霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 (うれ)(なみだ)〔一六二一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻 篇:第3篇 幽迷怪道 よみ:ゆうめいかいどう
章:第14章 嬉し涙 よみ:うれしなみだ 通し章番号:1621
口述日:1923(大正12)年05月25日(旧04月10日) 口述場所:教主殿 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黒雲がもうもうとして天地四方を包み、夜とも昼とも見わけのつかない光景となってきた。吹き来る風はなまぐさく湿っぽく、表面は冷たいのに熱気を含んでいた。
伊太彦一行は相当に高い山に行き当たり、ほかに道がないため登って行った。険しい道を行くと、四方八方から嫌らしい泣き声が聞こえてくる。一行は天津祝詞を奏上しようとしたが、唇が強直してどうしても声を発することができなかった。
山の頂で一行はへとへとになり、倒れてしまった。そこへ下の方から一人の婆がすたすたと登ってきて、自分は高姫を守護している銀毛八尾の狐だと名乗った。
狐は、アスマガルダが高姫を打擲しようとしたため高姫は家を飛び出してどこかへ行ってしまい、その恨みで一行をこの山に踏み迷わせたのだという。
狐は地獄に落ちたくなければ降参して言うことを聞け、と脅した。五人は声が出ないまま、しきりに首を振って抵抗する。
狐の婆はいばらの鞭を振り上げて伊太彦の頭を打ち付けた。伊太彦は血を流しながら、決して三五教の教えは捨てないと首を振っている。
ベースはこの様の恐ろしさにくじけ、首を縦に振りだした。狐婆は妖術で座布団を出すとベースをその上に座らせ、果物や葡萄酒を与えた。ベース以外の者はみな、伊太彦どうように依然として首を横に振っている。
婆はベースのように観念しろと脅しながらますます鞭で四人を打ち据えた。四人は運を天に任せ、心のうちに神を念じていた。すると山岳も崩れるばかりに犬の唸り声が聞こえてきた。
この声を聴くと婆は銀毛八尾の正体を現して逃げ出した。四人はにわかに元気回復し、血潮の痕跡もなく、すっくと立ちあがって天津祝詞を奏上した。ベースは茨の中に突っ込まれて唸っている。
四人がベースのために祈っていると、猛犬スマートを連れた初稚姫の精霊が現れた。初稚姫は、伊太彦たちが試験に及第したと告げ、ウバナンダ竜王の玉を取って帰るようにと告げた。
初稚姫が天津祝詞を奏上すると、気が付けば一行五人は竜王の岩窟に、邪気に打たれて倒れていた。伊太彦たちは嬉し涙を流し、両手を合わせて初稚姫を伏し拝んでいる。
岩窟の奥の方から鏡のように光る大火団が現れ、一同の前に爆発した。そこには優美高尚な美人が十二人の侍女をしたがえていた。美人は初稚姫に向かって手を仕え、自分は神代の昔、大八洲彦命によって改心の修行のために岩窟に押し込まれたウバナンダ竜王であると名乗った。
時がきて宣伝使が玉を受け取りにやってきたが、伊太彦の神力が奥方のために薄らいでしまい、解脱できずに困っていたという。
五人が竜神の毒気で魂が離脱してしまっていたところ、初稚姫がやってきて言霊を聞かせてくれたおかげで解脱ができ、このような天女になることができたと明かした。
ウバナンダ竜王は伊太彦に、玉を授けるのでエルサレムに行って献じるようにと告げ、自分たちは眷属たちとともにハルナの都の言霊戦を陰ながら支援すると伝えた。
竜王は玉を伊太彦に渡し、初稚姫に改めて感謝を述べた。一同はそれぞれ述懐を述べ竜王に別れを告げた。竜王は雲を起こして侍女たちとともに空中に舞い上がり、姿は煙のように消えてしまった。
初稚姫は岩窟の細い穴を伝って磯端に出た。一行も後に続いて出てみると、そこには玉国別と治道居士の一行が船を横づけにして待っていた。伊太彦は船に飛び乗ると、玉国別にしがみつきうれし泣きに泣いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6314
愛善世界社版:192頁 八幡書店版:第11輯 331頁 修補版: 校定版:197頁 普及版:64頁 初版: ページ備考:
