霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第九章 超死線(てうしせん)〔一六一六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第2篇 日天子山 よみ(新仮名遣い):すーらやさん
章:第9章 超死線 よみ(新仮名遣い):ちょうしせん 通し章番号:1616
口述日:1923(大正12)年05月24日(旧04月9日) 口述場所:教主殿 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行五人はスーラヤ山の中腹まで登ってきた。夜前妖怪が言っていた死線地帯にたどり着いた。
死線を突破するために伊太彦を導師として天津祝詞を奏上し、天の数歌を歌いながら勢いにおまかせて駆け上った。一行は死線を乗り越えられたことにそれぞれ感謝の歌を歌った。
伊太彦は一行を励ましながら岩窟の側近くにやってきた。深い井戸のように縦穴があいており、底には夜光の玉がいくつともなく光っているのが見えた。
伊太彦は藤蔓を切って太い縄にない、岩窟の一端にくくりつけて底深く降りて行った。一行も勇気を鼓して伊太彦に続いた。
岩窟の底からまた横穴がい開いていて無数の玉が光っている。奥を見ると、ウバナンダ竜王がたくさんの眷属をつれて蜿蜒とわだかまっていた。
伊太彦はもろ手を合わせて柏手を打ち、天津祝詞を奏上しようとした。しかしどうしたものかにわかに舌はこわばり、一言も発することができなくなってその場に昏倒してしまった。
一行五人も同様にその場に枕を並べて昏倒してしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-04-23 16:13:54 OBC :rm6309
愛善世界社版:122頁 八幡書店版:第11輯 305頁 修補版: 校定版:124頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 水面(すいめん)()(こと)002七千(しちせん)三百(さんびやく)(しやく)のスーラヤ(さん)中腹(ちうふく)(まで)一行(いつかう)()(にん)(やうや)(のぼ)りつめた。003これより(うへ)夜前(やぜん)妖怪(えうくわい)()つた死線(しせん)地帯(ちたい)である。004(やま)中腹(ちうふく)邪気帯(じやきたい)があつて四方(しはう)取囲(とりかこ)み、005(いづ)れもこの死線(しせん)突破(とつぱ)せむとして、006邪気(じやき)にうたれ、007身体(しんたい)水症病(すいしやうびやう)(おこ)し、008ここにパタリパタリと(たふ)れて一人(ひとり)もこれより(うへ)(のぼ)つたものはない。009何程(なにほど)夜光(やくわう)(たま)燦爛(さんらん)(かがや)(わた)高価(かうか)(たから)()(まへ)にブラ(さが)つて()つても010(この)死線(しせん)()へる(こと)到底(たうてい)人間業(にんげんわざ)では出来(でき)(こと)であつた。011(この)地帯(ちたい)(ほと)んど七八十(しちはちじつ)(けん)ばかりの(はば)であつた。012死線(しせん)近辺(きんぺん)(まで)()()ると白骨(はくこつ)累々(るゐるゐ)として(よこ)たはつて()る。013伊太彦(いたひこ)(この)光景(くわうけい)()て、014これは到底(たうてい)一通(ひととほ)りでは突破(とつぱ)する(こと)出来(でき)ない。015神力(しんりき)()(のぼ)るに()かずと、016ここに伊太彦(いたひこ)導師(だうし)として天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、017(あま)数歌(かずうた)(うた)()(なが)(いきほひ)(まか)せて()(のぼ)つた。018(やうや)くにして一行(いつかう)()(にん)死線(しせん)突破(とつぱ)する(こと)()た。
019伊太(いた)『あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)020開闢(かいびやく)以来(いらい)竜王(りうわう)(いへど)(この)死線(しせん)突破(とつぱ)して(くだ)(こと)()ない危険帯(きけんたい)無事(ぶじ)()へられたのも021(まつた)(かみ)(さま)()神徳(しんとく)だ。
022皇神(すめかみ)(めぐ)みの(きぬ)(つつ)まれて
023(あやふ)死線(しせん)(わた)りけるかな。
024惟神(かむながら)(かみ)(まか)せば()(なか)
025(おそ)るべきものはあらじとぞ(おも)ふ』
026ブラヷーダ『千早(ちはや)()神世(かみよ)()かぬ()(せき)
027無事(ぶじ)()へたる(ひと)(たふと)き。
028(たま)()はふ(かみ)(まも)りのなかりせば
029如何(いか)(わた)れむ(しこ)死線(しせん)を』
