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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第81巻(申の巻)
総説
第1篇 伊佐子の島
第1章 イドム戦
第2章 月光山
第3章 月見の池
第4章 遷座式
第5章 心の禊
第6章 月見の宴
第2篇 イドムの嵐
第7章 月音し
第8章 人魚の勝利
第9章 維新の叫び
第10章 復古運動
第3篇 木田山城
第11章 五月闇
第12章 木田山颪
第13章 思ひの掛川
第14章 鷺と烏
第15章 厚顔無恥
第4篇 猛獣思想
第16章 亀神の救ひ
第17章 再生再会
第18章 蠑螈の精
第19章 悪魔の滅亡
第20章 悔悟の花
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霊界物語
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第81巻(申の巻)
> 第3篇 木田山城 > 第13章 思ひの掛川
<<< 木田山颪
(B)
(N)
鷺と烏 >>>
第一三章
思
(
おも
)
ひの
掛川
(
かけがは
)
〔二〇四〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻
篇:
第3篇 木田山城
よみ(新仮名遣い):
きたやまじょう
章:
第13章 思ひの掛川
よみ(新仮名遣い):
おもいのかけがわ
通し章番号:
2040
口述日:
1934(昭和9)年08月14日(旧07月5日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一方エームス太子は、木田山城の奥殿に恋の悩みを述懐の歌に歌っていた。父王がイドム国を滅ぼしたために、自分がチンリウ姫の親の敵になってしまったことで、父王エームスへの恨みを歌った。
そこへ朝月、夕月が帰ってきて、チンリウ姫の心は固く、説得に失敗したことを報告した。そこでエームス太子は、侍女のアララギをこちら側に引き入れて、姫を説得させる策を思いついた。
さっそくアララギを縛ったまま太子の前に引き出した。朝月は、このまま姫が太子の思いを拒み続ければ牢獄に苦しみつづけ、思いを受け入れれば太子妃として栄華を得られるだろう、と二者択一を迫り、アララギを問い詰めた。
するとアララギは恐れ気もなく、姫を必ず説得させようと太子の前で約束した。そして牢獄に送還されたアララギは、言葉を尽くしてチンリウ姫を説得にかかった。
このままでは、我々は処刑されてしまう、それよりはエームス太子の妃になって牢獄から抜け出せば、命も助かり、よい暮らしも出来、イドム国の再興もなるだろう。何より、従者である自分たちの命を憐れと思い、どうか助けてください、と最後は姫の情に訴えた。
アララギ、センリウ母娘の嘆願によって、チンリウ姫は憐れみの心から、ついにエームス太子の思いを受け入れることに決めた。
エームス太子はさっそく三人を牢獄から解放し、立派な衣装に着替えさせ、宮殿に迎え入れた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm8113
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 497頁
修補版:
校定版:
280頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
の
奥殿
(
おくでん
)
には、
002
エームス
王
(
わう
)
只一人
(
ただひとり
)
黙然
(
もくねん
)
として
恋
(
こひ
)
に
悩
(
なや
)
みながら、
003
微
(
かすか
)
な
声
(
こゑ
)
にて
述懐
(
じゆつくわい
)
を
歌
(
うた
)
ひつつありぬ。
004
『この
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れて
二十
(
にじふ
)
年
(
ねん
)
005
父
(
ちち
)
と
母
(
はは
)
との
膝下
(
ひざもと
)
に
006
貴
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
よと
育
(
はぐく
)
まれ
007
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
諸々
(
もろもろ
)
の
008
司
(
つかさ
)
や
側女
(
そばめ
)
にかしづかれ
009
楽
(
たの
)
しき
春秋
(
しゆんじう
)
おくり
来
(
き
)
て
010
ここに
二十年
(
はたち
)
の
春
(
はる
)
を
迎
(
むか
)
へ
011
もののあはれを
知
(
し
)
り
初
(
そ
)
めて
012
悩
(
なや
)
みの
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
みつつ
013
あらぬ
恋路
(
こひぢ
)
にとらはれて
014
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なの
苦
(
くる
)
しみを
015
語
(
かた
)
らふ
術
(
すべ
)
も
泣
(
な
)
くばかり
016
わが
身
(
み
)
は
恋
(
こひ
)
にとらはれて
017
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
