霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第63巻(寅の巻)
序歌
総説
第1篇 妙法山月
第1章 玉の露
第2章 妙法山
第3章 伊猛彦
第4章 山上訓
第5章 宿縁
第6章 テルの里
第2篇 日天子山
第7章 湖上の影
第8章 怪物
第9章 超死線
第3篇 幽迷怪道
第10章 鷺と鴉
第11章 怪道
第12章 五託宣
第13章 蚊燻
第14章 嬉し涙
第4篇 四鳥の別
第15章 波の上
第16章 諒解
第17章 峠の涙
第18章 夜の旅
第5篇 神検霊査
第19章 仕込杖
第20章 道の苦
第21章 神判
第22章 蚯蚓の声
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
>
第63巻(寅の巻)
> 第4篇 四鳥の別 > 第16章 諒解
<<< 波の上
(B)
(N)
峠の涙 >>>
第一六章
諒解
(
りやうかい
)
〔一六二三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
篇:
第4篇 四鳥の別
よみ(新仮名遣い):
しちょうのわかれ
章:
第16章 諒解
よみ(新仮名遣い):
りょうかい
通し章番号:
1623
口述日:
1923(大正12)年05月25日(旧04月10日)
口述場所:
天声社
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
玉国別は船から上がると一行とともに初稚姫の前に来て一礼し、感謝の歌を述べた。
デビス姫とブラヷーダは、船中の伊太彦と玉国別のやり取りから、宣伝使として夫婦が別の道を行くべきではないかと初稚姫に相談した。
初稚姫は、大神の任によって進む身は人を力としてはいけない、ただ一人道を伝えて行くのが務めだと答えた。初稚姫は、玉国別が一人真純彦を供とすることは許した。
伊太彦は、自分は神界の御用を務める役目があるからと、ブラヷーダに離縁を申し出た。初稚姫は歌に示して、二人がいったん別々の道を進み、神業成就の上で改めて夫婦の契りを結ぶのがよいと歌った。
ブラヷーダは一人で行く覚悟を示した。玉国別は、ブラヷーダが一人でエルサレムに参拝し、それからフサの国を通ってハルナの都に進むよう道を示した。
伊太彦は別路、夜光の玉をエルサレムに納めてから、フサの国を横断してハルナの都に進むよう諭した。そして三千彦とデビス姫にも各々一人で進むように示した。
一同は承諾した。デビス姫はさっそく別れの歌を歌うと、一同に黙礼して早くもエルの街の中に姿を隠してしまった。
アスマガルダは家に戻り、ブラヷーダとデビス姫はそれぞれエルサレムに進んだ。伊太彦と三千彦もそれぞれ玉を奉持して、一人でエルサレムを目指した。
初稚姫はスマートとともにどこともなく姿を隠した。治道居士はバット、ベル、カークス、ベースをしたがえ、比丘となってエルサレムに詣でることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-15 20:08:44
OBC :
rm6316
愛善世界社版:
223頁
八幡書店版:
第11輯 343頁
修補版:
校定版:
231頁
普及版:
64頁
初版:
ページ備考:
001
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は、
002
早
(
はや
)
くもエルの
港
(
みなと
)
につきたまひ、
003
アスマガルダ、
004
ブラヷーダ、
005
カークス、
006
ベース、
007
スマートと
共
(
とも
)
に
008
阜頭
(
ふとう
)
に
立
(
た
)
つて
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
船
(
ふね
)
の
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
るを
待
(
ま
)
ちつつあつた。
009
船
(
ふね
)
は
漸
(
やうや
)
くにしてエルの
港
(
みなと
)
についた。
010
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
嬉
(
うれ
)
しげに
船
(
ふね
)
より
一行
(
いつかう
)
と
共
(
とも
)
に
上
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
り、
011
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて
一礼
(
いちれい
)
を
終
(
をは
)
り、
012
玉国別
(
たまくにわけ
)
『スーラヤの
清
(
きよ
)
き
湖
(
みづうみ
)
漸
(
やうや
)
くに
013
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
にけり。
014
初稚姫
(
はつわかひめ
)
珍
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
015
着
(
つ
)
きたまひたる
事
(
こと
)
の
尊
(
たふと
)
さ』
016
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
湖
(
みづうみ
)
の
面
(
おも
)
を
眺
(
なが
)
めて
幾度
(
いくたび
)
か
017
待
(
ま
)
ちあぐみけり
君
(
きみ
)
の
御船
(
みふね
)
を』
018
真純彦
(
ますみひこ
)
『
金銀
(
きんぎん
)
の
波
(
なみ
)
漂
(
ただよ
)
ひし
此
(
この
)
湖
(
うみ
)
も
019
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
輝
(
かがや
)
きにしかず。
020
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
ゆエルの
港
(
みなと
)
を
眺
(
なが
)
むれば
021
輝
(
て
)
り
灼
(
かがや
)
きぬ
珍
(
うづ
)
の
御姿
(
みすがた
)
』
022
三千彦
(
みちひこ
)
『
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
ち
潮
(