030アスマガルダ『伊太彦(いたひこ)(かみ)(つかさ)功績(いさをし)
031神代(かみよ)にも()かぬためしなりけり。
032ウバナンダ・ナーガラシャーも伊太彦(いたひこ)
033武者(むしや)()()れば(おどろ)くなるらむ。
034スーラヤの(うみ)(うか)びし(この)(やま)
035(はじ)めて(のぼ)今日(けふ)(うれ)しさ』
036カークス『(おそ)ろしき(しこ)死線(しせん)突破(とつぱ)して
037(のぼ)(きた)りぬ(やま)()()に。
038ウラル(ひこ)(かみ)(つか)ふる信徒(まめひと)
039(かばね)さらせしスーラヤの(やま)
040ベース『三五(あななひ)(かみ)(ちから)(まも)られて
041(やす)(のぼ)りぬ(たから)(やま)に。
042さり(なが)(むね)(くる)しくもなりにけり
043(しこ)死線(しせん)()れたる(ため)か』
044カークス『(われ)(また)(むね)(さわ)がしくなりにけり
045(まも)らせ(たま)三五(あななひ)(かみ)
046ブラヷーダ『肉体(からたま)(にはか)(おも)くなり()きて
047()きなやみけり(この)山道(やまみち)を』
048伊太彦(いたひこ)村肝(むらきも)(こころ)ひきたて(かみ)()
049(のぼ)れば(のぼ)(みち)もありけり』
050アスマガルダ『(なん)となく(むね)(さわ)ぎぬ()(あし)
051(こころ)(まま)(うご)かずなりぬ』
052伊太彦(いたひこ)()にし()死線(しせん)突破(とつぱ)したる()
053(すこ)しの(なや)みは(まぬ)かれざらまし。
054いざさらば(こころ)(こま)(むちう)ちて
055(すす)()かなむ竜王(りうわう)岩窟(いはや)に』
056 伊太彦(いたひこ)(さき)()つて一行(いつかう)(こころ)(はげ)ませ(なが)057自分(じぶん)(おも)たい(あし)引摺(ひきず)りつつ(みね)()()(かぜ)()かれ、058(うた)(うた)つて元気(げんき)よく(すす)()く。059()(にん)(あと)(うし)(あゆ)みの捗々(はかばか)しからず、060(あせ)をタラタラ(なが)(なが)(あへ)(あへ)(したが)()く。
061伊太彦(いたひこ)(かみ)(おもて)(あら)はれて
062(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
063三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
064伊太彦(いたひこ)(つかさ)(いま)ここに
065(かみ)御言(みこと)(かうむ)りて
066ナーガラシャーの永久(とこしへ)
067(まも)らせ(たま)(みづ)(たま)
068神政(しんせい)成就(じやうじゆ)のその(ため)
069(わが)()()けてエルサレム
070(うづ)(みやこ)大前(おほまへ)
071(たてまつ)らむと(のぼ)()
072(この)(やま)(まも)るウバナンダ
073ナーガラシャーに(もの)(まを)
074(なれ)(みこと)千早(ちはや)()
075神代(かみよ)(とほ)(むかし)より
076(かみ)(いか)りを(かうむ)りて
077スーラヤ(さん)岩窟(がんくつ)
078()()められて千万(ちよろづ)
079(なや)みを()けしいたはしさ
080三千(さんぜん)世界(せかい)(うめ)(はな)
081一度(いちど)(ひら)(とき)()
082八大(はちだい)竜王(りうわう)(ことごと)
083(かみ)(めぐみ)御許(みゆる)しに
084天津(あまつ)御国(みくに)(すく)はれて
085(たふと)(かみ)御柱(みはしら)
086(つか)へまつらむ()となりぬ
087(よろこ)(たま)へウバナンダ
088竜王(りうわう)(まへ)()げまつる
089朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
090(つき)()つとも()くるとも
091仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
092(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
093(かみ)言葉(ことば)二言(にごん)ない
094(こころ)(たひら)(やす)らかに
095(この)伊太彦(いたひこ)使命(しめい)をば
096(うべな)ひまして逸早(いちはや)
097夜光(やくわう)(たま)(わた)せかし
098(なれ)身霊(みたま)(これ)よりは
099(ひろ)世界(せかい)(あら)はして
100五六七(みろく)神政(しんせい)(はしら)とし
101天地(てんち)日月(じつげつ)相並(あひなら)
102(かみ)(ひと)との(へだ)てなく
103いと(やす)らかに()()らし
104(しこ)曲霊(まがひ)(ことごと)
105言向和(ことむけやは)神国(しんこく)
106常世(とこよ)(はる)(はな)(にほ)
