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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
第1章 老の高砂
第2章 時化の湖
第3章 厳の欵乃
第4章 銀杏姫
第5章 蛸船
第6章 夜鷹姫
第7章 鰹の網引
第2篇 杢迂拙婦
第8章 街宣
第9章 欠恋坊
第10章 清の歌
第11章 問答所
第12章 懺悔の生活
第13章 捨台演
第14章 新宅入
第15章 災会
第16章 東西奔走
第3篇 転化退閉
第17章 六樫問答
第18章 法城渡
第19章 旧場皈
第20章 九官鳥
第21章 大会合
第22章 妖魅帰
筑紫潟
余白歌
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第72巻(亥の巻)
> 第1篇 水波洋妖 > 第7章 鰹の網引
<<< 夜鷹姫
(B)
(N)
街宣 >>>
第七章
鰹
(
かつを
)
の
網引
(
あみひき
)
〔一八一六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
第1篇 水波洋妖
よみ(新仮名遣い):
すいはようよう
章:
第7章 鰹の網引
よみ(新仮名遣い):
かつおのあみひき
通し章番号:
1816
口述日:
1926(大正15)年06月29日(旧05月20日)
口述場所:
天之橋立なかや別館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常磐丸の船中では、玄真坊、コブライ、コオロのけんかも済み、船中では皆がそれぞれ歌を歌っている。
幻真坊は船頭の歌う、恵比須祭の欸乃(ふなうた)を聞いて、自分も改心のふなうたを面白く歌う。
ようやく常磐丸はスガの港に到着する。宣伝使一行は、浜で漁師たちが引き網漁をしているのを見物する。
照公別は、漁師たちが魚を一網打尽にするように信者を集めるには、人の集まる公会堂、劇場、学校などで宣伝をしたらどうか、と提案するが、照国別は、「神の道の宣伝は一人対一人が相応の理に適っている」と諭す。
照公別は師に、これまで何人の信者を導いたのですか、と質問するが、照国別は、まだ一人もいない、と答える。つまり、照公別もまだ、「信者」の数には入っていないと、逆に諭されてしまう。
また、玄真坊の方が、照公別よりも信仰が進んでいると説く。
大なる悪事をしたものは、悔い改める心もまた深く、真剣身がある。そこに身魂相応の理が働き、たちまち地獄は天国となる。
一方、悪いことはしないが良いこともしない、という人間は逆に、自分は善人だからと慢心が働き、知らず知らずに魂が堕落して地獄に向かってしまう。
それというのも、人間は天地経綸の主宰者として神様の代理を現界で務めるために生まれてきたのである。
だから、たとえ悪事をしなくとも、自分が生まれてきたそもそもの理由であるその職責を果たせなければ、身魂の故郷である天国には帰りようがないのである。
照公別は師の戒めに心を立て直す歌を歌う。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7207
愛善世界社版:
80頁
八幡書店版:
第12輯 635頁
修補版:
校定版:
83頁
普及版:
33頁
初版:
ページ備考:
001
常磐丸
(
ときはまる
)
の
船中
(
せんちう
)
に
於
(
お
)
ける
玄真坊
(
げんしんばう
)
、
002
コブライ、
003
コオロの
直接
(
ちよくせつ
)
行動
(
かうどう
)
的
(
てき
)
争
(
あらそ
)
ひも
無事
(
ぶじ
)
に
済
(
す
)
んで
004
船端
(
ふなばた
)
に
皷
(
つづみ
)
の
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
たせ
乍
(
なが
)
ら
水上
(
すいじやう
)
静
(
しづ
)
かに
辷
(
すべ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
005
船中
(
せんちう
)
の
無聊
(
むれう
)
を
慰
(
なぐさ
)
むるため
006
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
面白
(
おもしろ
)
き
国
(
くに
)
の
俗謡
(
ぞくえう
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
007
中
(
なか
)
にも
最
(
もつと
)
も
著
(
いちじる
)
しきは
恵比須
(
えびす
)
祭
(
まつり
)
の
欵乃
(
ふなうた
)
である。
008
船頭
(
せんどう
)
は
舷頭
(
げんとう
)
に
立
(
た
)
ち
乍
(
なが
)
ら
海
(
うみ
)
に
馴
(
な
)
れたる
爽
(
さはや
)
かな
声
(
こゑ
)
で
009
節
(
ふし
)
面白
(
おもしろ
)
く
唄
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
010
『
正
(
しやう
)
月
(
ぐわつ
)
のー
朔日
(
ついたち
)
二日
(
ふつか
)
の
初夢
(
はつゆめ
)
に
011
如月山
(
きさらぎやま
)
の
楠
(
くす
)
の
木
(
き
)
を
012
舟
(
ふね
)
に
造
(
つく
)
り
