霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 イドム(せん)〔二〇二八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻 篇:第1篇 伊佐子の島 よみ(新仮名遣い):いさごのしま
章:第1章 イドム戦 よみ(新仮名遣い):いどむせん 通し章番号:2028
口述日:1934(昭和9)年08月04日(旧06月24日) 口述場所:伊豆別院 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高照山の西南、万里(まで)の海上に、伊佐子の島という面積の大きな島国があった。島の中央に大栄(おおさか)山脈という大きな山脈が、東西に横切っていた。
大栄山脈より南がイドムの国、北をサールの国といった。伊佐子島は、万里の海の島々の中でも最も古く生成された島であり、国津神たちが大勢住んでいた。
イドム、サールの両国はお互いに領土を占領しようと数十年にわたって戦争を続けており、国津神たちは苦しみ、救世神の降臨を今か今かと待ち望んでいる様子であった。
大栄山の中腹に、真珠湖という大きな湖があった。南北十里、東西二十里もあり、その湖水は不思議にも塩分を帯びていた。また、遠浅で、膝ほどの深さしかなく、水上を徒歩でわたることができたのであった。
この真珠湖には人魚が多数住んでおり、国津神のように茅で屋根をふいた住居に住み、生活ぶりも国津神のようであった。
真珠湖は大栄山の南側でイドム国領内にあった。イドムの国の人々は、人魚を捕らえて来てはいろいろと苦しめ、涙を流させた。すると、涙は真珠の珠となって落ちるのであった。
イドムの国津神たちはこれを装飾品にしていた。また、これを内服すると身体が光を放ち、子孫は美しい子のみが生まれるのであった。そういうわけで、時が経つにしたがって、イドムの国津神たちは美男美女のみとなってしまっていた。
これに反して、北側のサールの国津神たちは色黒で背が低く髪はちぢれ、醜い者ばかりであった。サール国王エールスは、真珠湖を占領してサールの国の種族を改良しようと目論んでいた。
ついにエールスは大軍を率いて大栄山を越え、真珠湖に向かって進軍を始めた。
サール国侵入の報を聞いたイドム国王アヅミは、さっそく軍議を召集した。軍議には王妃ムラジ、左守ナーマン、右守ターマン、軍師シウラン、王女チンリウ、侍女アララギが参加した。
軍議は、軍師シウラン、右守ターマンの主戦派の意見が取り入れられ、一気に決戦を挑むことになった。王女のチンリウ姫も出陣し、ともに戦うこととなった。
イドム国が将軍を場内に呼び集め、出陣の用意をしている折しも、サール国の軍隊はすでにイドム城下にまで迫っていた。
イドム国軍は決戦を挑み一日一夜激しく戦ったが、サール国は精鋭決死の兵士ばかりで、イドム国軍はもろくも敗戦し、国王以下、南方の月光山(つきみつやま)を指して逃走した。
アヅミ王は月光山に立て篭もって城壁を構え、イドム国再興を図ることとなった。
エールス王はイドム城を手に入れてイドム国を統治下に置いた。エールス王、サール国左守チクター、右守ナーリス、軍師エーマンはイドム城に入場し、勝利を祝うと、しばらくイドム城に駐屯することとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm8101
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 423頁 修補版: 校定版:7頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 高照山(たかてるやま)西南(せいなん)(あた)万里(まで)海上(かいじやう)に、002相当(さうたう)面積(めんせき)(いう)する島国(しまぐに)あり、003(これ)伊佐子(いさご)(しま)といふ。004()(しま)中央(ちうあう)大山脈(だいさんみやく)東西(とうざい)(よこ)たはり、005(これ)大栄(おほさか)山脈(さんみやく)といふ。006大栄(おほさか)山脈(さんみやく)以南(いなん)をイドムの(くに)といひ、007以北(いほく)をサールの(くに)といふ。008この(しま)万里(まで)(うみ)島々(しまじま)(なか)にも、009(もつと)(ふる)成出(なりいで)(しま)にして、010国津神(くにつかみ)(たち)数多(あまた)棲息(せいそく)し、011イドム、012サールの両国(りやうごく)(たがひ)()領域(りやうゐき)占領(せんりやう)せむと、013数十(すうじふ)(ねん)(わた)つて戦争(せんさう)()(とき)なく、014数多(あまた)国津神(くにつかみ)(たち)塗炭(とたん)()()め、015救世神(きうせいしん)降臨(かうりん)()つこと(あだか)大旱(たいかん)雲霓(うんげい)()つの(かん)ありける。
