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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第64巻(卯の巻)上
序
総説
第1篇 日下開山
第1章 橄欖山
第2章 宣伝使
第3章 聖地夜
第4章 訪問客
第5章 至聖団
第2篇 聖地巡拝
第6章 偶像都
第7章 巡礼者
第8章 自動車
第9章 膝栗毛
第10章 追懐念
第3篇 花笑蝶舞
第11章 公憤私憤
第12章 誘惑
第13章 試練
第14章 荒武事
第15章 大相撲
第16章 天消地滅
第4篇 遠近不二
第17章 強請
第18章 新聞種
第19章 祭誤
第20章 福命
第21章 遍路
第22章 妖行
第5篇 山河異涯
第23章 暗着
第24章 妖蝕
第25章 地図面
第26章 置去
第27章 再転
余白歌
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霊界物語
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山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第64巻(卯の巻)上
> 第5篇 山河異涯 > 第25章 地図面
<<< 妖蝕
(B)
(N)
置去 >>>
第二五章
地図
(
アトラス
)
面
(
めん
)
〔一六五四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上
篇:
第5篇 山河異涯
よみ(新仮名遣い):
さんがいがい
章:
第25章 地図面
よみ(新仮名遣い):
あとらすめん
通し章番号:
1654
口述日:
1923(大正12)年07月13日(旧05月30日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年10月16日
概要:
舞台:
僧院ホテルのお寅の部屋、アメリカンコロニー
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-11-26 00:23:50
OBC :
rm64a25
愛善世界社版:
274頁
八幡書店版:
第11輯 479頁
修補版:
校定版:
276頁
普及版:
62頁
初版:
ページ備考:
001
守宮別
(
やもりわけ
)
は
酔
(
ゑひ
)
がまはるにつれて
一人
(
ひとり
)
ようがつて
何
(
なに
)
もかも
打忘
(
うちわす
)
れ、
002
喋
(
しやべ
)
り
出
(
だ
)
したり。
003
守宮別
『おい、
004
高姫
(
たかひめ
)
の
再来
(
さいらい
)
のお
寅
(
とら
)
さま、
005
真黒
(
まつくろ
)
々姫
(
くろひめ
)
の
再来
(
さいらい
)
のお
花
(
はな
)
さま、
006
曲彦
(
まがひこ
)
の
再来
(
さいらい
)
の、
007
ヤツパリ
曲彦
(
まがひこ
)
さま、
008
どうだい。
009
ちつとビールでも
飲
(
の
)
んで
浮
(
う
)
く
気
(
き
)
はないか。
010
エー、
011
何
(
なん
)
だ、
012
青
(
あを
)
い
青
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
して
心配
(
しんぱい
)
さうに。
013
酒
(
さけ
)
飲
(
の
)
めば
何時
(
いつ
)
も
心
(
こころ
)
が
春
(
はる
)
めきて、
014
借金取
(
しやくきんとり
)
も
鶯
(
うぐひす
)
の
声
(
こゑ
)
。
015
酒
(
さけ
)
位
(
くらゐ
)
笑顔
(
ゑがほ
)
のよいものはないわ。
016
土堤
(
どて
)
ぎり、
017
ここで
散財
(
さんざい
)
やつたらどうだい。
018
自分
(
じぶん
)
だけ
飲
(
の
)
んでも
糞面白
(
くそおもしろ
)
くもないわい。
019
チヤンダーをソレ……○○へ
押込
(
おしこ
)
んだ
時
(
とき
)
、
020
住
(
すみ
)
の
江
(
え
)
神社
(
じんしや
)
へ
詣
(
まゐ
)
つて
茶屋
(
ちやや
)
で
祝
(
いは
)
ひ
