霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 (なみ)(うへ)〔一六二二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第4篇 四鳥の別 よみ(新仮名遣い):しちょうのわかれ
章:第15章 波の上 よみ(新仮名遣い):なみのうえ 通し章番号:1622
口述日:1923(大正12)年05月25日(旧04月10日) 口述場所:竜宮館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
玉国別、初稚姫が乗ってきた二艘の船は、伊太彦たちを分乗させてエルの港に帰っていく。船上ではいろいろな成功談や失敗談に花が咲いた。
伊太彦はエルでブラヷーダと夫婦の約束をしたこと、死線を越えて竜王の岩窟に入ったが、神力が足らずに仮死状態となり、幽界で高姫と問答し悪霊に苦しめられ、初稚姫に救われたことを話して聞かせた。
三千彦は玉国別に、伊太彦夫婦を認めるかと問いかけた。玉国別は反対はしないが、暗に神業を完遂したのちに夫婦となることを示した。
一行は互いに歌を歌い雑談にふけりながら船中を過ごした。玉国別の船は翌日の東雲ごろにエルの港に着いた。初稚姫の船は先について上陸しており、玉国別一行のくるのを待っていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-06-07 23:35:09 OBC :rm6315
愛善世界社版:207頁 八幡書店版:第11輯 337頁 修補版: 校定版:213頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 玉国別(たまくにわけ)002初稚姫(はつわかひめ)二人(ふたり)()(きた)れる二艘(にそう)(ふね)伊太彦(いたひこ)以下(いか)()(にん)分乗(ぶんじやう)せしめ、003スーラヤの湖面(こめん)西南(せいなん)(むか)つて()()し、004折柄(をりから)順風(じゆんぷう)真帆(まほ)をあげてエルの(みなと)(すす)()く。
005 初稚姫(はつわかひめ)(ふね)にはブラヷーダ、006アスマガルダ、007カークス、008ベースが()せられた。009玉国別(たまくにわけ)(ふね)には伊太彦(いたひこ)(ただ)一人(ひとり)()つて()る。
010 漂渺(へうべう)として際限(さいげん)もなき湖面(こめん)(わた)()退屈(たいくつ)(まぎ)れに011いろいろの成功談(せいこうだん)失敗談(しつぱいだん)(はな)()いた。012真純彦(ますみひこ)伊太彦(いたひこ)(むか)ひ、
013真純(ますみ)伊太彦(いたひこ)さま、014随分(ずいぶん)手柄(てがら)(ござ)いましたな。015まアこれで貴方(あなた)夜光(やくわう)(たま)()這入(はい)つて()不足(ふそく)もありますまい。016(なん)()つてもタクシャカ竜王(りうわう)言向和(ことむけやは)すと()勇者(ゆうしや)だから、017到底(たうてい)吾々(われわれ)はお(そば)へも()れませぬわい』
018伊太(いた)『いやもうさう()はれては面目(めんぼく)次第(しだい)もありませぬ。019(じつ)(ところ)ウバナンダ竜王(りうわう)は、020拙者(せつしや)には神力(しんりき)()らぬからお(わた)しせぬが、021初稚姫(はつわかひめ)(さま)ならお(わた)しすると()つて散々(さんざん)文句(もんく)()つて(わた)して()れたのですよ。022サツパリ今度(こんど)失敗(しつぱい)でしたよ。023アハヽヽヽ』
024真純(ますみ)(しか)伊太彦(いたひこ)さま、025貴方(あなた)はブラヷーダとか()(おく)さまが出来(でき)たさうですな』
026 伊太彦(いたひこ)真赤(まつか)(かほ)をし(なが)ら、
