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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第81巻(申の巻)
総説
第1篇 伊佐子の島
第1章 イドム戦
第2章 月光山
第3章 月見の池
第4章 遷座式
第5章 心の禊
第6章 月見の宴
第2篇 イドムの嵐
第7章 月音し
第8章 人魚の勝利
第9章 維新の叫び
第10章 復古運動
第3篇 木田山城
第11章 五月闇
第12章 木田山颪
第13章 思ひの掛川
第14章 鷺と烏
第15章 厚顔無恥
第4篇 猛獣思想
第16章 亀神の救ひ
第17章 再生再会
第18章 蠑螈の精
第19章 悪魔の滅亡
第20章 悔悟の花
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第81巻(申の巻)
> 第4篇 猛獣思想 > 第20章 悔悟の花
<<< 悪魔の滅亡
(B)
(N)
余白歌 >>>
第二〇章
悔悟
(
くわいご
)
の
花
(
はな
)
〔二〇四七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第81巻 天祥地瑞 申の巻
篇:
第4篇 猛獣思想
よみ(新仮名遣い):
もうじゅうしそう
章:
第20章 悔悟の花
よみ(新仮名遣い):
かいごのはな
通し章番号:
2047
口述日:
1934(昭和9)年08月15日(旧07月6日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
引退を宣言して身を隠していたナーリスは、部下のナイトを数百従えて反乱軍の群集の前に整然と現れ、声高らかに悪人たちの滅亡を告げた。そして、政局の混乱は自分が収めて善政を敷くことを約束し、民衆に武器を収めて元の営みに立ち返るよう説得した。
反乱軍の群集側からは夕月が現れ、ナーリスを中心として新しい国政を立て直すことを宣言した。ナーリスと夕月は混乱の収拾を祝しつつ、述懐の歌を歌った。
ナーリスと夕月は部下を従えて城内に入り、万事後片付けをすると、重臣たちを集めて国乱を鎮定した祝賀の席を設けた。
一同は述懐の歌を歌いあい、悪女・アララギがイドム国からやってきたことが国難の始めであったと回顧した。ナーリスは、王の言葉に従って早くサール国に帰還したために、すんでのところでサール国の自滅を防ぐことができたことを述懐した。
かくする折りしも、数千の騎士たちがイドム国から逃げ帰ってきた。サール軍の副将チンリンは、エールス王・王妃・左守チクター・軍師エーマンら首脳陣はすべて命を落とし、アヅミ王の反攻勢い強く、サール軍はイドム国を追われてしまったことを報告した。
ナーリス、夕月ら一同はこの報告に顔色を変え、茫然として言葉を失ってしまった。そして、チンリンから王の落命について聞くと、一同は、他国を戦によって奪おうとした欲の罪により、王の一族の血筋が絶えることになってしまったことに思い至った。
ナーリスは、残された重臣一同、誠一つに心を合わせて国の再建を行う決意を表した。そして、エールス王が残した戒めを忘れず、今後は天地の神を畏れ謹んで誠の道を進んで行くことを、改めて重臣一同に示した。
ナーリスはサール国内に王一族の不幸を告示し、盛大な葬儀を執り行った。そして、木田山城内に荘厳な主の神の御舎を造営し、朝夕、正しい政治が行われるようにとの祈願を怠らなかった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2016-11-03 04:14:48
OBC :
rm8120
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 537頁
修補版:
校定版:
425頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
贋
(
にせ
)
のエームス
王
(
わう
)
や、
002
贋
(
にせ
)
のチンリウ
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
め、
003
乳母
(
うば
)
アララギに
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を
残
(
のこ
)
し
城内
(
じやうない
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でたる
左守司
(
さもりつかさ
)
のナーリスは、
004
群衆
(
ぐんしう
)
の
犇
(
ひしめ
)
き
立
(
た
)
てる
大混乱
(
だいこんらん
)
の
巷
(
ちまた
)
に
数百
(
すうひやく
)
の
騎士
(
ナイト
)
を
従
(
したが
)
へ、
005
隊伍
(
たいご
)
整然
(
せいぜん
)
として
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
006
十字路
(
じふじろ
)
に
立
(
た
)
ちて、
007
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
ふ。
