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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第28巻(卯の巻)
序歌
総説歌
第1篇 高砂の島
第1章 カールス王
第2章 無理槍
第3章 玉藻山
第4章 淡渓の流
第5章 難有迷惑
第6章 麻の紊れ
第2篇 暗黒の叫
第7章 無痛の腹
第8章 混乱戦
第9章 当推量
第10章 縺れ髪
第11章 木茄子
第12章 サワラの都
第3篇 光明の魁
第13章 唖の対面
第14章 二男三女
第15章 願望成就
第16章 盲亀の浮木
第17章 誠の告白
第18章 天下泰平
第4篇 南米探険
第19章 高島丸
第20章 鉈理屈
第21章 喰へぬ女
第22章 高砂上陸
跋(暗闇)
余白歌
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第28巻(卯の巻)
> 第3篇 光明の魁 > 第18章 天下泰平
<<< 誠の告白
(B)
(N)
高島丸 >>>
第一八章
天下
(
てんか
)
泰平
(
たいへい
)
〔八一八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻
篇:
第3篇 光明の魁
よみ(新仮名遣い):
こうみょうのさきがけ
章:
第18章 天下泰平
よみ(新仮名遣い):
てんかたいへい
通し章番号:
818
口述日:
1922(大正11)年08月10日(旧06月18日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年8月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
直会の宴で、マリヤス姫は立ち上がって歌った。自らの生い立ちを歌に明かし、悪人たちの動向を探りつつ、三五教のために立ち働いたこれまでの経緯を歌った。
続いて照代姫は、琉球にて代々三五教を奉じていた家の出であり、妹の八千代姫とともに照彦王に仕えていた身の上を歌に歌った。そして照彦王の命により、台湾島のために尽くす覚悟であることを歌った。
カールス王は真道彦命にこれまでの無理解と無礼を謝し、突如、罪滅ぼしのために宣伝使となって各地を放浪するために、真道彦に王位を継ぐようにと懇願した。
真道彦は驚き、互いの家系の使命を説いてカールス王を諌め、断固として王位に就く意思のないことを明かした。真道彦の清廉潔白なる精神に感じたカールス王は、真道彦を導師として、全島に王として範を示すことになった。
カールス王はヤーチン姫を正妃となし、マールエースを宰相となし、ホールサースを副宰相とするなどして国の要職の人々を定め、ここに台湾島は治まった。王は琉球の照彦王に感謝の使いを遣わした。照彦王はカールス王の誠意に感じて台湾島に渡り、泰安城に迎えられて歓迎を受けた。
ここに琉球と台湾は相提携して神業に奉仕することとなった。マールエースは八千代姫、ホールサースは照世姫を娶り、その子孫は永く繁栄し泰安城に仕えた。
カールス王とヤーチン姫の間に、八千彦、八千姫の一男一女が生まれた。照彦王と照子姫の間にも、照国彦、照国姫の一男一女が生まれた。真道彦の媒酌によって八千彦と照国姫、照国彦と八千姫を娶わせ、両家は親族関係を結ぶこととなった。
また、マリヤス姫はカールス王のいとこにあたるフエールスの妻となり、夫婦合わせて国王夫妻を助け、今まで混乱を重ねた台湾島を天国浄土となした功績が大いにあった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-11-21 20:49:47
OBC :
rm2818
愛善世界社版:
220頁
八幡書店版:
第5輯 432頁
修補版:
校定版:
228頁
普及版:
99頁
初版:
ページ備考:
001
マリヤス
姫
(
ひめ
)
は
立
(
たち
)
あがり、
002
自
(
みづか
)
ら
歌
(
うた
)
ひ
自
(
みづか
)
ら
舞
(
ま
)
ふ。
003
マリヤス姫
『
花森彦
(
はなもりひこの
)
神
(
かみ
)
の
裔
(
すゑ
)
004
アークス
王
(
わう
)
の
隠
(
かく
)
し
子
(
ご
)
と
005
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
吾
(
わが
)
身魂
(
みたま
)
006
父
(
ちち
)
の
命
(
みこと
)
の
内命
(
ないめい
)
を
007
奉
(
ほう
)
じて
侍女
(
じぢよ
)
と
身
(
み
)
をやつし
008
セールス
姫
(
ひめ
)
に
従
(
したが
)
ひて
009
サアルボースやホーロケース
010
其
(
その
)
他
(
た
)
の
魔神
(
まがみ
)
の
行動
(
かうどう
)
を
011
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
偵察
(
ていさつ
)
し
012
悪人
(
あくにん
)
共
(
ども
)
の
計略
(
けいりやく
)
を
013
一々
(
いちいち
)
胸
(
むね
)
にたたみつつ
014
時
(
とき
)
の
来
(
きた
)
るを
待
(
ま
)
つ
間
(
うち
)
に
015
セールス
姫
(
ひめ
)
の
一類
(
いちるゐ
)
は
016
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
排斥
(
はいせき
)
し
017
カールス
王
(
わう
)
の
妃
(
ひ
)
となりて
018
泰安城
(
たいあんじやう
)
の
主権
(
しゆけん
)
をば
019
吾
(
わが
)
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
り
暴政
(
ばうせい
)
を
020
布
(
し
)
かむとしたる
折柄
(
をりから
)
に
021
妾
(
わらは
)
は
堪
(
たま
)
らずセールスの
022
姫
(
ひめ
)
の
一派
(
いつぱ
)
を
打懲
(
うちこ
)
らし
023
泰安城
(
たいあんじやう
)
を
脱
(
ぬ
)
け
出
(
い
)
でて
024
真道
(
まみち
)
の
