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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
第1章 玉の露
第2章 妙法山
第3章 伊猛彦
第4章 山上訓
第5章 宿縁
第6章 テルの里
第2篇 日天子山
第7章 湖上の影
第8章 怪物
第9章 超死線
第3篇 幽迷怪道
第10章 鷺と鴉
第11章 怪道
第12章 五託宣
第13章 蚊燻
第14章 嬉し涙
第4篇 四鳥の別
第15章 波の上
第16章 諒解
第17章 峠の涙
第18章 夜の旅
第5篇 神検霊査
第19章 仕込杖
第20章 道の苦
第21章 神判
第22章 蚯蚓の声
余白歌
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
>
第63巻(寅の巻)
> 第2篇 日天子山 > 第7章 湖上の影
<<< テルの里
(B)
(N)
怪物 >>>
第七章
湖上
(
こじやう
)
の
影
(
かげ
)
〔一六一四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
篇:
第2篇 日天子山
よみ(新仮名遣い):
すーらやさん
章:
第7章 湖上の影
よみ(新仮名遣い):
こじょうのかげ
通し章番号:
1614
口述日:
1923(大正12)年05月24日(旧04月9日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
その日の夕方になり、アスマガルダの船が帰ってきた。ルーブヤはさっそく、伊太彦が妹の婿になる約束ができたことを報告した。
アスマガルダもこの結婚に賛成し、伊太彦と歌をもって挨拶をなした。一同は述懐の歌を交し合った。
晩餐を済ませた後、形ばかりの婚礼の式を行い、その日はルーブヤ宅に体を休めて翌朝、スーラヤ島に渡ることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6307
愛善世界社版:
93頁
八幡書店版:
第11輯 295頁
修補版:
校定版:
95頁
普及版:
64頁
初版:
ページ備考:
001
大空
(
おほぞら
)
は
一点
(
いつてん
)
の
雲翳
(
うんえい
)
もなくスーラヤの
湖
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
は
紺碧
(
こんぺき
)
の
波
(
なみ
)
をたたへた
小波
(
さざなみ
)
が
静
(
しづ
)
かに
磯端
(
いそばた
)
を
洗
(
あら
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
002
ルーブヤ
親子
(
おやこ
)
はアスマガルダの
帰
(
かへ
)
りの
遅
(
おそ
)
きを
待
(
ま
)
ち
佗
(
わび
)
て
磯端
(
いそばた
)
に
佇
(
たたず
)
み、
003
西南
(
せいなん
)
の
海辺
(
うみべ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
004
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
忰
(
せがれ
)
の
帰
(
かへ
)
れかしと、
0041
心
(
こころ
)
ひそかに
祈願
(
きぐわん
)
をこらしつつあつた。
005
太陽
(
たいやう
)
は
少
(
すこ
)
しく
西
(
にし
)
の
空
(
そら
)
に
傾
(
かたむ
)
いた
時
(
とき
)
、
006
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
艫櫂
(
ろかい
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
走
(
は
)
せ
来
(
きた
)
る
一隻
(
いつせき
)
の
小舟
(
こぶね
)
を
見付
(
みつ
)
けた。
007
果
(
はた
)
してアスマガルダの
船
(
ふね
)
であらうか。
008
但
(
ただ
)
しは
他
(
た
)
の
村人
(
むらびと
)
の
船
(
ふね
)
であらうかと
一時
(
いつとき
)
千秋
(
せんしう
)
の
思
(
おも
)
ひにて
胸
(
むね
)
を
躍
(
をど
)
らせ
乍
(
なが
)
ら
見
(
み
)
つめて
居
(
ゐ
)
ると、
009
船
(
ふね
)
は
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
大
(
おほ
)
きく
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
し
010
船中
(
せんちう
)
には
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
迄
(
まで
)
が
分
(
わか
)
つて
来
(
き
)
た。
011
ルーブヤは
確信
(
かくしん
)
あるものの
如
(
ごと
)
く、
012
『これ、
013
バヅマラーカよ、
014
ブラヷーダよ、
015
どうやら
兄
(
あに
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たやうだ』
016
ブラヷーダ『お
父
(
とう
)
さま、
017
あの
船
(
ふね
)
がもしも
兄
(
にい
)
さまのでなかつたら、
018
どうしませうかな』
019
ルーブヤ『いやいや
心配
(
しんぱい
)
するには
及
(
およ
)
ぶまい。
020
屹度
(
きつと
)
あれはアスマガルダの
船
(
ふね
)
に
違
(
ちが
)
ひない。
021
あの
通
(
とほ
)
り
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
022
二人
(
ふたり
)
は
下男
(
げなん
)
のバルにサクだらう。
023
此
(
この
)
村
(
むら
)
に
三
(
さん
)
人
(
にん
)
乗
(
の
)
つて
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