しほ
)
みち
船
(
ふね
)
に
人
(
ひと
)
も
満
(
み
)
ち
023
心
(
こころ
)
みちつつ
浪路
(
なみぢ
)
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
ぬ。
024
恙
(
つつが
)
なく
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
渡
(
わた
)
り
来
(
こ
)
し
025
此
(
この
)
湖
(
みづうみ
)
に
別
(
わか
)
れむとぞする。
026
別
(
わか
)
れ
路
(
ぢ
)
のつらさは
浪路
(
なみぢ
)
にあるものを
027
伴
(
ともな
)
ひたまへ
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
君
(
きみ
)
』
028
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
皇神
(
すめかみ
)
の
御言
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
み
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
029
神
(
かみ
)
としあれば
伴
(
とも
)
は
頼
(
たの
)
まじ』
030
デビス
姫
(
ひめ
)
『
惟神
(
かむながら
)
道
(
みち
)
往
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
は
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
031
進
(
すす
)
む
掟
(
おきて
)
を
知
(
し
)
らずありけり。
032
如何
(
いか
)
にせば
神
(
かみ
)
の
御心
(
みむね
)
に
叶
(
かな
)
ふらむ
033
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
と
共
(
とも
)
にある
身
(
み
)
は』
034
ブラヷーダ『
妾
(
わらは
)
とて
神
(
かみ
)
としあれば
草枕
(
くさまくら
)
035
一人
(
ひとり
)
の
旅
(
たび
)
も
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ。
036
さりながら
神
(
かみ
)
の
許
(
ゆる
)
せし
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
に
037
別
(
わか
)
れて
如何
(
いか
)
で
進
(
すす
)
み
得
(
え
)
ざらめ』
038
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
大神
(
おほかみ
)
のまけのまにまに
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
039
如何
(
いか
)
でか
人
(
ひと
)
を
力
(
ちから
)
とやせむ。
040
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
の
御規
(
みのり
)
は
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
041
道
(
みち
)
つたへ
行
(
ゆ
)
くぞ
務
(
つと
)
めなりけり』
042
治道
(
ちだう
)
『あら
尊
(
たふと
)
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
御
(
おん
)
言葉
(
ことば
)
043
吾
(
わが
)
魂
(
たましひ
)
の
闇
(
やみ
)
を
晴
(
は
)
らしぬ』
044
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
御言
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
み
進
(
すす
)
む
吾
(
われ
)
に
045
一人
(
ひとり
)
はゆるせ
初稚
(
はつわか
)
の
君
(
きみ
)
』
046
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
汝
(
なれ
)
こそは
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神司
(
かむつかさ
)
047
やすくましませ
真純彦
(
ますみひこ
)
と
共
(
とも
)
に』
048
伊太彦
(
いたひこ
)
『これはしたり
三千彦
(
みちひこ
)
さまの
真似
(
まね
)
をして
049
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
暗
(
やみ
)
に
迷
(
まよ
)
ひぬ』
050
伊太彦
(
いたひこ
)
は
埠頭
(
ふとう
)
の
石
(
いし
)
に
腰
(
こし
)
打
(
う
)
ちかけ、
051
双手
(
もろて
)
を
拱
(
く
)
んで
何事
(
なにごと
)
か
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
052
其
(
その
)
両眼
(
りやうがん
)
には
涙
(
なみだ
)
さへ
滴
(
したた
)
り、
053
さも
懺悔
(
ざんげ
)
の
情
(
じやう
)
に
堪
(
た
)
へざるものの
如
(
ごと
)
くであつた。
054
ブラヷーダは
心
(
こころ
)
も
心
(
こころ
)
ならず
055
伊太彦
(
いたひこ
)
の
前
(
まへ
)
に
躙
(
にじ
)
り
寄
(
よ
)
り、
056
『もし
吾
(
わが
)
背
(
せ
)
の
君様
(
きみさま
)
、
057
貴方
(
あなた
)
は
俄
(
にはか
)
に
勝
(
すぐ
)
れさせられぬ
御
(
お
)
心持
(
こころもち
)
、
058
何
(
なに
)
か
心配
(
しんぱい
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
て
参
(
まゐ
)
りましたか、