001 黒雲(こくうん)濛々(もうもう)として天地(てんち)四方(しはう)(つつ)み、002(よる)とも(ひる)とも見別(みわけ)のつかぬやうな光景(くわうけい)となつて()た。003()()(かぜ)(なん)となく(なまぐさ)く、004()湿(しめ)つぽく、005表面(へうめん)(つめ)たく、006どこやらに熱気(ねつき)(ふく)み、007(からだ)から(ねば)つた(あせ)(にじ)空気(くうき)である。008伊太彦(いたひこ)一行(いつかう)(あし)(まか)せて、009方向(はうかう)(さだ)めず、010膝栗毛(ひざくりげ)(つづ)(かぎ)(すす)んで()くと、011相当(さうたう)(たか)岩骨(ロツキー)(やま)(ふもと)()(あた)つた。012相当(さうたう)(たか)(やま)らしいが、013五合目(ごがふめ)あたりから、014灰色(はひいろ)(くも)(つつ)んで(いただき)()(こと)出来(でき)なかつた。015一行(いつかう)(この)(やま)(のぼ)るより(みち)がない。016(はり)のやうな(くさ)や、017(いばら)(あひだ)種々(いろいろ)苦心(くしん)して(みぎ)()(ひだり)()け、018板壁(いたかべ)のやうな(けは)しい(ところ)(のぼ)つて()く。019四方(しはう)八方(はつぱう)から、020(なん)とも()れぬ(かな)しいやうな(いや)らしいやうな泣声(なきごゑ)(きこ)えて()る。021(さる)(こゑ)でもなければ(あき)(ゆふべ)(むし)()でもない。022(じつ)絶望(ぜつばう)(ふち)(しづ)んだ(とき)のやうな嘆声(かこちごゑ)である。023一行(いつかう)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)せむとしたが、024どうしても(くちびる)強直(きやうちよく)して(こゑ)(はつ)する(こと)出来(でき)なかつた。025灰色(はひいろ)(くも)(なか)()(ぼつ)するやうになると、026スーラヤ(さん)死線(しせん)()えた(とき)のやうな(ふたた)不快(ふくわい)気分(きぶん)(おそ)はれた。027一同(いちどう)不言(いはず)不語(かたらず)(うん)(てん)(まか)し、028伊太彦(いたひこ)(あと)(したが)(のぼ)つて()くと、029(やま)(いただき)は、030蠣殻(かきがら)()ちあけたやうな小石(こいし)一面(いちめん)(かぶ)さつて()031(あたか)(つるぎ)(やま)(のぼ)るが(ごと)くであつた。032伊太彦(いたひこ)頂上(ちやうじやう)のバラの(はな)のやうな(かたち)した(いは)(うへ)にソツと(こし)(おろ)した。033(おく)()せながら四人(よにん)はヘトヘトになり、034顔色(かほいろ)蒼白(あをざ)め、035(くちびる)紫色(むらさきいろ)()め、036さも絶望(ぜつばう)(ふち)(しづ)んだやうな面貌(おももち)辿(たど)りつき、037気息(きそく)奄々(えんえん)として夏犬(なついぬ)のやうに(した)()らし、038(むね)(なみ)をうたせながら039蠣殻(かきがら)のやうな小石(こいし)(うへ)(たふ)れて仕舞(しま)つた。
040 其処(そこ)(した)(はう)からスタスタ(えら)(いきほひ)(のぼ)つて()一人(ひとり)(ばば)がある。041一同(いちどう)屁古垂(へこた)れた姿(すがた)()(ばば)大口(おほぐち)(ひら)いて、
042(ばば)『オホヽヽヽ。043これや伊太(いた)阿魔女(あまつちよ)三人(さんにん)のガラクタ(ども)044往生(わうじやう)(いた)したか。045もう此処(ここ)(まで)()以上(いじやう)(ゆき)(もど)りもならず、046此処(ここ)(つゆ)(いのち)()てて八万地獄(はちまんぢごく)()ちるのだが、047(それ)でもお(わび)(いた)して(たす)けて(もら)()はないか。048三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だなどと(まをし)て、049よくもよくも世界(せかい)(また)にかけて(ある)きよるな。050(わし)(たれ)だと(おも)ふて()るか。051高姫(たかひめ)守護(しゆご)(いた)して()銀毛八尾(ぎんまうはつぴ)のお稲荷様(いなりさま)だぞ。052これや()いた(くち)(すぼ)まるまい。053一口(ひとくち)でも(しやべ)るなら(しやべ)つて()い。054アスマガルダの馬鹿者(ばかもの)が、055(この)(はう)(にく)(みや)打擲(ちやうちやく)せむと(いた)(おど)かしやがつた()めに、056(この)(はう)生宮(いきみや)は、057とうとう(わが)()()()行衛不明(ゆくゑふめい)となつて仕舞(しま)つたのだ。