酒
(
ざけ
)
を
飲
(
の
)
んだ
時
(
とき
)
のやうに、
021
一
(
ひと
)
つ
はしや
がぬかい。
022
お
寅
(
とら
)
さまとお
花
(
はな
)
さま、
023
お
前
(
まへ
)
さまも
日
(
ひ
)
の
出島
(
でじま
)
で、
024
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
、
025
玉照姫
(
たまてるひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
結婚
(
けつこん
)
の
後
(
あと
)
でチヤンダーが、
026
調
(
しら
)
べられてゐる
留守
(
るす
)
の
間
(
ま
)
にでもやつたぢやないか。
027
あの
時
(
とき
)
位
(
くらゐ
)
愉快
(
ゆくわい
)
の
事
(
こと
)
はなかつたさうぢや。
028
運
(
うん
)
悪
(
わる
)
く
俺
(
おれ
)
はその
時
(
とき
)
アよう
行
(
ゆ
)
かなかつたけれど、
029
お
寅
(
とら
)
さまの
話
(
はなし
)
に
一寸
(
ちよつと
)
聞
(
き
)
いた。
030
どうだ、
031
一
(
ひと
)
つ
此処
(
ここ
)
でその
時
(
とき
)
の
気分
(
きぶん
)
になつて、
032
やらうぢやないか』
033
お花
『コレ、
034
お
寅
(
とら
)
さま、
035
どうしませうか。
036
肝腎
(
かんじん
)
の
通弁
(
つうべん
)
が、
037
こんな
態
(
ざま
)
では、
038
私
(
わたし
)
等
(
たち
)
はどうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ぬぢやありませぬか。
039
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
シオン
山
(
ざん
)
とかへ
行
(
い
)
つて、
040
ブラバーサに
会
(
あ
)
つて
来
(
き
)
た
方
(
はう
)
が
近道
(
ちかみち
)
かも
知
(
し
)
れませぬぜ』
041
お寅
『そりやいけませぬ。
042
神
(
かみ
)
が
一言
(
ひとこと
)
申
(
まを
)
したら
何時
(
いつ
)
になつても
変
(
かは
)
らぬと
仰有
(
おつしや
)
るのだから、
043
人民
(
じんみん
)
が
勝手
(
かつて
)
に
予定
(
よてい
)
を
変更
(
へんかう
)
する
事
(
こと
)
は
大変
(
たいへん
)
なお
気障
(
きざは
)
りですよ』
044
お花
『だと
云
(
い
)
つて、
045
守宮別
(
やもりわけ
)
の
酔
(
ゑひ
)
が
覚
(
さ
)
めるのをまつて
居
(
を
)
れば
何時
(
いつ
)
になるか
知
(
し
)
れませぬわ』
046
守宮別
『アハヽヽヽヽ
駄目
(
だめ
)
だよ
駄目
(
だめ
)
だよ、
047
此
(
この
)
新聞
(
しんぶん
)
を
見
(
み
)
ても
分
(
わか
)
つてるぢやないか。
048
ブラバーサの
信用
(
しんよう
)
と
云
(
い
)
ふものは
大
(
たい
)
したものだ。
049
到底
(
たうてい
)
之
(
これ
)
を
転覆
(
てんぷく
)
させる
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
きますまい。
050
又
(
また
)
スバール
博士
(
はかせ
)
もお
前
(
まへ
)
さまを
偽
(
にせ
)
救世主
(
きうせいしゆ
)
と
云
(
い
)
つてゐたから、
051
何程
(
なにほど
)
シヤチになつても、
052
アキませぬわい。
053
それだから、
054
ヤケ
糞
(
くそ
)
になつてビールを
飲
(
の
)
んでゐるのだ。
055
オイ
曲彦
(
まがひこ
)
、
056
貴様
(
きさま
)
も
飲
(
の
)
めぬ
口
(
くち
)
ではなし、
057
一
(
ひと
)
つ
飲
(
の
)
んだらどうだい。
058
エー、
059
訓狐
(
きんこ
)
と
云
(
い
)
ふ
獣
(
けもの
)
は、
060
夜
(
よさり
