霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 教主殿(けうしゆでん)〔七八六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻 篇:第2篇 千差万別 よみ(新仮名遣い):せんさばんべつ
章:第4章 教主殿 よみ(新仮名遣い):きょうしゅでん 通し章番号:786
口述日:1922(大正11)年07月23日(旧閏05月29日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年6月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
教主殿の奥の広間には、言依別命をはじめとして、梅子姫、五十子姫、英子姫、亀彦、音彦、玉能姫、玉治別、初稚姫、杢助が集まって、麻邇の宝珠の処置について協議を凝らしていた。
そこへ高姫・黒姫・高山彦の三人がやってきた。言依別命は三人を上座に招くが、高姫は嫌味を言い、ついでに玉能姫に当り散らし、ついで玉治別、梅子姫、五十子姫、英子姫にもひととおり当たり散らした。
玉治別は、なにほど系統だといっても、高姫に迎合盲従はできない、と反撃する。高姫は黒姫・高山彦にも言い負けぬようにとけしかける。黒姫は、杢助・初稚姫・玉能姫につっかかる。
玉治別が割って入って黒姫の話の腰を折ろうとしたので、高姫は玉治別をたしなめた。そして怒り心頭に達した振りをして、その場を立って帰ろうとする。英子姫が下手に出て高姫を留めると、高姫はしてやったりとその場に居直った。
高姫は、麻邇の宝珠を信者に公開するに当たってまず自分たちが玉を検めると手はずを決めだした。玉治別が茶々を入れたが、英子姫、五十子姫にたしなめられ、高姫の指図どおりに麻邇の宝珠公開の段取りが決められた。
杢助は来る九月二十三日を公開日と定め、一同賛成の後、各自退場していった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-10-23 19:59:39 OBC :rm2704
愛善世界社版:81頁 八幡書店版:第5輯 271頁 修補版: 校定版:85頁 普及版:35頁 初版: ページ備考:
001(まつ)老木(らうぼく)梅林(うめばやし)
002(かへで)紅葉(もみぢ)百日紅(さるすべり)
003木斛(もくこく)木犀(もくせい)(もみ)多羅樹(たら)
004緑紅(みどりくれなゐ)こきまぜて
005幽邃(いうすゐ)閑雅(かんが)神苑地(しんゑんち)
006魚鱗(ぎよりん)(なみ)(たた)へたる
007金竜池(きんりういけ)(かげ)(うつ)
008言霊閣(ことたまかく)雲表(うんぺう)
009(そそ)りて下界(げかい)睥睨(へいげい)
010神威(しんゐ)四方(よも)赫々(くわくくわく)
011(とどろ)(わた)三五(あななひ)
012(かみ)(をしへ)教主殿(けうしゆでん)
013八咫(やた)広間(ひろま)()(つど)
014梅子(うめこ)(ひめ)(はじ)めとし
015(かみ)大道(おほぢ)朝夕(あさゆふ)
016いそしみ(つか)ふる五十子(いそこ)(ひめ)
017(やみ)をはらして英子姫(ひでこひめ)
018万代(よろづよ)寿(ことほ)亀彦(かめひこ)
019五十鈴(いすず)(たき)音彦(おとひこ)
020(こころ)(ひか)玉能姫(たまのひめ)
021玉治別(たまはるわけ)(はじ)めとし
022初稚姫(はつわかひめ)杢助(もくすけ)
023言依別(ことよりわけ)諸共(もろとも)
024(おく)広間(ひろま)()()めて
025玉依姫(たまよりひめ)(たま)ひたる
026麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)処置(しよち)につき
027(たがひ)協議(けふぎ)()らし()
028(とき)しもあれや玄関(げんくわん)
029(あら)はれ(きた)三人(みたり)()
030御免(ごめん)々々(ごめん)(おとな)へば
031玉治別(たまはるわけ)出迎(いでむか)
032一目(ひとめ)()るより慇懃(いんぎん)
033笑顔(ゑがほ)(つく)(こし)(かが)
034高姫(たかひめ)さまか黒姫(くろひめ)
035高山彦(たかやまひこ)神司(かむづかさ)
036ようこそお入来(いで)(くだ)さつた
037言依別(ことよりわけ)神司(かむづかさ)
038(その)()数多(あまた)のお歴々(れきれき)
039今朝(けさ)からひどう()待兼(まちか)
040サアサア()(とほ)りなさいませ
041高姫(たかひめ)(かる)会釈(ゑしやく)して
042それは(みな)さまお待兼(まちか)
043(おく)案内(あんない)(ねが)ひませう
044黒姫(くろひめ)さまや高山彦(たかやまひこ)
045(かみ)(つかさ)のお二方(ふたかた)
046サアサア(とも)(まゐ)りませう