027伊太(いた)『いや、028どうも(いた)()ります。029(なに)(ほど)(ことわ)つても先方(むかふ)()かないものですから、030(また)親子(おやこ)兄弟(きやうだい)懇望(こんまう)によつて予約(よやく)()けはして()きました。031(しか)(なが)032まだ正妻(せいさい)()(わけ)には()きませぬ。033()(かく)先生(せんせい)のお(ゆる)しを()なくちやなりませぬからな。034ウバナンダ竜王(りうわう)()ふには、035伊太彦(いたひこ)(つかさ)(をんな)(こころ)をとられて()るから神力(しんりき)(よわ)つたと()ひましたよ。036(べつ)(をんな)(など)(こころ)をとられては()ないのだが不思議(ふしぎ)ですな』
037 玉国別(たまくにわけ)038三千彦(みちひこ)可笑(をか)しさを(こら)へて俯向(うつむ)いてクウクウと(わら)ふて()る。
039真純(ますみ)伊太彦(いたひこ)さま、040貴方(あなた)(かぎ)つて(をんな)(こころ)をとらるると()(はず)はありませぬが、041大方(おほかた)竜王(りうわう)(やつ)042岡嫉妬(をかやき)をして、043そんな(こと)()つて揶揄(からか)つたのですよ。044本当(ほんたう)なら初稚姫(はつわかひめ)さまに(わた)すべき(たま)貴方(あなた)(わた)したぢやありませぬか。045ブラヷーダさまがお(そば)()ると(おも)つて貴方(あなた)(わた)したのですよ。046さう()へば(なに)かお(こころ)(さは)るか()りませぬが、047そこはそれ、048(おく)さまの手前(てまへ)049竜王(りうわう)さまも()()かしたのですわい。050アツハヽヽヽ』
051伊太(いた)『いえいえ(けつ)して(けつ)して、052そんな(わけ)ぢやありませぬ。053到頭(たうとう)あの(やま)死線(しせん)()えて岩窟(がんくつ)這入(はい)つた(ところ)054神力(しんりき)()らぬので一行(いつかう)()(にん)とも邪気(じやき)にうたれ、055仮死(かし)状態(じやうたい)(おちい)り、056幽冥界(いうめいかい)旅行(りよかう)出掛(でか)け、057ウラナイ(けう)高姫(たかひめ)()ふて一談判(ひとだんぱん)をやり、058つまらぬ小理窟(こりくつ)()(まは)し、059(くら)(くら)原野(げんや)(すす)んで()くと(はり)(やう)(やま)にぶつつかり、060それはそれは えらい()()ひましたよ。061そこへスマートさまが(あら)はれ、062()いで初稚姫(はつわかひめ)(さま)(あら)はれて高姫(たかひめ)守護神(しゆごじん)追払(おつぱら)ひ、063(ふたた)現界(げんかい)へかへして(くだ)さつたのですよ。064いやもう(おも)()してもゾツと(いた)しますわ。065(こう)()(がた)くして(やぶ)(やす)く、066(とき)得難(えがた)くして(うしな)(やす)し」とか()つて067中々(なかなか)()(なか)は、0671うまく()かぬものですわい。068()らず()らずに何時(いつ)()にか慢心(まんしん)し、069夫婦(ふうふ)気取(きど)りでやつて()つたのが(わたし)失敗(しつぱい)070高姫(たかひめ)(やつ)幽冥界(いうめいかい)(おい)ても大変(たいへん)(あぶら)をとられましたよ』
071真純(ますみ)貴方(あなた)何故(なぜ)072死線(しせん)()へて死生(しせい)(とも)にした(おく)さまを初稚姫(はつわかひめ)にお(わた)ししたのですか。073あまり水臭(みづくさ)いぢやありませぬか』
074伊太(いた)『いいえ、075エルの(みなと)(まで)世話(せわ)になつたのですよ。076(また)(ふね)(なか)貴方(あなた)(がた)(ひや)かされると(こま)りますからな』
