霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は従来バージョンをお使い下さい| サブスクのお知らせ

第一五章 遠来(ゑんらい)(きやく)〔六四三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第18巻 如意宝珠 巳の巻 篇:第5篇 五月五日祝 よみ(新仮名遣い):ごがついつかのいわい
章:第15章 遠来の客 よみ(新仮名遣い):えんらいのきゃく 通し章番号:643
口述日:1922(大正11)年04月28日(旧04月02日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫がフサの国から、天の磐船に乗って魔窟ケ原にやってきた。黒姫が出迎え、玉照姫を奪う計画の進捗を報告する。高姫は、玉照姫が手に入るやいなや、フサの国に連れて帰る心積もりであった。
紫姫は高姫に挨拶をした。直会の宴が開かれ、高姫、黒姫は上機嫌で宣伝歌を歌う。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-03-25 17:11:08 OBC :rm1815
愛善世界社版:249頁 八幡書店版:第3輯 730頁 修補版: 校定版:257頁 普及版:114頁 初版: ページ備考:
001 米価(べいか)騰貴(あが)糠雨(ぬかあめ)が、002(あか)蛇腹(じやばら)(そら)()せて()る。003八岐(やまた)大蛇(をろち)憑依(ひようい)されしウラナイ(けう)頭株(あたまかぶ)004鼻高々(はなたかだか)高姫(たかひめ)が、005天空(てんくう)(たか)(あま)磐船(いはぶね)(とどろ)かしつつフサの(くに)をば(あと)にして、006大海原(おほうなばら)乗越(のりこ)えて、007由良(ゆら)(みなと)着陸(ちやくりく)し、008二人(ふたり)(とも)()()れて、009大江(おほえ)(やま)(ほど)(ちか)き、010魔窟(まくつ)(はら)黒姫(くろひめ)が、011(をしへ)射場(いば)()てて()る、012要心(えうじん)堅固(けんご)岩窟(がんくつ)(いきほひ)()んでかけ(きた)る。
013 梅公(うめこう)目敏(めざと)高姫(たかひめ)姿(すがた)()て、014叮嚀(ていねい)会釈(ゑしやく)しながら、
015梅公『ヤア、016これはこれは高姫(たかひめ)(さま)017達者(たつしや)でしたか、018遠方(ゑんぱう)(ところ)ようこそ()飛来(ひらい)(くだ)さいました。019黒姫(くろひめ)(さま)がお(よろこ)びで御座(ござ)いませう、020サアずつと(おく)へお(とほ)(くだ)さいませ』
021 高姫(たかひめ)四辺(あたり)きよろきよろ見廻(みまは)しながら、
022高姫(たかひめ)嗚呼(ああ)大変(たいへん)其辺(そこら)あたりが(かは)りましたね、023これと()うのもお(まへ)さま(たち)日頃(ひごろ)丹精(たんせい)(あら)はれて、024何処(どこ)()もよく掃除(さうぢ)行届(ゆきとど)き、025清潔(きれい)(こと)
026梅公(うめこう)『エヽ、027滅相(めつさう)な、028さう()めて(いただ)いては(じつ)汗顔(かんがん)(いた)りで御座(ござ)います、029サア(おく)()案内(あんない)(いた)しませう』
030高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さまは在宅(ざいたく)ですかな』
031梅公(うめこう)『ハイ高山(たかやま)さまも、032()両人(りやうにん)とも(あさ)から(ばん)(まで)それはそれは(うらや)ましい(ほど)(むつ)まじうお(くら)しで御座(ござ)います』
033 (かか)(ところ)黒姫(くろひめ)はヌツと(あら)はれ、
034黒姫『マア高姫(たかひめ)(さま)035ようこそお(いで)(くだ)さいました。036何卒(どうぞ)(ゆつ)くりお(やす)(くだ)さいませ』
