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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第27巻(寅の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 聖地の秋
第1章 高姫館
第2章 清潔法
第3章 魚水心
第2篇 千差万別
第4章 教主殿
第5章 玉調べ
第6章 玉乱
第7章 猫の恋
第3篇 神仙霊境
第8章 琉と球
第9章 女神託宣
第10章 太平柿
第11章 茶目式
第4篇 竜神昇天
第12章 湖上の怪物
第13章 竜の解脱
第14章 草枕
第15章 情意投合
第5篇 清泉霊沼
第16章 琉球の神
第17章 沼の女神
第18章 神格化
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第27巻(寅の巻)
> 第3篇 神仙霊境 > 第8章 琉と球
<<< 猫の恋
(B)
(N)
女神託宣 >>>
第八章
琉
(
りう
)
と
球
(
きう
)
〔七九〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻
篇:
第3篇 神仙霊境
よみ(新仮名遣い):
しんせんれいきょう
章:
第8章 琉と球
よみ(新仮名遣い):
りゅうときゅう
通し章番号:
790
口述日:
1922(大正11)年07月24日(旧06月01日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年6月20日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
神素盞嗚大神や国武彦の神言により、三五教の大教主・言依別命は神界の深い使命によってわざと玉を交換し、その責任を取って、国依別とともに聖地を出奔した。
明石で舟を買い求め、瀬戸の海に浮かんだ一つ島に立ち寄り、松の根本に埋めた二個の宝玉の前で祈願をこらした。すると空中に三柱の小さな女神が現れて、宝玉には構わずに早くテルの港に行くようにと告げた。
二人は舟を漕いで海を進み、いつしか琉球の那覇の港に到着した。この島は現代では当時に比べると十分の一くらいに沈んでしまったが、このときはずいぶん大きな島であった。
言依別命は、本当の神業を行うためには、この島にある竜の腮の球という、琉の玉と球の玉を手に入れて高砂島に渡る必要があるのだ、と説く。
玉のありかを尋ねる国依別に対し、言依別命は、国武彦大神によってあらましを知らされていると語る。琉の玉は潮満の玉、球の玉は潮干の玉であり、これらを携えて世界を巡れば、いかなる悪魔もたちまち畏服するという神器であると説いた。
言依別命は、ハーリス山の頂が日没後も輝いているのを指した。二人は夜を明かして明朝、頂に登ることにした。
二人は麓の幾丈もある槻の木の根本に大きな洞が開いているのを見つけた。洞の中はほとんど五十坪ほどもあり、奥には美しい草のむしろが敷き詰めてあった。
言依別は、ここが琉球王の隠れ場所だと気がついた。そして国依別に向かって、琉球王が帰ってくれば、彼らは我々にとって決して悪い者ではない、とすべてを見透かしているかのように諭した。
丑満のころ、外に騒がしい物音が聞こえてきた。国依別は、言依別命を起こそうとするが、熟睡している。国依別が外をうかがうと、相当な人数のようであった。国依別は一人入口に立って腕組みをして考え込んでいる。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-10-28 19:37:19
OBC :
rm2708
愛善世界社版:
145頁
八幡書店版:
第5輯 295頁
修補版:
校定版:
151頁
普及版:
65頁
初版:
ページ備考:
001
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
や
002
国武彦
(
くにたけひこ
)
の
神言
(
みこと
)
もて
003
三五教
(
あななひけう
)
の
大教主
(
だいけうしゆ
)
004
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
005
千万
(
せんまん
)
無量
(
むりやう
)
の
神界
(
しんかい
)
の
006
深
(
ふか
)
き
使命
(
しめい
)
を
蒙
(
かかぶ
)
りて
007
ワザとに
玉
(
たま
)
を
交換
(
かうくわん
)
し
008
其
(
その
)
責任
(
せきにん
)
を
一身
(
いつしん
)
に
009
負
(
お
)
ひて
聖地
(
せいち
)
を
出奔
(
しゆつぽん
)
し
010
国依別
(
くによりわけ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
011
紅葉
(
もみぢ
)
も
照
(
て
)
れる
秋
(
あき
)
の
空
(
そら
)
012
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
長宮
(
ながみや