)
になると
微塵
(
みぢん
)
の
虫
(
むし
)
でも
見
(
み
)
えるが、
061
白昼
(
はくちう
)
になると
目
(
め
)
がくらむで
大山
(
たいざん
)
さへ
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
ぬと
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
だが、
062
お
寅
(
とら
)
さまは
何
(
なん
)
といつても
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
の
訓狐
(
きんこ
)
さまだから
駄目
(
だめ
)
だよ。
063
もういい
加減
(
かげん
)
に
思
(
おも
)
ひきつたらどうだ』
064
と
悪胴
(
わるどう
)
を
据
(
す
)
ゑて、
065
ぐぜり
出
(
だ
)
した。
066
お
寅
(
とら
)
はいろいろとすかしなだめつ、
067
守宮別
(
やもりわけ
)
の
手
(
て
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて
町外
(
まちはづ
)
れのアメリカンコロニーさして
訪
(
たづ
)
ね
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
となつた。
068
行歩
(
かうほ
)
蹣跚
(
まんさん
)
として
大道
(
だいだう
)
狭
(
せま
)
しと
二人
(
ふたり
)
に
両手
(
りやうて
)
を
引
(
ひ
)
かれ、
069
漸
(
やうや
)
くコロニーの
門口
(
かどぐち
)
まで
着
(
つ
)
いた。
070
数多
(
あまた
)
の
老若
(
ろうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は
怪訝
(
けげん
)
な
顔
(
かほ
)
して
見
(
み
)
つめてゐる。
071
守宮別
(
やもりわけ
)
は、
072
守宮別
『エー
御免
(
ごめん
)
なさい。
073
拙者
(
せつしや
)
は
日出島
(
ひのでじま
)
から
救世主
(
きうせいしゆ
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
のお
供
(
とも
)
をして、
074
ここ
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
います。
075
ここには
天下
(
てんか
)
無双
(
むそう
)
のナイス、
076
マリヤさまと
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
がゐられますかな。
077
そして
色男
(
いろをとこ
)
のヤコブさまといふ
方
(
かた
)
が
見
(
み
)
えてゐるやうに
今日
(
けふ
)
都新聞
(
みやこしんぶん
)
で
承
(
うけたま
)
はりましたが、
078
御
(
ご
)
在宅
(
ざいたく
)
ならば
一寸
(
ちよつと
)
会
(
あ
)
はして
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
いものです』
079
マリヤは
門口
(
かどぐち
)
の
騒々
(
さうざう
)
しいのに、
080
何事
(
なにごと
)
ならむと
立出
(
たちい
)
で
見
(
み
)
れば
見慣
(
みな
)
れぬ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
が
門口
(
かどぐち
)
に
立
(
た
)
つて
何事
(
なにごと
)
か
囁
(
ささや
)
いてゐる。
081
マリヤはブラバーサに
会
(
あ
)
つて
余程
(
よほど
)
日出島
(
ひのでじま
)
の
言葉
(
ことば
)
を
覚
(
おぼ
)
えてゐた。
082
それ
故
(
ゆゑ
)
大体
(
だいたい
)
の
意味
(
いみ
)
は
分
(
わか
)
るやうになつてゐた。
083
マリヤ
『
貴方
(
あなた
)
は
何処
(
どこ
)
からおいでになりました?
支那
(
しな
)
からですか?