037高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さま、038(ひさ)()りでしたねえ、039高山彦(たかやまひこ)さまも()機嫌(きげん)宜敷(よろし)いさうでお目出度(めでた)御座(ござ)います』
040黒姫(くろひめ)『ハイ、041有難(ありがた)御座(ござ)います、042頑固(ぐわんこ)なお(かた)(こま)つて()ります』
043高姫(たかひめ)『ヤア、044人間(にんげん)頑固(ぐわんこ)でなければいけませぬ、045兎角(とかく)正直者(しやうぢきもの)頑固(ぐわんこ)なものですよ、046変性(へんじやう)男子(なんし)(しき)身霊(みたま)でなくては到底(たうてい)神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)(いた)しませぬからな。047(とき)黒姫(くろひめ)さま、048貴女(あなた)日々(にちにち)この自転倒(おのころ)(じま)大江山(おほえやま)(ちか)くに、049(むらさき)(くも)()(のぼ)り、050神聖(しんせい)なる偉人(ゐじん)出現(しゆつげん)して()(こと)御存(ごぞん)じでせうね』
051黒姫(くろひめ)『ハイハイ委細(ゐさい)承知(しようち)して()ります』
052高姫(たかひめ)承知(しようち)はして()ても(また)()かりなく、053(その)玉照姫(たまてるひめ)とやらをウラナイ(けう)()()れる手筈(てはず)調(ととの)うて()ますか』
054黒姫(くろひめ)(おつ)しやる(まで)もなく、055一切(いつさい)万事(ばんじ)羽織(はおり)(ひも)で、056黒姫(くろひめ)(むね)にチヤンと()いて御座(ござ)います。057オホヽヽヽ』
058高姫(たかひめ)『ヤアそれで安心(あんしん)しました、059愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると、060また素盞嗚(すさのをの)(みこと)(はう)()られ仕舞(しま)つては(たま)りませぬからなア、061(わたし)()(ばか)りが()にかかつて、062(いそが)しい(なか)飛行機(ひかうき)()ばして態々(わざわざ)やつて()ました。063そうして肝腎(かんじん)目的物(もくてきぶつ)はもう()()りましたか』
064黒姫(くろひめ)『イヤ、065(いま)着々(ちやくちやく)()(すす)めて()最中(さいちう)なんです。066それについては斯様(かやう)斯様(かやう)こうこうの手段(しゆだん)で』
067(みみ)口寄(くちよ)せて、068綾彦(あやひこ)夫婦(ふうふ)人質(ひとじち)使用(しよう)する(こと)()()けて、069得意(とくい)(かほ)(かがや)かす。
070高姫(たかひめ)(ぜん)(いそ)げだ。071如才(じよさい)はあるまいが(いち)(にち)(はや)くやらねばなりませぬぞえ、072(わたし)もそれが成功(せいこう)する(まで)()()ぢやありませぬ、073(わたし)此処(ここ)()つて()ませう、074玉照姫(たまてるひめ)()()るや(いな)や、075飛行機(ひかうき)()せてフサの(くに)(かへ)りませう』
076黒姫(くろひめ)高姫(たかひめ)さま、077(よろこ)(くだ)さいませ、078一旦(いつたん)三五教(あななひけう)堕落(だらく)して()青彦(あおひこ)が、079(かみ)(さま)()神力(しんりき)往生(わうじやう)して(かへ)つて()ました』
080高姫(たかひめ)(なん)仰有(おつしや)る、081あの青彦(あをひこ)(かへ)りましたか、082それはマアマアよい(こと)をなさいました。083(さすが)千軍(せんぐん)万馬(ばんば)(こう)()貴女(あなた)084いやもうお(ほね)()れたでせう、085貴女(あなた)敏腕家(びんわんか)には()出神(でのかみ)感服(かんぷく)(いた)しました。086(とき)夏彦(なつひこ)087常彦(つねひこ)()うなりましたか、088なんだか()ないやうですな』