)
の
013
峠
(
たうげ
)
を
渡
(
わた
)
り
谷
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
014
杉
(
すぎ
)
の
木立
(
こだち
)
にまぎれつつ
015
南
(
みなみ
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
016
丹波
(
たんば
)
篠山
(
ささやま
)
後
(
あと
)
に
見
(
み
)
て
017
高春山
(
たかはるやま
)
を
伏拝
(
ふしをが
)
み
018
池田
(
いけだ
)
伊丹
(
いたみ
)
も
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
に
019
漸
(
やうや
)
く
明石
(
あかし
)
に
着
(
つ
)
きにけり
020
漁師
(
れうし
)
の
家
(
いへ
)
に
立寄
(
たちよ
)
りて
021
船
(
ふね
)
を
一隻
(
いつさう
)
買
(
か
)
ひ
求
(
もと
)
め
022
国依別
(
くによりわけ
)
と
両人
(
りやうにん
)
が
023
艪櫂
(
ろかい
)
を
操
(
あやつ
)
り
悠々
(
いういう
)
と
024
波
(
なみ
)
静
(
しづ
)
かなる
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
025
暗夜
(
やみよ
)
を
幸
(
さいは
)
ひ
高砂
(
たかさご
)
の
026
沖
(
おき
)
に
浮
(
うか
)
べる
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
027
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふえ
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
028
紫色
(
むらさきいろ
)
の
宝玉
(
はうぎよく
)
の
029
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
埋
(
うづ
)
めたる
030
松
(
まつ
)
の
根元
(
ねもと
)
に
立寄
(
たちよ
)
りて
031
暗祈
(
あんき
)
黙祷
(
もくたう
)
やや
暫
(
しば
)
し
032
空中
(
くうちう
)
俄
(
にはか
)
に
明
(
あか
)
くなり
033
瞬
(
またた
)
く
間
(
うち
)
に
三柱
(
みはしら
)
の
034
小
(
ちい
)
さき
女神
(
めがみ
)
現
(
あら
)
はれて
035
声
(
こゑ
)
厳
(
おごそ
)
かに
詔
(
の
)
らすよう
036
汝
(
なんぢ
)
言依別
(
ことよりわけの
)
神
(
かみ
)
037
先
(
さき
)
に
埋
(
うづ
)
めし
宝玉
(
ほうぎよく
)
は
038
我
(
われ
)
等
(
ら
)
三柱
(
みはしら
)
朝宵
(
あさよひ
)
に
039
守
(
まも
)
りゐませば
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
040
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
らせ
玉
(
たま
)
ふなく
041
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
海原
(
うなばら
)
を
042
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
潔
(
いさぎよ
)
く
043
進
(
すす
)
みてテルの
港
(
みなと
)
まで
044
出立
(
いでた
)
ち
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
045
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
仕組
(
しぐみ
)
046
後
(
のち
)
程
(
ほど
)
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
られなむ
047
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
048
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませと
049
言
(
い
)
ふかと
見
(
み
)
れば
忽
(
たちま
)
ちに
050
姿
(
すがた
)
は
消
(
き
)
えて
白煙
(
しらけむり
)
051
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に
靉靆
(
たなび
)
きぬ
052
忽
(
たちま
)
ち
空中
(
くうちう
)
音楽
(
おんがく
)
聞
(
きこ
)
え
053
四辺
(
しへん
)
芳香