107目出度(めでた)御代(みよ)(ひら)()
108(この)神業(しんげふ)(うべな)ひて
109一日(ひとひ)(はや)帰順(きじゆん)せよ
110あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
111(かみ)(したが)武士(つはもの)
112(すこ)しの(なや)みに(たゆ)まずに
113(こころ)引立(ひきた)(すす)めかし
114(かみ)(なんぢ)(とも)にあり
115(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
116如何(いか)死線(しせん)()ゆるとも
117障害(さはり)のあるべき道理(だうり)なし
118(こころ)(ひと)つの()ちやうぞ
119(きた)れよ(きた)()(きた)
120竜王(りうわう)岩窟(いはや)(ちか)づきて
121御空(みそら)(てら)光明(くわうみやう)
122(ひる)とは()へど(あきら)かに
123(わが)()(うつ)(きた)りけり
124勝利(しようり)(みやこ)(ちか)づきぬ
125(いさ)めよ(いさ)言霊(ことたま)
126(かみ)使(つかひ)御軍(みいくさ)よ』
127 カークスは一丁(いつちやう)ばかり(おく)(なが)128(あし)引摺(ひきず)りもつて(うた)(はじ)めた。
129『あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
130(かみ)(まも)りに吾々(われわれ)
131さも(おそ)ろしきスーラヤの
132死線(しせん)()へて(のぼ)りけり
133さはさり(なが)(なん)となく
134足許(あしもと)(おも)(むね)(さわ)
135(あゆ)(あぐ)みし(くる)しさよ
136伊太彦(いたひこ)(つかさ)()(たま)
137如何(いか)(こころ)(いら)つとも
138自由(じいう)にならぬ(わが)(からだ)
139(あは)れみ(たま)(いま)一度(いちど)
140伊吹(いぶき)狭霧(さぎり)曲津身(まがつみ)
141(はら)はせ(たま)惟神(かむながら)
142(かみ)かけ(ねん)(たてまつ)る』
143ブラヷーダ『(わが)()(きみ)()(たま)
144()みも(なら)はぬ高山(たかやま)
145一瀉(いつしや)千里(せんり)(のぼ)りつめ
146(わが)肉体(からたま)(つか)()
147手足(てあし)(おも)くなりにけり
148(なれ)(みこと)宣伝使(せんでんし)
149如何(いか)なる(まが)棲処(すみか)をも
150(おそ)(たま)はずさり(なが)
151(あに)(みこと)のアスマガルダ
152その(ほか)二人(ふたり)伴人(ともびと)
153死線(しせん)邪気(じやき)(おそ)はれて
154手足(てあし)(こころ)もままならぬ
155(かな)しき()とはなりましぬ
156ナーガラシャーの岩窟(がんくつ)
157(わが)()(まへ)(よこた)はり
158夜光(やくわう)(たま)御光(みひかり)
159四辺(あたり)(かがや)(たま)へども
160(われ)()(こころ)(なん)となく
161(くも)りて黄泉(よみ)道芝(みちしば)
162辿(たど)るが(ごと)(おぼ)ゆなり
163(やす)ませ(たま)()(きみ)
164(ひとへ)(ねが)(たてまつ)る』
165 伊太彦(いたひこ)はブラヷーダの(この)(うた)()いて166()(にん)(もの)行歩(かうほ)(なや)んで()(こと)(あは)れみ、167山頂(さんちやう)碁布(ごふ)せる岩石(がんせき)(こし)かけて、168(しば)らく落伍者(らくごしや)(おひ)()くを()(こと)とした。
169 カークスは気息(きそく)奄々(えんえん)として(いき)()()えに()ふやうにして(おひ)()(きた)り、
170カークス『もし先生(せんせい)171(かみ)(さま)御用(ごよう)とは(まを)(なが)172どうにも()うにも(くる)しくて(たま)りませぬわ、173(ひと)(かみ)(さま)(ねが)つて(くだ)さいな』
174伊太(いた)(かみ)(さま)(ねが)ふのは、175(まへ)(こころ)(ねん)じた(はう)()い。176(わし)だとて全責任(ぜんせきにん)()ふてゐるのだから177(あし)(いた)いのも、1771(からだ)(くる)しいのも辛抱(しんばう)してここ(まで)やつて()たのだよ。178(いづ)神界(しんかい)御用(ごよう)をするのだから、179さう楽々(らくらく)(つと)まるものではない。180神徳(しんとく)さへあれば(なん)でもないのだが181ナーガラシャーでさへも死線(しせん)()へて()()(わけ)にもゆかず、182神代(かみよ)から此処(ここ)蟄伏(ちつぷく)して()(やう)険難(けんのん)千万(せんばん)(ところ)()へて()たのだから、183(すこ)(ぐらゐ)(くる)しいのは当然(あたりまへ)だよ。184(しば)らくここの山風(やまかぜ)(あた)つて(やす)んで()つたら(また)元気(げんき)恢復(くわいふく)するだらうよ』
