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第五章 転盗(てんたう)〔一七九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第71巻 山河草木 戌の巻 篇:第1篇 追僧軽迫 よみ(新仮名遣い):ついそうけいはく
章:第5章 転盗 よみ(新仮名遣い):てんとう 通し章番号:1794
口述日:1925(大正14)年11月07日(旧09月21日) 口述場所:祥明館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年2月1日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
バルギーは黄金で姫の歓心を買って名誉を挽回しようと、夜が明けぬうちに、村へ盗賊に出てしまう。
バルギーは村の一軒に暴れこみ、家人を縛って金銭を奪い逃げ出すが、井戸に落ちてつかまってしまう。
バルギーは村の掟に従い、村から追い出されることになった。ダリヤは哀れを催し、ついに自分が、山賊の岩窟から逃げ出すためにバルギーをだましていたことを打ち明ける。
バルギーは村から去っていくが、ダリヤ姫は玉清別の勧めに従い、玄真坊を避けるためにしばらくまた村に滞在することとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-01-11 17:47:43 OBC :rm7105
愛善世界社版:66頁 八幡書店版:第12輯 523頁 修補版: 校定版:68頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
001 玉清別(たまきよわけ)夫婦(ふうふ)(かみ)()002(たま)()(とも)に、003まだ()のあけぬ(うち)から神殿(しんでん)大掃除(おほさうぢ)をなし004山野(やまぬ)供物(くもつ)(けん)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)してゐる。
 
005高天原(たかあまはら)聖場(せいぢやう)元津(もとつ)御祖(みおや)大神(おほかみ)大神言(おほみこと)もちて、006(あま)かけり(くに)かける天使(あまつかひ)八百万(やほよろづ)神集(かむつど)ひに(つど)ひます、007(ひがし)(みやこ)日出(ひいづ)(くに)御名(みな)(たか)き、008いと清々(すがすが)しき小雲(こくも)(かは)(めぐ)らせる(あや)聖地(せいち)八尋殿(やひろどの)009(また)西(にし)(くに)(いた)りては、010パレスチナの(くに)御名(みな)(たか)きエルサレムの(みやこ)011オリブ(やま)(いただ)きに宮柱(みやばしら)(ふと)しく()てて(しづ)まります(いづ)(みづ)との二柱(ふたはしら)(したが)(たま)神使(かむづかひ)012朝夕(あしたゆふべ)(あま)かけり(くに)かけりまし、013ウブスナ(やま)聖場(せいぢやう)には(かむ)素盞嗚(すさのを)(みこと)014常磐(ときは)堅磐(かきは)()あとを()れさせ(たま)ひ、015四方(よも)青人草(あをひとぐさ)()ふも(さら)なり、016草木(くさき)虫族(むしけら)(はし)(いた)(まで)017(めぐ)みの(つゆ)()れさせ(たま)(たふと)(きよ)大御心(おほみこころ)(をろが)(まつ)り、018(あさ)(ゆふ)なに(この)神床(かむどこ)(いづ)御魂(みたま)(いつ)(まつ)りて(つか)へまつる(こと)(よし)を、019いと(たひら)けく(やす)らけく聞召(きこしめ)相諾(あひうづな)(たま)ひて、020バラモンの枉神(まがかみ)退(やら)はれたる三五(あななひ)神柱(かむばしら)玉清別(たまきよわけ)をして、021(ふたた)()(ひかり)となり、022(しほ)となり、023(はな)ともなりて、024天晴(あつぱれ)大御神(おほみかみ)大神業(おほみわざ)(つか)(まつ)らしめ(たま)へ、025(あふ)(ねが)はくばこれの家内(やぬち)をして諸々(もろもろ)枉事(まがごと)026(つみ)(けがれ)あらしめず、027日々(ひび)業務(なりはひ)(いそし)(つと)めて、028ゆるぶ(こと)なく、029(おこた)(こと)なく、030神谷(かみたに)(むら)(かがみ)として常磐(ときは)堅磐(かきは)(のぞ)ませ(たま)へと(かしこ)(かしこ)祈願(こひの)(まつ)らくと(まを)す。031三五(あななひ)大神(おほかみ)(まも)(たま)(さち)はへ(たま)へ、032惟神(かむながら)御魂(みたま)(さちは)へましませ』
 
