霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 (つき)(かげ)〔一一七一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第1篇 神示の合離 よみ:しんじのごうり
章:第2章 月の影 よみ:つきのかげ 通し章番号:1171
口述日:1922(大正11)年12月07日(旧10月19日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4402
愛善世界社版:19頁 八幡書店版:第8輯 146頁 修補版: 校定版:20頁 普及版:9頁 初版: ページ備考:
001 治国別(はるくにわけ)万公(まんこう)002晴公(はるこう)他愛(たあい)なき鼾声(いびきごゑ)()(なが)諸手(もろて)()差俯向(さしうつむ)いてしばし冥想(めいさう)(ふけ)りゐる。003そこへ(あわ)ただしく、004(いき)(はづ)ませ(もり)急坂(きふはん)(のぼ)()たるものは五三公(いそこう)にぞありける。
005『もし、006先生(せんせい)007(おく)さまが()えました。008さア何卒(どうぞ)(はや)(ほこら)(まへ)(まで)(くだ)(くだ)さいませ』
009(なに)010(おく)()えたとは(なに)しに()たのだらう。011(おく)(よう)はない。012面会(めんくわい)相叶(あひかな)はぬから(すぐ)引返(ひきかへ)せと()つて()れ』
013治国別(はるくにわけ)不興顔(ふきようがほ)なり。
014何程(なにほど)あなたが権利(けんり)があると()つて、015玉国別(たまくにわけ)(さま)奥様(おくさま)(たい)し、016そンな命令権(めいれいけん)があるとは五三公(いそこう)には(おも)はれませぬワ』
017(なん)だ、018五十子姫(いそこひめ)(さま)か、019(まへ)奥様(おくさま)だと()ふから(また)菊子姫(きくこひめ)(あと)()うて()たのではあるまいか、020()しからぬ(やつ)だと(おも)つたからだ』
021本当(ほんたう)()しからぬですな。022五十子姫(いそこひめ)(さま)御覧(ごらん)なさいませ。023玉国別(たまくにわけ)(さま)御身(おんみ)(うへ)(あん)(わづら)ひ、024(をんな)()をも(かへり)みず(この)山坂(やまさか)()()()いでお(たづ)(あそ)ばされました。025それに(おな)宣伝使(せんでんし)奥様(おくさま)菊子姫(きくこひめ)(さま)こそ、026()しからぬぢやありませぬか。027夫婦(ふうふ)情合(じやうあひ)()ふものは、028そンな水臭(みづくさ)いものぢやなからうと五三公(いそこう)(おも)ひますよ』
029『アハヽヽヽ人間(にんげん)(こころ)といふものは一人(ひとり)一人(ひとり)(ちが)ふものだな。030(わし)()うして宣伝(せんでん)しに()以上(いじやう)女房(にようばう)(わす)れ、031(いへ)(わす)れ、032自分(じぶん)生命(せいめい)までも(わす)れて()るのだよ』
033(なん)とまア、034水臭(みづくさ)(かた)ですな。035菊子姫(きくこひめ)(さま)がお()きになつたら(さぞ)失望(しつばう)落胆(らくたん)なさるでせう。036(てん)にも()にも掛替(かけがへ)のない一人(ひとり)(をつと)左様(さやう)の(浄瑠璃(じやうるり)水臭(みづくさ)いお(こころ)とは(つゆ)()らず、037(みやこ)でお(わか)(まを)してより、038(あめ)(あした)039(かぜ)(ゆふべ)040片時(かたとき)たりとも(わす)れし(ひま)はなきものを、041(おも)へば(つれ)なき貴方(あなた)(こころ)042あゝ(なん)としようぞいな(なん)としようぞいなア……とお(なげ)(あそ)ばすは(いし)証文(しようもん)(いは)(はん)()した(やう)なものですよ。043肝腎(かんじん)女房(にようばう)(わす)れるやうな先生(せんせい)だから弟子(でし)(わたし)(たち)をお(わす)れになる(くらゐ)(なん)でもないでせう。044一人(ひとり)途中(とちう)()つとけぼりを(くら)はされては、045それこそ……本当(ほんたう)つれないわ、046本当(ほんたう)につれないわ』