今
(
いま
)
おろす
013
白銀柱
(
しろがねばしら
)
押
(
お
)
し
立
(
た
)
てて
014
黄金
(
こがね
)
の
富
(
とみ
)
を
積
(
つ
)
ませつつ
015
綾
(
あや
)
や
錦
(
にしき
)
を
帆
(
ほ
)
にかけて
016
宝
(
たから
)
の
島
(
しま
)
へと
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
んで
017
数多
(
あまた
)
の
宝
(
たから
)
を
積
(
つ
)
み
込
(
こ
)
んで
018
追手
(
おつて
)
の
風
(
かぜ
)
に
任
(
まか
)
せつつ
019
思
(
おも
)
ふ
港
(
みなと
)
へ
馳
(
は
)
せ
込
(
こ
)
んで
020
これのお
倉
(
くら
)
に
納
(
をさ
)
めおく
021
ヨーン、デー、ヤール
022
神
(
かみ
)
の
昔
(
むかし
)
の
二柱
(
ふたはしら
)
023
金輪際
(
こんりんざい
)
より
揺
(
ゆる
)
ぎ
出
(
い
)
でたる
此
(
この
)
島
(
しま
)
を
024
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
と
云
(
い
)
ふとかや
025
山
(
やま
)
には
常磐
(
ときは
)
のいーろいろ
026
黄金
(
こがね
)
白銀
(
しろがね
)
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
いて
027
お
山
(
やま
)
おろしが
吹
(
ふ
)
くとても
028
散
(
ち
)
らぬ
盛
(
さか
)
りに
国々
(
くにぐに
)
は
029
浦々
(
うらうら
)
迄
(
まで
)
も
豊
(
ゆた
)
かにて
030
五穀
(
ごこく
)
草木
(
さうもく
)
不足
(
ふそく
)
なく
031
七珍
(
しつちん
)
万宝
(
まんぱう
)
倉
(
くら
)
に
満
(
み
)
ち
032
とざさぬ
御代
(
みよ
)
の
恵
(
めぐ
)
みより
033
長命
(
ちやうめい
)
無病
(
むびやう
)
と
聞
(
き
)
くからは
034
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
より
船寄
(
ふなよ
)
する
035
綾
(
あや
)
や
錦
(
にしき
)
の
下着
(
したぎ
)
より
036
縞
(
しま
)
に
木綿
(
もめん
)
の
紅
(
べに
)
までも
037
唐
(
から
)
に
大和
(
やまと
)
を
取
(
と
)
りまぜて
038
商
(
あきな
)
ふ
店
(
みせ
)
の
賑
(
にぎ
)
やかさ
039
猟
(
れふ
)
、
漁
(
すなど
)
りの
里々
(
さとざと
)
は
040
山
(
やま
)
に
雉
(
きじ
)
鴨
(
かも
)
鶴
(
つる
)
もある
041
裏
(
うら
)
の
港
(
みなと
)
の
磯
(
いそ
)
つづき
042
あけて
恵比須
(
えびす
)
の
浪塩
(
なみしほ
)
は
043
ヤンサ、
目出度
(
めでた
)
やお
鉢水
(
はちみづ
)
044
ヨーン、デー、ヤール』
045
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
此
(
この
)
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いて
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
046
自分
(
じぶん
)
も
一
(
ひと
)
つ
負
(
ま
)
けぬ
気
(
き
)
になり、
047
貧弱
(
ひんじやく
)
な
頭
(
あたま
)
から、
048
こぼれ
出
(
だ
)
した
欵乃
(
ふなうた
)
は
一寸
(
ちよつと
)
変
(
へん
)
ちきちん
なものである。
049
玄真坊
(
げんしんばう
)
『
春
(
はる
)
の
海面
(
かいめん
)
よく
光
(
ひか
)
る
050
大島
(
おほしま
)
小島
(
こじま
)
数々
(
かずかず
)
と
051
碁石
(
ごいし
)
のやうに
並
(
なら
)
ぶ
中
(
なか
)
052
海賊船
(
かいぞくせん
)
が
右左
(
みぎひだり
)
053
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
と
横行
(
わうかう
)
し
054
宝
(
たから
)
を
積
(
つ
)
んだ
船
(
ふね
)
見
(
み
)
れば
055
一目散
(
いちもくさん
)
にやつて
来
(
き
)
て
056
否応
(
いやおう
)
云
(
い
)
はさずぼつたくり
057
ゴテゴテ
言
(
い
)
へば
命
(
いのち
)
まで
058
貰
(
もら
)
つて
帰
(
かへ
)
る
凄
(
すご
)
い
船
(
ふね
)
059
こんな
手合
(
てあひ
)
に
出会
(
であ
)
つたら
060
ヨーン、デー、ヤール
061
金鎚
(
かなづち
)
さまの
川流
(
かはなが
)
れ
062
一生
(
いつしやう
)
頭
(
あたま
)
が
上
(
あが
)
るまい
063
俺
(
おれ
)
も
昔
(
むかし
)
は
山賊
(
さんぞく
)
