)らす余裕(よゆう)がなくなつて163(つひ)に、1631幼者(えうしや)誘拐(いうかい)したり、164死体(したい)発掘(はつくつ)したり、165(あるひ)七夕(たなばた)(ゆふべ)七軒(しちけん)(いへ)から(もの)(ぬす)(やう)になるのです。166以上(いじやう)(ほか)婦人(ふじん)妊娠(にんしん)167月経(げつけい)などの生理(せいり)(てき)原因(げんいん)(もとづ)いて、168(いち)()(てき)精神(せいしん)異常(いじやう)(きた)すことは()ふまでも()いことです。169それだから(すべ)ての人間(にんげん)狂人(きちがひ)未製品(みせいひん)予備品(よびひん)だ、170()つたのだ。171伊都(いづ)教祖(けうそ)美都(みづ)教主(けうしゆ)而己(のみ)突発性(とつぱつせい)狂人(きちがひ)では()い。172本正副(ほんせいふく)守護神(しゆごじん)さまの容器(ようき)たる人間(にんげん)(じつ)不可思議(ふかしぎ)なものです』
173治道(ちだう)有難(ありがた)御座(ござ)います。174貴師(あなた)()(せつ)()つて拙者(せつしや)(やうや)安心(あんしん)(いた)しました。175人間(にんげん)()ふものは(じつ)(こま)つたものですなア』
176三千(みち)治道(ちだう)(さま)177貴方(あなた)先生(せんせい)のお(せつ)()安心(あんしん)なさつたでせう。178(わたし)一寸(ちよつと)得心(とくしん)(いた)しました。179(しか)(なが)突張(つつぱり)()蒼雲(あをぐも)天井(てんじやう)(した)()るのですから、180何時(いつ)(あたま)(うへ)(つき)()ちて()()()ますか、181ベル、182バットがやつて()て、183(たま)()るか(わか)りますまいが、184そこは惟神(かむながら)にまかして(やす)みませうか。185比丘(びく)さまは(きやう)大事(だいじ)186拙者(せつしや)明日(あす)大事(だいじ)だ』
187治道(ちだう)『アハヽヽヽ。188(しか)らば御免(ごめん)(かうむ)つて(やす)みませう』
189 (ここ)一同(いちどう)はスダルマ(さん)(たうげ)頂上(ちやうじやう)に、190(かは)()きに白河(しらかは)夜船(よぶね)()いで(ねむ)つて仕舞(しま)つた。191一塊(いつくわい)黒雲(くろくも)(てん)一方(いつぱう)(おこ)るよと()るまに192(たちま)満天(まんてん)急速力(きふそくりよく)をもつて(ひろ)がり、193(いま)(まで)皎々(かうかう)()(かがや)いて()(つき)(ほし)(みな)()んで仕舞(しま)つた。194かかる(ところ)(たうげ)をスタスタと(のぼ)つて()二人(ふたり)覆面(ふくめん)頭巾(づきん)(をとこ)があつた。195(この)(をとこ)()(まで)もなく、196ベル、197バットの泥棒(どろばう)である。198二人(ふたり)(いびき)(こゑ)()きつけ小声(こごゑ)になつて、
199ベル『オイ、200バット、201(なん)だか(くら)がりに、202フゴフゴと()つたり、203(かゆ)()くやうにグツグツグツグツと()ふやつがあるぢやないか、204こんな(ところ)(ふご)()りも(のぼ)つて()(はず)もなし、205(かゆ)()(ばば)()道理(だうり)()い。206一体(いつたい)(なん)だらうな、207(あま)りバットせぬぢやないか』
208バット『これや、209ベル、210(おほ)きな(こゑ)でシヤーベルない、211バットせないのが(おれ)(たち)豊年(ほうねん)だ。212此奴(こいつ)はどうしても人間(にんげん)(いびき)だよ。213(ひと)つそつと(まくら)(さが)しでもやつてボロつたらどうだ。214こんなよい機会(きくわい)(また)とあるまいぞ』
215ベル『(まくら)(さが)しと()つても、216こんな(やま)(うへ)(まくら)をして()()(やつ)()いぢやないか、217(さが)さうと()つても真暗(まつくら)一寸先(いつすんさき)(わか)りやしない。218どうしたらよからうかなア』
219バット『真暗(まつくら)(なか)(さが)すからまつくら(さが)しだ、220(くら)がりに仕事(しごと)出来(でき)ないやうな泥棒(どろばう)(なん)になるかい』