047『アハヽヽヽ、048怪体(けたい)(をとこ)だな、049河鹿峠(かじかたうげ)(さる)(れい)()いたと()えるわい。050エーエ、051(こま)つた人足(にんそく)()れて()たものだ。052一層(いつそう)(こと)053五十子姫(いそこひめ)のお(かへ)りの(とき)五三公(いそこう)(たもと)(なか)()れて()()(やう)(たもと)(さき)(つる)ででも(くく)つて(かへ)りて(もら)雪隠(せんち)(すみ)にでも()つといて(もら)はうかな。054アハハヽヽ』
055 万公(まんこう)056晴公(はるこう)今迄(いままで)治国別(はるくにわけ)(きび)しき命令(めいれい)()れぬ()無理(むり)(ふさ)ぎ、057(わざ)とに高鼾(たかいびき)をかき、058寝真似(ねまね)をしてゐたが、059(あま)りの可笑(をか)しさに両人(りやうにん)一度(いちど)()()し、
060『ギヤツハヽヽヽギユツフヽヽヽ』
061万公(まんこう)062晴公(はるこう)063治国別(はるくにわけ)()真似(まね)をして()せてゐたのだな、064仕方(しかた)のない(をとこ)ばかりだな』
065本当(ほんたう)(をとこ)ばかりでは仕方(しかた)がありませぬ、066殺風景(さつぷうけい)なものですよ。067あの(ほこら)近辺(きんぺん)御覧(ごらん)なさいませ。068五十子姫(いそこひめ)(さま)今子姫(いまこひめ)(さま)069仲々(なかなか)仕方(しかた)がたつぷりありますよ。070こりや万公(まんこう)071晴公(はるこう)072いい加減(かげん)(たぬき)代理(だいり)はよしにして先生(せんせい)のお(とも)(まゐ)(ほこら)(まへ)(はる)(やう)気分(きぶん)御相伴(おしやうばん)しようぢやないか。073斎苑(いそ)(やかた)をたつてから異性(いせい)(にほひ)()いだ(こと)もなく、074殺風景(さつぷうけい)場面(ばめん)ばかり、075(こころ)()()()てた(ところ)春陽(しゆんやう)()(ただよ)絶世(ぜつせい)のナイスがやつてきたのだから(なん)とはなしに上気分(じやうきぶん)だ。076エーン、077いい加減(かげん)(もり)出立(しゆつたつ)してホコラ(そこら)あたりを五三公(いそこう)(とも)迂路(うろ)つかうぢやないか』
078万公(まんこう)さまの御耳(おみみ)には、079(なん)だか(ほこら)近辺(きんぺん)には笑声(せうせい)()きたつて()るやうに()こへて(たま)らないがナア』
080『それだから小生(せうせい)人間(にんげん)処世(しよせいはふ)(わら)ふに(かぎ)る、081(わら)ひは天国(てんごく)(もん)(ひら)捷径(せふけい)だと()つてゐるのだよ。082さア先生(せんせい)083五三公(いそこう)(とも)(まゐ)りませう。084貴方(あなた)(ひさ)()りで五十子姫(いそこひめ)(さま)にお()ひになつても、085あまり(わる)()(いた)しますまいぜ。086義理(ぎり)(ねえ)さまぢやありませぬか。087やがて松公(まつこう)さまも伊太公(いたこう)()れて(かへ)つて()られませうから兄弟(きやうだい)対面(たいめん)間近(まぢか)(せま)つたりと()ふもの、088さア(はや)御輿(みこし)をお()げなさいませ。089如何(いか)重々(おもおも)しいのが宣伝使(せんでんし)威厳(ゐげん)だと()つても、090さう(しり)(おも)たくては千変万化(せんぺんばんくわ)活動(くわつどう)出来(でき)ませぬぞや』
091『アハヽヽヽそンなら三人(さんにん)部下(ぶか)擁立(ようりつ)されて治国別(はるくにわけ)危険(きけん)区域(くゐき)出陣(しゆつぢん)しようかな』