016 大栄山(おほさかやま)中腹(ちうふく)(だい)なる湖水(こすい)ありて、017(これ)真珠湖(しんじゆこ)といふ。018真珠湖(しんじゆこ)(やく)二十(にじふ)メートルの山腹(さんぷく)展開(てんかい)したる南北(なんぼく)(じふ)()019東西(とうざい)二十(にじふ)()大湖水(だいこすい)なるが、020不思議(ふしぎ)にも海底(かいてい)より涌出(ようしゆつ)せるものの(ごと)く、021湖水(こすい)(みな)濃厚(のうこう)なる塩味(えんみ)(ふく)み、022水上(すゐじやう)徒渉(とせふ)するも(わづか)(ひざ)(ぼつ)するに()ぎざる湖水(こすい)なりけり。023この真珠湖(しんじゆこ)には人面(にんめん)魚身(ぎよしん)人魚(にんぎよ)数多(あまた)住居(ぢうきよ)し、024湖辺(こへん)汀辺(みぎはべ)国津(くにつ)(かみ)同様(どうやう)(かや)(もつ)屋根(やね)()きたる家居(かきよ)(かま)へ、025その生活(せいくわつ)(さま)(ほとん)国津(くにつ)(かみ)酷似(こくじ)せり。
026 この(みづうみ)大栄山(おほさかやま)南側(なんそく)にあるを(もつ)無論(むろん)イドムの(くに)領域(りやうゐき)なりけるが、027イドムの国津(くにつ)(かみ)人魚(にんぎよ)(とら)(きた)りて、028色々(いろいろ)(くる)しめ()かしめる(とき)029人魚(にんぎよ)(かな)しみて(なみだ)(たき)(ごと)(なが)しけるに、030不思議(ふしぎ)()(なみだ)(ことごと)真珠(しんじゆ)(たま)となりて、031その(うるは)しさ()はむ(かた)なし。032(ゆゑ)にイドムの国津神(くにつかみ)(たち)(これ)唯一(ゆいつ)(たから)として(かしら)(かざ)り、033(むね)(かざ)り、034その()(ほこ)る。035(また)(これ)内服(ないふく)する(とき)身体(しんたい)(たちま)(ひかり)(はな)ち、036(かつ)(うるは)しき()(うま)るるを(もつ)て、037国津(くにつ)(かみ)(きそ)ひて(これ)()(こと)(ほつ)し、038色々(いろいろ)計略(けいりやく)(もつ)人魚(にんぎよ)(うば)ひ、039(なみだ)()(こと)唯一(ゆいつ)業務(げふむ)となしける。040(ゆゑ)にイドムの国津(くにつ)(かみ)(いづ)れも美男(びなん)美女(びぢよ)のみにして、041醜男(しうなん)醜女(しうぢよ)(つひ)(あと)()つに(いた)れるなり。042(これ)(はん)して大栄山(おほさかやま)以北(いほく)のサールの国津(くにつ)(かみ)(いづ)れも(はだ)(くろ)く、043(かみ)はちぢれ、044()(ひく)(かつ)醜男(しうなん)醜女(しうぢよ)のみなりける。
045 (ここ)にサールの国王(こくわう)エールスは、046如何(いか)にもして()真珠湖(しんじゆこ)占領(せんりやう)種族(しゆぞく)改良(かいりやう)(はか)らむとし、047大軍隊(だいぐんたい)(ひき)ゐて大栄山(おほさかやま)(みなみ)()え、048真珠湖(しんじゆこ)(むか)つて進軍(しんぐん)(はじ)めける。049(これ)()くよりイドムの(わう)アヅミは、050左守(さもり)051右守(うもり)(はじ)めとし、052軍師(ぐんし)神々(かみがみ)大広間(おほひろま)()(あつ)め、053サール(こく)軍隊(ぐんたい)殲滅(せんめつ)すべく軍議(ぐんぎ)()らす(こと)となりける。
054 イドム(わう)()はアヅミといふ。055王妃(わうひ)()をムラジといふ。056左守(さもり)をナーマン、057右守(うもり)をターマンといふ。058軍師(ぐんし)をシウランといひ、059アヅミ、060ムラジの(あひだ)(うま)れたる(むすめ)をチンリウといひ、061侍女(じぢよ)をアララギといふ。062イドム(わう)のアヅミは軍神(ぐんしん)(あつ)め、063サール(こく)征伐(せいばつ)軍議(ぐんぎ)()らさむとして(うた)ふ。
