霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第二一章 大会合(だいくわいがふ)〔一八三〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:第3篇 転化退閉 よみ(新仮名遣い):てんかたいへい
章:第21章 大会合 よみ(新仮名遣い):だいかいごう 通し章番号:1830
口述日:1926(大正15)年07月01日(旧05月22日) 口述場所:天之橋立なかや別館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-02-15 13:11:10 OBC :rm7221
愛善世界社版:259頁 八幡書店版:第12輯 695頁 修補版: 校定版:271頁 普及版:102頁 初版: ページ備考:
001 スガの(みなと)百万(ひやくまん)長者(ちやうじや)(きこ)えたる薬種(やくしゆ)問屋(どひや)(おく)()には、002若主人(わかしゆじん)のイルクを(はじ)老父(らうふ)のアリスにダリヤ(ひめ)003ヨリコ(ひめ)004花香姫(はなかひめ)005門番(もんばん)のアル、006エス(およ)びスガの(みや)神司(かむつかさ)たりし玉清別(たまきよわけ)(まで)(くび)(あつ)めて密談(みつだん)(ふけ)つてゐる。
007ヨリコ『アリス(さま)008イルク(さま)009(その)()(みな)さまに、010(わらは)はお(わび)(いた)さねばなりませぬ、011折角(せつかく)大枚(たいまい)なお(かね)()して、012立派(りつぱ)なお(みや)(つく)つて(いただ)き、013道場(だうぢやう)(あるじ)(まで)()けられまして、014()(あま)光栄(くわうえい)(よく)して()りましたが、015ツイ(わらは)慢心(まんしん)より宗教(しうけう)問答所(もんだふどころ)(など)看板(かんばん)(かか)げたのが(わざはひ)(もと)となり、016(わらは)(はじ)玉清別(たまきよわけ)(さま)017ダリヤ(ひめ)(さま)018(およ)()一門(いちもん)(たい)し、019非常(ひじやう)損害(そんがい)をおかけ(いた)(その)(つみ)(まこと)万死(ばんし)(あたひ)(いた)します。020熟々(つらつら)(かんが)へますれば021オーラ(さん)立籠(たてこも)泥棒(どろばう)親分(おやぶん)とまでなつて悪事(あくじ)悪行(あくかう)敢行(かんかう)して()(つみ)(ふか)(からだ)022どうして(かみ)(さま)のお屋敷(やしき)(つと)める(こと)出来(でき)ませう。023折角(せつかく)聖地(せいち)もウラナイ(けう)高姫(たかひめ)さまに(わた)さねばならないやうな破目(はめ)になりました。024これ(みな)(わらは)(いた)らぬ(つみ)御座(ござ)いますから025何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(おも)存分(ぞんぶん)()成敗(せいばい)(ねが)ひたう御座(ござ)います』
026アリス『ヨリコ(ひめ)(さま)027左様(さやう)なお心遣(こころづかひ)()無用(むよう)にして(くだ)さい。028三万(さんまん)五万(ごまん)(かね)使(つか)つてお(みや)()てた(ところ)で、029(べつ)(わたくし)(たく)財産(しんしやう)(かたむ)くと()(わけ)でもなし、030一旦(いつたん)031ウラナイ(けう)(わた)した以上(いじやう)是非(ぜひ)なしとして、032(ふたた)以前(いぜん)幾層倍(いくそうばい)()した立派(りつぱ)()神殿(しんでん)(つく)()げ、033ウラナイ(けう)(むか)ふを()つて()せてやらうぢやありませぬか。034なア(せがれ)035(まへ)はどう(おも)ふか、036()いては()(したが)へと()(こと)もあるから、037(まへ)意見(いけん)(まか)しておく』
038イルク『当家(たうけ)財産(ざいさん)は、039もとより(つみ)(かたま)りで出来(でき)たのですから、040何程(なにほど)立派(りつぱ)なお(みや)()てても、041(かみ)(さま)御用(ごよう)()たないのは必然(ひつぜん)結果(けつくわ)です。042(けつ)して(わたくし)()しいとは(おも)ひませぬ。043(かみ)(さま)()(ゆる)しあれば、044当家(たうけ)財産(ざいさん)全部(ぜんぶ)()()して立派(りつぱ)なお(みや)(つく)()御座(ござ)います』