は
外
(
ほか
)
にはないからな』
024
バヅマラーカ『
成程
(
なるほど
)
、
025
親爺
(
おやぢ
)
殿
(
どの
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
通
(
とほ
)
り、
026
あれは
兄
(
あに
)
の
舟
(
ふね
)
に
違
(
ちが
)
ひない。
027
ブラヷーダよ、
028
安心
(
あんしん
)
したがよからう』
029
斯
(
か
)
くとりどりの
噂
(
うはさ
)
をして
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
へ、
030
船
(
ふね
)
はおひおひと
近
(
ちか
)
づいて、
031
船中
(
せんちう
)
の
人
(
ひと
)
は
確
(
たしか
)
にアスマガルダなる
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
つて
来
(
き
)
た。
032
ブラヷーダは
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち、
033
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
磯端
(
いそばた
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
躍
(
をど
)
り
廻
(
まは
)
り
乍
(
なが
)
ら
謡
(
うた
)
ふ。
034
『
今
(
いま
)
来
(
く
)
る
舟
(
ふね
)
は
兄
(
あに
)
の
舟
(
ふね
)
035
いとしいなつかしい
兄上
(
あにうへ
)
の
036
無事
(
ぶじ
)
にお
帰
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばした
037
磐楠船
(
いはくすぶね
)
に
違
(
ちが
)
ひない
038
あゝ
有難
(
ありがた
)
や
有難
(
ありがた
)
や
039
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
040
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
が
現
(
あら
)
はれて
041
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
説
(
と
)
き
玉
(
たま
)
ひ
042
父
(
ちち
)
と
母
(
はは
)
との
許
(
ゆる
)
し
得
(
え
)
て
043
妹背
(
いもせ
)
の
契
(
ちぎり
)
を
結
(
むす
)
びつつ
044
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
045
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
尽
(
つく
)
さむと
046
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
が
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
047
兄
(
あに
)
の
帰宅
(
かへり
)
を
待
(
ま
)
ち
暮
(
くら
)
す
048
その
日
(
ひ
)
の
永
(
なが
)
さ
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
049
百年
(
ももとせ
)
千年
(
ちとせ
)
の
思
(
おも
)
ひなり
050
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
の
恙
(
つつが
)
なく
051
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
ますなら
052
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
し
053
さぞや
喜
(
よろこ
)
び
玉
(
たま
)
ふらむ
054
妾
(
わたし
)
はこれより
三五
(
あななひ
)
の
055
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
056
スーラヤ
山
(
さん
)
にかけ
上
(
のぼ
)
り
057
八大
(
はちだい
)
竜王
(
りうわう
)
の
其
(
その
)
中
(
なか
)
で
058
福徳
(
ふくとく
)
守
(
まも
)
る
善歓喜
(
ぜんくわんき
)
059
ナーガラシャーの
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
060
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
に
授
(
さづ
)
かりつ
061
恋
(
こひ
)
にこがれしエルサレム
062
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
参向
(
さんかう
)
し
063
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
許
(
ゆる
)
されて
064
百八十
(
ももやそ
)
国
(
くに
)
の
果
(
は
)
て
迄
(
まで
)
も
065
教
(
をしへ
)
を
伝
(
つた
)
へ
奉
(
たてまつ
)
り
066
大御恵
(
おほみめぐみ
)
の
万分一
(
まんぶいち
)
067
報
(
むく
)
はむ
事
(
こと
)
の
嬉
(
うれ
)
しさよ
068
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
069
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
070
ルーブヤ『
遥
(
はるか
)
にかすむ
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