朝鮮
(
てうせん
)
からですか?お
見受
(
みう
)
け
申
(
まを
)
しますと、
084
よほど
遠方
(
ゑんぱう
)
の
方
(
かた
)
と
見
(
み
)
えますが』
085
お
寅
(
とら
)
は
肩
(
かた
)
を
聳
(
そび
)
やかし
乍
(
なが
)
ら、
086
稍
(
やや
)
反身
(
そりみ
)
になり、
087
お寅
『
妾
(
わたし
)
は
日下
(
ひのした
)
開山
(
かいさん
)
、
088
日出島
(
ひのでじま
)
の
小北山
(
こぎたやま
)
の
聖場
(
せいじやう
)
に
天降
(
あまくだ
)
つた
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
、
089
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
様
(
さま
)
の
化身
(
けしん
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ。
090
貴方
(
あなた
)
達
(
たち
)
は
日出島
(
ひのでじま
)
から
救世主
(
きうせいしゆ
)
が
此
(
この
)
聖地
(
せいち
)
へ
降
(
くだ
)
るといつて
何十
(
なんじふ
)
年
(
ねん
)
も
待
(
ま
)
つてゐられるさうですが、
091
その
救世主
(
きうせいしゆ
)
と
云
(
い
)
ふのは
此
(
この
)
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
ですから、
092
その
積
(
つもり
)
で
居
(
を
)
つて
下
(
くだ
)
さいや。
093
そしてお
前
(
まへ
)
さまは、
094
あの
身魂
(
みたま
)
の
曇
(
くも
)
つたブラバーサと
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
を
大変
(
たいへん
)
信用
(
しんよう
)
してゐられるさうだが、
095
あの
男
(
をとこ
)
は
バチ
者
(
もの
)
ですよ。
096
うつかり
相手
(
あひて
)
にならうものならドエライ
事
(
こと
)
になりますよ。
097
女殺
(
をんなごろ
)
しの
後家倒
(
ごけたふ
)
しと
名
(
な
)
をとつた
悪性
(
あくしやう
)
男
(
をとこ
)
ですからな。
098
今日
(
けふ
)
も
新聞
(
しんぶん
)
で
見
(
み
)
ますれば
勿体
(
もつたい
)
ない……
橄欖山
(
かんらんさん
)
上
(
じやう
)
で
何
(
なに
)
か
芝居
(
しばゐ
)
をなさつたさうですが、
099
ようもあのド
倒
(
たふ
)
し
者
(
もの
)
と、
100
阿呆
(
あはう
)
らしい
事
(
こと
)
をなさいますな。
101
オツホヽヽヽヽ』
102
マリヤはムツとして
稍
(
やや
)
顔色
(
かほいろ
)
を
変
(
か
)
へ
乍
(
なが
)
ら、
103
マリヤ
『
放
(
ほ
)
つといて
下
(
くだ
)
さいませ。
104
ブラバーサ
様
(
さま
)
は
貴女
(
あなた
)
のやうな
偽救主
(
にせすくひぬし
)
ぢやありませぬよ。
105
今日
(
けふ
)
の
新聞
(
しんぶん
)
を
御覧
(
ごらん
)
になつたでせう。
106
あんな
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
はメツタにありませぬわいな』
107
お寅
『えらう
又
(
また
)
、
108
御
(
ご
)
贔屓
(
ひいき
)
ですな。
109
大方
(
おほかた
)
性
(
しやう
)
の
悪
(
わる
)
い
男
(
をとこ
)
だから、
110
世間
(
せけん
)
見
(
み
)
ずのお
前
(
まへ
)
さまを○○したのぢやありますまいかな。
111
あゝあ
不品行
(
ふひんかう
)
の
奴
(
やつ
)
が
来
(
く
)
るから
日出島
(
ひのでじま
)
の
名誉
(
めいよ
)
に
関
(
くわん
)
する
事
(
こと
)
をしてるかも
知
(
し
)
れない。
112
コレ
守宮別
(
やもりわけ
)
さま、
113
お
前
(
まへ
)
さま、
114
どう
思
(
おも
)
ひますか』
115
守宮別
『どうも
思
(
おも
)
ひませぬわい。
116
ラブ・イズ・ベストの
流行
(
はや
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だからな』
117
お寅
『それ
又
(
また
)
、
118
何故
(
なぜ
)
ソンナ
怪体
(
けたい
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひますか。
