霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第28巻(卯の巻)
序歌
総説歌
第1篇 高砂の島
第1章 カールス王
第2章 無理槍
第3章 玉藻山
第4章 淡渓の流
第5章 難有迷惑
第6章 麻の紊れ
第2篇 暗黒の叫
第7章 無痛の腹
第8章 混乱戦
第9章 当推量
第10章 縺れ髪
第11章 木茄子
第12章 サワラの都
第3篇 光明の魁
第13章 唖の対面
第14章 二男三女
第15章 願望成就
第16章 盲亀の浮木
第17章 誠の告白
第18章 天下泰平
第4篇 南米探険
第19章 高島丸
第20章 鉈理屈
第21章 喰へぬ女
第22章 高砂上陸
跋(暗闇)
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第28巻(卯の巻)
> 第1篇 高砂の島 > 第6章 麻の紊れ
<<< 難有迷惑
(B)
(N)
無痛の腹 >>>
第六章
麻
(
あさ
)
の
紊
(
みだ
)
れ〔八〇六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻
篇:
第1篇 高砂の島
よみ(新仮名遣い):
たかさごのしま
章:
第6章 麻の紊れ
よみ(新仮名遣い):
あさのみだれ
通し章番号:
806
口述日:
1922(大正11)年08月06日(旧06月14日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年8月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
カールス王は、嫌っていたセールス姫を王妃に押し付けられ、病を発して蟄居させられてしまった。セールス姫は従兄のセウルスチンと関係を結び、セウルスチンと共に暴政を敷いた。
国内は混乱し、至るところに騒乱が起こり、心ある人々は密かに国を出て玉藻山の聖地に逃れた。
一方、日楯は湖水のほとりで、アーリス山の木こりと称する男を助けた。男は、自分の娘がセウルスチンに目を付けられたのを拒否したため、斬り付けられて命からがら逃げてきたのだ、という。
介抱の結果、男の怪我は全快し、日楯の僕として忠実に働くようになった。しかしこの男・ハールは、実はセールス姫がつかわした間者であった。これ以外にも、二三の者が間者として玉藻山の聖地に入り込んだ。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-11-19 17:36:21
OBC :
rm2806
愛善世界社版:
71頁
八幡書店版:
第5輯 378頁
修補版:
校定版:
72頁
普及版:
32頁
初版:
ページ備考:
001
泰安
(
たいあん
)
の
都
(
みやこ
)
に
於
(
お
)
けるカールス
王
(
わう
)
は、
002
最愛
(
さいあい
)
のヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
003
怏々
(
あうあう
)
として
楽
(
たのし
)
まず、
004
且
(
か
)
つ
蛇蝎
(
だかつ
)
の
如
(
ごと
)
く
忌
(
い
)
み
嫌
(
きら
)
ひし、
005
サアルボースの
娘
(
むすめ
)
セールス
姫
(
ひめ
)
を
無理
(
むり
)
矢理
(
やり
)
に
王妃
(
わうひ
)
に
強要
(
きやうえう
)
され、
006
懊悩
(
おうなう
)
の
結果
(
けつくわ
)
遂
(
つひ
)
に
病
(
やまひ
)
を
発
(
はつ
)
し、
007
淡渓
(
たんけい
)
の
畔
(
ほとり
)
にささやかなる
館
(
やかた
)
を
作
(
つく
)
り、
008
これに
静養
(
せいやう
)
の
名
(
な
)
の
下
(
もと
)
に、
009
蟄居
(
ちつきよ
)
せしめらるる
事
(
こと
)
となつた。
010
而
(
しか
)
して
四五
(
しご
)
の
役員
(
やくゐん
)
、
011
館
(
やかた
)
の
内外
(
ないぐわい
)
を
警固
(
けいご
)
し、
012
他人
(
たにん
)
の
出入
(
しゆつにふ
)
を
厳禁
(
げんきん
)
しつつあつた。
013
セールス
姫
(
ひめ
)
は
吾
(
わが
)
父
(
ちち
)
のサアルボースを
宰相
(
さいしやう
)
となし、
014
吾
(
あが
)
叔父
(
をぢ
)
に
当
(
あた
)
るホーロケースを
副宰相
(
ふくさいしやう
)
として、
015
新高山
(
にひたかやま
)
以北
(
いほく
)
の
政権
(
せいけん
)
を
握
(
にぎ
)
り、
016
且
(
かつ
)
バラモン
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
を
兼
(
か
)
ねて
居
(
ゐ
)
た。
017
セールス
姫
(
ひめ
)
の
従兄
(
いとこ
)
にセウルスチンと
云
(
い
)
ふ
美男子
(
びだんし
)
があつた。
018
これはホーロケースの
独息子
(
ひとりむすこ
)
である。
019
茲
(
ここ
)
にセールス
姫
(
ひめ
)
の
発起
(
ほつき
)
にて、
020
泰安
(
たいあん
)
の
館
(
やかた
)
を
改築
(
かいちく
)
し、
021
城塞
(
じやうさい
)
を
築
(
きづ
)
き、
022
国民
(