221 治道(ちだう)居士(こじ)(よこ)になつた(まま)一目(ひとめ)()ず、222玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)保護(ほご)(にん)(あた)つて()た。223(それ)(ゆゑ)ベル、224バットの(ささや)(ごゑ)(のこ)らず()いて()る。225そんな(こと)とは()らぬ両人(りやうにん)声低(こわびく)(なほ)(ささや)きを(つづ)けて()る。
226バット『オイ、227鬼治別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)も、228随分(ずいぶん)耄碌(まうろく)したものぢやないか。229あれだけ権要(けんえう)地位(ちゐ)()()して身窄(みすぼら)しい比丘(びく)となり、230昨夜(ゆうべ)昨夜(ゆうべ)とて(ほこら)(もり)()()たぢやないか。231いい馬鹿(ばか)だなア。232大方(おほかた)彼奴(あいつ)発狂(はつきやう)したのかも()れないねえ』
233ベル『そんな(こと)()ふだけ野暮(やぼ)だよ。234喇叭(らつぱ)法螺貝(ほらがひ)にかへ三千(さんぜん)部下(ぶか)()て、2341(ただ)一人(ひとり)墨染(すみぞめ)(ころも)()(まと)235殊勝(しゆしよう)らしく乞食(こじき)(まは)ると()ふのだから大抵(たいてい)(きま)つて()るわ。236あいつは治国別(はるくにわけ)()極道(ごくだう)宣伝使(せんでんし)(たま)をぬかれ、237(ほう)けて仕舞(しま)つたのだよ』
238 治道(ちだう)居士(こじ)(ひと)(おど)かしてやろうと、239法螺貝(ほらがひ)(くち)()て、240ブウブウと()()てた。241寝耳(ねみみ)(みづ)法螺(ほら)(こゑ)二人(ふたり)(おどろ)242ドスンと(その)()尻餅(しりもち)をつき(ふる)(をのの)いて()る。243治道(ちだう)居士(こじ)(やみ)(なか)から(ほそ)(つく)(ごゑ)をしながら、
244諸行(しよぎやう)無常(むじやう)是生(ぜしやう)滅法(めつぽふ)245生滅(しやうめつ)滅已(めつち)寂滅(じやくめつ)為楽(ゐらく)
246(とな)へてみた。
247バット『オイ、248ベル249彼奴(あいつ)法螺(ほら)化者(ばけもの)だ、250(おれ)(たち)わざをしようと(おも)うてあんな(こと)(ほざ)きやがる。251(ひと)(この)(はう)にも武器(ぶき)があるのぢやから対抗(たいかう)せなくてはなるまい。252かう()(とき)には悪事(あくじ)災難(さいなん)()けに253大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこの)(みこと)(さま)のお(たす)けを(かうむ)るために陀羅尼(だらに)(とな)へるに(かぎ)つて()る』
254ベル『泥棒(どろばう)陀羅尼(だらに)(とな)へても(かみ)(さま)()いて()れるだらうかなア』
255バット『きまつた(こと)だ。256(これ)から(おれ)化物(ばけもの)対抗(たいかう)して()るつもりだ。
257 イテイメー イテイメー イテイメー
258 イテイメー イテイメー ニメー
259 ニメー ニメー ニメー
260 ニメー ルヘー ルヘー
261 ルヘー ルヘー スッヘー
262 スッヘー スッヘー スッヘー
263 スッヘー スヷーハー』
264ベル『そりや(なん)()ふことだい。265(めう)なことを(ほざ)くぢやないか。266(いた)いわい (いた)いわい (いた)いわい なアんて』
267バット『これは陀羅尼品(だらにぼん)文言(もんごん)だ。268(これ)義訳(ぎやく)すれば、269(ここ)(おい)て (ここ)(おい)て (ここ)(おい)て (うぢ)(おい)て 極甚(ごくじん)(われ)()く (われ)()く ()()く (ところ)()し (とも)(おな)じくす (おのれ)(おこ)し (おのれ)(しやう)じ (おのれ)(じやう)じ (しか)して(ぢう)し (しか)して()ち (また)(ぢう)す 嗟嘆(さたん) (また)(あら)ず 消頭(せうとう)大疾(だいしつ)加害(かがい)()()し」と()つて有難(ありがた)()(きやう)だ。270大病(たいびやう)にも(かか)らず一切(いつさい)(なん)()けないと()呪文(じゆもん)だ。271(いま)比丘(びく)272比丘尼(びくに)どもは、273「いでいび、274いでいびん、275いでいび、276あでいび、277いでいび、278でび、279でび、280でび、281でび、282でび、283ろけい、284ろけい、285ろけい、286ろけい、287たけい、288たけい、289たけい、290とけい、291とけい」と(さへづ)つて()るのだ。292恰度(ちやうど)油蝉(あぶらぜみ)樹上(じゆじやう)()いて()(やう)()こえるから、293サンスクリットで(とな)えたのだ。294アハヽヽヽ』
 