033祝詞(のりと)(をは)り、034庭園(ていゑん)親子(おやこ)()(にん)()新空気(しんくうき)呼吸(こきふ)すべく逍遥(せうえう)(はじ)めた。
035 バルギーはダリヤ(ひめ)寝息(ねいき)(うかが)ひ、036ソツと裏口(うらぐち)よりかけ(いだ)し、037何処(どこ)かの(いへ)(しの)()み、038沢山(たくさん)黄金(わうごん)をせしめてダリヤ(ひめ)(おどろ)かせ歓心(くわんしん)()はむものと039無謀(むぼう)にも()()して(しま)つた。
040 ダリヤ(ひめ)玉清別(たまきよわけ)祝詞(のりと)(こゑ)にフツと()をさまし、041(あわ)てて手水(てうづ)使(つか)神殿(しんでん)簡単(かんたん)なる祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、042(をは)つて(わが)居間(ゐま)(かへ)り、043クラヴィコードをいぢつてゐると、044其処(そこ)玉清別(たまきよわけ)夫婦(ふうふ)(ふすま)(しづか)()しあけ、045()(きた)り、
046玉清(たまきよ)『ダリヤ(さま)047(はや)御座(ござ)います』
048玉子(たまこ)(あさ)(はや)うから丹精(たんせい)(こと)御座(ござ)いますな、049ほんとうに()手際(てぎは)がよく()えてゐますワ』
050 ダリヤはクラヴィコードを(とこ)(なほ)し、051一二(いちに)(しやく)(あと)しざりし(なが)丁寧(ていねい)両手(りやうて)をつき、
052『これはこれは()主人(しゆじん)(さま)053奥様(おくさま)054(はや)御座(ござ)います。055いかいお世話(せわ)(あづか)りまして(まこと)(まをし)(わけ)御座(ござ)いませぬ』
056玉子(たまこ)(ひめ)さま、057(なに)仰有(おつしや)います、058此処(ここ)(かみ)(さま)(いへ)059世話(せわ)さして(いただ)くのは(かみ)(さま)への()奉公(ほうこう)御座(ござ)います。060()(れい)(まを)されましては(かへつ)(こま)ります、061何卒(どうぞ)()使(つか)はずにユルユル()逗留(とうりう)(くだ)さいませ』
062ダリ『ハイ、063有難(ありがた)御座(ござ)います。064言葉(ことば)(あま)へて、065ユツクリとお世話(せわ)(あづか)つて()りまする』
066玉清(たまきよ)(しか)しダリヤ(さま)067貴女(あなた)のおつれになつたバルギーとか()(かた)は、068何処(どこ)()かれましたか御存(ごぞん)じでせうなア』
069ダリ『ハイ、070夜前(やぜん)071(わらは)のクラヴィコードをお()きになり、072(すぐ)おやすみになつたやうに(おも)つてゐますが』
073玉清(たまきよ)『ハテ、074(ひめ)(さま)御存(ごぞん)じがないのですか、075今朝(けさ)からお姿(すがた)()えないのですよ』
076ダリ『ハ、077左様(さやう)御座(ござ)いますか』
078平然(へいぜん)としてゐる。
079玉清(たまきよ)(ひめ)(さま)080一寸(ちよつと)(うかが)(いた)()いのですが、081あの(をとこ)素性(すじやう)御存(ごぞん)じで御座(ござ)いませうね』
082ダリ『あれはバルギーと(まを)しまして、083タニグク(やま)泥棒(どろばう)岩窟(がんくつ)小頭(こがしら)をやつてゐましたのだが、084(わらは)が、085昨夜(さくや)(まゐ)つた玄真坊(げんしんばう)()妖僧(えうそう)にそそのかされ、086泥棒(どろばう)岩窟(がんくつ)(とらは)れ 087どうかして()()いと(かんが)へ、088悪僧(あくそう)(さけ)()ふたのを(さいは)ひ、089あのバルギーを(いろ)(もつ)てちよろまかし、090うまく虎口(ここう)(のが)れたので御座(ござ)います。091まだ(いへ)にかへる(まで)道程(みちのり)御座(ござ)いますので、092(はら)(わる)(こと)()りながらスガの(さと)にかへる(まで)093(なん)とか(かん)とか(まを)して(おく)らしてやらうかと(かんが)へ、094道連(みちづ)れになつてるので御座(ござ)います。095(じつ)(ところ)096実際(じつさい)(こと)()夫婦(ふうふ)(さま)()()()いと(ぞん)じましたが、097バルギーが(なん)()つても(そば)(はな)れないので(まをし)()げる機会(きくわい)()ずに()りました。098()夫婦(ふうふ)(さま)(わらは)(わる)(をとこ)()れてゐると、099さぞお(さげす)みで御座(ござ)いませうが、100(みぎ)のやうな次第(しだい)御座(ござ)いますから101何卒(どうぞ)(よろ)しくお(ねが)(まを)します』