の
064
大頭目
(
だいとうもく
)
と
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んで
065
オーラの
山
(
やま
)
に
天降
(
あまくだ
)
り
066
杉
(
すぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
をからくりに
067
数多
(
あまた
)
の
火影
(
ほかげ
)
を
輝
(
かがや
)
かし
068
天
(
てん
)
から
星
(
ほし
)
が
下
(
くだ
)
りまし
069
天帝
(
てんてい
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
救世主
(
きうせいしゆ
)
070
玄真
(
げんしん
)
如来
(
によらい
)
の
説法
(
せつぱふ
)
を
071
聴聞
(
ちやうもん
)
なさると
触
(
ふ
)
れ
込
(
こ
)
ませ
072
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
の
村々
(
むらむら
)
ゆ
073
善男
(
ぜんなん
)
善女
(
ぜんによ
)
を
誑
(
たぶら
)
かし
074
もう
一息
(
ひといき
)
と
云
(
い
)
ふ
処
(
とこ
)
へ
075
三五教
(
あななひけう
)
の
梅公別
(
うめこうわけ
)
076
女房
(
にようばう
)
をつれて
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
り
077
二人
(
ふたり
)
の
女
(
をんな
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
078
蛸
(
たこ
)
の
揚
(
あ
)
げ
壺
(
つぼ
)
喰
(
く
)
はされた
079
実
(
げ
)
にも
甲斐
(
かひ
)
なき
蛸坊主
(
たこばうず
)
080
今
(
いま
)
から
思
(
おも
)
へば
恐
(
おそ
)
ろしや
081
ヨウマア
天地
(
てんち
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
082
この
悪僧
(
あくそう
)
をいつ
迄
(
まで
)
も
083
生
(
い
)
かしておいて
下
(
くだ
)
さつたと
084
思
(
おも
)
へば
冥加
(
めうが
)
がつきるやうだ
085
ヨーン、デー、ヤール
086
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
とさまよひつ
087
よからぬ
事
(
こと
)
のみ
企
(
たくら
)
みて
088
三百
(
さんびやく
)
人
(
にん
)
の
不良
(
ふりやう
)
分子
(
ぶんし
)
089
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
に
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて
090
自分
(
じぶん
)
は
一人
(
ひとり
)
タニグクの
091
山
(
やま
)
の
岩窟
(
いはや
)
にダリヤ
姫
(
ひめ
)
092
せしめんものと
連
(
つ
)
れ
込
(
こ
)
めば
093
藻脱
(
もぬ
)
けの
殻
(
から
)
の
馬鹿
(
ばか
)
らしさ
094
それから
愈
(
いよいよ
)
やけ
となり
095
神谷村
(
かみたにむら
)
の
里庄
(
りしやう
)
なる
096
玉清別
(
たまきよわけ
)
の
館
(
やかた
)
にと
097
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
みたるダリヤをば
098
奪
(
うば
)
ひ
返
(
かへ
)
して
吾
(
わが
)
妻
(
つま
)
に
099
無理
(
むり
)
往生
(
わうじやう
)
にせむものと
100
思
(
おも
)
ふた
事
(
こと
)
も
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
101
まだまだ
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
許
(
ばか
)
り
102
やつて
来
(
き
)
た
事
(
こと
)
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しや
103
全身
(
ぜんしん
)
隈
(
くま
)
なく
冷汗
(
ひやあせ
)
が
104
夕立
(
ゆふだち
)
の
如
(
ごと
)
くに
湧
(
わ
)
いて
来
(
く
)
る
105
ヨーン、デー、ヤール
106
今
(
いま
)
乗
(
の
)
る
船
(
ふね
)
は
常磐丸
(
ときはまる
)
107
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
108
御用
(
ごよう
)
を
遊
(
あそ
)
ばす
宣伝使
(
せんでんし
)
109
照国別
(
てるくにわけ
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
110
危
(
あやふ
)
き
所
(
ところ
)
を
助
(
たす
)
けられ
111
