霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 福命(ふくめい)〔一六四九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上 篇:第4篇 遠近不二 よみ(新仮名遣い):えんきんふじ
章:第20章 福命 よみ(新仮名遣い):ふくめい 通し章番号:1649
口述日:1923(大正12)年07月13日(旧05月30日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台:小北山のユラリ教 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-12-05 12:00:01 OBC :rm64a20
愛善世界社版:227頁 八幡書店版:第11輯 462頁 修補版: 校定版:227頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001 虎島(とらしま)寅子(とらこ)()(こが)れてゐた守宮別(やもりわけ)瓢然(へうぜん)(かへ)つて()たので、002雀躍(こをど)りをし(なが)ら、003いそいそと座敷中(ざしきちう)()(ある)き、
004寅子『サアお(はな)さま、005(さけ)用意(ようい)だ。006曲彦(まがひこ)さま、007(さかな)用意(ようい)だよ。008コレ久之助(ひさのすけ)さま、009(なに)をグヅグヅしてる、010大広木(おほひろき)正宗(まさむね)さまのお(かへ)りだよ。011(をとこ)()ふものは()()かぬ(もの)だな』
012口汚(くちぎたな)指図(さしづ)してゐる。013バタバタゴトゴトガタガタチヤランチヤランと(おと)をさせ(なが)ら、014(やうや)酒肴(しゆかう)用意(ようい)出来(でき)た。015守宮別(やもりわけ)洋服(やうふく)()()て、016洗濯物(せんたくもの)(あはせ)着替(きか)へて、017ドンと胡座(あぐら)をかき、018つり(あが)つた()一入(ひとしほ)(ちひ)さうしてキユウキユウと(のど)()らせ(なが)(さかん)(ひだり)()かしてゐる。019守宮別(やもりわけ)(さけ)()へば(なに)もかも(わす)れて(しま)(こま)つた(をとこ)である。020(よひ)(まは)つて、021そろそろ(うた)()した。022菖蒲(あやめ)のお(はな)もお(とら)曲彦(まがひこ)車座(くるまざ)となつて「ヤートコセイ、023ヨーイヤナー」で(うた)(はじ)めたり。
024一同()出神(でのかみ)のお(たの)みで
025世界(せかい)端々(はしばし)きはめむと
026乞食(こじき)のやうな姿(すがた)して
027一人(ひとり)(をんな)をちよろまかし
028香港(ホンコン)上海(シヤンハイ)北京(ペキン)まで
029うろつき(まは)つて(たづ)ねて()たが
030寅子姫(とらこひめ)さまの()ふやうな
031肉体(にくたい)()つた()()さま
032()つから見当(みあた)(まを)(なん)
033(ふところ)ダンダン(さび)しうなり
034()()(さけ)まで()めぬやうに
035なつて()たので是非(ぜひ)もなく
036自分(じぶん)()れたクリスチヤンの
037(くろ)(かほ)した別嬪(べつぴん)
038(ふたた)支那(チヤイナ)上海(シヤンハイ)
039せうことなしに引返(ひきかへ)
040いろいろ雑多(ざつた)各国(かくこく)
041(ひと)(はなし)()いて()たが
042如何(どう)しても()うしても(わか)らない
043此奴(こいつ)駄目(だめ)だと決心(けつしん)
044転覆丸(てんぷくまる)()()んで
045日出(ひので)(しま)(かへ)つて()れば
046過激団(くわげきだん)から一万(いちまん)(りやう)
047(かね)(もら)ふたに(ちが)ひない
048ちよいと此方(こちら)()()いと
049可憐(かはい)(をんな)一所(ひととこ)
050(くら)(ところ)()()まれ
051いろいろ雑多(ざつた)調(しら)べられ
052(いま)晴天(せいてん)白日(はくじつ)
053()となつて(かへ)つて(まゐ)りました
054ホンに外国(ぐわいこく)()きと()(こと)
055気骨(きぼね)()れた(こと)だわい
056(おれ)はもう(これ)から外国(ぐわいこく)
057仮令(たとへ)()出神(でのかみ)さまが
058()けと()つても()きはせぬ
059ホンに馬鹿(ばか)をば()()たものだ
060今日(けふ)はドツサリ(さけ)()んで
061(たび)(つか)れを(なほ)さねば
062(はら)(むし)()承知(しようち)せぬ
063ヤツトコサのウントコシヨ
064ウントコ、ドツコイお(とら)さま
065ヤツトコ、ドツコイお(はな)さま
066世界(せかい)転覆(てんぷく)したとても
067(さけ)さへあれば守宮別(やもりわけ)
068(まこと)天下(てんか)太平(たいへい)
069()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)
070(やみ)(あと)には(つき)()
071(つき)はつきぢやが(うん)のつき
072愛想(あいそ)のつきた(みづ)(つき)
073(まへ)()()らぬその(うち)
074西(にし)(みやこ)のエルサレム