身体
(
からたま
)
細
(
ほそ
)
りつつ
018
玉
(
たま
)
の
生命
(
いのち
)
も
朦朧
(
もうろう
)
と
019
行方
(
ゆくへ
)
知
(
し
)
らずの
思
(
おも
)
ひなり
020
ああ
如何
(
いか
)
にせむわが
恋
(
こ
)
ふる
021
姫
(
ひめ
)
はまさしく
敵国
(
てきこく
)
の
022
アヅミの
王
(
きみ
)
の
娘
(
むすめ
)
とかや
023
わが
父
(
ちち
)
の
力
(
ちから
)
は
如何
(
いか
)
に
勝
(
まさ
)
るとも
024
情
(
なさけ
)
は
如何
(
いか
)
に
深
(
ふか
)
くとも
025
この
恋
(
こひ
)
のみは
如何
(
いか
)
にして
026
成
(
な
)
りとげ
得
(
う
)
べき
由
(
よし
)
もなし
027
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
消
(
き
)
えむと
思
(
おも
)
ふまで
028
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なにこがれたる
029
生命
(
いのち
)
をかけての
恋人
(
こひびと
)
は
030
げに
悲
(
かな
)
しもよ
敵国
(
てきこく
)
の
031
アヅミの
王
(
きみ
)
の
愛娘
(
まなむすめ
)
と
032
思
(
おも
)
へば
如何
(
いか
)
にこがるとも
033
わが
思
(
おも
)
ひねのとどくべき
034
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
はわが
父
(
ちち
)
の
035
イドムの
国
(
くに
)
を
亡
(
ほろ
)
ぼせし
036
礼
(
ゐや
)
なき
業
(
わざ
)
もにくらしく
037
且
(
か
)
つ
恨
(
うら
)
めしく
思
(
おも
)
はるる
038
生命
(
いのち
)
をかけて
焦
(
こが
)
れたる
039
姫
(
ひめ
)
の
恨
(
うらみ
)
を
如何
(
いか
)
にして
040
はらはむ
由
(
よし
)
も
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
の
041
空
(
そら
)
をふさげる
五月闇
(
さつきやみ
)
042
鳴
(
な
)
く
時鳥
(
ほととぎす
)
声
(
こゑ
)
かれて
043
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
く
思
(
おも
)
ひのわが
身
(
み
)
なり
044
朝月
(
あさづき
)
、
夕月
(
ゆふづき
)
二柱
(
ふたはしら
)
045
心
(
こころ
)
づくしも
今
(
いま
)
となりて
046
何
(
なん
)
の
答
(
いらへ
)
も
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
の
047
短
(
みじか
)
き
心
(
こころ
)
を
如何
(
いか
)
にして
048
われはつながむ
百鳥
(
ももとり
)
の
049
清
(
きよ
)
きなく
音
(
ね
)
も
百花
(
ももばな
)
の
050
香
(
かを
)
りも
吾
(
われ
)
には
醜
(
しこ
)
の
声
(
こゑ
)
051
醜
(
しこ
)
の
小草
(
をぐさ
)
の
花
(
はな
)
なれや
052
見
(
み
)
るもの
聞
(
き
)
くもの
悉
(
ことごと
)
く
053
悲
(
かな
)
しみの
種
(
たね
)
憂
(
うさ
)
の
種
(
たね
)
054
歎
(
なげ
)
きの
種
(
たね
)
と
泣
(
な
)
くばかり
055
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
はわが
生命
(
いのち
)
056
生
(
い
)
きて
詮
(
せん
)
なし
木田川
(
きたがは
)
の
057
水
(
みづ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
になり
果
(
は
)
てて
058
水底
(
みなそこ
)
深
(
ふか
)
くひそみつつ
059
恋
(
こひ
)
の
悩
(
なや
)
みを
流
(
なが
)
さむか
060
ああ
悲
(
かな
)
しけれわが
恋路
(
こひぢ
)
061
ああ
恨
(
うら
)
めしもわが
父
(
ちち
)
の
062
礼
(
ゐや
)
なき
振舞
(
ふるま
)
ひ
今
(
いま
)
となりて
063
吾
(
われ
)
を
恋路
(
こひぢ
)
に
泣
(
な
)
かしむるか
064
果敢
(
はか
)
なき
浮世
(
うきよ
)
のありさまや
065
情
(
つれ
)
なきこの
世
(
よ
)
のたよりかな。
066
わが
恋
(
こ
)
ふる
人
(
ひと
)
は
敵
(
てき
)
ゆゑ
真心
(
まごころ
)
を
067
うたがひかへりて
恨
(
うら
)
みかへせり
068
恋人
(
こひびと
)
はわが
敵国
(
てきこく
)
の
王
(
きみ
)
の
御子
(
みこ
)
と
069
聞
(
き
)
けばきく
程
(
ほど
)
悲
(
かな
)
しかりけり
070
かなはざる
恋
(
こひ
)
と
思
(
おも
)
へどわが
力
(
ちから
)
071
もちて
靡
