霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 (たま)(つゆ)〔七一三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻 篇:第1篇 南海の山 よみ(新仮名遣い):なんかいのやま
章:第1章 玉の露 よみ(新仮名遣い):たまのつゆ 通し章番号:713
口述日:1922(大正11)年06月10日(旧05月15日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年4月19日
概要: 舞台:青山峠 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
国依別と玉治別は、熊野の滝にこもる若彦の宣伝使に会おうと、大台ケ原の峰(青山峠)を旅していた。すると後から三五教の宣伝歌を歌いながら追ってくる二人がある。
それは魔我彦と竹彦であった。魔我彦と竹彦は、国依別と玉治別に谷底をのぞかせると、後ろから谷底に突き落としてしまった。
魔我彦と竹彦は、変性男子の系統である高姫を差し置いて、若彦の妻・玉能姫にたいへんなご神業をさせたのは、国依別と玉治別らの企みだとして、天下国家の害毒を除いたのだ、と嘯く。
魔我彦は、自分の策謀で最終的に言依別命を狙っていることを明かし、そのために若彦のところに行って活動するのだ、と言う。竹彦はしかし、魔我彦の陰謀を知って、それをゆすりの種にしようという素振りを示す。
魔我彦は青い顔になって大台ケ原の峰を行く。夜が更けてくると、竹彦は霊懸りになって国依別・玉治別の怨念を語りだした。魔我彦と竹彦は恐ろしさにその場に人事不省となり倒れてしまった。
夜が明けると魔我彦と竹彦は目を覚まし、国依別と玉治別が昨晩幽霊になって竹彦の体に懸ってきたくらいだから、両人はすでに死んだと安心し、杖をつきながら岩道を下っていった。
一方、突き落とされた国依別・玉治別は鋭い崖石にもぶつからず、谷底の青淵に落ち込み、ちょうどそこで水行をしていた杢助に助けられていた。
国依別と玉治別は杢助の問いかけに対して魔我彦と竹彦を怨んではいない、と答え、三人揃って熊野の滝を指して進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-06-21 18:31:14 OBC :rm2301
愛善世界社版:7頁 八幡書店版:第4輯 495頁 修補版: 校定版:7頁 普及版:2頁 初版: ページ備考:
001(たて)(よこ)との(はた)()
002(にしき)(みや)()経綸(けいりん)
003玉照彦(たまてるひこ)玉照姫(たまてるひめ)
004(かみ)(みこと)神勅(しんちよく)
005四方(よも)(つた)ふる宣伝使(せんでんし)
006国依別(くによりわけ)玉治別(たまはるわけ)
007(かみ)(みこと)神徳(しんとく)
008大台(おほだい)(はら)(みね)つづき
009()出ケ岳(でがだけ)より(なが)()
010深谷川(ふかたにがは)(ほとり)をば
011青葉(あをば)(したた)()(しげ)
012飛沫(ひまつ)()ばす千仭(せんじん)
013(たに)絶景(ぜつけい)(なが)めつつ
014(あし)(やす)らふ折柄(をりから)
015追々(おひおひ)近付(ちかづ)宣伝歌(せんでんか)
016(あと)()(かへ)(なが)むれば
017草鞋(わらぢ)脚絆(きやはん)扮装(いでたち)
018金剛杖(こんがうづゑ)饅頭笠(まんぢうがさ)
019(ふた)つの(かげ)はゆらゆらと
020此方(こなた)(むか)つて(すす)()る。
021国依別(くによりわけ)玉治別(たまはるわけ)さま、022あなたも随分(ずゐぶん)(なが)らく無言(むごん)(ぎやう)をやつて()ましたネー。023若彦(わかひこ)宣伝使(せんでんし)熊野(くまの)(たき)荒行(あらぎやう)をやつて()ましたが、024どうでせう、025まだ依然(いぜん)として継続(けいぞく)して()るでせうか』
026玉治別(たまはるわけ)(わたくし)(じつ)若彦(わかひこ)さまに()ひたいので、027やつて()途中(とちう)028ゆくりなくも貴方(あなた)にお()にかかり、029様子(やうす)(うかが)ひたいと(おも)つた(ところ)です』