295附記 註解
 
296   陀羅尼品(だらにぼん)
 
297経語(きやうご)    義訳(ぎやく)   梵語(ぼんご)
298伊提履(いでいび)  (於是)  イテイメー
299伊提泯(いでいびん)  (於斯)  イテイメー
300伊提履(いでび)  (於爾)  イテイメー
301阿提履(あでび)  (於氏)  イテイメー
302伊提履(いでいび)  (極甚)  イテイメー
303泥履(でび)  (無我)  ニメー
304泥履(でび)  (無吾)  ニメー
305泥履(でび)  (無身)  ニメー
306泥履(でび)  (無所)  ニメー
307泥履(でび)  (倶同)  ニメー
308楼醘(ろけい)  (己興)  ルヘー
309楼醘(ろけい)  (己生)  ルヘー
310楼醘(ろけい)  (己成)  ルヘー
311楼醘(ろけい)  (而住)  ルヘー
312多醘(たけい)  (而立)  スッヘー
313多醘(たけい)  (亦住)  スッヘー
314多醘(たけい)  (嗟嘆)  スッヘー
315兜醘(とけい)  (亦非)  スッヘー
316(とけい)  (消頭大疾無得加害)  スッヘースヷハー
 
317
 
318 法螺貝(ほらがひ)(こゑ)益々(ますます)(たか)くなつて()る。319玉国別(たまくにわけ)(ほか)一同(いちどう)(ただち)(ゆめ)(やぶ)られ320バットが(とな)ふる陀羅尼(だらに)(こゑ)興味(きようみ)をもつて()いて()た。321治道(ちだう)居士(こじ)(とみ)(おほ)きな(こゑ)で、
322拙者(せつしや)(つき)(くに)ハルナの(みやこ)()(たか)き、323バラモン(けう)神司(かむつかさ)324大黒主(おほくろぬし)(かみ)幕下(ばくか)325鬼春別(おにはるわけ)将軍(しやうぐん)のなれの(はて)326(いま)三五教(あななひけう)信者(しんじや)治道(ちだう)居士(こじ)(まを)比丘(びく)であるぞよ。327(なんぢ)ベル、328バットの両人(りやうにん)329(はや)(こころ)()()へ、330(かみ)正道(せいだう)につけ』
331(おごそ)かに()ばはれば、332二人(ふたり)(なん)となく(その)言霊(ことたま)()たれて、333『ハイ』と(わづ)かに()つたきり334(その)()(しやが)んで仕舞(しま)つた。335黒雲(こくうん)(とばり)をやぶつて大空(おほぞら)(つき)はパツと(のぞ)かせたまふた。336一同(いちどう)姿(すがた)(ひる)(ごと)()えて()た。
337治道(ちだう)黒雲(くろくも)(つつ)まれたまひし月影(つきかげ)
338(まこと)(ひかり)あらはしたまひぬ。
339ベル バット(こころ)(くも)()()けて
340(たま)(ひかり)(みが)()らせよ』
341()みかけた。342二人(ふたり)(おそ)(おそ)(ふる)(ごゑ)にて、
343バット『村肝(むらきも)(こころ)(やみ)()らすため
344(かみ)(めぐみ)燈火(あかし)ともさむ。
345(いま)(まで)(ふか)罪咎(つみとが)(ゆる)せかし
346元津(もとつ)御霊(みたま)にかへる(わが)()を』
347ベル『(ぬす)みする(こころ)(つゆ)もなけれども
348(しこ)(おに)()使(つか)はれけるかな。
349鬼春別(おにはるわけ)(いくさ)(きみ)(おん)(まへ)
350(をろが)(われ)(ゆる)させたまへ。
351三五(あななひ)(きよ)(をしへ)神司(かむつかさ)
352(われ)(ゆる)せよ(かみ)のまにまに』
353治道(ちだう)村肝(むらきも)(こころ)(やみ)()れぬれば
354その()()かく(きよ)まりぬべし』
355玉国別(たまくにわけ)『ベル、バット二人(ふたり)男子(をのこ)(こと)()げむ
356(かみ)(まこと)(めぐみ)なるぞや』
357バット『有難(ありがた)(つかさ)(きみ)御言葉(みことば)
358(むね)()れけり(こころ)()みけり。
359(わが)(こころ)バット(あか)るくなりにけり