077真純(ますみ)『いや伊太彦(いたひこ)さまは078三千彦(みちひこ)さまの()夫婦(ふうふ)()いて揶揄(からか)つたので()()るに(びん)なる伊太彦(いたひこ)さまの(こと)だから079予防線(よばうせん)()つたのでせう』
080伊太(いた)『アハヽヽヽ、081それ(まで)内兜(うちかぶと)見透(みす)かされては仕方(しかた)がありませぬわい』
082三千(みち)伊太彦(いたひこ)さま、083随分(ずいぶん)(ひや)かされるのは(くる)しいと()えますな』
084伊太(いた)三千彦(みちひこ)さま、085こんな(ところ)敵討(かたきうち)とは、086ひどいぢやありませんか。087いやもう貴方(あなた)()夫婦(ふうふ)(こと)(まを)しませぬ。088何卒(どうぞ)何事(なにごと)もスーラヤの(みづ)()して(くだ)さい』
089三千(みち)(けつ)して敵討(かたきうち)でも(なん)でもありませぬよ。090(ひと)揶揄(からか)はれる(とき)()感想(かんさう)(うけたま)はり()いと(おも)つた()けですわ。091(しか)先生(せんせい)092伊太彦(いたひこ)さまの縁談(えんだん)はお(ゆる)しになるでせうね』
093玉国(たまくに)三千彦(みちひこ)さまの夫婦(ふうふ)承諾(しようだく)したのだからな』
094伊太(いた)『ヤア先生(せんせい)095有難(ありがた)(ござ)います。096そのお言葉(ことば)でお(ゆる)しを()たも同然(どうぜん)(みと)めます』
097玉国(たまくに)『まだ(わたし)(ゆる)して()りませぬ。098(しか)(なが)099結婚(けつこん)問題(もんだい)当人(たうにん)当人(たうにん)自由(じいう)ですから、100そんな(てん)までは干渉(かんせう)しませぬわい』
101 伊太彦(いたひこ)はつまらな(さう)(かほ)して(あたま)()いて()る。102治道(ちだう)居士(こじ)はニコツともせず、103()(ふさ)(うで)()み、104(この)問答(もんだふ)一生(いつしやう)懸命(けんめい)()いて()る。105バット、106ベルも治道(ちだう)居士(こじ)(かたはら)(ちひ)さくなつて伊太彦(いたひこ)(かほ)ばかり()つめて()る。
107玉国別(たまくにわけ)(かみ)ならぬ玉国別(たまくにわけ)皇神(すめかみ)
108(むす)赤縄(えにし)如何(いか)論争(あげつら)はむや。
109伊太彦(いたひこ)(かみ)(つかさ)皇神(すめかみ)
110御言(みこと)のままに(したが)へば()し。
111皇神(すめかみ)()さし(たま)ひし神業(かむわざ)
112()(をは)るまで(こころ)しませよ』
113伊太彦(いたひこ)有難(ありがた)(わが)()(きみ)御心(みこころ)
114その(こと)()()られけるかな。
115皇神(すめかみ)(むす)ばせ(たま)(えん)なれば
116(いな)むによしなき伊太彦(いたひこ)()よ』
117真純彦(ますみひこ)(つき)(くに)ハルナの(みやこ)(たち)(むか)
118(たび)にも芽出度(めでた)(はなし)()くかな。
119言霊(ことたま)(いくさ)(きみ)(はる)めきて
120(はな)色香(いろか)()ひつつぞ()く』
121三千彦(みちひこ)若草(わかくさ)(つま)(さだ)めてゆ(なん)となく
122(こころ)(くる)しく(おも)ひつつ()く』
123真純彦(ますみひこ)(くる)しさの(なか)(たの)しみあるものは
124妹背(いもせ)(たび)()くものはなし。
125(くる)しみと(くち)には()へど(こころ)には
126()みと(さか)えの(はな)(にほ)ふらむ』
127デビス(ひめ)真純彦(ますみひこ)(かみ)(つかさ)(こと)()
128(わらは)(むね)によくもかなへり』
129真純彦(ますみひこ)『デビス(ひめ)その(こと)()(いつは)りの
130なき真人(まさびと)(こころ)なりけり』
131治道(ちだう)三五(あななひ)(かみ)大道(おほぢ)()りしより