こくみん
)
を
使役
(
しえき
)
し、
023
殆
(
ほとん
)
ど
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
を
費
(
つひ
)
やして
漸
(
やうや
)
くにして
宏大
(
くわうだい
)
なる
城廓
(
じやうくわく
)
は
築造
(
ちくざう
)
された。
024
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら、
025
セウルスチンとセールス
姫
(
ひめ
)
の
間
(
あひだ
)
には
怪
(
あや
)
しき
糸
(
いと
)
が
結
(
むす
)
ばるる
事
(
こと
)
となつた。
026
セウルスチンは
殆
(
ほとん
)
ど
城中
(
じやうちう
)
に
坐臥
(
ざぐわ
)
し、
027
セールス
姫
(
ひめ
)
の
背後
(
はいご
)
に
在
(
あ
)
りて、
028
凡
(
あら
)
ゆる
暴政
(
ばうせい
)
を
行
(
おこな
)
はしめた。
029
茲
(
ここ
)
に
城内
(
じやうない
)
の
重臣
(
ぢうしん
)
共
(
ども
)
はセウルスチンの
傍若
(
ばうじやく
)
無人
(
ぶじん
)
なるに
愛想
(
あいさう
)
をつかし、
030
怨嗟
(
ゑんさ
)
の
声
(
こゑ
)
城
(
しろ
)
の
内外
(
ないぐわい
)
に
溢
(
あふ
)
るるに
至
(
いた
)
つた。
031
国内
(
こくない
)
は
各所
(
かくしよ
)
に
騒擾
(
さうぜう
)
勃発
(
ぼつぱつ
)
し、
032
掠奪
(
りやくだつ
)
闘争
(
とうそう
)
日々
(
ひび
)
に
行
(
おこな
)
はれ、
033
乱麻
(
らんま
)
の
如
(
ごと
)
き
状態
(
じやうたい
)
となつて
了
(
しま
)
つた。
034
茲
(
ここ
)
に
心
(
こころ
)
有
(
あ
)
る
正
(
ただ
)
しき
人々
(
ひとびと
)
は、
035
泰安城
(
たいあんじやう
)
を
窃
(
ひそか
)
に
脱出
(
だつしゆつ
)
して、
036
遠
(
とほ
)
く
玉藻山
(
たまもやま
)
の
聖地
(
せいち
)
に
逃
(
のが
)
れ、
037
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
、
038
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
の
教
(
をしへ
)
に
従
(
したが
)
ひ、
039
花鳥
(
くわてう
)
風月
(
ふうげつ
)
を
友
(
とも
)
として、
040
時
(
とき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
つ
者
(
もの
)
踵
(
きびす
)
を
接
(
せつ
)
するに
至
(
いた
)
つた。
041
泰安城
(
たいあんじやう
)
にはセウルスチンの
意
(
い
)
を
迎
(
むか
)
へて、
042
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
名利
(
めいり
)
栄達
(
ゑいだつ
)
を
望
(
のぞ
)
む
悪人
(
あくにん
)
のみ
跋扈
(
ばつこ
)
し、
043
政教
(
せいけう
)
は
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
にすたれて、
044
殆
(
ほとん
)
ど
収拾
(
しうしふ
)
す
可
(
べか
)
らざるに
至
(
いた
)
り、
045
国内
(
こくない
)
の
各地
(
かくち
)
には
革命
(
かくめい
)
の
煙花
(
のろし
)
上
(
あが
)
つて、
046
騒擾
(
さうぜう
)
を
起
(
おこ
)
し、
047
民家
(
みんか
)
を
焼
(
や
)
き、
048
婦女
(
ふぢよ
)
を
辱
(
はづかし
)
め、
049
財物
(
ざいぶつ
)
を
掠奪
(
りやくだつ
)
し、
050
乱暴
(
らんばう
)
狼藉
(
ろうぜき
)
到
(
いた
)
らざるなく、
051
恰
(
あたか
)
も
餓鬼
(
がき
)
畜生
(
ちくしやう
)
修羅道
(
しゆらだう
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
せし
如
(
ごと
)
く、
052
混乱
(
こんらん
)
に
混乱
(
こんらん
)
を
重
(
かさ
)
ね、
053
呪咀
(
じゆそ
)
の
声
(
こゑ
)
は
五月蠅
(
さばへ
)
の
如
(
ごと
)
く
湧
(
わ
)
き
充
(
み
)
ちた。
054
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
は
白昼
(
はくちう
)
に
濶歩
(
くわつぽ
)
し、
055
鰐
(
わに
)
、
056
水牛
(
すゐぎう
)
などは
池
(
いけ
)
、
057
沼
(
ぬま
)
などを
根拠
(
こんきよ
)
とし、
058
民家
(
みんか
)
近
(
ちか
)
く
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
きた
)
つて、
059
人
(
ひと
)
を
傷
(
きず
)
つけ、
