霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 二男(になん)三女(さんによ)〔八一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第28巻 海洋万里 卯の巻 篇:第3篇 光明の魁 よみ(新仮名遣い):こうみょうのさきがけ
章:第14章 二男三女 よみ(新仮名遣い):になんさんにょ 通し章番号:814
口述日:1922(大正11)年08月09日(旧06月17日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年8月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
照彦王から与えられた封書には、向陽山の麓の大谷川を渡るまで、無言の行を解いてはならない、常楠仙人から摂受の剣と祈伏の剣を受け取り、泰安城の魔軍を退けてカールス王とヤーチン姫を救うべし、と書かれてあった。
一行が向陽山麓が見える地点まで来ると、大きな沼が前をさえぎった。一行は思い切って沼に入って進んで行くと、不思議にも易々と沼を渡ることができた。後を振り返ると、沼は跡形もなくなっていた。
一行が野宿にて夜を明かしていると、大怪物が現れて、日楯と月鉾を飲み込んでしまった。女たちも怪物のなすがままに任せていると、怪物は女たちを背に乗せて進んで行った。
あたりがぱっと明るくなったと思うと、日楯と月鉾は大谷川を渡って向陽山の麓にいた。見れば、三人の女はまだ向こう岸に立っていた。日楯と月鉾は無言の行が解けたので、天津祝詞を奏上すると、女たちは激流の上を平然として渡ってくることができた。
日楯と月鉾が今度は感謝の祝詞を奏上していると、女たちは手招きしつつ、猿のように山の斜面を登って行って霧の中に姿を隠してしまった。
日楯と月鉾が女たちを追ってくると、どこからともなく叫び声が聞こえてきた。見れば、三人の女たちがそれぞれ大蛇に飲まれそうになっている。月鉾はこれを見るとその場に失神してしまった。日楯は誰を先に救おうか迷っていたが、八千代姫と照代姫を救うのが人の道と決心して、大蛇に打ちかかった。
すると、大蛇の姿は消えてしまった。あたりをみると、白髪の老人が杖をついて近づいて来る。日楯は倒れている月鉾に、湖水の水を吹きかけて蘇生させた。老人は微笑をうかべながら、二人を手招きしつつ、向陽山頂にいざなった。
二人は一生懸命に登って行った。すると、大岩石が前をさえぎった。岩石は鏡のように輝き、その向こう側に三人の女たちが見えた。兄弟は岩の向こうに行けずに困っていると、上の方から「天津祝詞」という声が聞こえた。
二人ははっと気付いて拍手し、天津祝詞を唱えた。二人の体は透明な岩窟の中に吸い込まれた。見れば、外には大蛇が迫っており、岩に写った一行を飲もうとしているが、岩にさえぎられてただこちらを眺めているだけなのが見えた。
二男三女はここに合流し、岩窟の奥に進んで行った。岩窟の終点には先ほどの老人がいた。老人は一行の労苦をねぎらうと、神宝はこの岩窟の入口に置いたので、それをもって台湾島に帰るように言い渡すと、姿を消した。
五人は岩窟の入口に戻ると、二つの玉と三つの鏡が置いてあるのを見つけた。日楯は赤い玉、月鉾は白い玉、ユリコ姫、八千代姫、照代姫はそれぞれ大中小の鏡を一つずつ押し頂いて、天の数歌を歌いながら向陽山を下って行った。
大谷川の急流に際して、ユリコ姫が大の鏡を取り出して川面を照らすと、激流は分かれて道ができた。一行はそこを渡って足を早め、エルの港から漕ぎ出だし、台湾島のキールの港に着いた。
五人はいったん玉藻山の聖地に帰り、信徒らに迎えられた。玉と鏡を安置して、昼夜祈願を凝らすこととなった。凱旋に当たり、留守を守っていたマリヤス姫はテーリン姫とともに一行を迎え入れ、祝歌を歌い自ら舞った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-11-29 18:15:22 OBC :rm2814
愛善世界社版:164頁 八幡書店版:第5輯 412頁 修補版: 校定版:168頁 普及版:77頁 初版: ページ備考:
001天津(あまつ)御空(みそら)()(わた)
002日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)
003照彦王(てるひこわう)照子姫(てるこひめ)
004数多(あまた)(ひと)立別(たちわか)
005サワラの(しろ)(あと)()