047黒姫(くろひめ)夫婦(ふうふ)黙々(もくもく)
048ものをも()はず足摺(あしず)りし
049静々(しづしづ)あとに(したが)うて
050(おく)()さして(すす)()る。
051高姫(たかひめ)『ヤア(これ)(これ)言依別(ことよりわけ)(さま)(はじ)め、052英子姫(ひでこひめ)(さま)(その)()のお歴々(れきれき)(さま)(がた)(おん)(まへ)(はばか)らず、053(いや)しき高姫(たかひめ)054(おそ)()もなく()(うかが)(いた)しまして、055さぞ()居間(ゐま)(けが)すことで御座(ござ)いませう。056何事(なにごと)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)(ひろ)御心(みこころ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)しまして、057(この)老骨(らうこつ)をお(とが)めなく可愛(かあい)がつて(くだ)さいませ』
058 一同(いちどう)(いち)()()をついて、059(れい)(ほどこ)した。
060言依別(ことよりわけ)高姫(たかひめ)(さま)061そこは端近(はしぢか)062ここにあなた(がた)三人(さんにん)(さま)のお(せき)(こしら)へて御座(ござ)います。063どうぞこちらへお(すわ)(くだ)さいませ』
064高姫(たかひめ)何分(なにぶん)にも身魂(みたま)(みが)けぬ、065偽日(にせひ)出神(でのかみ)生宮(いきみや)や、066体主(たいしゆ)霊従(れいじう)身魂(みたま)(ばか)りで御座(ござ)いまするから、067そんな正座(しやうざ)につきますのは(おそ)(おほ)御座(ござ)います。068(には)(すみ)つこで結構(けつこう)御座(ござ)いますが、069()言葉(ことば)(あま)えて、070歴々(れきれき)(さま)末席(ばつせき)(けが)さして(いただ)くことになりました。071どうぞ左様(さやう)()心配(しんぱい)(くだ)さいますな』
072玉能姫(たまのひめ)高姫(たかひめ)(さま)073さういふ()遠慮(ゑんりよ)には(およ)びますまい。074教主(けうしゆ)(さま)()言葉(ことば)075どうぞお三人(さんにん)(さま)(とも)(こころよ)くお(すわ)(くだ)さいませ』
076高姫(たかひめ)『コレお(せつ)077()歴々(れきれき)(さま)(なか)(はばか)らず、078(なに)をツベコベと……(をんな)のかしましい……口出(くちだ)しなさるのだ。079チツと()(つつし)(あそ)ばせ。080もう(すこ)(かみ)(さま)感化(かんくわ)()りて淑女(しゆくぢよ)におなりなさつたかと(おも)へば、081ヤツパリお(さと)(あらそ)はれぬもの、082平助(へいすけ)やお(なら)(むすめ)のお(せつ)(だけ)あつて、083()立派(りつぱ)玉能姫(たまのひめ)さまでも、084ヤツパリ落付(おちつ)きがないので、085かういふ(とき)には醜態(みつと)もない。086高姫(たかひめ)がかう(まを)すと、087猜疑心(さいぎしん)か、088意地悪(いぢわる)かの(やう)(おも)ふでせうが、089(けつ)して(わたし)はそんな(こころ)毛頭(まうとう)()ちませぬ。090(まへ)さまの身魂(みたま)立派(りつぱ)なものに(みが)()げて、091神業(しんげふ)参加(さんか)なさつた手前(てまへ)092(はづか)しくない(やう)に、093終始(しうし)一貫(いつくわん)した神司(かむづかさ)にして()げたい(ばか)り、094()(さは)(やう)なことを(まを)しますワイ。095(かなら)(かなら)三五教(あななひけう)(をしへ)は、096悪意(あくい)()つてはなりませぬぞ。097(ついで)初稚姫(はつわかひめ)にも()うておきますが、098(まへ)もチツとは我慢(がまん)(つよ)い。099何程(なにほど)(もく)総務(そうむ)ぢやと()つて、100(おや)(かさ)(かぶ)年端(としは)()かぬ(くせ)(かた)(かぜ)()り、101横柄面(わうへいづら)(さら)してはなりませぬぞ。102金剛(こんがう)不壊(ふえ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)何々(なになに)したと(おも)つて慢心(まんしん)すると、103(また)後戻(あともど)りを(いた)さねばなりませぬから、104慈母(じぼ)(あい)(もつ)行末(ゆくすゑ)(なが)きお(まへ)さまに注意(ちうい)(あた)へます』
105玉能姫(たまのひめ)『ハイ(なに)から(なに)まで()(こころ)をこめられし()教訓(けうくん)106猜疑心(さいぎしん)などは(すこ)しも()ちませぬ。107(この)(うへ)108何事(なにごと)万事(ばんじ)()らはぬ玉能姫(たまのひめ)109()指導(しだう)()(ねが)(いた)します』