059
お
差支
(
さしつかへ
)
無
(
な
)
くば
私
(
わたし
)
に
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ。
060
夫婦
(
ふうふ
)
となれば
何処
(
どこ
)
迄
(
まで
)
も
苦楽
(
くらく
)
を
共
(
とも
)
にするのが
天地
(
てんち
)
の
道
(
みち
)
で
厶
(
ござ
)
います』
061
伊太彦
(
いたひこ
)
は
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り、
062
声
(
こゑ
)
までかすめて、
063
『ブラヷーダ、
064
どうか
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
縁
(
えん
)
ぢやと
諦
(
あきら
)
めて、
065
此
(
この
)
伊太彦
(
いたひこ
)
を
許
(
ゆる
)
して
呉
(
く
)
れ。
066
一生
(
いつしやう
)
の
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひだ』
067
ブラヷーダ『
何
(
なに
)
がお
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
つたか
知
(
し
)
りませぬが、
068
つい
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
つて
貴郎
(
あなた
)
の
御
(
お
)
船
(
ふね
)
を
離
(
はな
)
れ
069
お
先
(
さき
)
に
参
(
まゐ
)
つたのが
御意
(
ぎよい
)
に
障
(
さは
)
つたので
厶
(
ござ
)
いませう。
070
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まない
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました。
071
此
(
この
)
後
(
ご
)
はきつと
貴方
(
あなた
)
の
身辺
(
しんぺん
)
を
御
(
ご
)
保護
(
ほご
)
を
致
(
いた
)
しますからお
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ』
072
と
涙
(
なみだ
)
ぐむ。
073
伊太
(
いた
)
『いやいや
074
決
(
けつ
)
してそんな
事
(
こと
)
を
彼
(
かれ
)
是
(
これ
)
思
(
おも
)
ふのではない。
075
お
前
(
まへ
)
は
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
のお
伴
(
とも
)
をして
大変
(
たいへん
)
結構
(
けつこう
)
であつた。
076
天晴
(
あつばれ
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
参
(
まゐ
)
つて
神命
(
しんめい
)
を
果
(
はた
)
し
077
其
(
その
)
上
(
うへ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
許
(
ゆる
)
しを
得
(
え
)
てお
前
(
まへ
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
になれるものならなりませう。
078
此
(
この
)
伊太彦
(
いたひこ
)
はお
前
(
まへ
)
と
別
(
わか
)
れたならば
079
一生
(
いつしやう
)
独身
(
どくしん
)
生活
(
せいくわつ
)
をして
神界
(
しんかい
)
に
仕
(
つか
)
へる
積
(
つも
)
りだ。
080
お
前
(
まへ
)
は
是
(
これ
)
から
私
(
わたし
)
に
離
(
はな
)
れて
家
(
いへ
)
に
帰
(
かへ
)
り、
081
両親
(
りやうしん
)
に
孝行
(
かうかう
)
を
尽
(
つく
)
し、
082
適当
(
てきたう
)
の
夫
(
をつと
)
を
選
(
えら
)
んで
安楽
(
あんらく
)
に
暮
(
くら
)
してくれ。
083
併
(
しか
)
し
一
(
いつ
)
たん
別
(
わか
)
れても
縁
(
えん
)
さへあれば
又
(
また
)
添
(
そ
)
ふ
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
るだらう。
084
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
のお
言葉
(
ことば
)
と
云
(
い
)
ひ、
085
ウバナンダ
竜王
(
りうわう
)
の
言葉
(
ことば
)
と
云
(
い
)
ひ、
086
もはや
此
(
この
)
伊太彦
(
いたひこ
)
は
立
(
た
)
つても
居
(
ゐ
)
てもおられなくなつて
仕舞
(
しま
)
つたのだ』
087
ブラヷーダ『
若
(
も
)
し
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
、
088
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
089
如何
(
いかが
)
致
(
いた
)
しませうか。
090
何卒
(
どうぞ
)
吾々
(
われわれ
)
夫婦
(
ふうふ
)
に
対
(
たい
)
してお
指揮
(
さしづ
)
を
下
(
くだ
)
さいませ』
091
玉国別
(
たまくにわけ
)
は、
092
アヽと
云
(
い
)
つたきり
涙
(
なみだ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
黙然
(
もくねん
)
として
俯
(
うつむ
)
き
093
深
(
ふか
)
き
吐息
(
といき
)
をついて
居
(
ゐ
)
る。
094
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
別
(
わか
)
れてはまた
遇
(
あ
)
ふ
海
(
うみ
)
の
末
(
すゑ
)
広
(
ひろ
)
く
095
男浪
(
をなみ
)
女浪
(