彦
(
ひこ
)
の
現
(
あ
)
れませる
025
日月潭
(
じつげつたん
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
026
忍
(
しの
)
びて
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へつつ
027
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
月鉾
(
つきほこ
)
の
028
雄々
(
をを
)
しき
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るにつけ
029
忽
(
たちま
)
ち
悩
(
なや
)
む
恋
(
こひ
)
の
暗
(
やみ
)
030
折
(
をり
)
ある
毎
(
ごと
)
に
言
(
い
)
ひ
寄
(
よ
)
りて
031
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
を
口説
(
くど
)
け
共
(
ども
)
032
信心
(
しんじん
)
堅固
(
けんご
)
の
月鉾
(
つきほこ
)
は
033
天地
(
てんち
)
の
道理
(
だうり
)
を
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
り
034
容易
(
ようい
)
に
妾
(
わらは
)
が
恋路
(
こひぢ
)
をば
035
諾
(
うべ
)
なひ
玉
(
たま
)
はぬ
月鉾
(
つきほこ
)
の
036
情
(
つれ
)
なき
心
(
こころ
)
を
恨
(
うら
)
みしが
037
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
額
(
ぬか
)
づきて
038
静
(
しづか
)
に
神意
(
しんい
)
を
伺
(
うかが
)
へば
039
アークス
王
(
わう
)
が
隠
(
かく
)
し
妻
(
づま
)
040
罪
(
つみ
)
より
生
(
うま
)
れし
吾
(
わが
)
身体
(
からだ
)
041
神
(
かみ
)
に
等
(
ひと
)
しき
月鉾
(
つきほこ
)
の
042
尊
(
たふと
)
き
司
(
つかさ
)
に
汚
(
けが
)
れたる
043
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
044
契
(
ちぎり
)
を
迫
(
せま
)
るは
何事
(
なにごと
)
ぞ
045
誤
(
あやま
)
つたりと
悔悟
(
くわいご
)
して
046
茲
(
ここ
)
に
愈
(
いよいよ
)
断念
(
だんねん
)
し
047
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
に
其
(
その
)
罪
(
つみ
)
を
048
詫
(
わ
)
ぶれば
心天
(
しんてん
)
忽
(
たちま
)
ちに
049
真如
(
しんによ
)
の
月
(
つき
)
は
輝
(
かがや
)
きて
050
恋路
(
こひぢ
)
の
暗
(
やみ
)
は
晴
(
は
)
れにけり
051
其
(
そ
)
れより
妾
(
わらは
)
は
一心
(
いつしん
)
に
052
泰嶺
(
たいれい
)
聖地
(
せいち
)
の
神前
(
しんぜん
)
に
053
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
身
(
み
)
を
尽
(
つく
)
し
054
仕
(
つか
)
へまつりてありけるが
055
真道彦
(
まみちひこ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
056
岩窟
(
がんくつ
)
上
(
じやう
)
の
牢獄
(
ろうごく
)
に
057
縛
(
いまし
)
められて
千万
(
ちよろづ
)
の
058
責苦
(
せめく
)
に
会
(
あ
)
はせ
玉
(
たま
)
ふ
事
(
こと
)
059
聞
(
き
)
くより
心
(
こころ
)
は
焦
(
あせ
)
り
立
(
た
)
ち
060
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
さむと
国魂
(
くにたま
)
の
061
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
に
062
祈
(
いの
)
る
折
(
をり
)
しも
月鉾
(
つきほこ
)
や
063
日楯
(
ひたて
)
の
神
(
かみ
)
やユリコ
姫
(
ひめ
)
064
照彦王
(
てるひこわう
)
に
仕
(
つか
)
へたる
065
照代
(
てるよ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
八千代
(
やちよ
)
姫
(
ひめ
)
066
尊
(
たふと
)
き
五
(
いつ
)
つの
神宝
(
しんぽう
)
を
067
持
(
も
)
ちて
聖地
(
せいち
)
に
帰
(
かへ
)
りまし
068
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
奉斎
(
ほうさい
)
し
069
心
(
こころ
)
を
研
(
みが
)
く
折柄
(
をりから
)
に
070
セールス
姫
(
ひめ
)
の
一類
(
いちるゐ
)
は
071
シヤーカルタンやトロレンス
072
サアルボース、ホーロケースの
073
悪神
(
わるがみ
)
共
(
ども
)
を
駆
(
か
)
り
集
(
あつ
)
め
074
泰安城
(
たいあんじやう
)
を
陥
(
おとしい
)
れ
075
暴威
(
ばうゐ
)
を
振
(
ふる
)
ひカールスの
076
王
(
わう
)
に
仕
(
つか
)
へし
司
(
つかさ
)
等
(
ら
)
を
077
岩窟
(
がんくつ
)
上
(
じやう
)
の
牢獄
(
ろうごく
)
に
078
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
みて
079
暴虐
(
ばうぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
し
080
猶
(
なほ
)
も
進
(
すす
)
んで
玉藻山
(
たまもやま
)
081
聖地
(
せいち
)
を
蹂躙
(
じうりん
)
せむものと
082
セウルスチンを
始
(
はじ
)
めとし
083
サアルボースやホーロケースを
将
(
しやう
)
となし
084
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
る
勢
(
いきほひ
)
なかなかに
085
侮
(
あなど
)
り
難
(
がた
)
く
見
(
み
)
えにける
086
妾
(
わらは
)
は
少数
(
せうすう
)
の
神軍
(
しんぐん
)
を
087
率
(
ひき
)
ゐて
聖地
(
せいち
)
を
出発
(
しゆつぱつ
)
し
088
玉藻
(
たまも
)
の
湖辺
(
こへん
)
に
到
(
いた
)
る
折
(
をり
)
089
セウルスチンの
率
(
ひき
)
ゐたる
090
数多
(
あまた
)
の
軍
(
いくさ
)
と
出会
(
しゆつくわい
)
し
091
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
092
槍
(
やり
)
を
揃
(
そろ
)
へて
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
093
猪
(
いのしし
)
武者
(
むしや
)
に
打向
(
うちむか
)
ひ
094
大蛇
(
をろち
)
の
鏡
(
かがみ
)
を
取出
(
とりいだ
)
し
095
敵
(
てき
)
を
照
(
て
)
らせば
鏡面
(
きやうめん
)
の
096
烈
(
はげ
)
しき
光
(
ひかり
)
に
目
(
め
)
も
眩
(
くら
)
み
097
魂
(
こん
)
戦
(
をのの
)
きて
忽
(
たちま
)
ちに
098
将棋倒
(
しやうぎだふ
)
しとなりにける
099
神
(
かみ
)
に
受
(
う
)
けたる
言霊
(
ことたま
)
を
100
妾
(
わらは
)
はすかさず
宣
(
の
)
りつれば
101
今迄
(
いままで
)
倒
(
たふ
)
れし
敵軍
(
てきぐん
)
は
102
心
(
こころ
)
の
眼
(
まなこ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
103
肉
(
にく
)
の
目
(
め
)
さへも
忽
(
たちま
)
ちに
104
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くに
開
(
ひら
)
かれて
105
漸
(
やうや
)
く
悟
(
さと
)
る
三五
(
あななひ
)
の
106
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
恵
(
めぐ
)
み
107
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
正覚
(
しやうかく
)
し
108
帰順
(
きじゆん
)
なしたる
嬉
(
うれ
)
しさよ。
109
妾
(
わらは
)
はそれよりアーリスの
110
峰
(
みね
)
を
乗越
(
のりこ
)
え
泰安
(
たいあん
)
の
111
城
(
しろ
)
の
馬場
(
ばんば
)
に
攻寄
(
せめよ
)
せて
112
群
(
むら
)
がる
数万
(
すうまん
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
に
113
向
(
むか
)
つて
注
(
そそ
)
ぐ
照代姫
(
てるよひめ
)
114
八千代
(
やちよ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
宝鏡
(
ほうきやう
)
の
115
光
(
ひかり
)
に
敵
(
てき
)
は
辟易
(
へきえき
)
し
116
眼
(
まなこ
)
眩
(
くら
)
みて
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れ
117
苦
(
くるし
)
み
藻掻
(
もが
)
く
其
(
その
)
中
(
なか
)
を
118
城内
(
じやうない
)
深
(
ふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り
119
セールス
姫
(
ひめ
)
に
打
(
う
)
ち
向
(
むか
)
ひ
120
大蛇
(
をろち
)
の
玉
(
たま
)
を
射照
(
いて
)
らせば
121
悪狐
(
あくこ
)
の
姿
(
すがた
)
と
還元
(
くわんげん
)
し
122
数多
(
あまた
)
の
侍臣
(
じしん
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
123
怪
(
あや
)
しき
正体
(
しやうたい
)
現
(
あら
)
はしつ
124
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せぬ
125
妾
(
わらは
)
は
茲
(
ここ
)
に
息
(
いき
)
休
(
やす
)
め
126
照代
(
てるよ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
八千代
(
やちよ
)
姫
(
ひめ
)
127
テーリン
姫
(
ひめ
)
やユリコ
姫
(
ひめ
)
128
其
(
その
)
他
(
た
)
の
尊
(
たふと
)
き
神人
(
かみびと
)
と
129
泰安城
(
たいあんじやう
)
を
守
(
まも
)
りつつ
130
カールス
王
(
わう
)
や
真道彦
(
まみちひこ
)
131
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
132
マールエースやホーレンス
133
テールスタンや
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
134
囚
(
とら
)
はれ
人
(
びと
)