(
なび
)
けむ
心
(
こころ
)
ならずも
072
心
(
こころ
)
なき
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
愛
(
め
)
づる
不甲斐
(
ふがひ
)
なさ
073
思
(
おも
)
へば
恋
(
こひ
)
はかなしかりけり
074
わが
恋
(
こひ
)
を
許
(
ゆる
)
さぬ
娘
(
むすめ
)
の
真心
(
まごころ
)
を
075
思
(
おも
)
へばふかく
憎
(
にく
)
まれもせず
076
われは
今
(
いま
)
恋
(
こひ
)
の
悪魔
(
あくま
)
にとらはれて
077
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
も
見
(
み
)
えず
闇
(
やみ
)
にさまよふ
078
手折
(
たを
)
るべき
花
(
はな
)
にあらずと
思
(
おも
)
へども
079
思
(
おも
)
ひかへせぬ
術
(
すべ
)
なき
吾
(
われ
)
なり
080
よしや
身
(
み
)
は
川
(
かは
)
の
藻屑
(
もくづ
)
となるとても
081
この
恋心
(
こひごころ
)
永久
(
とは
)
に
失
(
う
)
せざらむ
082
朝月
(
あさづき
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
も
夕月
(
ゆふづき
)
の
083
情言葉
(
なさけことば
)
も
聞
(
き
)
かぬ
姫
(
ひめ
)
かな
084
腰元
(
こしもと
)
のアララギうまくとりこみて
085
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
を
動
(
うご
)
かさむかな』
086
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
087
朝月
(
あさづき
)
、
088
夕月
(
ゆふづき
)
は
恭
(
うやうや
)
しくも
御前
(
みまへ
)
に
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
りて
歌
(
うた
)
ふ。
089
朝月
(
あさづき
)
『いろいろと
言霊戦
(
ことたまいくさ
)
射向
(
いむか
)
へど
090
千引
(
ちびき
)
の
巌
(
いは
)
の
動
(
うご
)
くともせず
091
チンリウの
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
は
大岩
(
おほいは
)
の
092
装
(
よそほ
)
ひなしてびくとも
動
(
うご
)
かず
093
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
つくしてかけ
合
(
あ
)
へど
094
よろしき
便
(
たより
)
なく
由
(
よし
)
もなき
095
わが
王
(
きみ
)
に
会
(
あ
)
はさむ
顔
(
かほ
)
もなきままに
096
悩
(
なや
)
みて
居
(
を
)
りぬ
夕月
(
ゆふづき
)
と
共
(
とも
)
に』
097
夕月
(
ゆふづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
098
『
若王
(
わかぎみ
)
の
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
を
照
(
て
)
らさむと
099
思
(
おも
)
ひしことも
夢
(
ゆめ
)
となりける
100
御
(
おん
)
父
(
ちち
)
を
恨
(
うら
)
む
心
(
こころ
)
の
深
(
ふか
)
くして
101
チンリウ
姫
(
ひめ
)
は
少
(
すこ
)
しも
動
(
うご
)
かず
102
わが
力
(
ちから
)
最早
(
もはや
)
尽
(
つ
)
きたりこの
上
(
うへ
)
は
103
手玉
(
てだま
)
を
替
(
か
)
へてのぞまむと
思
(
おも
)
ふ』
104
エームス
王
(
わう
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
105
『さまざまと
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
が
働
(
はたら
)
きを
106
吾
(
われ
)
よみすれど
心
(
こころ
)
さみしき
107
この
上
(
うへ
)
は
侍女
(
じぢよ
)
のアララギ
呼
(
よ
)
び
出
(
いだ
)
し
108
先
(
ま
)
づは
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
すべきかな
109
利
(
り
)
を
以
(
もつ
)
てさそへば
侍女
(
じぢよ
)
のアララギは
110
必
(
かなら
)
ず
靡
(
なび
)
かむ
如何
(
いか
)
に
思
(
おも
)
ふぞ』
111
朝月
(
あさづき
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
歌
(
うた
)
ふ。
112
『
若王
(
わかぎみ
)
の
御言
(
みこと
)
かしこみアララギを
113
招
(
まね
)
きて
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