(
はうかう
)
に
包
(
つつ
)
まれて
054
譬方
(
たとへがた
)
なき
爽快
(
さうくわい
)
さ
055
言依別
(
ことよりわけ
)
は
三柱
(
みはしら
)
の
056
瑞
(
みづ
)
の
女神
(
めがみ
)
を
拝礼
(
はいれい
)
し
057
国依別
(
くによりわけ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
058
乗
(
の
)
り
来
(
こ
)
し
船
(
ふね
)
に
身
(
み
)
を
托
(
たく
)
し
059
魚鱗
(
ぎよりん
)
の
波
(
なみ
)
の
漂
(
ただよ
)
へる
060
大海原
(
おほうなばら
)
を
悠々
(
いういう
)
と
061
波
(
なみ
)
のまにまに
漕
(
こ
)
ぎ
渡
(
わた
)
る
062
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
063
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませと
064
和田津
(
わだつ
)
御神
(
みかみ
)
に
太祝詞
(
ふとのりと
)
065
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
宣
(
の
)
りつつも
066
荒
(
すさ
)
ぶる
波
(
なみ
)
を
分
(
わ
)
けて
行
(
ゆ
)
く
067
いつしか
瀬戸
(
せと
)
の
荒海
(
あらうみ
)
を
068
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
え
進
(
すす
)
む
馬
(
うま
)
の
関
(
せき
)
069
戸島
(
とじま
)
男島
(
をじま
)
に
春
(
はる
)
の
島
(
しま
)
070
清島
(
きよしま
)
越
(
こ
)
えて
琉球
(
りうきう
)
の
071
那覇
(
なは
)
の
港
(
みなと
)
に
到着
(
たうちやく
)
し
072
海辺
(
うみべ
)
に
船
(
ふね
)
を
繋
(
つな
)
ぎおき
073
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
074
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
琉球一
(
りうきういち
)
の
広大
(
くわうだい
)
なる
浮島
(
うきしま
)
である。
075
現代
(
げんだい
)
は
其
(
その
)
時代
(
じだい
)
に
比
(
くら
)
ぶれば
殆
(
ほとん
)
ど
海中
(
かいちう
)
に
陥没
(
かんぼつ
)
して
其
(
その
)
面積
(
めんせき
)
殆
(
ほとん
)
ど
十分
(
じふぶん
)
の
一
(
いち
)
しか
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
ないが、
076
此
(
この
)
時代
(
じだい
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
広大
(
くわうだい
)
な
島
(
しま
)
であつた。
077
二人
(
ふたり
)
は
何
(
なん
)
ともなしに、
078
此処
(
ここ
)
に
神業
(
しんげふ
)
の
秘
(
ひそ
)
まれあるかの
如
(
ごと
)
く
感
(
かん
)
じ、
079
茫々
(
ばうばう
)
たる
荒原
(
くわうげん
)
を、
080
足
(
あし
)
に
任
(
まか
)
せて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
081
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
西山
(
せいざん
)
に
傾
(
かたむ
)
いて、
082
ハーリス
山
(
ざん
)
の
頂
(
いただき
)
のみ
日光
(
につくわう
)
が
少
(
すこ
)
しく
輝
(
かがや
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
083
国依別
(
くによりわけ
)
『
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
、
084
何
(
なん
)
だか
此
(
この
)
島
(
しま
)
を
歩
(
ある
)
きますと、
085
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
がボヤボヤする
様
(
やう
)
ですなア。
086
何
(
なん
)
でも
此処
(
ここ
)
には
不思議
(
ふしぎ
)
な
玉
(
たま
)
があると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
故老
(
こらう
)
から
承
(
うけたま
)
はつて
居
(
を
)
りましたが、
087
布哇
(
