霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一五章 大相撲(おほずまふ)〔一六四四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上 篇:第3篇 花笑蝶舞 よみ(新仮名遣い):かしょうちょうぶ
章:第15章 大相撲 よみ(新仮名遣い):おおずもう 通し章番号:1644
口述日:1923(大正12)年07月12日(旧05月29日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台:僧院ホテルのブラバーサの部屋 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-04-09 18:16:34 文字数:4885 OBC :rm64a15
愛善世界社版:173頁 八幡書店版:第11輯 442頁 修補版: 校定版:173頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001 カトリックの僧院(そうゐん)ホテルに滞在(たいざい)してゐるブラバーサの居間(ゐま)を訪(たづ)ねて来(き)た一人(ひとり)の老紳士(らうしんし)があつた。002之(これ)はバハイ教(けう)の宣伝使(せんでんし)バハーウラーである。003ボーイの案内(あんない)につれてブラバーサの居間(ゐま)に通(とほ)り、
004バハーウラー『御免(ごめん)なさいませ』
005と言(い)ひ乍(なが)ら、006軽(かる)く一礼(いちれい)を施(ほどこ)した。007ブラバーサは手(て)づから椅子(いす)をとりよせて、
008ブラバーサ『やあ、009貴方(あなた)は汽車中(きしやちう)でお目(め)にかかつたバハーウラー様(さま)で御座(ござ)いましたか。010一度(いちど)お訪(たづ)ねしたいと存(ぞん)じて居(を)りましたが、011何分(なにぶん)処(ところ)慣(な)れないものですから彼方(あちら)此方(こちら)と見学(けんがく)して居(を)りました。012よう御(お)訪(たづ)ね下(くだ)さいました』
013と挨拶(あいさつ)すればバハーウラーはテーブルを中(なか)におき、014両方(りやうはう)から向(むか)ひ合(あ)ひとなり、
015バハーウラー『ハイ、016私(わたし)も一度(いちど)お訪(たづ)ねしたいと思(おも)つてゐましたが、017何(なん)だか彼是(かれこれ)ととり紛(まぎ)れ漸(やうや)く今日(けふ)となりました。018どうです聖地(せいち)においでになつてからの貴方(あなた)の御(ご)感想(かんさう)は?』
019ブラバーサ『ハイ、020見(み)るもの、021聞(き)くものが日(ひ)の出島(でじま)と違(ちが)つて居(を)りますので面喰(めんくら)ひましたよ。022漸(やうや)く地理(ちり)も分(わか)り空気(くうき)にも慣(なれ)ましたと見(み)え、023少(すこ)し計(ばか)り落付(おちつ)いて参(まゐ)りました』
024バハーウラー『成程(なるほど)、025私(わたし)も同感(どうかん)ですよ。026常世(とこよ)の国(くに)から此処(ここ)までやつて来(き)ましたが、027いやもう見(み)るもの聞(き)くもの変(かは)つた事(こと)ばかり、028かやうな処(ところ)へ救世主(きうせいしゆ)がお降(くだ)りになるかと思(おも)へば何(なん)だか奇異(きい)の感(かん)にうたれます。029国(くに)に居(を)ります時(とき)は聖地(せいち)エルサレムエルサレムと云(い)つて日夜(にちや)憧憬(どうけい)して居(ゐ)ましたが、030古(ふる)く荒(すさ)びた神都(しんと)の跡(あと)、031何(いづ)れも涙(なみだ)の種(たね)ならぬはありませぬ。032黄金(こがね)の花(はな)が咲(さ)き匂(にほ)ふてゐると思(おも)つた私(わたし)の期待(きたい)はスツカリ裏切(うらぎ)られて了(しま)ひましたよ。033アハヽヽヽヽ』