102玉清(たまきよ)『いかにも、103(わが)()へお(たづ)ねになつた(とき)から(めう)夫婦(ふうふ)だと(おも)つて()ました。104どうして、105まあ、106貴女(あなた)のやうな淑女(しゆくぢよ)泥棒面(どろぼうづら)三品(さんぴん)野郎(やらう)()夫婦(ふうふ)旅行(りよかう)されたのか、107まるつきり……木馬(もくば)(いなな)いて石女(せきぢよ)()()むやうな(はなし)だ……と()つて家内(かない)(ささや)いてゐた(ところ)御座(ござ)います。108ヤアそれ()いて安心(あんしん)(いた)しました。109()のバルギーは、110最早(もはや)此処(ここ)へは(かへ)つて()ますまい、111キツト吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)がお(たく)(まで)(おく)つて()げますから()安心(あんしん)なさいませ』
112ダリ『如何(どう)して(また)113あのバルギーが此処(ここ)(かへ)らないのでせう、114貴方(あなた)(おく)つて(いただ)けばあのやうな危険(きけん)(もの)道連(みちづ)れにならずによいから一安心(ひとあんしん)ですが、115(かれ)(また)(なに)かよからぬ(こと)でも(いた)したので御座(ござ)いますか』
116玉清(たまきよ)『エー、117(かれ)昨夜(ゆうべ)深更(しんかう)に、118村内(そんない)杢兵衛(もくべゑ)(いへ)覆面(ふくめん)頭巾(づきん)(あば)()み、119家族(かぞく)をフン(じば)り、120金銭(きんせん)(のこ)らず(うば)ひとり()()途端(とたん)121門口(かどぐち)深井戸(ふかゐど)()()み、122バサバサと(さわ)いで()つた(ところ)123不寝番(ふしんばん)見付(みつ)()し、124井戸(ゐど)より()()(かれ)引縛(ひきくく)つて、125杢兵衛(もくべゑ)(いへ)に、126つないであるさうで御座(ござ)います。127(いま)(さき)不寝番(ふしんばん)からさう(うつた)へて(まゐ)りました』
128 ダリヤはビツクリし(なが)ら、
129『エー、130(なん)とマア(わる)(やつ)御座(ござ)いますな、131(たちま)天罰(てんばつ)(むく)ふて()(われ)(わが)()深井戸(ふかゐど)陥込(おちこ)んだので御座(ござ)いませう。132(しか)(なが)泥棒(どろばう)とは()へ、133(この)山阪(やまさか)をタニグク(だに)から此処(ここ)(まで)(おく)つて()てくれた(をとこ)134見捨(みす)てておく(わけ)にも()きませぬから、135一目(ひとめ)()はして(くだ)さいませぬか。136(かれ)(まこと)(みち)()()かせてやり()御座(ござ)いますから、137それとも(むら)(きめ)()成敗(せいばい)なさるのなら是非(ぜひ)御座(ござ)いませぬ』
138玉清(たまきよ)(この)(むら)三十三(さんじふさん)()御座(ござ)いまするが、139(いづ)れも三五教(あななひけう)信者(しんじや)で、140人間(にんげん)(さば)くと()(こと)(いた)しませぬ。141(まこと)(みち)()()かせて、142この村外(むらはづ)れまで(おく)追放(つゐはう)する(こと)になつて()ります。143(さいは)(ひめ)(さま)()訓戒(くんかい)(あた)へて(くだ)さる(こと)なら、144(かれ)満足(まんぞく)するでせう。145(しか)らばこれへ()(まゐ)りますから』
146ダリ『ハイ、147邪魔(じやま)(なが)らさう(ねが)へれば結構(けつこう)御座(ござ)いますが』
148玉清(たまきよ)(しか)らばこれから不寝番(ふしんばん)(まをし)()け、149此処(ここ)引張(ひつぱ)つて(まゐ)りませう。150(しばら)くお()(くだ)さい』
151()(なが)足早(あしばや)()でて()く。