ハワイ
)
へさして
行
(
ゆ
)
く
考
(
かんが
)
へだつたのが、
088
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずにこんな
方
(
はう
)
へやつて
来
(
き
)
ましたのは、
089
何
(
なに
)
かの
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
でせうかなア』
090
言依別
(
ことよりわけ
)
『
確
(
たし
)
かに
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
御用
(
ごよう
)
があるのだ。
091
余
(
あま
)
り
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
では
云
(
い
)
はれないが、
092
此処
(
ここ
)
には
琉
(
りう
)
の
玉
(
たま
)
と
球
(
きう
)
の
玉
(
たま
)
とが
永遠
(
ゑいゑん
)
に
隠
(
かく
)
されてある。
093
それで
琉球
(
りうきう
)
といふのだ。
094
竜
(
りう
)
の
腮
(
あぎと
)
の
球
(
たま
)
と
云
(
い
)
ふのは
此
(
この
)
島
(
しま
)
にあるのだ。
095
此
(
この
)
玉
(
たま
)
を
二個
(
にこ
)
共
(
とも
)
うまく
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて、
096
高砂島
(
たかさごじま
)
へ
渡
(
わた
)
らなくては
本当
(
ほんたう
)
の
神業
(
しんげふ
)
は
出来
(
でき
)
ないのだよ』
097
国依別
(
くによりわけ
)
『ヘー、
098
それは
大変
(
たいへん
)
ですな。
099
果
(
はた
)
して
左様
(
さやう
)
な
物
(
もの
)
が
手
(
て
)
に
入
(
い
)
るでせうか。
100
さうして
其
(
その
)
玉
(
たま
)
の
在場所
(
ありばしよ
)
はお
分
(
わか
)
りですか』
101
言依別
(
ことよりわけ
)
『
大抵
(
たいてい
)
分
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
102
国武彦
(
くにたけひこの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
より
命令
(
めいれい
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
るのだ。
103
琉
(
りう
)
の
玉
(
たま
)
は
潮満
(
しほみつ
)
の
玉
(
たま
)
、
104
球
(
きう
)
の
方
(
はう
)
は
潮干
(
しほひる
)
の
玉
(
たま
)
だ。
105
各
(
おのおの
)
一個
(
いつこ
)
づつ
之
(
これ
)
を
携
(
たづさ
)
へて
世界
(
せかい
)
を
巡
(
めぐ
)
れば、
106
如何
(
いか
)
なる
悪魔
(
あくま
)
と
雖
(
いへど
)
も、
107
忽
(
たちま
)
ち
畏服
(
ゐふく
)
すると
云
(
い
)
ふ
神器
(
しんき
)
である。
108
あの
山
(
やま
)
の
頂
(
いただ
)
きを
見
(
み
)
よ。
109
太陽
(
たいやう
)
は
既
(
すで
)
に
西天
(
せいてん
)
に
没
(
ぼつ
)
し、
110
最早
(
もはや
)
黄昏
(
たそがれ
)
の
帳
(
とばり
)
は
刻々
(
こくこく
)
に
厚
(
あつ
)
く
下
(
お
)
ろされて
来
(
き
)
たにも
拘
(
かか
)
はらず、
111
あそこ
計
(
ばか
)
りは
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
く
輝
(
かがや
)
いて
居
(
ゐ
)
るではないか』
112
国依別
(
くによりわけ
)
『
成程
(
なるほど
)
、
113
さう
承
(
うけたま
)
はればさうですなア。
114
どうしてあこ
[
※
「あこ」は京阪地方の方便で「あそこ」の意。
]
計
(
ばか
)
り
光
(
ひか
)
るのでせう。
115
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
さまが、
116
先
(
さき
)
へ
廻
(
まは
)
つて
我々
(
われわれ
)
に
此処
(
ここ
)
だとお
知
(
し
)
らせ
下
(
くだ
)
さるのでせうか』
117
言依別
(
ことよりわけ
)
『マアそんなものだらうよ。
118
余程
(
よほど
)
日
(
ひ
)
も
暮
(
く
)
れたなり、
119
体
(
からだ
)
も
疲
(
つか
)
れて
来
(
き
)
たから、
120
此
(
この
)
辺
(
へん
)
で
一夜
(
ひとよさ
)
宿
(
やど
)
を
取
(
と
)
り、
121
明朝
(
みやうてう
)
更
(