034ブラバーサ『都会(とくわい)は人(ひと)が作(つく)り、035田舎(ゐなか)は神(かみ)が作(つく)るとか申(まを)しまして、036かやうな田舎(ゐなか)びた処(ところ)でないと到底(たうてい)神(かみ)様(さま)はお降(くだ)りになりますまい。037紅塵(こうぢん)万丈(ばんぢやう)の巷(ちまた)に、038霊肉(れいにく)ともに穢(けが)してゐる人(ひと)の集(あつ)まつてる処(ところ)へは救世主(きうせいしゆ)はお降(くだ)りになる筈(はず)はありませぬ』
039バハーウラー『成程(なるほど)、040さう承(うけたま)はればさうかも知(し)れませぬな。041数年(すうねん)以前(いぜん)、042バルカン半島(はんたう)に現(あら)はれた一朶(いちだ)の黒煙(こくえん)は燎原(れうげん)を焼(や)く勢(いきほ)ひで全(ぜん)欧羅巴(ヨーロツパ)に蔓延(まんえん)し全世界(ぜんせかい)の地(ち)をして戦雲(せんうん)に包(つつ)んで了(しま)ひましたが、043為(ため)に其(その)後(ご)の人心(じんしん)は益々(ますます)悪化(あくくわ)し、044二進(につち)も三進(さつち)も行(ゆ)かなくなつて来(き)たぢやありませぬか。045かやうな処(ところ)へ救世主(きうせいしゆ)が御(ご)降臨(かうりん)になつた処(ところ)で足(あし)一(ひと)つ踏(ふ)み込(こ)まれる処(ところ)はありますまいな。046一人(ひとり)でも多(おほ)く心(こころ)を研(みが)き魂(みたま)を研(みが)いて神心(かみごころ)となつて救世主(きうせいしゆ)の降臨(かうりん)を待(ま)たねばなりませぬ。047実(じつ)に常暗(とこやみ)の世(よ)の中(なか)となつたもので御座(ござ)いますわい』
048ブラバーサ『ルートバハーの教祖(けうそ)ヨハネの教(をしへ)にも三千(さんぜん)世界(せかい)の大戦(おほたたか)ひが初(はじ)まるぞよと三十(さんじふ)年(ねん)以前(いぜん)から仰(おほ)せられましたが、049到頭(たうとう)世界(せかい)の大戦争(だいせんそう)が起(おこ)りました。050さうしてヨハネの教祖(けうそ)は先達(せんだつて)の世界(せかい)戦争(せんそう)の開戦(かいせん)期間(きかん)の日数(につすう)一千(いつせん)五百(ごひやく)六十七(ろくじふしち)日(にち)を終(をは)り平和(へいわ)条約(でうやく)が締結(ていけつ)された其(その)朝(あさ)、051即(すなは)ち自転倒(おのころ)島(じま)で云(い)へば大正(たいしやう)七(しち)年(ねん)十(じふ)月(ぐわつ)三日(みつか)[※出口直が昇天したのは大正7年(1918年)新暦11月6日(旧暦10月3日)]の朝(あさ)昇天(しようてん)されました。052その後(のち)と云(い)ふものは実(じつ)に世(よ)の中(なか)は目(め)もあけて居(ゐ)られないやうな惨怛(さんたん)たる現状(げんじやう)で御座(ござ)ります』