089黒姫(くろひめ)『ヘイ、090彼奴(あいつ)はたうとう三五教(あななひけう)眈溺(たんでき)して仕舞(しま)ひました。091(しか)(なが)(これ)時間(じかん)問題(もんだい)です、092きつと()(かへ)して()せます。093(なに)神界(しんかい)のお仕組(しぐみ)でせう、094ああして三五教(あななひけう)這入(はい)り、095(かへ)りには青彦(あをひこ)のやうに沢山(たくさん)従者(じゆうしや)()れて(かへ)るかも()れませぬ』
096高姫(たかひめ)『さう楽観(らくくわん)出来(でき)ますまいが、097(うしとら)金神(こんじん)(さま)(なに)から(なに)(まで)()()のない(かみ)(さま)だから屹度(きつと)(ふか)(ふか)いお仕組(しぐみ)があるのでせう』
098黒姫(くろひめ)貴女(あなた)にお()にかけ()(かた)一人(ひとり)あります、099それはそれは行儀(ぎやうぎ)()ひ、100器量(きりやう)()ひ、101知識(ちしき)()ひ、102言葉(ことば)(づか)ひと()ひ、103(なに)から(なに)まで(あな)のない三十三(さんじふさん)(さう)(そろ)うた(くわん)自在天(じざいてん)のやうな淑女(しゆくぢよ)信者(しんじや)になられまして、104(いま)宣伝使(せんでんし)仕込(しこ)(ちう)御座(ござ)います、105()うか立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)仕立(した)てあげて、106貴女(あなた)(さま)(よろこ)んで(いただ)かうと(おも)つて日々(にちにち)(ほね)()つて()ります、107まア一遍(いつぺん)()うて()(くだ)さい、108(さいは)(その)(かた)青彦(あをひこ)も、109青彦(あをひこ)()れて()鹿公(しかこう)も、110馬公(うまこう)()ふそれはそれは(じつ)(をとこ)らしい人物(じんぶつ)()()ります、111真実(ほんと)掘出(ほりだ)しものです、112きつとウラナイ(けう)柱石(ちうせき)になる人物(じんぶつ)ですなア』
113高姫(たかひめ)『それは(なに)より結構(けつこう)です』
114(はな)(をり)しも高山彦(たかやまひこ)は、115羽織(はおり)(はかま)扮装(いでたち)116(この)()(あら)はれて、
117高山彦『ヤア高姫(たかひめ)さま、118(ひさ)()りで御座(ござ)いました、119ようマア遥々(はるばる)()入来(じゆらい)120()疲労(くたびれ)御座(ござ)いませう、121サアどうぞ(ゆつ)くりして(くだ)さいませ』
122高姫(たかひめ)『ヤア高山彦(たかやまひこ)さま、123貴方(あなた)幾歳(いくつ)でしたいなア、124大変(たいへん)にお(わか)()えますよ、125(おく)さまの待遇(もてなし)()いので自然(しぜん)にお(わか)くなられますなア、126(わたし)(この)(とほ)(とし)()り、127()()けてもうしやつちもない(ばば)アですが、128貴方(あなた)とした(こと)わいなア、129フサの(くに)()らした(とき)よりも余程(よほど)元気(げんき)な、130(かほ)(いろ)若々(わかわか)として、131(わたし)でも()らず()らずに電波(でんぱ)(おく)るやうになりましたワ。132オホヽヽヽ』
133高山彦(たかやまひこ)高姫(たかひめ)さま、134()うぞ()やかさずに()いて(くだ)さい、135(わか)(もの)ぢやあるまいし、136いやもう()()えても(とし)()ふものは(うそ)()かぬ(もの)で、137()(ばか)達者(たつしや)(からだ)(なん)となしに無精(ぶしやう)になります』
138高姫(たかひめ)(あま)(おく)さまの()待遇(もてなし)()いので、139いつも(うち)(ばか)()らつしやるものだから、140自然(しぜん)(からだ)(おも)くなるのでせう、141(わたし)貴方(あなた)のやうな気楽(きらく)()になつて見度(みた)御座(ござ)いますワ、142オホヽヽヽ』
143黒姫(くろひめ)今日(けふ)遠方(ゑんぱう)からの高姫(たかひめ)さまのお()し、144それについては青彦(あをひこ)145紫姫(むらさきひめ)146(その)()一同(いちどう)(もの)(あつ)めて貴女(あなた)歓迎会(くわんげいくわい)やら(いはひ)()ねて、147神酒(みき)一盃(いつぱい)(いただ)(こと)にしませうか』