110高姫(たかひめ)『お(まへ)さまはそれだから()かぬのだ。111ヘン、112言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)さまから、113(むらさき)(たま)御用(ごよう)(あふ)せつけられ、114何々(なになに)何々(なになに)したと(おも)つて、115(はな)にかけ、116玉能姫(たまのひめ)なんて、117傲慢(ごうまん)不遜(ふそん)にも(ほど)があるぢやありませぬか。118そんな保護色(ほごしよく)綺麗(きれい)サツパリと払拭(ふつしき)()り、119何故(なぜ)(せつ)仰有(おつしや)らぬのだ。120かう(まを)すと(また)(まへ)さまは平助(へいすけ)でもない、121(なら)でもない(やう)な、122節介(せつかい)ぢやと()立腹(りつぷく)なさるだらうが、123(ひと)謙遜(けんそん)()(こと)肝腎(かんじん)ですよ。124今後(こんご)はキツと玉能姫(たまのひめ)なぞと(だい)それた(こと)()遠慮(ゑんりよ)なさつたがよからう。125(なに)から(なに)まで、126()につけ味噌(みそ)につけ、127八当(やつあた)りに(あた)つて根性悪(こんじやうわる)高姫(たかひめ)さまがなさるなぞと(おも)つちや大間違(おほまちがひ)ですよ。128……これお(せつ)さま、129わたしの(まを)すことに(てん)()(どこ)がありますかなア』
130玉能姫(たまのひめ)『ハイ、131(じつ)聖者(せいじや)のお言葉(ことば)132名論(めいろん)卓説(たくせつ)133玉能姫(たまのひめ)……エー否々(いやいや)(せつ)134(まこと)感服(かんぷく)(つかまつ)りました。135(その)剛情(がうじやう)……イエイエ()意見(いけん)には(すこ)しも(あだ)御座(ござ)いませぬ、136(しか)(なが)個人(こじん)としてはお(せつ)でも、137(いど)でも(すこ)しも(かま)ひませぬが、138(かみ)(さま)御用(ごよう)(いた)します(とき)は、139教主(けうしゆ)(さま)から(たま)はつた玉能姫(たまのひめ)職掌(しよくしやう)奉仕(ほうし)せねばなりませぬから、140(おほやけ)(せき)(おい)ては、141どうぞ玉能姫(たまのひめ)(まを)すことをお(ゆる)(くだ)さいませ』
142高姫(たかひめ)(をんな)()(もの)はさう(おもて)()つて、143堂々(だうだう)神業(しんげふ)参加(さんか)するものではありませぬ。144オツトドツコイ……それはエー、145ある(ひと)()(こと)146(わたし)とても(をんな)宣伝使(せんでんし)147(をんな)でなくちや、148(あま)岩戸(いはと)(はじめ)から()()けぬ(くに)149言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(さま)もヤツパリ(をんな)に……綺麗(きれい)(をんな)言葉(ことば)受取(うけとり)(やす)いと()えますワイ。150オツホヽヽヽ、151もう()(しわ)()つて(みにく)うなると、152到底(たうてい)(わか)教主(けうしゆ)(さま)のお()()らないのは(もつと)もで御座(ござ)います。153こんなことを(まを)すと、154(また)高姫(たかひめ)鉄道(てつだう)脱線(だつせん)だと仰有(おつしや)るかも()れませぬが、155(けつ)して脱線(だつせん)でも転覆(てんぷく)でも御座(ござ)いませぬぞ。156(みんな)()出神(でのかみ)さまが(わたし)(くち)()つての()託宣(たくせん)157冷静(れいせい)()(なが)されては高姫(たかひめ)(いささ)迷惑(めいわく)(いた)します。158(せつ)(ばか)りでない、159(はつ)(その)(とほ)り、160初稚姫(はつわかひめ)なぞと(だい)それたことを()つちやなりませぬぞ。161本末(ほんまつ)自他(じた)公私(こうし)(あきら)かにせなならぬお(みち)162(かみ)第一(だいいち)163人事(じんじ)第二(だいに)ぢやありませぬか。164(わたし)系統(ひつぽう)身魂(みたま)165四魂(しこん)(なか)一人(ひとり)166()出神(でのかみ)生宮(いきみや)167言依別(ことよりわけ)さまが何程(なにほど)(えら)くても人間(にんげん)さまぢや。168人間(にんげん)()ふことを()いて、169(この)生神(いきがみ)言葉(ことば)(ひや)やかな(みみ)()(なが)すとは、170主客(しゆきやく)転倒(てんたふ)171天地(てんち)転覆(てんぷく)(はなはだ)しいと()はねばなりませぬぞえ。172……コレ田吾作(たごさく)173(まへ)余程(よほど)偉者(えらもの)になつたなア。174竜宮(りうぐう)(ひつ)(じま)()つて、175玉依姫(たまよりひめ)(さま)(たま)(いただ)(なが)ら、176スレツからしの黄竜姫(わうりようひめ)(わた)したぢやないか。177ヤツパリ田吾作(たごさく)はどこ(まで)田吾作(たごさく)ぢや、178どこともなく目尻(めじり)(さが)つて()る。