053バハーウラー『先達(せんだつて)の戦争(せんそう)について交戦国(かうせんこく)の総面積(そうめんせき)を調(しら)ぶれば、054四千三百四十万二千七百六十二平方(へいはう)哩(マイル)即(すなは)ち世界(せかい)面積(めんせき)の七割(しちわり)五分(ごぶ)八厘(はちりん)にあまり、055又(また)其(その)戦争(せんそう)に参加(さんか)した人員(じんゐん)の数(かず)は無慮(むりよ)十六億一千百九十二万(まん)人(にん)に達(たつ)し世界(せかい)人口(じんこう)の九割(きうわり)二分(にぶ)五厘(ごりん)に相当(さうたう)する空前(くうぜん)の大戦争(だいせんそう)で御座(ござ)りました。056恰(あたか)も秋霜(しうさう)烈日(れつじつ)の大威力(だいゐりよく)を示(しめ)して満天下(まんてんか)の草木(さうもく)を一夜(いちや)の中(うち)に凋落(てうらく)せしめて了(しま)ひました。057只(ただ)常磐木(ときはぎ)のみ巍然(ぎぜん)として聳(そび)え、058又(また)、059別(べつ)に数種(すうしゆ)の紅(あか)黄(き)紫(むらさき)青(あを)等(など)の僅(わづ)かに艶(えん)を競(きそ)ふて世(よ)の終末(しうまつ)の美(び)を暫時(ざんじ)誇(ほこ)つてゐる位(くらゐ)であります。060あゝ恐(おそ)るべき世界(せかい)の大戦争(だいせんそう)はもはや之(これ)で根絶(こんぜつ)したで御座(ござ)いませうか。061大戦後(たいせんご)の世界(せかい)は何処(いづこ)の果(は)てを見(み)ましても平和(へいわ)の象徴(しやうちやう)を見(み)る事(こと)は出来(でき)ぬぢやありませぬか。062到(いた)る処(ところ)小戦争(せうせんそう)は行(おこな)はれ、063餓鬼(がき)畜生(ちくしやう)修羅(しゆら)の惨状(さんじやう)を遺憾(ゐかん)なく曝露(ばくろ)してるぢやありませぬか。064ハルマゲドンの戦争(せんそう)とは、065先達(せんだつ)ての戦争(せんそう)を云(い)つてるのぢやありますまいか。066ハルマゲドンの戦争(せんそう)が済(す)めば世(よ)の終(をは)りが近(ちか)づくとの聖書(せいしよ)の教(をしへ)、067どうも物騒(ぶつそう)になつて来(き)ました。068暑(あつ)い時(とき)に寒(さむ)い風(かぜ)が吹(ふ)き作物(さくもつ)は思(おも)ふやうに発達(はつたつ)せず、069到(いた)る処(ところ)火山(くわざん)は爆発(ばくはつ)し、070地震(ぢしん)洪水(こうずゐ)の悩(なや)み、071強盗(がうたう)殺人(さつじん)に諸種(しよしゆ)の面白(おもしろ)からぬ運動(うんどう)、072到底(たうてい)人間(にんげん)として此(この)世(よ)を如何(どう)する事(こと)も出来(でき)ますまい。073もうこの上(うへ)は救世主(きうせいしゆ)の降臨(かうりん)を仰(あふ)ぐより外(ほか)に道(みち)は御座(ござ)いますまいなア』
074ブラバーサ『救世主(きうせいしゆ)は屹度(きつと)御(ご)降臨(かうりん)になつて世界(せかい)を無事(ぶじ)太平(たいへい)に治(をさ)めて下(くだ)さる事(こと)を私(わたし)は確信(かくしん)してゐます。075然(しか)しそれ迄(まで)に一(ひと)つ大峠(おほたうげ)が出(で)て来(く)るでせう。076ハルマゲドンの戦争(せんそう)は私(わたし)は今後(こんご)に勃発(ぼつぱつ)するものと思(おも)ひます。077今日(こんにち)は世界(せかい)に二大(にだい)勢力(せいりよく)があつて虎視(こし)眈々(たんたん)として互(たがひ)に狙(ねら)ひつつある現状(げんじやう)ですから、078到底(たうてい)此(この)儘(まま)では治(をさ)まりますまい。079世(よ)の立替(たてかへ)立直(たてなほ)しは今日(こんにち)の人間(にんげん)の力(ちから)つき鼻柱(はなばしら)が折(を)れ、080手(て)の施(ほどこ)す余地(よち)がなくなつてからでなくては開始(かいし)致(いた)しますまい。081九分(くぶ)九厘(くりん)、082千騎(せんき)一騎(いつき)になつて救世主(きうせいしゆ)が降臨(かうりん)なされるのが神(かみ)様(さま)の経綸(けいりん)と存(ぞん)じます』