060
国内
(
こくない
)
恰
(
あたか
)
も
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けうくわん
)
の
惨状
(
さんじやう
)
を
呈
(
てい
)
するに
至
(
いた
)
つた。
061
され
共
(
ども
)
民心
(
みんしん
)
を
失
(
うしな
)
ひたる
泰安城
(
たいあんじやう
)
のセールス
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
め、
062
サアルボース、
063
ホーロケースの
威力
(
ゐりよく
)
を
以
(
もつ
)
てしても、
064
最早
(
もはや
)
如何
(
いかん
)
ともする
事
(
こと
)
能
(
あた
)
はざるに
立到
(
たちいた
)
つた。
065
泰安城
(
たいあんじやう
)
は
最早
(
もはや
)
風前
(
ふうぜん
)
の
灯火
(
ともしび
)
と、
066
誰
(
たれ
)
云
(
い
)
ふとなく
称
(
とな
)
ふるに
至
(
いた
)
つた。
067
数多
(
あまた
)
の
国人
(
くにびと
)
は
遠
(
とほ
)
く
難
(
なん
)
を
避
(
さ
)
けて、
068
アーリス
山
(
ざん
)
を
越
(
こ
)
え、
069
天嶺
(
てんれい
)
、
070
泰嶺
(
たいれい
)
を
始
(
はじ
)
め、
071
玉藻山
(
たまもやま
)
の
聖地
(
せいち
)
に
避難
(
ひなん
)
する
者
(
もの
)
日夜
(
にちや
)
踵
(
きびす
)
を
接
(
せつ
)
した。
072
中
(
なか
)
にも、
073
ホールサース。
074
マールエース。
075
テールスタン。
076
ホーレンス。
077
ユウトピヤール。
078
ツーレンス。
079
シーリンス。
080
エール。
081
ハーレヤール。
082
オーイツク。
083
ヒユーズ。
084
アンデーヤ。
085
ニユージエール。
086
などの
錚々
(
そうそう
)
たる
人物
(
じんぶつ
)
はヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
中心
(
ちうしん
)
として
三五教
(
あななひけう
)
の
幹部
(
かんぶ
)
を
組織
(
そしき
)
し、
087
表面
(
へうめん
)
的
(
てき
)
教理
(
けうり
)
を
宣布
(
せんぷ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
088
時
(
とき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
つて、
089
泰安城
(
たいあんじやう
)
の
佞人輩
(
ねいじんばら
)
を
却
(
しりぞ
)
け、
090
カールス
王
(
わう
)
を
城内
(
じやうない
)
に
迎
(
むか
)
へ
入
(
い
)
れ、
091
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く
妃
(
きさき
)
となして、
092
新
(
あらた
)
に
善政
(
ぜんせい
)
を
布
(
し
)
かむ
事
(
こと
)
を
心
(
こころ
)
私
(
ひそ
)
かに
期待
(
きたい
)
しつつ、
093
盛
(
さかん
)
に
教理
(
けうり
)
を
宣布
(
せんぷ
)
し、
094
新高山
(
にひたかやま
)
以北
(
いほく
)
の
地
(
ち
)
まで
隈
(
くま
)
なく
勢力
(
せいりよく
)
を
扶植
(
ふしよく
)
しつつあつた。
095
セールス
姫
(
ひめ
)
は
国内
(
こくない
)
の
日々
(
ひび
)
に
乱
(
みだ
)
れ
行
(
ゆ
)
くを、
096
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
不心得
(
ふこころえ
)
より
来
(
きた
)
りしものとは
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らず、
097
セウルスチンを
始
(
はじ
)
め
其
(
その
)
他
(
た
)
の
邪神
(
じやしん
)
共
(
ども
)
の
誣言
(
ぶげん
)
を
信
(
しん
)
じ、
098
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
吾
(
わが
)
領内
(
りやうない
)
の
日々
(
ひび
)
に
乱
(
みだ
)
れ
行
(
ゆ
)
くは
全
(
まつた
)
く
玉藻山
(
たまもやま
)
の
霊地
(
れいち
)
に、
099
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
を
樹
(
た
)
つる
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
頭領
(
とうりやう
)
となり、
100
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
、
101
マリヤス
姫
(
ひめ
)
の
王族
(
わうぞく
)
を
擁立
(
ようりつ
)
し、
102
城内
(
じやうない
)
の
重臣
(