008
『サールの
国
(
くに
)
の
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
009
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
の
人々
(
ひとびと
)
よ
010
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
へ
吾
(
われ
)
こそは
011
イドムの
国
(
くに
)
に
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せて
012
勝鬨
(
かちどき
)
あげしナーリスよ
013
今
(
いま
)
は
左守
(
さもり
)
の
神
(
かみ
)
となり
014
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
に
帰
(
かへ
)
りしが
015
エームス
王
(
わう
)
は
悪神
(
あくがみ
)
に
016
生命
(
いのち
)
奪
(
うば
)
はれ
怪
(
あや
)
しかる
017
贋
(
にせ
)
のエームス
君臨
(
くんりん
)
し
018
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
のアララギが
019
娘
(
むすめ
)
が
妃
(
きさき
)
となりすまし
020
暴威
(
ぼうゐ
)
を
振
(
ふ
)
るひ
居
(
ゐ
)
たりしが
021
愛国
(
あいこく
)
志士
(
しし
)
の
団体
(
だんたい
)
に
022
攻
(
せ
)
め
立
(
た
)
てられし
悪魔
(
あくま
)
等
(
ら
)
は
023
忽
(
たちま
)
ち
煙
(
けむり
)
と
消
(
き
)
えにけり
024
かくなる
上
(
うへ
)
は
人々
(
ひとびと
)
よ
025
最早
(
もはや
)
騒
(
さわ
)
ぐに
及
(
およ
)
ぶまじ
026
サールの
国
(
くに
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
027
平安
(
へいあん
)
無事
(
ぶじ
)
に
守
(
まも
)
りつつ
028
各
(
おのおの
)
業
(
げふ
)
に
安
(
やす
)
んじて
029
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
生活
(
くらし
)
を
楽
(
たの
)
しめよ
030
吾
(
われ
)
は
之
(
これ
)
より
城内
(
じやうない
)
に
031
騎士
(
ナイト
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
立帰
(
たちかへ
)
り
032
乱
(
みだ
)
れ
果
(
は
)
てたる
秩序
(
ちつじよ
)
をば
033
全
(
まつた
)
く
元
(
もと
)
に
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
034
善政
(
ぜんせい
)
を
布
(
し
)
かむ
覚悟
(
かくご
)
なり
035
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
国人
(
くにびと
)
よ
036
心
(
こころ
)
を
安
(
やす
)
んじ
給
(
たま
)
ふべし
037
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
へ
諸人
(
もろびと
)
よ
038
其
(
そ
)
の
他
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
039
一先
(
ひとま
)
づ
鉾
(
ほこ
)
を
納
(
をさ
)
めませ
040
エールス
王
(
わう
)
は
遥々
(
はるばる
)
と
041
イドムの
国
(
くに
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
042
時
(
とき
)
めき
給
(
たま
)
ふ
功績
(
いさをし
)
を
043
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
国人
(
くにびと
)
恐
(
おそ
)
れずや
044
エールス
王
(
わう
)
が
軍隊
(
ぐんたい
)
を
045
数多
(
あまた
)
引連
(
ひきつ
)
れ
此
(
こ
)
の
国
(
くに
)
に
046
再
(
ふたた
)
び
帰
(
かへ
)
りますならば
047
汝
(
なれ
)
が
生活
(
くらし
)
は
弥益
(
いやます
)
も
048
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しくありぬべし
049
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
鎮
(
しづ
)
まれ
疾
(
と
)
く
早
(
はや
)
く
050
吾
(
われ
)
は
左守
(
さもり
)