めなみ
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
月影
(
つきかげ
)
』
096
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
の
今
(
いま
)
のお
歌
(
うた
)
によれば、
097
伊太彦
(
いたひこ
)
、
098
可愛
(
かあい
)
さうだがお
前
(
まへ
)
は
此所
(
ここ
)
からブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
と
袂
(
たもと
)
を
分
(
わか
)
ち
099
天晴
(
あつぱれ
)
神業
(
しんげふ
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
上
(
うへ
)
、
100
改
(
あらた
)
めて
夫婦
(
ふうふ
)
の
契
(
ちぎり
)
を
結
(
むす
)
んだがよからう。
101
ブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
も
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
で
厶
(
ござ
)
いませうな』
102
ブラヷーダ『
如何
(
いか
)
にもお
情
(
なさけ
)
の
籠
(
こ
)
もつたお
言葉
(
ことば
)
、
103
左様
(
さやう
)
ならば
大切
(
たいせつ
)
なる
夫
(
をつと
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
を
妨
(
さまた
)
げてはなりませぬから、
104
此処
(
ここ
)
で
潔
(
いさぎよ
)
う
別
(
わか
)
れませう。
105
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
まま
家
(
いへ
)
に
帰
(
かへ
)
る
訳
(
わけ
)
には
参
(
まゐ
)
りませぬから、
106
妾
(
わたし
)
もどうぞハルナの
都
(
みやこ
)
の
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
てて
下
(
くだ
)
さいませ。
107
伊太彦
(
いたひこ
)
様
(
さま
)
108
左様
(
さやう
)
ならばこれでお
別
(
わか
)
れ
致
(
いた
)
します。
109
どうぞ
御
(
ご
)
無事
(
ぶじ
)
で
天晴
(
あつぱれ
)
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
を
果
(
はた
)
し、
110
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
復命
(
ふくめい
)
遊
(
あそ
)
ばすやうお
祈
(
いの
)
り
致
(
いた
)
します』
111
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
莞爾
(
くわんじ
)
として
左
(
さ
)
も
愉快気
(
ゆくわいげ
)
に、
112
玉国別
(
たまくにわけ
)
『ブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
さま。
113
貴女
(
あなた
)
のお
覚悟
(
かくご
)
は
実
(
じつ
)
に
天晴
(
あつぱれ
)
なもので
厶
(
ござ
)
います。
114
しからば
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
貴女
(
あなた
)
は
唯
(
ただ
)
お
一人
(
ひとり
)
でエルサレムに
参拝
(
さんぱい
)
し、
115
夫
(
そ
)
れよりエデンの
河
(
かは
)
を
渡
(
わた
)
り、
116
フサの
国
(
くに
)
に
出
(
い
)
でハルナの
都
(
みやこ
)
にお
進
(
すす
)
みなさい。
117
きつと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいますから。
118
あゝ
私
(
わたし
)
も
互
(
たがひ
)
に
助
(
たす
)
け
助
(
たす
)
けられて
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
出
(
で
)
て
参
(
まゐ
)
りました
弟子
(
でし
)
達
(
たち
)
に
別
(
わか
)
れるのは
残念
(
ざんねん
)
ですが、
119
どうも
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
掟
(
おきて
)
を
破
(
やぶ
)
る
訳
(
わけ
)
にも
参
(
まゐ
)
りませぬ。
120
併
(
しか
)
し、
121
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
から、
122
真純彦
(
ますみひこ
)
、
123
三千彦
(
みちひこ
)
、
124
伊太彦
(
いたひこ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
されましたが、
125
今
(
いま
)
となつて
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
れば
126
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
はさぞ「
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
奴
(
やつ
)
だ」とお
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
でお
蔑
(
さげす
)
みなさつたらうと
127
今更
(
いまさら
)
懺愧
(
ざんき
)
に
堪
(
た
)
へませぬ。
128
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
129
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
のお