030国依別(くによりわけ)玉能姫(たまのひめ)さまが、031あれ(だけ)()神業(しんげふ)(あそ)ばしたのだから、032若彦(わかひこ)宣伝使(せんでんし)()いたら大変(たいへん)(よろこ)(こと)でせう。033それに(つい)ては何時(いつ)までも()国路(くにぢ)()つて(もら)(わけ)にはゆかないから、034(じつ)言依別(ことよりわけの)(みこと)(さま)内命(ないめい)(ほう)じて、035(むか)へに()たのですよ』
036玉治別(たまはるわけ)(わたくし)(かた)秘密(ひみつ)(まも)り、037玉能姫(たまのひめ)()神業(しんげふ)口外(こうぐわい)する(こと)出来(でき)ないのだが、038貴方(あなた)二人(ふたり)(なか)だから()つても差支(さしつかへ)あるまいが、039(しか)(なが)悪霊(あくれい)吾々(われわれ)身辺(しんぺん)()(ねら)うて()るから、040迂濶(うつかり)した(こと)()ひますまい。041……(とき)()宣伝歌(せんでんか)はどうやら三五教(あななひけう)らしいですな。042何人(なんびと)か、043近寄(ちかよ)つて()(まで)044(この)絶景(ぜつけい)(なが)めて()ちませうか』
045国依別(くによりわけ)『ヤアもう(かほ)判然(はつきり)する(ほど)近寄(ちかよ)つて()ました。046()(かく)()(こと)にしませう』
047 ()()(をり)しも、048宣伝歌(せんでんか)(にはか)()んで、049(ふた)つの(かさ)追々(おひおひ)と、050()(しげ)みを()けて近寄(ちかよ)つて()た。051()れば魔我彦(まがひこ)052竹彦(たけひこ)両人(りやうにん)053二人(ふたり)端座(たんざ)せるに(おどろ)いた(やう)(こゑ)で、
054魔我彦(まがひこ)『ヤア貴方(あなた)玉治別(たまはるわけ)055国依別(くによりわけ)宣伝使(せんでんし)御座(ござ)つたか。056(いづ)れへ宣伝(せんでん)にお()でになるお(かんが)へですか』
057国依別(くによりわけ)(たれ)かと(おも)へば、058魔我彦(まがひこ)さまに竹彦(たけひこ)さま。059あなたこそ何方(どちら)へ、060何用(なによう)あつて()()でになります。061言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)より()(めい)じになつたのですか。062(この)()(くに)方面(はうめん)若彦(わかひこ)宣伝(せんでん)区域(くゐき)(きま)つて()る。063其処(そこ)貴方(あなた)がお()でになるのは、064チツト合点(がつてん)()きませぬ』
065()はれて魔我彦(まがひこ)(やや)口籠(くちごも)り、066手持(てもち)無沙汰(ぶさた)(やう)顔付(かほつき)して、
067魔我彦『ハイ……(わたくし)宣伝(せんでん)()たのでは()りませぬ。068熊野(くまの)(たき)へ、069罪穢(つみけが)れを(あら)(ため)荒行(あらぎやう)にやつて()たのです』
070玉治別(たまはるわけ)遥々(はるばる)()んな(ところ)まで荒行(あらぎやう)()なくても、071聖地(せいち)には立派(りつぱ)那智(なち)(たき)()ちて()るぢやありませぬか』
072 魔我彦(まがひこ)はソワソワし(なが)ら、
073魔我彦『なんと、074天下(てんか)絶景(ぜつけい)ですな。075(みどり)(したた)木々(きぎ)(こずゑ)()ひ、076(この)谷川(たにがは)水音(みづおと)()ひ、077(じつ)勇壮(ゆうさう)ですなア』
078()るべく(はなし)(ほか)(てん)ぜようと(つと)めて()る。079(たま)080(くに)二人(ふたり)(その)()(さつ)し、081ワザと(わす)れた(やう)(ふう)をなし、
082玉治別(たまはるわけ)流石(さすが)大台(おほだい)(はら)(みなもと)(はつ)した(だけ)あつて、083随分(ずゐぶん)立派(りつぱ)(なが)れです。084あの渓川(たにがは)巨岩(きよがん)怪石(くわいせき)(みづ)()()いて、085水煙(みづけぶり)()て、086白銀(はくぎん)(たま)()ばす光景(くわうけい)()つたら、087(じつ)天下(てんか)絶勝(ぜつしよう)です。088()()(ところ)にせめて三日(みつか)(あそ)んで()れば、089生命(いのち)()びるやうな()(いた)しますワイ』
090 魔我彦(まがひこ)(こは)(さう)谷底(たにそこ)(のぞ)()て、091(おどろ)いた(やう)に、