152 玉子姫(たまこひめ)(をつと)(あと)(したが)(かる)目礼(もくれい)(ほどこ)(なが)(わが)居間(ゐま)へと(かへ)()く。153あとに(のこ)つたダリヤ(ひめ)悪人(あくにん)とは()(なが)ら、154何処(どこ)ともなしに(あは)れを(もよほ)し、155如何(どう)かして(かれ)(こころ)(あらた)めしめむと、156クラヴィコードを(だん)(なが)(かみ)(いの)つてゐる。
157(あめ)(つち)とのその(なか)
158()きとし()ける(もの)(さは)あれど
159(かみ)(かたち)(つく)られし
160(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)()
161そも人生(じんせい)行路(かうろ)(たづ)ぬれば
162川瀬(かはせ)(みづ)(なが)るる(ごと)
163(あした)(ゆふべ)(かは)()
164()きつ(しづ)みつ()けつ(まろ)びつ(また)()きつ
165人生(じんせい)(なみ)(わた)()
166()きも()しきも(おし)なべて
167(いづ)れも(ひと)(かみ)御子(みこ)
168なすべき(わざ)(さは)あれど
169(ひと)(たから)(かす)めとり
170月日(つきひ)(おく)(ひと)こそは
171(ひと)にして(ひと)(あら)
172(ひと)(かは)()(けもの)ならめ
173バルギーだとて(うま)れついての
174盗人(ぬすびと)には(あら)ざらめ
175浮世(うきよ)(なみ)(おそ)はれて
176()くも(いや)らし盗人(ぬすびと)
177(むれ)()りたる(こと)ならむ
178(ひと)(なさけ)(かれ)()
179(われ)(した)ひて山阪(やまさか)
180此処(ここ)(まで)(おく)(きた)りしは
181(こひ)とは()へど一片(いつぺん)
182誠心(まことごころ)(かがや)きあればこそ
183スガの(みなと)(いた)りなば
184()しき(こころ)(あらた)めて
185真人(まびと)にならむと(ちか)ひたる
186その(した)()()(うち)
187アヽあさましや(ひと)()
188(いへ)(しの)びて黄金(わうごん)
189(ぬす)(こころ)何事(なにごと)ぞや
190(わが)()()ふるその(あま)
191黄金(こがね)(たから)(うば)ひとり
192(わが)歓心(くわんしん)()はむとや
193()もあさましの(こころ)かな
194三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)
195(かれ)(こころ)光明(くわうみやう)
196射照(いて)(とほ)らせ片時(かたとき)
197(はや)真人(まびと)(むれ)()
198()きて(この)()(よう)()
199()しては(かみ)常久(とことは)
200あれます(くに)(のぼ)()
201永久(とは)生命(いのち)(たの)しげに
202(おく)らせ(たま)惟神(かむながら)
203バルギーの()()相代(あひかは)
204ダリヤの(ひめ)真心(まごころ)
205こめて祈願(こひの)(たてまつ)
206あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
207恩頼(みたまのふゆ)()(たま)
208恩頼(みたまのふゆ)()(たま)へ』
209 かかる(ところ)村人(むらびと)(こゑ)ガヤガヤと210バルギーを引立(ひつた)(なが)門口(もんぐち)(おく)つて()た。
211 バルギーは(には)植込(うゑこみ)(なか)(しやが)(なが)212ダリヤ(ひめ)()はす(かほ)なしと、213(かほ)をも()あげず落涙(らくるゐ)してゐる。214ダリヤ(ひめ)庭下駄(にはげた)穿()き、215ツカツカと(その)(そば)により、216扇子(せんす)もて(ふた)()(かれ)(かうべ)(かる)()(なが)ら、217(なみだ)(こゑ)()()げて、
218『これ、219バルギーさま、220(まへ)さまは、221(わらは)改心(かいしん)したと()つた(こと)はスツカリ(うそ)だつたのですね、222(なん)()ふあさましい(こと)をなさいました。223()(なか)()(わざ)沢山(たくさん)あるに、224夜陰(やいん)(まぎ)れて人様(ひとさま)(いへ)(しの)()225悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)にも(ひと)(くく)()(おど)文句(もんく)(なら)()て、226(あせ)(あぶら)(たくは)へた(かね)()らうとは(じつ)男子(だんし)面汚(つらよご)し、227(なん)()悪魔(あくま)貴方(あなた)(みい)つたのでせう。