を
救
(
すく
)
はむと
135
日
(
ひ
)
、
月
(
つき
)
二人
(
ふたり
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
を
136
岩窟
(
がんくつ
)
上
(
じやう
)
の
牢獄
(
ろうごく
)
に
137
差遣
(
さしつか
)
はせば
両人
(
りやうにん
)
は
138
芽出度
(
めでた
)
く
使命
(
しめい
)
を
相果
(
あひは
)
たし
139
凱歌
(
がいか
)
を
挙
(
あ
)
げて
堂々
(
だうだう
)
と
140
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
ませる
勇
(
いさ
)
ましさ
141
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
142
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
143
カールス
王
(
わう
)
を
始
(
はじ
)
めとし
144
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
誤
(
あやま
)
りし
145
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
控
(
ひか
)
ゆる
諸人
(
もろびと
)
に
146
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
幸
(
さち
)
深
(
ふか
)
く
147
天
(
てん
)
より
受
(
う
)
けし
魂
(
たましひ
)
の
148
曇
(
くも
)
りを
晴
(
は
)
らして
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
149
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
や
瑞御霊
(
みづみたま
)
150
直日
(
なほひ
)
の
霊
(
たま
)
に
立直
(
たてなほ
)
し
151
救
(
すく
)
はせ
玉
(
たま
)
へ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
152
国津
(
くにつ
)
御神
(
みかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
153
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎまつる
154
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
155
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
156
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
つて
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
に
着
(
つ
)
いた。
157
照代姫
(
てるよひめ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
158
自
(
みづか
)
ら
歌
(
うた
)
ひ、
159
自
(
みづか
)
ら
舞
(
ま
)
ふ。
160
照代姫
『
神
(
かみ
)
の
都
(
みやこ
)
のエルサレム
161
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
の
162
御前
(
みまへ
)
に
仕
(
つか
)
へし
真鉄彦
(
まがねひこ
)
163
神
(
かみ
)
の
御裔
(
みすゑ
)
と
生
(
うま
)
れたる
164
暗
(
くら
)
き
此
(
この
)
世
(
よ
)
も
照代姫
(
てるよひめ
)
165
サワラの
峰
(
みね
)
の
山麓
(
さんろく
)
に
166
父
(
ちち
)
照若
(
てるわか
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
167
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
守
(
まも
)
り
居
(
ゐ
)
る
168
時
(
とき
)
しもあれや
三五
(
あななひ
)
の
169
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
照彦
(
てるひこ
)
が
170
照子
(
てるこ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
171
四辺
(
あたり
)
まばゆき
神徳
(
しんとく
)
を
172
照
(
て
)
らして
茲
(
ここ
)
に
降
(
くだ
)
りまし
173
南
(
みなみ
)
の
島
(
しま
)
の
人々
(
ひとびと
)
を
174
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
と
御恵
(
みめぐ
)
みに
175
服従
(
まつろ
)
へ
和
(
やは
)
し
善政
(
ぜんせい
)
を
176
施
(
ほどこ
)
し
玉
(
たま
)
へば
草
(
くさ
)
も
木
(
き
)
も
177
恵
(
めぐみ
)
の
風
(
かぜ
)
に
靡
(
なび
)
きつつ
178
世
(
よ
)
は
泰平
(
たいへい
)
に
治
(
をさ
)
まりぬ
179
父
(
ちち
)
の
照若
(
てるわか
)
喜
(
よろこ
)
びて
180
照彦王
(
てるひこわう
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
181
進
(
すす
)
み
出
(
い
)
でまし
八千代
(
やちよ
)
姫
(
ひめ
)
182
照代
(
てるよ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
姉妹