064『イドムの(くに)(むかし)より
065()大神(おほかみ)御水火(みいき)にて
066(あら)はれ()でし(うま)(くに)
067春夏(しゆんか)秋冬(しうとう)順序(じゆんじよ)よく
068五風(ごふう)十雨(じふう)永久(とこしへ)
069(くに)のことごと(うるほ)して
070至治(しち)太平(たいへい)(たの)しみし
071()にも目出度(めでた)きイドム(こく)
072真珠(しんじゆ)(うみ)(さち)はひに
073国津神(くにつかみ)()(ことごと)
074(すぐ)れて(きよ)(うるは)しく
075霊魂(みたま)身体(からたま)諸共(もろとも)
076長寿(ちやうじゆ)(たも)神徳(しんとく)
077(かたじ)けなみて(きた)りしが
078()()(つき)(なが)れつつ
079(ほし)(ひかり)(うつ)ろひて
080年月(としつき)()にし(その)(うち)
081大栄山(おほさかやま)真北(まきた)なる
082サールの(くに)国王(こくわう)
083(この)()(くに)(うら)みつつ
084真珠(しんじゆ)(うみ)占領(せんりやう)
085人魚(にんぎよ)(たから)(うば)はむと
086数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)引具(ひきぐ)して
087(おそ)(きた)るぞ忌々(ゆゆ)しけれ
088(われ)()(もと)より(たたか)ひを
089(この)むにあらねど()くならば
090この神国(かみくに)(まも)るため
091(いくさ)(かみ)()(あつ)
092(てき)悪事(あくじ)()(こら)
093(せん)()(そと)()ひやりて
094(むかし)のままの安国(やすくに)
095(おさ)(まも)らむ(わが)(こころ)
096左守(さもり)右守(うもり)(はじ)めとし
097軍師(ぐんし)諸々(もろもろ)国津(くにつ)(かみ)
098(わが)()(ごと)をよく(まも)
099一日(ひとひ)(はや)敵陣(てきぢん)
100(むか)つて(いくさ)(すす)むべし
101それについては色々(いろいろ)
102手段(てだて)もあれば国津(くにつ)(かみ)
103(たがひ)(ちから)(あは)せつつ
104(こころ)(ひと)つに相固(あひかた)
105サールに(むか)つて(たたか)へよ
106サールの(くに)国王(こくわう)
107(はじ)諸々(もろもろ)(いくさ)(たち)
108(のこ)らず征伐(きた)(たひら)げて
109(くに)(わざは)(のぞ)けよや
110(くに)(わざは)(のぞ)くべし
111ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
112(わが)言霊(ことたま)(ちから)あれ
113(わが)言霊(ことたま)(ひかり)あれよ』
114 軍師(ぐんし)シウランは(こた)へて(うた)ふ。
115(わが)(きみ)(おほ)(かしこ)曲津(まが)(かみ)
116(くも)彼方(かなた)退(しりぞ)けやらむ
117エールスは真珠(しんじゆ)(うみ)(うば)はむと
118(とし)ごろ(こころ)(くだ)()にけり
119一度(ひとたび)(いくさ)(おほ)せあるものと
120(うで)(きた)へて()()たりけり
121我国(わがくに)優等(いうとう)人種(じんしゆ)サール(こく)
122劣等(れつとう)人種(じんしゆ)()ぢるに()らず
123(わが)(きみ)(こころ)(やす)かれ今日(けふ)よりは
124(いくさ)(あつ)めて(てき)(はら)はむ』
125 アヅミ(わう)(うた)ふ。
126『シウランの言葉(ことば)(われ)(ちから)()
127(はや)くも()ちたる心地(ここち)するなり
128エールスが(いくさ)数多(あまた)あるとても
129(たゆ)まず(くつ)せず(すす)んで(ほろ)ぼさむ
130エールスの(ひき)ゆる(いくさ)打破(うちやぶ)
131イドムの(くに)平和(へいわ)(きた)さむ
132シウランの(われ)武勇(ぶゆう)(たの)みとし
133勝利(しようり)便(たよ)りを(たの)しみ()たむ』
134 王妃(わうひ)のムラジ(ひめ)(うた)ふ。
135『エールスは(みち)(わきま)へぬ代物(しろもの)
136(こころ)(くば)(すす)めシウラン
137我国(わがくに)(うば)はむとして()()する
138エールス(わう)(けもの)()たり
139エールスの(けもの)(やから)(ことごと)