083バハーウラー『成程(なるほど)御(ご)同感(どうかん)です。084そして貴方(あなた)の二大(にだい)勢力(せいりよく)とは何(なに)を指(さ)して仰(おほ)せらるるのですか』
085ブラバーサ『今日(こんにち)此(この)地球(ちきう)上(じやう)に於(おい)て二(ふた)つの大勢力(だいせいりよく)が互(たがひ)に暗々裡(あんあんり)に争(あらそ)つてゐますのは貴方(あなた)も大抵(たいてい)御(ご)承知(しようち)の事(こと)だと思(おも)ひます。086一方(いつぱう)には強大(きやうだい)なる一(いち)新勢力(しんせいりよく)を発揮(はつき)し、087全世界(ぜんせかい)に活動(くわつどう)飛躍(ひやく)を試(こころ)み傍若(ばうじやく)無人(ぶじん)的(てき)の振舞(ふるまひ)をなし、088不自然(ふしぜん)極(きは)まる人為(じんゐ)的(てき)暴圧力(ばうあつりよく)によつて膨脹(ばうちやう)拡大(くわくだい)し、089弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)を以(もつ)て唯一(ゆゐいつ)の国是(こくぜ)となせる強大(きやうだい)なる国家(こくか)があり、090一方(いつぱう)には鎖国(さこく)攘夷(じやうい)の夢(ゆめ)を破(やぶ)り一躍(いちやく)して全世界(ぜんせかい)の舞台(ぶたい)に現(あら)はれ、091列強(れつきやう)と相伍(あひご)し、092再躍(さいやく)して世界(せかい)の一大(いちだい)強国(きやうこく)となつた国家(こくか)が御座(ござ)います。093世界(せかい)万民(ばんみん)は此(この)二大(にだい)勢力(せいりよく)に対(たい)して驚異(きやうい)の眼(まなこ)を以(もつ)てのぞみ、094茫然(ばうぜん)自失(じしつ)の体(てい)で御座(ござ)います。095その発展(はつてん)振(ぶ)りたるや前古(ぜんこ)未聞(みもん)の大事実(だいじじつ)で御座(ござ)いますけれども、096而(しか)もその発展(はつてん)は頗(すこぶ)る公明(こうめい)正大(せいだい)と唱(とな)へられて居(ゐ)るので御座(ござ)います。097一方(いつぱう)はピラミツドの如(ごと)く極(きは)めて壮観(さうくわん)なれども真(しん)の生命(せいめい)なき建築物(けんちくぶつ)であり、098一方(いつぱう)は喬木(けうぼく)の如(ごと)く生々(いきいき)としその壮観(さうくわん)の度(ど)に於(おい)ては到底(たうてい)彼(か)のピラミツドの建築(けんちく)には及(およ)びませぬけれども、099真(しん)に生命(せいめい)ある成長(せいちやう)を遂(と)げつつあるのであります。100そして此(この)二大(にだい)勢力(せいりよく)は一(ひと)つは極東(きよくとう)の一(いち)小孤島(せうこたう)、101一(ひと)つは極西(きよくせい)の一大(いちだい)大陸(たいりく)です。102一(ひと)つは現今(げんこん)に於(お)ける最古(さいこ)の国(くに)、103一(ひと)つは列強中(れつきやうちう)の最(もつと)も新(あたら)しき国(くに)、104一(いつ)は建国(けんこく)以来(いらい)の王国(わうこく)、105一(いつ)は建国(けんこく)以来(いらい)の民国(みんこく)、106一(いつ)は万世(ばんせい)一系(いつけい)の皇統(くわうとう)を誇(ほこ)り、107一(いつ)は四(よ)年(ねん)交代(かうたい)の主権(しゆけん)を誇(ほこ)り、108一(いつ)は天孫(てんそん)の稜威(みいづ)を本位(ほんゐ)とし、109一(いつ)は億兆(おくてう)烏合(うがふ)の民権(みんけん)を本位(ほんゐ)としてゐます。