(
けうだい
)
を
183
命
(
みこと
)
の
前
(
まへ
)
に
奉
(
たてまつ
)
り
184
御
(
おん
)
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
侍
(
はべ
)
らせて
185
誠
(
まこと
)
を
示
(
しめ
)
し
玉
(
たま
)
ひけり。
186
折
(
をり
)
しもあれや
三五
(
あななひ
)
の
187
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
祀
(
まつ
)
りたる
188
玉藻
(
たまも
)
の
山
(
やま
)
の
聖地
(
せいち
)
より
189
日楯
(
ひたて
)
、
月鉾
(
つきほこ
)
兄弟
(
きやうだい
)
は
190
ユリコの
姫
(
ひめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
191
照彦王
(
てるひこわう
)
や
照子姫
(
てるこひめ
)
192
珍
(
うづ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
現
(
あら
)
はれて
193
神
(
かみ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふ
194
素
(
もと
)
より
三人
(
みたり
)
は
口
(
くち
)
無
(
な
)
しの
195
心
(
こころ
)
と
心
(
こころ
)
に
語
(
かた
)
りつつ
196
照彦王
(
てるひこわう
)
の
計
(
はか
)
らひに
197
大谷川
(
おほたにがは
)
を
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
198
向陽山
(
こうやうざん
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
199
心
(
こころ
)
も
堅
(
かた
)
き
常楠
(
つねくす
)
の
200
白髪
(
はくはつ
)
異様
(
いやう
)
の
仙人
(
せんにん
)
に
201
五
(
いつ
)
つの
宝
(
たから
)
授
(
さづ
)
かりつ
202
エルの
港
(
みなと
)
を
船出
(
ふなで
)
して
203
波
(
なみ
)
を
渡
(
わた
)
りてキル
港
(
みなと
)
204
人目
(
ひとめ
)
を
忍
(
しの
)
び
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
を
205
伝
(
つた
)
ひてやうやう
玉藻山
(
たまもやま
)
206
神
(
かみ
)
の
集
(
あつ
)
まる
聖場
(
せいぢやう
)
へ
207
二男
(
になん
)
三女
(
さんによ
)
は
潔
(
いさぎよ
)
く
208
到着
(
たうちやく
)
したる
嬉
(
うれ
)
しさよ。
209
間
(
ま
)
もなく
聞
(
きこ
)
ゆる
泰安
(
たいあん
)
の
210
都
(
みやこ
)
の
空
(
そら
)
の
大騒
(
おほさわ
)
ぎ
211
セールス
姫
(
ひめ
)
の
一族
(
いちぞく
)
が
212
カールス
王
(
わう
)
を
幽閉
(
いうへい
)
し
213
尚
(
なほ
)
も
暴威
(
ばうゐ
)
を
揮
(
ふる
)
ひつつ
214
三五教
(
あななひけう
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
を
215
蹂躙
(
じゆうりん
)
せむと
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
く
)
る
216
高
(
たか
)
き
噂
(
うはさ
)
を
聞
(
き
)
くよりも
217
マリヤス
姫
(
ひめ
)
を
将
(
しやう
)
となし
218
日楯
(
ひたて
)
、
月鉾
(
つきほこ
)
両人
(
りやうにん
)
を
219
副将軍
(
ふくしやうぐん
)
と
相定
(
あひさだ
)
め
220
テーリン
姫
(
ひめ
)
やユリコ
姫
(
ひめ
)
221
八千代
(
やちよ
)
の
姫
(
ひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
222
僅
(
わづか
)
に
残
(
のこ
)
りし
信徒
(
まめひと
)
を
223
率
(
ひき
)
ゐて
玉藻
(
たまも
)
の
湖畔
(
こはん
)
迄
(
まで
)
224
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
れる
折
(
をり
)
もあれ
225
セウルスチンの
一隊
(
いつたい
)
と
226
茲
(
ここ
)
にいよいよ
衝突
(
しようとつ
)
し
227
大蛇
(
をろち
)
の
鏡
(
かがみ
)
を
射照
(
ゐて
)
らせば
228
神威
(
しんゐ
)
に
恐
(
おそ
)
れて
目
(
め
)
も
眩
(
くら
)
み
229
マリヤス
姫
(
ひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
230
帰順
(
きじゆん
)
の
意
(
い
)
をば
表
(
へう
)
しける
231
セウルスチンの
一軍
(
いちぐん
)
を
232
茲
(
ここ
)
に
改
(
あらた
)
め
味方
(
みかた
)
とし
233
泰安城
(
たいあんじやう
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
234
空前
(
くうぜん
)
絶後
(
ぜつご
)
の
勝利
(
しようり
)
をば
235
得
(
え
)
たるは
全
(
まつた
)
く
皇神
(
すめかみ
)
の
236
深
(
ふか
)
き
守
(
まも
)
りと
知
(
し
)
られけり。
237
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
238
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