のナーリスよ
051
真
(
まこと
)
の
悪魔
(
あくま
)
は
亡
(
ほろ
)
びたり
052
平地
(
へいち
)
に
波
(
なみ
)
を
起
(
おこ
)
すべき
053
理由
(
りいう
)
は
無
(
な
)
からむ
速
(
すみや
)
かに
054
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くに
鎮
(
しづ
)
まれよ
055
後
(
あと
)
は
吾々
(
われわれ
)
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
056
望
(
のぞ
)
みを
詳細
(
つぶさ
)
に
聞
(
きこ
)
え
上
(
あ
)
げ
057
其
(
そ
)
の
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
すべし』
058
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
059
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
より
群衆
(
ぐんしう
)
に
押
(
お
)
されながら、
060
馬上
(
ばじやう
)
ゆたかに
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
る
勇士
(
ゆうし
)
は、
061
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
夕月
(
ゆふづき
)
なりけり。
062
夕月
(
ゆふづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
063
『
悪魔
(
あくま
)
の
昼夜
(
ちうや
)
にはびこりし
064
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
は
鎮
(
しづ
)
まりぬ
065
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
率
(
ひき
)
ゆる
大丈夫
(
ますらを
)
の
066
御国
(
みくに
)
を
思
(
おも
)
ふ
真心
(
まごころ
)
は
067
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
とに
通
(
つう
)
じけむ
068
暴逆
(
ぼうぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
のアララギも
069
奸佞
(
かんねい
)
邪智
(
じやち
)
なるセンリウも
070
蠑螈
(
いもり
)
の
精
(
せい
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
071
贋
(
にせ
)
のエームス
王
(
わう
)
までも
072
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
亡
(
ほろ
)
びたり
073
もう
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
は
吾々
(
われわれ
)
は
074
左守
(
さもり
)
の
神
(
かみ
)
を
力
(
ちから
)
とし
075
乱
(
みだ
)
れ
果
(
は
)
てたる
国原
(
くにはら
)
を
076
清
(
きよ
)
め
澄
(
す
)
まして
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
077
至治
(
しち
)
太平
(
たいへい
)
の
世
(
よ
)
となさむ
078
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
079
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みに
080
国
(
くに
)
に
仇
(
あだ
)
なす
曲神
(
まがかみ
)
は
081
全
(
まつた
)
く
影
(
かげ
)
を
隠
(
かく
)
しけり
082
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
心
(
こころ
)
を
安
(
やす
)
んぜよ
083
サールの
国
(
くに
)
は
生
(
うま
)
れたり
084
亡
(
ほろ
)
び
行
(
ゆ
)
くなる
国原
(
くにはら
)
は
085
汝
(
なれ
)
等
(
ら
)
群衆
(
ぐんしう
)
の
真心
(
まごころ
)
に
086
蘇
(
よみがへ
)
りたる
嬉
(
うれ
)
しさよ
087
いざ
是
(
これ
)
よりは
国人
(
くにびと
)
よ
088
ナーリス
左守
(
さもり
)
を
信頼
(
しんらい
)
し
089
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
を
委
(
ゆだ
)
ねつつ
090
心
(
こころ
)
平穏
(
おだひ
)
に