092魔我彦『アヽ大変(たいへん)々々(たいへん)
093足掻(あがき)をする。094(たま)095(くに)二人(ふたり)(その)(おどろ)きに何事(なにごと)大事(だいじ)突発(とつぱつ)せるならむと、096(あわて)谷底(たにそこ)(のぞ)く。097魔我彦(まがひこ)竹彦(たけひこ)目配(めくば)せし(なが)ら、098全身(ぜんしん)(ちから)()めて二人(ふたり)背後(はいご)よりドツと()した。099何条(なんでう)(たま)るべき、100二人(ふたり)千仭(せんじん)谷間(たにま)(かぜ)()つて顛落(てんらく)した。101木々(きぎ)青葉(あをば)追々(おひおひ)(くろ)ずんで、102太陽(たいやう)高山(かうざん)(いただ)きに姿(すがた)(かく)し、103黄昏(たそがれ)空気(くうき)四辺(しへん)(あつ)する。
104魔我彦(まがひこ)『アハヽヽヽ、105何程(なにほど)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)でも、106()うなつては駄目(だめ)だ、107(たま)108(くに)両人(りやうにん)109言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(うま)()()り、110変性(へんじやう)男子(なんし)系統(ひつぱう)高姫(たかひめ)さまに揚壺(あげつぼ)()はし、111若彦(わかひこ)女房(にようばう)(もと)のお(せつ)杢助(もくすけ)(あま)つちよに御用(ごよう)をさせる(やう)にしよつたのは、112(みんな)此奴(こいつ)()(たく)みだ。113()れから(さき)114()かして()けば、115どんなに邪魔(じやま)をしやがるか(わか)つたものぢやない。116(ひと)つはお(みち)(ため)117国家(こくか)(ため)ぢや。118竹彦(たけひこ)119(うま)()つたぢやないか』
120竹彦(たけひこ)(にはか)其処(そこ)らが(くら)くなつて()(わか)りませぬが、121うまく寂滅(じやくめつ)したでせうか。122万一(まんいち)(この)(うち)一人(ひとり)でも()(のこ)つて()ようものなら、123(たちま)陰謀(いんぼう)露顕(ろけん)124吾々(われわれ)到底(たうてい)(この)(まま)安楽(あんらく)神業(しんげふ)参加(さんか)する(こと)出来(でき)ますまい』
125魔我彦(まがひこ)『アハヽヽヽ、126そんな取越(とりこし)苦労(くらう)はするものでない。127断崖(だんがい)絶壁(ぜつぺき)屹立(きつりつ)した、128(いは)ばかりの(ところ)()ちたのだから、129(からだ)(たちま)木端(こつぱ)微塵(みじん)130こんな(もの)(たす)かるなら、131それこそ煎豆(いりまめ)(はな)()くワ。132アハヽヽヽ』
133心地(ここち)よげに(わら)ふ。
134竹彦(たけひこ)『それでも煎豆(いりまめ)(はな)()時節(じせつ)()ると、135(かみ)(さま)仰有(おつしや)つた以上(いじやう)は、136油断(ゆだん)がなりませぬぞ』
137魔我彦(まがひこ)『そりや比喩事(たとへごと)だよ。138そんな(こと)心配(しんぱい)して()思惑(おもわく)成就(じやうじゆ)するか。139高姫(たかひめ)(さま)表面(おもて)()さねば、140到底(たうてい)五六七(みろく)神政(しんせい)完全(くわんぜん)樹立(じゆりつ)するものでない。141吾々(われわれ)天下(てんか)国家(こくか)害毒(がいどく)(のぞ)いた殊勲者(しゆくんしや)だ。142万一(まんいち)一人(ひとり)半分(はんぶん)()(のこ)つて()つて不足(ふそく)()つた(ところ)で、143肝腎(かんじん)高姫(たかひめ)さまの勢力(せいりよく)さへ旺盛(わうせい)ならば(なん)でもない。144()てば善軍(ぜんぐん)145()くれば魔軍(まぐん)だ。146何程(なにほど)平等愛(べうどうあい)(かみ)(さま)(をしへ)でも(ちから)肝腎(かんじん)だ。147(ちから)()ければ国祖(こくそ)国常立(くにとこたちの)大神(おほかみ)(さま)でも、148むざむざと(うしとら)押籠(おしこ)められなさるのだから、149()(かく)吾々(われわれ)勢力(せいりよく)旺盛(わうせい)にし、150部下(ぶか)(おほ)(かか)へ、151一方(いつぱう)には害物(がいぶつ)除却(ぢよきやく)せねばならぬ。152摂受(せつじゆ)(けん)折伏(しやくふく)(けん)は、153平和(へいわ)女神(めがみ)でさへも()つて()るのだから……』