058(うらみ)()らさうと(おも)(この)(はう)計略(けいりやく)によつて、059(この)(やま)()(まよ)はしてやつたのだ。060サア、0601(こころ)(あらた)めてウラナイ(けう)帰順(きじゆん)(いた)すか、061どうだ、062きつぱりと返答(へんたふ)(いた)せ。063いやいや返答(へんたふ)出来(でき)まい。064(みみ)(みみしひ)065(くち)()かず、066言葉(ことば)()ぬものだから、067(しか)(みみ)(すこ)(きこ)えるだらう。068(この)(はう)(まを)すやうに(いた)すなら(くび)(たて)にふれ。069ても()てもいげつないものだなア、070ても()ても小気味(こきみ)よい(こと)だなア、071オツホヽヽヽ』
072 伊太彦(いたひこ)発言(はつげん)機関(きくわん)()まつた(かな)しさに、073一言(ひとこと)(はつ)する(こと)()ず、074(しきり)(くび)(よこ)()つて()る。075(ほか)四人(よにん)伊太彦(いたひこ)()らつて機械人形(きかいにんぎやう)のやうに(くび)(よこ)()る。
076(ばば)『ても()ても、077渋太(しぶと)(やつ)だなア。078絶対(ぜつたい)絶命(ぜつめい)場合(ばあひ)になつても、079まだ(わし)()(こと)(わか)らぬのか。080銅屑(どうくづ)(みたま)()ふものは因果(いんぐわ)なものだなア。081これや伊太彦(いたひこ)
082(いばら)(むち)をふり()げて、083伊太彦(いたひこ)(かしら)(つづ)()ちに十二三(じふにさん)()(つづ)けた。084頭部(とうぶ)からは、085花火(はなび)(すすき)のやうに()がボトボトと(せん)(くわく)して(なが)()づる(その)(いた)ましさ。086伊太彦(いたひこ)()をつぶつたまま、087仮令(たとへ)()んでも三五教(あななひけう)(をしへ)()てぬ。088如何(いか)責苦(せめく)にあつても、089ウラナイ(けう)帰順(きじゆん)するものかと益々(ますます)(くび)(よこ)()る。090(ばば)又々(またまた)(むち)(くは)へる。091(この)(てい)()たベースは(おどろ)いて、092そろそろ(くび)(たて)()()した。093妖婆(えうば)はさも(うれ)しさうに、094()やらしい(ゑみ)(うか)べて、
095(ばば)『オホヽヽヽ。096(まへ)はベースだな。097よしよし(えら)いものだ。098本当(ほんたう)水晶玉(すいしやうだま)だ。099五人(ごにん)(うち)でお(まへ)一人(ひとり)100改心(かいしん)すれば(その)()から(らく)になるぞよ」と仰有(おつしや)るのだから、101みせしめのため此処(ここ)(ひと)つお(まへ)天国(てんごく)(たのし)みを(あた)へてやらう』
102()(なが)ら、103(ふところ)から、104(ちひ)さい(たま)のやうなものを()(いだ)しブーブーと(くち)()()くと、105フワリとした綾錦(あやにしき)座布団(ざぶとん)七八枚(しちはちまい)106其処(そこ)(あらは)れた。
107(ばば)『ホヽヽヽ、108これやどうだ、109銀毛八尾(ぎんまうはつぴ)(さま)のお(はたら)きはこんなものだよ、110さあベース、111さぞ(あし)(いた)からう。112(この)(うへ)(すわ)りなされ。113さあチヤツと(すわ)りなされ。114そして、115(はら)()いただらう。116(この)(たま)()きさへすればお(まへ)(のぞ)(どほ)りの美味(びみ)(もの)()()るのだ』
117()(なが)ら、118ベースの(からだ)(わし)(づか)みにして119七八枚(しちはちまい)(かさ)ねた(やはら)かい布団(ふとん)(うへ)(すわ)らした。120ベースは四人(よにん)(もの)気兼(きがね)(なが)(すわ)つた。121(ばば)はいろんな果物(くだもの)や、122葡萄酒(ぶだうしゆ)などを(たま)()ひては(こしら)へ、123ベースに(あた)へて()る。124アスマガルダも、125ブラヷーダも、126カークスも伊太彦(いたひこ)同様(どうやう)依然(いぜん)として(くび)(よこ)()つて()る。127妖婆(えうば)(これ)()て、128さも慨歎(がいたん)したやうに、