045アリ『成程(なるほど)046(せがれ)()(とほ)りだ、047(まへ)(なに)()一任(いちにん)しておく。048(みな)さま、049(せがれ)とトツクリ相談(さうだん)して(くだ)さい、050(わたくし)老年(としより)()051失礼(しつれい)(いた)しまして、052離棟(はなれ)(やす)まして(もら)ひます』
053座敷杖(ざしきづゑ)をつき(なが)054()(あが)りの(からだ)()()つて離棟(はなれ)をさして()でて()く。
055玉清(たまきよ)(わたくし)永年(ながねん)(あひだ)神谷村(かみたにむら)苦労(くらう)艱難(かんなん)(いた)し、056(なん)とかして三五(あななひ)(みち)再興(さいこう)させ()いものと千辛(せんしん)万慮(ばんりよ)結果(けつくわ)057当家(たうけ)発起(ほつき)によつて立派(りつぱ)(みや)()(あが)り、058大神(おほかみ)(さま)神司(かむづかさ)となり、059先祖(せんぞ)(げふ)をつむ(こと)になつて大変(たいへん)(よろこ)(いさ)んで奉仕(ほうし)して()りましたが、060モウかうなれば、061(なん)とも(いた)(かた)御座(ござ)いませぬ。062(わたくし)はこれより神谷村(かみたにむら)(たち)(かへ)り、063もとの(ごと)里庄(りしやう)をつとめ、064村民(そんみん)安堵(あんど)させてやりませう』
065ダリヤ『モシ、066玉清別(たまきよわけ)(さま)067あまりお()(みじか)いぢやありませぬか。068どうぞ(しばら)く、069(なん)とか(きま)(まで)()つてゐて(くだ)さいませ。070やがて()もなく、071三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)がお()(あそ)ばすでせうから、072その(うへ)トツクリ()相談(さうだん)(あそ)ばしての(うへ)(こと)(ねが)()御座(ござ)います』
073玉清(たまきよ)敗軍(はいぐん)(しやう)(へい)(かた)らず、074(しか)らば少時(しばらく)言葉(ことば)(あま)へ、075逗留(とうりう)さして(いただ)きませう』
076アル『モシ若旦那(わかだんな)さま、077(けつ)して()心配(しんぱい)()りませぬよ、078キツトあの高姫(たかひめ)()(やつ)079(いま)尻尾(しつぽ)()しますからマア(しばら)()つてゐて(くだ)さい。080(わたくし)とエスとが一生(いつしやう)懸命(けんめい)彼奴(あいつ)素性(すじやう)探索(たんさく)してゐます。081モウここ十日(とをか)()たない(うち)に、082キツト杢助(もくすけ)夫婦(ふうふ)(たた)()して御覧(ごらん)()れます。083キユーバーの野郎(やらう)(くさ)代物(しろもの)です。084少時(しばらく)成行(なりゆき)(まか)して()てゐたらどうでせう』
085イルク『いかにも、086彼奴(あいつ)ア、087(わたくし)(あや)しい(やつ)だと(おも)つてゐる、088キツト(かみ)(さま)善悪(ぜんあく)(さば)いて(くだ)さるだらう。089大国常立(おほくにとこたちの)(みこと)(さま)090(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(さま)は、091あのやうな悪人(あくにん)聖場(せいぢやう)(まか)して、092安閑(あんかん)()御座(ござ)るやうな、093ヘドロい(かみ)(さま)ぢや御座(ござ)いますまい』
094 ()(はな)してゐる(ところ)へドヤドヤと()(きた)るは三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)095照公(てるこう)096玄真坊(げんしんばう)097コオロ、098コブライの五人(ごにん)()れであつた。
099照国(てるくに)御免(ごめん)なさいませ、100拙者(せつしや)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)御座(ござ)います。101梅公(うめこう)何時(いつ)やらは、102いかいお世話(せわ)(あづか)つたさうで御座(ござ)いますが、103まだ(かれ)当家(たうけ)へは(かへ)つて()りませぬか』
104イル『ハイ、105貴方(あなた)(うはさ)(たか)照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)御座(ござ)いましたか、106(わたくし)当家(たうけ)(あるじ)107イルクと(まを)します、108いい(ところ)()(くだ)さいました。109サアサアどうか(おく)へお(とほ)(くだ)さいませ』
110照公(てるこう)拙者(せつしや)照国別(てるくにわけ)(さま)弟子(でし)111照公(てるこう)(まを)します、112何分(なにぶん)(よろ)しく』