006(みどり)(くれなゐ)(しろ)黄色(きいろ)
007(はな)()野辺(のべ)のユリコ(ひめ)
008()きせぬ御代(みよ)八千代(やちよ)(ひめ)
009(かみ)御稜威(みいづ)照代姫(てるよひめ)
010二男(になん)三女(さんによ)五身霊(いつみたま)
011照彦王(てるひこわう)密書(みつしよ)をば
012(ちから)(たの)向陽(こうやう)
013高嶺(たかね)をさして(すす)()く。
014 二男(になん)三女(さんによ)無言(むごん)(まま)015向陽山(こうやうざん)()して(すす)んで()く。016照彦王(てるひこわう)より(あた)へられたる密書(みつしよ)には、
017向陽山(こうやうざん)(ふもと)(なが)るる大谷川(おほたにがは)(ほとり)(まで)(けつ)して言語(げんご)(はつ)(べか)らず、018(その)(かは)(わた)ると(とも)に、019発言(はつげん)自由(じいう)たるべし。020向陽山(こうやうざん)には常楠(つねくす)仙人(せんにん)永住(えいぢう)して(なんぢ)()一同(いちどう)摂受(せつじゆ)(けん)折伏(しやくふく)(けん)(あた)(たま)ふべし。021これを受取(うけと)つて、022(なんぢ)()一日(ひとひ)(はや)泰安城(たいあんじやう)立向(たちむか)ひ、023魔軍(まぐん)言向(ことむ)(やは)し、024()つヤーチン(ひめ)(および)真道彦(まみちひこ)025カールス(わう)(その)()一同(いちどう)(すく)ふべし』
026との文意(ぶんい)(しめ)されてあつた。027()(こと)(ほとん)五六(ごろく)()028徒歩(とほ)(やや)(つか)れを(かん)じ、029山麓(さんろく)までは到底(たうてい)()(うち)到達(たうたつ)(がた)(おも)はれた。
030 茫々(ばうばう)たる萱野原(かやのはら)に、031(はぎ)032桔梗(ききやう)033百合(ゆり)(はな)配置(はいち)()()(にほ)うて()る。034二男(になん)三女(さんぢよ)(くさ)()け、035(やうや)くにして、036向陽山(こうやうさん)(ろく)木々(きぎ)(こずゑ)まで肉眼(にくがん)にて見分(みわ)くる(ばか)りの地点(ちてん)まで近寄(ちかよ)つた。037(たちま)前方(ぜんぱう)(あた)りて、038(だい)なる(ぬま)(よこた)はつて()る。039水底(みなそこ)(もつと)(ふか)く、040周囲(しうゐ)樹木(じゆもく)(ぬま)(そこ)(さか)しまに(かげ)(うつ)し、041大空(たいくう)淡雲(たんうん)沼底(ぬまぞこ)(うつ)つて()る。042不思議(ふしぎ)にも()(にん)姿(すがた)(ぬま)(みづ)(さか)しまに(うつ)り、043(なん)とも()はれぬ(うるは)しき光景(くわうけい)であつた。044一同(いちどう)はハタと突当(つきあた)り、045如何(いかが)はせむと思案(しあん)()れてゐたが、046言語(げんご)(はつ)する(こと)(いまし)められ()(ため)047(たがひ)相談(さうだん)する(こと)出来(でき)ず、048どうせうかと手真似(てまね)049目使(めつか)(とう)にて(はな)()つて()る。
050 ()(やうや)(やま)()()姿(すがた)(ぼつ)し、051(ゆふ)べの(かぜ)はソヨソヨと()()し、052()()(こずゑ)にゆらぐ(かげ)は、053沼底(ぬまぞこ)(さか)さまに(うつ)り、054数多(あまた)小魚(せうぎよ)(をど)るが(ごと)()えて()た。055進退(しんたい)(これ)(きは)まつたる()(にん)(いよいよ)()(けつ)し、056(そこ)ひも()れぬ(ぬま)目蒐(めが)けてバサバサと(あゆ)()した。057不思議(ふしぎ)にも(この)(ふか)(ぬま)にも(かか)はらず、058()(にん)身体(からだ)(ひざ)(まで)(ぼつ)するに(いた)らず、059易々(やすやす)とさしもに(ひろ)(ぬま)(おも)を、060彼方(かなた)(きし)(わた)()き、061(あと)()(かへ)つて(なが)むれば、062(ぬま)らしき(かげ)だにもなく、063いろいろの草花(くさばな)(ひろ)原野(げんや)()(みち)()た。064これは常楠(つねくす)仙人(せんにん)仙術(せんじゆつ)(もち)ゐ、065()(にん)信仰力(しんかうりよく)(ため)(ため)地鏡(ちきやう)映出(えいしゆつ)したのである。