140言向(ことむ)(やは)生命(いのち)()らずに
141(たま)()生命(いのち)(かみ)御賜(みたま)もの
142むざむざ(ころ)すべきにあらずや』
143 アヅミ(わう)(うた)ふ。
144(みち)()らぬ(やから)言霊(ことたま)()るとても
145(なん)(えう)なし(ほろ)ぼすに()かず
146(よわ)(こころ)()ちてはこれの(たたか)ひに
147如何(いか)()()()くまで(たたか)
148ためらひの(こころ)(おこ)らば曲津(まが)(かみ)
149(たちま)生命(いのち)(くに)()られむ』
150 左守(さもり)のナーマンは(うた)ふ。
151(むかし)よりわが領域(りやうゐき)(しの)()
152人魚(にんぎよ)(うば)ふサールの醜国(しこくに)
153サール(こく)(わう)(ほろ)ぼさざれば我国(わがくに)
154(つひ)(ほろ)びむ(たたか)ふべき(とき)
155さりながら(てき)(たけ)しき獅子王(ししわう)
156(さが)もち()れば容易(ようい)(ほろ)びず
157計画(けいくわく)完全(くわんぜん)にして(すす)まずば
158(てき)謀計(たくみ)(わな)(おちい)らむ
159真珠湖(しんじゆこ)人魚(にんぎよ)(たから)(うば)はむと
160(なが)年月(としつき)(うかが)へる曲津(まが)
161あくまでも(こころ)(くば)()()りて
162()()(てき)()(ほろぼ)さむ』
163 右守(うもり)のターマンは(うた)ふ。
164(この)(とき)をはづせば何時(いつ)()(たたか)はむ
165(てき)大栄山(おほさかやま)()えたり
166第一(だいいち)(われ)弱点(よわみ)敵軍(てきぐん)
167大栄山(おほさかやま)()えられしにあり
168()くならば短兵(たんぺい)(きふ)()()せて
169雌雄(しゆう)(けつ)せむためらふ(こと)なく
170日頃(ひごろ)()()(きた)へしも今日(けふ)()
171(そな)へなりけりいざや(すす)まむ
172(おく)れなば(てき)(やぶ)れをとるならむ
173真珠(しんじゆ)(うみ)(てき)(かげ)のみ
174強敵(きやうてき)高地(かうち)陣取(ぢんど)りわが(ぐん)
175(した)より()むる不利(ふり)()にあり
176()くならば生命(いのち)()てて(たたか)はむ
177イドムの(くに)一大事(いちだいじ)なり』
178 アヅミ(わう)(うた)ふ。
179(つかさ)()(こころ)(ひと)つに(さだ)まりぬ
180いざや(すす)まむ(てき)在処(ありか)へ』
181 (むすめ)チンリウは(うた)う。
182父母(ちちはは)(はじ)(つかさ)(たましひ)
183(かた)まる(うへ)(なに)をか(おそ)れむ
184(われ)(また)(をんな)なれども(くに)(ため)
185(てき)(ほろ)ぶまで(たたか)はむかな』
186 アヅミ(わう)(うた)ふ。
187(いさ)ましきチンリウ(ひめ)(こころ)かな
188(わが)勇気(ゆうき)(また)次第(しだい)(くは)はる』
189 チンリウの侍女(じぢよ)アララギは(うた)ふ。
190(わが)(きみ)(ねが)(まつ)るも姫君(ひめぎみ)
191(いくさ)御供(みとも)(ゆる)させ(たま)
192姫君(ひめぎみ)(おん)()(まも)敵軍(てきぐん)
193(むか)つて(われ)()すまで(たたか)はむ』
194 ()評議(ひやうぎ)一決(いつけつ)し、195国内(こくない)急使(きふし)()数多(あまた)軍神(ぐんしん)城内(じやうない)(あつ)め、196一斉(いつせい)敵軍(てきぐん)(むか)つて(すす)(たたか)(こと)とはなりぬ。197()(とき)(おそ)彼時(かのとき)(はや)く、198エールス(わう)数多(あまた)(いくさ)指揮(しき)し、199連銭(れんぜん)葦毛(あしげ)(こま)(またが)り、200五色(ごしき)采配(さいはい)打振(うちふ)打振(うちふ)城下(じやうか)(ちか)()()(きた)る。201アヅミ(わう)烈火(れつくわ)(ごと)(いきどほ)り、202軍師(ぐんし)シウランと(とも)(ゆみ)満月(まんげつ)(ごと)()(しぼ)射向(いむか)ひけれども、203(てき)()()剽悍(へうかん)決死(けつし)()のみにて、204一日(いちにち)一夜(いちや)(たたか)ひにて(もろ)くもアヅミ(わう)軍隊(ぐんたい)敗戦(はいせん)し、205南方(なんばう)月光山(つきみつやま)()して逃走(たうそう)せり。