092『(芝居(しばゐ)口調(くてう)早速(さつそく)御承知(ごしようち)093五三公(いそこう)()にとり、094光栄(くわうえい)至極(しごく)(ぞん)じます。095(しか)らば(わたし)先登(せんとう)()つて御案内(ごあんない)096あいや、097万公(まんこう)098晴公(はるこう)治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)前後(ぜんご)(まも)(わが)(あと)(したが)つて()よ。099(した)に (した)に (した)に』
100(つゑ)(もつ)四辺(あたり)(はら)(なが)(ほこら)をさして(くだ)(すす)む。
101 治国別(はるくにわけ)(やうや)祠前(しぜん)(すす)み、102拝礼(はいれい)(をは)つた(のち)
103玉国別(たまくにわけ)(さま)104塩梅(あんばい)如何(いかが)でございますか。105これはこれは五十子姫(いそこひめ)(さま)106ようまアおいで(くだ)さいました。107やア(これ)(わたし)一安心(ひとあんしん)108(まこと)玉国別(たまくにわけ)(さま)はお()(どく)(ござ)りました』
109治国別(はるくにわけ)(さま)110(をつと)色々(いろいろ)(ふか)いお世話(せわ)になりましてお(れい)(まを)しやうも(ござ)りませぬ。111吾々(われわれ)夫婦(ふうふ)改心(かいしん)のため神様(かみさま)()()まさして(くだ)さつたので(ござ)りませう。112(おも)へば(おも)へば(じつ)有難(ありがた)御神徳(ごしんとく)(いただ)きました』
113今子姫(いまこひめ)(さま)114治国別(はるくにわけ)(ござ)りますよ、115御苦労(ごくらう)でしたな。116(さぞ)(つか)れになつたでせう』
117『エヘヽヽヽ(をんな)()ふものは結構(けつこう)(もの)だな。118玉国別(たまくにわけ)(さま)一寸(ちよつと)義理一遍(ぎりいつぺん)簡単(かんたん)御挨拶(ごあいさつ)119それから異性(いせい)五十子姫(いそこひめ)(さま)(たい)しては(いた)れり(つく)せりの親切(しんせつ)()り、120(その)余波(よは)今子姫(いまこひめ)(さま)へタツプリ(あび)せかけ、121いやもう抜目(ぬけめ)のない先生(せんせい)のやり(かた)122五三公(いそこう)(をんな)(うま)れて()たらモチト(ぐらゐ)やさしい言葉(ことば)をかけて(いただ)くのだけどな。123五十子姫(いそこひめ)五三公(いそこう)との間違(まちが)ひで、124(これ)(ほど)社会(しやくわい)待遇(たいぐう)(かは)るものかな』
125 五十子姫(いそこひめ)()()だし、
126『オホヽヽヽ(なん)面白(おもしろ)い、127治国別(はるくにわけ)(さま)同勢(どうぜい)()れて()なさいますこと、128屹度(きつと)道中(だうちう)弥次喜多(やじきた)気分(きぶん)(ただよ)うて愉快(ゆくわい)(こと)(ござ)りませう』
129()(かく)神様(かみさま)(おん)()めに活動(くわつどう)する(くらゐ)130(たの)しい(こと)(ござ)りませぬ。131()いては此処(ここ)(ひと)()ふに()はれぬ有難(ありがた)(こと)(わたし)()突発(とつぱつ)(いた)しました』
132()くより五十子姫(いそこひめ)(おどろ)きの(いろ)をなして、
133『それは(なに)より結構(けつこう)(ござ)ります。134さうして、135その(うれ)しい(こと)とは(なん)(ござ)りますか、136(はや)()かして(くだ)さりませ』
137 治国別(はるくにわけ)は「ハイ」と()つて(くび)()れてゐる。
138先生様(せんせいさま)(かは)つて五三公(いそこう)報告(はうこく)(にん)(あた)りませう。139治国別(はるくにわけ)(さま)御兄弟(ごきやうだい)対面(たいめん)()さいました。140それはそれは立派(りつぱ)(おとうと)さまがお()りなさるのですよ。141しかも片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)秘書役(ひしよやく)ですから随分(ずゐぶん)立派(りつぱ)(かた)ですわ。142人品骨柄(じんぴんこつがら)()ひ、143(その)容貌(ようばう)()ひ、144先生様(せんせいさま)瓜二(うりふた)つですもの』