179何程(なにほど)(かほ)(うつく)しくても……(その)(こゑ)(とかげ)(くら)ふか時鳥(ほととぎす)……、180(こころ)(おく)(おく)まで、181なぜ見抜(みぬ)きなさらぬ。182そんな黄竜姫(わうりようひめ)(やう)(わか)(かた)(わた)すのならば、183なぜスツと()つて(かへ)つて、184立派(りつぱ)生宮(いきみや)にお(わた)しせぬのぢやい。185(せつ)だつて、186(はつ)だつて、187(みんな)量見(りやうけん)間違(まちが)つて()るぢやないか。188あんまり(はなはだ)しい矛盾(むじゆん)で、189()いた(くち)(ふさ)がりませぬワイな。190……コレコレ英子姫(ひでこひめ)さま、191梅子姫(うめこひめ)さま、192五十子(いそこ)(ひめ)さま、193(まへ)さまは変性(へんじやう)女子(によし)系統(ひつぽう)194(あま)岩戸(いはと)()めた身魂(みたま)血筋(ちすぢ)だから、195よほど遠慮(ゑんりよ)をなさらぬと()けませぬぞえ。196(ひと)がチヤホヤ()うと、197つい()()になるものだ。198何程(なにほど)立派(りつぱ)(かしこ)人間(にんげん)でも、199(わる)くいはれるのは()()くないもの、200()つてかかつて持上(もちあ)げられると、201つい()()になり、202馬鹿(ばか)にしられますぞえ。203(おもて)持上(もちあ)げておいて、204(かげ)でソツと(した)()()(なか)御座(ござ)いますからな』
205英子姫(ひでこひめ)『ハイ、206有難(ありがた)御座(ござ)います。207()懇切(こんせつ)()注意(ちうい)208今後(こんご)神界(しんかい)奉仕(ほうし)する(うへ)(おい)ても、209あなたのお言葉(ことば)(わたし)(ため)には貴重(きちよう)なる羅針盤(らしんばん)御座(ござ)います。210(しか)(なが)面従(めんじう)腹背(ふくはい)(てき)人間(にんげん)は、211(この)質朴(しつぼく)なる(いま)時代(じだい)には御座(ござ)いますまい。212(ぜん)(ぜん)213(あく)(あく)とハツキリ区劃(くくわく)()つて()りまする。214左様(さやう)瓢鯰(へうねん)(てき)行動(かうどう)をとる人間(にんげん)は、215三十万(さんじふまん)(ねん)未来(みらい)二十(にじつ)世紀(せいき)とか()()(なか)(おこな)はれる人間(にんげん)同志(どうし)(はら)(なか)でせう』
216高姫(たかひめ)過去(くわこ)現在(げんざい)未来(みらい)一貫(いつくわん)真理(しんり)217そんな()()(こと)(おも)つて()らつしやるから、218無調法(ぶてうはふ)出来(でき)ますのだ。219エ、220(しか)(たい)した……あなた(がた)不調法(ぶてうはふ)出来(でき)()らないから、221()安心(あんしん)だが、222(しか)三五教(あななひけう)肝腎要(かんじんかなめ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(たれ)223竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(すなは)玉依姫(たまよりひめ)生宮(いきみや)(たれ)だと()(こと)(わか)らなければ、224どこまでも()神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)(いた)しませぬぞ。225それが(わか)らねば駄目(だめ)ですから、226今後(こんご)(わたし)()(こと)()きますかな』
227玉治別(たまはるわけ)『モシ英子姫(ひでこひめ)(さま)228(けつ)して何事(なにごと)高姫(たかひめ)さまが系統(ひつぽう)だと()つて、229一々(いちいち)迎合(げいがふ)盲従(まうじう)出来(でき)ませぬぞ。230婆心(ばしん)(なが)一寸(ちよつと)一言(いちごん)申上(まをしあ)げておきます』
231英子姫(ひでこひめ)『ハイ有難(ありがた)御座(ござ)います』
232高姫(たかひめ)『コレ田吾(たご)233(まへ)()(まく)とは(ちが)ひますぞ。234()出神(でのかみ)命令(めいれい)する。235(この)()(すみやか)退席(たいせき)なされ』
236玉治別(たまはるわけ)『ここは言依別(ことよりわけ)(さま)(おん)(やかた)237()主人側(しゆじんがは)より退席(たいせき)せよと(あふ)せになる(まで)は、238一寸(いつすん)(うご)きませぬ。239我々(われわれ)(かみ)(さま)因縁(いんねん)はチツとも(ぞん)じませぬ。240(ただ)言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)盲従(もうじう)(いな)明従(めいじう)して()るのですから、241()()(どく)(なが)貴女(あなた)要求(えうきう)には(おう)じかねます。242何分(なにぶん)頻々(ひんぴん)として註文(ちうもん)殺到(さつたう)して()る、243(いま)()()(みせ)御座(ござ)いますから、244アハヽヽヽ』