引
(
ひ
)
けよかし
091
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
092
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
093
感謝
(
かんしや
)
を
捧
(
ささ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
る』
094
斯
(
か
)
くて
左守
(
さもり
)
と
夕月
(
ゆふづき
)
は
十字
(
じふじ
)
街頭
(
がいとう
)
に
大衆
(
たいしう
)
を
率
(
ひき
)
ゐたるままで
邂逅
(
かいこう
)
し、
095
互
(
たがひ
)
に
暴動
(
ぼうどう
)
の
無事
(
ぶじ
)
治
(
をさ
)
まりしを
祝
(
しゆく
)
し
合
(
あ
)
ひつつ、
096
夕月
(
ゆふづき
)
は
先
(
ま
)
づ
歌
(
うた
)
ふ。
097
『
常暗
(
とこやみ
)
の
雲
(
くも
)
は
晴
(
は
)
れにつ
久方
(
ひさかた
)
の
098
月日
(
つきひ
)
は
清
(
きよ
)
く
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
れり
099
汝
(
なれ
)
こそは
左守
(
さもり
)
の
神
(
かみ
)
よ
乱
(
みだ
)
れたる
100
此
(
こ
)
の
世
(
よ
)
の
縺
(
もつ
)
れを
解
(
と
)
かせ
給
(
たま
)
へり
101
曲神
(
まがかみ
)
は
残
(
のこ
)
らず
亡
(
ほろ
)
び
失
(
う
)
せにけり
102
いざ
是
(
これ
)
よりは
君
(
きみ
)
に
頼
(
たよ
)
らむ』
103
ナーリスは
歌
(
うた
)
ふ。
104
『
遥々
(
はるばる
)
とイドムの
国
(
くに
)
より
帰
(
かへ
)
り
来
(
こ
)
し
105
間
(
ま
)
もあらなくに
此
(
こ
)
の
騒
(
さわ
)
ぎみし
106
夕月
(
ゆふづき
)
の
君
(
きみ
)
の
真心
(
まごころ
)
力
(
ちから
)
とし
107
吾
(
われ
)
は
仕
(
つか
)
へむ
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
に』
108
これより
左守
(
さもり
)
のナーリスは、
109
愛国
(
あいこく
)
団体
(
だんたい
)
の
隊長
(
たいちやう
)
夕月
(
ゆふづき
)
と
共
(
とも
)
に
騎士
(
ナイト
)
に
守
(
まも
)
られ、
110
城内
(
じやうない
)
深
(
ふか
)
く
浸入
(
しんにふ
)
し、
111
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
の
後片附
(
あとかたづけ
)
をなし、
112
重臣
(
ぢゆうしん
)
等
(
たち
)
を
一間
(
ひとま
)
に
集
(
あつ
)
めて
国乱
(
こくらん
)
鎮定
(
ちんてい
)
の
祝賀会
(
しゆくがくわい
)
を
催
(
もよほ
)
しける。
113
重
(
おも
)
なる
参会者
(
さんくわいしや
)
はナーリスを
初
(
はじ
)
め
夕月
(
ゆふづき
)
、
114
滝津瀬
(
たきつせ
)
、
115
山風
(
やまかぜ
)
、
116
青山
(
あをやま
)
、
117
紫
(
むらさき
)
、
118
玉山
(
たまやま
)
等
(
など
)
の
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
重臣
(
ぢうしん
)
なりける。
119
青山
(
あをやま
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
120
『
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
と
左守司
(
さもりつかさ
)
121
夕月司
(
ゆふづきつかさ
)
に
治
(
をさ
)
まりしはや
122
刈菰
(
かりごも
)
の
乱
(
みだ
)
れ
果
(
は
)
てたる
国原
(
くにはら
)
も
123
君
(
きみ
)
の
力
(
ちから
)
に
治
(
をさ
)
まりにけり
124
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
国人
(
くにびと
)
等
(
たち
)
は
悪政
(
あくせい
)
に
125
苦
(
くる
)
しめられて
喘
(
あへ
)
ぎ
居
(
ゐ
)
しはや
126
かくならば
思
(
おも
)
ふことなしサールの
国
(
くに
)
は
127
いや
益々
(
ますます
)
に
栄
(
さか
)
え
行
(
ゆ
)
くらむ』
128
紫
(
むらさき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
129
『
長
(
なが
)
き
日
(
ひ
)
を
鄙
(
ひな
)
に
潜
(
ひそ
)
みて
国
(
くに
)
の
状態
(
さま
)
130
吾
(
われ
)
は
細々
(
こまごま
)
調査
(
しら
)
べ
来
(
き
)
にけり
131
只
(
ただ
)
ならぬ
大事
(
だいじ
)
起
(
おこ
)
ると
常々
(
つねづね
)
に
132
忠告
(
ちうこく
)
せしも
聞
(
き
)
かれざりけり
133
城内
(
じやうない
)
に
数多
(
あまた
)
の
曲津
(
まがつ
)
潜
(
ひそ
)
み
居
(
ゐ
)
て
134
益々
(
ますます
)
国
(
くに
)
は
乱
(
みだ
)
れ
果
(
は
)
てけり
135
怪
(
あや
)
しかる
女
(
をみな
)
アララギ
覇
(
は
)
をとなへ
136
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
は
闇
(
やみ
)
となりける
137
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
は
御空
(
みそら
)
に
靡
(
なび
)
けども
138
中空
(
なかぞら
)
の
雲
(
くも
)
黒々
(
くろぐろ
)
覆
(
おほ
)
ひし
139
行先
(
ゆくさき
)
は
如何
(
いかが
)
ならむとわづらひし
140
心遣
(
こころづか
)
ひも
夢
(
ゆめ
)
となりしか
141
エールスの
王
(
きみ
)
の
戦
(
いくさ
)
に
出
(
い
)
でしより
142
一入
(
ひとしほ
)
サールの
国
(
くに
)
は
乱
(
みだ
)
れし』
143
玉山
(
たまやま
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
144
『イドムより
怪
(
あや
)
しき
女
(
をみな
)
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り
145
サールの
国
(
くに
)
は
乱
(
みだ
)
されにけり
146
捕虜
(
ほりよ
)
として
捕
(
とら
)
へ
帰
(
かへ
)
りし
魔
(
ま
)
の
女
(
をみな
)
に
147
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
は
傾
(
かたむ
)
きしはや
148
今日
(
けふ
)
となりて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
まりぬ
149
亡
(
ほろ
)
びむとする
国
(
くに
)
のいのちを
150
如何
(
いか
)
にして
亡
(
ほろ
)
びむ
国
(
くに
)
を
生
(
い
)
かさむと
151
朝夕
(
あさゆふ
)
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
きけるかな』
152
山風
(
やまかぜ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
153
『エームスの
吾
(
わが
)
若王
(
わかぎみ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
154
蕩
(
とろ
)
かせ
奉
(
まつ
)
りし
魔
(
ま
)
の
女
(
をみな
)
かな
155
エームスの
若王
(
わかぎみ
)
魔性
(
ましやう
)
に
謀
(
たばか
)
られ
156
生命
(
いのち
)
果敢
(
はか
)
なくならせ
給
(
たま
)
ひぬ
157
城内
(
じやうない
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
の
池
(
いけ
)
の
主
(
ぬし
)
といふ
158
蠑螈
(
いもり
)
は
王
(
きみ
)
を
失
(
うしな
)
ひしはや
159
これよりは
蠑螈
(
いもり
)
の
精
(
せい
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
160
国
(
くに
)
の
災
(
わざはひ
)
清
(
きよ
)
く
払
(
はら
)
はせよ』
161
滝津瀬
(
たきつせ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
162
『
木田川
(
きたがは
)
の
流
(
なが
)
れはいたく
濁
(
にご
)
りたり
163
魔性
(
ましやう
)
の
女
(
をみな
)
を
捕
(
とら
)
へ
来
(
き
)
しより
164
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
安
(
やす
)
く
治
(
をさ
)
まりし
有様
(
ありさま
)
を
165
イドムの
王
(
きみ
)
に
知
(
し
)
らせたきかな
166
吾
(
わが
)
王
(
きみ
)
はイドムの
城
(
しろ
)
を
亡
(
ほろ
)
ぼして
167
功
(
いさを
)
を
永久
(
とは
)
に
立
(
た
)
てさせ
給
(
たま
)
へり
168
治
(
をさ
)
まりし
国
(
くに
)
の
姿
(
すがた
)
をイドムなる
169
