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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第27巻(寅の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 聖地の秋
第1章 高姫館
第2章 清潔法
第3章 魚水心
第2篇 千差万別
第4章 教主殿
第5章 玉調べ
第6章 玉乱
第7章 猫の恋
第3篇 神仙霊境
第8章 琉と球
第9章 女神託宣
第10章 太平柿
第11章 茶目式
第4篇 竜神昇天
第12章 湖上の怪物
第13章 竜の解脱
第14章 草枕
第15章 情意投合
第5篇 清泉霊沼
第16章 琉球の神
第17章 沼の女神
第18章 神格化
余白歌
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海洋万里(第25~36巻)
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第27巻(寅の巻)
> 第4篇 竜神昇天 > 第14章 草枕
<<< 竜の解脱
(B)
(N)
情意投合 >>>
第一四章
草枕
(
くさまくら
)
〔七九六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻
篇:
第4篇 竜神昇天
よみ(新仮名遣い):
りゅうじんしょうてん
章:
第14章 草枕
よみ(新仮名遣い):
くさまくら
通し章番号:
796
口述日:
1922(大正11)年07月27日(旧06月04日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年6月20日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
比治山の麓、比沼真奈井の豊国姫命の聖場に使えていた照子姫と清子姫は、麻邇の宝珠が秋山彦の館にやってきたと聞いて、大神の許しを得て山を越え、由良港の秋山彦館までやってきた。
しかしすでに麻邇の宝珠は聖地に出立した後であった。二人は聖地に上って錦の宮に玉照彦・玉照姫を拝顔し、神勅を乞うた。すると言依別命の口を借りて託宣が下り、琉球に渡るようにとの神命が下った。
二人は出立に際して高熊山に登って岩窟に籠もり、木花姫命の神勅を受け諭され、来勿止神に送られて西へと旅立った。
生田の森の玉能姫の館に一泊して、兵庫の港から船出をした。瀬戸内海を行く折りしも、暗礁に乗り上げて苦しんでいたが、馳せ来る船に助けられて、一行は琉球の槻の木の洞穴までやってくることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-11-04 18:36:08
OBC :
rm2714
愛善世界社版:
224頁
八幡書店版:
第5輯 323頁
修補版:
校定版:
231頁
普及版:
98頁
初版:
ページ備考:
001
雲
(
くも
)
に
聳
(
そび
)
ゆる
比治山
(
ひぢやま
)
の
002
麓
(
ふもと
)
に
清
(
きよ
)
き
比沼
(
ひぬ
)
真奈井
(
まなゐ
)
003
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
永遠
(
とことは
)
に
004
鎮
(
しづ
)
まりゐます
聖場
(
せいぢやう
)
に
005
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
へたる
006
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
の
照子姫
(
てるこひめ
)
007
身魂
(
みたま
)
もすぐれて
清子姫
(
きよこひめ
)
008
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
009
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
010
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
011
初稚姫
(
はつわかひめ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
012
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
が
013
海洋
(
かいやう
)
万里
(
ばんり
)
の
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
014
永久
(
とは
)
に
浮
(
うか
)
べる
竜宮
(
りうぐう
)
の
015
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
なる
諏訪
(
すは
)
の
湖
(
うみ
)
016
麻邇
(
まに
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
017
守
(
まも
)
り
玉
(
たま
)
ひし
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
018
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
手
(
て
)
より
019
手
(
て
)
づから
受
(
う
)
けて
八咫烏
(
やたがらす
)
020
黄金
(
こがね
)
の
翼
(
つばさ
)
に
跨
(
またが
)
りて
021
大空
(
おほぞら
)
高
(
たか
)
く
翔
(
かけ
)
めぐり
022
十重
(
とへ
)
に
二十重
(
はたへ
)
に
包
(
つつ
)
みたる
023
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
も
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