360(かみ)(をしへ)燈火(ともしび)()ひて』
361ベル『大空(おほぞら)(つき)(こころ)()らされて
362(うら)(はづ)かしくなりにけるかな。
363(いま)(まで)(しこ)曲霊(まがひ)にさやられて
364黒白(あやめ)()かず()(まよ)ひけり』
365治道(ちだう)大空(おほぞら)(かがや)(つき)御姿(みすがた)
366(こころ)となして()(わた)れかし』
367三千彦(みちひこ)『スダルマの(やま)尾上(をのへ)仮寝(かりね)して
368今日(けふ)はうれしき(ゆめ)()しかな』
369真純彦(ますみひこ)村肝(むらきも)(こころ)(そら)真純彦(ますみひこ)
370かかるくもなき今宵(こよひ)(うれ)しさ』
371デビス(ひめ)『あら(たふと)(つき)(めぐみ)(かがや)きて
372二人(ふたり)御子(みこ)蘇生(よみかへ)りぬる』
373 ()(はな)(ところ)天空(てんくう)嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)(きこ)え、374(つき)(かさ)(かぶ)りながら一行(いつかう)(まへ)(くも)()()けて悠々(いういう)(くだ)りたまうた大神人(だいしんじん)がある。375玉国別(たまくにわけ)一同(いちどう)はこの神姿(しんし)()るより(たちま)大地(だいち)平伏(ひれふ)感涙(かんるゐ)(むせ)んで()る。376この神人(しんじん)(つき)御国(みくに)大神(おほかみ)()しまして産土山(うぶすなやま)神館(かむやかた)(あと)()れたまひし、377三千(さんぜん)世界(せかい)救世主(きうせいしゆ)378(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)であつた。379大神(おほかみ)一同(いちどう)(まへ)四柱(よはしら)従神(じゆうしん)(とも)(かがや)きたまひ、380(こゑ)(すず)しく神訓(しんくん)()れたまうた。381一同(いちどう)拝跪(はいき)して感謝(かんしや)(なみだ)()れながら一言(いちごん)()らさじと謹聴(きんちやう)して()た。
382 (かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)山上(さんじやう)神訓(しんくん)
 
383一、384無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)()しまして霊力体(れいりよくたい)大元霊(だいげんれい)(あら)はれたまふ(まこと)(かみ)385(ただ)一柱(ひとはしら)(おは)而已(のみ)386(これ)(まこと)(かみ)(また)宇宙(うちう)主神(すしん)()ふ。
387 (なんぢ)()388この大神(おほかみ)(まこと)(ちち)となし(はは)()して敬愛(けいあい)(たてまつ)るべし。389天之(あめの)御中主(みなかぬしの)大神(おほかみ)奉称(ほうしよう)し、390(また)大国常立(おほくにとこたちの)大神(おほかみ)奉称(ほうしよう)す。
391一、392(いづ)御霊(みたま)()大神(おほかみ)393(みづ)御魂(みたま)(つき)大神(おほかみ)は、394()(かみ)(すなは)大国常立(おほくにとこたちの)大神(おほかみ)神霊(しんれい)()顕現(けんげん)にして、395高天原(たかあまはら)天国(てんごく)にては()大神(おほかみ)(あら)はれ(たま)ひ、396高天原(たかあまはら)霊国(れいごく)にては(つき)大神(おほかみ)(あら)はれ(たま)ふ。
397一、398愛善(あいぜん)(とく)(ぢう)するものは天国(てんごく)(のぼ)り、399信真(しんしん)光徳(くわうとく)(ぢう)するものは霊国(れいごく)(のぼ)るものぞ。
400一、401(この)(ほか)天津(あまつ)(かみ)八百万(やほよろづ)()しませども、402(みな)天使(てんし)()るべし。403(まこと)(かみ)大国常立(おほくにとこたちの)大神(おほかみ)404(また)()天照皇(あまてらすすめ)大神(おほかみ)405(ただ)一柱(ひとはしら)()します而己(のみ)ぞ。
406一、407国津(くにつ)(かみ)八百万(やほよろづ)()しませども(みな)現界(げんかい)()ける宣伝使(せんでんし)(ただ)しき(まこと)(つかさ)()るべし。