113玄真(げんしん)拙者(せつしや)玄真坊(げんしんばう)(まを)修験者(しうげんじや)御座(ござ)います、114何分(なにぶん)よろしく()見知(みし)りおき(くだ)さいまして以後(いご)()懇意(こんい)(ねが)ひます』
115コオ『奴輩(やつがれ)はコオロと(まを)す、116あまり、117()くもない、118(わる)くもない三品(さんぴん)野郎(やらう)でげす。119不思議(ふしぎ)にも照国別(てるくにわけ)(さま)一行(いつかう)難船(なんせん)した(ところ)(たす)けられお(とも)になつて(まゐ)りました。120どうか門番(もんばん)にでも使(つか)つてやつて(くだ)さい』
121コブ『奴輩(やつがれ)はコブライと(まを)しまして、122チツト(ばか)()()れたやうな、123()れぬやうな侠客(けふかく)渡世(とせい)(いた)しますもので御座(ござ)います。124何分(なにぶん)よろしくお(ねがひ)(まを)します』
125イル『ヤア皆様(みなさま)126よくこそお()(くだ)さいました。127(なに)()もあれ照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)(とも)(おく)へお(とほ)(くだ)さい、128チツト(ばか)当家(たうけ)には心配事(しんぱいごと)(おこ)りまして、129相談(さうだん)最中(さいちう)御座(ござ)います』
130照公(てるこう)『いかなる()心配(しんぱい)()りませぬが、131(さいは)先生(せんせい)もゐらつしやるし、132(およ)ばず(なが)らお(ちから)になりませう』
133イル『ハイ、134有難(ありがた)御座(ござ)います。135何分(なにぶん)よろしく』
136挨拶(あいさつ)し、137(みづか)(ちや)()菓子(くわし)()し、138(ちから)(かぎ)りに饗応(きやうおう)する。
139照国(てるくに)当家(たうけ)非常(ひじやう)旧家(きうか)()えますな、140庭石(にはいし)(こけ)むしたる(おもむき)()ひ、141石燈籠(いしどうろう)()ひ、142(たび)(つか)れを(なぐさ)むるには屈強(くつきやう)のお座敷(ざしき)143イヤ、144どうも立派(りつぱ)なお座敷(ざしき)(けが)して()みませぬ』
145イル『(なに)仰有(おつしや)います。146()(かげ)もなき破家(あばらや)(かご)()げられまして、147一家(いつか)一門(いちもん)光栄(くわうえい)(これ)()ぎたる(こと)御座(ござ)いませぬ。148子孫(しそん)(だい)(まで)()(つた)へて(よろこ)ぶで御座(ござ)いませう』
149玉清(たまきよ)(わたくし)神谷村(かみたにむら)玉清別(たまきよわけ)(まを)三五教(あななひけう)信者(しんじや)御座(ござ)います。150照国別(てるくにわけ)(さま)とやら、151何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)見知(みし)りおかれまして、152今後(こんご)(とも)153よろしく()指導(しだう)(ほど)をお(ねがひ)(まを)します』
154照国(てるくに)『ヤア貴方(あなた)(うはさ)(うけたま)はつた玉清別(たまきよわけ)(さま)御座(ござ)いますか、155これは(めづら)しい(ところ)でお()にかかりました。156何分(なにぶん)よろしくお(ねがひ)(いた)します。157(とき)にイルクさま、158(いま)一寸(ちよつと)(うけたま)はれば当家(たうけ)には(なに)取込事(とりこみごと)があつて()相談(さうだん)最中(さいちう)だと()きましたが、159どうかお邪魔(じやま)になれば(せき)(はづ)しますから』
160イル『イヤ、161(けつ)して()心配(しんぱい)には(およ)びませぬ、162(じつ)(ところ)はスガの(みや)(けん)()きまして……』
163一伍(いちぶ)一什(しじふ)詳細(しやうさい)物語(ものがた)つた。
164 照国別(てるくにわけ)は「ウーン」と()つたきり双手(もろて)()んで少時(しばし)思案(しあん)にくれて()たが、165(なに)()するところあるものの(ごと)(ひざ)をハタと()()()(うなづ)いて、
166『ヤ、167(わか)りました、168どうか(わたくし)(まか)して(くだ)さい、169この解決(かいけつ)はキツトつけて()げませう』
170イル『何分(なにぶん)よろしく、171(たの)(まを)します』