024
人子
(
ひとご
)
の
司
(
つかさ
)
の
珍館
(
うづやかた
)
025
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
の
茂
(
しげ
)
り
生
(
お
)
ふ
026
御苑
(
みその
)
に
降
(
くだ
)
りますと
聞
(
き
)
き
027
二人
(
ふたり
)
の
女神
(
めがみ
)
は
大神
(
おほかみ
)
に
028
許
(
ゆる
)
しをうけて
久次
(
ひさつぐ
)
の
029
錦
(
にしき
)
織
(
おり
)
なす
里
(
さと
)
を
越
(
こ
)
え
030
四方
(
よも
)
の
峰山
(
みねやま
)
紅葉
(
もみぢ
)
して
031
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
の
道
(
みち
)
も
長善寺
(
ちやうぜんじ
)
032
大野
(
おほの
)
、
山田
(
やまだ
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
033
神
(
かみ
)
の
宮津
(
みやづ
)
に
着
(
つ
)
きにけり
034
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
の
神宮
(
しんぐう
)
を
035
右
(
みぎ
)
に
拝
(
はい
)
してスタスタと
036
岩淵
(
いはぶち
)
、
文珠
(
もんじゆ
)
、
紅葉坂
(
もみぢざか
)
037
荒波
(
あらなみ
)
たける
磯端
(
いそばた
)
を
038
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
に
辿
(
たど
)
りつき
039
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
門前
(
もんぜん
)
に
040
佇
(
たたず
)
み
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
へば
041
後
(
あと
)
の
祭
(
まつり
)
か
十日菊
(
とをかぎく
)
042
麻邇
(
まに
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
043
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
安々
(
やすやす
)
と
044
着
(
つ
)
かせ
玉
(
たま
)
ひしと
聞
(
き
)
くよりも
045
二人
(
ふたり
)
の
女神
(
めがみ
)
は
気
(
き
)
を
焦
(
いら
)
ち
046
月
(
つき
)
の
顔
(
かんばせ
)
丸八江
(
まるやえ
)
の
047
田舎
(
いなか
)
を
過
(
す
)
ぎて
田辺
宿
(
たなべしゆく
)
048
日
(
ひ
)
は
又
(
また
)
空
(
そら
)
に
余
(
あま
)
の
内
(
うち
)
049
池
(
いけ
)
の
内
(
うち
)
をば
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
050
山
(
やま
)
と
山
(
やま
)
との
谷間
(
たにあひ
)
の
051
日蔭
(
ひかげ
)
も
見
(
み
)
えぬ
真倉
郷
(
まくらがう
)
052
片方
(
かたへ
)
の
上杉
(
うへすぎ
)
月
(
つき
)
照
(
て
)
りて
053
心
(
こころ
)
も
開
(
ひら
)
く
梅迫
(
うめざこ
)
や
054
西八田
(
にしやた
)
、
縁垣
(
ふちがき
)
、
味方原
(
みかたはら
)
055
綾
(
あや
)
の
大橋
(
おほはし
)
打渡
(
うちわた
)
り
056
小雲
(
こくも
)
の
流
(
なが
)
れに
心胆
(
しんたん
)
を
057
洗
(
あら
)
ひて
進
(
すす
)
む
聖域
(
せいゐき
)
に
058
太
(
ふと
)
しき
建
(
た
)
てる
神館
(
かむやかた
)
059
十曜
(
とえう
)
の
神紋
(
しんもん
)
キラキラと
060
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
反射
(
はんしや
)
して
061
絵
(
ゑ
)
にもかかれぬ
美
(
うる
)
はしさ
062
秋
(
あき
)
は
漸
(
やうや
)
く
深
(
ふか
)
くして
063
木々
(
きぎ
)
を
染
(
そ
)
めなす
綾
(
あや
)
の
里
(
さと
)
064
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
065
やうやう
辿
(
たど
)
りて
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
066
玉照彦
(
たまてるひこ
)
や
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
067
二柱神
(
ふたはしらがみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
068
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でて
神勅
(
しんちよく
)
を
069
再度
(
ふたたび
)
請
(
こ
)
へば
言依別
(
ことよりわけ
)
の
070
瑞
(
みづ
)
の
命
(
みこと
)
の
口
(
くち
)
を
借
(
か
)
り
071
言葉
(
ことば
)
静
(
しづ
)
かに
宣
(
の
)
らすやう
072
汝
(
なんぢ
)
はこれより
聖地
(
せいち
)
をば
073
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
立出
(
たちい
)
でて
074