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
から
立直
(
たてなほ
)
し
112
お
伴
(
とも
)
に
仕
(
つか
)
へ
侍
(
はべ
)
り
行
(
ゆ
)
く
113
ヨーン、デー、ヤール
114
サア
之
(
これ
)
からは
之
(
これ
)
からは
115
心
(
こころ
)
の
基礎
(
どだい
)
をつき
直
(
なほ
)
し
116
神
(
かみ
)
に
刃向
(
はむ
)
かふ
仇
(
あだ
)
あれば
117
鬼
(
おに
)
でも
蛇
(
じや
)
でも
構
(
かま
)
はない
118
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
119
今
(
いま
)
まで
悪
(
あく
)
を
尽
(
つく
)
したる
120
その
補
(
おぎな
)
ひをせにやならぬ
121
あゝ
面白
(
おもしろ
)
や
面白
(
おもしろ
)
や
122
面白狸
(
おもしろだぬき
)
の
腹皷
(
はらつづみ
)
123
打
(
う
)
つ
波
(
なみ
)
の
上
(
へ
)
をスクスクと
124
狸坊主
(
たぬきばうず
)
の
蛸坊主
(
たこばうず
)
125
人
(
ひと
)
が
笑
(
わら
)
はうが
謗
(
そし
)
らうが
126
そんな
事
(
こと
)
には
構
(
かま
)
はない
127
これから
世間
(
せけん
)
に
恥
(
はぢ
)
さらし
128
自分
(
じぶん
)
の
罪
(
つみ
)
の
償
(
つぐな
)
ひを
129
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
にせにやならぬ
130
玄真坊
(
げんしんばう
)
も
之
(
これ
)
からは
131
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
132
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
僕
(
しもべ
)
とし
133
一生
(
いつしやう
)
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
りませう
134
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
や
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
135
美人
(
びじん
)
の
事
(
こと
)
は
思
(
おも
)
ひきり
136
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
137
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
伝
(
つた
)
へませう
138
ヨーン、デー、ヤール
139
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
140
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
共
(
とも
)
にあり
141
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
142
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
此
(
この
)
体
(
からだ
)
143
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
も
何
(
なに
)
かあらむ
144
上下
(
かみしも
)
揃
(
そろ
)
うて
世
(
よ
)
を
円
(
まる
)
く
145
治
(
をさむ
)
る
時
(
とき
)
をまつの
世
(
よ
)
の
146
弥勒
(
みろく
)
菩薩
(
ぼさつ
)
の
再来
(
さいらい
)
と
147
仕
(
つか
)
へまつらむ
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
148
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
149
御前
(
みまへ
)
に
誓
(
ちか
)
ひ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
150
御前
(
みまへ
)
に
誓
(
ちか
)
ひ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
151
ヨーン、デー、ヤール』
152
常磐丸
(
ときはまる
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
翌日
(
あくるひ
)
の
真昼
(
まひる
)
頃
(
ごろ
)
スガの
港
(
みなと
)
に
安着
(
あんちやく
)
した。
153
この
港
(
みなと
)
には
鰹
(
かつを
)
の
漁
(
れふ
)
が
盛
(
さかん
)
にある。
154
丁度
(
ちやうど
)
常磐丸
(
ときはまる
)
の
着
(
つ
)
いた
頃
(
ころ
)
、
155
網引
(
あみひ
)
きが
初
(
はじ
)
まつて