154竹彦(たけひこ)『こんな宣伝使(せんでんし)二人(ふたり)(くらゐ)(はうむ)つた(ところ)で、155肝腎(かんじん)言依別(ことよりわけの)(みこと)頑張(ぐわんば)つて()以上(いじやう)(なん)にもならぬぢやないか。156根本(こんぽん)(てき)治療(ちれう)(ほどこ)さんとすれば、157()言依別(ことよりわけ)第一(だいいち)強敵(きやうてき)(みと)めねばなるまい』
158 魔我彦(まがひこ)はニタリと(わら)ひ、
159魔我彦天機(てんき)()らす()からず。160(わが)神算(しんさん)鬼謀(きぼう)161(のち)にぞ(おも)()らるるであらう』
162竹彦(たけひこ)大樹(たいじゆ)()らむとする(もの)は、163()(その)(えだ)()るの筆法(ひつぱふ)ですかな』
164魔我彦(まがひこ)(おと)(たか)(おと)(たか)し。165(てん)(くち)166(かべ)(みみ)167モウ(この)(はなし)只今(ただいま)(かぎ)()はぬ(こと)にせう。168()れから熊野(くまの)(たき)(くだ)り、169若彦(わかひこ)()つて(その)(うへ)分別(ふんべつ)をするのだから、170ウツカリ喋舌(しやべ)つてはならないぞ。171(まへ)表面(へうめん)(わし)随行者(ずゐかうしや)となつた心持(こころもち)で、172(なに)若彦(わかひこ)(たづ)ねても、173()らぬ(ぞん)ぜぬの一点張(いつてんばり)()るが()からうぞ』
174竹彦(たけひこ)委細(ゐさい)承知(しようち)しました。175(しか)(なが)(わたし)(ふく)守護神(しゆごじん)(しやべ)つた(とき)如何(どう)しますか』
176魔我彦(まがひこ)『そんな(ふく)守護神(しゆごじん)何時(いつ)までも(かか)へて()(やう)(やつ)は、177(たちま)ち……ムニヤムニヤ』
178竹彦(たけひこ)(たちまち)……の(あと)瞭然(はつきり)()かして(くだ)さい』
179魔我彦(まがひこ)『そんな(こと)()必要(ひつえう)何処(どこ)()るか』
180竹彦(たけひこ)(わが)()(かか)はる一大事(いちだいじ)181どうも意味(いみ)()()なお言葉(ことば)でした。182(さる)小便(せうべん)ぢやないが、183(かか)つてならない。184それを()かねば、185(わたし)(ひと)つの(かんが)へがある』
186魔我彦(まがひこ)『ハテ(こま)つた(こと)()()しやがつたものだ』
187竹彦(たけひこ)『こんな(こと)なら竹彦(たけひこ)()れて()なんだがよかつたに……(しか)(なが)二人(ふたり)(やつ)を、188谷底(たにそこ)(まく)るのには、189一人(ひとり)では都合(つがふ)()()かず……アーア一利(いちり)あれば一害(いちがい)ありだ。190肝腎(かんじん)(とこ)になつて竹彦(たけひこ)(ふく)守護神(しゆごじん)発動(はつどう)し、191()んな(こと)素破抜(すつぱぬ)かうものなら、192高姫(たかひめ)も、193魔我彦(まがひこ)一派(いつぱ)も、194それこそ大変(たいへん)だ。195アーア後悔(こうくわい)しても仕方(しかた)がない。196……と()(やう)貴方(あなた)心理(しんり)状態(じやうたい)でせう。197()心配(しんぱい)なさいますな。198(わたし)(おな)じく共謀者(きようぼうしや)だから滅多(めつた)拙劣(へた)(こと)(まを)しませぬ。199(しか)国依別(くによりわけ)200玉治別(たまはるわけ)亡霊(ばうれい)貴方(あなた)(わたし)憑依(ひようい)して(しやべ)つた(とき)は、201コリヤ例外(れいぐわい)だから仕方(しかた)がない、202アハヽヽヽ』