066 ()(とばり)(こま)やかに()ろされて、067(つき)周囲(しうゐ)高山(かうざん)(へだ)てられ、068姿(すがた)()せず、069(ほし)(ひかり)(なん)となく、070雨気(あまけ)(そら)(やう)(ひく)(うるは)しく(またた)いてゐる。071二男(になん)三女(さんによ)(れい)手真似(てまね)にて合図(あひづ)をなし、072(ここ)一夜(いちや)()かす(こと)となつた。
073 猛獣(まうじう)(うな)(ごゑ)074前後(ぜんご)左右(さいう)より刻々(こくこく)(たか)く、075(はげ)しく(ひび)(きた)る。076一同(いちどう)(こころ)(うち)(あま)数歌(かずうた)(とな)へ、077暗祈(あんき)黙祷(もくたう)(つづ)けてゐる。078そこへ一種(いつしゆ)異様(いやう)大怪物(だいくわいぶつ)079鹿(しか)(ごと)枝角(えだつの)一丈(いちぢやう)(ばか)りあるものを(かしら)(いただ)き、080大象(たいざう)(ごと)大動物(だいどうぶつ)081バサリバサリと(すす)(きた)り、082()(にん)(まへ)(かがみ)(ごと)巨眼(きよがん)(ひか)らせ、083大口(おほぐち)(ひら)き、084洗濯屋(せんたくや)張板(はりいた)(やう)長広舌(ちやうくわうぜつ)左右(さいう)()(なが)ら、085一行(いつかう)()がけて(した)()()まんとして()る。086日楯(ひたて)087月鉾(つきほこ)無言(むごん)(まま)088両手(りやうて)()み、089怪物(くわいぶつ)(まへ)(すす)()るや、090怪物(くわいぶつ)(ざう)(はな)にて子供(こども)()(やう)に、091(した)にてペロペロと()(なが)ら、092(のど)(なか)二人(ふたり)(とも)一度(いちど)()()んで(しま)つた。
093 (さん)(にん)(をんな)(いよいよ)決心(けつしん)(かた)怪物(くわいぶつ)のなすが(まま)(まか)した。094怪物(くわいぶつ)以前(いぜん)(ごと)く、095(した)にて一人(ひとり)一人(ひとり)()いては(わが)()()せあげ、096(さん)(にん)(とも)大象(たいざう)幾倍(いくばい)とも()れぬ(やう)大背中(おほせなか)()せた(まま)097向陽山(こうやうざん)目蒐(めが)けてドシンドシンと地響(ぢひび)きさせ(なが)(すす)んで()く。098日楯(ひたて)099月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)怪物(くわいぶつ)(はら)()まれ(なが)ら、100(べつ)痛苦(つうく)(かん)ぜず、101(あたた)かき()()りたる(ごと)心地(ここち)して、102運命(うんめい)惟神(かむながら)(まか)せて()た。
103 (たちま)轟々(ぐわうぐわう)たる水音(みなおと)(みみ)()るよと(おも)()に、104あたりはパツと、105際立(きはだ)つて(あか)くなつて()た。106()れば(その)()向陽山(こうやうさん)(ろく)大谷川(おほたにがは)激流(げきりう)(わた)りて、107(その)岸辺(きしべ)()つて()た。108(さん)(にん)(をんな)は、109(きし)彼方(かなた)激流(げきりう)(なが)め、110二人(ふたり)首尾(しゆび)()山麓(さんろく)(わた)()たるを(うら)めしげに(なが)めて()た。
111 日楯(ひたて)(はじ)めて(くち)(ひら)いて、
112日楯惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
113()(なが)ら、
114日楯(ひたて)『モシ月鉾(つきほこ)さま、115無言(むごん)(げう)随分(ずゐぶん)(つら)いものでしたなア。116さうして地鏡(ちきやう)(ぬま)出会(でつくわ)した(とき)(むね)(おどろ)き、117ヤツと安心(あんしん)する()もなく、118今度(こんど)大怪物(だいくわいぶつ)出会(でつくわ)(した)()かれて(はら)(はうむ)られ、119どうなる(こと)かと心配(しんぱい)して()つたが、120何時(いつ)()にか、121怪物(くわいぶつ)(かげ)はなく、122吾々(われわれ)二人(ふたり)(この)(わた)(べか)らざる大激流(だいげきりう)を、123無事(ぶじ)(わた)つて()たのは、124(なん)(おも)つても合点(がてん)()かぬぢやないか。125コリヤ、126うかうかとしては()られまい。127(なに)()うても常楠(つねくす)仙人(せんにん)(かく)れます聖場(せいぢやう)だから、128(つつし)んだ(うへ)にも(つつし)んで(まゐ)らねば、129幾度(いくど)もあの(やう)(こころ)みに()はされては(たま)りませぬからなア』