071
小波
(
さざなみ
)
分
(
わ
)
けて
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
る
072
磐楠船
(
いはくすぶね
)
は
兄
(
あに
)
の
船
(
ふね
)
073
待
(
ま
)
ちに
待
(
ま
)
つたる
常磐木
(
ときはぎ
)
の
074
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
の
美
(
うる
)
はしさ
075
日
(
ひ
)
は
西空
(
にしぞら
)
に
傾
(
かたむ
)
きて
076
空
(
そら
)
翔
(
た
)
つ
鳥
(
とり
)
も
各々
(
めいめい
)
に
077
己
(
おの
)
が
塒
(
ねぐら
)
に
羽
(
はね
)
急
(
いそ
)
ぐ
078
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
にと
待
(
ま
)
つ
程
(
ほど
)
に
079
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
守
(
まも
)
られて
080
千尋
(
ちひろ
)
の
海原
(
うなばら
)
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
へつ
081
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
りし
嬉
(
うれ
)
しさよ
082
嘸
(
さぞ
)
や
忰
(
せがれ
)
の
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
て
083
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
聞
(
き
)
くならば
084
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
む
事
(
こと
)
ならむ
085
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
三五
(
あななひ
)
の
086
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
有難
(
ありがた
)
さ
087
慎
(
つつし
)
み
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る』
088
バヅマラーカ『
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
いと
安
(
やす
)
らかに
辷
(
すべ
)
りつつ
089
アスマガルダの
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
るかも。
090
朽
(
く
)
ち
果
(
は
)
てし
老
(
おい
)
の
身
(
み
)
なれど
今日
(
けふ
)
はしも
091
若葉
(
わかば
)
の
緑
(
みどり
)
萌
(
も
)
ゆる
心地
(
ここち
)
なり。
092
山
(
やま
)
青
(
あを
)
く
海
(
うみ
)
亦
(
また
)
青
(
あを
)
く
群鳥
(
むらどり
)
の
093
姿
(
すがた
)
も
青
(
あを
)
く
見
(
み
)
えにけるかな。
094
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
枯
(
か
)
れ
果
(
は
)
てたりし
心地
(
ここち
)
して
095
なげき
暮
(
くら
)
せし
今日
(
けふ
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ』
096
伊太彦
(
いたひこ
)
『
足曳
(
あしびき
)
の
山
(
やま
)
河
(
かは
)
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひにも
097
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
充
(
み
)
ち
溢
(
あふ
)
れけり。
098
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
が
睦
(
むつ
)
び
親
(
した
)
しみ
皇神
(
すめかみ
)
の
099
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
み
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
ぞ
楽
(
たの
)
しき。
100
ウバナンダ・ナーガラシャーの
鎮
(
しづ
)
まれる
101
スーラヤ
山
(
さん
)
は
雲
(
くも
)
に
霞
(
かす
)
める。
102
明日
(
あす
)
の
日
(
ひ
)
はスーラヤ
山
(
さん
)
に
駈
(
か
)
け
登
(
のぼ
)
り
103
竜
(
たつ
)
の
腮
(
あぎと
)
の
玉
(
たま
)
にまみえむ』
104
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
105
兄
(
あに
)
のアスマガルダの
船
(
ふね
)
は
漸
(
やうや
)
く
磯端
(
いそばた
)
に
横
(
よこ
)
たへる
事
(
こと
)
となつた。
106
ルーブヤ『いや、
107
アスマガルダよ、
108
昨日
(
きのふ
)
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
ると
思
(
おも
)
つて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
たのに、
109
随分
(
ずいぶん
)
遅
(
おそ
)
い
事
(
こと
)
だつたな。
110
又
(
また
)
湖上
(
こじやう
)
に
変事
(
へんじ
)
でも
出来
(
でき
)
たのではないかと、
111
どれ
丈
(
だ
)
け