南
(
みなみ
)
に
向
(
むか
)
ひ
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
075
浪
(
なみ
)
かき
分
(
わ
)
けて
琉球
(
りうきう
)
の
076
神
(
かみ
)
の
御島
(
みしま
)
に
渡
(
わた
)
れよと
077
宣
(
の
)
らせ
玉
(
たま
)
ひし
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
078
畏
(
かしこ
)
み
奉
(
まつ
)
り
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
079
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
を
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
080
小雲
(
こくも
)
の
流
(
なが
)
れを
溯
(
さかのぼ
)
り
081
山路
(
やまぢ
)
を
駆
(
かけ
)
り
鷹栖
(
たかのす
)
や
082
山家
(
やまが
)
、
音無瀬
(
おとなせ
)
、
才原
(
さいはら
)
の
083
細谷路
(
ほそたにみち
)
を
辿
(
たど
)
りつつ
084
流
(
なが
)
れも
広瀬
(
ひろせ
)
の
丸木橋
(
まるきばし
)
085
渡
(
わた
)
りて
進
(
すす
)
む
和知
(
わち
)
、
本庄
(
ほんしやう
)
086
中山
(
なかやま
)
、
新田
(
しんでん
)
、
胡麻
(
ごま
)
の
郷
(
がう
)
087
尋
(
たづ
)
ね
行
(
ゆ
)
くのは
殿田
川
(
とのだがは
)
088
乗
(
の
)
せて
嬉
(
うれ
)
しき
船岡
(
ふなをか
)
の
089
其
(
その
)
行先
(
ゆくさき
)
は
千妻
(
せんづま
)
や
090
曽我谷
(
そがだに
)
、
園部
(
そのべ
)
の
花
(
はな
)
の
里
(
さと
)
091
小山
(
をやま
)
、
松原
(
まつばら
)
後
(
あと
)
にして
092
羽
(
はね
)
はなけれど
鳥羽
(
とば
)
の
駅
(
えき
)
093
道
(
みち
)
も
広瀬
(
ひろせ
)
や
八木
(
やぎ
)
の
町
(
まち
)
094
深
(
ふか
)
き
川関
(
かはせき
)
、
千代川
(
ちよかは
)
の
095
大川
(
おほかは
)
小川
(
をがは
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
096
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
も
大井
村
(
おほゐむら
)
097
天田
(
あまた
)
神徳
(
しんとく
)
嬉
(
うれ
)
しみて
098
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
生
(
あ
)
れませる
099
穴太
(
あなを
)
の
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
100
高熊
(
たかくま
)
さして
登
(
のぼ
)
りゆく
101
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
102
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ
103
朝日
(
あさひ
)
の
直刺
(
たださ
)
す
神
(
かみ
)
の
山
(
やま
)
104
夕日
(
ゆふひ
)
の
日照
(
ひて
)
らす
神
(
かみ
)
の
峰
(
みね
)
105
三
(
み
)
つ
葉
(
ば
)
躑躅
(
つつじ
)
の
其
(
その
)
下
(
した
)
に
106
小判
(
こばん
)
千
(
せん
)
両
(
りやう
)
埋
(
い
)
けおいた
107
黄金
(
こがね
)
の
鶏
(
とり
)
の
暁
(
あかつき
)
を
108
告
(
つ
)
ぐる
神代
(
かみよ
)
を
松林
(
まつばやし
)
109
折柄
(
をりから
)
吹来
(
ふきく
)
る
秋風
(
あきかぜ
)
に
110
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
は
自
(
おのづか
)
ら
111
微妙
(
びめう
)
の
音楽
(
おんがく
)
奏
(
かな
)
でつつ
112
小鳥
(
ことり
)
の
歌
(
うた
)
ふ
声
(
こゑ
)
清
(
きよ
)
く
113
あちらこちらの
山柿
(
やまがき
)
の
114
赤
(
あか
)
き
顔
(
かほ
)
してブラブラと
115
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
御姿
(
みすがた
)
を
116
今
(
いま
)
見
(
み
)
る
如
(
ごと
)
き
照子姫
(
てるこひめ
)
117
神
(
かみ
)
の
宝座
(
ほうざ
)
も
清子姫
(
きよこひめ
)
118
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
り
119
木花姫
(
このはなひめ
)
の
神勅
(
しんちよく
)
を
120
三七
(
さんしち
)
二十一
(
にじふいち
)
日
(
にち
)
の
121
秋
(
あき
)
の
夜長
(
よなが
)
に
細々
(
こまごま
)
と
122
教
(
をし
)
へ
諭
(
さと
)
され
両人
(
りやうにん
)
は
123
深
(
ふか
)
き
御徳
(
みとく
)
を
拝
(
はい
)
しつつ
124
山
(
やま
)
を
降
(
くだ
)
りて
谷路
(
たにみち
)
を
125
スタスタ
降
(
くだ
)
る
山
(
やま
)
の
神
(
かみ
)
126
水音
(
みなおと
)
高
(
たか
)
き
滝