110そして其(その)国民性(こくみんせい)たるや、111一(いつ)は義(ぎ)につき一(いつ)は利(り)につき一(いつ)は強国(きやうこく)と云(い)ひ乍(なが)ら神国(しんこく)と自称(じしよう)し、112一(いつ)は基督教(キリストけう)国(こく)と云(い)ひ乍(なが)ら民国(みんこく)と自称(じしよう)し、113一(いつ)は親子(おやこ)の経的(けいてき)関係(くわんけい)を以(もつ)て家庭(かてい)の本位(ほんゐ)となし、114一(いつ)は夫婦(ふうふ)の緯的(ゐてき)関係(くわんけい)を以(もつ)て家庭(かてい)の本位(ほんゐ)とし、115一(いつ)は男尊(だんそん)女卑(じよひ)の関係(くわんけい)を以(もつ)て人倫(じんりん)の本位(ほんゐ)とし、116一(いつ)は女尊(ぢよそん)男卑(だんぴ)の関係(くわんけい)を以(もつ)て人倫(じんりん)の本位(ほんゐ)とし、117一(いつ)は太陽(たいやう)を以(もつ)て国章(こくしやう)となし、118一(いつ)は星(ほし)を以(もつ)て国章(こくしやう)となしてゐる。119故(ゆゑ)に自(おのづか)らその国情(こくじやう)と使命(しめい)に於(おい)て相容(あひい)れないのは当然(たうぜん)ではありませぬか』
120バハーウラー『成程(なるほど)今(いま)貴方(あなた)の仰有(おつしや)つたのは実(じつ)に時代(じだい)を達観(たつくわん)した宣言(せんげん)だと思(おも)ひます。121一方(いつぱう)は日出国(ひのでこく)一方(いつぱう)は常世(とこよ)の国(くに)と世界(せかい)に相対立(あひたいりつ)してゐる現状(げんじやう)をお示(しめ)しになつたのでせうな。122諺(ことわざ)にも両雄(りやうゆう)相戦(あひたたか)はば勢(いきほ)ひ共(とも)に全(まつた)からずとか申(まを)しまして、123どちらか一方(いつぱう)に統一(とういつ)されねばなりますまい。124実(じつ)に困(こま)つた世(よ)の中(なか)になつたもので御座(ござ)いますな。125政治(せいぢ)と云(い)ひ経済(けいざい)と云(い)ひ思想(しさう)と云(い)ひ、126宗教(しうけう)と云(い)ひ何(なに)も彼(か)も一切(いつさい)今日(こんにち)程(ほど)行(ゆき)つまりの世(よ)の中(なか)は御座(ござ)りますまい。127どうしても此(この)悩(なや)みは何処(どこ)かで破裂(はれつ)せなくてはおかない道理(だうり)で御座(ござ)いますな』
128ブラバーサ『さうです。129斯(か)くの如(ごと)く今(いま)や東西(とうざい)の大関(おほぜき)が世界(せかい)の大土俵(だいどへう)上(じやう)に、130褌(まはし)を〆(し)めて腕(うで)を鳴(な)らせ肉(にく)を躍(をど)らせて相対(あひたい)するの奇観(きくわん)を呈(てい)してる以上(いじやう)は、131一方(いつぱう)が屈服(くつぷく)するか、132但(ただ)しは引込(ひきこ)まない以上(いじやう)は、133早晩(さうばん)虎搏(こはく)撃壤(げきじやう)の幕(まく)が切(き)つて落(おと)されるは火(ひ)を睹(み)るより明(あきら)かでせう。134ハルマゲドン、135即(すなは)ち世界(せかい)最後(さいご)の戦争(せんそう)は到底(たうてい)免(まぬが)れなくなつてゐます。136それで大神(おほかみ)様(さま)は地上(ちじやう)をして天国(てんごく)の讃美郷(さんびきやう)に安住(あんぢう)せしめむが為(た)めに、137ヨハネ、138キリストの身魂(みたま)を世(よ)に降(くだ)して、139天国(てんごく)の福音(ふくいん)を普(あまね)く万民(ばんみん)に伝(つた)へしめられつつあるのです。