245高姫(たかひめ)『コレ黒姫(くろひめ)さま、246高山彦(たかやまひこ)さま、247(まへ)さまは()つて()(ちん)(やう)に、248(なに)()()ぢしてるのだ。249日頃(ひごろ)鬱憤(うつぷん)………イヤイヤ蘊蓄(うんちく)吐露(とろ)して、250(まへ)さまの真心(まごころ)(みな)さまの(まへ)披瀝(ひれき)し、251諒解(りやうかい)()ておかねば今後(こんご)目的(もくてき)……(いや)神業(しんげふ)完全(くわんぜん)(つと)まりますまい』
252黒姫(くろひめ)『あまり貴女(あなた)の……とつかけ()つかけ、253流暢(りうちやう)()弁舌(べんぜつ)で、254(わたし)一言(いちごん)半句(はんく)申上(まをしあ)げる余地(よち)がなかつたので御座(ござ)います』
255高姫(たかひめ)『アヽさうだつたか、256オホヽヽヽ。257(あんま)(はなし)()()つて()がつきませなんだ。258そんなら黒姫(くろひめ)さま、259発言権(はつげんけん)貴女(あなた)にお(わた)(いた)します』
260黒姫(くろひめ)『ハイ有難(ありがた)御座(ござ)います。261(わたし)としては(べつ)にこれと()意見(いけん)御座(ござ)いませぬが、262(ただ)皆様(みなさま)()了解(れうかい)(ねが)つておきたいのは、263竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)(すなは)玉依姫(たまよりひめ)(さま)(にく)のお(みや)は、264黒姫(くろひめ)だと()ふことを(こころ)(そこ)より()了解(れうかい)(ねが)ひたいので御座(ござ)います』
265杢助(もくすけ)『アハヽヽヽ』
266黒姫(くろひめ)『コレ(もく)さま、267(なに)可笑(をか)しいのですか。268チト失敬(しつけい)ぢやありませぬか』
269舌鋒(ぜつぽう)()けかける。
270杢助(もくすけ)(もく)して(かた)らず……杢助(もくすけ)今日(こんにち)態度(たいど)271さぞ貴女(あなた)にも()()らないでせう。272杢助(もくすけ)総務(そうむ)として、273責任(せきにん)地位(ちゐ)()つて()以上(いじやう)274成行(なりゆ)きを()(うへ)で、275(なん)とか申上(まをしあ)げませう』
276黒姫(くろひめ)『コレ玉治別(たまはるわけ)さま、277玉能姫(たまのひめ)さま、278一番(いちばん)(えら)初稚姫(はつわかひめ)さま、279(まへ)さまはあの(たま)(たれ)(もら)つたと(おも)うて()ますか』
280初稚姫(はつわかひめ)『ハイ、281(たつ)宮居(みやゐ)玉依姫(たまよりひめ)(さま)から……』
282玉能姫(たまのひめ)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)さまから………』
283黒姫(くろひめ)『そらさうに(ちが)ひありますまい。284そんなら(わたし)(なん)とお(かんが)へですか』
285初稚姫(はつわかひめ)『あなたは(こは)いお()アさまの黒姫(くろひめ)さまだと(おも)ひます。286(ちが)ひますかな』
287玉能姫(たまのひめ)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)だと()いて()りまする』
288黒姫(くろひめ)『さうか、289(まへ)さまはヤツパリ(とし)とつとる(だけ)で、290どこともなしに(しつか)りして()る。291(しか)(なが)()いた(ばか)りで、292(しん)じなければ(なん)にもなりませぬぞ。293(しん)じて()られますか、294()られませぬか、295それが根本(こんぽん)問題(もんだい)です』
296玉能姫(たまのひめ)『ハイ、297帝国(ていこく)憲法(けんぱふ)(だい)二十八(にじふはち)(でう)()つて、298信仰(しんかう)自由(じいう)(ゆる)されて()りますから、299(しん)ずるも(しん)じないも、300(わたし)(こころ)(なか)にあるのですから……』
301黒姫(くろひめ)()るべくはハツキリと()つて(もら)ひたいものですな』
302玉能姫(たまのひめ)『ハツキリ()はない(はう)(はな)でせう。303……ナア初稚姫(はつわかひめ)さま、304あなた如何(どう)(おも)ひますか』
305初稚姫(はつわかひめ)(わたし)黒姫(くろひめ)さまを(あつ)(しん)じます。306(しか)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)問題(もんだい)(つい)ては不明(ふめい)だと(しん)ずるのです』