075橄欖山(かんらんざん)山麓(さんろく)
076()出神(でのかみ)再臨(さいりん)
077間近(まぢか)くなつたと()(なが)
078桶伏山(をけぶせやま)聖地(せいち)から
079チヤンダーさまの内命(ないめい)
080ブラバーサが()つたと()
081新聞(しんぶん)記事(きじ)上海(シヤンハイ)
082(わたし)一寸(ちよつと)()()たよ
083グヅグヅしてるとチヤンダーに
084折角(せつかく)仕組(しぐ)んだ計画(けいくわく)
085打壊(ぶちこは)されるに(ちが)ひない
086(みな)さま()をつけ()されませ
087ウントコ、ドツコイ、ドツコイシヨ
088ドツコイ(すべ)つて灰小屋(はひごや)
089(ころ)げて(たふ)れて(はひ)まぶれ
090アフンとしたとて仕様(しやう)がない
091夜食(やしよく)(はづ)れた(ふくろどり)
092(むつ)かし(かほ)をせぬやうに
093忠告(ちうこく)しやうと(おも)(ゆゑ)
094荒波(あらなみ)(わた)つて遥々(はるばる)
095ここ(まで)(かへ)つて()ましたよ
096あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
097目玉(めだま)飛出(とびだ)しましませよ
098(あさひ)()るとも(くも)るとも
099(つき)()つとも()くるとも
100仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
101(この)結構(けつこう)なお仕組(しぐみ)
102()出神(でのかみ)()らぬとは
103世間(せけん)顔出(かほだ)しなるまいぞ
104(はや)用意(ようい)をするがよい
105アハヽヽハツハ阿呆(あはう)らしい
106イヒヽヽヒツヒ異国(いこく)まで
107ウフヽヽフツフ、ウロウロと
108エヘヽヽヘツヘえらまれて
109オホヽヽホツホ(おそ)ろしい
110カカヽヽカツカ過激派(くわげきは)
111キキヽヽキツキ危険(きけん)をば
112ククヽヽクツク(くぐ)()
113ケケヽヽケツケ怪体(けたい)(わる)
114ココヽヽコツコ困窮(こんきう)して
115ササヽヽサツサ(さぐ)()
116シシヽヽシツシしみじみと
117ススヽヽスツスすかぬたらしい
118セセヽヽセツセ()められて
119ソソヽヽソツソ底抜(そこぬ)けの
120タタヽヽタツタたわけをば
121チチヽヽチツチ(ちから)(かぎ)
122ツツヽヽツツツ(つく)しました
123テテヽヽテツテ天手古(てんてこ)()
124トトヽヽトツト(とほ)(くに)
125ナナヽヽナツナ難儀(なんぎ)して
126ニニヽヽニツニ()(ねん)(あひだ)
127ヌヌヽヽヌツヌ盗人(ぬすびと)
128ネネヽヽネツネ寝息(ねいき)をば(うかが)ひすまして
129ノノヽヽノツノ(のど)()める(やう)悪性(あくしやう)
130ハハヽヽハツハ(はな)(わざ)
131ヒヒヽヽヒツヒ昼夜(ひるよる)
132フフヽヽフツフ不断(ふだん)活動(くわつどう)やつて()
133ヘヘヽヽヘツヘ屁古(へこ)()れて
134ホホヽヽホツホほろほろと
135ママヽヽマツマまごつき(なが)
136ミミヽヽミツミ()(くる)しみも
137ムムヽヽムツム無理(むり)(しの)んで
138メメヽヽメツメ名誉(めいよ)(ため)
139モモヽヽモツモ唐土(もろこし)(そら)まで
140ヤヤヽヽヤツヤやつとの(こと)
141イイヽヽイツイ()()(わたし)
142ユユヽヽユツユ(ゆめ)にだも
143エエヽヽエツエ会得(ゑとく)出来(でき)ないお仕組(しぐみ)
144ヨヨヽヽヨツヨよく(さぐ)
145ラリルレロの(にご)(みづ)
146ワワヽヽワツワ(わた)つて()えて
147ヰヰヽヽヰツヰ(いま)ここへ
148ウウヽヽウツウ(うれ)しくも
149ヱヱヽヽヱツヱヱンヤラヤツト
150ヲヲヽヽヲツヲお(かへ)りなさつた守宮別(やもりわけ)
151大切(だいじ)にせないと冥加(めうが)(わる)
152アヽ燗酒(かんざけ)ぢや燗酒(かんざけ)ぢや
153冷酒(ひやざけ)よりも(かん)がよい
154塩辛肴(しほからざかな)()すよりも
155甘鯛(ぐじ)一塩(ひとしほ)()ふて()
156アツサリ()ましたら、どうだいのう
157ウントコドツコイドツコイシヨ』
158とソロソロ(よひ)がまはつて()(あが)(うた)()し、159徳利(とくり)皿鉢膳(さらはちぜん)(など)()(つぶ)し、160バタリとその()(たふ)れグウグウと(いびき)をかいて()(しま)つた。
161 寅子(とらこ)162(はな)両人(りやうにん)一生(いつしやう)懸命(けんめい)守宮別(やもりわけ)別室(べつしつ)(かつ)()み、163(あし)()でたり、164団扇(うちは)(あふ)いだり、165あらむ(かぎ)りの(まこと)(つく)し、166介抱(かいほう)()しゐたりけり。
167 小北山(こぎたやま)(まつ)()欝蒼(こんもり)とした(えだ)から(ふくろ)が、168愚迂(ぐう)々々(ぐう)々々(ぐう)々々(ぐう)々々(ぐう)169阿呆(あはう)々々(あはう)々々(あはう)」と()いてゐる。
170大正一二・七・一三 旧五・三〇 北村隆光録)
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