あらすじ[?]このあらすじは飯塚弘明の作成です。[×閉じる]:
「伊佐子(いさご)の島」のイドムの国とサールの国の物語。サールがイドムを侵略するが、両国で革命が行われる。
- 第1~6章
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「伊佐子の島」の大栄山脈の南には「イドムの国」、北には「サールの国」があった。山脈の南側にある「真珠湖」には人魚が棲んでおり、その涙は真珠の玉となり、内服すると身体が光を放ち美人の子が生まれるので、イドムの国人は人魚を捕まえ涙を採ることを業としていた。そのためイドムの人は美男美女ばかりだった。
サールの国のエールス王は、自国の醜き種族を改良するため、真珠湖を占領しようと考え、大栄山脈を越えてイドムの国に進軍する。
イドムの国のアヅミ王は城から敗走して月光山(つきみつやま)に立て籠もり、イドムの国の再興をはかる。過去を省みて、山頂に神殿を建てて主(す)の大神を奉斎する。
一方、イドム城を占領したサール国のエールス王は、神を畏れず驕り高ぶり歓楽にふけった。
- 第7~10章
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エールス王の妃サックス姫は左守のチクターと恋仲になっており、エールス王を崖から落として殺害した後、女王として君臨した。
真珠湖の人魚を捕まえるため、女王サックス姫と左守チクターらが舟に乗って行くと、人魚たちは反撃してサックス姫たちを亡ぼす。以後、人魚を捕まえようとする者はいなくなり人魚の群は繁栄した。
王を失ったため軍師エーマンが後を継ごうと画策するが、イドムの国中から愛国の志士が決起して、群衆がイドム城に攻め寄せる。エーマンは死に、イドムの国人は国土を取り返した。
- 第11~15章
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北のサールの国では、エームス太子が木田山城で王の留守を守っていた。エームス太子はイドムの国から捕虜として送られてきたチンリウ姫(アヅミ王の娘)に一目惚れし、結婚する。チンリウ姫の乳母アララギは自分の娘センリウを、チンリウ姫とすり替え、本物のチンリウ姫を遠島に島流しにしてしまう。
チンリウ姫は神に救われ祖国イドムの「真砂(まさご)の浜」に上陸した。
- 第16~20章
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木田山城の侍臣の朝月は、チンリウ姫が偽者だと気付いたため、島流しの刑となる。やはり神に救われてイドムの国の「真砂の浜」に着き、チンリウ姫の臣下として仕える。
サールの国ではアララギが実権を握って暴政をふるっていた。
偽のチンリウ姫(アララギの娘センリウ姫)はイモリの精セームスと恋に落ち、セームスはエームス王を殺して自分がエームス王になりすます。
愛国団体の隊長・夕月が率いる暴徒が木田山城に攻め込んだ。偽のエームス王と偽のチンリウ姫は池に飛び込み、アララギは夕月の矢で死ぬ。イドムから帰国した左守ナーリスを中心に、木田山城に主の神を祀り、正しい政治を行わせ給えと祈願をする。