307黒姫(くろひめ)(たれ)(かれ)歯切(はぎ)れのせぬ()答弁(たふべん)だな。308女童(をんなわらべ)(わか)(ところ)でない、309神界(しんかい)()経綸(けいりん)310どんな(ひと)にどんな御用(ごよう)がさせてあるか(わか)らぬぞよ……とお(ふで)()()ります。311マアそこまで(わか)れば結構(けつこう)だ。312……コレコレ玉治別(たまはるわけ)さま、313(まへ)さまの()意見(いけん)はどうだな』
314玉治別(たまはるわけ)(わたくし)()意見(いけん)ですか。315(わたくし)()意見(いけん)はヤツパリ()意見(いけん)ですな。316灰吹(はひふき)から(じや)()たと(まを)さうか、317(やぶ)から(ぼう)(まを)さうか、318(なに)(なん)だかテンと要領(えうりやう)()ませぬワイ』
319黒姫(くろひめ)『さうだろさうだろ、320(わか)らな(わか)らぬでよい。321(わか)つてたまる(こと)か。322広大(くわうだい)無辺(むへん)神界(しんかい)のお仕組(しぐみ)を、323田吾作(たごさく)さま(あが)りでは(わか)らぬのが本当(ほんたう)だ。324これから(わたし)神界(しんかい)(こと)()んで(ふく)める(やう)(をし)へて()げるから、325チツと勉強(べんきやう)なされ』
326玉治別(たまはるわけ)『お(まへ)さまに(をし)へて(もら)ひますと、327竹生島(ちくぶじま)弁天(べんてん)床下(ゆかした)(かく)してある()つの宝玉(はうぎよく)()()ますかな。328(わたくし)(その)所在(ありか)さへつきとめたら、329竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)生宮(いきみや)だと()つて、330羽振(はぶり)()かすのだけれどなア。331(ついで)()出神(でのかみ)にも()(すま)すのだが、332……黒姫(くろひめ)さま(をし)へて(くだ)さいますか』
333高姫(たかひめ)『コレコレ(くろ)334(くろ)335黒姫(くろひめ)さま、336タヽ田吾(たご)相手(あひて)になんなさんな。337……コレ田吾(たご)さま、338(まへ)さまは我々(われわれ)嘲弄(てうろう)するのですか』
339玉治別(たまはるわけ)滅相(めつさう)もない、340(かみ)(さま)から()神徳(しんとく)タマハルワケを()かして(くだ)さいと()つて()るのですよ。341何分(なにぶん)(わたくし)身魂(みたま)黒姫(くろひめ)で、342慢心(まんしん)(つよ)うて、343(はな)高姫(たかひめ)で、344おまけに(あたま)(たか)うて、345福禄寿(げほう)(やう)延長(えんちやう)し、346神界(しんかい)御用(ごよう)だと(おも)つて一生(いつしやう)懸命(けんめい)になつてお邪魔(じやま)(いた)して()りまする田吾作(たごさく)御座(ござ)いますから、347どうぞ(よろ)しく執着心(しふちやくしん)()れますよう、348慢心(まんしん)(はな)()れますやう、349(まも)(たま)(さちは)(たま)へ、350アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
351高姫(たかひめ)『ヘン仰有(おつしや)るワイ。352黒姫(くろひめ)さま、353高山彦(たかやまひこ)さま、354サア(かへ)りませう。355アタ阿呆(あはう)らしい。356(せつ)やお(はつ)357田吾(たご)(もく)馬鹿(ばか)にせられて、358()出神(でのかみ)(さま)も、359竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)さまも、360(なみだ)をこぼして()やはりますぞえ。361(なん)()つても優勝(いうしよう)劣敗(れつぱい)362弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)だ。363(ぜん)(わか)るのは(おそ)いぞよ、364(その)(かは)立派(りつぱ)(はな)()くぞよとお(ふで)()()ります。365(みな)さま、366アフンとなさるなツ。367(これ)から(これ)からサア()れから獅子(しし)奮迅(ふんじん)(いきほひ)(もつ)て、368三五教(あななひけう)根本(こつぽん)から立替(たてかへ)いたすから、369あとで吠面(ほえづら)かわかぬようになされませや。370ヒン阿呆(あはう)らしい』
371()()つて(かへ)らうとする。372英子姫(ひでこひめ)は、
373英子姫(ひでこひめ)『モシモシ高姫(たかひめ)(さま)374一寸(ちよつと)()(くだ)さいませ。375それは(あま)りの()短慮(たんりよ)(まを)すもの、376十人(じふにん)十色(といろ)(まを)しまして、377各自(めいめい)解釈(かいしやく)(ちが)つて()りまするが(かみ)(さま)(ひと)つで御座(ござ)います。378さうお(はら)()てずに、379(わか)らぬ我々(われわれ)380充分(じゆうぶん)納得(なつとく)のゆく(やう)にお(しめ)(くだ)さいませ。381(まこと)(こと)ならばどこまでも服従(ふくじゆう)いたします』