130月鉾(つきほこ)左様(さやう)です。131(この)球島(きうじま)(わた)つてからと()ふものは、132(じつ)不思議(ふしぎ)(こと)(ばか)り、133神秘(しんぴ)(てき)(しま)ですなア。134それにしても照彦王(てるひこわう)135照子姫(てるこひめ)(さま)仙人(せんにん)出会(であ)摂受(せつじゆ)(けん)折伏(しやくふく)(けん)()()いと教書(けうしよ)()(しめ)しになつて()るが、136(はた)して(あた)へられるであらうか、137それ(ばか)りが心配(しんぱい)でなりませぬワ』
138日楯(ひたて)照彦王(てるひこわう)吾々(われわれ)(この)御用(ごよう)(いた)さすべく、139(まへ)(もつ)()夫婦(ふうふ)がどつかの高山(かうざん)(のぼ)られ、140非常(ひじやう)苦労(くらう)(あそ)ばして、141神勅(しんちよく)()()(かへ)りになつたのだから、142滅多(めつた)間違(まちが)気遣(きづか)ひはありますまい。143(うたがひ)益々(ますます)神慮(しんりよ)(そこな)所以(ゆゑん)となりませう。144()(かく)教書(けうしよ)(まま)(かた)(しん)今後(こんご)如何(いか)なる艱難(かんなん)辛苦(しんく)出会(であ)うとも、145(くつ)せず(たゆ)まず、146忍耐(にんたい)(つよ)くして、147目的(もくてき)(たつ)せなくては、148折角(せつかく)遥々(はるばる)此処(ここ)まで(まゐ)つた甲斐(かひ)()りませぬ。149()此処(ここ)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(いた)しませう』
150 月鉾(つきほこ)(この)言葉(ことば)打諾(うちうなづ)き、151二人(ふたり)川岸(かはぎし)端坐(たんざ)して天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)した。152不思議(ふしぎ)(さん)(にん)(をんな)激流(げきりう)(うへ)平然(へいぜん)として此方(こなた)(わた)()る。153両人(りやうにん)()()ちて(よろこ)び、154(まつた)(かみ)(ふか)()庇護(ひご)(また)もや感謝(かんしや)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する。155(さん)(にん)(やうや)くにして激流(げきりう)(わた)り、156二人(ふたり)(まへ)(きた)つて(うれ)(さう)(ゑみ)(たた)(なが)ら、157二人(ふたり)手招(てまね)きしつつ、158さしもの急坂(きふはん)(ましら)(こずゑ)(つた)(ごと)(のぼ)()く。159()()(うち)三女(さんぢよ)姿(すがた)山霧(やまきり)(つつ)まれ()えなくなつて(しま)つた。160()161(つき)二人(ふたり)(たがひ)(かほ)見合(みあは)せ、
162日楯(ひたて)(なん)月鉾(つきほこ)さま、163神仙境(しんせんきやう)はヤツパリ神秘(しんぴ)(てき)(こと)続出(ぞくしゆつ)(いた)しますなア』
164月鉾(つきほこ)本当(ほんたう)不思議(ふしぎ)なこと(ばか)りですワ。165それにしても(さん)(にん)(をんな)の、166あの(あし)(はや)さ、167人間業(にんげんわざ)とは(おも)はれませぬ。168大方(おほかた)仙人(せんにん)霊魂(みたま)でも憑依(ひようい)したのでせうかなア』
169日楯(ひたて)(なに)()もあれ、170(この)高山(かうざん)一刻(いつこく)(はや)(のぼ)りきはめねばなりますまい。171サア(いそ)ぎませう』
172日楯(ひたて)(さき)()ち、173宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)(のぼ)()く。
174 向陽山(こうやうざん)峰巒(ほうらん)重畳(ちようでふ)たる(なか)魏然(ぎぜん)として(そび)()つて()霊山(れいざん)である。175山頂(さんちやう)(たつ)する(まで)には幾十(いくじふ)とも()れぬ(やま)()え、176(たに)(わた)り、177(あるひ)(ひろ)山中(さんちう)湖水(こすゐ)(わた)りなどせなくては、178到底(たうてい)(たつ)()ない、179要害(えうがい)堅固(けんご)絶勝(ぜつしよう)である。