心配
(
しんぱい
)
したか
分
(
わか
)
らなかつた。
112
ようまア
無事
(
ぶじ
)
に
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れた』
113
アスマガルダ『ハイ、
114
誠
(
まこと
)
に
遅
(
おそ
)
くなつて
心配
(
しんぱい
)
をさせました。
115
どうしたものか、
116
昨日
(
きのふ
)
は
一
(
いち
)
日
(
にち
)
漁
(
れふ
)
がなく、
117
もう
仕方
(
しかた
)
がないので
帰
(
かへ
)
らうかと
磯端
(
いそばた
)
のパインの
木蔭
(
こかげ
)
に
舟
(
ふね
)
を
停
(
とど
)
めて
休
(
やす
)
んでゐる
処
(
ところ
)
へ、
118
天女
(
てんによ
)
の
様
(
やう
)
なお
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
が
犬
(
いぬ
)
をつれておいでになり、
119
是非
(
ぜひ
)
々々
(
ぜひ
)
スーラヤの
島
(
しま
)
へ
渡
(
わた
)
して
呉
(
く
)
れと
仰有
(
おつしや
)
るので、
120
お
伴
(
とも
)
をしてお
送
(
おく
)
りをして
来
(
き
)
ました。
121
随分
(
ずいぶん
)
綺麗
(
きれい
)
な
方
(
かた
)
で
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
かと
思
(
おも
)
ひましたよ』
122
伊太彦
(
いたひこ
)
は
合点
(
がつてん
)
ゆかず「
扨
(
さ
)
ては
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
が
吾
(
われ
)
に
先立
(
さきだ
)
つて
竜王
(
りうわう
)
の
玉
(
たま
)
をとりにおいでになつたのではあるまいかな。
123
又
(
また
)
自分
(
じぶん
)
の
手柄
(
てがら
)
を
人
(
ひと
)
にしてやられたか」とやや
心配相
(
しんぱいさう
)
な
顔
(
かほ
)
をして
俯向
(
うつむ
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
124
ルーブヤ『それは、
125
兄
(
あに
)
、
126
いい
事
(
こと
)
をして
来
(
き
)
た。
127
屹度
(
きつと
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
何
(
なに
)
かのお
仕組
(
しぐみ
)
だらうよ。
128
就
(
つい
)
ては
喜
(
よろこ
)
んで
呉
(
く
)
れ、
129
ここに
厶
(
ござ
)
る
宣伝使
(
せんでんし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
伊太彦
(
いたひこ
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
つて、
130
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
からお
下
(
くだ
)
りになつた
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
高
(
たか
)
きお
方
(
かた
)
、
131
妹
(
いもうと
)
の
婿
(
むこ
)
になつて
下
(
くだ
)
さる
契約
(
けいやく
)
が
出来
(
でき
)
たので
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
くお
前
(
まへ
)
に
帰
(
かへ
)
つて
貰
(
もら
)
ひ、
132
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
んで
祝言
(
しうげん
)
の
盃
(
さかづき
)
を
取交
(
とりかは
)
したいと
133
親子
(
おやこ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
がどれ
丈
(
だ
)
け
待
(
ま
)
つたか
知
(
し
)
れないのだ』
134
と
早
(
はや
)
くも
両眼
(
りやうがん
)
より
涙
(
なみだ
)
を
落
(
おと
)
して
居
(
ゐ
)
る。
135
アスマガルダは
元来
(
ぐわんらい
)
孝行者
(
かうかうもの
)
、
136
両親
(
りやうしん
)
の
言葉
(
ことば
)
には
一度
(
いちど
)
も
背
(
そむ
)
いた
事
(
こと
)
はない。
137
又
(
また
)
妹
(
いもうと
)
の
一生
(
いつしやう
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
不在中
(
ふざいちう
)
に
親子
(
おやこ
)
がきめた
事
(
こと
)
も、
138
普通
(
ふつう
)
の
人間
(
にんげん
)
のやうに
一言
(
ひとこと
)
の
故障
(
こしやう
)
も
言
(
い
)
はず、
139
又
(
また
)
不服
(
ふふく
)
にも
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。
140
何事
(
なにごと
)
も
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
と
感謝
(
かんしや
)
するより
外
(
ほか
)
に
考
(
かんが
)
へはなかつた。
141
アスマガルダ『それは
御
(
ご
)
両親
(
りやうしん
)
様
(
さま
)
、
142
いい
事
(
こと
)
をなさいました。
143
これも
全
(
まつた
)
く
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
神徳
(
かげ
)
で
厶
(
ござ
)
いませう。
144
いや
妹
(
いもうと
)
、
145
お
前
(
まへ
)
も
安心
(
あんしん
)
だらう。
146
俺
(
わし