382 高姫(たかひめ)はニヤリと(わら)(なが)ら、383(にはか)機嫌(きげん)をなほし、
384高姫(たかひめ)流石(さすが)八乙女(やをとめ)随一(ずゐいつ)英子姫(ひでこひめ)(さま)385(まへ)さま(だけ)だ。386()のキリツとした(とこ)から口元(くちもと)(しま)つた(ところ)387ホンにお(かしこ)立派(りつぱ)淑女(しゆくぢよ)(かがみ)だ。388(まへ)さまならば、389(この)高姫(たかひめ)(まを)すことの(わか)るだけの素養(そやう)はありさうだ。390そんならモ一度(いちど)(すわ)(なほ)して、391トツクリと()意見(いけん)(うかが)ひませう』
392一旦(いつたん)()つた(ひざ)を、393(また)(もと)()にキチンと(かへ)つた。
394英子姫(ひでこひめ)(わたし)御存(ごぞん)じの(とほ)り、395まだ()(なか)経験(けいけん)(すくな)不束者(ふつつかもの)396どうぞ(なに)から(なに)まで()指導(しだう)をお(ねが)(いた)します。397()きましては()()(およ)びでも御座(ござ)いませうが、398(この)(たび)竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)399諏訪(すは)(みづうみ)より五色(いついろ)貴重(きちよう)なる麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)無事(ぶじ)()到着(たうちやく)になりまして、400言依別(ことよりわけ)(さま)()(かく)(あづか)(あそ)ばして、401一般(いつぱん)信徒(しんと)()拝観(はいくわん)をさせ、402それから一々(いちいち)(やく)(こしら)へ、403大切(たいせつ)保管(ほくわん)をいたさねばなりませぬ。404何分(なにぶん)……貴女(あなた)(はじ)黒姫(くろひめ)さま、405高山彦(たかやまひこ)さまの肝腎(かんじん)(おん)(かた)()不在(ふざい)でありましたので、406今日(けふ)まで拝観(はいくわん)延期(えんき)して()りました次第(しだい)御座(ござ)います。407()第一(だいいち)(その)(たま)()点検(てんけん)を、408高姫(たかひめ)(さま)409黒姫(くろひめ)(さま)()(ねが)(いた)しまして、410それぞれ保管者(ほくわんしや)()めて(いただ)かねばなりませぬ。411……今日(けふ)言依別(ことよりわけ)(さま)(はじ)皆様(みなさま)()協議(けうぎ)()足労(そくらう)(わづら)はした(やう)次第(しだい)御座(ござ)いますから、412どうぞ()をお(さだ)(くだ)さいまして、413()点検(てんけん)(ねが)ひ、414(その)(うへ)保管者(ほくわんしや)をお(さだ)(ねが)はねばなりませぬ』
415 高姫(たかひめ)ニツコと(わら)ひ、
416高姫(たかひめ)流石(さすが)英子姫(ひでこひめ)さま、417言依別(ことよりわけ)さまも大分(だいぶ)によく(わか)つて()ました。418(しか)(なが)ら、419梅子姫(うめこひめ)(さま)420五十子(いそこ)(ひめ)421杢助(もくすけ)さまの()意見(いけん)は……』
422英子姫(ひでこひめ)(いづ)れも(わたし)同意見(どういけん)御座(ござ)います』
423高姫(たかひめ)『それならば頂上(ちやうじやう)(こと)424()出神(でのかみ)生宮(いきみや)()麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)受取(うけと)り、425竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)生宮(いきみや)(たま)(あらた)めて、426(その)(うへ)427各自(めいめい)()出神(でのかみ)428竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)指図(さしづ)(したが)つて一切(いつさい)万事(ばんじ)取行(とりおこな)ふことと(いた)しませう。429(この)(たま)無事(ぶじ)(をさ)まつたのも、430(この)高姫(たかひめ)神界(しんかい)(めい)()つて、431黒姫(くろひめ)さまを(ひと)(じま)(つか)はしたのが第一(だいいち)原因(げんいん)432(つぎ)黒姫(くろひめ)高山彦(たかやまひこ)さまと(とも)竜宮島(りうぐうじま)()守護(しゆご)(あそ)ばされ、433肝腎要(かんじんかなめ)結構(けつこう)(たま)(ほか)()られない(やう)に、434(その)身魂(みたま)をお()(あそ)ばして玉依姫(たまよりひめの)(みこと)となし、435(この)(たま)大切(たいせつ)保管(ほくわん)しておかれたからだ』