180 二人(ふたり)(やうや)くにして、181山中(さんちう)(やや)(ひろ)湖水(こすゐ)(ほとり)()いた。182(にはか)(をんな)(さけ)(ごゑ)183あたりの森林(しんりん)(きこ)えて()る。184フト(こゑ)する(はう)(なが)むれば、185幾丈(いくぢやう)とも()れぬ大蛇(をろち)186ユリコ(ひめ)身体(からだ)(こし)のあたり(まで)()みこみ、187鎌首(かまくび)()てて渦巻(うづま)いてゐる。188日楯(ひたて)189月鉾(つきほこ)(おほい)(おどろ)き、190如何(いかが)はせむと(やや)少時(しばし)191(くび)(かたむ)けてゐた。192ユリコ(ひめ)(こゑ)(かぎ)りに、
193ユリコ(ひめ)日楯(ひたて)(さま)194どうぞ(わたし)をお(たす)(くだ)さいませ』
195()(あは)して(いのち)(かぎ)りに(さけ)んでゐる。196(また)もや(をんな)泣声(なきごゑ)197フト()右方(うはう)(てん)ずれば、198照代姫(てるよひめ)199八千代(やちよ)(ひめ)二人(ふたり)は、200これ(また)二匹(にひき)大蛇(をろち)半身(はんしん)()まれ、201(かほ)(いろ)(まで)(あを)くなり、202(こゑ)碌々(ろくろく)得立(えた)てず、203両人(りやうにん)(はう)(むか)つて()をあはせ、204(すく)ひを(もと)めてゐる。
205 日楯(ひたて)(わが)女房(にようばう)(すく)はむか、206八千代(やちよ)(ひめ)207照代姫(てるよひめ)如何(いか)にせむ、208照代姫(てるよひめ)209八千代(やちよ)(ひめ)(すく)はむか、210(わが)(つま)生命(いのち)如何(いか)にせむと去就(きよしう)(まよ)ひつつあつた。211月鉾(つきほこ)は『ウン』と一声(ひとこゑ)断末魔(だんまつま)(こゑ)(とも)に、212(その)()打倒(うちたふ)失心(しつしん)状態(じやうたい)になつて(しま)つた。213日楯(ひたて)現在(げんざい)(おとうと)()(とほ)り、214(つま)(また)瞬間(しゆんかん)(せま)生命(いのち)215(すく)ひたきは山々(やまやま)なれど、216()八千代(やちよ)(ひめ)217照代姫(てるよひめ)(すく)ふこそ(ひと)たる(もの)(おこな)ふべき(みち)ならむと決心(けつしん)し、218あたりに()()つたる(ふと)角杭(かつくひ)()るより(はや)く、219八千代(やちよ)(ひめ)220照代姫(てるよひめ)()みつつある大蛇(をろち)(むか)つて、221首筋(くびすぢ)あたりを(ちから)(かぎ)りに()()えた。222()れば大蛇(をろち)(かげ)も、223(をんな)姿(すがた)もなく、224(ただ)月鉾(つきほこ)のみ足許(あしもと)(たふ)れて()た。
225日楯(ひたて)『ハテ(いぶか)しや』
226とあたりを()れば、227白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)228(あかざ)(つゑ)をつき(なが)ら、229()(しげ)みを()けてのそりのそりと近付(ちかづ)いて()る。230日楯(ひたて)(ただち)湖水(こすゐ)(みづ)(くち)(ふく)み、231月鉾(つきほこ)面上(めんじやう)(そそ)ぎかけた。232月鉾(つきほこ)(やうや)くにして正気(しやうき)(かへ)り、233あたりをキヨロキヨロ見廻(みまは)して()る。234月鉾(つきほこ)卒倒(そつたう)したのは、235ユリコ(ひめ)(その)()二人(ふたり)大蛇(をろち)()まれたる姿(すがた)(なが)めて(おどろ)いた(ため)である。
236 白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)二人(ふたり)(むか)ひ、237微笑(びせう)(うか)(なが)ら、238手招(てまね)きしつつ(おい)()()ず、239(くも)(かけ)るが(ごと)く、240向陽山(こうやうざん)頂上(ちやうじやう)目蒐(めが)けて足早(あしばや)(のぼ)()く。241二人(ふたり)老人(らうじん)(あと)(したが)ひ、242(いき)(はづ)ませ(なが)ら、243(あし)(つづ)(かぎ)(いそ)(のぼ)()くのであつた。