119
もう、
120
チーチーパーパーは
止
(
や
)
めて
下
(
くだ
)
さい。
121
外国魂
(
ぐわいこくだま
)
のマリヤさまでさへも、
122
妾
(
わたし
)
等
(
たち
)
に
分
(
わか
)
る
言葉
(
ことば
)
を
使
(
つか
)
つてるぢやないか。
123
それだからいろは
四十八
(
しじふはち
)
文字
(
もじ
)
で
通用
(
つうよう
)
すると、
124
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
のお
筆
(
ふで
)
に
出
(
で
)
てゐるのですよ。
125
スバール
博士
(
はかせ
)
なんて、
126
つまらぬ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つていろは
四十八
(
しじふはち
)
文字
(
もじ
)
が
分
(
わか
)
らぬのかいな。
127
本当
(
ほんたう
)
に
学者
(
がくしや
)
といふものは
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬものだわい。
128
コレ、
129
ブラバーサをここに
隠
(
かく
)
してあるのでせう。
130
うまい
事
(
こと
)
、
131
シオン
山
(
ざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
居
(
ゐ
)
る
等
(
など
)
と
新聞
(
しんぶん
)
に
書
(
か
)
かしたのでせう。
132
新聞
(
しんぶん
)
に
何程
(
なにほど
)
よく
書
(
か
)
いたとて、
133
アテになりますかい。
134
握
(
にぎ
)
らせさへすれば、
135
よく
書
(
か
)
きますよ。
136
今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
は
皆
(
みな
)
新聞
(
しんぶん
)
に
騙
(
だま
)
されてゐるのだからな』
137
マリヤ
『それでも
新聞
(
しんぶん
)
は
社会
(
しやくわい
)
の
耳目
(
じもく
)
といひますからね。
138
間違
(
まちがひ
)
はありますまい』
139
お寅
『さあ、
140
社会
(
しやくわい
)
の
耳目
(
じもく
)
だから、
141
いかぬのだよ。
142
今日
(
こんにち
)
の
社会
(
しやくわい
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
の
耳
(
みみ
)
や
目
(
め
)
は
皆
(
みな
)
、
143
死
(
し
)
んだも
同然
(
どうぜん
)
だ。
144
目
(
め
)
があつても
誠
(
まこと
)
が
見
(
み
)
えず、
145
耳
(
みみ
)
があつても
誠
(
まこと
)
が
聞
(
きこ
)
えず、
146
善
(
ぜん
)
が
悪
(
あく
)
に
見
(
み
)
えたり
聞
(
きこ
)
えたり、
147
悪
(
あく
)
が
善
(
ぜん
)
に
見
(
み
)
えたり
聞
(
きこ
)
えたりするのだから
新聞
(
しんぶん
)
の
記事
(
きじ
)
なんか、
148
アテになりますかい。
149
そんな
事
(
こと
)
いはずにトツトと
出
(
だ
)
して
下
(
くだ
)
さい。
150
グヅグヅしてゐると
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
が
踏
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
んで
家探
(
やさが
)
しを
致
(
いた
)
しますぞや』
151
守宮別
(
やもりわけ
)
はヒヨロヒヨロし
乍
(
なが
)
ら、
152
守宮別
『もうお
寅
(
とら
)
さま、
153
去
(
い
)
にませうかい。
154
駄目
(
だめ
)
ですよ。
155
どうも、
156
ここにや
居
(
を
)
りさうにありませぬわい。
157
それよりもホテルへ
帰
(
かへ
)
つてユツクリと
一杯
(
いつぱい
)
やりませう。
158
こんな
処
(
ところ
)
へ
立
(
た
)
つて
談判
(
だんぱん
)
してるのも、
159
気
(
き
)
がきかぬぢやありませぬか。
160
エー、
161
グー、
162
ウーウーあゝ
苦
(
くる
)
しい
苦
(
くる
)
しい、
163
何
(
なん
)
と
因果
(
いんぐわ
)
な
婆
(
ば
)
アさまだらうかな。
164
宿屋
(
やどや
)
に
居
(
を
)
れば
皆
(
みな
)
が
慕
(
した
)
つて
来
(
く
)
るのにな。
165
あゝ
一
(
いち
)
も
取
(
と
)
らず
二
(
に
)
も
取