あらた
)
めて
登
(
のぼ
)
る
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
さう』
122
と
幾丈
(
いくぢやう
)
とも
知
(
し
)
れぬ
太
(
ふと
)
き
幹
(
みき
)
の、
123
槻
(
つき
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に、
124
スタスタと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
125
国依別
(
くによりわけ
)
も
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まま
)
従
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
126
見
(
み
)
れば
槻
(
つき
)
の
根元
(
ねもと
)
には
縦
(
たて
)
五
(
ご
)
尺
(
しやく
)
横
(
よこ
)
三尺
(
さんじやく
)
許
(
ばか
)
りの
洞
(
うろ
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
127
余
(
あま
)
りの
老木
(
らうぼく
)
にて
皮
(
かは
)
ばかりになり、
128
中
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
り
見
(
み
)
れば
全部
(
ぜんぶ
)
洞穴
(
ほらあな
)
になつて
居
(
ゐ
)
て、
129
所々
(
ところどころ
)
に
草
(
くさ
)
で
編
(
あ
)
んだ
蓆
(
むしろ
)
などが
散乱
(
さんらん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
130
此
(
この
)
木
(
き
)
の
洞
(
うろ
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
五十
(
ごじつ
)
坪
(
つぼ
)
許
(
ばか
)
りもあつた。
131
益々
(
ますます
)
奥
(
おく
)
へ
奥
(
おく
)
へと
進
(
すす
)
めば
美
(
うる
)
はしき
草
(
くさ
)
の
莚
(
むしろ
)
、
132
香
(
かを
)
りゆかしく
布
(
し
)
きつめてある。
133
二人
(
ふたり
)
はそこに、
134
草鞋
(
わらぢ
)
をぬぎすて
横
(
よこ
)
たはり
見
(
み
)
れば、
135
ガサガサと
音
(
おと
)
がする
程
(
ほど
)
、
136
よく
乾
(
かわ
)
いた
莚
(
むしろ
)
であつた。
137
国依別
(
くによりわけ
)
『
随分
(
ずゐぶん
)
大
(
おほ
)
きな
樹木
(
じゆもく
)
ですなア。
138
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らこれ
丈
(
だけ
)
綺麗
(
きれい
)
に
蓆
(
むしろ
)
が
布
(
し
)
きつめてある
以上
(
いじやう
)
は、
139
何者
(
なにもの
)
かが
此処
(
ここ
)
に
住
(
す
)
まつて
居
(
ゐ
)
るのでせう。
140
暗
(
くら
)
がりのこととて、
141
ハツキリ
分
(
わか
)
りませぬが、
142
どうやら
此処
(
ここ
)
は
人間
(
にんげん
)
の
住家
(
すみか
)
ではなからうかと
思
(
おも
)
はれます』
143
言依別
(
ことよりわけ
)
『
此処
(
ここ
)
は
琉球王
(
りうきうわう
)
の
隠
(
かく
)
れ
場所
(
ばしよ
)
だ。
144
今日
(
けふ
)
は
都合
(
つがふ
)
に
依
(
よ
)
りて
数多
(
あまた
)
の
家来
(
けらい
)
を
引
(
ひき
)
つれ
外出
(
ぐわいしゆつ
)
をして
居
(
ゐ
)
るのだが、
145
今晩
(
こんばん
)
の
夜中
(
よなか
)
頃
(
ごろ
)
になれば
屹度
(
きつと
)
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るから、
146
余
(
あま
)
り
驚
(
おどろ
)
かない
様
(
やう
)
にして
呉
(
く
)
れ。
147
決
(
けつ
)
して
我々
(
われわれ
)
の
為
(
ため
)
に
悪
(
わる
)
い
者
(
もの
)
ではないから』
148
国依別
(
くによりわけ
)
『へーさうですか。
149
そんな
事
(
こと
)
を
如何
(
どう
)
して
貴方
(
あなた
)
は
御存
(
ごぞん
)
じですか』
150
言依別
(
ことよりわけ
)
『
何事
(
なにごと
)
も
玉照彦
(
たまてるひこ
)
、
151
玉照姫
(
たまてるひめの
)
命
(
みこと
)
を
通
(
つう
)
じて、
152
国武彦
(
くにたけひこの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