をさそはむ』
114
夕月
(
ゆふづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
115
『アララギの
心
(
こころ
)
動
(
うご
)
かば
必
(
かなら
)
ずや
116
チンリウ
姫
(
ひめ
)
もまつろひ
来
(
きた
)
らむ』
117
斯
(
か
)
くて
朝月
(
あさづき
)
、
118
夕月
(
ゆふづき
)
は
獄吏
(
ごくり
)
に
命
(
めい
)
じ、
119
アララギを
縛
(
しば
)
りたるまま、
120
王
(
わう
)
の
前
(
まへ
)
に
引
(
ひ
)
き
来
(
きた
)
らしめければ、
121
万事
(
ばんじ
)
に
抜目
(
ぬけめ
)
なきアララギは、
122
斯
(
か
)
くやと
早合点
(
はやがてん
)
しつつエームス
王
(
わう
)
の
前
(
まへ
)
に
引出
(
ひきだ
)
され、
123
平然
(
へいぜん
)
として
控
(
ひか
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
124
朝月
(
あさづき
)
は
先
(
ま
)
づアララギに
向
(
むか
)
ひて
歌
(
うた
)
ふ。
125
『チンリウの
姫
(
ひめ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
汝
(
な
)
は
乳母
(
うば
)
の
126
アララギなるかいざ
言問
(
ことと
)
はむ
127
苦
(
くる
)
しかる
獄舎
(
ひとや
)
につながれうごかぬ
姫
(
ひめ
)
は
128
汝
(
なれ
)
を
力
(
ちから
)
にたのむなるらむ
129
さまざまの
責苦
(
せめく
)
にあふより
安
(
やす
)
らけく
130
位
(
くらゐ
)
と
栄
(
さか
)
えをほりせざるにや
131
汝
(
な
)
が
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つによりてチンリウ
姫
(
ひめ
)
132
センリウ
姫
(
ひめ
)
も
花
(
はな
)
と
栄
(
さか
)
ゆべきを
133
チンリウの
姫
(
ひめ
)
を
殺
(
ころ
)
すも
永遠
(
とことは
)
に
134
花
(
はな
)
と
活
(
い
)
かすも
汝
(
なれ
)
の
力
(
ちから
)
よ
135
アララギよ
心
(
こころ
)
しづめて
答
(
いら
)
へせよ
136
汝
(
なれ
)
が
生死
(
せいし
)
の
境
(
さかひ
)
なるぞや
137
わが
王
(
きみ
)
の
厚
(
あつ
)
き
心
(
こころ
)
をなみすれば
138
三人
(
みたり
)
の
生命
(
いのち
)
は
危
(
あや
)
ふかるべし』
139
アララギは
怖気
(
おそれげ
)
もなく
満面
(
まんめん
)
に
笑
(
ゑ
)
みを
湛
(
たた
)
へつつ
歌
(
うた
)
ふ。
140
『
及
(
およ
)
ばざる
吾
(
われ
)
なりながら
姫君
(
ひめぎみ
)
に
141
王
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
を
伝
(
つた
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
142
二十年
(
はたとせ
)
を
仕
(
つか
)
へ
来
(
きた
)
りし
姫
(
ひめ
)
なれば
143
わが
言霊
(
ことたま
)
をうべなひ
給
(
たま
)
はむ
144
さりながら
姫
(
ひめ
)
は
御
(
おん
)
父
(
ちち
)
御
(
おん
)
母
(
はは
)
を
145
恨
(
うら
)
ませ
給
(
たま
)
へば
受
(
う
)
け
合
(
あ
)
ひがたし
146
言霊
(
ことたま
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
して
147
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
を
動
(
うご
)
かして
見
(
み
)
む』
148
朝月
(
あさづき
)
は
面
(
おも
)
をやはらげながら、
149
『アララギの
言葉
(
ことば
)
よろしも
若王
(
わかぎみ
)
の
150
御
(
おん
)
為
(
ため
)
誠
(
まこと
)
をつくし
給
(
たま
)
はれ
151
若王
(
わかぎみ
)
の
心
(
こころ
)
にかなひ
奉
(
まつ
)
りなば
152
汝
(
なれ
)
も
御国
(
みくに
)
の
花
(
はな
)
と
栄
(
さか
)
えむ
153
永遠
(
とこしへ
)
の
生命
(
いのち
)
保
(
たも
)
ちてこの
城
(
しろ
)
に
154
花
(
はな
)
と
匂
(
にほ
)
ひつ
清
(
きよ
)
く
栄
(
さか
)
えよ』
155
エームス
王
(
わう
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
156
『さかしかる
汝
(
なれ
)
アララギを
力
(
ちから
)
とし
157
姫
(
ひめ
)
のよろしき
便
(
たより
)
を
待
(
ま
)
たむ
158
わが
思
(
おも
)
ひ
汝
(
なれ
)
が
力
(
ちから
)
になるならば
159
吾
(
われ
)
は
報
(
むく
)