129(ばば)『ても()ても因縁(いんねん)(わる)いみ(たま)だなア。130(この)やうに結構(けつこう)にして(たす)けてやらうと(おも)ふのに、131こんな責苦(せめく)()ふてもまだ()()(とほ)しよる。132何奴(どいつ)此奴(こいつ)(くび)(よこ)()りやがつて、133エヽ(わし)善悪(ぜんあく)(かがみ)()して()せてやらう。134(みな)がベースのやうにすればよいのだ。135(わし)だつて(なに)(この)(やう)なひどい(こと)をしたくはないが、136八岐大蛇(やまたをろち)(さま)からの御命令(ごめいれい)だから仕方(しかた)なしにやるのだ』
137()(なが)ら、138(また)もや(いばら)(むち)三人(さんにん)()()ゑる。139流血(りうけつ)淋漓(りんり)として()()てられぬ無残(むざん)さ、140四人(よにん)(うん)(てん)(まか)して(こころ)(うち)(かみ)(ねん)じて()た。141何処(どこ)とも()山岳(さんがく)(くず)るる(ばか)りの(いぬ)(こゑ)
142『ウーワウ ワウ ワウ』
143 (この)(こゑ)()くより妖婆(えうば)(たちま)銀毛八尾(ぎんまうはつぴ)正体(しやうたい)(あら)はし、144()けつ(まろ)びつ(くも)(かすみ)()げて()く。145伊太彦(いたひこ)146ブラヷーダ、147アスマガルダ、148カークスの四人(よにん)149(この)(こゑ)(みみ)()るや(にはか)元気(げんき)回復(くわいふく)150言霊(ことたま)自由(じいう)(はつ)する(こと)()た。151さうして(いま)(まで)(したた)つて()血潮(ちしほ)痕跡(こんせき)(とど)めず、152(もと)(ごと)元気(げんき)よき面貌(めんばう)となり(すつく)()(あが)り、153天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)した。154ベースはと()れば猿取荊(さるとりいばら)(なか)()()まれて155ウンウンと(うな)つて()る。
156伊太(いた)『あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
157 三人(さんにん)一度(いちど)に、
158惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
159カークス『もし伊太彦(いたひこ)宣伝使(せんでんし)(さま)160怪体(けたい)(こと)があるものぢやありませぬか。161高姫(たかひめ)守護神(しゆごじん)()がこんな(ところ)(まで)やつて()まして、162吾々(われわれ)(こころ)みようと(いた)しましたが、163(いぬ)(こゑ)(きこ)えると(たちま)正体(しやうたい)(あら)はして()げて仕舞(しま)つたぢや(ござ)いませぬか。164矢張(やつぱり)神様(かみさま)信仰(しんかう)せねばなりませぬなア』
165 伊太彦(いたひこ)有難涙(ありがたなみだ)(なが)(なが)ら、
166伊太(いた)『アヽ、167(なん)とも有難(ありがた)くて言葉(ことば)()ませぬわい。168(とき)にベースは何処(どこ)()つたのでせうな』
169アスマガルダ『ここの猿取荊(さるとりいばら)(なか)真裸体(まつぱだか)にせられ血塗(ちみどろ)になつて(くる)しんで()ます。170(なん)とかして(たす)けてやりたいものですなア』
171伊太(いた)吾々(われわれ)一同(いちどう)神様(かみさま)にお(ねが)ひして(すく)ふて(いただ)くより仕方(しかた)がないなア。172サアお(ねが)ひせう』
173(ここ)四人(よにん)一同(いちどう)天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)し、174ベースの取違(とりちがひ)をお(わび)し、175(やや)(しば)(あせ)みどろになつて祈願(きぐわん)()らした。176ベースはウンウンと(うな)つて()(ばか)りである。177其処(そこ)忽然(こつぜん)として猛犬(まうけん)スマートを()()れて(あら)はれたのは178初稚姫(はつわかひめ)精霊(せいれい)であつた。179四人(よにん)(ひめ)姿(すがた)()るより(よろこ)びと(おどろ)きとにうたれ180暫時(しばらく)1801言葉(ことば)もなく、181(ひめ)端麗(たんれい)なる(かほ)見詰(みつ)めて()る。