203気楽(きらく)(さう)(わら)()ける。204魔我彦(まがひこ)双手(もろて)()み、205蒼白(まつさを)(かほ)になつて、206(かた)(いき)をし(なが)思案(しあん)()れて()る。207(よる)(とばり)はますます濃厚(のうこう)(いろ)()し、208(つひ)には相互(さうご)姿(すがた)さへ(やみ)(ぼつ)して(しま)つた。209木々(きぎ)(こずゑ)()暴風(ばうふう)(おと)210(なん)となく(さわ)がしく、211陰鬱(いんうつ)()(せま)り、212鬼哭(きこく)啾々(しうしう)(あたか)根底(ねそこ)(くに)(ひと)彷徨(さまよ)(ごと)不安(ふあん)寂寥(せきれう)(かん)じた。213二人(ふたり)(たがひ)(まけ)()()し、214(なん)となく(こころ)(そこ)恐怖(きようふ)(おさ)へ、215(つよ)(こと)(はな)()つて、216(この)(さび)しさと不安(ふあん)(まぎ)らさうとして()る。217(かぜ)はますます(はげ)しく、218()追々(おひおひ)()けて()る。219(をんな)()める(やう)小猿(こざる)(こゑ)220彼方(あちら)にも此方(こちら)にも、221キヤアキヤアと(きこ)えて()るかと(おも)へば、222山岳(さんがく)震動(しんどう)する(ばか)りの(おほかみ)(こゑ)刻々(こくこく)(たか)まり(きた)る。223青白(あをじろ)()(やみ)(なか)よりポツと(あら)はれ、224ボヤボヤと()えては()え、225()えては()え、226二人(ふたり)身辺(しんぺん)()()き、227(つひ)には頭上(づじやう)(うな)りを()てて()(くる)ふ。228二人(ふたり)()(ふさ)ぎ、229(みみ)()め、230(あたま)(かか)へて大地(だいち)にかぶり()いて(しま)つた。231首筋(くびすぢ)(あた)りを、232(たれ)ともなく(こほり)()うな()()でるものがある。233(あたま)(さき)から睾丸(きんたま)までヒヤリと(こほり)(ごと)(つめ)たさを(かん)じて()た。234竹彦(たけひこ)(ふる)(ごゑ)()して、
235竹彦(たけひこ)『のー(うら)めしやなア。236如何(いか)魔我彦(まがひこ)237(だま)()ちとは卑怯(ひけふ)未練(みれん)(やつ)238モウ()うなる(うへ)(なんぢ)()(くび)引抜(ひきぬ)き、239()(くに)(そこ)(くに)(おと)して()れむ。240覚悟(かくご)せーよ』
241(くら)がりに霊懸(れいがか)りをやり()した。242魔我彦(まがひこ)は、
243魔我彦『オイ竹彦(たけひこ)244(いや)らしい(こと)をするものではない。245チツと落着(おちつ)かぬか。246そりや貴様(きさま)247神経(しんけい)だ。248(いま)から発狂(はつきやう)して如何(どう)なるか。249チト()(おほ)きう()たぬかい』
250竹彦(たけひこ)(なん)()つても(この)(うら)()らさで()かうか……()しも()されもせぬ宣伝使(せんでんし)玉治別(たまはるわけ)251国依別(くによりわけ)()(もの)にせうと(たく)んだ、252(なんぢ)(こころ)(おに)(いま)此処(ここ)(あら)はれ、253竹彦(たけひこ)肉体(にくたい)()つて(かたき)()つてやるのだ。254(その)(はう)今迄(いままで)高姫(たかひめ)部下(ぶか)となり、255変性(へんじやう)女子(によし)(くるし)めよつた揚句(あげく)256(なほ)()()らいで、257我々(われわれ)両人(りやうにん)谷底(たにぞこ)()(おと)(ころ)すとは、258極悪(ごくあく)無道(ぶだう)痴者(しれもの)259只今(ただいま)幽界(いうかい)閻魔(えんま)(ちやう)より命令(めいれい)()けて、260(なんぢ)(むか)へに()たのだ。261サア最早(もはや)(のが)るるに(よし)なし。262尋常(じんじやう)覚悟(かくご)(いた)せ。263(はな)三吉野(みよしの)264(ひと)武士(ぶし)だ。265せめてもの名残(なごり)(いさぎよ)()つたがよからう』
266(つめ)たい()(くび)周囲(まはり)()でまはす。267(あを)()()えては()え、268()えては()え、269ブンブンと(うな)りを()てて魔我彦(まがひこ)周囲(しうゐ)()(まは)る。270(さる)(こゑ)271(おほかみ)(こゑ)刻々(こくこく)(はげ)しくなつて()る。272魔我彦(まがひこ)(あま)りの(こは)さに(たま)()え、273(その)()人事(じんじ)不省(ふせい)になつて(しま)つた。274竹彦(たけひこ)(また)(その)()にバタリと(たふ)れて、275(あと)(かぜ)(おと)のみ。276やがて下弦(かげん)(つき)()ぎすました草刈(くさか)(がま)(やう)姿(すがた)(あら)はし、277熊野灘(くまのなだ)から浮上(うきあが)り、278二人(ふたり)姿(すがた)(あや)しげに(のぞ)いて()る。279()(やうや)くにして()(はな)れた。280小猿(こざる)(むれ)281何処(いづく)ともなく両人(りやうにん)(まへ)()(きた)り、282(あし)(うら)()き、283(かほ)()いた。284(その)(いた)さに()()き、285両人(りやうにん)()せずして一度(いちど)()きあがりたり。