172ヨリ『照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)173(わらは)貴方(あなた)()弟子(でし)梅公別(うめこうわけ)さまに非常(ひじやう)なお世話(せわ)(あづか)つたもので御座(ござ)います。174此処(ここ)()りまするのは花香(はなか)()つて(わらは)(いもうと)御座(ござ)いますが、175不思議(ふしぎ)(えん)梅公別(うめこうわけ)(さま)(つま)にして(いただ)(こと)内定(ないてい)してゐるもので御座(ござ)います。176何分(なにぶん)よろしく()とりなしをお(ねがひ)(まを)()げます』
177照国(てるくに)『ヤ、178かねて梅公別(うめこうわけ)からヨリコ(ひめ)(さま)(こと)花香姫(はなかひめ)(さま)(こと)()いて()ります、179何事(なにごと)(かみ)(さま)思召(おぼしめし)次第(しだい)ですからな』
180花香(はなか)『これはこれはお師匠(ししやう)(さま)181(はじ)めてお()にかかります。182(わらは)(いま)(あね)(まを)しました(とほ)り、183梅公別(うめこうわけ)さまに大変(たいへん)()贔屓(ひいき)(あづか)つてゐる花香(はなか)御座(ござ)います。184何分(なにぶん)よろしく……今後(こんご)のお世話(せわ)をお(ねがひ)(まを)しまする』
185 ()(たがひ)挨拶(あいさつ)なせる(をり)しも、186梅公別(うめこうわけ)宣伝使(せんでんし)(おも)たげに(おほ)きな葛籠(つづら)背負(せお)ひ、187エチエチ()(きた)り、
188梅公(うめこう)『ア、189御免(ごめん)なさい、190梅公別(うめこうわけ)です、191大変(たいへん)()無沙汰(ぶさた)(いた)しました』
192 番頭(ばんとう)のアルは(あたま)をピヨコピヨコ()(なが)ら、
193『ヤア、194よう()(くだ)さいました、195先生(せんせい)196若旦那(わかだんな)(さま)も、197大旦那(おほだんな)(さま)大変(たいへん)198先生(せんせい)のお()しをお()ちで御座(ござ)いました。199(これ)から一寸(ちよつと)(おく)(まを)して()ますから』
200梅公(うめこう)『イヤ、201それには(およ)びませぬ、202照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)()えてゐるでせう。203……(わたくし)(はう)から(うかが)ひます』
204と、205大葛籠(おほつづら)玄関(げんくわん)にソツと(おろ)し、206案内(あんない)もなく奥内(おくない)さしてニコニコし(なが)(すす)()る。
207梅公(うめこう)『ヤ、208先生(せんせい)(はじ)(みな)さま、209()一同(いちどう)210(はや)御座(ござ)いましたね』
211照国(てるくに)『ヤ、212(いま)当家(たうけ)(うかが)つた(ところ)だ、213(じつ)はお(まへ)が、214あの暴風雨(しけ)小舟(こぶね)()して(なみ)(うへ)()えて(しま)つたものだから、215(すこ)(ばか)心配(しんぱい)してゐたのだ。216ヤ、217無事(ぶじ)結構(けつこう)々々(けつこう)218花香姫(はなかひめ)()()()安心(あんしん)だらう』
219ヨリ『梅公別(うめこうわけ)先生(せんせい)(さま)220(ひさ)しう()()にかかりませぬ、221()()()無事(ぶじ)でお目出度(めでた)御座(ござ)います。222花香(はなか)大変(たいへん)にお(まち)(まを)した様子(やうす)御座(ござ)います、223これ花香(はなか)224(はや)()挨拶(あいさつ)(まを)さないか』
225 花香姫(はなかひめ)(かほ)(あか)らめ(なが)(はづか)しさうに()をついて、
226『アノ、227旦那(だんな)(さま)228イーエ、229梅公別(うめこうわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)230(ひさ)しう御座(ござ)います、231(わたし)232どれ(ほど)()つてゐたか()れませぬのよ』
233 梅公別(うめこうわけ)無雑作(むざふさ)愛想(あいそ)よく、
234『ヤ、235(おく)さま、236イヤ(おく)さまと()つては()まないが、237花香姫(はなかひめ)さま、238()()()壮健(さうけん)でお目出度(めでた)う、239(わたし)だつてヤツパリ花香(はなか)さまの(こと)何時(いつ)でも(わす)れてゐやしませぬよ』
240花香(はなか)『ハイ、241有難(ありがた)御座(ござ)います。242そのお言葉(ことば)()いて得心(とくしん)(いた)しました』