(
と
)
らずだ。
166
あゝ
苦
(
くる
)
しい
苦
(
くる
)
しい、
167
こんな
事
(
こと
)
して
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
はねばならぬとは
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
だな』
168
マリヤは
眉毛
(
まゆげ
)
を
逆立
(
さかだ
)
て、
169
マリヤ
『エ、
170
お
寅
(
とら
)
さまとやら、
171
お
前
(
まへ
)
さまはブラバーサさまの
レコ
ですか、
172
それで
遥々
(
はるばる
)
と
後
(
あと
)
追
(
お
)
つて
来
(
き
)
たのでせう。
173
何
(
なん
)
とブラバーサさまも
年
(
とし
)
とつた
レコ
を
持
(
も
)
たれたものだな。
174
エーエ、
175
妾
(
わたし
)
も
今迄
(
いままで
)
騙
(
だま
)
されてゐたのか、
176
クヽヽヽ
口惜
(
くや
)
しい!トツトと
去
(
い
)
んで
下
(
くだ
)
され』
177
お寅
『ホヽヽヽヽ
阿呆
(
あはう
)
らしい、
178
誰
(
たれ
)
があんな
四足魂
(
よつあしみたま
)
の
後
(
あと
)
追
(
お
)
ふて、
179
惚
(
ほれ
)
て
来
(
く
)
る
奴
(
やつ
)
がありませうか。
180
私
(
わたし
)
には
済
(
す
)
みませぬが
守宮別
(
やもりわけ
)
……オツトドツコイ
虎島
(
とらしま
)
久之助
(
ひさのすけ
)
と
云
(
い
)
ふ
大将軍
(
だいしやうぐん
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
が
御座
(
ござ
)
いますぞや。
181
ヘン、
182
馬鹿
(
ばか
)
にして
下
(
くだ
)
さるなや。
183
ネーお
花
(
はな
)
さま、
184
貴女
(
あなた
)
も
一寸
(
ちよつと
)
証明
(
しようめい
)
して
下
(
くだ
)
さいな』
185
お花
『もしマリヤさま、
186
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
にかかります。
187
私
(
わたし
)
が
今度
(
こんど
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
のお
伴
(
とも
)
して
来
(
き
)
たのは
決
(
けつ
)
してブラバーサさまを
慕
(
した
)
ふて
来
(
き
)
たのぢやないから
安心
(
あんしん
)
して
下
(
くだ
)
さい。
188
然
(
しか
)
し
一度
(
いちど
)
会
(
あ
)
ふて
話
(
はな
)
しせねばならぬ
事
(
こと
)
があるので
来
(
き
)
たのですよ。
189
ブラバーサは
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つてるか
知
(
し
)
りませぬが、
190
あの
男
(
をとこ
)
はウヅンバラチヤンダーと
云
(
い
)
ふ
濁
(
にご
)
つた
魂
(
みたま
)
の
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けた
枉魂
(
まがみたま
)
ですから、
191
何
(
なに
)
云
(
い
)
ふか
分
(
わか
)
りませぬ。
192
あんな
男
(
をとこ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
本当
(
ほんたう
)
にしてゐれば、
193
世間
(
せけん
)
に
顔出
(
かほだ
)
しが
出来
(
でき
)
ぬ
様
(
やう
)
になりますよ。
194
一寸
(
ちよつと
)
老婆心
(
らうばしん
)
乍
(
なが
)
ら
忠告
(
ちゆうこく
)
して
置
(
お
)
きます。
195
本当
(
ほんたう
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
は
今
(
いま
)
ここに
居
(
ゐ
)
る
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
さまですよ。
196
ようお
顔
(
かほ
)
を
拝
(
をが
)
んで
御覧
(
ごらん
)
なさい。
197
どこともなしに
違
(
ちが
)
つて
居
(
を
)
りませうがな』
198
マリヤ
『ホヽヽヽヽホンに
違
(
ちが
)
つた
所
(
ところ
)
がありますわ。
199
アトラスの
様
(
やう
)
な……お
顔
(
かほ
)
に
縦横
(
たてよこ
)
の
皺
(
しわ
)
がよつて
宛然
(
まるで
)
地球儀