)
も
嬉
(
うれ
)
しい』
147
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
船
(
ふね
)
をかたづけ、
148
磯端
(
いそばた
)
を
伝
(
つた
)
ふて
伊太彦
(
いたひこ
)
に
目礼
(
もくれい
)
し
乍
(
なが
)
ら
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
149
主客
(
しゆきやく
)
九
(
きう
)
人
(
にん
)
は
家
(
いへ
)
に
帰
(
かへ
)
り
休息
(
きうそく
)
する
事
(
こと
)
となつた。
150
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
伊太彦
(
いたひこ
)
はアスマガルダに
向
(
むか
)
ひ
歌
(
うた
)
を
以
(
もつ
)
て、
151
挨拶
(
あいさつ
)
に
代
(
か
)
へた。
152
伊太彦
(
いたひこ
)
『アスマガルダ
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
に
嬉
(
うれ
)
しくも
153
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
会
(
あ
)
ひにけるかな。
154
今
(
いま
)
よりは
汝
(
なれ
)
が
妹
(
いもうと
)
ブラヷーダ
155
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
と
千代
(
ちよ
)
を
契
(
ちぎ
)
らむ』
156
アスマガルダ『
三五
(
あななひ
)
の
珍
(
うづ
)
の
教
(
をしへ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
157
吾
(
わが
)
妹
(
いもうと
)
を
慈
(
いつくし
)
みませ。
158
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
幸
(
さち
)
はひて
159
今日
(
けふ
)
は
嬉
(
うれ
)
しき
消息
(
たより
)
聞
(
き
)
くかな』
160
ブラヷーダ『
吾
(
わが
)
兄
(
あに
)
の
珍
(
うづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
聞
(
き
)
くにつけ
161
笑
(
ゑ
)
み
栄
(
さか
)
えけり
妾
(
わらは
)
の
心
(
こころ
)
も。
162
朝夕
(
あさゆふ
)
に
仕
(
つか
)
へ
侍
(
はべ
)
りし
父母
(
ちちはは
)
の
163
御許
(
みもと
)
離
(
はな
)
れて
都
(
みやこ
)
へ
上
(
のぼ
)
る』
164
ルーブヤ『ブラヷーダ
心
(
こころ
)
なやます
事
(
こと
)
なかれ
165
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
二人
(
ふたり
)
の
親
(
おや
)
を。
166
汝
(
なれ
)
は
今
(
いま
)
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
167
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に
安
(
やす
)
く
進
(
すす
)
めよ』
168
ブラヷーダ『
有難
(
ありがた
)
し
吾
(
わが
)
足乳根
(
たらちね
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
に
169
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
滴
(
したた
)
りにけり』
170
バヅマラーカ『
待
(
ま
)
ち
佗
(
わび
)
し
吉
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
佳
(
よ
)
き
時
(
とき
)
廻
(
めぐ
)
り
来
(
き
)
て
171
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
蓮花
(
はちすばな
)
かな』
172
伊太彦
(
いたひこ
)
『アスマガルダ
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に
173
妹
(
いも
)
の
命
(
みこと
)
を
媒介
(
すす
)
めまつらむ。
174
さり
乍
(
なが
)
ら
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
のエルサレム
175
詣
(
まう
)
でし
後
(
のち
)
と
思召
(
おぼ
)
し
玉
(
たま
)
はれ』
176
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
互
(
たがひ
)
に
心
(
こころ
)
のたけを
述
(
の
)
べ
終
(
をは
)
り
晩餐
(
ばんさん
)
を
済
(
す
)
ませ、
177
形
(
かたち
)
ばかりの
婚礼
(
こんれい
)
の
式
(
しき
)
を
行
(
おこな
)
ひ
178
其
(
その
)
夜
(
よ
)
はルーブヤの
家
(
いへ
)
に
伊太彦
(
いたひこ
)
、
1781
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
も
足
(
あし
)
を
伸
(
の
)
ばして
休息
(
きうそく
)
し、
179
翌
(
よく
)
早朝
(
さうてう
)
よりアスマガルダに
送
(
おく
)
られてスーラヤの
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
る
事
(
こと
)
となつた。
180
(
大正一二・五・二四
旧四・九
於竜宮館
北村隆光
録)
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