(
たき
)
の
辺
(
べ
)
に
127
又
(
また
)
もや
身魂
(
みたま
)
を
洗
(
あら
)
ひつつ
128
来勿止
(
くなどめ
)
神
(
がみ
)
に
送
(
おく
)
られて
129
松
(
まつ
)
の
大木
(
おほぎ
)
の
大空
(
おほぞら
)
を
130
封
(
ふう
)
じて
暗
(
くら
)
き
堺山
(
さかひやま
)
131
息
(
いき
)
急
(
せ
)
き
登
(
のぼ
)
る
雄々
(
をを
)
しさよ
132
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
をば
133
頭上
(
づじやう
)
に
浴
(
あ
)
びて
六箇谷
(
ろくかだに
)
134
犬飼
(
いぬがひ
)
、
法貴
(
はふき
)
、
湯屋ケ谷
(
ゆやがだに
)
135
崎嶇
(
きく
)
たる
山路
(
やまぢ
)
分
(
わ
)
け
乍
(
なが
)
ら
136
止止呂美
(
ととろみ
)
坂
(
ざか
)
や
細
(
ほそ
)
の
川
(
がは
)
137
又
(
また
)
もや
渡
(
わた
)
る
中河原
(
なかがはら
)
138
木部
(
きべ
)
の
里
(
さと
)
をば
打過
(
うちす
)
ぎて
139
思
(
おも
)
ひも
深
(
ふか
)
き
池田
郷
(
いけだがう
)
140
神田
(
かんだ
)
草鞋
(
わらぢ
)
も
桑津
村
(
くはづむら
)
141
足
(
あし
)
や
伊丹
(
いたみ
)
の
郷
(
さと
)
こえて
142
稲野
(
いねの
)
、
常吉
(
つねよし
)
向
(
むか
)
う
脛
(
づね
)
143
秋
(
あき
)
の
芒
(
すすき
)
に
傷
(
きず
)
つけて
144
屡
(
しばしば
)
休
(
やす
)
む
柴野村
(
しばのむら
)
145
日
(
ひ
)
は
早
(
はや
)
空
(
そら
)
に
西
(
にし
)
の
宮
(
みや
)
146
茲
(
ここ
)
に
一夜
(
いちや
)
を
宿
(
やど
)
りつつ
147
朝日
(
あさひ
)
と
共
(
とも
)
に
打出
(
うちいで
)
て
148
葦尾
(
あしを
)
痛
(
いた
)
めん
憂
(
うき
)
もなく
149
無事
(
ぶじ
)
に
進
(
すす
)
むは
大神
(
おほかみ
)
の
150
まさしく
本庄
(
ほんしやう
)
、
御影町
(
みかげまち
)
151
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
152
稚姫君
(
わかひめぎみ
)
の
祀
(
まつ
)
りたる
153
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
神館
(
かむやかた
)
154
一夜
(
いちや
)
を
爰
(
ここ
)
に
明
(
あ
)
かしつつ
155
心
(
こころ
)
も
勇
(
いさ
)
む
駒彦
(
こまひこ
)
に
156
いと
親切
(
しんせつ
)
に
歓待
(
もて
)
なされ
157
兵庫
(
ひやうご
)
の
港
(
みなと
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
158
浜辺
(
はまべ
)
に
繋
(
つな
)
ぎし
新船
(
さらぶね
)
を
159
代価
(
あたひ
)
を
呉
(
く
)
れて
買
(
か
)
ひ
取
(
と
)
りつ
160
誠
(
まこと
)
明石
(
あかし
)
の
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
161
波
(
なみ
)
高砂
(
たかさご
)
の
浦
(
うら
)
を
越
(
こ
)
え
162
家島
(
えじま
)
、
西島
(
にしじま
)
、
小豆島
(
せうどしま
)
163
左手
(
ゆんで
)
に
眺
(
なが
)
めて
豊
(
とよ
)
の
島
(
しま
)
164
児島
(
こじま
)
半島
(
はんたう
)
のそば
近
(
ちか
)
く
165
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも
暗礁
(
あんせう
)
に
166
船
(
ふね
)
乗
(
の
)
りあげて
両人
(
りやうにん
)
は
167
如何
(
いかが
)
はせんと
村肝
(
むらきも
)
の
168
心
(
こころ
)
を
苦
(
くる
)
しむ
折柄
(
をりから
)
に
169
月
(
つき
)
照
(
て
)
る
波
(
なみ
)
を
分
(
わ
)
け
乍
(
なが
)
ら
170
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
馳来
(
はせきた
)
る
171
一
(
ひと
)
つの
船
(
ふね
)
に
助
(
たす
)
けられ
172
茲
(
ここ
)
に
二人
(
ふたり
)
の
姫神
(
ひめがみ
)
は
173
危
(
あやふ
)
き
所
(
ところ
)
を
救
(
すく
)
はれて
174
神
(
かみ
)
のまにまに
竜宮
(
りうぐう
)
の
175
石松
(
いしまつ
)
茂
(
しげ
)
る
磯端
(
いそばた
)
に
176
船
(
ふね
)
を
繋
(
つな
)
ぎて
上陸
(
じやうりく
)
し
177
莓
(
いちご
)
の
実
(
みの
)
る
山路
(
やまみち
)
を
178
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男女
(
なんによ
)
連
(
づ
)
れ
179
常楠翁
(
つねくすをう
)
の
住家
(
すみか
)
なる
180
目出度
(
めでた
)
き
人
(
ひと
)
に
大槻
(
おほつき
)
の
181
天然
(
てんねん
)
ホテルに
着
(
つ
)
きにけり。
182
(
大正一一・七・二七
旧六・四
松村真澄
録)
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