140さり乍(なが)ら常暗(とこやみ)の世(よ)になれきつた地上(ちじやう)の人類(じんるゐ)は一(いち)人(にん)として此(この)大神(おほかみ)様(さま)の御(ご)真意(しんい)を悟(さと)り得(う)る者(もの)なく、141只(ただ)僅(わづ)かに忠実(ちうじつ)なる神(かみ)の僕(しもべ)が誠(まこと)を尽(つく)し、142神(かみ)を念(ねん)じて待(ま)つてゐるばかり、143実(じつ)に世界(せかい)は惨(みじ)めな有様(ありさま)で御座(ござ)います。144かやうな邪悪(じやあく)に満(み)ちた三千(さんぜん)世界(せかい)を立替(たてかへ)立直(たてなほ)し遊(あそ)ばす神(かみ)様(さま)の御(ご)神業(しんげふ)も実(じつ)に大謨(たいもう)では御座(ござ)いますまいか』
145バハーウラー『此(この)世界(せかい)の人類(じんるゐ)は、146皆(みな)神(かみ)様(さま)の同(おな)じ御水火(みいき)より生(うま)れたる尊(たふと)い御子(みこ)で御座(ござ)いますから、147吾々(われわれ)人類(じんるゐ)は皆(みな)兄弟(きやうだい)で御座(ござ)ります。148然(しか)し乍(なが)ら今日(こんにち)の状態(じやうたい)では到底(たうてい)吾々(われわれ)宗教家(しうけうか)が何程(なにほど)あせつた所(ところ)で駄目(だめ)で御座(ござ)いませう。149偉大(ゐだい)なる救世主(きうせいしゆ)が現(あら)はれて整理(せいり)して下(くだ)さらねば乱麻(らんま)の如(ごと)き世界(せかい)は到底(たうてい)収拾(しうしふ)する事(こと)は出来(でき)ますまい。150然(しか)し此(この)二大(にだい)勢力(せいりよく)は一旦(いつたん)、151どちらが天下(てんか)を統一(とういつ)するとお考(かんが)へになりますか。152常世(とこよ)の国(くに)でせうか、153日出島(ひのでじま)で御座(ござ)いませうか。154貴方(あなた)のお考(かんが)へを承(うけたま)はり度(た)いもので御座(ござ)いますが』
155ブラバーサ『到底(たうてい)人間(にんげん)の分際(ぶんざい)として神(かみ)様(さま)の御(ご)経綸(けいりん)は分(わか)りませぬが、156私(わたし)がルートバハーの教示(けうじ)により、157おかげを頂(いただ)いて居(を)りますのは、158将来(しやうらい)の国家(こくか)を永遠(ゑいゑん)に統御(とうぎよ)すべき人種(じんしゆ)は決(けつ)して常世(とこよ)の国人(こくじん)ではなからうと思(おも)ひます。159二千(にせん)六百(ろくぴやく)年(ねん)、160亡国(ばうこく)の民(たみ)となつて居(を)つた讃美郷(さんびきやう)の人々(ひとびと)は先達(せんだつて)の大戦争(だいせんそう)によつて神(かみ)から賜(たま)はつたパレスチナを回復(くわいふく)し、161今(いま)や旭日(きよくじつ)昇天(しようてん)の勢(いきほひ)で御座(ござ)います。162そしてその人種(じんしゆ)の信仰力(しんかうりよく)、163忍耐力(にんたいりよく)並(ならび)に霊覚力(れいかくりよく)と云(い)ふものは、164到底(たうてい)世界(せかい)に比(くら)ぶべきものが御座(ござ)いませぬ。165私(わたし)は先申(せんまう)しました二大(にだい)勢力(せいりよく)よりも、166も一(ひと)つ奥(おく)に大勢力(だいせいりよく)が潜(ひそ)み最後(さいご)の世界(せかい)を統一(とういつ)するものと神示(しんじ)によつて確信(かくしん)して居(を)ります。167ユダヤ人(じん)は七(なな)つの不思議(ふしぎ)があります、168それは、