145(なに)146御兄弟(ごきやうだい)御対面(ごたいめん)(あそ)ばしましたと、147それはそれはお目出度(めでた)(こと)(ござ)ります。148(しか)(なが)らバラモン(けう)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)秘書役(ひしよやく)とは不思議(ふしぎ)ぢや(ござ)りませぬか。149運命(うんめい)とか()(かみ)()人間(にんげん)翻弄(ほんろう)されて()るやうなものですな。150如何(どう)かして三五教(あななひけう)御帰順(ごきじゆん)(あそ)ばし兄弟(きやうだい)(そろ)うて御神業(ごしんげふ)にお(つく)(あそ)ばすことは出来(でき)ぬもので(ござ)りませうか』
151(やや)心配(しんぱい)げに治国別(はるくにわけ)(かほ)()つめる。
152惟神(かむながら)御摂理(ごせつり)によつて都合(つがふ)よくして(くだ)さるでせう。153伊太公(いたこう)さまの所在(ありか)(たづ)ねて(まゐ)りましたから、154やがて(おとうと)帰順(きじゆん)(うへ)155ここへ(かへ)つて()るでせう』
156伊太公(いたこう)さまは何処(どこ)()きましたか。157バラモンの()にでも、158(とら)はれたのぢや(ござ)りますまいかな』
159五十子姫(いそこひめ)()れぬ顔色(かほいろ)()るや治国別(はるくにわけ)は、
160『ハイ伊太公(いたこう)はバラモンの軍人(いくさびと)(とら)へられ、161清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)幽閉(いうへい)されて()りますのを(わたし)(おとうと)改心(かいしん)帰順(きじゆん)結果(けつくわ)162神様(かみさま)御奉公(ごほうこう)(はじ)めに伊太公(いたこう)さまを、163とり(かへ)しに()つたので(ござ)ります。164伊太公(いたこう)さまを首尾(しゆび)()()(かへ)(まで)(この)治国別(はるくにわけ)兄弟(きやうだい)名乗(なの)りを(ゆる)さない覚悟(かくご)(ござ)ります』
165()(をは)つて(なみだ)ぐむ。
166 ()(はな)(をり)しも谷道(たにみち)下方(かはう)より四五人(しごにん)人声(ひとごゑ)(きこ)()たる。167玉国別(たまくにわけ)(その)人声(ひとごゑ)(みみ)(そばた)てバラモン(けう)残党(ざんたう)襲来(しふらい)(あら)ずやと(むね)(をど)らし()(かま)()る、168(かか)(ところ)伊太公(いたこう)(ともな)(かへ)(きた)れるは松公(まつこう)169竜公(たつこう)(ほか)数人(すうにん)なりける。170松公(まつこう)(ほこら)(まへ)合掌(がつしやう)感謝(かんしや)神言(かみごと)奏上(そうじやう)(をは)つて一同(いちどう)(むか)(うやうや)しく(れい)(ほどこ)治国別(はるくにわけ)(まへ)(すす)()で、
171宣伝使様(せんでんしさま)172松公(まつこう)(ござ)ります。173(かげ)(もつ)伊太公(いたこう)(さま)(むか)へて(まゐ)りました』
174『それは御苦労(ごくらう)感謝(かんしや)する。175まづゆるゆると休息(きうそく)して(くだ)さい。176伊太公(いたこう)さま、177(さぞ)(こま)りでしたらう。178(さつ)(まを)します』
179 伊太公(いたこう)第一(だいいち)玉国別(たまくにわけ)(むか)つて(なみだ)(とも)挨拶(あいさつ)(をは)五十子姫(いそこひめ)180今子姫(いまこひめ)(その)()(たい)感謝(かんしや)(なみだ)(たた)無事(ぶじ)(しゆく)し、181治国別(はるくにわけ)(むか)(かたち)(あらた)め、