286魔我彦(まがひこ)『アヽ夜前(やぜん)大変(たいへん)(おそ)ろしい()()うた。287(かげ)(あたら)しい日天(につてん)(さま)()(くだ)さつて、288(やや)心強(こころづよ)くなつて()た。289これと()ふも(まつた)()出神(でのかみ)(さま)のお(たす)けだ。290(つき)御魂(みたま)()ふものは()たり()なかつたり、291(おほ)きうなつたり、292(ちひ)さくなつたり、293まるで変性(へんじやう)女子(によし)(やう)なものだ、294チツとも(あて)になりやしない。295天地(てんち)から(かがみ)()して()せてあるぞよ……と仰有(おつしや)つたが、296本当(ほんたう)愛想(あいさう)ツキ(かみ)ぢや。297何時(いつ)(かたち)(かは)らず晃々(くわうくわう)(かがや)(たま)ふのは()出神(でのかみ)(さま)ばかりぢや。298それだから(おれ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)でなければ()()けぬと()ふのだ。299(つき)御魂(みたま)なんて、300精神(せいしん)(きま)らぬ(こと)は、301(てん)()ても(わか)つて()るぢやないか。302それに(つい)(ひつじさる)金神(こんじん)ぢや。303(ひつじ)(さる)()(やつ)(ろく)(やつ)ぢやない。304(かみ)()らつたり、305(ひと)()きまはしたりする(やつ)だよ』
306竹彦(たけひこ)本当(ほんたう)にさうだなア。307(さる)(やつ)悪戯(いたづら)しやがつて、308そこら(ぢう)()きむしりやがつた。309此方(こちら)吃驚(びつくり)して()きるが最後(さいご)310一目散(いちもくさん)()げて(しま)ひやがつたぢやないか。311()れもヤツパリ(ひつじさる)金神(こんじん)(ちから)()いと()証拠(しようこ)だ。312アハヽヽヽ』
313魔我彦(まがひこ)(しか)昨夜(ゆうべ)両人(りやうにん)如何(どう)なつただらうかなア』
314竹彦(たけひこ)『どうも()うもあるものか。315(ひと)(からだ)幽霊(いうれい)となつて(うつ)つて()やがつた(くらゐ)だから、316心配(しんぱい)最早(もはや)()るまい』
317魔我彦(まがひこ)『そらさうだ。318(あを)()(とぼ)して、319パツパツとアタ煩雑(うる)さい、320()()やがつて、321(おも)()りの(わる)(やつ)だなア。322サアこれから若彦(わかひこ)居所(ゐどころ)(たづ)(ひと)つの活動(はたらき)をするのだ。323グヅグヅして()ると険難(けんのん)だから、324(はや)目的(もくてき)地点(ちてん)まで()かう』
325(さき)()ちスタスタと坂路(さかみち)を、326(また)(もと)(ごと)蓑笠(みのかさ)()け、327金剛杖(こんがうづゑ)()いて、328ケチンケチンと(おと)させ(なが)岩路(いはみち)(くだ)つて()く。
329
330 谷底(たにぞこ)には一人(ひとり)(をとこ)331赤裸(まつぱだか)となつて水行(すゐぎやう)をやつて()た。332そこへ(うす)(くら)がりに(ふた)つの(かげ)333青淵(あをぶち)(むか)つてドブンと(ばか)()()んで()たものがある。334(をとこ)(おどろ)いて手早(てばや)二人(ふたり)(すく)()げ、335イロイロと人口(じんこう)呼吸(こきふ)(ほどこ)したり、336(ゆび)()げたりして蘇生(そせい)せしめた。
337(をとこ)『モシモシあなたの服装(ふくさう)()れば、338夜陰(やいん)にて(たしか)には(わか)りませぬが、339宣伝使(せんでんし)(やう)()えますが、340一体(いつたい)どなたで御座(ござ)いますか』
341国依別(くによりわけ)悪者(わるもの)()(おと)され、342(おも)はず不覚(ふかく)()りました。343(その)刹那(せつな)344(わが)()最早(もはや)粉砕(ふんさい)(やく)()うたものと覚悟(かくご)をして()ましたが、345よう(たす)けて(くだ)さいました』