132いつも(こころ)(はる)めき(わた)りぬ。
133(はな)(はな)(つき)(つき)との夫婦(めをと)()
134(はな)(みやこ)(きよ)つきませ。
135大空(おほぞら)()えたる(つき)(かげ)()れば
136()ませ(たま)ひぬ(いま)(はなし)に』
137伊太彦(いたひこ)大空(おほぞら)(つき)御神(みかみ)()ませるは
138夜光(やくわう)(たま)をみそなはしてならむ。
139大空(おほぞら)夜光(やくわう)(つき)(かがや)きて
140(わが)(ふところ)(たま)()りそふ。
141ウバナンダ・ナーガラシャーの珍宝(うづたから)
142(わが)(ふところ)(ひか)らせ(たま)ふ。
143(ねが)はくばこれの(ひかり)(とも)として
144常夜(とこよ)(やみ)()らしてや()かむ』
145 (とも)()つて船頭(せんどう)146()(あやつ)(なが)(こゑ)(すず)しく(うた)()した。
147『ここは()()ふスーラヤ湖水(こすい)
148  (みづ)(ふか)さは(そこ)()れぬ。
149(そこ)()れぬ(かみ)(めぐみ)(よろこ)びに
150  ()ふた伊太彦(いたひこ)神司(かむづかさ)
151初稚(はつわか)(ひめ)(みこと)(たま)(ふね)
152  さぞや()たからうブラヷーダ(ひめ)を。
153ウバナンダ竜王(りうわう)さまの(たから)をば
154  ()せて()()(この)御船(みふね)
155(かぜ)()(なみ)()()竜神(りうじん)(をど)
156  いつかなこたへぬ(かみ)(ふね)
157玉国別(たまくにわけ)(かみ)(つかさ)()ます(ふね)
158  (しこ)悪魔(あくま)のさやるべき。
159スーラヤの(やま)(かすみ)(つつ)まれて
160  (いま)(ひかり)()えずなりぬ。
161(よる)(ひか)るスーラヤ(さん)伊太彦(いたひこ)
162  (かみ)身霊(みたま)(くら)くなる。
163これからは(ひやく)()()らした山燈台(やまとうだい)
164  ()えて(あと)なき(なみ)(あわ)
165(つき)()波間(なみま)(うか)ぶスーラヤ湖水(こすい)
166  今日(けふ)天女(てんによ)(わた)()く。
167天人(てんにん)(つら)(くは)はる神司(かむづかさ)
168  (さぞ)(こころ)(いさ)むだらう。
169(やうや)くにエルの(みなと)()えかけた
170  かすかに()につくエルの(やま)
171十五夜(じふごや)(つき)御空(みそら)有明(ありあけ)
172  (あさ)(はや)うから(ふね)()ぐ。
173エル(みなと)()えて(すす)むはエルサレム
174  一度(いちど)(まゐ)()(かみ)(まへ)
175朝夕(あさゆふ)(なみ)のまにまに(ただよ)(わし)
176  何時(いつ)月日(つきひ)水鏡(みづかがみ)()る』
177 毎晩(まいばん)(ひか)つて()たスーラヤ(さん)178夜光(やくわう)(たま)伊太彦(いたひこ)(ふところ)()つてからは(ひかり)(うしな)ひ、179(いま)船頭(せんどう)(うた)つた(ごと)唯一(ゆゐいつ)燈台(とうだい)をとられて(しま)つた。180十六(じふろく)(にち)満月(まんげつ)(ひがし)波間(なみま)より(かさ)(やう)(おほ)きな姿(すがた)(あら)はして(のぼ)(はじ)めた。
181 (なみ)姿(すがた)半分(はんぶん)()した(とき)182丁度(ちやうど)黄金山(わうごんざん)()いた(やう)()えて()た。
183玉国別(たまくにわけ)金銀(きんぎん)(なみ)(ただよ)ひし(うみ)()
184黄金山(わうごんざん)(ひかり)(かがや)く。
185(ひむがし)波間(なみま)(のぼ)月影(つきかげ)
186黄金(こがね)(たま)夜光(やくわう)(たま)か。