より
御
(
お
)
知
(
し
)
らせになつてゐるのだ。
153
大変
(
たいへん
)
に
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るよ。
154
サア
是
(
これ
)
から
揃
(
そろ
)
うて
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
宣伝歌
(
せんでんか
)
でも
唱
(
とな
)
へて
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
く
事
(
こと
)
にしよう』
155
国依別
(
くによりわけ
)
『ハイ
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
156
何
(
なん
)
とはなしに
気分
(
きぶん
)
のよい
所
(
ところ
)
ですなア』
157
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
らゴロンと
横
(
よこ
)
になる。
158
二人
(
ふたり
)
は
白川
(
しらかは
)
夜舟
(
よぶね
)
を
漕
(
こ
)
ぎつつ、
159
忽
(
たちま
)
ち
華胥
(
くわしよ
)
の
国
(
くに
)
に
遊楽
(
いうらく
)
する
身
(
み
)
となつた。
160
丑満刻
(
うしみつこく
)
と
思
(
おも
)
はるる
頃
(
ころ
)
、
161
国依別
(
くによりわけ
)
はフト
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませば、
162
入口
(
いりぐち
)
の
外面
(
ぐわいめん
)
に
当
(
あた
)
りて
騒
(
さわ
)
がしき
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
163
国依別
(
くによりわけ
)
『モシモシ
言依別
(
ことよりわけ
)
様
(
さま
)
、
164
大変
(
たいへん
)
な
足音
(
あしおと
)
が
致
(
いた
)
しました。
165
サアどうぞ
起
(
お
)
きて
下
(
くだ
)
さいませ』
166
言依別
(
ことよりわけ
)
は
熟睡
(
じゆくすゐ
)
せしと
見
(
み
)
え、
167
言依別
(
ことよりわけ
)
『
国依別
(
くによりわけ
)
、
168
喧
(
やかま
)
しく
言
(
い
)
はずに
早
(
はや
)
く
寝
(
ね
)
ぬか。
169
ムニヤ ムニヤ ムニヤ ムニヤ、
170
ウンウンウン』
171
とクレンと
寝返
(
ねがへ
)
りし
又
(
また
)
グウグウと
雷
(
らい
)
の
様
(
やう
)
な
鼾
(
いびき
)
をかき
始
(
はじ
)
めた。
172
足音
(
あしおと
)
は
刻々
(
こくこく
)
に
近付
(
ちかづ
)
いて
来
(
く
)
る。
173
国依別
(
くによりわけ
)
は
慌
(
あわ
)
てて
入口
(
いりぐち
)
に
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
佇
(
たたず
)
み、
174
外面
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
め
入
(
い
)
つた。
175
無数
(
むすう
)
の
明
(
あか
)
りは
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を
縫
(
ぬ
)
うて
瞬
(
またた
)
き
乍
(
なが
)
ら
人声
(
ひとごゑ
)
ワイワイと
騒
(
さわ
)
がしく、
176
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
近寄
(
ちかよ
)
り
来
(
きた
)
るのであつた。
177
国依別
(
くによりわけ
)
『ハハー、
178
此奴
(
こいつ
)
ア
余程
(
よほど
)
沢山
(
たくさん
)
な
人数
(
にんず
)
と
見
(
み
)
えるワイ。
179
こりや
斯
(
こ
)
うしては
居
(
を
)
られないぞ。
180
一
(
ひと
)
つ
何
(
なん
)
とか
工夫
(
くふう
)
を
致
(
いた
)
さねばなるまい』
181
と
入口
(
いりぐち
)
に
立
(
た
)
つた
儘
(
まま
)
、
182
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
み
首
(
かうべ
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
183
(
大正一一・七・二四
旧六・一
松村真澄
録)
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(N)
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