148高姫(たかひめ)()うぞお(かま)(くだ)さいますな、149(しか)(わたし)(まゐ)つた(しるし)(みな)さまにお神酒(みき)()げて(もら)へば尚更(なほさら)結構(けつこう)です』
150 黒姫(くろひめ)はツト()つて「(うめ)(うめ)」と()んだ。
151 (この)(こゑ)梅公(うめこう)(あは)ただしく(はし)(きた)り、
152梅公(なに)御用(ごよう)御座(ござ)いますか』
153黒姫(くろひめ)今日(けふ)高姫(たかひめ)(さま)(ひさ)(ぶり)のお()しですから、154皆々(みなみな)神酒(みき)(いただ)くのだから、155(その)用意(ようい)をして(くだ)さい』
156梅公(うめこう)『ハイ(かしこ)まりました、157(さぞ)(みな)(もの)(よろこ)ぶことでせう』
158といそいそとして納戸(なんど)(はう)姿(すがた)(かく)した。159紫姫(むらさきひめ)青彦(あをひこ)(とも)(この)()(あら)はれ、160叮嚀(ていねい)()をつかへ、
161紫姫(むらさきひめ)『これはこれは高姫(たかひめ)(さま)御座(ござ)いますか、162(たつと)(おん)()をもつて()くも遠方(ゑんぱう)(ところ)入来(おわせ)られました。163(わたくし)(みやこ)(もの)164元伊勢(もといせ)(さま)二人(ふたり)下僕(しもべ)()れて参拝(さんぱい)(いた)します(をり)165黒姫(くろひめ)さまの熱心(ねつしん)なる()信仰(しんかう)状態(じやうたい)目撃(もくげき)しまして、166それから(にわか)有難(ありがた)うなり、167三五教(あななひけう)信仰(しんかう)()め、168世話(せわ)になつて()ます。169()うぞ今後(こんご)()見捨(みす)てなく宜敷(よろし)()指導(しだう)をお(ねが)(いた)します』
170青彦(あをひこ)(わたくし)御存(ごぞん)じの青彦(あをひこ)御座(ござ)います、171(まこと)不調法(ぶてうはふ)(ばか)(いた)しまして、172大恩(たいおん)ある貴女(あなた)のお言葉(ことば)(わす)れ、173三五教(あななひけう)眈溺(たんでき)(いた)し、174大神(おほかみ)(さま)重々(ぢうぢう)(つみ)(かさ)ね、175(なん)となく神界(しんかい)(おそ)ろしくなりましたので、176(ふたた)黒姫(くろひめ)(さま)にお(わび)(まを)し、177帰参(きさん)(かな)へさして(いただ)きました、178()うぞ宜敷(よろし)くお(ねが)(いた)します』
179高姫(たかひめ)『ヤア紫姫(むらさきひめ)さまに青彦(あをひこ)さま、180(みな)因縁(いんねん)づくぢやから、181もう(この)(うへ)精神(せいしん)をかへては不可(いけ)ませぬぞえ、182貴女(あなた)黒姫(くろひめ)さまに()けば、183立派(りつぱ)淑女(しゆくぢよ)ぢやと仰有(おつしや)いましたが、184如何(いか)にも()きしに(まさ)立派(りつぱ)人格(じんかく)185()出神(でのかみ)生宮(いきみや)も、186(まつた)感服(かんぷく)(いた)しました』
187紫姫(むらさきひめ)『さうお()(くだ)さいましては不束(ふつつ)かな(わたし)188(はづ)かしうて(あな)でもあれば這入(はい)()くなりますワ』
189高姫(たかひめ)滅相(めつさう)な、190(なに)仰有(おつしや)います、191貴女(あなた)身魂(みたま)がよいから、192もう(この)(うへ)()修業(しうげふ)なさるには(およ)びますまい、193貴女(あなた)(この)支社(でやしろ)()いておくのは勿体(もつたい)ない、194(わたし)一緒(いつしよ)北山村(きたやまむら)本山(ほんざん)()(もら)つて、195本山(ほんざん)牛耳(ぎうじ)()つて(もら)はねばなりませぬ。196これこれ青彦(あをひこ)197(まへ)(しつか)りして今度(こんど)(わたし)について()なさい、198此処(ここ)(なが)らく()いておくと剣呑(けんのん)だ、199大江山(おほえやま)悪霊(あくれい)何時(いつ)憑依(ひようい)して(また)もや身魂(みたま)(にご)らすかも()れないから、200今度(こんど)(ある)(ひと)つの目的(もくてき)成就(じやうじゆ)したら、201高姫(たかひめ)一緒(いつしよ)にフサの(くに)本山(ほんざん)()くのだよ』