いむ
位
(
くらゐ
)
を
与
(
あた
)
へて』
160
アララギは
歌
(
うた
)
ふ。
161
『ありがたし
若王
(
わかぎみ
)
様
(
さま
)
の
御宣言
(
みことのり
)
162
生命
(
いのち
)
捨
(
す
)
ててもかなはせ
奉
(
まつ
)
らむ』
163
これよりアララギは、
164
王
(
わう
)
の
御前
(
みまへ
)
をさがり、
165
朝月
(
あさづき
)
、
166
夕月
(
ゆふづき
)
の
従神
(
じうしん
)
に
送
(
おく
)
られ、
167
チンリウ
姫
(
ひめ
)
が
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
められて
居
(
ゐ
)
る
獄舎
(
ひとや
)
に
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
り、
168
チンリウ
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
を
動
(
うご
)
かすべく、
169
言葉
(
ことば
)
をつくして
歌
(
うた
)
ふ。
170
『チンリウ
姫
(
ひめ
)
よ
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
171
われは
御前
(
みまへ
)
に
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
され
172
さも
恐
(
おそ
)
ろしきくさぐさの
173
王
(
きみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
目
(
ま
)
のあたり
174
宣
(
の
)
り
聞
(
き
)
かされて
驚
(
おどろ
)
きぬ
175
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
三人
(
みたり
)
は
今宵限
(
こよひかぎ
)
り
176
夕
(
ゆふ
)
べの
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
ゆる
身
(
み
)
よ
177
水責
(
みづぜ
)
め
火責
(
ひぜ
)
めは
未
(
ま
)
だ
愚
(
おろ
)
か
178
あらゆる
責苦
(
せめく
)
にあはされて
179
嬲
(
なぶ
)
り
殺
(
ごろ
)
しにあふところ
180
わが
言霊
(
ことたま
)
を
善用
(
ぜんよう
)
し
181
エームス
王
(
わう
)
の
御
(
おん
)
心
(
こころ
)
182
和
(
なご
)
め
奉
(
まつ
)
ると
百千々
(
ももちぢ
)
に
183
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
きし
甲斐
(
かひ
)
ありて
184
姫君
(
ひめぎみ
)
様
(
さま
)
の
返辞
(
いらへごと
)
185
一
(
ひと
)
つによりて
生死
(
いきしに
)
の
186
別
(
わか
)
るるきはとなりにけり
187
チンリウ
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
君
(
きみ
)
よ
188
生命
(
いのち
)
ありての
物種
(
ものだね
)
よ
189
如何
(
いか
)
なる
恨
(
うら
)
みはおはすとも
190
生命
(
いのち
)
なければ
報
(
むく
)
ゆべき
191
術
(
すべ
)
は
絶対
(
ぜつたい
)
なかるべし
192
ここは
暫
(
しばら
)
く
御心
(
みこころ
)
を
193
和
(
なご
)
め
給
(
たま
)
ひてエームスの
194
王
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
にまつろひて
195
惜
(
を
)
しき
生命
(
いのち
)
を
保
(
たも
)
ちませ
196
アララギ
吾
(
われ
)
も
姫君
(
ひめぎみ
)
と
197
同
(
おな
)
じ
心
(
こころ
)
に
恨
(
うら
)
めども
198
何
(
なん
)
とせむ
術
(
すべ
)
なきままに
199
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
を
200
エームス
王
(
わう
)
の
妃
(
ひ
)
の
君
(
きみ
)
に
201
奉
(
たてまつ
)
らむと
誓
(
ちか
)
ひけり
202
許
(
ゆる
)
させ
給
(
たま
)
へ
姫君
(
ひめぎみ
)
よ
203
恋
(
こひ
)
しき
御
(
おん
)
父
(
ちち
)
御
(
おん
)
母
(
はは
)
に
204
会
(
あ
)
はせ
奉
(
まつ
)
るとアララギが
205
真心
(
まごころ
)
こめての
仕組
(
しぐみ
)
なり
206
必
(
かなら
)
ず
悪
(
あ
)
しく
思
(
おぼ
)
すまじ
207
忠義
(
ちうぎ
)
一途
(
いちづ
)
に
固
(
かた
)
まりし
208
このアララギの
真心
(
まごころ
)
を
209
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
し
210
エームス
王
(
わう
)
の
恋心
(
こひごころ
)
211
満
(
み
)
たさせ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
212
神
(
かみ
)
の
仕組
(
しぐみ
)
と
思
(
おも
)
ふ
故
(
ゆゑ
)
213
真心
(
まごころ
)
こめて
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
214
若
(
も
)
しも
諾
(
うべな
)
ひ
給
(
たま
)
はずば
215
アヅミの
王
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
娘
(
むすめ
)
216
尊
(
たふと
)
き
御
(
おん
)
身
(
み
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
217
重
(
おも
)
き
生命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれて
218
仇
(
あだ
)
をかへさむ
由
(
よし
)
もなく
219
恨
(
うら
)
みの
鬼
(
おに
)
となり
下
(
さが
)
り
220
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
瀬
(
せ
)
は
221
泣
(
な
)
くなく
歎
(
なげ
)
きに
沈
(
しづ
)
むらむ
222
まげて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
願
(
ねが
)
ひをば
223
許
(
ゆる
)
させ
給
(
たま
)
へと
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る。
224
姫君
(
ひめぎみ
)
の
心
(
こころ
)
知
(
し
)
らずにあらねども
225
生命
(
いのち
)
のためにすすめ
奉
(
まつ
)
るも
226
姫君
(
ひめぎみ
)
の
生命
(
いのち
)
を
無事
(
ぶじ
)
にささへつつ
227
御親
(
みおや
)
の
恨
(
うら
)
みはらさむと
思
(
おも
)
ふ』
228
チンリウ
姫
(
ひめ
)
はわづかに
歌
(
うた
)
ふ。
229
『
情
(
なさけ
)
なき
乳母
(
うば
)
アララギの
言葉
(
ことば
)
かな
230
敵
(
てき
)
にわが
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
すべきやは
231
武士
(
もののふ
)
の
娘
(
むすめ
)
と
生
(
うま
)
れし
吾
(
われ
)
なれば
232
よしや
死
(
し
)
すとも
惜
(
を
)
しまざるべし
233
アララギの
礼
(
ゐや
)
なき
言葉
(
ことば
)
聞
(
き
)
くにつけ
234
わが
魂
(
たましひ
)
は
死
(
し
)
せむとするも
235
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
惜
(
を
)
しみて
父母
(
ちちはは
)
の
236
仇
(
あだ
)
にまつらふ
不孝
(
ふかう
)
はなさじ
237
千万
(
ちよろづ
)
の
甘
(
あま
)
き
言葉
(
ことば
)
も
吾
(
わが
)
身
(
み
)
には
238
濁
(
にご
)
れる
曲
(
まが
)
のささやきなりける』
239
センリウ
女
(
ぢよ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
240
『
姫君
(
ひめぎみ
)
の
言葉
(
ことば
)
うべよと
思
(
おも
)
へども
241
ここ
暫
(
しばら
)
くを
忍
(
しの
)
ばせ
給
(
たま
)
へ
242
姫君
(
ひめぎみ
)
の
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つにつながりし
243
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
生命
(
いのち
)
あはれみ
給
(
たま
)
へ
244
姫君
(
ひめぎみ
)
の
答
(
いらへ
)
の
如何
(
いかん
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
245
玉
(
たま
)
の
生命
(
いのち
)
にかかはるものぞや
246
わが
母
(
はは
)
と
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
生命
(
いのち
)
諸共
(
もろとも
)
に
247
救
(
すく
)
はせ
給
(
たま
)
へチンリウの
姫君
(
ひめぎみ
)
』
248
チンリウ
姫
(
ひめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
249
『
恨
(
うら
)
めしき
仇
(
あだ
)
なりながら
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
母子
(
おやこ
)
の
250
生命
(
いのち
)
思
(
おも
)
へばためらひ
心
(
ごころ
)
湧
(
わ
)
く
251
如何
(
いか
)
にせむ
行
(
ゆ
)
きもかへりもならぬ
身
(
み
)
の
252
吾
(
われ
)
は
死
(
し
)
すより
苦
(
くる
)
しかりけり
253
アララギやセンリウ
姫
(
ひめ
)
を
殺
(
ころ
)
すかと
254
思
(
おも
)
へばかなしき
生命
(
いのち
)
のわが
身
(
み
)
よ
255
わが
心
(
こころ
)
かなはずまでも
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
256
エームス
王
(
わう
)
の
御言
(
みこと
)
にかなはむ』
257
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
るや、
258
朝月
(
あさづき
)
、
259
夕月
(
ゆふづき
)
は
物蔭
(
ものかげ
)
より
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
260
声
(
こゑ
)
もさはやかに
歌
(
うた
)
ふ。
261
朝月
(
あさづき
)
の
歌
(
うた
)
。
262
『あはれあはれ
姫
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
の
大
(
おほ
)
きさに
263
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
は
甦
(
よみがへ
)
りたり
264
エームスの
王
(
きみ
)
はさぞかし
御心
(
みこころ
)
の
265
清
(
きよ
)
きを
聞
(
き
)
きて
歓
(
ゑら
)
ぎ
給
(
たま
)
はむ
266
吾
(
われ
)
もまたチンリウ
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
言葉
(
ことば
)
267
聞
(
き
)
きて
生命
(
いのち
)
の
栄
(
さか
)
えを
思
(
おも
)
ふ』
268
夕月
(
ゆふづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
269
『ありがたし
心
(
こころ
)
つくしの
海
(
うみ
)
の
面
(
も
)
に
270
冴
(
さ
)
えたる
月
(
つき
)
は
浮
(
うか
)
ばせ
給
(
たま
)
へり
271
チンリウ
姫
(
ひめ
)
雄々
(
をを
)
しき
心
(
こころ
)
聞
(
き
)
くにつけ
272
吾
(
われ
)
はかげより
男泣
(
をとこな
)
きせり
273
ありがたき
御代
(
みよ
)
の
栄
(
さか
)
えのためしかな
274
エームス
王
(
わう
)
に
妃
(
きさき
)
迎
(
むか
)
へて
275
いざさらば
王
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
にまつぶさに
276
姫
(
ひめ
)
の
真心
(
まごころ
)
伝
(
つた
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
277
アララギよチンリウ
姫
(
ひめ
)
よセンリウよ
278
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
かれやがて
迎
(
むか
)
へむ』
279
アララギは
歌
(
うた
)
ふ。
280
『ありがたしチンリウ
姫
(
ひめ
)
の
真心
(
まごころ
)
に
281
われ
等
(
ら
)
が
生命
(
いのち
)
救
(
すく
)
はれしはや
282
エームスの
王
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
にわが
宣
(
の
)
りし
283
生言霊
(
いくことたま
)
を
伝
(
つた
)
へ
給
(
たま
)
へよ』
284
朝月
(
あさづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
285
『アララギの
心
(
こころ
)
づくしの
功績
(
いさをし
)
を
286
うまらに
王
(
きみ
)
に
伝
(
つた
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
287
よき
便
(
たよ
)
り
待
(
ま
)
たせ
給
(
たま
)
へよ
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
288
王
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
にかへりごとせむ』
289
斯
(
か
)
くしてエームス
王
(
わう
)
の
恋
(
こひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
曙光
(
しよくわう
)
見
(
み
)
えたれば、
290
王
(
わう
)
は
直
(
ただ
)
ちにチンリウ
姫
(
ひめ
)
以下
(
いか
)
を
牢獄
(
らうごく
)
より
開放
(
かいはう
)
し、
291
立派
(
りつぱ
)
なる
衣裳
(
いしやう
)
に
着替
(
きか
)
へさせ、
292
王
(
わう
)
の
宮殿
(
きうでん
)
に
参入
(
さんにふ
)
せしむることとはなりぬ。
293
(
昭和九・八・一四
旧七・五
於水明閣
内崎照代
謹録)
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