187如意(によい)宝珠(ほつしゆ)黄金(こがね)(たま)(およ)ぶまじ
188波間(なみま)()けて(のぼ)月影(つきかげ)
189真純彦(ますみひこ)(そら)(きよ)海原(うなばら)(きよ)中空(なかぞら)
190(つき)はおひおひ(まる)くなり()く。
191月々(つきづき)(つき)()(つき)(おほ)けれど
192今宵(こよひ)(つき)殊更(ことさら)(きよ)し』
193三千彦(みちひこ)御恵(みめぐ)みの(つゆ)天地(てんち)三千彦(みちひこ)
194(いま)さし(のぼ)(つき)大神(おほかみ)
195瑞御霊(みづみたま)(はや)くも(つき)波間(なみま)をば
196(はな)れて御空(みそら)にかかりましけり』
197伊太彦(いたひこ)波間(なみま)をば()けて()でたる如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
198(わが)(ふところ)(たま)(まさ)れる。
199(よる)(ひか)(うづ)宝珠(ほつしゆ)瑞御霊(みづみたま)
200(のぼ)(たま)へば()(かげ)もなし』
201デビス(ひめ)真純彦(ますみひこ)三千彦(みちひこ)(つかさ)(まも)ります
202(うづ)(たから)(つき)()かめや。
203(つき)(くに)ハルナの(みやこ)(すす)()
204旅路(たびぢ)(そら)(きよ)月影(つきかげ)
205治道(ちだう)大空(おほぞら)(のぼ)(かがや)(つき)()れば
206(わが)(たましひ)(はづか)しくなりぬ。
207()西(にし)()(かたむ)きて(ひむがし)
208波間(はかん)()づる(うづ)月影(つきかげ)
209玉国別(たまくにわけ)西(にし)()(わが)一行(いつかう)見送(みおく)りて
210(のぼ)らせ(たま)ふか(つき)大神(おほかみ)
211(あふ)()(きよ)大空(おほぞら)(くま)もなく
212()らし(たま)ひぬ(ひと)つの(たま)に。
213()(あつ)(つき)(すず)しく()(わた)
214(もも)草木(くさき)(つゆ)()きなむ』
215伊太彦(いたひこ)朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
216(つき)()つとも()くるとも
217仮令(たとへ)(いのち)()するとも
218(まこと)(かみ)御教(みをしへ)
219(まか)しまつりし吾々(われわれ)
220如何(いか)なる(まが)()()とも
221(かなら)(かみ)(めぐ)みあり
222歓喜竜王(ナーガラシャー)岩窟(がんくつ)
223一行(いつかう)()(にん)(すす)()
224邪気(じやき)(おそ)はれ(わが)(たま)
225浮世(うきよ)にけがれし肉体(からたま)
226()けて(たちま)死出(しで)(たび)
227枯野(かれの)(はら)をさまよひつ
228ウラナイ(けう)高姫(たかひめ)
229(しこ)精霊(せいれい)(めぐ)()
230いろいろ雑多(ざつた)論争(あげつら)
231揚句(あげく)()ては大喧嘩(おほげんくわ)
232おつ(ぱじ)めたる(はづか)しさ
233アスマガルダは鉄拳(てつけん)
234かためて高姫(たかひめ)()たむとす
235流石(さすが)高姫(たかひめ)(おどろ)いて
236裏口(うらぐち)あけて裏山(うらやま)
237枯木林(かれきばやし)()をかくし
238(くも)(かすみ)()えにける
239(われ)()()(にん)(いさ)()
240凱歌(かちどき)あげし心地(ここち)して
241枯野(かれの)(はら)をさまよひつ
242(かみ)試練(ためし)()(なが)
243三五教(あななひけう)信仰(しんかう)
244生命(いのち)にかへて(まも)りたる
245その(むく)いにや神使(かむつかひ)
246スマートさまが(あら)はれて
247高姫司(たかひめつかさ)守護神(しゆごじん)