許
(
ゆる
)
しで
真純彦
(
ますみひこ
)
一人
(
ひとり
)
を
連
(
つ
)
れて
参
(
まゐ
)
る
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
します。
130
伊太彦
(
いたひこ
)
は
独
(
ひと
)
り
是
(
これ
)
からエルサレムに
玉
(
たま
)
を
納
(
をさ
)
め、
131
フサの
国
(
くに
)
を
横断
(
わうだん
)
してハルナの
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
んだがよからう。
132
三千彦
(
みちひこ
)
133
お
前
(
まへ
)
も
一人
(
ひとり
)
でお
出
(
いで
)
なさい』
134
伊太彦
(
いたひこ
)
、
135
三千彦
(
みちひこ
)
、
136
ブラヷーダ、
137
一度
(
いちど
)
に
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げ
涙
(
なみだ
)
を
滴
(
したた
)
らしながら
138
承諾
(
しようだく
)
の
意
(
い
)
を
示
(
しめ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
139
玉国
(
たまくに
)
『アヽそれで
玉国別
(
たまくにわけ
)
も
安心
(
あんしん
)
致
(
いた
)
しました。
140
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
の
神懸
(
かむがかり
)
してのお
言葉
(
ことば
)
によりまして、
141
吾々
(
われわれ
)
も
迷
(
まよ
)
ひの
夢
(
ゆめ
)
が
醒
(
さ
)
めました。
142
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います』
143
と
合掌
(
がつしやう
)
涕泣
(
ていきふ
)
してゐる。
144
デビス
姫
(
ひめ
)
『いざさらば
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
三千彦
(
みちひこ
)
よ
145
別
(
わか
)
れて
遇
(
あ
)
はむハルナの
都
(
みやこ
)
で。
146
初稚姫
(
はつわかひめ
)
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
147
やすくましませ
妾
(
わらは
)
はこれにて
暇
(
いとま
)
をつげむ』
148
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
一同
(
いちどう
)
に
目礼
(
もくれい
)
し、
149
早
(
はや
)
くもエルの
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
に
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
して
仕舞
(
しま
)
つた。
150
これより
初稚姫
(
はつわかひめの
)
命
(
みこと
)
により、
151
アスマガルダは
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
帰
(
かへ
)
り、
152
ブラヷーダ、
153
デビス
姫
(
ひめ
)
は
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひに
人跡
(
じんせき
)
なき
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
へ
谷
(
たに
)
を
渡
(
わた
)
り、
154
エルサレムに
進
(
すす
)
む
事
(
こと
)
となつた。
155
伊太彦
(
いたひこ
)
、
156
三千彦
(
みちひこ
)
も
亦
(
また
)
玉
(
たま
)
を
捧持
(
ほうぢ
)
し
一人旅
(
ひとりたび
)
となつてエルサレムに
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
く。
157
初稚姫
(
はつわかひめ
)
はスマートと
共
(
とも
)
に
何処
(
どこ
)
ともなく
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
したまうた。
158
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
幕下
(
ばくか
)
なりし、
1581
バット、
159
ベル
並
(
ならび
)
にウラル
教
(
けう
)
より
帰順
(
きじゆん
)
したる、
1591
カークス、
160
ベースの
四
(
よ
)
人
(
にん
)
を
従
(
したが
)
へ
161
各自
(
かくじ
)
比丘
(
びく
)
の
姿
(
すがた
)
となつて、
162
エルの
港
(
みなと
)
にて
法螺貝
(
ほらがひ
)
を
購
(
あがな
)
ひ、
163
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
をつき
大道
(
だいだう
)
を
進
(
すす
)
んでエルサレムに
詣
(
まう
)
づる
事
(
こと
)
となつた。
164
今後
(
こんご
)
に
於
(
お
)
ける
各
(
かく
)
宣伝使
(
せんでんし
)
の
行動
(
かうどう
)
は
果
(
はた
)
して
如何
(
いか
)
に
開展
(
かいてん
)
するであらうか。
165
(
大正一二・五・二五
旧四・一〇
於天声社楼上
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 波の上
(B)
(N)
峠の涙 >>>
霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
>
第63巻(寅の巻)
> 第4篇 四鳥の別 > 第16章 諒解
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第16章 諒解|第63巻|山河草木|霊界物語|/rm6316】
合言葉「みろく」を入力して下さい→