居
(
ゐ
)
た。
156
一行
(
いつかう
)
は
旅
(
たび
)
の
憂
(
う
)
さを
慰
(
なぐさ
)
むるため
漁師
(
れふし
)
に
頼
(
たの
)
んで
引網
(
ひきあみ
)
の
中
(
なか
)
に
加
(
くは
)
はり、
157
ともに
面白
(
おもしろ
)
可笑
(
をかし
)
く
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
ふこととなつた。
158
幾艘
(
いくさう
)
の
船
(
ふね
)
は
網
(
あみ
)
の
周囲
(
まはり
)
に
集
(
たか
)
つて
音頭
(
おんどう
)
をとり
乍
(
なが
)
ら
陸上
(
りくじやう
)
に
向
(
むか
)
つて
網
(
あみ
)
を
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げる。
159
親船
(
おやぶね
)
が
先
(
ま
)
づ
歌
(
うた
)
の
節々
(
ふしぶし
)
の
初
(
はじ
)
めを
謡
(
うた
)
うと
160
他
(
た
)
の
船
(
ふね
)
の
漁師
(
れふし
)
達
(
たち
)
は
之
(
これ
)
に
和
(
わ
)
して
後
(
あと
)
をつぎ、
161
以
(
もつ
)
て
力
(
ちから
)
の
緩急
(
くわんきふ
)
を
等
(
ひと
)
しくする、
162
その
調子
(
てうし
)
は
丁度
(
ちやうど
)
木遣節
(
きやりぶし
)
のやうである。
163
『せめて
此
(
この
)
子
(
こ
)
が
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
なら
164
櫂
(
かい
)
を
持
(
も
)
たせて
165
ホラ、ホーオ、サツサア ヤツチンエエ
166
イヤンホ、サツサー ヤツチンエエ。
167
スガは
照
(
て
)
る
照
(
て
)
る
太魔
(
たま
)
の
島
(
しま
)
曇
(
くも
)
る
168
あいの
高山
(
たかやま
)
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
る。
169
大高
(
おほたか
)
お
岩
(
いは
)
は
二
(
ふた
)
つに
割
(
わ
)
れて
170
割
(
わ
)
れて
世
(
よ
)
がよいヨヤハアサツサ。
171
引
(
ひ
)
けよ
若衆
(
わかしう
)
、きれいな
加勢
(
かがせ
)
172
十二
(
じふに
)
船魂
(
ふなだま
)
勇
(
いさ
)
ませて。
173
旦那
(
だんな
)
大黒
(
だいこく
)
内儀
(
かみ
)
さま
恵比須
(
えびす
)
174
中
(
なか
)
の
小供
(
こども
)
がお
船魂
(
ふねだま
)
。
175
船
(
ふね
)
の
艫艪
(
ともろ
)
へ
鶯
(
うぐひす
)
とめて
176
明日
(
あす
)
は
大漁
(
たいれふ
)
と
泣
(
な
)
かせ
度
(
た
)
い。
177
船
(
ふね
)
は
新造
(
しんざう
)
でも
艪
(
ろ
)
は
新木
(
あらき
)
でも
178
船頭
(
せんどう
)
さまが
無
(
な
)
けれや
走
(
はし
)
りやせぬ。
179
ホラ、ホーオ、サツサ ヤツチンエエサツサ
180
ヤツチンエエ ヨイヤハアサツサ』
181
照国別
(
てるくにわけ
)
『これ
照公
(
てるこう
)
さま、
182
何
(
なん
)
と
面白
(
おもしろ
)
い
網引
(
あみひき
)
ぢやないか、
183
沢山
(
たくさん
)
の
船頭衆
(
せんどうしう
)
が
黒
(
くろ
)
いお
尻
(
しり
)
を
出
(
だ
)
し、
184
真裸
(
まつぱだか
)
の
真跣
(
まつぱだし
)
で
黒
(
くろ
)
い
鉢巻
(
はちまき
)
を
横
(
よこ
)
ンチヨに
絞
(
し
)
めて
185
大
(
おほ
)
きな
網
(
あみ
)
を
海上
(
かいじやう
)
一面
(
いちめん
)
に
張
(
は
)
り
廻
(
まは
)
し、
186
言霊
(
ことたま
)
を
一斉
(
いつせい
)
に
揃
(
そろ
)
へて
鰹
(
かつを
)
を
上
(
あ
)
げる
処
(
ところ
)
は
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へぬ
壮観
(
さうくわん
)
の
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれるぢやないか』
187
照公別
(
てるこうわけ
)
『
如何
(
いか
)
にも
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
仰
(
おほ
)
せの
通
(
とほ
)
り、
188
壮絶
(
さうぜつ
)
快絶
(
くわいぜつ
)
の
極
(
きはみ
)
ですな。
189
吾々
(
われわれ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
も、
190
あの
引網
(
ひきあみ
)
に
倣
(
なら
)
つて
一遍
(
いつぺん
)
に
少
(
すくな
)
くとも
数万
(
すうまん
)
人
(
にん
)
の
信者
(
しんじや
)
を
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せ、