169第一(だいいち)、170万世(ばんせい)一系(いつけい)の皇統(くわうとう)を戴(いただ)きつつ自(みづか)ら其(その)国(くに)を亡(ほろ)ぼした事(こと)、
171第二(だいに)は亡国(ばうこく)以来(いらい)二千(にせん)六百(ろくぴやく)年(ねん)なるにも拘(かかは)らず、172今日(こんにち)も尚(なほ)依然(いぜん)として吾(われ)等(ら)は神(かみ)の選民(せんみん)也(なり)と自認(じにん)してゐる事(こと)、
173第三(だいさん)は二千(にせん)六百(ろくぴやく)年(ねん)来(らい)の亡国(ばうこく)を復興(ふくこう)して、174仮令(たとへ)小(せう)なりと雖(いへど)もパレスチナに国家(こくか)を建設(けんせつ)した事(こと)、
175第四(だいし)は自国(じこく)の言語(げんご)を忘却(ばうきやく)し、176国語(こくご)を語(かた)るものを大学者(だいがくしや)と呼(よ)びなす迄(まで)になつて居(を)つてもその国(くに)を忘(わす)れず、177信仰(しんかう)をまげない事(こと)、
178第五(だいご)は如何(いか)なる場合(ばあひ)にも決(けつ)して他(た)の国民(こくみん)と同化(どうくわ)せない事(こと)、
179第六(だいろく)には亡国人(ばうこくじん)の身(み)を持(も)ち乍(なが)ら不断(ふだん)的(てき)に世界(せかい)の統一(とういつ)を計画(けいくわく)してゐる事(こと)、
180第七(だいしち)は今日(こんにち)の世界(せかい)全体(ぜんたい)は政治(せいぢ)上(じやう)、181経済(けいざい)上(じやう)、182学術(がくじゆつ)上(じやう)、183ユダヤ人(じん)の意(い)のままに自由(じいう)自在(じざい)に展開(てんかい)しつつある事(こと)です』
184バハーウラー『成程(なるほど)それは実(じつ)に驚(おどろ)くべきもので御座(ござ)いますわ。185如何(いか)にも神(かみ)の選民(せんみん)と称(とな)へられる丈(だけ)ありて偉(えら)いもので御座(ござ)いますわい。186それから、187一方(いつぱう)の奥(おく)の勢力(せいりよく)とは何(なん)で御座(ござ)いますか』
188ブラバーサ『それは日出島(ひのでじま)の七(なな)不思議(ふしぎ)で御座(ござ)います。
189先(ま)づ第一(だいいち)に万世(ばんせい)一系(いつけい)の皇統(くわうとう)を戴(いただ)き終始(しうし)一貫(いつくわん)義(ぎ)を以(もつ)て立(た)ち、190一度(いちど)も他(た)の侵略(しんりやく)を受(う)けず、191国家(こくか)益々(ますます)隆昌(りうしやう)に赴(おもむ)きつつある事(こと)、
192第二(だいに)は自(みづか)ら神洲(しんしう)と唱(とな)へ乍(なが)ら自(みづか)ら神(かみ)の選民(せんみん)又(また)は神民(しんみん)と称(とな)ふるものの尠(すくな)い事(こと)、
193第三(だいさん)は王政(わうせい)復古(ふくこ)の経歴(けいれき)を有(いう)するも未(いま)だ一度(いちど)も国(くに)を再興(さいこう)したる事(こと)なき事(こと)、
194第四(だいし)は国語(こくご)を進化(しんくわ)せしめたるも之(これ)を死語(しご)とせし事(こと)もなく、195従(したが)つて国語(こくご)を復活(ふくくわつ)せしめた事(こと)のなき事(こと)、
196第五(だいご)は同化(どうくわ)し難(がた)い国民(こくみん)のやうに見(み)ゆれどもその実(じつ)、197何(いづ)れの国(くに)の風俗(ふうぞく)にも同化(どうくわ)し易(やす)く、198且(かつ)何(いづ)れの思想(しさう)も宗教(しうけう)も抱擁(はうよう)帰一(きいつ)し、199ややもすれば我(わが)生国(せいごく)を忘(わす)れむとする国民(こくみん)の出(い)づる事(こと)、