346玉治別(たまはるわけ)(わたくし)(じつ)宣伝使(せんでんし)です。347()れだけ沢山(たくさん)(いは)(なら)んで()るのに、348(すこ)しの怪我(けが)もなく、349(この)青淵(あをぶち)へうまく落込(おちこ)んだのも、350(かみ)(さま)のお(かげ)351(また)貴方(あなた)(さま)のお(たす)けで御座(ござ)います。352(この)御恩(ごおん)(けつ)して(わす)れませぬ』
353(をとこ)(たし)かに(わか)らぬが、354(まへ)さまは何処(どこ)ともなしに聞覚(ききおぼ)えの()(こゑ)だ。355玉治別(たまはるわけ)さまに国依別(くによりわけ)さまぢやありませぬか』
356()はれて二人(ふたり)は、
357(たま)358(くに)『ハイ左様(さやう)御座(ござ)います。359さうして貴方(あなた)(いづ)れの(かた)で……』
360(みな)まで()かず(をとこ)は、
361(をとこ)『アヽそれで安心(あんしん)(いた)しました。362(わたし)初稚姫(はつわかひめ)(さま)のお指図(さしづ)()つて、363言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)承諾(しようだく)()364(この)谷川(たにがは)へ、365何故(なにゆゑ)(きふ)派遣(はけん)され、366水行(すゐぎやう)をしかけた(ところ)へ、367あなた(がた)()ちて()られたのです。368モウ(すこ)(わたし)()るのが(おそ)かつたならば大変(たいへん)(こと)でした。369(わたし)杢助(もくすけ)ですよ』
370()いて二人(ふたり)は、371安心(あんしん)喜悦(よろこび)(ねん)()へず、372杢助(もくすけ)(からだ)(くら)ひついて、373(うれ)()きに()くのであつた。
374杢助(もくすけ)随分(ずゐぶん)(くら)()さだが、375(その)二人(ふたり)(こゑ)(すこ)しも(うたが)余地(よち)はない。376斯様(かやう)(ところ)(なが)らく()つては面白(おもしろ)くない。377今回(こんくわい)(わたし)使命(しめい)はこれで(をは)つたのだらうから、378どつか平坦(へいたん)(ところ)()つて、379(くは)しう(はなし)(うけたま)はりませう。380(なに)()つても(この)谷川(たにがは)水音(みなおと)では、381十分(じふぶん)(はなし)出来(でき)ませぬ』
382()ひつつ、383(やみ)(しろ)(ひか)つた羊腸(やうちやう)小径(こみち)を、384(さぐ)(さぐ)(くだ)つて()く。385(みち)()(かげ)(さへぎ)られて()えなくなると、386(しろ)白狐(びやくこ)(かげ)一二間(いちにけん)(まへ)をノソノソと(あゆ)む。387杢助(もくすけ)(その)(あと)目当(めあて)七八丁(しちはつちやう)(ばか)(くだ)り、388(ひら)たき(いは)(うへ)(こし)をおろし、
389杢助(もくすけ)『サアサア()二人(ふたり)さま、390此処(ここ)でゆつくりと夜明(よあ)けを()ちませうかい』
391 二人(ふたり)は『ハイ』と()(なが)ら、392()れた着物(きもの)()いで、393一生(いつしやう)懸命(けんめい)(しぼ)(なほ)し、394(いは)にパツと(ひろ)げて(かわ)かして()る。395(ひる)(あつ)さに(いは)()けたと()え、396非常(ひじやう)(あたた)かみがある。397着物(きもの)少時(しばらく)(うち)(もと)(ごと)乾燥(かんさう)した。
398国依別(くによりわけ)天道(てんだう)(ひと)(ころ)さずとはよう()つたものだ。399何処(どこ)()夜露(よつゆ)(ひや)やかうなつて()るのに、400(この)(いは)(ばか)りは全然(まるで)ストーブの(やう)だ。401日輪(にちりん)(さま)もお(あが)りなさらぬのに、402着物(きもの)(かわ)くと()(こと)(めづら)しい(こと)だ。403これもヤツパリ(かみ)(さま)御恵(みめぐみ)だらう。404サア(みな)さま、405神言(かみごと)奏上(そうじやう)(いた)しませう』
406(ここ)(さん)(にん)天地(てんち)(ゆる)ぐばかりの大音声(だいおんじやう)(はつ)して、407スガスガしく神言(かみごと)奏上(そうじやう)し、408宣伝歌(せんでんか)(うた)つて、409(しばら)夜明(よあ)けを()(こと)にした。410()(やうや)くに()(はな)れ、411木々(きぎ)(こずゑ)()(つゆ)一々(いちいち)太陽(たいやう)(ひかり)宿(やど)つて、412(あたか)五色(ごしき)果実(くだもの)一面(いちめん)()のるが(ごと)(うる)はしくなつて()た。