244 老人(らうじん)姿(すがた)(はや)くも向陽山(こうやうざん)(つつ)白雲(はくうん)(なか)()えて(しま)つた。245二人(ふたり)一生(いつしやう)懸命(けんめい)になつて(いち)()(ばか)(のぼ)()けば、246ハタと突当(つきあた)つた大岩石(だいがんせき)がある。247よくよく()れば(この)(いは)(かがみ)(ごと)日光(につくわう)()(かがや)き、248(さん)(にん)(をんな)姿(すがた)(おく)(はう)歴然(れきぜん)(うつ)つて()る。249三女(さんぢよ)二人(ふたり)姿(すがた)()(はや)(きた)れと手招(てまね)きをして()る。250(その)距離(きより)(ほとん)二百間(にひやくけん)(ばか)りであつた。251兄弟(きやうだい)二人(ふたり)(さん)(にん)(そば)()かうとしてあせれ(ども)252(かがみ)(ごと)()(とほ)つた(この)(いは)も、253入口(いりぐち)(わか)らず、254非常(ひじやう)()()んで()る。
255 ユリコ(ひめ)(ほか)二人(ふたり)(しき)りに(はや)(きた)れ……と差招(さしまね)く。256兄弟(きやうだい)(こころ)をいらち、257(すす)()らむとすれ(ども)258硝子(がらす)(ごと)(いは)突当(つきあた)つて、259入口(いりぐち)がどう藻掻(もが)いても(わか)らない。260(この)(とき)(あたま)(うへ)(はう)から『天津(あまつ)祝詞(のりと)』……と()(こゑ)(きこ)えて()た。261二人(ふたり)はハツと()がつき、262(ただち)拍手(はくしゆ)し、263天津(あまつ)祝詞(のりと)(こゑ)もすがすがしく奏上(そうじやう)(はじ)めた。
264 二人(ふたり)身体(からだ)何者(なにもの)にか()()まるる(やう)に、265透明(とうめい)なる岩窟(いはや)(なか)自然(しぜん)(すす)()つた。266(たちま)山嶽(さんがく)(くづ)るる(ばか)りの大音響(だいおんきやう)(きこ)(きた)ると()()に、267周囲(まはり)一丈(いちぢやう)(ばか)りの黒色(こくしよく)大蛇(をろち)268(はら)(うろこ)()にただれ(なが)ら、269十数匹(じふすうひき)270(この)岩窟(がんくつ)(むか)つて(いきほひ)(たけ)(すす)(きた)り、271兄弟(きやうだい)()まむと、272大口(おほぐち)()けて(あせ)れども、273入口(いりぐち)(わか)らざる(ため)274大蛇(をろち)(そと)にて残念(ざんねん)(さう)(あたま)(なら)べて二男(になん)三女(さんによ)姿(すがた)(なが)めて()る。
275 二男(になん)三女(さんによ)心中(しんちう)(ふか)神徳(しんとく)感謝(かんしや)(なが)ら、276(なほ)(おく)(おく)へと(すす)()る。277際限(さいげん)もなき岩窟(がんくつ)をもしや(へび)入口(いりぐち)(さぐ)り、278(うしろ)より()(きた)らざるやと、279(やや)(おそ)ろしさに、280()らず()らずに(あし)意外(いぐわい)(はや)(はこ)びて、281(つひ)岩窟(がんくつ)終点(しうてん)()いた。282(ここ)には以前(いぜん)(あら)はれし白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)厳然(げんぜん)として立現(たちあら)はれ、283一同(いちどう)(むか)言葉(ことば)おごそかに、
284老人(らうじん)『われは当山(たうざん)中心(ちうしん)として(りう)285(きう)夫婦島(ふうふじま)守護(しゆご)(いた)常楠(つねくす)仙人(せんにん)であるぞ。286(その)(はう)(ちち)(なん)(すく)()国王(こくわう)(はじ)め、287数多(あまた)人々(ひとびと)苦難(くなん)(すく)はむ(ため)遥々(はるばる)此処(ここ)(きた)ること、288(じつ)殊勝(しゆしよう)(いた)りである。289(なんぢ)()(これ)より一刻(いつこく)(はや)(この)(しま)(はな)れ、290エルの(みなと)より(ふね)()り、291照代姫(てるよひめ)292八千代(やちよ)(ひめ)諸共(もろとも)に、293キールの(みなと)(むか)つて立帰(たちかへ)れよ。294(また)(なんぢ)(あた)ふべき神宝(しんぽう)は、295(この)岩窟(いはや)入口(いりぐち)にあれば、296身魂(みたま)相応(さうおう)(その)一個(いつこ)所持(しよぢ)して(かへ)れよ。297さらば』