200第六(だいろく)は一方(いつぱう)常世(とこよ)の国(くに)は世界(せかい)統一(とういつ)の為(ため)には手段(しゆだん)を選(えら)ばざるも、201日出島(ひのでじま)は常(つね)に正義(せいぎ)公道(こうだう)即(すなは)ち惟神(かむながら)によつて雄飛(ゆうひ)せむとする事(こと)、
202第七(だいしち)は世界(せかい)は寄(よ)つてかかつて日出島(ひのでじま)を孤立(こりつ)せしめむと計画(けいくわく)しつつあれども日出島(ひのでじま)は未(いま)だ世界(せかい)的(てき)の計画(けいくわく)を持(も)たず、203ユダヤとは趣(おもむき)を異(こと)にしてゐる事(こと)であります。
204之(これ)を考(かんが)へて見(み)ればどうしても、205此(この)日出島(ひのでじま)とパレスチナとは何(なに)か一(ひと)つの脈絡(みやくらく)が神界(しんかい)から結(むす)ばれてあるやうに思(おも)はれます。206一方(いつぱう)は言向和(ことむけやは)すを以(もつ)て国(くに)の精神(せいしん)となし、207征伐(せいばつ)侵略(しんりやく)等(など)は夢想(むさう)だもせざる神国(しんこく)であり、208二千(にせん)六百(ろくぴやく)年(ねん)前(ぜん)に建国(けんこく)の基礎(きそ)が確立(かくりつ)し、209ユダヤは又(また)前(まへ)に述(の)べた通(とほ)り二千(にせん)六百(ろくぴやく)年(ねん)前(ぜん)に国(くに)を亡(ほろ)ぼし、210そして今(いま)やその亡国(ばうこく)は漸(やうや)く建国(けんこく)の曙光(しよくわう)を認(みと)めたぢやありませぬか。211私(わたし)は屹度(きつと)此(この)エルサレムが救世主(きうせいしゆ)の現(あら)はれ給(たま)ふ聖地(せいち)と固(かた)く信(しん)じ万里(ばんり)の海(うみ)を渡(わた)り雲(くも)に乗(の)つて神業(しんげふ)のために参(まゐ)つたので御座(ござ)います』
212バハーウラー『今(いま)貴方(あなた)は雲(くも)に乗(の)つて来(き)たと仰(おほ)せられましたが飛行機(ひかうき)の事(こと)ぢやありませぬか』
213ブラバーサ『いえ雲(くも)と申(まを)しますのは自転倒(おのころ)島(じま)の古言(こげん)で舟(ふね)の事(こと)で御座(ござ)いますよ。214雲(くも)も凹(くぼ)に通(かよ)ひますから舟(ふね)に乗(の)つて来(く)るのを雲(くも)に乗(の)つて来(く)ると聖書(せいしよ)に現(あら)はれてるのですよ』
215バハーウラー『成程(なるほど)、216それで救世主(きうせいしゆ)の雲(くも)に乗(の)つてお降(くだ)りになると云(い)ふ事(こと)も諒解(りようかい)致(いた)しました。217いや有難(ありがた)う御座(ござ)いました。218お邪魔(じやま)を致(いた)しまして……又(また)お目(め)にかかりませう。219ちつと御(ご)寸暇(すんか)にお訪(たづ)ね下(くだ)さいませ。220ヨルダン川(がは)の辺(ほとり)に形(かたち)ばかりの館(やかた)を作(つく)つて吾々(われわれ)の信者(しんじや)が集(あつ)まつて居(を)りますから……』
221ブラバーサ『ハイ、222有難(ありがた)う御座(ござ)います。223何(いづ)れ近(ちか)い中(うち)にお邪魔(じやま)を致(いた)します。224左様(さやう)ならば之(これ)にてお別(わか)れ致(いた)しませう』
225(大正一二・七・一二 旧五・二九 北村隆光録)
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