202青彦(あをひこ)『アヽそれは(なに)より有難(ありがた)御座(ござ)います、203(わたくし)変心(へんしん)したのをお(とが)めもなく、204本山(ほんざん)(まで)()れて(かへ)つてやらうとは、205(なん)とした()仁慈(じんじ)のお言葉(ことば)206もう(この)(うへ)貴女(あなた)()高恩(かうおん)(むく)ゆるため、207粉骨(ふんこつ)砕身(さいしん)犬馬(けんば)(らう)(いと)ひませぬ』
208高姫(たかひめ)『アヽ人間(にんげん)はさうなくては(かな)はぬ、209(そら)(かがや)日月(じつげつ)でさへも、210(とき)あつて黒雲(こくうん)(つつ)まれる(こと)がある。211つまり貴方(あなた)(こころ)(つき)三五教(あななひけう)変性(へんじやう)女子(によし)黒雲(こくうん)(かか)つて()たのだ。212(まよ)ひの(くも)()るれば真如(しんによ)日月(じつげつ)()るのぢや、213アヽ目出度(めでた)目出度(めでた)い、214これと()ふのも黒姫(くろひめ)さまのお(ほね)()り』
215高姫(たかひめ)一生(いつしやう)懸命(けんめい)()めそやして()る。216かかる(ところ)へ、
217梅公(うめこう)『モシモシ、218準備(じゆんび)出来(でき)ました。219(みな)(もの)()つて()ます、220()うぞ(みな)さま(おく)広間(ひろま)へお()(くだ)さいませ』
221黒姫(くろひめ)『ヤア、222それは()苦労(くらう)であつた。223サア高姫(たかひめ)さま、224紫姫(むらさきひめ)さま、225高山(たかやま)さま、226青彦(あをひこ)さま(まゐ)りませう』
227(さき)()つ。228高姫(たかひめ)(たか)()ばたきしたやうな恰好(かつかう)しながら、229いそいそと(おく)()る。230一同(いちどう)高姫(たかひめ)導師(だうし)(もと)神殿(しんでん)(むか)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、231(つづ)いて()出神(でのかみ)筆先(ふでさき)朗読(らうどく)(をは)弥々(いよいよ)直会(なほらひ)(えん)(うつ)つた、232高姫(たかひめ)(うた)(うた)つた。
233高姫『フサの御国(みくに)(そら)(たか)
234(とり)磐樟船(いはくすふね)()
235雲井(くもゐ)(そら)(とどろ)かせ
236一瀉(いつしや)千里(せんり)(いきほ)ひで
237西(にし)より(ひがし)(いなづま)
238(きら)めく(ごと)くかけ(きた)
239世人(よびと)(むね)(ひや)しつつ
240高山(たかやま)低山(ひきやま)()()えて
241(あめ)真名井(まなゐ)()(わた)
242(やす)河原(かはら)(した)()
243(またた)くひまに皇神(すめかみ)
244()()守護(しゆご)(いちじる)
245由良(ゆら)(みなと)着陸(ちやくりく)
246鶴亀(つるかめ)二人(ふたり)(ともな)ひて
247千秋(せんしう)万歳(ばんざい)ウラナイの
248(をしへ)基礎(きそ)(かた)めむと
249(あづま)(かがや)明星(みやうじやう)
250(もと)めて此処(ここ)()()れば
251(かみ)経綸(しぐみ)奥深(おくふか)
252凡夫(ぼんぶ)()には弥仙山(みせんざん)
253(やま)彼方(かなた)(あら)はれし
254玉照姫(たまてるひめ)厳霊(いづみたま)
255弥々(いよいよ)此処(ここ)出現(しゆつげん)
256三千(さんぜん)(ねん)(おん)経綸(しぐみ)
257(ひら)常磐(ときは)(まつ)()
258()甲斐(かひ)あつて高姫(たかひめ)
259日頃(ひごろ)(おも)ひも()(わた)
260(とき)(やうや)(ちか)づきぬ
261アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
262御霊(みたま)幸倍(さちはへ)()()して