182初稚(はつわか)伊太彦(いたひこ)さま、183貴方(あなた)試験(しけん)及第(きふだい)(いた)しました。184サアこれからウバナンダ竜王(りうわう)(たま)受取(うけと)つて聖地(せいち)にお(いで)なさいませ。185(わらは)貴方(あなた)がスーラヤ(さん)にお(のぼ)りになつたと()き、186スマートと(とも)(ふね)(やと)うて当山(たうざん)(のぼ)187貴方(あなた)()安全(あんぜん)守護(しゆご)して()りました。188最早(もはや)安心(あんしん)なさいませ』
189()ひながら190迦陵嚬伽(かりようびんが)のやうな(うるは)しい(こゑ)()して天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)したまふた。191ハツと()がついて()れば192伊太彦(いたひこ)以下(いか)四人(よにん)竜王(りうわう)岩窟(がんくつ)に、193邪気(じやき)()たれて(たふ)れて()たのである。
194伊太(いた)『あゝ矢張(やつぱ)此処(ここ)竜王(りうわう)岩窟(がんくつ)(ござ)いましたかなア。195大変(たいへん)(ところ)()つて()りました。196よくまアお(たす)(くだ)さいました、197有難(ありがた)(ござ)います』
198 (ほか)四人(よにん)(うれ)(なみだ)()らしながら、199両手(りやうて)(あは)せ、200初稚姫(はつわかひめ)()(をが)んで()る。201(かか)(ところ)岩窟(がんくつ)(おく)(はう)より、202(かがみ)(ごと)(ひか)大火団(だいくわだん)(あらは)(きた)り、203一同(いちどう)(まへ)爆発(ばくはつ)するよと()()に、204()()はれぬ優美高尚(いうびかうしやう)なる美人(びじん)が、205十二人(じふににん)侍女(じぢよ)(したが)(あら)はれ(きた)り、206初稚姫(はつわかひめ)(むか)()(つか)へ、
207竜女(りうぢよ)(わらは)神代(かみよ)(むかし)より208大八洲彦命(おほやしまひこのみこと)(さま)改心(かいしん)()(この)岩窟(がんくつ)()()められ、209(いま)(まで)修業(しふげふ)(いた)して()りましたウバナンダ竜王(りうわう)(ござ)います。210(この)(たび)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)について如何(いか)なる悪神(あくがみ)もお(ゆる)(くだ)さる時節(じせつ)(まゐ)りましたので、211(たれ)かお(たす)けに()(くだ)さるだらうと、2111今日(こんにち)(まで)212この宝玉(ほうぎよく)大切(たいせつ)保護(ほご)して()つて()りました。213(ところ)伊太彦(いたひこ)宣伝使(せんでんし)(さま)四人(よにん)(とも)()れて、2131()でになりましたが、214()(まを)すと(なん)(ござ)いますが、215もう(すこ)御神力(ごしんりき)(おく)さまに()かされて(うす)らいで()ますので、216(わたし)解脱(げだつ)する(こと)出来(でき)ませず、217(こま)つて()りました。218すると伊太彦(いたひこ)(さま)(ほか)御一同(ごいちどう)竜神(りうじん)毒気(どくき)()たれ、219精霊(せいれい)()()され死人(しにん)同様(どうやう)になられ(こま)つた(こと)だと(おも)つて()ました(ところ)220神力無限(しんりきむげん)貴女様(あなたさま)がお(いで)になりまして言霊(ことたま)()かして(くだ)さつたので、221(むかし)罪障(ざいしやう)(ほど)け、222執着心(しふちやくしん)()れて(いま)(まで)(みぐる)しかつた姿(すがた)()え、223こんな天女(てんによ)となりました。224(しか)しこの(たま)伊太彦(いたひこ)さまにお(さづ)(いた)しますから、225エルサレムに()226(この)(たま)(けん)じお手柄(てがら)をなさつて(くだ)さい。227(わらは)十二人(じふににん)侍女(じぢよ)(とも)(てん)(のぼ)り、228ハルナの(みやこ)言向(ことむ)(やは)しに(かげ)(なが)らお(たす)けを(まをし)ます』
229()ひながら、230夜光(やくわう)(たま)伊太彦(いたひこ)(わた)した。231伊太彦(いたひこ)手足(てあし)(ふる)はせ(なが)()(いただ)き、232叮嚀(ていねい)(ぬの)(もつ)(つつ)(ふところ)()れた。
233初稚(はつわか)竜王殿(りうわうどの)234目出度(めでた)(ござ)います。235(さぞ)神様(かみさま)御満足(ごまんぞく)(あそ)ばす(こと)(ござ)いませう』
236竜王(りうわう)『ハイ、237(かげ)(たす)けて(いただ)きました。238(この)御恩(ごおん)(けつ)して(わす)れは(いた)しませぬ』
239竜王(りうわう)久方(ひさかた)天津国(あまつくに)より天降(あも)りませし
240(ひめ)(みこと)(すく)はれにけり。
241いざさらば天津御国(あまつみくに)にまひのぼり
242(つき)御神(みかみ)(つか)へまつらむ』
243初稚姫(はつわかひめ)(いにしへ)ゆ、(くら)きにかくれたまひたる
244(なれ)(みこと)(すく)ひし(うれ)しさ。
245久方(ひさかた)(つき)御国(みくに)(のぼ)りまさば
246(わが)神業(しんげふ)(つた)へたまはれ』
247竜王(りうわう)有難(ありがた)(この)有様(ありさま)委曲(まつぶさ)
248(まをし)(あげ)なむ(つき)御神(みかみ)に』
249伊太彦(いたひこ)『タクシャカのナーガラシャーを言向(ことむ)けて
250(こころ)(おご)りし(われ)ぞうたてき』
251ブラヷーダ『()(きみ)(いづ)(ちから)(つつ)みたる
252(わらは)(しこ)曲津神(まがつかみ)なりし。
253さりながら(こころ)(あらた)(いま)よりは
254(かみ)大道(おほぢ)(もは)(つか)へむ』
255初稚姫(はつわかひめ)皇神(すめかみ)をまづ第一(だいいち)(あが)めつつ
256伊太彦(いたひこ)(つかさ)をいつくしみませ』
257ブラヷーダ『有難(ありがた)(ひめ)(みこと)御教(みをしへ)
258(むね)(きざ)みて(わす)れざらまし』
259アスマガルダ『伊太彦(いたひこ)やわが(いもうと)(したが)ひて
260(おも)はぬ(めぐみ)()ひにけるかな』
261カークス『もろもろの(かみ)(ためし)()ひながら
262(いま)(うれ)しき(ひかり)()るかな』
263ベース『曲神(まがかみ)にたぶらかされて(おも)はずも
264(みち)(そむ)きし(われ)(かな)しき。
265暗国(やみぐに)(やま)尾上(をのへ)(のぼ)りつめ
266(こころ)()へし()(はづ)かしさよ。
267御恵(みめぐみ)(かぎり)()られぬ皇神(すめかみ)
268(この)罪人(つみびと)(ゆる)したまひぬ』
269初稚姫(はつわかひめ)『いざさらばウバナンダ竜王(りうわう)永久(とこしへ)
270住家(すみか)()てて御国(みくに)()りませ』
271竜王(りうわう)『ありがたし(ひめ)(みこと)御言葉(みことば)
272(あま)(かけ)りつつ神国(みくに)()かむ』
273 かく(たがひ)(うた)()(かは)竜王(りうわう)(わか)れを()げた。274竜王(りうわう)十二人(じふににん)侍女(じぢよ)(とも)275岩窟(がんくつ)より(くも)(おこ)空中(くうちう)()(あが)り、276(たちま)姿(すがた)(けぶり)(ごと)()えて仕舞(しま)つた。277初稚姫(はつわかひめ)岩窟(がんくつ)(ほそ)(あな)(つた)ふて磯端(いそばた)()た。278此処(ここ)平素(へいそ)(なみ)(あら)巨巌(きよがん)屹立(きつりつ)(ふね)(ちか)づく(こと)出来(でき)難所(なんしよ)である。279さうして(そと)()れば(そこ)ひも()れぬ(みづ)(ふか)さに、280(ふね)()場所(ばしよ)もなく、281スーラヤの(みづうみ)大難所(だいなんしよ)(とな)へられ、282船人(ふなびと)(おそ)れて近寄(ちかよ)らなかつた(ところ)である。283初稚姫(はつわかひめ)284スマートの(あと)(したが)285五人(ごにん)(ほそ)(あな)(くぐ)つて()()ると286其処(そこ)には玉国別(たまくにわけ)287治道居士(ちだうこじ)一行(いつかう)(ふね)横付(よこづ)けにして()つて()る。288伊太彦(いたひこ)()()つばかり(よろこ)んで(ふね)()()り、289玉国別(たまくにわけ)獅噛(しが)みつき(うれ)()きに()いて()る。290玉国別(たまくにわけ)(ただ)2901(うれ)(なみだ)(むせ)んで落涙(らくるい)する(ばか)りであつた。291あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
292大正一二・五・二五 旧四・一〇 於教主殿 加藤明子録)
   
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