王
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せなば
喜
(
よろこ
)
び
給
(
たま
)
はむ』
170
夕月
(
ゆふづき
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
171
『
木田城
(
きたじやう
)
に
吾
(
われ
)
は
久
(
ひさ
)
しく
仕
(
つか
)
へつつ
172
乱
(
みだ
)
れ
行
(
ゆ
)
く
世
(
よ
)
を
歎
(
なげ
)
かひて
居
(
ゐ
)
し
173
アララギの
木田山
(
きたやま
)
城
(
じやう
)
に
入
(
い
)
りしより
174
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
は
騒
(
さわ
)
ぎ
初
(
そ
)
めたり
175
アララギを
斬
(
き
)
つて
捨
(
す
)
てむと
幾度
(
いくたび
)
か
176
思
(
おも
)
へど
詮
(
せん
)
なく
忍
(
しの
)
び
居
(
ゐ
)
たりき
177
天
(
てん
)
の
時
(
とき
)
漸
(
やうや
)
く
到
(
いた
)
り
群衆
(
ぐんしう
)
を
178
率
(
ひき
)
ゐて
吾
(
われ
)
は
曲津
(
まが
)
を
討
(
う
)
ちたり
179
神々
(
かみがみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
吾
(
われ
)
は
守
(
まも
)
られて
180
日頃
(
ひごろ
)
の
望
(
のぞ
)
み
遂
(
と
)
げし
嬉
(
うれ
)
しさ
181
折
(
をり
)
も
折
(
をり
)
左守
(
さもり
)
の
司
(
つかさ
)
帰
(
かへ
)
りますと
182
聞
(
き
)
きてゆ
吾
(
われ
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ちたり
183
人
(
ひと
)
の
和
(
わ
)
を
得
(
え
)
たる
軍
(
いくさ
)
は
何処
(
どこ
)
までも
184
亡
(
ほろ
)
ぶ
事
(
こと
)
なく
勝
(
か
)
ち
終
(
おほ
)
せたり
185
城内
(
じやうない
)
を
騒
(
さわ
)
がせ
奉
(
まつ
)
りし
吾
(
わが
)
罪
(
つみ
)
を
186
身
(
み
)
に
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
けて
鄙
(
ひな
)
に
下
(
くだ
)
らむ』
187
左守
(
さもり
)
の
司
(
つかさ
)
ナーリスは
歌
(
うた
)
ふ。
188
『
国人
(
くにびと
)
の
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
の
集
(
あつ
)
まりに
189
曲
(
まが
)
は
影
(
かげ
)
なく
亡
(
ほろ
)
び
失
(
う
)
せたり
190
刈菰
(
かりごも
)
の
乱
(
みだ
)
れ
漸
(
やうや
)
く
鎮
(
しづ
)
まりて
191
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
祝言
(
ほぎごと
)
宣
(
の
)
るも
192
エールスの
王
(
きみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ひて
193
急
(
いそ
)
ぎ
帰
(
かへ
)
れば
国
(
くに
)
乱
(
みだ
)
れ
居
(
を
)
り
194
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
帰国
(
きこく
)
後
(
おく
)
るる
事
(
こと
)
あらば
195
サールの
国
(
くに
)
は
自滅
(
じめつ
)
し
居
(
ゐ
)
るらむ』
196
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
へる
折
(
をり
)
もあれ、
197
数千
(
すうせん
)
の
騎士
(
ナイト
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
りたる
副将
(
ふくしやう
)
チンリンは
奥殿
(
おくでん
)
深
(
ふか
)
く
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
り、
198
左守
(
さもり
)
の
神
(
かみ
)
のナーリスに
向
(
むか
)
ひ、
199
挙手
(
きよしゆ
)
の
礼
(
れい
)
を
捧
(
ささ
)
げながら
歌
(
うた
)
ふ。
200
『エールスの
王
(
きみ
)
悲
(
かな
)
しくも
帰幽
(
かく
)
れましぬ
201
サツクス
姫
(
ひめ
)
も
身
(
み
)
失
(
う
)
せ
給
(
たま
)
ひぬ
202
チクターの
左守
(
さもり
)
を
始
(
はじ
)
めエーマンの
203
軍師
(
ぐんし
)
も
共
(
とも
)
に
滅
(
ほろ
)
び
失
(
う
)
せたり
204
アヅミ
王
(
わう
)
の
勢
(
いきほひ
)
強
(
つよ
)
く
盛
(
も
)
り
返
(
かへ
)
し
205
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
味方
(
みかた
)
は
脆
(
もろ
)
くも
破
(
やぶ
)
れぬ
206
かくならばイドムの
国
(
くに
)
に
用
(
よう
)
なしと
207
騎士
(
ナイト
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
急
(
いそ
)
ぎ
帰
(
かへ
)
りし』
208
此
(
こ
)
の
報告
(
はうこく
)
に
左守
(
さもり
)
を
始
(
はじ
)
め
夕月
(
ゆふづき
)
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
面々
(
めんめん
)
は、
209
顔色
(
かほいろ
)
をサツと
変
(
か
)
へ、
210
茫然
(
ばうぜん
)
として
暫
(
しば
)
し
無言
(
むごん
)
の
幕
(
まく
)
を
続
(
つづ
)
け
居
(
ゐ
)
たりける。
211
ナーリスは
愕然
(
がくぜん
)
として
歌
(
うた
)
ふ。
212
『
思
(
おも
)
ひきや
武勇
(
ぶゆう
)
の
聞
(
きこ
)
え
高
(
たか
)
かりし
213
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
王
(
きみ
)
は
帰幽
(
かく
)
れ
給
(
たま
)
ふか
214
サツクスの
妃
(
きさき
)
の
君
(
きみ
)
も
身
(
み
)
うせしと
215
聞
(
き
)
くにつけても
悲
(
かな
)
しさに
堪
(
た
)
へず
216
左守
(
さもり
)
まで
軍師
(
ぐんし
)
の
君
(
きみ
)
まで
身
(
み
)
罷
(
まか
)
りしは
217
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
か
聞
(
き
)
かまほしけれ
218
漸
(
やうや
)
くにサールの
国
(
くに
)
の
治
(
をさ
)
まりを
219
喜
(
よろこ
)
ぶ
間
(
ま
)
もなく
此
(
こ
)
の
便
(
たよ
)
り
聞
(
き
)
くも』
220
チンリンは
歌
(
うた
)
ふ。
221
『
何故
(
なにゆゑ
)
か
訳
(
わけ
)
は
知
(
し
)
らねど
吾
(
わが
)
王
(
きみ
)
は
222
神
(
かみ
)
の
譴責
(
きため
)
にあひ
給
(
たま
)
ひけむ
223
人々
(
ひとびと
)
の
語
(
かた
)
るを
聞
(
き
)
けば
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
224
皆
(
みな
)
いましめと
定
(
さだ
)
めゐるらし
225
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
人
(
ひと
)
の
国
(
くに
)
をば
奪
(
うば
)
ひたる
226
報
(
むく
)
いなりせば
詮術
(
せんすべ
)
なけむ』
227
左守
(
さもり
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
228
『
恐
(
おそ
)
ろしき
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
くかな
他
(
た
)
の
国
(
くに
)
を
229
奪
(
うば
)
はむとする
戦
(
いくさ
)
の
有様
(
ありさま
)
230
エールスの
王
(
きみ
)
の
血統
(
ちすぢ
)
は
亡
(
ほろ
)
びたり
231
サールの
国
(
くに
)
を
如何
(
いか
)
に
守
(
まも
)
らむ』
232
夕月
(
ゆふづき
)
は
憮然
(
ぶぜん
)
として
歌
(
うた
)
ふ。
233
『
兎
(
と
)
にもあれ
角
(
かく
)
にもあれや
人
(
ひと
)
はただ
234
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
をあゆむべきなり
235
日月
(
じつげつ
)
の
威勢
(
ゐせい
)
輝
(
かがや
)
く
吾
(
わが
)
王
(
きみ
)
も
236
亡
(
ほろ
)
ぶる
時
(
とき
)
のある
世
(
よ
)
なるかな
237
今日
(
けふ
)
よりは
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つを
力
(
ちから
)
とし
238
サールの
国
(
くに
)
を
安
(
やす
)
く
治
(
をさ
)
めむ』
239
滝津瀬
(
たきつせ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
240
『
欲
(
よく
)
といふ
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