191
うまく
宣伝
(
せんでん
)
をやつたら
面白
(
おもしろ
)
いでせうな。
192
どうです
先生
(
せんせい
)
、
193
これからスガの
町
(
まち
)
へ
行
(
い
)
つたら、
194
大
(
だい
)
公会堂
(
こうくわいだう
)
でも
借
(
か
)
り
込
(
こ
)
んで
195
数万
(
すうまん
)
の
町民
(
ちやうみん
)
に
一度
(
いちど
)
に
聴
(
き
)
かせてやつたら、
196
大神
(
おほかみ
)
の
神徳
(
しんとく
)
に
浴
(
よく
)
する
信者
(
しんじや
)
が
沢山
(
たくさん
)
に
出来
(
でき
)
るかも
知
(
し
)
れませぬ。
197
労
(
らう
)
少
(
すくな
)
くして
効
(
かう
)
多
(
おほ
)
き、
198
最
(
もつと
)
も
文明
(
ぶんめい
)
式
(
しき
)
の
方法
(
やりかた
)
ぢやありますまいか』
199
照国
(
てるくに
)
『イヤイヤさうではないよ、
200
公会堂
(
こうくわいだう
)
なんかは
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
の
宣伝
(
せんでん
)
には
絶対
(
ぜつたい
)
に
適
(
てき
)
しない。
201
公会堂
(
こうくわいだう
)
は
政治家
(
せいぢか
)
や
主義者
(
しゆぎしや
)
の
私淑
(
ししゆく
)
する
処
(
ところ
)
だ、
202
そんな
処
(
ところ
)
で
神聖
(
しんせい
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
教
(
をしへ
)
をした
処
(
ところ
)
で、
203
身魂
(
みたま
)
に
相応
(
さうおう
)
しないから、
204
労
(
らう
)
多
(
おほ
)
くして
功
(
かう
)
無
(
な
)
しだ』
205
照公
(
てるこう
)
『そんなら
先生
(
せんせい
)
、
206
劇場
(
げきぢやう
)
は
如何
(
どう
)
でせうか』
207
照国
(
てるくに
)
『
尚々
(
なほなほ
)
不可
(
いか
)
ない、
208
劇場
(
げきぢやう
)
は
遊覧客
(
いうらんきやく
)
の
集
(
あつ
)
まる
処
(
ところ
)
だ。
209
歌舞伎
(
かぶき
)
や
浄瑠璃
(
じやうるり
)
や
浪花節
(
なにはぶし
)
、
210
手品師
(
てじなし
)
、
211
活動
(
くわつどう
)
写真
(
しやしん
)
等
(
とう
)
やる
処
(
ところ
)
で、
212
仮令
(
たとへ
)
聴衆
(
ちやうしう
)
が
幾何
(
いくら
)
やつて
来
(
き
)
ても、
213
遊山
(
いうさん
)
気分
(
きぶん
)
で
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るからチツとも
耳
(
みみ
)
へ
這入
(
はい
)
らない。
214
却
(
かへ
)
つて
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
を
傷
(
きず
)
つけるやうなものだ』
215
照公
(
てるこう
)
『
成程
(
なるほど
)
、
216
さう
聞
(
き
)
けば
仕方
(
しかた
)
がありませぬな、
217
そんなら
学校
(
がくかう
)
の
講堂
(
かうだう
)
は
如何
(
どう
)
でせうか』
218
照国
(
てるくに
)
『
学校
(
がくかう
)
の
講堂
(
かうだう
)
は
学問
(
がくもん
)
の
研究
(
けんきう
)
をする
処
(
ところ
)
だ、
219
深遠
(
しんゑん
)
微妙
(
びめう
)
な
形而
(
けいじ
)
上
(
じやう
)
の
真理
(
しんり
)
や
信仰
(
しんかう
)
は、
220
到底
(
たうてい
)
学校
(
がくかう
)
の
講堂
(
かうだう
)
で
話
(
はな
)
した
処
(
ところ
)
で
駄目
(
だめ
)
だ。
221
何人
(
いづれ
)
も
研究心
(
けんきうしん
)
を
基礎
(
きそ
)
として
聞
(
き
)
くから、
222
何人
(
いづれ
)
も
真
(
しん
)
の
信仰
(
しんかう
)
には
入
(
い
)
れないよ。
223
青年
(
せいねん
)
会館
(
くわいくわん
)
だの
倶楽部
(
くらぶ
)
だの
公会堂
(
こうくわいだう
)
だの、
224
民衆
(
みんしう
)
の
集
(
あつ
)
まる
処
(
ところ
)
は
凡
(
すべ
)
て
駄目
(
だめ
)
だ。
225
夜足
(
よあし
)
で
捕
(
と
)
つた
魚
(
うを
)
や
網
(
あみ
)
で
捕
(
と
)
つた
魚
(
うを
)
は、
226
同
(
おな
)
じ
魚
(
うを
)
でも
味
(
あぢ
)
が
悪
(
わる
)
い。
227
一匹
(
いつぴき
)
々々
(
いつぴき
)
釣
(
はり
)
の
先
(
さき
)
に
餌
(
えさ
)
つけて
釣
(
つ
)
り
上
(
あ
)
げた
魚
(
うを
)
は
味
(
あぢ
)
が
良
(
よ
)
い
如
(
ごと
)
く、
228
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