239
泰安城
(
たいあんじやう
)
は
末永
(
すえなが
)
く
240
カールス
王
(
わう
)
やヤーチン
姫
(
ひめ
)
の
241
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
睦
(
むつま
)
じく
242
妹背
(
いもせ
)
の
契
(
ちぎり
)
を
結
(
むす
)
びまし
243
真道
(
まみち
)
の
彦
(
ひこ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
244
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
奉戴
(
ほうたい
)
し
245
五六七
(
みろく
)
の
神代
(
かみよ
)
の
仁政
(
じんせい
)
を
246
台湾島
(
たいわんたう
)
に
隈
(
くま
)
もなく
247
施
(
ほどこ
)
し
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
248
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる。
249
八千代
(
やちよ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
照代姫
(
てるよひめ
)
250
サワラの
城
(
しろ
)
の
国王
(
こきし
)
より
251
日楯
(
ひたて
)
、
月鉾
(
つきほこ
)
両人
(
りやうにん
)
に
252
従
(
したが
)
ひまつりて
玉藻山
(
たまもやま
)
253
聖地
(
せいち
)
に
仕
(
つか
)
へまつれよと
254
言
(
い
)
ひ
渡
(
わた
)
されし
上
(
うへ
)
からは
255
仮令
(
たとへ
)
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
あるも
256
再
(
ふたた
)
び
国
(
くに
)
へは
帰
(
かへ
)
らまじ
257
カールス
王
(
わう
)
よヤーチンの
258
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
よ
真道彦
(
まみちひこ
)
259
其
(
その
)
他
(
た
)
の
尊
(
たふと
)
き
神人
(
かみびと
)
よ
260
妾
(
わらは
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
の
姉妹
(
おとどひ
)
が
261
身霊
(
みたま
)
を
恵
(
めぐ
)
み
玉
(
たま
)
ひつつ
262
神
(
かみ
)
の
使命
(
しめい
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
263
立
(
た
)
てさせ
玉
(
たま
)
へよ
台湾
(
たいわん
)
の
264
島
(
しま
)
に
時
(
とき
)
めく
神人
(
かみびと
)
の
265
御前
(
みまへ
)
に
祈
(
いの
)
り
奉
(
たてまつ
)
る
266
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
267
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
268
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて、
269
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
に
着
(
つ
)
いた。
270
茲
(
ここ
)
にカールス
王
(
わう
)
は
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
に
向
(
むか
)
ひ、
271
従前
(
じゆうぜん
)
の
過
(
あやま
)
ちと
無礼
(
ぶれい
)
を
謝
(
しや
)
し、
272
且
(
か
)
つ、
273
カールス王
『
吾
(
われ
)
はこれより
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
となり、
274
罪亡
(
つみほろ
)
ぼしのため
宣伝使
(
せんでんし
)
となつて
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
を
遍歴
(
へんれき
)
したければ、
275
貴下
(
あなた
)
は
尊
(
たふと
)
き
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
の
神裔
(
しんえい
)
なるを
幸
(
さいは
)
ひ、
276
貴下
(
あなた
)
が
御子
(
みこ
)
なる
日楯
(
ひたて
)
、
277
月鉾
(
つきほこ
)
を
左右
(
さいう
)
の
臣
(
しん
)
となし、
278
泰安城
(
たいあんじやう
)
に
永
(
なが
)
く
留
(
とど
)
まりて、
279
政教
(
せいけう
)
両面
(
りやうめん
)
の
主権
(
しゆけん
)
を
握
(
にぎ
)
り、
280
国家
(
こくか
)
を
平安
(
へいあん
)
に
治
(
しろ
)
し
召
(
め
)
せよ』
281
と
宣示
(
せんじ
)
したるを、
282
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
は
大
(
おほい
)
に
驚
(
おどろ
)
き、
283
真道彦命
『カールス
王
(
わう
)
様
(
さま
)
、
284
折角
(
せつかく
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
なれ
共
(
ども
)
、
285
吾々
(
われわれ
)
は
国治立
(
くにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
の
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
以前
(
いぜん
)
より、
286
吾
(
わが
)
祖先
(
そせん
)
は
専
(
もつぱ
)
ら
神政
(
しんせい
)
に
仕
(
つか
)
へ、
287
現界
(
げんかい
)
の
政治
(
せいぢ
)
に
容喙
(
ようかい
)
せざるを
以
(
もつ
)
て
天職
(
てんしよく
)
となし
来
(
きた
)
りたるものなれば、
288
如何
(
いか
)
なる
事情
(
じじやう
)
あり
共
(
とも
)
、
289
吾
(
われ
)
は
政教
(
せいけう
)
両面
(
りやうめん
)
の
主権者
(
しゆけんしや
)
となり、
290
王者
(
わうじや
)
の
位地
(
ゐち
)
に
進
(
すす
)
むべき
者
(
もの
)
に
非
(
あら
)
ず。
291
何卒
(
どうぞ
)
此
(
この
)
事
(
こと
)
許
(
ばか
)
りは
御
(
お
)
取消
(
とりけし
)
を
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
ります。
292
貴王
(
あなた
)
は
花森彦
(
はなもりひこの
)
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
裔
(
すゑ
)
、
293
必
(
かなら
)
ず
此
(
この
)
島国
(
しまぐに
)
を
治
(
をさ
)
め
給
(
たま
)
ふべき、
294
祖先
(
そせん
)
よりの
使命
(
しめい
)
おはしませば、
295
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
元
(
もと
)
の
王位
(
わうゐ
)
に
就
(
つ
)
き、
296
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
を
正妃
(
せいひ
)
として
天下
(
てんか
)
に
君臨
(
くんりん
)
し
玉
(
たま
)
へ。
297
及
(
およ
)
ばず
乍
(
なが
)
ら、
298
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
父子
(
ふし
)
の
者
(
もの
)
君
(
きみ
)
が
政事
(
せいじ
)
を
蔭
(
かげ
)
より
麻柱
(
あななひ
)
奉
(
たてまつ
)
り、
299
天下
(
てんか
)
泰平
(
たいへい
)
に
世
(
よ
)
を
治
(
をさ
)
め
玉
(
たま
)
ふべく
守護
(
しゆご
)
し
奉
(
まつ
)
らむ。
300
就
(
つい
)
ては
王
(
わう
)
に
進言
(
しんげん
)
したき
事
(
こと
)
あり。
301
信心
(
しんじん
)
堅固
(
けんご
)
にして、
302
仁慈
(
じんじ
)
と
剛直
(
がうちよく
)
とを
兼
(
か
)
ね
備
(
そな
)
へたるマールエースを
以
(
もつ
)
て
宰相
(
さいしやう
)
となし、
303
ホールサースをして
副宰相
(
ふくさいしやう
)
となし、
304
数多
(
あまた
)
の
罪人
(
つみびと
)
を
赦
(
ゆる
)
し、
305
シヤーカルタンやトロレンスをも
重
(
おも
)
く
用
(
もち
)
ゐ
玉
(
たま
)
へば、
306
天下
(
てんか
)
は
益々
(
ますます
)
太平
(
たいへい
)
ならむ。
307
これ
真道彦
(
まみちひこ
)
が
赤誠
(
せきせい
)
を
籠
(
こ
)
めて、
308
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に
進言
(
しんげん
)
する
所以
(
ゆゑん
)
であります』
309
と
毫
(
がう
)
も
政治
(
せいぢ
)
的
(
てき
)
野心
(
やしん
)
なき
事
(
こと
)
を
告白
(
こくはく
)
した。
310
カールス
王
(
わう
)
は
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
の
清廉
(
せいれん
)
潔白
(
けつぱく
)
なる
精神
(
せいしん
)
に
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
り、
311
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
を
導師
(
だうし
)
と
仰
(
あふ
)
ぎ、
312
自
(
みづか
)
ら
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
となり、
313
全島
(
ぜんたう
)
に
範
(
はん
)
を
示
(
しめ
)
し、
314
天下
(
てんか
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
三五教
(
あななひけう
)
掩護
(
えんご
)
の
下
(
もと
)
に、
315
枝
(
えだ
)
もならさぬ
高砂
(
たかさご
)
の
芽出度
(
めでた
)
き
神国
(
かみくに
)
と
治
(
をさ
)
まることとなつた。
316
さうしてヤーチン
姫
(
ひめ
)
に
対
(
たい
)
する
王
(
わう
)
の
疑
(
うたがひ
)
は
全
(
まつた
)
く
晴
(
は
)
れ、
317
茲
(
ここ
)
に
姫
(
ひめ
)
を
容
(
い
)
れて
正妃
(
せいひ
)
となし、
318
マリヤス
姫
(
ひめ
)
を
侍女
(
じぢよ
)
の
頭
(
かしら
)
と
定
(
さだ
)
め、
319
テールスタン、
320
ホーレンス
其
(
その
)
他
(
た
)
の
人々
(
ひとびと
)
をも
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めしめ、
321
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く
重用
(
ぢうよう
)
して、
322
世
(
よ
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
治
(
をさ
)
まり、
323
万民
(
ばんみん
)
鼓腹
(
こふく
)
撃壌
(
げきじやう
)
の
楽
(
たのし
)
みに
酔
(
よ
)
うた。
324
茲
(
ここ
)
にカールス
王
(
わう
)
は
琉球
(
りうきう
)
のサワラの
都
(
みやこ
)
へ、
325
マールエース、
326
ホールサースを
遣
(
つか
)
はし、
327
いろいろの
珍
(
めづ
)
らしき
貢物
(
みつぎもの
)
を
齎
(
もたら
)
せ、
328
照彦王
(
てるひこわう
)
の
前
(
まへ
)
に
感謝
(
かんしや
)
帰順
(
きじゆん
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
することとなつた。
329
照彦王
(
てるひこわう
)
はカールス
王
(
わう
)
の
誠意
(
せいい
)
に
感
(
かん
)
じ、
330
マールエース、
331
ホールサースと
共
(
とも
)
に
始
(
はじ
)
めて
台湾島
(
たいわんたう
)
に
渡
(
わた
)
り、
332
泰安城
(
たいあんじやう
)
に
迎
(
むか
)
へられ、
333
暫
(
しばら
)
く
此処
(
ここ
)
に
留
(
とど
)
まり、
334
山野
(
さんや
)
河海
(
かかい
)
の
饗応
(
きやうおう
)
を
受
(
う
)
け、
335
且
(
か
)
つ
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
の
鎮
(
しづ
)
まり
居
(
ゐ
)
ます
玉藻山
(
たまもやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
参拝
(
さんぱい
)
し、
336
茲
(
ここ
)
に
固
(
かた
)
く
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
り、
337
琉球
(
りうきう
)
、
338
台湾
(
たいわん
)
相提携
(
あひていけい
)
して、
339
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
する
事
(
こと
)
となつた。
340
真道彦
(
まみちひこ
)
、
341
照彦王
(
てるひこわう
)
の
媒介
(
ばいかい
)
に
依
(
よ
)
りて、
342
マールエースは
八千代
(
やちよ
)
姫
(
ひめ
)
を
娶
(
めと
)
り、
343
ホールサースは
照代姫
(
てるよひめ
)
を
娶
(
めと
)
り、
344
夫婦
(
ふうふ
)
相睦
(
あひむつ
)
びて
泰安城
(
たいあんじやう
)
に
仕
(
つか
)
へ、
345
其
(
その
)
子孫
(
しそん
)
は
永
(
なが
)
く
繁栄
(
はんゑい
)
した。
346
末
(
すゑ
)
に
至
(
いた
)
りてカールス
王
(
わう
)
とヤーチン
姫
(
ひめ
)
の
間
(
あひだ
)
に
八千彦
(
やちひこ
)
、
347
八千姫
(
やちひめ
)
の
一男
(
いちなん
)
一女
(
いちによ
)
が
生
(
うま
)
れた。
348
又
(
また
)
照彦王
(
てるひこわう
)
と
照子姫
(
てるこひめ
)
の
間
(
あひだ
)
にも、
349
照国彦
(
てるくにひこ
)
、
350
照国姫
(
てるくにひめ
)
の
一男
(
いちなん
)
一女
(
いちによ
)
が
生
(
うま
)
れた。
351
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
の
媒酌
(
ばいしやく
)
に
依
(
よ
)
つて、
352
照彦王
(
てるひこわう
)
の
長子
(
ちやうし
)
照国彦
(
てるくにひこ
)
に
八千姫
(
やちひめ
)
を
娶
(
めあ
)
はせ、
353
又
(
また
)
カールス
王
(
わう
)
の
長子
(
ちやうし
)
八千彦
(
やちひこ
)
に
照彦王
(
てるひこわう
)
の
娘
(
むすめ
)
照国姫
(
てるくにひめ
)
を
娶
(
めあ
)
はせ、
354
茲
(
ここ
)
に
改
(
あらた
)
めて
親族
(
しんぞく
)
関係
(
くわんけい
)
を
結
(
むす
)
ぶ
事
(
こと
)
となつた。
355
マリヤス
姫
(
ひめ
)
はアークス
王
(
わう
)
の
弟
(
おとうと
)
エーリスの
長子
(
ちやうし
)
フエールスの
妻
(
つま
)
となり、
356
泰安城
(
たいあんじやう
)
の
花
(
はな
)
と
謳
(
うた
)
はれて、
357
上下
(
しやうか
)
の
信望
(
しんばう
)
を
担
(
にな
)
ひ、
358
ヤーチン
姫
(
ひめ
)
の
政事
(
せいじ
)
を
輔
(
たす
)
けて
子孫
(
しそん
)
永
(
なが
)
く
繁栄
(
はんゑい
)
し、
359
今迄
(
いままで
)
混乱
(
こんらん
)
に
混乱
(
こんらん
)
を
重
(
かさ
)
ねたる
台湾島
(
たいわんたう
)
も
全
(
まつた
)
く
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
と
化
(
くわ
)
するに
至
(
いた
)
つたのは、
360
フエールス、
361
マリヤス
姫
(
ひめ
)
の
力
(
ちから
)
大
(
おほい
)
に
与
(
あづか
)
つて
功
(
こう
)
ありと
言
(
い
)
ふべしである。
362
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
363
(
大正一一・八・一〇
旧六・一八
松村真澄
録)
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(B)
(N)
高島丸 >>>
霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第28巻(卯の巻)
> 第3篇 光明の魁 > 第18章 天下泰平
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