298()つたきり、299老人(らうじん)姿(すがた)(けぶり)となつて()えて(しま)つた。300()(にん)(ここ)(おい)(また)もや天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、301元来(もとき)岩窟(いはや)入口(いりぐち)大蛇(をろち)(かへ)りしかと気遣(きづか)(なが)ら、302(やうや)くにして入口(いりぐち)()()れば、303そこに(ふた)つの(たま)(みつ)つの(かがみ)()いてある。304これは最前(さいぜん)(おそ)(きた)りし大蛇(をろち)所持(しよぢ)して()(たから)であつたが、305(あま)二男(になん)三女(さんによ)姿(すがた)()恋慕(れんぼ)(ねん)(おこ)し、306(つひ)(この)(たから)()らず()らずに体内(たいない)より脱出(だつしゆつ)(かへ)つた(あと)であつた。
307 日楯(ひたて)()(いろ)(ちな)みたる赤玉(あかだま)()り、308月鉾(つきほこ)(しろ)(たま)(ひろ)ひ、309ユリコ(ひめ)310八千代(やちよ)(ひめ)311照代姫(てるよひめ)(ひか)(かがや)大中小(だいちうせう)三個(さんこ)(かがみ)(おのおの)一面(いちめん)づつ(ひろ)()げ、312押戴(おしいただ)いて、313道々(みちみち)(あま)数歌(かずうた)(うた)(なが)向陽山(こうやうざん)(くだ)()く。
314 (やうや)くにして大谷川(おほたにがは)(きし)()いた。315さしもの急流(きふりう)容易(ようい)(わた)るべくも()えなかつた。316ユリコ(ひめ)(だい)(かがみ)懐中(くわいちう)より取出(とりいだ)し、317(かは)(おも)()らした。318不思議(ふしぎ)大谷川(おほたにがは)(みづ)(いた)にて()()めたる(ごと)(よこ)()かれて、319一滴(いつてき)(みづ)もなき道路(だうろ)がついた。320二男(になん)三女(さんによ)足早(あしばや)川中(かはなか)(むか)うへ(わた)(あと)ふり(かへ)()れば、321大谷川(おほたにがは)依然(いぜん)として激潭(げきたん)飛沫(ひまつ)大急流(だいきふりう)になつてゐる。322これより一同(いちどう)(あし)(はや)めて、323三日(みつか)三夜(みよさ)(のち)エルの(みなと)到着(たうちやく)し、324(つな)ぎおきし(ふね)()(たく)し、325日楯(ひたて)326月鉾(つきほこ)二人(ふたり)艪櫂(ろかい)(あやつ)り、327()(くる)海原(うなばら)(なん)なく()(わた)り、328(やうや)くキールの(みなと)に、329夜半(よは)(ころ)安着(あんちやく)した。
330 これより二男(になん)三女(さんによ)一旦(いつたん)玉藻山(たまもやま)聖地(せいち)(かへ)り、331(たま)332(かがみ)安置(あんち)して、333日夜(にちや)祈願(きぐわん)をこらし竜世姫(たつよひめの)(みこと)神勅(しんちよく)(くだ)るを()つて大活動(だいくわつどう)開始(かいし)せむと、334昼夜(ちうや)祈願(きぐわん)()らして()た。
335 二男(になん)三女(さんによ)璽鏡(じきやう)神宝(しんぽう)()()れ、336意気(いき)揚々(やうやう)として、337天嶺(てんれい)338泰嶺(たいれい)聖地(せいち)には立寄(たちよ)らず、339中心(ちうしん)霊場(れいぢやう)なる玉藻山(たまもやま)聖地(せいち)立帰(たちかへ)り、340残存(ざんぞん)せる誠実(せいじつ)なる信徒(しんと)(むか)へられ、341璽鏡(じきやう)宝物(ほうぶつ)宮殿(きうでん)(ふか)(をさ)め、342無事(ぶじ)凱旋(がいせん)祝宴(しゆくえん)(ひら)いた。
343 マリヤス(ひめ)はテーリン(ひめ)(ともな)ひ、344(うれ)(さう)(この)(せき)(れつ)し、345二男(になん)三女(さんによ)功績(こうせき)(くち)(きは)めて賞揚(しやうやう)し、346神前(しんぜん)祝意(しゆくい)(へう)する(ため)347(みづか)(うた)(みづか)()(はじ)めた。348(その)(うた)
349マリヤス(ひめ)天運(てんうん)(ここ)にめぐり()
350()れたる()にも(はな)()
351(たふと)御代(みよ)となりにけり
352神代(かみよ)(むかし)国治立(くにはるたちの)(みこと)
353豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほくに)
354中心(ちうしん)地点(ちてん)(きこ)えたる
355(うづ)(みやこ)のエルサレムに
356無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)
357森羅(しんら)万象(ばんしやう)(つく)(たま)ひし
358天御中主(あめのみなかぬしの)大御神(おほみかみ)