228(わらは)貴方(あなた)のやうな(かた)例令(たとへ)三日(みつか)でも道連(みちづ)れになつたのが残念(ざんねん)御座(ござ)います。229(しか)(わらは)貴方(あなた)にお(ことわ)(まを)さねばならぬ(こと)御座(ござ)います。230三五教(あななひけう)のピユリタンであり(なが)231如何(どう)かしてあの岩窟(いはや)から()(のが)れむと、232(いま)(まで)(こころ)にもない(こと)()つて貴方(あなた)(たばか)つてゐました。233(けつ)して(わたし)貴方(あなた)恋慕(れんぼ)してはゐませぬ。234(はら)(そこ)をたたけば、235いやでいやで(たま)らないのですよ。236(しか)(なが)ら、237スガの(さと)(かへ)るまで貴方(あなた)をうまく利用(りよう)せうと(おも)つた(わたし)(つみ)238幾重(いくへ)にもお(わび)(いた)します。239(まへ)さまが(この)(むら)()赤恥(あかはぢ)をかくのも、240ヤツパリ(わたし)があつたため、241(わたし)(わる)いのです。242どうぞ只今(ただいま)(かぎ)(こころ)(あらた)めて真人間(まにんげん)になつて(くだ)さいませ。243そして(また)スガの(さと)(はう)へでもお()しになりましたら、244どうぞ(わが)()訪問(はうもん)して(くだ)さいや。245(この)(むら)三五教(あななひけう)信者(しんじや)で、246(ひと)のよい(かた)(ばか)りだから貴方(あなた)(つみ)(ゆる)して(くだ)さるさうですから、247サア(はや)くどつかへおいでなさいませ。248(かなら)(かなら)(みち)(わる)(こと)をなすつちやいけませぬよ。249これは(すこ)(ばか)りですが路銀(ろぎん)使(つか)つて(くだ)さい』
250(えり)()ひこんであつた小判(こばん)(いち)(まい)とり()しバルギーの(ふところ)()ぢこみ、251左様(さやう)なら』と()ひつつ、252しやくり()きし(なが)(あた)へられた(わが)居間(ゐま)へと(かへ)()く。253村人(むらびと)はムラムラとバルギーの周囲(しうゐ)をとりまき、254青竹(あをたけ)()つて大地(だいち)(たた)(なが)ら、
255『サア()て、256(かへ)れ』
257(あと)をおつたて、258村外(むらはづ)れをさして(おく)()く。
259 玉清別(たまきよわけ)夫婦(ふうふ)はヤツと(むね)()(おろ)し、260(ふたた)びダリヤ(ひめ)居間(ゐま)()(きた)り、
261玉清(たまきよ)『ダリヤ(さま)262貴女(あなた)見上(みあ)げたお(こころざし)263(そば)()いてゐた吾々(われわれ)二人(ふたり)(こころ)(そこ)から()かされましたよ。264あの()訓戒(くんかい)によつてバルギーも改心(かいしん)するで御座(ござ)いませう』
265ダリ『ハイ(まこと)赤面(せきめん)(いた)りで御座(ござ)います。266バルギーさまが、267あのやうなザマになつたのも、268もとを(ただ)せば(わたし)(わる)いので御座(ござ)います。269(やかた)迷惑(めいわく)()けて相済(あひす)みませぬ。270(あな)でもあればもぐり()()いやうな気分(きぶん)(いた)します』
271玉子(たまこ)(なに)仰有(おつしや)います、272ダリヤ(さま)273貴女(あなた)立場(たちば)としては、274(とき)場合(ばあひ)によつて、275バルギーを(だま)しなさるのも()むを()ませぬ、276何事(なにごと)(みな)(かみ)(さま)のなさる(わざ)御座(ござ)います。277(しか)(なが)天真坊(てんしんばう)()(やつ)278途中(とちう)()()け、279どんな(こと)をするかも()れませぬから、280二三(にさん)(にち)逗留(とうりう)なさつてお(かへ)りなさつたら安全(あんぜん)御座(ござ)いませう。281その(とき)は、282屈強(くつきやう)村人(むらびと)二三(にさん)(にん)つけて(おく)らせますから()安心(あんしん)(くだ)さい』
283ダリ『(なに)から(なに)まで、284世話(せわ)になりまして(まこと)有難(ありがた)御座(ござ)います。285何分(なにぶん)(よろ)しくお(ねが)(まを)します』
286大正一四・一一・七 旧九・二一 於祥明館 北村隆光録)

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