413玉治別(たまはるわけ)『スンデの(こと)で、414玉治別(たまはるわけ)(たま)宿換(やどが)へする(とこ)だつたが、415東天(とうてん)には金烏(きんう)(たま)晃々(くわうくわう)(かがや)(たま)ひ、416一面(いちめん)草木(くさき)には吾輩(わがはい)分身(ぶんしん)分魂(ぶんこん)417空間(すきま)もなく憑依(ひようい)して()る。418ヤツパリ玉治別(たまはるわけ)宣伝使(せんでんし)(かぎ)りますよ。419なア杢助(もくすけ)さま』
420杢助(もくすけ)『アハヽヽヽ、421(からだ)着物(きもの)(はし)やいだと()えて、422徐々(そろそろ)(はし)やぎかけましたなア』
423国依別(くによりわけ)『オイ玉公(たまこう)424そんな気楽(きらく)(こと)()つてる(とき)ぢやないぞ。425昨夜(ゆうべ)(かたき)()つと()ふ……そんな()()いが、426(しか)吾々(われわれ)二人(ふたり)にあゝ()非常(ひじやう)手段(しゆだん)(もち)ひた以上(いじやう)は、427(なに)かこれには(ふか)計略(たくみ)()るに(ちがひ)ない。428余程(よほど)これは(かんが)へねばなるまいぞ。429杢助(もくすけ)さま、430どうでせう』
431杢助(もくすけ)『さうだ。432グヅグヅして()(とき)ではない。433余程(よほど)注意(ちうい)(はら)つて()らねば、434(この)(へん)某々(ぼうぼう)らの陰謀地(いんぼうち)だから……。435さうして(その)悪者(わるもの)(たれ)だい。436()(わか)つて()ますかなア』
437玉治別(たまはるわけ)(わか)つたでもなし、438(わか)らぬでもなし。439他人(ひと)(こと)()はぬが(よろ)しからう』
440国依別(くによりわけ)マガ(すき)がな吾々(われわれ)行動(かうどう)阻止(そし)せむと(かんが)へて()マガ(かみ)容器(いれもの)でせう。441(いづ)(こころ)のマガつた(やつ)(ちがひ)ありますまい』
442玉治別(たまはるわけ)悪人(あくにん)タケタケしい()(なか)だから、443(たれ)だと()(こと)は、444マア()めにして推量(すゐりやう)(まか)しませうかい』
445杢助(もくすけ)モクスケして(かた)らずと()()両人(りやうにん)(かんが)へらしい。446ヤア感心(かんしん)々々(かんしん)447それでこそ三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)だ。448今迄(いままで)二人(ふたり)(くは)へた悪虐(あくぎやく)無道(ぶだう)無念(むねん)には(おも)つて()ませぬか』
449玉治別(たまはるわけ)過越(すぎこし)苦労(くらう)禁物(きんもつ)だ』
450国依別(くによりわけ)刹那心(せつなしん)だ。451綺麗(きれい)さつぱりと谷川(たにがは)(なが)しませう。452天下(てんか)政権(せいけん)(にぎ)内閣(ないかく)でさへも、453敵党(てきたう)(わた)して(はな)()たす志士(しし)仁人(じんじん)(てき)宰相(さいしやう)(あら)はれぬ時節(じせつ)だから……アハヽヽヽ……マア(この)(いは)(うへ)でカトウ約束(やくそく)をして、454杢助(もくすけ)内閣(ないかく)でも組織(そしき)し、455熊野(くまの)(たき)政見(せいけん)発表(はつぺう)()かけませうかい』
456 杢助(もくすけ)(ほか)二人(ふたり)(みの)457(かさ)458金剛杖(こんがうづえ)459草鞋(わらじ)460脚絆(きやはん)小手脛(こてすね)()て、461宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、462熊野(くまの)(たき)()して(すす)()く。
463大正一一・六・一〇 旧五・一五 松村真澄録)
464(昭和一〇・六・四 王仁校正)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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