359(また)御名(みな)大国治立(おほくにはるたちの)(みこと)
360(おほ)御神勅(みことのり)()けまして
361豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほくに)
362天津(あまつ)御空(みそら)神国(かみくに)
363(かみ)祭政(まつり)()かむとし
364(こころ)千々(ちぢ)(くだ)きつつ
365(あまね)天地(あめつち)神人(しんじん)
366身魂(みたま)(ため)(つく)されし
367(その)神業(しんげふ)(ひま)()(こま)のいつしかに
368(まが)(たけ)びに(さへぎ)られ
369(たふと)(おん)()()(なが)
370(この)()()てて(うしとら)
371自転倒(おのころ)(じま)秀妻国(ほつまぐに)
372国武彦(くにたけひこ)()()へて
373下津(したつ)岩根(いはね)綾錦(あやにしき)
374紅葉(もみぢ)(いろ)(くれなゐ)
375(あか)神代(かみよ)()てむとて
376()言霊(ことたま)一二三(ひふみ)
377(よつを)(やま)永久(とことは)
378()つの御霊(みたま)(かく)しまし
379六七(むな)しく神代(かみよ)(きた)るをば
380()たせ(たま)ふぞ(たふと)けれ
381千代(やちよ)(はる)玉椿(たまつばき)
382(ここの)(はな)()()でて
383(たり)神代(かみよ)(きづ)きあげ
384百千万(ももちよろづ)民草(たみぐさ)
385(めぐみ)(つゆ)()(たま)
386(たふと)御代(みよ)(まつ)()
387(かみ)(こころ)永久(とこしへ)
388竜世(たつよ)(ひめ)(しづ)まりゐます
389(この)神島(かみじま)花森彦(はなもりひこの)(みこと)
390天降(あまくだ)(たま)顕事(あらはごと)
391幽事(かくりごと)をば真道彦(まみちひこの)(みこと)
392()さし(たま)ひし神事(かみごと)
393千引(ちびき)(いは)(うご)きなく
394常磐(ときは)(まつ)(いろ)()せず
395(ここ)(あら)はれ(きた)りまし
396国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
397(はか)(たま)ひし(まつ)()
398(いま)(ひら)くる()となりぬ
399真道彦(まみちひこの)(みこと)
400黒白(あやめ)()かぬ窟上(くつじやう)
401牢獄(ひとや)(なか)()()まれ
402日夜(にちや)苦難(くなん)()(たま)(ども)
403(あま)岩戸(いはと)(とき)()れば
404(たちま)(ひら)()(なら)
405日月潭(じつげつたん)()れませる
406日楯(ひたて)月鉾(つきほこ)両人(りやうにん)
407誠心(まことごころ)(あら)はれて
408御稜威(みいづ)(ここ)照彦王(てるひこわう)
409(かみ)(をしへ)(みちび)かれ
410向陽山(こうやうざん)(のぼ)りまし
411神変(しんぺん)不思議(ふしぎ)神術(かむわざ)
412(さと)りましたる常楠(つねくす)仙人(せんにん)
413(みづ)()らさぬ(はか)らひに
414(たつ)(あぎと)(たま)(かがみ)
415二男(になん)三女(さんによ)(つつが)なく
416身魂(みたま)相応(さうおう)(さづ)けられ
417神徳(しんとく)(ひか)日月潭(じつげつたん)
418(なか)(うか)べる玉藻山(たまもやま)
419聖地(せいち)(かへ)()ますこそ
420三五教(あななひけう)(をしへ)(はな)(ひら)(ぐち)
421マリヤス(ひめ)今日(けふ)こそは
422(こころ)(そこ)より(いさ)()
423(いづ)御魂(みたま)神人(しんじん)
424御国(みくに)(ため)(つく)してし
425誠心(まことごころ)()(まつ)
426(たた)(まつ)るぞ(うれ)しけれ
427あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
428御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
429(うた)ひをはり()(をは)つて、430(もと)()につきにけり。
431大正一一・八・九 旧六・一七 松村真澄録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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