263(まこと)(みち)にさやり()
264頑固(ぐわんこ)(ひと)つの瑞霊(みづみたま)
265変性(へんじやう)女子(によし)改心(かいしん)
266する()とこそはなりにけり
267(つき)()つとも()くるとも
268(あさひ)()るとも(くも)るとも
269仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
270ウラナイ(けう)(かみ)(みち)
271(ただ)一厘(いちりん)秘密(ひみつ)をば
272グツと(にぎ)つた高姫(たかひめ)
273仕組(しぐみ)(おく)(ふた)あけて
274(はら)()んだる如意(によい)宝珠(ほつしゆ)
275(たま)(ひかり)(あざや)かに
276三千(さんぜん)世界(せかい)(かがや)かし
277(おに)大蛇(をろち)曲津(まがつ)(かみ)
278三五教(あななひけう)立直(たてなほ)
279金勝要(きんかつかね)大神(おほかみ)
280木花姫(このはなひめ)生宮(いきみや)
281徹底(とことん)改心(かいしん)さして()
282グツと(よわ)つた、しほどきに
283(この)高姫(たかひめ)()()んで
284サアサア()うぢや、サアどうぢや
285(おく)をつかんだ太柱(ふとばしら)
286(いよいよ)改悟(かいご)をすればよし
287()(わか)らねば(ちやう)()らうか
288変性(へんじやう)男子(なんし)(おん)血統(ちすぢ)
289(かみ)(はしら)となりながら
290こんな(こと)では、どうなるか
291(まこと)(こと)(わか)らねば
292(はや)陣引(ぢんび)きするがよい
293(あと)高姫(たかひめ)()()んで
294(ただ)一厘(いちりん)(おん)仕組(しぐみ)
295天晴(あつぱれ)成就(じやうじゆ)させて()せう
296()うして女子(によし)()らすまで
297(ひと)()くてはならぬもの
298弥仙(みせん)(やま)(あら)はれた
299玉照姫(たまてるひめ)()()れて
300(これ)をば(たね)(せめ)()れば
301如何(いか)頑固(ぐわんこ)緯役(よこやく)
302変性(へんじやう)女子(によし)往生(わうじやう)して
303(かぶと)()ぐに(ちが)ひない
304一分(いちぶ)一厘(いちりん)毛筋(けすぢ)(ほど)
305間違(まちが)()いのが(かみ)(みち)
306三五教(あななひけう)やウラナイ(けう)
307(かみ)(をしへ)表面(へうめん)
308(ふた)つに(わか)れて()るけれど
309(もと)(ただ)せば一株(ひとかぶ)ぢや
310(あめ)(あられ)(ゆき)(こほり)
311(かたち)(かは)れど徹底(とことん)
312()()(さき)(おな)(みづ)
313(おな)(たに)をば(なが)()
314変性(へんじやう)女子(によし)御霊(みたま)さへ
315グヅと往生(わうじやう)させたなら
316(あと)金勝要(きんかつかね)(かみ)
317木花(このはな)咲耶姫(さくやひめ)(かみ)
318(ひこ)火々出見(ほほでみ)神霊(かむみたま)
319帰順(きじゆん)なさるは(やす)(こと)
320邪魔(じやま)になるのは緯役(よこやく)
321(この)()(みだ)れた守護神(しゆごじん)
322此奴(こいつ)ばかりが()にかかる
323アヽさりながらさりながら
324(とき)()にけり、(きた)りけり
325(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
326(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
327(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
328直日(なほひ)見直(みなほ)し、()(なほ)
329三五教(あななひけう)やウラナイの
330(かみ)(をしへ)神勅(みことのり)
331高天原(たかあまはら)高姫(たかひめ)
332天晴(あつぱ)(おもて)(あら)はれて
333(まこと)(みち)()()かし
334ミロクの(かみ)末長(すゑなが)