436英子姫(ひでこひめ)『ハイ………』
437玉治別(たまはるわけ)黒姫(くろひめ)さまの分霊(わけみたま)(また)大変(たいへん)立派(りつぱ)なものだなア。438(その)神格(しんかく)()ひ、439()精神(せいしん)といひ、440容色(ようしよく)()ひ、441()動作(どうさ)()ひ、442(じつ)天地(てんち)霄壤(せうぜう)相違(さうゐ)があつた。443これが本当(ほんたう)なら、444(すずめ)(たか)()んだと()はうか、445途方(とはう)途徹(とてつ)もない事件(じけん)だ。446(この)玉治別(たまはるわけ)竜宮(りうぐう)玉依姫(たまよりひめ)(さま)から(たま)受取(うけと)つた(とき)心持(こころもち)447一目(ひとめ)(をが)んだ(とき)気分(きぶん)()ふものは、448中々(なかなか)(もつ)黒姫(くろひめ)さまの(まへ)()つた(とき)とは、449(つき)(すつぽん)ほど(ちが)つた(かん)じが(いた)しましたよ』
450高姫(たかひめ)『コレ田吾(たご)さま、451(だま)つて()なさい。452新米者(しんまいもの)(わか)(こと)ですかいな』
453玉治別(たまはるわけ)『さうだと()つて、454(その)(たま)直接(ちよくせつ)関係(くわんけい)のあるのは(わたくし)ですからなア』
455五十子(いそこ)(ひめ)玉治別(たまはるわけ)さま、456何事(なにごと)もお(とし)のめしたお(かた)仰有(おつしや)ることに(したが)ひなさる(はう)(よろ)しからう』
457玉治別(たまはるわけ)『ヘーエ、458そらさうですな』
459()()らぬ返事(へんじ)をし(なが)(あたま)をかいて()る。
460梅子姫(うめこひめ)今迄(いままで)経緯(いきさつ)何事(なにごと)もスツパリと(かは)(なが)し、461和気(わき)靄々(あいあい)として()神業(しんげふ)奉仕(ほうし)することに(いた)しませう。462……高姫(たかひめ)(さま)463黒姫(くろひめ)(さま)464高山彦(たかやまひこ)(さま)465従前(じゆうぜん)障壁(しやうへき)()つて、466層一層(そういつそう)神界(しんかい)のため、467親密(しんみつ)()交際(かうさい)をお(ねが)(いた)します』
468高姫(たかひめ)『ヨシヨシ、469結構(けつこう)々々(けつこう)
470黒姫(くろひめ)『お(まへ)さまも少々(せうせう)(はな)せる(かた)だ』
471玉治別(たまはるわけ)(なん)だか()つからよく(わか)りました。472(なに)()()れ、473()をきめて(いただ)きませう。474信者(しんじや)一般(いつぱん)報告(はうこく)する都合(つがふ)がありますから……』
475 言依別(ことよりわけ)杢助(もくすけ)(はう)看守(みまも)つた。476杢助(もくすけ)厳然(げんぜん)として立上(たちあが)り、
477杢助(もくすけ)『かくも双方(さうはう)平穏(へいおん)無事(ぶじ)了解(れうかい)出来(でき)ました以上(いじやう)は、478(きた)二十三(にじふさん)(にち)(もつ)て、479麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)一般(いつぱん)拝観(はいくわん)させることに(さだ)めたら如何(どう)でせう。480()第一(だいいち)高姫(たかひめ)(さま)481黒姫(くろひめ)(さま)()意見(いけん)(うけたま)はりたう御座(ござ)います』
482 高姫(たかひめ)ニコニコし(なが)立上(たちあが)り、
483高姫(たかひめ)何事(なにごと)(この)(けん)(つき)ては、484杢助(もくすけ)さまの総務(そうむ)一任(いちにん)(いた)しませう』
485黒姫(くろひめ)(わたし)同様(どうやう)御座(ござ)います』
486高山彦(たかやまひこ)『どちらなりとも()都合(つがふ)(ねが)ひます』
487杢助(もくすけ)左様(さやう)ならば(いよいよ)()(ぐわつ)二十三(にじふさん)(にち)決定(けつてい)(いた)します。488(みな)さま、489()異存(いぞん)あらば(いま)(うち)()遠慮(ゑんりよ)なく仰有(おつしや)つて(くだ)さい』
490一同(いちどう)賛成(さんせい)々々(さんせい)
491言葉(ことば)(そろ)へる。492折柄(をりから)()()秋風(あきかぜ)十二分(じふにぶん)涼味(りやうみ)()(なが)各自(かくじ)退場(たいぢやう)する(こと)となつた。493アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
494大正一一・七・二三 旧閏五・二九 松村真澄録)

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