の
宣伝
(
せんでん
)
は
一人
(
ひとり
)
対
(
たい
)
一人
(
ひとり
)
が
相応
(
さうおう
)
の
理
(
り
)
に
適
(
かな
)
うとるのだ。
229
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないなら
五六
(
ごろく
)
人
(
にん
)
は
仕方
(
しかた
)
がないとしても、
230
それが
却
(
かへ
)
つて
駄目
(
だめ
)
になる』
231
照公
(
てるこう
)
『
成程
(
なるほど
)
232
さうすると
仲々
(
なかなか
)
宣伝
(
せんでん
)
と
云
(
い
)
ふものは、
233
容易
(
ようい
)
に
拡
(
ひろ
)
まらないものですな』
234
照国
(
てるくに
)
『
一人
(
ひとり
)
の
誠
(
まこと
)
の
信者
(
しんじや
)
を
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
に
引
(
ひ
)
き
入
(
い
)
れた
者
(
もの
)
は
235
神界
(
しんかい
)
に
於
(
おい
)
てはヒマラヤ
山
(
さん
)
を
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
遠方
(
ゑんぱう
)
へ
一人
(
ひとり
)
して
運
(
はこ
)
んで
行
(
い
)
つたよりも、
236
功名
(
こうみやう
)
として
褒
(
ほ
)
めらるるのだからなア』
237
照公
(
てるこう
)
『さうすると
先生
(
せんせい
)
は
入信
(
にふしん
)
以来
(
いらい
)
、
238
どれ
位
(
くらゐ
)
誠
(
まこと
)
の
信者
(
しんじや
)
をお
導
(
みちび
)
きになりましたか』
239
照国
(
てるくに
)
『
残念
(
ざんねん
)
乍
(
なが
)
ら、
240
未
(
ま
)
だ
一人
(
ひとり
)
も
誠
(
まこと
)
の
信者
(
しんじや
)
を、
241
ようこしらへてゐないのだ』
242
照公
(
てるこう
)
『ヘーエ、
243
さうすると、
244
梅公別
(
うめこうわけ
)
や
吾々
(
われわれ
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
の
試補
(
しほ
)
となつて
廻
(
まは
)
つてゐますが、
245
まだ
信者
(
しんじや
)
の
数
(
かず
)
には
入
(
い
)
つては
居
(
ゐ
)
ないのですか』
246
照国
(
てるくに
)
『マアそんなものだな』
247
照公
(
てるこう
)
『
何
(
なん
)
と
心細
(
こころぼそ
)
いものぢやありませぬか』
248
照国
(
てるくに
)
『さうだから
心細
(
こころぼそ
)
いと
何時
(
いつ
)
も
言
(
い
)
ふのだ』
249
照公
(
てるこう
)
『
此
(
この
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
さまはさうすると、
250
未
(
ま
)
だ
信者
(
しんじや
)
の
門口
(
かどぐち
)
にも
行
(
ゆ
)
かないのでせうね』
251
照国
(
てるくに
)
『ヤア
此
(
この
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
殿
(
どの
)
は
随分
(
ずいぶん
)
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
も
行
(
や
)
つて
来
(
き
)
たが、
252
お
前
(
まへ
)
に
比
(
くら
)
べては
余程
(
よほど
)
信仰
(
しんかう
)
が
進
(
すす
)
んで
居
(
ゐ
)
るよ、
253
已
(
すで
)
に
天国
(
てんごく
)
へ
一歩
(
いつぽ
)
を
踏入
(
ふみい
)
れて
居
(
ゐ
)
る』
254
照公
(
てるこう
)
『それや
又
(
また
)
どうした
訳
(
わけ
)
ですか。
255
吾々
(
われわれ
)
は
未
(
ま
)
だ
一度
(
いちど
)
も
大
(
たい
)
した
嘘
(
うそ
)
もつかず、
256
泥棒
(
どろばう
)
もせず、
2561
嬶
(
かか
)
舎弟
(
しやてい
)
もやらず、
257
正直
(
しやうぢき
)
一途
(
いちづ
)
に
神
(
かみ
)
のお
道
(
みち
)
を
歩
(
あゆ
)
んで
来
(
き
)
たぢやありませぬか。
258
それに
何
(
なん
)
ぞや
大山子
(
おほやまこ
)
の
張本
(
ちやうほん
)
、
259
勿体
(
もつたい
)
なくも
天帝
(
てんてい
)
の
御名
(
みな
)
を
騙
(
かた
)
る
曲神
(
まがかみ
)
の
権化
(
ごんげ
)
とも
云
(
い
)
ふべき
行為
(
かうゐ
)
を
敢
(
あへ
)
てした
玄真坊
(
げんしんばう
)
殿
(
どの
)
が
天国
(
てんごく
)
に
足
(
あし
)
を
踏込
(
ふみこ
)
むとは
260
一向
(
いつかう
)
に
合点
(
がてん
)
が
行
(
ゆ
)
きませぬ』
261
照国
(
てるくに
)
『
大
(
だい
)
なる
悪事
(
あくじ
)
を
為
(
な
)
したる
者
(
もの
)
は