(
ちきうぎ
)
の
様
(
やう
)
で
御座
(
ござ
)
いますわ』
200
お寅
『マリヤさま、
201
お
前
(
まへ
)
さまは
余程
(
よつぽど
)
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
りますな。
202
私
(
わたし
)
の
顔
(
かほ
)
が
地球儀
(
ちきうぎ
)
に
見
(
み
)
えますかな。
203
あ、
204
さうでせうとも、
205
全地球
(
ぜんちきう
)
を
救済
(
きうさい
)
する
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
ですものね。
206
それだけ
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
れば
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
になれますぞや』
207
と、
208
自分
(
じぶん
)
の
顔
(
かほ
)
を
地球儀
(
ちきうぎ
)
と
悪口
(
あくこう
)
云
(
い
)
はれて
居
(
を
)
り
乍
(
なが
)
らも
善意
(
ぜんい
)
に
解
(
かい
)
したのは
面白
(
おもしろ
)
い。
209
守宮別
『これお
寅
(
とら
)
さま、
210
此
(
こ
)
の
女
(
をんな
)
はお
前
(
まへ
)
さまの
悪口
(
わるくち
)
を
云
(
い
)
つたのですよ。
211
チツト
怒
(
おこ
)
りなさらぬのかいな』
212
お寅
『それでもオトラスの
顔
(
かほ
)
と
云
(
い
)
ふたぢやないか。
213
オトラスの
顔
(
かほ
)
は
地球儀
(
ちきうぎ
)
の
様
(
やう
)
だと
仰有
(
おつしや
)
つたのは
地球
(
ちきう
)
一般
(
いつぱん
)
に
顔
(
かほ
)
がうれると
云
(
い
)
ふ
謎
(
なぞ
)
ですよ。
214
何事
(
なにごと
)
も
善意
(
ぜんい
)
に
解
(
かい
)
さなくては
駄目
(
だめ
)
ですぞや』
215
曲彦
(
まがひこ
)
は
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し、
216
曲彦
『アツハヽヽヽ』
217
お
寅
(
とら
)
は、
218
お寅
『これこれ
曲
(
まが
)
やん、
219
何
(
なに
)
を
笑
(
わら
)
ふのだい。
220
チツト、
221
たしなまぬかいな』
222
曲彦
(
まがひこ
)
は
又
(
また
)
もこらへ
切
(
き
)
れず
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し、
223
曲彦
『アハヽヽヽヽイヒヽヽヽヽ』
224
守宮別
(
やもりわけ
)
も
又
(
また
)
、
225
守宮別
『ウツフヽヽヽヽエヘヽヽヽヽ』
226
マリヤは
呆
(
あき
)
れて、
227
マリヤ
『ホヽヽヽヽ
何
(
なん
)
とまア、
228
よう
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
救世主
(
きうせいしゆ
)
だ
事
(
こと
)
、
229
定
(
さだ
)
めて
聖地
(
せいち
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
尊敬
(
そんけい
)
されるでせう。
230
左様
(
さやう
)
なら、
231
又
(
また
)
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいませと
申上
(
まをしあ
)
げたいが……
二度
(
にど
)
と
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいますなや』
232
とピシヤツと
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
め
中
(
なか
)
から
突張
(
つつぱり
)
をかけて
奥
(
おく
)
へ
姿
(
すがた
)
をかくしたりけり。
233
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
是非
(
ぜひ
)
なくブツブツ
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
234
ヨルダン
川
(
がは
)
の
辺
(
ほとり
)
のチヤーチを
指
(
さ
)
して
尋
(
たづ
)
ね
行
(
ゆ
)
く。
235
(
大正一二・七・一三
旧五・三〇
北村隆光
録)
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