248銀毛(ぎんまう)八尾(はつぴ)悪狐(あくこ)をば
249()ひやり(たま)へば(たちま)ちに
250四辺(あたり)光景(くわうけい)一変(いつぺん)
251いと(くる)しみし(わが)身体(からだ)
252(にはか)(こころよ)くなりて
253勇気(ゆうき)日頃(ひごろ)百倍(ひやくばい)
254天地(てんち)(かみ)(うち)(むか)
255感謝(かんしや)祈願(きぐわん)太祝詞(ふとのりと)
256(とな)ふる(をり)しも三五(あななひ)
257(かみ)(つかさ)初稚姫(はつわかひめ)
258(この)()(あらは)れましまして
259(われ)()(まよ)霊身(れいしん)
260(あか)きに(すく)(たま)ひけり
261()をとり(なほ)四辺(あたり)をば
262よくよく()ればこは如何(いか)
263歓喜竜王(ナーガラシャー)岩窟(がんくつ)
264(わか)りし(とき)(うれ)しさよ
265ここに竜王(りうわう)初稚姫(はつわかひめ)
266生言霊(いくことたま)歓喜(くわんき)して
267多年(たねん)苦悶(くもん)(のが)れしと
268(よろこ)(いさ)幾度(いくたび)
269感謝(かんしや)言葉(ことば)(たてまつ)
270夜光(やくわう)(たま)伊太彦(いたひこ)
271()づから(わた)(たま)ひつつ
272別離(わかれ)(うた)()りおへて
273大空(おほぞら)(たか)(のぼ)りけり
274あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
275(かみ)(めぐみ)有難(ありがた)
276初稚姫(はつわかひめ)(したが)ひて
277(うみ)(つう)ずる岩窟(がんくつ)
278(ひかり)見当(めあ)てに隧道(すいだう)
279(さぐ)()づれば有難(ありがた)
280(わが)()(きみ)(たま)(ふね)
281波打際(なみうちぎは)(よこ)たへて
282(われ)()(すく)(たま)ふべく
283()たせ(たま)ふぞ(たふと)けれ
284朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
285(つき)()つとも()くるとも
286(かみ)(めぐ)みと()(めぐ)
287幾千代(いくちよ)(まで)(わす)れまじ
288(おも)へば(おも)へば有難(ありがた)
289大空(おほぞら)(きよ)(うみ)(きよ)
290(つき)(また)(きよ)(たま)(ふね)
291(きよ)真帆(まほ)をば(かか)げつつ
292(きよ)けき(かぜ)(おく)られて
293(きよ)(をしへ)(つかさ)()
294(きよ)(はなし)取交(とりか)はし
295(うづ)(みやこ)()して()
296(わが)()(うへ)こそ(うれ)しけれ
297あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
298御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
299 ()(たがひ)(うた)(うた)(あるひ)雑談(ざつだん)(ふけ)(なが)ら、300翌日(あくるひ)東雲(しののめ)(ごろ)玉国別(たまくにわけ)(ふね)はエルの(みなと)()いた。301(はや)くも初稚姫(はつわかひめ)一行(いつかう)(とも)上陸(じやうりく)(たま)ひて302スマートを(ひき)()波止場(はとば)()つて一行(いつかう)(きた)るを()()(たま)ひつつあつた。303スマートは(よろこ)んで「ウワッウワッ」と()()てて()る。
304大正一二・五・二五 旧四・一〇 於竜宮館 北村隆光録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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