185カークス『はい、186有難(ありがた)(ござ)います。187何事(なにごと)神業(しんげふ)だと(おも)へば、188仮令(たとへ)()んでも(うら)みとは(おも)ひませぬ』
189伊太(いた)『そんな()(よわ)(こと)()ふものぢやない。190永遠(えいゑん)(いのち)源泉(げんせん)たる(みづ)御魂(みたま)さまがお(まも)(くだ)さる以上(いじやう)大丈夫(だいぢやうぶ)だよ。191()(かく)(かみ)(しん)(かみ)(いの)るより(ほか)にないのだ。192あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
193ベース『先生(せんせい)194(わたし)(なん)だか弱音(よわね)()くやうですが、195(いき)がきれさうになつて()ました』
196伊太(いた)『エー、197()(よわ)(こと)()(をとこ)だな。198もう一息(ひといき)だ。199(かみ)(さま)()神力(しんりき)(たよ)つて目的(もくてき)(たつ)せねばなるまい。200九分(くぶ)九厘(くりん)()つた(ところ)成就(じやうじゆ)せない(こと)があるとどうするか。201そんな弱虫(よわむし)では現幽(げんいう)一致(いつち)(まも)らせ(たま)(かみ)(さま)(おん)(まへ)に、202復命(ふくめい)する(こと)出来(でき)ぬぢやないか』
203ベース『ハイ、204言葉(ことば)(とほ)りで(ござ)いますが、205どうも(くる)しくて(よく)にも(とく)にも(かへ)られなくなりました』
206伊太(いた)(こま)つたな。207()(かく)祈祷(いのり)肝腎(かんじん)だ』
208アスマガルダ『スーラヤの湖水(こすい)彼方(あなた)(なが)むれば
209(ちち)(はは)との(こひ)しくなりぬ』
210伊太彦(いたひこ)千早(ちはや)()(かみ)大道(おほぢ)(すす)()
211(この)()のものを(わす)るるに()かず。
212父母(ちちはは)(めぐみ)如何(いか)(たか)くとも
213(かみ)(めぐみ)(くら)ぶべきやは』
214ブラヷーダ『天地(あめつち)(まこと)(おや)(いだ)かれて
215神国(みくに)(のぼ)心地(ここち)しにけり』
216ベース『何事(なにごと)(すめ)大神(おほかみ)御心(みこころ)
217ままと(おも)へば(なに)をか(うら)みむ。
218(くる)しさの(のち)(たの)しみ(きた)るてふ
219(いづ)(をしへ)(おも)ひて微笑(ほほゑ)む』
220伊太彦(いたひこ)『いざさらば夜光(やくわう)(たま)所在(ありか)へと
221(すす)()かなむ諸人(もろびと)()てよ』
222 ()(たがひ)述懐(じゆつくわい)をのべ(をは)223伊太彦(いたひこ)(また)先頭(せんとう)()竜王(りうわう)(ひそ)むてふ岩窟(がんくつ)(そば)(ちか)(たち)()つた。
224 (この)岩窟(がんくつ)(ふか)井戸(ゐど)(ごと)縦穴(たてあな)()いてゐる、225そして幾丈(いくぢやう)とも()れぬ岩窟(がんくつ)(そこ)には226夜光(やくわう)(たま)()(まばゆ)きばかり(いく)つともなく(ひか)つて()る。227伊太彦(いたひこ)(やま)()()(あさ)つて藤蔓(ふぢつる)()(これ)にて(ふと)(なは)()ひ、228入口(いりぐち)岩窟(がんくつ)一端(いつたん)(くく)りつけ229(つな)(つた)ふてスルスルスルと(そこ)(ふか)(くだ)()いた。230一同(いちどう)勇気(ゆうき)()して伊太彦(いたひこ)(あと)(したが)231(ふぢ)縄梯子(なははしご)(あし)にて(きざ)(なが)ら、232(やうや)くに岩窟(がんくつ)(そこ)安着(あんちやく)した。233()れば其処(そこ)から(また)横穴(よこあな)()いてゐて234無数(むすう)(たま)(ひか)つて()る。235(おく)(はう)にはウバナンダ竜王(りうわう)沢山(たくさん)眷族(けんぞく)をつれて蜒々(えんえん)(わだか)まつて()るその(おそ)ろしさ、236伊太彦(いたひこ)双手(もろて)(あは)拍手(かしはで)をうち、237天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)せむとしたが、238どうしたものか(にはか)(した)(こは)ばり一言(いちごん)(はつ)()なくなつて239(その)()昏倒(こんたう)して(しま)つた。240アスマガルダを(はじ)(ほか)一同(いちどう)(まくら)(なら)べて(その)()昏倒(こんたう)した。241あゝ()(にん)運命(うんめい)如何(いか)になり()くであらうか。
242大正一二・五・二四 旧四・九 於教主殿 北村隆光録)

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