ぢうしん
)
を
言葉
(
ことば
)
巧
(
たくみ
)
に
引付
(
ひきつ
)
け、
103
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つて
泰安城
(
たいあんじやう
)
を
攻
(
せ
)
め
亡
(
ほろ
)
ぼし、
104
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
自
(
みづか
)
ら、
105
台湾
(
たいわん
)
全島
(
ぜんたう
)
を
統一
(
とういつ
)
し、
106
政教
(
せいけう
)
の
両権
(
りやうけん
)
を
握
(
にぎ
)
るものとなし、
107
怨恨
(
えんこん
)
止
(
や
)
み
難
(
がた
)
く、
108
種々
(
しゆじゆ
)
の
画策
(
くわくさく
)
をめぐらせ
共
(
ども
)
、
109
阿里山
(
アーリスざん
)
を
区域
(
くゐき
)
として、
110
東南
(
とうなん
)
の
地
(
ち
)
は
容易
(
ようい
)
に
近付
(
ちかづ
)
く
可
(
べか
)
らず、
111
千思
(
せんし
)
万慮
(
ばんりよ
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
112
土民
(
どみん
)
の
中
(
なか
)
より
二三
(
にさん
)
の
者
(
もの
)
を
抜擢
(
ばつてき
)
し、
113
敵地
(
てきち
)
に
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
ませ、
114
其
(
その
)
内情
(
ないじやう
)
を
探
(
さぐ
)
らしめつつありき。
115
アーリス
山
(
ざん
)
を
区域
(
くゐき
)
として
東南
(
とうなん
)
の
地方
(
ちはう
)
は、
116
花森彦
(
はなもりひこの
)
命
(
みこと
)
の
子孫
(
しそん
)
及
(
およ
)
び
遠祖
(
ゑんそ
)
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
の
裔
(
すゑ
)
、
117
国内
(
こくない
)
に
充
(
み
)
ち、
118
清廉
(
せいれん
)
潔白
(
けつぱく
)
の
民
(
たみ
)
最
(
もつと
)
も
多
(
おほ
)
きに
引替
(
ひきか
)
へ、
119
新高山
(
にひたかやま
)
以北
(
いほく
)
の
地
(
ち
)
は
玉手姫
(
たまてひめ
)
の
魔神
(
まがみ
)
の
子孫
(
しそん
)
蕃殖
(
ばんしよく
)
して、
120
邪悪
(
じやあく
)
行
(
おこな
)
はれ、
121
天災
(
てんさい
)
地妖
(
ちよう
)
切
(
しき
)
りに
到
(
いた
)
り、
122
住民
(
ぢうみん
)
は
常
(
つね
)
に
塗炭
(
とたん
)
の
苦
(
くるし
)
みに
陥
(
おちい
)
り、
123
一
(
いち
)
日
(
にち
)
として
安
(
やす
)
き
日
(
ひ
)
とてはなかつたのである。
124
花森彦
(
はなもりひこの
)
命
(
みこと
)
の
直系
(
ちよくけい
)
なるアークス
王
(
わう
)
の
奇禍
(
きくわ
)
に
係
(
かか
)
つて
上天
(
しやうてん
)
せし
後
(
あと
)
は、
125
カールス
王
(
わう
)
病
(
やまひ
)
に
罹
(
かか
)
り
殆
(
ほとん
)
ど
幽閉
(
いうへい
)
同様
(
どうやう
)
の
身
(
み
)
となりたれば、
126
玉手姫
(
たまてひめ
)
の
血
(
ち
)
を
引
(
ひ
)
けるサアルボースの
娘
(
むすめ
)
セールス
姫
(
ひめ
)
の
政権
(
せいけん
)
を
握
(
にぎ
)
りてより、
127
其
(
その
)
混乱
(
こんらん
)
は
急速度
(
きふそくど
)
を
以
(
もつ
)
て
増
(
ま
)
し
来
(
きた
)
り、
128
今
(
いま
)
や
国民
(
こくみん
)
怨嗟
(
えんさ
)
の
声
(
こゑ
)
は
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
する
如
(
ごと
)
く、
129
さしもに
難攻
(
なんこう
)
不落
(
ふらく
)
として
築造
(
ちくざう
)
させし
泰安城
(
たいあんじやう
)
も、
130
何時
(
いつ
)
根底
(
こんてい
)
より
顛覆
(
てんぷく
)
するやも
計
(
はか
)
り
難
(
がた
)
き
情勢
(
じやうせい
)
に
差迫
(
さしせま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
131
○
132
話
(
はなし
)
変
(
かは
)
つて、
133
日楯
(
ひたて
)
は
天嶺
(
てんれい
)
の
聖地
(
せいち
)
を
後
(
あと
)
に、
134
玉藻
(
たまも
)
の
湖辺
(
こへん
)
にユリコ
姫
(
ひめ
)
の
手
(
て
)
を
携
(
たづさ
)
へ、
135
二三
(
にさん
)
の
従者
(
じゆうしや
)
と
共
(
とも
)
に
湖面
(
こめん
)
を
眺
(
なが
)
めて
逍遥
(
せうえう
)
しつつあつた。
136
此
(
この
)
時
(
とき
)
捩鉢巻
(
ねぢはちまき
)
をした
男
(
をとこ
)
、
137
額
(
ひたい
)
に
血
(
ち
)
をタラタラと
流
(
なが
)
し
乍
(
なが
)
ら、
138
勢
(
いきほ
)
ひ
込
(
こ
)
んで
駆来
(
かけきた
)
り、
139
従者
(
じゆうしや
)
の
一人
(
ひとり
)
に
衝突
(
しようとつ
)
し、
140
ヨロヨロとして
其
(
その
)
場
(
ば
)
にパタリと
倒
(
たふ
)
れて
人事
(
じんじ
)
不省
(
ふせい
)
となつた。
141
日楯
(
ひたて
)
は
従臣
(
じうしん
)
に
命
(
めい
)
じ、
142
湖水
(
こすゐ
)
の
水
(
みづ
)
を
彼
(
かれ
)
が
面部
(
めんぶ
)
に
注
(
そそ
)
がしめた。
143
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
正気
(
しやうき
)
に
返
(
かへ
)
り、
144
額
(
ひたい
)
の
血汐
(
ちしほ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
145
男
(
をとこ
)
『
何
(
いづ
)
れの
方様
(
かたさま
)
かは
存
(
ぞん
)
じませぬが、
146
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
致
(
いた
)
しました
上
(
うへ
)
に、
147
生命
(
いのち
)
迄
(
まで
)
も
御
(
お
)
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいまして……
此
(
この
)
御恩
(
ごおん
)
は
決
(
けつ
)
して
忘
(
わす
)
れは
致
(
いた
)
しませぬ。
148
私
(
わたくし
)
はアーリス
山
(
ざん
)
の
渓谷
(
けいこく
)
に
住居
(
ぢうきよ
)
致
(
いた
)
す
樵夫
(
きこり
)
の
一人
(
ひとり
)
で
厶
(
ござ
)
います。
149
泰安城
(
たいあんじやう
)
のセールス
姫
(
ひめ
)
が
部下
(
ぶか
)
の
悪者
(
わるもの
)
に
虐
(
しへた
)
げられ、
150
生命
(
いのち
)
カラガラ
何処
(
どこ
)
を
当途
(
あてど
)
ともなく、
151
ここ
迄
(
まで
)
逃
(
に
)
げて
参
(
まゐ
)
りました。
152
斯
(
か
)
く
云
(
い
)
ふ
間
(
うち
)
にも
如何
(
いか
)
なる
追手
(
おつて
)
が
来
(
きた
)
るやも
計
(
はか
)
り
知
(
し
)
れませぬ。
153
どうぞ
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
私
(
わたくし
)
を
御
(
お
)
匿
(
かく
)
まひ
下
(
くだ
)
さいますまいか』
154
と
落
(
おち
)
つかぬ
態
(
てい
)
に
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
る。
155
日楯
(
ひたて
)
『
汝
(
なんぢ
)
はアーリス
山
(
ざん
)
の
渓谷
(
けいこく
)
に
住
(
す
)
む
樵夫
(
きこり
)
と
聞
(
き
)
きしが、
156
何故
(
なにゆゑ
)
セールス
姫
(
ひめ
)
の
部下
(
ぶか
)
に
追
(
お
)
はるる
理由
(
りいう
)
あるか。
157
詳細
(
しやうさい
)
に
物語
(
ものがた
)
れよ』
158
となじれば、
159
其
(
その
)
男
(
をとこ
)
は
涙
(
なみだ
)
を
払
(
はら
)
ひ、
160
樵夫
(
きこり
)
『
私
(
わたくし
)
には
親
(
おや
)
一人
(
ひとり
)
、
161
子
(
こ
)
一人
(
ひとり
)
の
大切
(
たいせつ
)
なヨブと
云
(
い
)
ふ
娘
(
むすめ
)
が
御座
(
ござ
)
いました。
162
私
(
わたくし
)
の
名
(
な
)
はハールと
申
(
まを
)
します。
163
セールス
姫
(
ひめ
)
がセウルスチンと
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
大将
(
たいしやう
)
とアーリス
山
(
ざん
)
に
数多
(
あまた
)
の
家来
(
けらい
)
を
召連
(
めしつ
)
れ、
164
狩
(
かり
)
にお
越
(
こ
)
し
遊
(
あそ
)
ばした
時
(
とき
)
、
165
吾
(
わが
)
草庵
(
さうあん
)
に
立寄
(
たちよ
)
り
玉
(
たま
)
ひ、
166
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
ヨブを
見
(
み
)
て……
此
(
この
)
女
(
をんな
)
を
吾
(
わが
)
侍女
(
じぢよ
)
に
奉
(
たてまつ
)
れよ……と
仰
(
あふ
)
せられました。
167
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも、
168
親
(
おや
)
一人
(
ひとり
)
子
(
こ
)
一人
(
ひとり
)
の
間柄
(
あひだがら
)
、
169
最愛
(
さいあい
)
の
娘
(
むすめ
)
を
泰安城
(
たいあんじやう
)
内
(
ない
)
深
(
ふか
)
く
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
かれては、
170
最早
(
もはや
)
吾々
(
われわれ
)
は
一生涯
(
いつしやうがい
)
親子
(
おやこ
)
の
対面
(
たいめん
)
は
叶
(
かな
)
ふまじと
思
(
おも
)
ひました
故
(
ゆゑ
)
、
171
いろいろと
言葉
(
ことば
)
を
尽
(
つく
)
して、
172
御
(
お
)
断
(
ことわ
)
りを
申上
(
まをしあ
)
げますれば、
173
セウルスチンと
云
(
い
)
ふ
御
(
おん
)
大将
(
たいしやう
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
に……
然
(
しか
)
らば
此
(
この
)
娘
(
むすめ
)
は
吾
(
わが
)
女房
(
にようばう
)
に
遣
(
つか
)
はすべし……と
数多
(
あまた
)
の
家来
(
けらい
)
に
命
(
めい
)
じ、
174
無理
(
むり
)
矢理
(
やり
)
に
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ
娘
(
むすめ
)
を
引抱
(
ひつかか
)
え、
175
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
かれました。
176
私
(
わたくし
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
はむとすれば、
177
セウルスチンは
一刀
(
いつたう
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
き、
178
吾
(
わが
)
眉間
(
みけん
)
に
斬
(
き
)
りつけ、
179
猶
(
なほ
)
も
数多
(
あまた
)
の
家来
(
けらい
)
に
命
(
めい
)
じ……
彼
(
かれ
)
が
生命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
れよ……と
下知
(
げち
)
致
(
いた
)
しました。
180
数多
(
あまた
)
の
家来衆
(
けらいしう
)
は
私
(
わたし
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
つかけ
来
(
きた
)
る。
181
され
共
(
ども
)
山途
(
やまみち
)
の
勝手
(
かつて
)
を
知悉
(
ちしつ
)
したる
私
(
わたし
)
は、
182
巧
(
うま
)
く
間道
(
かんだう
)
を
通
(
とほ
)
り
抜
(
ぬ
)
け、
183
漸
(
やうや
)
くにして
此処迄
(
ここまで
)
逃
(
に
)
げのびました
様
(
やう
)
な
次第
(
しだい
)
で
御座
(
ござ
)
います。
184
何卒
(
なにとぞ
)
々々
(
なにとぞ
)
早
(
はや
)
く
御
(
お
)
匿
(
かく
)
まひ
下
(
くだ
)
さいませ』
185
と
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
る。
186
日楯
(
ひたて
)
を
始
(
はじ
)
めユリコ
姫
(
ひめ
)
は
之
(
これ
)
を
憐
(
あはれ
)
み、
187
二三
(
にさん
)
の
従者
(
じゆうしや
)
に
彼
(
かれ
)
が
身辺
(
しんぺん
)
を
守
(
まも
)
らせ、
188
天嶺
(
てんれい
)
の
聖地
(
せいち
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り
親切
(
しんせつ
)
に
介抱
(
かいほう
)
させ、
189
漸
(
やうや
)
くにして
額
(
ひたい
)
の
疵
(
きず
)
は
全快
(
ぜんくわい
)
し、
190
茲
(
ここ
)
に
日楯
(
ひたて
)
の
従僕
(
しもべ
)
となつて
忠実
(
ちうじつ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
事
(
こと
)
となつた。
191
併
(
しか
)
し
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
はセールス
姫
(
ひめ
)
が
意
(
い
)
を
含
(
ふく
)
めて
遣
(
つか
)
はしたる
間者
(
かんじや
)
なりけり。
192
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
やマリヤス
姫
(
ひめ
)
の
193
珍
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
やカールス
王
(
わう
)
の
194
泰安館
(
たいあんやかた
)
を
出
(
い
)
でしより
195
鳥
(
とり
)
なき
里
(
さと
)
の
蝙蝠
(
かうもり
)
と
196
羽振
(
はぶ
)
りを
利
(
き
)
かしセールス
姫
(
ひめ
)
が
197
傍若
(
ばうじやく
)
無人
(
ぶじん
)
の
悪政
(
あくせい
)
に
198
居
(
ゐ
)
たたまらず
重臣
(
ぢうしん
)
は
199
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
逃走
(
たうそう
)
し
200
玉藻
(
たまも
)
の
山
(
やま
)
の
霊場
(
れいぢやう
)
に
201
身
(
み
)
を
忍
(
しの
)
びつつ
三五
(
あななひ
)
の
202
教司
(
をしへつかさ
)
と
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じ
203
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
を
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たる
204
サアルボースやホーロケースの
両人
(
りやうにん
)
は
205
カールス
王
(
わう
)
を
淡渓
(
たんけい
)
の
206
森
(
もり
)
の
彼方
(
あなた
)
に
放逐
(
はうちく
)
し
207
形
(
かたち
)
ばかりの
館
(
やかた
)
を
建
(
た
)
てて
208
四五
(
しご
)
の
部下
(
ぶか
)
をば
派遣
(
はけん
)
しつ
209
人
(
ひと
)
の
出入
(
でいり
)
を
警戒
(
けいかい
)
し
210
苦
(
くる
)
しめ
居
(
ゐ
)
たるぞ
忌々
(
ゆゆ
)
しけれ。
211
セールス
姫
(
ひめ
)
は
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
212
閨
(
ねや
)
淋
(
さび
)
しさに
従兄
(
いとこ
)
なる
213
セウルスチンを
寝間
(
ねま
)
近
(
ちか
)
く
214
招
(
まね
)
きて
秘密
(
ひみつ
)
の
謀計
(
はかりごと
)
215
酒池
(
しゆち
)
肉林
(
にくりん
)
の
贅沢
(
ぜいたく
)
を
216
極
(
きは
)
めて
民
(
たみ
)
の
苦
(
くる
)
しみは
217
空
(
そら
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
と
聞
(
き
)
き
流
(
なが
)
し
218
あらむ
限
(
かぎ
)
りの
暴政
(
ばうせい
)
を
219
行
(
おこな
)
ひければ
国人
(
くにびと
)
は
220
益々
(
ますます
)
塗炭
(
とたん
)
の
苦
(
くるし
)
みに
221
堪
(
たま
)
りかねてか
遠近
(
をちこち
)
の
222
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
や
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
223
三
(
さん
)
人
(
にん
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
と
集
(
あつ
)
まりて
224
大革命
(
だいかくめい
)
の
謀計
(
はかりごと
)
225
目引
(
めひ
)
き
袖引
(
そでひ
)
き
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふ
226
暗夜
(
やみよ
)
とこそはなりにけれ。
227
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
やマリヤス
姫
(
ひめ
)
の
228
珍
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
は
国内
(
こくない
)
の
229
此
(
この
)
惨状
(
さんじやう
)
を
耳
(
みみ
)
にして
230
心
(
こころ
)
は
矢竹
(
やたけ
)
と
逸
(
はや
)
れども
231
詮術
(
せんすべ
)
もなき
今
(
いま
)
の
身
(
み
)
の
232
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
りて
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
233
開
(
ひら
)
くる
春
(
はる
)
を
待
(
ま
)
つばかり
234
松
(
まつ
)
の
名
(
な
)
に
負
(
お
)
ふ
高砂
(
たかさご
)
の
235
胞衣
(
えな
)
と
聞
(
きこ
)
えし
此
(
この
)
島
(
しま
)
も
236
今
(
いま
)
は
果敢
(
はか
)
なき
曲津身
(
まがつみ
)
の
237
荒
(
あら
)
ぶる
世
(
よ
)
とはなりにけり
238
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
239
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませと
240
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
真心
(
まごころ
)
を
241
こめてぞ
祈
(
いの
)
る
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
242
真道彦
(
まみちのひこ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
243
日楯
(
ひたて
)
、
月鉾
(
つきほこ
)
諸共
(
もろとも
)
に
244
日月潭
(
じつげつたん
)
の
湖
(
みづうみ
)
に
245
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
禊
(
みそぎ
)
して
246
高砂島
(
たかさごじま
)
の
安泰
(
あんたい
)
を
247
只管
(
ひたすら
)
祈
(
いの
)
る
真心
(
まごころ
)
は
248
いつしか
願
(
ねが
)
ひ
竜世姫
(
たつよひめ
)
249
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
功績
(
いさをし
)
に
250
常夜
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
251
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
に
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
の
252
影
(
かげ
)
も
豊
(
ゆたか
)
に
昇
(
のぼ
)
りまし
253
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
も
高砂
(
たかさご
)
の
254
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
松
(
まつ
)
の
末永
(
すえなが
)
く
255
栄
(
さか
)
えよ
栄
(
さか
)
え
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
256
世
(
よ
)
は
平
(
たひら
)
けく
安
(
やす
)
らけく
257
治
(
をさ
)
まりませと
一同
(
いちどう
)
が
258
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なの
神言
(
かみごと
)
を
259
神
(
かみ
)
も
諾
(
うべ
)
なひ
玉
(
たま
)
ふらむ
260
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
261
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
262
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
263
此
(
この
)
神島
(
かみしま
)
に
隈
(
くま
)
もなく
264
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
へ
265
昔
(
むかし
)
の
神代
(
かみよ
)
の
其
(
その
)
儘
(
まま
)
の
266
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
に
上下
(
うへした
)
の
267
司
(
つかさ
)
も
民
(
たみ
)
も
睦
(
むつ
)
び
合
(
あ
)
ひ
268
栄
(
さか
)
え
久
(
ひさ
)
しき
松
(
まつ
)
の
世
(
よ
)
を
269
来
(
きた
)
させ
玉
(
たま
)
へと
真心
(
まごころ
)
を
270
こめて
祈
(
いの
)
るぞ
尊
(
たふと
)
けれ。
271
セールス
姫
(
ひめ
)
の
間者
(
かんじや
)
として
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
みしハールを
始
(
はじ
)
め、
272
其
(
その
)
外
(
ほか
)
数名
(
すうめい
)
の
間者
(
かんじや
)
、
273
日月潭
(
じつげつたん
)
を
始
(
はじ
)
め、
274
玉藻
(
たまも
)
の
山
(
やま
)
の
聖地
(
せいち
)
に
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
みたる
件
(
けん
)
は、
275
一々
(
いちいち
)
述
(
の
)
ぶるも、
276
くどくどしければ、
277
今
(
いま
)
は
之
(
こ
)
れを
略
(
りやく
)
し
事
(
こと
)
の
序
(
ついで
)
に
述
(
の
)
ぶる
事
(
こと
)
となすべし。
278
(
大正一一・八・六
旧六・一四
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 難有迷惑
(B)
(N)
無痛の腹 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第28巻(卯の巻)
> 第1篇 高砂の島 > 第6章 麻の紊れ
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第6章 麻の紊れ|第28巻|海洋万里|霊界物語|/rm2806】
合言葉「みろく」を入力して下さい→