霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 神格化(しんかくくわ)〔八〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻 篇:第5篇 清泉霊沼 よみ(新仮名遣い):せいせんれいしょう
章:第18章 神格化 よみ(新仮名遣い):しんかくか 通し章番号:800
口述日:1922(大正11)年07月28日(旧06月05日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年6月20日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
清彦と清子姫、照彦と照子姫は常楠が待っている木の洞窟に戻った。常楠は二人が妻を連れて無事に戻ってきたことを非常に喜んだ。
常楠は自分の血筋を明かし、これまでの人生を物語る歌を歌って、息子夫婦の婚姻を喜び、祝福した。そして、もはや心に残すところはないと歌うと、この国を永遠に守るためにハーリス山の山人に加わると宣言した。
常楠は歌い終わると天の数歌を歌い、合掌した。すると全身はたちまち真っ白になって姿は煙のように消えてしまった。兄弟夫婦は驚いて木の洞窟を走り出て父の名を呼び、突然の別れを嘆き悲しんだ。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-09-12 18:23:03 文字数:2548 OBC :rm2718
愛善世界社版:284頁 八幡書店版:第5輯 344頁 修補版: 校定版:293頁 普及版:124頁 初版: ページ備考:
001 清彦(きよひこ)、002清子姫(きよこひめ)、003照彦(てるひこ)、004照子姫(てるこひめ)の二夫婦(ふたふうふ)は茲(ここ)に芽出度(めでたく)結婚(けつこん)の式(しき)を挙(あ)げた。005槻(つき)の洞穴(どうけつ)に在(あ)る父(ちち)の常楠(つねくす)に報告(はうこく)し、006且(か)つ親子(おやこ)の杯(さかづき)を結(むす)ぶべく此(この)岩窟(がんくつ)を立出(たちい)で、007エム、008セムの二人(ふたり)を初(はじ)め四五(しご)の従者(じゆうしや)と共(とも)に鰐魚(わに)の船(ふね)に身(み)を委(まか)せ、009さしもに広(ひろ)き琉球沼(りうきうぬま)を渡(わた)つて茫々(ばうばう)たる草野(くさの)を分(わ)け、010辛(から)うじて其(その)日(ひ)の夕間暮(ゆふまぐれ)、011常楠(つねくす)が洞穴(どうけつ)の館(やかた)に辿(たど)り着(つ)いた。
012 常楠(つねくす)は四五(しご)の土人(どじん)と共(とも)に祭壇(さいだん)の前(まへ)に、013清彦(きよひこ)、014照彦(てるひこ)の幸福(かうふく)を祈(いの)りつつ、015言依別(ことよりわけ)一行(いつかう)の海上(かいじやう)無事(ぶじ)を祈(いの)る真最中(まつさいちう)であつた。016二人(ふたり)の兄弟(きやうだい)は二人(ふたり)の美(うる)はしき新妻(にひづま)を伴(ともな)ひ、017数多(あまた)の供人(ともびと)を従(したが)へ意気(いき)揚々(やうやう)として茲(ここ)に帰(かへ)つて来(き)た。018常楠(つねくす)は一心(いつしん)不乱(ふらん)になつて祈願(きぐわん)に余念(よねん)がなかつた。019兄弟(きやうだい)夫婦(ふうふ)は其(その)傍(かたはら)に端坐(たんざ)して感謝(かんしや)祈願(きぐわん)の言葉(ことば)を奏上(そうじやう)した。020常楠(つねくす)は祝詞(のりと)の奏上(そうじやう)を了(をは)り後(あと)振(ふ)り返(かへ)り見(み)れば、021清彦(きよひこ)、022照彦(てるひこ)は容色(ようしよく)端麗(たんれい)なる二人(ふたり)の美女(びぢよ)と共(とも)に行儀(ぎやうぎ)よく坐(すわ)つて居(ゐ)た。
023清彦(きよひこ)『父上(ちちうへ)様(さま)、024只今(ただいま)無事(ぶじ)に帰(かへ)りました』
025照彦(てるひこ)『嘸(さぞ)お待兼(まちかね)で御座(ござ)いましたでせう』
026常楠(つねくす)『ヤア思(おも)うたよりは早(はや)く帰(かへ)つて来(き)て下(くだ)さつた。027ヤアお前(まへ)は此(この)間(あひだ)此処(ここ)を立去(たちさ)つた清子姫(きよこひめ)、028照子姫(てるこひめ)の二人(ふたり)ではなかつたか。029縦(たて)から見(み)ても横(よこ)から見(み)ても瓜二(うりふた)つ、030寸分(すんぶん)違(ちが)はぬ綺麗(きれい)な女(をんな)、031どうして御座(ござ)つたか。032此(この)常楠(つねくす)も気(き)が気(き)でならなかつた。033マアマア無事(ぶじ)で何(なに)よりもお目出度(めでた)い』
034清子姫(きよこひめ)『貴方(あなた)が噂(うはさ)に高(たか)き常楠(つねくす)の御(お)父上(ちちうへ)で御座(ござ)いますか。035妾(わたし)は清彦(きよひこ)さまの女房(にようばう)になりました。036どうぞ末永(すえなが)く可愛(かあい)がつて下(くだ)さいませ』
037照子姫(てるこひめ)『妾(わたし)は照彦(てるひこ)さまの妻(つま)で御座(ござ)います。038お父(とう)様(さま)、039初(はじ)めて……否(いな)再(ふたた)びお目(め)に懸(かか)ります。040好(よ)くも御(ご)無事(ぶじ)で居(ゐ)て下(くだ)さいました。041どうぞ末永(すえなが)く我(わが)子(こ)として愛(あい)して下(くだ)さいませ。042何分(なにぶん)不束(ふつつか)な者(もの)で御座(ござ)いますれば、043お構(かま)ひなくお叱(しか)り下(くだ)さいまして、044幾久(いくひさ)しく御(お)召使(めしつか)ひの程(ほど)をお願申(ねがひまを)します』
045 常楠(つねくす)は涙(なみだ)を浮(うか)べ乍(なが)ら、
046常楠(つねくす)『アヽ二人(ふたり)共(とも)好(よ)く言(い)つて下(くだ)さつた。047此(この)常楠(つねくす)も是(これ)にて最早(もはや)心残(こころのこ)りは在(あ)りませぬ。048夫婦(ふうふ)仲好(なかよ)くどうぞ神業(しんげふ)を完全(くわんぜん)にお務(つと)め下(くだ)さい』
049 清子姫(きよこひめ)と照子姫(てるこひめ)は「ハツ」と計(ばか)りに首(かうべ)を下(さ)げ、050嬉(うれ)しさと懐(なつかし)さの涙(なみだ)に暮(く)れて居(ゐ)る。051常楠(つねくす)は祝意(しゆくい)を表(へう)し且(か)つ自分(じぶん)の素性(すじやう)を明(あ)かす可(べ)く、052銀扇(ぎんせん)を拡(ひろ)げて老(おい)の身(み)にも似(に)ず、053声(こゑ)爽(さわや)かに歌(うた)ひ始(はじ)めた。
054常楠(つねくす)『千早(ちはや)振(ふ)る古(ふる)き神代(かみよ)の其(その)昔(むかし)
055神(かみ)の都(みやこ)のエルサレム
056国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)の
057いや永久(とこしへ)に鎮(しづ)まりて
058世(よ)を知食(しろしめ)す其(その)砌(みぎり)
059遠津(とほつ)御祖(みおや)の国彦(くにひこ)が
060妻(つま)国姫(くにひめ)と諸共(もろとも)に
061神(かみ)の御祭(みまつ)り麻柱(あななひ)て
062仕(つか)へ奉(まつ)りし甲斐(かひ)もなく
063醜(しこ)の建(たけ)びの強(つよ)くして
064子孫(しそん)は四方(よも)に散乱(さんらん)し
065吾(わ)が父母(たらちね)の玉彦(たまひこ)や
066玉姫(たまひめ)二人(ふたり)は自転倒(おのころ)の
067島(しま)に姿(すがた)を隠(かく)しつつ
068我(わ)れを生(うま)して何処(どこ)ともなく
069清(きよ)き姿(すがた)を隠(かく)し給(たま)ひぬ
070親(おや)に離(はな)れし雛鳥(ひなどり)の
071寄(よ)る辺(べ)渚(なぎさ)の常楠(つねくす)は
072自転倒(おのころ)島(じま)を遠近(をちこち)と
073巡(めぐ)り巡(めぐ)つて紀(き)の国(くに)に
074細(ほそ)き煙(けぶり)を立(た)て乍(なが)ら
075情(つれ)なき浮世(うきよ)を送(おく)る折(をり)
076天(あま)の岩戸(いはと)の大変(たいへん)に
077逢(あ)ひしが如(ごと)く親(おや)と子(こ)は
078世(よ)の荒浪(あらなみ)に吹(ふ)き捲(まく)られて
079分(わか)れ分(わか)れに世(よ)を送(おく)る
080頃(ころ)しもあれや先(さき)つ年(どし)
081尊(たふと)き神(かみ)の計(はか)らひに
082絡(から)み合(あ)ひたる親子(おやこ)の対面(たいめん)
083秋彦(あきひこ)、駒彦(こまひこ)始(はじ)めとし
084心(こころ)の色(いろ)も清彦(きよひこ)や
085照彦(てるひこ)四人(よたり)に巡(めぐ)り会(あ)ひ
086尽(つ)きぬ縁(えにし)を喜(よろこ)びつ
087月日(つきひ)を送(おく)る其(その)中(うち)に
088熊野(くまの)の滝(たき)の禊場(みそぎば)に
089三五教(あななひけう)の若彦(わかひこ)と
090心(こころ)清(きよ)むる折(をり)もあれ
091木花姫(このはなひめ)のあれまして
092常楠(つねくす)、若彦(わかひこ)両人(りやうにん)は
093琉(りう)と球(きう)との神宝(しんぱう)の
094いや永久(とこしへ)に隠(かく)されし
095秘密(ひみつ)の国(くに)の琉球島(りうきうたう)
096竜(たつ)の腮(あぎと)の宝玉(ほうぎよく)を
097受取(うけと)りまして言依別(ことよりわけ)の
098瑞(みづ)の命(みこと)に献(けん)ぜよと
099言葉(ことば)厳(おごそ)かに宣(の)り給(たま)ふ
100其(その)神勅(しんちよく)を畏(かしこ)みて
101汐(しほ)の八百路(やほぢ)を打渡(うちわた)り
102雨(あめ)に浴(よく)し風(かぜ)に梳(くしけ)づり
103大海原(おほうなばら)の潮(しほ)をかぶり
104浪(なみ)に呑(の)まれ漸々(やうやう)に
105琉(りう)と球(きう)との此(この)島(しま)に
106上(のぼ)りて見(み)れば昔(むかし)より
107人跡(じんせき)絶(た)えし深山路(みやまぢ)の
108谷間(たにま)に清(きよ)き玉(たま)の海(うみ)
109老錆(おいさび)果(は)てし常楠(つねくす)も
110玉(たま)の勢(いきほひ)若彦(わかひこ)と
111日毎(ひごと)夜毎(よごと)に上(のぼ)り来(き)て
112天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し
113大竜別(おほたつわけ)や大竜姫(おほたつひめ)の
114珍(うづ)の命(みこと)を言向(ことむ)けて
115琉(りう)と球(きう)との宝玉(ほうぎよく)を
116三五教(あななひけう)の言依別(ことよりわけ)に
117奉(たてまつ)らんと村肝(むらきも)の
118心(こころ)定(さだ)めし竜神(たつがみ)の
119胸(むね)も開(ひら)けし時(とき)もあれ
120浪路(なみぢ)をわけて渡(わた)り来(く)る
121言依別(ことよりわけ)の大教主(だいけうしゆ)
122国依別(くによりわけ)と諸共(もろとも)に
123仮(か)りの宿(やど)りと定(さだ)めたる
124此(この)洞穴(どうけつ)に現(あ)れまして
125此処(ここ)に四(よ)人(にん)の神司(かむづかさ)
126ハーリス山(ざん)の谷間(たにあひ)を
127心(こころ)いそいそ進(すす)みつつ
128竜(たつ)の腮(あぎと)の宝玉(ほうぎよく)を
129恙(つつが)も無(な)しに手(て)に入(い)れて
130帰(かへ)り来(きた)れる嬉(うれ)しさよ
131伜(せがれ)の清彦(きよひこ)、照彦(てるひこ)は
132如何(いか)なる神(かみ)の引合(ひきあは)せか
133我(わ)れの住家(すみか)を訪(たづ)ね来(き)て
134清子(きよこ)の姫(ひめ)や照子姫(てるこひめ)
135四(よ)人(にん)は早(はや)くも仮(かり)の家(や)に
136来(きた)り居(ゐ)ませる不思議(ふしぎ)さよ
137言依別(ことよりわけ)の大教主(だいけうしゆ)
138国依別(くによりわけ)を伴(ともな)ひて
139浪路(なみぢ)を渡(わた)り高砂(たかさご)の
140島(しま)に出(い)でんと宣(の)らせつつ
141此(この)常楠(つねくす)が浪(なみ)の上(うへ)
142伴(ともな)ひ来(きた)りし若彦(わかひこ)に
143琉(りう)と球(きう)との宝玉(ほうぎよく)を
144持(も)たせて遥(はる)かに自転倒(おのころ)の
145島(しま)に帰(かへ)させ給(たま)ひつつ
146此(この)常楠(つねくす)を琉球(りうきう)の
147島(しま)の守(まも)り神(がみ)と神定(かむさだ)め
148伜(せがれ)清彦(きよひこ)、照彦(てるひこ)を
149左守(さもり)右守(うもり)の神(かみ)として
150波(なみ)を渡(わた)りて出(い)で玉(たま)ふ
151清彦(きよひこ)、照彦(てるひこ)両人(りやうにん)は
152清子(きよこ)の姫(ひめ)や照子姫(てるこひめ)
153此処(ここ)に目出度(めでた)く妹(いも)と背(せ)の
154契(ちぎり)を結(むす)び永久(とこしへ)に
155此(この)浮島(うきじま)を守(まも)らんと
156思(おも)ひし事(こと)も水(みづ)の泡(あわ)
157清子(きよこ)の姫(ひめ)や照子姫(てるこひめ)
158闇(やみ)に紛(まぎ)れて何処(どこ)となく
159姿(すがた)隠(かく)させ玉(たま)ひしより
160清彦(きよひこ)、照彦(てるひこ)両人(りやうにん)が
161心(こころ)の中(うち)の苦(くる)しさは
162如何(いかが)ならんと父母(たらちね)の
163我(わが)苦(くる)しみは一入(ひとしほ)ぞ
164天(あめ)と地(つち)との神々(かみがみ)に
165朝(あさ)な夕(ゆふ)なに真心(まごころ)を
166籠(こ)めて祈(いの)りし甲斐(かひ)ありて
167今日(けふ)は嬉(うれ)しき清子姫(きよこひめ)
168照子(てるこ)の姫(ひめ)の若嫁(わかよめ)に
169巡(めぐ)り会(あ)うたる嬉(うれ)しさよ
170あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
171御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましまして
172夫婦(めをと)の仲(なか)は睦(むつ)まじく
173千代(ちよ)も八千代(やちよ)も永久(とこしへ)に
174鴛鴦(をし)の契(ちぎり)の何時(いつ)迄(まで)も
175変(かは)らであれやどこ迄(まで)も
176常磐(ときは)の松(まつ)の色(いろ)深(ふか)く
177褪(あ)せずにあれや夫婦仲(めをとなか)
178最早(もはや)此(この)世(よ)に残(のこ)りなし
179我(われ)はこれよりハーリスの
180山(やま)の尾(を)の上(へ)を乗(の)り越(こ)えて
181此(この)神島(かみじま)を永久(とこしへ)に
182守(まも)らん為(た)めに万代(よろづよ)も
183命(いのち)永(なが)らへ山人(やまびと)の
184群(むれ)に加(くは)はり長(をさ)となり
185世(よ)を永久(とこしへ)に守(まも)りなん
186汝(なんぢ)清彦(きよひこ)、清子姫(きよこひめ)
187光(ひかり)洽(あまね)き照子姫(てるこひめ)
188心(こころ)も清(きよ)く照彦(てるひこ)と
189弥(いや)永久(とこしへ)に何時(いつ)迄(まで)も
190南(みなみ)の島(しま)に出(い)でまして
191神(かみ)の御業(みわざ)に仕(つか)へかし
192朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
193月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
194仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
195我(われ)の身魂(みたま)の此(この)島(しま)に
196止(とど)まる限(かぎ)り心安(うらやす)の
197浦安国(うらやすくに)と幸(さち)はひて
198神(かみ)の恵(めぐみ)の露(つゆ)の雨(あめ)
199堅磐(かきは)常磐(ときは)に降(ふ)らせなん
200最早(もはや)此(この)世(よ)に残(のこ)りなし
201孰(いづれ)もサラバ』と言(い)ふより早(はや)く
202天(あま)の数歌(かずうた)歌(うた)ひ上(あ)げ
203合掌(がつしやう)するや常楠(つねくす)は
204全身(ぜんしん)忽(たちま)ち雪(ゆき)の如(ごと)く
205真白(ましろ)になりて木(き)の丸殿(まるどの)の入口(いりぐち)を
206一足(ひとあし)二足(ふたあし)跨(また)げ出(いで)しと思(おも)ふ間(ま)に
207忽(たちま)ち姿(すがた)は白煙(しらけぶり)
208磯(いそ)吹(ふ)く風(かぜ)の音(おと)高(たか)く
209空(そら)に聞(きこ)ゆる計(ばか)りなり
210兄弟(けうだい)夫婦(ふうふ)は驚(おどろ)いて
211木(き)の丸殿(まるどの)を走(はし)り出(い)で
212空(そら)を仰(あふ)いで手(て)を合(あは)せ
213父(ちち)よ父(ちち)よと呼(よ)ぶ声(こゑ)も
214吹(ふ)き来(く)る風(かぜ)に遮(さへぎ)られ
215尋(たづ)ぬる由(よし)も泣(な)く計(ばか)り
216天(てん)を仰(あふ)ぎ地(ち)に伏(ふ)して
217親子(おやこ)の果敢(はか)なき此(この)別(わか)れ
218嘆(なげ)き居(ゐ)るこそ哀(あは)れなれ
219あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
220御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ。
221(大正一一・七・二八 旧六・五 谷村真友録)
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