243照公(てるこう)『オイ、244梅公(うめこう)245馬鹿(ばか)にすない、246(なに)かおごつて(もら)はうかい。247(おれ)(まへ)で、248おやすくない(ところ)()せつけやがつて、249あまりひどいぢやないか、250アツハヽヽ』
251ヨリ『梅公別(うめこうわけ)さま、252当然(あたりまへ)ですわね、253これ花香(はなか)さま、254(なに)もオヂオヂする(こと)はありませぬよ、255()()(こと)あれば(ひと)さまの(なか)でも(かま)はない、256ドシドシ()つたがよい、257(はばか)りながら(ねえ)さまがついて()りますからな』
258照公(てるこう)『ヤ、259これは(たま)らぬ、260(めん)261小手(こて)262(どう)263(つき)御座(ござ)るワイ。264ヤ、265()うなりやいよいよ敗北(はいぼく)だ。266照公(てるこう)砲台(はうだい)沈黙(ちんもく)せなくちやなるまい、267ウツフヽヽヽ』
268梅公(うめこう)仇話(あだばなし)(さて)おいて269海上(かいじやう)からほのかにスガ(やま)聖地(せいち)()れば(あや)しい(くも)()つてゐました。270(なに)(かは)つた(こと)はありませぬかな』
271イル『ハイ、272(さつ)しの(とほ)り、273その(こと)()きまして(いま)274相談会(さうだんくわい)(ひら)いて()つた(ところ)御座(ござ)います』
275梅公(うめこう)高姫(たかひめ)276杢助(もくすけ)277キユーバー(とう)悪人(あくにん)聖地(せいち)占領(せんりやう)せむとしてゐるのでせう』
278イル『ハイ、279(すで)占領(せんりやう)されて(しま)つたのです。280最早(もはや)(いま)となつては、281()()しやうも御座(ござ)いませぬので……』
282梅公(うめこう)(けつ)して心配(しんぱい)なさるな、283梅公別(うめこうわけ)がキツト解決(かいけつ)をつけませう、284悪人輩(あくにんばら)一言(いちごん)のもとに(たた)()し、285もとの聖地(せいち)回復(くわいふく)せむは(わが)方寸(はうすん)御座(ござ)います。286ヨリコさまもダリヤさまも、287玉清別(たまきよわけ)さまも安心(あんしん)して(くだ)さい、288キツトもとの(とほ)りにしてお()にかけませう。289大方(おほかた)290高姫(たかひめ)()(やつ)291ヨリコさまの素性(すじやう)(あら)ひ、292理窟(りくつ)づくめに()()したのでせう』
293ヨ『ハイ、294(さつ)しの(とほり)御座(ござ)います。295何分(なにぶん)(けが)れた(みたま)御座(ござ)いますから296聖場(せいぢやう)(まも)(など)()(だい)それた(こと)出来(でき)ませぬ、297(わたし)慢心(まんしん)から(がら)にも()はぬ宮仕(みやづかへ)(いた)しまして聖場(せいぢやう)(けが)し、298(みな)さまに(たい)申訳(まをしわけ)がないので、299この(とほ)(しほ)(かへ)つてゐるので御座(ござ)います』
300梅公(うめこう)(むかし)(むかし)301(いま)(いま)302仮令(たとへ)如何(いか)なる悪事(あくじ)があつても、303()(あらた)めた以上(いじやう)白無垢(しろむく)同然(どうぜん)304一点(いつてん)(つみ)(けが)れもあらう(はず)がありませぬ、305左様(さやう)()心配(しんぱい)()無用(むよう)になさいませ』
306(なぐさ)めおき、307照国別(てるくにわけ)308イルク、309玉清別(たまきよわけ)別室(べつしつ)(まね)き、310高姫(たかひめ)追放(つゐはう)計画(けいくわく)密議(みつぎ)をこらし悠然(いうぜん)として(ふたた)びもとの()(かへ)(きた)り、
311梅公(うめこう)大空(おほぞら)(ふさ)がる黒雲(くろくも)()(はら)
312月日(つきひ)(てら)科戸辺(しなどべ)(かみ)
313よしやよし(しこ)黒雲(くろくも)(つつ)むとも
314科戸辺(しなどべ)(かみ)()きや(はら)はむ』
315 これより一同(いちどう)はスガ(やま)回復(くわいふく)策戦(さくせん)計画(けいくわく)準備(じゆんび)各々(おのおの)手分(てわ)けをして(とり)かかり、316明日(みやうにち)()して大挙(たいきよ)スガ(やま)神軍(しんぐん)(すす)むる(こと)とした。317あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
318大正一五・七・一 旧五・二二 於天之橋立なかや旅館 北村隆光録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→