に
誘
(
いざな
)
はれ
241
王
(
きみ
)
は
御国
(
みくに
)
を
失
(
うしな
)
ひ
給
(
たま
)
ひし
242
此
(
こ
)
の
広
(
ひろ
)
きサールの
国
(
くに
)
にましまさば
243
斯
(
か
)
かる
歎
(
なげ
)
きはあらざらましを
244
吾
(
わが
)
力
(
ちから
)
頼
(
たの
)
み
過
(
す
)
ぎたる
報
(
むく
)
いにて
245
王
(
きみ
)
は
生命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
ひ
給
(
たま
)
ひぬ
246
全滅
(
ぜんめつ
)
の
憂目
(
うきめ
)
にあひしエールスの
247
王
(
きみ
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
淋
(
さび
)
しかりけり
248
愛善
(
あいぜん
)
の
誠
(
まこと
)
なければ
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
は
249
身
(
み
)
も
魂
(
たましひ
)
も
終
(
つひ
)
に
亡
(
ほろ
)
びむ』
250
山風
(
やまかぜ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
251
『
嶮
(
けは
)
しかる
大栄山
(
おほさかやま
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
252
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てし
王
(
きみ
)
を
悲
(
かな
)
しむ
253
吾
(
わが
)
王
(
きみ
)
はイドムの
城
(
しろ
)
に
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せて
254
尊
(
たふと
)
き
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てさせ
給
(
たま
)
へり
255
歎
(
なげ
)
きても
及
(
およ
)
ばじものと
思
(
おも
)
へども
256
なほ
歎
(
なげ
)
かるる
今宵
(
こよひ
)
なりけり
257
何事
(
なにごと
)
も
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つに
進
(
すす
)
みなば
258
世
(
よ
)
に
過
(
あやま
)
ちはあらじと
思
(
おも
)
ふ』
259
左守
(
さもり
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
260
『かくならば
最早
(
もはや
)
是非
(
ぜひ
)
なし
吾々
(
われわれ
)
は
261
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
進
(
すす
)
むのみなる
262
エールスの
王
(
きみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
にいましめを
263
永遠
(
とは
)
に
残
(
のこ
)
して
去
(
さ
)
りましにけり
264
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
を
恐
(
おそ
)
れみ
謹
(
つつし
)
みて
265
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くべし』
266
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
左守
(
さもり
)
のナーリスは、
267
城内
(
じやうない
)
一般
(
いつぱん
)
にエールス
王
(
わう
)
一族
(
いちぞく
)
の
不幸
(
ふかう
)
を
発表
(
はつぺう
)
し、
268
国民
(
こくみん
)
の
代表者
(
だいへうしや
)
を
集
(
あつ
)
めて
盛大
(
せいだい
)
なる
葬
(
はふり
)
の
式
(
しき
)
を
執
(
と
)
り
行
(
おこな
)
ひ、
269
木田山
(
きたやま
)
の
城内
(
じやうない
)
に
荘厳
(
さうごん
)
なる
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御舎
(
みあらか
)
を
造営
(
ざうえい
)
し、
270
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
正
(
ただ
)
しき
政治
(
せいぢ
)
を
行
(
おこな
)
はせ
給
(
たま
)
へと
祈願
(
きぐわん
)
怠
(
をこた
)
りなかりける。
271
(
昭和九・八・一五
旧七・六
於水明閣
森良仁
謹録)
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