206この(たたか)ひに(むすめ)のチンリウ、207アララギを(はじ)数多(あまた)軍士(つはもの)は、208(あるひ)()たれ(あるひ)捕虜(ほりよ)となり、209縄目(なはめ)恥辱(ちじよく)()ける(こと)とはなりぬ。210(ここ)にエールス(わう)はイドムの(しろ)占領(せんりやう)し、211数多(あまた)軍隊(ぐんたい)(とど)めて天下(てんか)睥睨(へいげい)する(こと)とはなりぬ。212アヅミ(わう)(ひやく)()南方(なんぱう)月光山(つきみつやま)立籠(たてこも)此処(ここ)城壁(じやうへき)(かま)へ、213イドム(こく)再興(さいこう)(さく)しける。
214 エールス(わう)戦勝(せんしよう)祝賀(しゆくが)(えん)をイドム城内(じやうない)(ひら)き、215数多(あまた)従神(じうしん)(あつ)めて心地(ここち)よげに(うた)ふ。
216大栄山(おほさかやま)()()えて
217(たから)(くに)(きこ)えたる
218イドムの(くに)押渡(おしわた)
219アヅミの(わう)軍勢(ぐんぜい)
220木端(こつぱ)微塵(みぢん)()(くだ)
221イドムの(しろ)占領(せんりやう)
222いよいよサールの我国(わがくに)
223面積(めんせき)以前(いぜん)倍加(ばいか)して
224(くに)(さか)えは豊栄(とよさか)(のぼ)
225天津(あまつ)()(ごと)(すす)むべし
226()凱旋(がいせん)(にぎは)ひは
227(かみ)(たま)ひし酒盛(さかもり)
228ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
229(わが)言霊(ことたま)(ちから)あれ
230(わが)言霊(ことたま)(さち)あれや』
231 エールス(わう)左守(さもり)チクターは(うた)ふ。
232(わが)(きみ)御稜威(みいづ)御光(みひかり)(あら)はれて
233イドムの(くに)(にぎ)らせ(たま)ひぬ
234この(くに)はサールの(くに)(くら)ぶれば
235(うま)御国(みくに)瑞穂(みづほ)(くに)
236これよりはイドムの(くに)国津(くにつ)(かみ)
237サールの(くに)(うつ)()ませむ
238みのり()しきサールの(くに)国津(くにつ)(かみ)
239イドムの(くに)(やす)()ませむ
240真珠湖(しんじゆこ)(まつた)吾手(わがて)()りにけり
241今日(けふ)より()()(うま)(きた)らむ
242天地(あめつち)(かみ)(めぐ)みと(わが)(きみ)
243(いづ)(ちから)(くに)(ひろ)まれり
244(わが)(きみ)(たま)ひし(うづ)(さかづき)
245(よろこ)()けむ国津神(くにつかみ)()と』
246 右守(うもり)のナーリスは(うた)ふ。
247(やうや)くに(きみ)(のぞ)みは(とど)きけり
248イドムの(しろ)()()りし今日(けふ)
249(くる)しみし(わが)国津(くにつ)(かみ)今日(けふ)よりは
250(ゑら)(さか)えむイドムに(うつ)りて
251()てしなき()(ひろ)(くに)()()れて
252(のぞ)ませ(たま)(きみ)はいさまし
253今日(けふ)()勝利(しようり)軍師(ぐんし)エーマンの
254計画(けいくわく)(まつた)(よろ)しきを()
255エーマンの軍師(ぐんし)(はから)()かりせば
256()容易(たやす)くは()()ざるなむ』
257 エールス(わう)(うた)ふ。
258『ナーリスの言葉(ことば)(ごと)くエーマンの
259(ちから)(われ)()(いくさ)()てり』
260 エーマンは(うた)ふ。
261天地(あめつち)(めぐみ)(いくさ)()ちにけり
262(われ)(ちから)(あづ)かり()るべき
263この(うへ)(かぶと)()をば()(なほ)
264(てき)再来(さいらい)(そな)(まつ)らむ』
265 (ここ)にエールスは完全(くわんぜん)にイドム(じやう)占領(せんりやう)し、266凱歌(がいか)()げて(しば)此処(ここ)()むこととはなりにける。267(しか)してサールの王城(わうじやう)北城(ほくじやう)(とな)へ、268イドム(じやう)南城(なんじやう)(しよう)しける。
269昭和九・八・四 旧六・二四 於伊豆別院 森良仁謹録)

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