408一、409(まこと)(かみ)は、410天之(あめの)御中主(みなかぬしの)大神(おほかみ)(ただ)一柱(ひとはしら)のみ。411(ゆゑ)(いう)(いう)(たた)(まつ)る。
412一、413(まこと)(かみ)変現(へんげん)したまひし(かみ)を、414(いう)(けん)(たた)(まつ)る、415天国(てんごく)()ける()大神(おほかみ)416霊国(れいごく)()ける(つき)大神(おほかみ)(いづ)れも(いう)顕神(けんしん)なり。
417一、418一旦(いつたん)(ひと)肉体(にくたい)(たも)ちて霊界(れいかい)()(たま)ひし(かみ)419(けん)(いう)(とな)(たてまつ)る。420大国主(おほくにぬし)()大神(おほかみ)(およ)諸々(もろもろ)天使(てんし)(およ)天人(てんにん)(るゐ)()ふ。
421一、422顕界(けんかい)肉体(にくたい)(たも)ちて、423(かみ)大道(おほぢ)(つた)え、424(また)現界(げんかい)諸種(しよしゆ)事業(じげふ)司宰(しさい)する人間(にんげん)(しよう)して425(けん)顕神(けんしん)(とな)(まつ)る。
426 (しか)して(しん)敬愛(けいあい)尊敬(そんけい)依信(いしん)すべき根本(こんぽん)大神(おほかみ)427(いう)(いう)()します一柱(ひとはしら)大神(おほかみ)而已(のみ)428(その)()八百万(やほよろづ)神々(かみがみ)は、429主神(すしん)(めい)()りて(おのおの)その神務(しんむ)分掌(ぶんしやう)(たま)ふものぞ。
430一、431愛善(あいぜん)(とく)(ぢう)信真(しんしん)(ひかり)(ぢう)し、432(かみ)(あい)(かみ)(しん)(かみ)(ため)(つく)すものは天界(てんかい)住民(ぢうみん)となり、433(あく)虚偽(きよぎ)とに(ひた)りて(たましひ)(くも)らすものは地獄(ぢごく)(みづか)堕落(だらく)するものぞ。
 
434 ()()()へたまひて435以前(いぜん)従神(じゆうしん)(ひき)ゐて(むらさき)(くも)()436大空(おほぞら)(たか)(つき)(とも)(のぼ)らせたまふた。
437玉国別(たまくにわけ)素盞嗚(すさのを)(みづ)御霊(みたま)御恵(みめぐみ)
438(をしへ)(いづみ)()()でにけり。
439(むかし)よりためしも()かぬ御教(みをしへ)
440()ながらに()(こと)(たふと)さ』
441治道(ちだう)水火(みづひ)(なか)をかい(くぐ)
442()ぎて()くべき道芝(みちしば)
443(めぐみ)(つゆ)()れながら
444スダルマ(さん)頂上(ちやうじやう)
445()くも(うれ)しき(おん)(をしへ)
446あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
447(かみ)(めぐみ)赤心(まごころ)
448()めて感謝(かんしや)(たてまつ)る』
449三千彦(みちひこ)大空(おほぞら)(みづ)御霊(みたま)(くだ)りまして
450生命(いのち)清水(しみづ)(あた)へたまひぬ』
451デビス『(よる)(つゆ)うけて(やす)らう()(うへ)
452(そそ)がせたまひし(めぐみ)御露(みつゆ)
453真純彦(ますみひこ)大空(おほぞら)(くも)()()けて(かがや)きつ
454真澄(ますみ)(みづ)(のり)(たま)ひぬ』
455治道(ちだう)『あら(たふと)(まこと)(かみ)御姿(みすがた)
456謁見(まみえ)まつりし(われ)(うれ)しき』
457ベル『村肝(むらきも)(こころ)(やみ)()()きて
458(まこと)(かみ)(ひかり)()ひぬ』
459バット『(かぎ)りなき(かみ)(めぐみ)(さと)りけり
460(くひ)(あらた)めて正道(まさみち)()らむ』
461 (ここ)にベル、462バットの両人(りやうにん)(こころ)(そこ)より(くひ)(あらた)め、463玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)(したが)ひて聖地(せいち)エルサレムを()して(すす)(こと)となつた。464あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
465大正一二・五・一八 旧四・三 於教主殿二階 加藤明子録)
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