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
むる
心
(
こころ
)
も
亦
(
また
)
深
(
ふか
)
い。
262
真剣味
(
しんけんみ
)
がある。
263
それ
故
(
ゆゑ
)
身魂
(
みたま
)
相応
(
さうおう
)
の
理
(
り
)
によつて
264
直
(
ただち
)
に
掌
(
てのひら
)
をかへす
如
(
ごと
)
く
地獄
(
ぢごく
)
は
化
(
くわ
)
して
天国
(
てんごく
)
となるのだ。
265
沈香
(
ちんかう
)
も
焚
(
た
)
かず
庇
(
へ
)
も
放
(
ひ
)
らずと
云
(
い
)
ふ
人間
(
にんげん
)
に
限
(
かぎ
)
つて、
266
自分
(
じぶん
)
は
善人
(
ぜんにん
)
だ、
267
決
(
けつ
)
して
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
はせないから
天国
(
てんごく
)
に
上
(
のぼ
)
れるだらう
等
(
など
)
と
慢心
(
まんしん
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
268
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
魂
(
みたま
)
が
堕落
(
だらく
)
して
地獄
(
ぢごく
)
に
向
(
むか
)
ふものだ。
269
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
をせないのは
人間
(
にんげん
)
として
当然
(
たうぜん
)
の
所業
(
しよげふ
)
だ。
270
人間
(
にんげん
)
は
凡
(
すべ
)
て
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
主宰者
(
しゆさいしや
)
だから
271
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
た
以上
(
いじやう
)
は、
272
何
(
なん
)
なりと
天地
(
てんち
)
の
為
(
ため
)
に
神
(
かみ
)
に
代
(
かは
)
る
丈
(
だ
)
けの
御用
(
ごよう
)
を
勤
(
つと
)
め
上
(
あ
)
げねばならない
責任
(
せきにん
)
をもつてゐるのだ。
273
その
責任
(
せきにん
)
を
果
(
はた
)
す
事
(
こと
)
の
出来
(
でき
)
ない
人間
(
にんげん
)
は、
274
仮令
(
たとへ
)
悪事
(
あくじ
)
をせなくとも、
275
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
として
地上
(
ちじやう
)
に
産
(
う
)
みおとされた
職責
(
しよくせき
)
が
果
(
はた
)
されて
居
(
ゐ
)
ない。
276
それだから、
2761
身魂
(
みたま
)
の
故郷
(
ふるさと
)
たる
天国
(
てんごく
)
に
帰
(
かへ
)
ることが
出来
(
でき
)
ないのだ』
277
照公
(
てるこう
)
『
天国
(
てんごく
)
に
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
在
(
あ
)
りと
思
(
おも
)
ひしに
278
地獄
(
ぢごく
)
に
向
(
むか
)
へる
事
(
こと
)
の
歎
(
うた
)
てさ。
279
今
(
いま
)
よりは
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
280
神
(
かみ
)
の
任
(
よ
)
さしの
神業
(
みわざ
)
励
(
はげ
)
まむ』
281
玄真
(
げんしん
)
『
身
(
み
)
は
仮令
(
たとへ
)
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
に
沈
(
しづ
)
むとも
282
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みは
忘
(
わす
)
れざるらむ』
283
照国
(
てるくに
)
『
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みは
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
284
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らぬ
処
(
ところ
)
にひそむ。
285
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
照
(
て
)
り
明
(
あか
)
さむと
宣伝使
(
せんでんし
)
286
よさし
玉
(
たま
)
ひぬ
瑞
(
みづ
)
の
大神
(
おほかみ
)
』
287
(
大正一五・六・二九
旧五・二〇
於天之橋立なかや別館
北村隆光
録)
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(B)
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