335(たて)のお(やく)立直(たてなほ)
336(よこ)守護(しゆご)(ほろ)ぼして
337常世(とこよ)(ひめ)生魂(いきだま)
338世界(せかい)秘密(ひみつ)(さぐ)()
339()出神(でのかみ)竜宮(りうぐう)
340乙姫(おとひめ)さまの神力(しんりき)
341堅磐(かきは)常磐(ときは)(まつ)()
342()つる(とき)こそ(きた)りけり
343アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
344御霊(みたま)幸倍(さちはへ)(まし)ませよ』
345 黒姫(くろひめ)(やや)346微酔(ほろよひ)機嫌(きげん)になつて低太(ひくぶと)(こゑ)()()げて(うた)(はじ)めたり。
347黒姫(とほ)海山(うみやま)河野(かはの)()
348遥々(はるばる)此処(ここ)(かへ)ります
349ウラナイ(けう)根本(こつぽん)
350(かなめ)(つか)んだ高姫(たかひめ)さま
351よくもお()まし(くだ)されて
352(むかし)(むかし)のさる(むかし)
353国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
354仕組(しぐ)(たま)ひし大謨(たいもう)
355一日(ひとひ)(はや)成就(じやうじゆ)させ
356()()ちたまふ神々(かみがみ)
357(のこ)らず(この)()に、あげまして
358三千(さんぜん)世界(せかい)民草(たみくさ)
359上下(じやうげ)運否(うんぷ)()いやうに
360(ます)かけひいて(あひ)ならし
361神政(しんせい)成就(じやうじゆ)大業(たいげふ)
362いよいよ(すす)めたまはむと
363(いで)ます今日(けふ)(たふと)さよ
364朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
365(つき)()つとも()くるとも
366仮令(たとへ)天地(てんち)(さが)しても
367こんな結構(けつこう)なお肉体(にくたい)
368()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
369(また)世界(せかい)にあるものか
370また竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)
371(かか)りたまひて(うしとら)
372金神(こんじん)(さま)のお経綸(しぐみ)
373骨身(ほねみ)(をし)まぬお手伝(てつだ)
374こんな(まこと)(かみ)(さま)
375(また)世界(せかい)にあるものか
376アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
377今迄(いままで)種々(くさぐさ)態々(さまざま)
378(かみ)のお(みち)彼是(かれこれ)
379()らぬ心配(しんぱい)して()たが
380時節(じせつ)(まゐ)りて煎豆(いりまめ)
381(はな)()(みの)(うれ)しさよ』
382(うた)(をり)しも(おもて)岩戸(いはと)(はう)(あた)つて、383消魂(けたたま)しい物音(ものおと)(きこ)()たる。
384 嗚呼(ああ)(はな)高姫(たかひめ)さまよ、385(いろ)(くろ)黒姫(くろひめ)さまの(なが)たらしい腰曲(こしまが)(うた)や、386青彦(あをひこ)舌鼓(したつづみ)387紫姫(むらさきひめ)(しと)やかな(こゑ)388馬公(うまこう)389鹿公(しかこう)390(うめ)391(あさ)392(いく)393(うし)394(とら)395(たつ)396(とび)397(つる)398(かめ)その()沢山(たくさん)(さけ)()うた場面(ばめん)霊眼(れいがん)()せられて、399(あんま)霊肉(れいにく)両眼(りやうがん)虐使(ぎやくし)した天罰(てんばつ)400(にはか)(ねむ)くなつて()た。401一寸(ちよつと)これで()つて()きます。
402大正一一・四・二八 旧四・二 加藤明子録)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki