霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二〇章 鉈理屈(なたりくつ)〔八二〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻 篇:第4篇 南米探険 よみ(新仮名遣い):なんべいたんけん
章:第20章 鉈理屈 よみ(新仮名遣い):なたりくつ 通し章番号:820
口述日:1922(大正11)年08月10日(旧06月18日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
常彦と春彦は、高姫にやたらなことを言わずに船中はおとなしくしているように懇願する。しかし高姫は反省するどころか、神がタルチールを使って自分を帆柱の上に上げて陸の様子を見させたのだ、とますます強弁する。
常彦と春彦は、船長に目を付けられないように船中では師弟の縁を切ってもらうことにした。高姫は怒って二人の縁を切り、さんざん憎まれ口を叩いた。
常彦はやけくそになって海に向かって宣伝歌を歌った。高姫への苛立ちを籠めつつも、三人そろって失われた宝珠を見つけ出してつつがなく聖地に帰ることができるよう、神に祈願をこらす歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-12-12 16:54:09 OBC :rm2820
愛善世界社版:249頁 八幡書店版:第5輯 442頁 修補版: 校定版:258頁 普及版:111頁 初版: ページ備考:
001 常彦(つねひこ)002春彦(はるひこ)(おどろ)いて、003高姫(たかひめ)(いましめ)()き、004抱起(だきおこ)し、
005常彦(つねひこ)先生(せんせい)006どうも御座(ござ)いませなんだが、007大変(たいへん)(あぶ)ないこつて御座(ござ)いました。008モウどうぞこれから(ふね)(なか)は、009()ひたい(こと)があつても仰有(おつしや)らずに辛抱(しんばう)して()(くだ)さいませ。010両人(りやうにん)()(ねがひ)(いた)します』
011高姫(たかひめ)『お(まへ)(たち)はそれだから腰抜(こしぬけ)といふのだよ。012三千(さんぜん)世界(せかい)団子(だんご)にせうと(もち)にせうと、013三角(さんかく)にせうと、014四角(しかく)にせうと、015自由(じいう)自在(じざい)(あそ)ばす国治立(くにはるたちの)(みこと)片腕(かたうで)とお()(あそ)ばす()出神(でのかみ)(さま)生宮(いきみや)016たかの()れた高島丸(たかしままる)船頭(せんどう)(くらゐ)()()いてなるものか、017ヘン(あんま)見損(みぞこな)ひをして(くだ)さるなや。018(まへ)()丁度(ちやうど)(ねこ)小判(こばん)()せた(やう)なものだ。019小判(こばん)よりもダイヤモンドよりも立派(りつぱ)(ひかり)(つよ)い、020()出神(でのかみ)(この)生宮(いきみや)(なん)心得(こころえ)御座(ござ)る。021チツと(しつか)りなさらぬか。022(かみ)(さま)吾々(われわれ)()守護(しゆご)をして御座(ござ)以上(いじやう)は、023仮令(たとへ)船頭(せんどう)(ひやく)(にん)(せん)(にん)024(たば)になつて()(ところ)で、025指一本(ゆびいつぽん)さへさす(やう)高姫(たかひめ)ぢやありませぬぞえ』
026春彦(はるひこ)『それでも貴女(あなた)027タルチールさまに後手(うしろで)(しば)られ、028帆柱(ほばしら)(さか)さまにして()()げられたぢやありませぬか』
029高姫(たかひめ)(なん)とマア、030身魂(みたま)(くも)つた(もの)は、031()神徳(かげ)(いただ)きようが拙劣(へた)だから(こま)りますワイ。032()出神(でのかみ)生宮(いきみや)一寸(ちよつと)高砂島(たかさごじま)様子(やうす)()やうと(おも)ひ、033タルチールを御用(ごよう)()てて、034帆柱(ほばしら)(うへ)まで()使(つか)はず、035(あし)(らう)せず、036エレベータ(しき)()げさしたのだよ。037(なん)でも(ひと)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、038善意(ぜんい)解釈(かいしやく)しなくてはなりませぬぞや。039それが()出神(でのかみ)さまの(みづ)()らさぬ結構(けつこう)なお仕組(しぐみ)040それだから何時(いつ)身魂(みたま)(みが)改心(かいしん)をなされと、041(みみ)(たこ)になる(ほど)()うて()るのだよ。042タルチールの(やつ)たうとう、043()出神(でのかみ)御光(ごくわう)(おそ)れて、044どつかへ(ねずみ)(やう)(かく)れて(しま)つた』
045常彦(つねひこ)(わたし)(あま)感心(かんしん)して()(ろく)()えず、046ハツキリした(こと)(わか)りませぬが、047(なん)でも立派(りつぱ)なお(かた)二人(ふたり)(あら)はれて、048船頭(せんどう)さまに(なに)()ひつけられたと(おも)へば、049船頭(せんどう)匆惶(さうくわう)として(つな)をゆるめ、050あなたを()りおろして、051どつかへ(かく)れましたよ』
052高姫(たかひめ)『サアさうだから、053高姫(たかひめ)(かみ)生宮(いきみや)()ふのだ。054船頭(せんどう)(やつ)055帆柱(ほばしら)(うへ)()りあげて()(ところ)056(あま)()出神(でのかみ)御光(ごくわう)がきつうて、057()(くら)みさうになり、058(きやく)までが目舞(めまひ)()さうなので代表者(だいへうしや)二人(ふたり)やつて()て、059船頭(せんどう)掛合(かけあ)ひ、060(その)(ため)()むを()ずおろしよつたのだ。061そこが所謂(いはゆる)(かみ)()神力(しんりき)062()都合(つがふ)ある(ところ)だ。063こんな(みづ)()らさぬ仕組(しぐみ)が、064(まへ)(たち)(わか)つて(たま)るものかい』
065常彦(つねひこ)『オイ春彦(はるひこ)066(なん)とマア剛情(がうじやう)先生(せんせい)だないか。067今日(けふ)()今日(けふ)(おれ)本当(ほんたう)(あき)れて(しま)つたよ。068こんな(ひと)弟子(でし)だと(おも)はれたら、069それこそ無事(ぶじ)高砂島(たかさごじま)()(こと)出来(でき)やしないぞ。070大陸(たいりく)(あが)つてからなら、071はしやぎなりと、072法螺吹(ほらふ)くなりと、073如何(どう)なつと、074高姫(たかひめ)さまの勝手(かつて)になさつてもよいが、075こんな(ところ)(わか)りきつた負惜(まけをし)みを()し、076へらず(ぐち)(たた)き、077船長(せんちやう)(にく)まれたら大変(たいへん)だぞ。078コりや(ここ)(ひと)高姫(たかひめ)(さま)にお(ねがひ)(まを)して、079師弟(してい)(えん)()つて(もら)ひ、080アカの他人(たにん)となつて(しま)はうぢやないか。081(こころ)(そこ)から()つて(いただ)かうと()ふのぢやない。082(この)(ふね)(うへ)だけ、083表面(へうめん)(てき)()つて(もら)ひたいのぢや』
084春彦(はるひこ)『それは至極(しごく)妙案(めうあん)だ。085直様(すぐさま)高姫(たかひめ)(さま)にお(ねがひ)(いた)さうぢやないか』
086常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)(わたし)との()(ねがひ)御座(ござ)います。087(しばら)くあなたと師弟(してい)関係(くわんけい)()つて(くだ)さいませぬか。088それも表面(へうめん)(だけ)で、089高砂島(たかさごじま)無事(ぶじ)()いたならば、090(また)(もと)(とほ)りに使(つか)つて(くだ)さい。091さうせないと険呑(けんのん)(たま)りませぬから……』
092高姫(たかひめ)(ちやう)()つてくれと()ふのかい。093(まへ)(はう)から()はいでも、094高姫(たかひめ)(はう)からお(まへ)(やう)なガラクタの弱虫(よわむし)は、095足手纏(あしでまと)ひになつて(こま)つて()つたのだ。096一時(いつとき)(はや)くうるさいから、097(えん)()らうと(おも)うたけれど、098(この)高姫(たかひめ)見放(みはな)されたが最後(さいご)099乞食(こじき)(ひと)つよう(いた)さぬ、100奴甲斐性(どかひしやう)なしだから、101可哀相(かはいさう)(おも)つて(いま)まで(たす)けて()たのだ。102(まへ)(はう)から(ひま)くれと()ふのなら、103こつちは得手(えて)()だ。104万劫(まんごふ)末代(まつだい)(ちやう)()るから、105二度(にど)(ふたた)高姫(たかひめ)()(さは)(ところ)()つて(くだ)さるな。106ガラクタ野郎(やらう)()107あゝ盲万人(めくらまんにん)目明(めあ)一人(ひとり)とはよくも()うたものだ。108高姫(たかひめ)(まこと)(ちから)()つて()れる(もの)(この)(ひろ)世界(せかい)()出神(でのかみ)(さま)ばつかりだ。109人民(じんみん)相手(あひて)にする(くらゐ)うるさいものはないワイ。110サア(つね)111(はる)両人(りやうにん)112(はや)くどつかへ()きなさらぬか。113名残(なごり)(をし)さうに、114(をとこ)らしうもない、115(なに)マゴマゴして()るのだ、116エヽ』
117(ほほ)をプツと(ふく)らし、118(からだ)(かく)()つて甲板(かんばん)(うへ)(ふた)()(つよ)()みならし、119二三遍(にさんぺん)くるりと(まは)つて()せた。
120常彦(つねひこ)『モシモシ高姫(たかひめ)(さま)121さう(おこ)つて(もら)つては(たま)りませぬ。122ホンの二三(にさん)(にち)(あひだ)123(おもて)むき(だけ)(ひま)(くだ)されとお(ねがひ)して()るので御座(ござ)います……なア春彦(はるひこ)124(まへ)もさうだろう』
125春彦(はるひこ)『さうだとも、126高姫(たかひめ)さまに()すてられて、127(おれ)(たち)如何(どう)なるものか。128どうぞ高姫(たかひめ)(さま)さう短気(たんき)()さずに、129吾々(われわれ)(まを)(こと)善意(ぜんい)解釈(かいしやく)して(くだ)さいませ』
130高姫(たかひめ)仮令(たとへ)(いち)(にち)でも(えん)()つたが最後(さいご)131アカの他人(たにん)ぢや。132三日(みつか)五日(いつか)(あひだ)(えん)()るのは邪魔(じやま)(くさ)い。133万劫(まんごふ)末代(まつだい)(ついで)五六七(みろく)()(すゑ)(まで)(えん)()りますぞや。134(まへ)(やう)蛆虫(うじむし)がたかつて()ると、135そこら(ぢう)がムザムザして気分(きぶん)(わる)い。136あゝこれで病晴(やまひは)れがしたやうだ。137(えん)()つた以上(いじやう)は、138師匠(ししやう)でも弟子(でし)でもない。139どうぞ(はや)う、140どつこへなりと姿(すがた)(かく)して(くだ)さい。141()ても(いや)らしい、142(むね)(わる)うなる』
143常彦(つねひこ)高姫(たかひめ)(さま)144一時(いつとき)(はや)う、145姿(すがた)(かく)せとか、146(いや)らしいとか、147(むね)(わる)いとか、148(まる)座敷(ざしき)青大将(あをだいしやう)()うて()(やう)(こと)仰有(おつしや)いますなア』
149高姫(たかひめ)『きまつた(こと)だよ、150(まへ)本当(ほんたう)阿呆(あはう)大将(だいしやう)だ。151グヅグヅしてをると、152線香(せんかう)()ててくすべますぞ。153あゝ面倒(めんだう)(くさ)い、154一昨日(おととひ)()一昨日(おととひ)()い』
155()(なが)ら、156()のぬけた(くち)から、157ブツブツと、158(つばき)()たらに、159両人(りやうにん)(むか)つて()きかける。
160春彦(はるひこ)蛛蜘(くも)(なん)ぞの(やう)一昨日(おととひ)()いとは、161そりや(あんま)りぢやありませぬか』
162高姫(たかひめ)『お(まへ)蜘蛛(くも)だよ。163一寸先(いつすんさき)()えぬ暗雲(やみくも)雲助(くもすけ)だ。164今迄(いままで)高姫(たかひめ)のおかげで、165結構(けつこう)(かみ)(さま)御用(ごよう)をして威張(ゐば)つて()たが、166今日(けふ)(かぎ)高姫(たかひめ)から(えん)()られたが最後(さいご)167雲助(くもすけ)にでもならねば仕方(しかた)がないぢやないか。168何程(なにほど)(ひら)蜘蛛(くも)になつて(あやま)つても、169苦悶(くもん)しても駄目(だめ)ですよ。170オツホヽヽヽ』
171 常彦(つねひこ)(やや)顔色(かほいろ)(あか)らめ、
172常彦(つねひこ)高姫(たかひめ)さま、173吾々(われわれ)(けつ)して貴女(あなた)弟子(でし)ではありませぬよ。174言依別(ことよりわけの)(みこと)教主(けうしゆ)から立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)(めい)ぜられて()(もの)175()はばあなたと同格(どうかく)だ。176(しか)(なが)長幼(ちやうえう)(じよ)(まも)り、177先輩(せんぱい)貴女(あなた)師匠(ししやう)と、178義務(ぎむ)(じやう)から尊敬(そんけい)して()(だけ)(もの)179弟子扱(でしあつかひ)をしておき(なが)ら、180(ちやう)()るも()らぬも()るものか。181グヅグヅ仰有(おつしや)ると、182(わたし)(はう)から絶交(ぜつかう)(いた)しますよ……なア春彦(はるひこ)183(まへ)もさうぢやないか』
184春彦(はるひこ)『さう()けばさうだ。185モシ高姫(たかひめ)さま、186(まこと)にお()(どく)(なが)ら、187只今(ただいま)(かぎ)貴女(あなた)万劫(まんがふ)末代(まつだい)188五六七(みろく)()(すゑ)(まで)(えん)をきりますから、189(いや)絶交(ぜつかう)しますから、190(いや)らしい……阿呆(あほう)(くさ)いから(はや)何処(どこ)かへ姿(すがた)(かく)して(くだ)さい。191(しぶ)たうして御座(ござ)ると線香(せんかう)()てますぞ。192アハヽヽヽ』
193高姫(たかひめ)『それもよからう。194(しか)(なが)ら、195高姫(たかひめ)との交際(かうさい)()つても、196()出神(でのかみ)(さま)(はな)れる(こと)出来(でき)ますまい』
197常彦(つねひこ)(もつと)も、198()出神(でのかみ)(さま)には絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)ですから、199(たれ)(なん)()つても(はな)れは(いた)しませぬ。200春彦(はるひこ)201(まへ)もさうだらうなア』
202春彦(はるひこ)勿論(もちろん)(こと)だ』
203高姫(たかひめ)『それ御覧(ごらん)204ヤツパリさうすると、205()出神(でのかみ)生宮(いきみや)高姫(たかひめ)には絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)をせなくてはなりますまい』
206常彦(つねひこ)(まこと)()出神(でのかみ)(さま)には服従(ふくじゆう)しますが、207俄作(にはかづく)りの自称(じしよう)()出神(でのかみ)には絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)(いた)しませぬ。208言依別(ことよりわけ)教主(けうしゆ)(たま)(かく)されて、209(かく)され場所(ばしよ)(わか)らいで、210世界中(せかいぢう)うろつき(まは)()出神(でのかみ)さまなら、211(あんま)立派(りつぱ)身魂(みたま)でもあるまい。212()()(どころ)か、213真暗(まつくら)がりのまつくろ黒助(くろすけ)身魂(みたま)(うつ)つてゐる(にく)(みや)(はな)高姫(たかひめ)さま、214(たれ)馬鹿(ばか)らしい。215服従(ふくじゆう)する(もの)がありますか。216自惚(うぬぼれ)()加減(かげん)にしておいたが(よろ)しからうぜ。217アツハヽヽヽ』
218高姫(たかひめ)常彦(つねひこ)結構(けつこう)宣伝使(せんでんし)(さま)219春彦(はるひこ)結構(けつこう)結構(けつこう)なデモ宣伝使(せんでんし)さま、220勝手(かつて)にホラを()き、221勝手(かつて)自惚(うぬぼれ)ておきなさい。222左様(さやう)なら』
223(からだ)をしやくり(なが)ら、224足音(あしおと)(あら)く、225(つぎ)船室(せんしつ)姿(すがた)(かく)して(しま)つた。
226 常彦(つねひこ)甲板(かんばん)(うへ)()ち、227春彦(はるひこ)()をつなぎ高姫(たかひめ)()つた(あと)で、228いろいろと高姫話(たかひめばなし)(ふけ)(なが)ら、229焼糞(やけくそ)になつて、230海風(うなかぜ)(むか)(うた)()した。
231常彦(つねひこ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
232系統(ひつぽう)身魂(みたま)()らね(ども)
233自負心(じふしん)(つよ)鼻高(はなだか)
234男女郎(をとこめろう)高姫(たかひめ)
235(うま)(こと)づくめにたらされて
236結構(けつこう)結構(けつこう)自転倒島(おのころ)
237秀妻(ほつま)(くに)中心地(ちうしんち)
238(にしき)(みや)(あと)にして
239(とほ)山坂(やまさか)打渡(うちわた)
240(いのち)(まと)海原(うなばら)
241荒波(あらなみ)わけて琉球(りうきう)
242(しま)(やうや)上陸(じやうりく)
243言依別(ことよりわけ)国依別(くによりわけ)
244(かみ)(みこと)(あと)()
245執念深(しふねんぶか)くも麻邇(まに)(たま)
246高姫(たかひめ)さまの()()れて
247(ひと)(うらや)神業(しんげふ)
248奉仕(ほうし)せむとて両人(りやうにん)
249(よく)(かは)をば(ひつ)ぱり(なが)
250可愛(かあい)女房(にようばう)をふりすてて
251ここまで()たのが馬鹿(ばか)らしい
252琉球(りうきう)(しま)()()れば
253言依別(ことよりわけ)(かみ)さまは
254(りう)(きう)との宝玉(ほうぎよく)
255すでに受取(うけと)国依別(くによりわけ)
256小舟(こぶね)()つて高砂(たかさご)
257(しま)()かれた(あと)だつた
258高姫(たかひめ)さまは()をいらち
259夜叉(やしや)(ごと)くに相恰(さうがう)
260()へて(また)もや(ふね)()
261フーリン(たう)台湾島(たいわんたう)
262(あと)(なが)めて()()うに
263テルの連峰(れんぽう)(かす)みつつ
264()()(まで)近寄(ちかよ)りし
265(とき)しもあれや生命(せいめい)
266(つな)とも(たの)(わが)(ふね)
267波間(なみま)(ひそ)暗礁(あんせう)
268衝突(しようとつ)なして粉砕(ふんさい)
269(なん)詮方(せんかた)(なみ)(うへ)
270(から)くも(すす)折柄(をりから)
271(にはか)()()荒風(あらかぜ)
272(なみ)(たち)さわぎ(さん)(にん)
273生命(せいめい)最早(もはや)これ(まで)
274(あわ)てふためく(とき)もあれ
275(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
276高島丸(たかしままる)()(きた)
277(われ)()三人(みたり)(すく)ひあげ
278船長室(せんちやうしつ)(まね)かれて
279(くに)(ところ)姓名(せいめい)
280一々(いちいち)(くは)しく(たづ)ねられ
281()出神(でのかみ)生宮(いきみや)
282高姫(たかひめ)さまの法螺貝(ほらがい)
283船長殿(せんちやうどの)(した)()
284()問答(もんだふ)(すゑ)(つひ)
285高姫(たかひめ)さまを発狂(はつきやう)
286()なして手足(てあし)(しば)りあげ
287()(さか)しまに帆柱(ほばしら)
288クルリクルリと(まき)あげる
289吾々(われわれ)二人(ふたり)(きも)(つぶ)
290(おどろ)(たふ)れて()(うち)
291何処(どこ)(ひと)かは()らね(ども)
292(たふと)二人(ふたり)(かげ)()えて
293タルチールの船長(せんちやう)
294(なに)かヒソビソ(ささや)けば
295タルチールは匆惶(さうくわう)
296(かしこ)まりつつ高姫(たかひめ)
297即座(そくざ)にここに(まき)おろし
298一間(ひとま)(うち)(かく)()
299(われ)()二人(ふたり)高姫(たかひめ)
300(きび)しき(いまし)めとき(はな)
301いと親切(しんせつ)(いた)はれば
302高姫(たかひめ)さまのへらず(ぐち)
303(わか)りきつたる負惜(まけをし)
304流石(さすが)(われ)()(あき)()
305(ひま)()れよと掛合(かけあ)へば
306高姫(たかひめ)さまは(おどろ)いて
307万劫(まんごふ)末代(まつだい)(ちやう)きると
308おどし文句(もんく)(なら)()
309ヤツサモツサと(いが)()
310揚句(あげく)(はて)四股(しこ)をふみ
311(かた)をゆすつてどこへやら
312(ばば)姿(すがた)(かく)された
313あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
314御霊(みたま)(さち)はひましまして
315折角(せつかく)(ここ)まで()三人(みたり)
316どうぞ(たがひ)(むつ)まじう
317高砂島(たかさごじま)上陸(じやうりく)
318麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)所在(ありか)をば
319(もと)めて聖地(せいち)(つつが)なく
320(かへ)らせ(たま)惟神(かむながら)
321(たふと)(かみ)(おん)(まへ)
322常彦(つねひこ)春彦(はるひこ)(つつし)みて
323(かしこ)(かしこ)()ぎまつる
324あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
325御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
326一生(いつしやう)懸命(けんめい)(うた)(なが)()(くる)うて()る。327左右(さいう)一丈(いちぢやう)(ばか)りの(はね)(ひろ)げた信天翁(あはうどり)二人(ふたり)頭上(づじやう)(かす)めて前後(ぜんご)左右(さいう)(いさぎよ)翺翔(かうしやう)して()る。
328大正一一・八・一〇 旧六・一八 松村真澄録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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