182神様(かみさま)御恵(みめぐみ)松公(まつこう)183竜公(たつこう)さまのお(かげ)によりまして無事(ぶじ)先生(せんせい)のお(そば)(かへ)(こと)()ました。184有難(ありがた)御礼(おんれい)(まを)()げます』
185貴方(あなた)壮健(さうけん)なお(かほ)()治国別(はるくにわけ)安心(あんしん)(いた)しました。186(かげ)(おとうと)公然(こうぜん)対面(たいめん)出来(でき)るやうになりました。187あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
188合掌(がつしやう)する。
189『もし先生(せんせい)190道公(みちこう)一行(いつかう)はもとの森蔭(もりかげ)転宅(てんたく)(いた)しませうか。191兄弟(きやうだい)御対面(ごたいめん)につきまして(いづ)海山(うみやま)(はなし)がありませう。192貴方(あなた)五十子姫(いそこひめ)(さま)御面会(ごめんくわい)(とき)治国別(はるくにわけ)(さま)()()かしてあの森蔭(もりかげ)()つて()(くだ)さつたのですから、193此方(こちら)(その)返礼(へんれい)にしばらく(この)(まく)()()げようぢやありませぬか。194ねえ五十子姫(いそこひめ)(さま)195さうでせう』
196旦那様(だんなさま)197(わたし)()()いて()げますから、198あの森蔭(もりかげ)(まで)遠慮(ゑんりよ)(いた)しませう』
199(べつ)(をとこ)(をとこ)との兄弟(きやうだい)(ひさ)()りに(めぐ)()うたのですから、200(また)夫婦(ふうふ)御面会(ごめんくわい)とは模様(もやう)(ちが)ひます。201何卒(なにとぞ)御遠慮(ごゑんりよ)()りませぬから、202ここに()(くだ)さいな』
203伊太公(いたこう)(まへ)如何(どう)だつた。204随分(ずゐぶん)(こま)つたらうな。205玉国別(たまくにわけ)()(こと)()かずに血気(けつき)(ゆう)(ふる)つて()()すものだから(みんな)のお(かた)心配(しんぱい)をかけたのだよ。206これからは()をつけて(もら)はねば(こま)るよ』
207『はい、208(まこと)申訳(まをしわけ)(ござ)りませぬ。209(いた)つて(いた)らぬ伊太公(いたこう)210(この)()屹度(きつと)心得(こころえ)211自由(じいう)行動(かうどう)今日(けふ)(かぎ)(いたち)道切(みちぎ)れといたちます』
212『アハヽヽヽ何処迄(どこまで)気楽(きらく)(をとこ)だなア、213道公(みちこう)(わたし)もあきれて(しま)ひました。214先生(せんせい)215此奴(こいつ)はもう脈上(みやくあが)りですよ。216こんながらがらを(たび)につれて(ある)くのは(ひと)(かんが)(もの)です。217奥様(おくさま)のお(かへ)りの(とき)(ふところ)へでも()れて()つて(かへ)つて(いただ)いたら如何(どう)でせう』
218五十子姫(いそこひめ)だつて、219さう二人(ふたり)(かる)(をとこ)(ふところ)()れて(かへ)るのは(こま)ります。220ねえ今子(いまこ)さま』
221『あの五十子姫(いそこひめ)(さま)(よわ)(こと)仰有(おつしや)りますこと、222今子(いまこ)歯痒(はが)ゆくなりましたワ。223(をとこ)三人(さんにん)五人(ごにん)(かみ)()一筋(ひとすぢ)あればつないで(かへ)れるぢやありませぬか。224現代(げんだい)(をとこ)はまるで()(やう)なものですからな。225ホヽヽヽヽ』
226此奴(こいつ)()しからぬ。227()(をんな)侮辱(ぶじよく)されては伊太公(いたこう)男子(だんし)廃業(はいげふ)したくなつて()たわい』
228 治国別(はるくにわけ)言葉(ことば)(あらた)めて、
229今日(けふ)より松公(まつこう)治国別(はるくにわけ)(おとうと)230竜公(たつこう)さまは義理(ぎり)(おとうと)231何卒(どうぞ)(みな)さまと一緒(いつしよ)仲良(なかよ)うして神業(しんげふ)(つく)して(もら)()い』
232 (まつ)233(たつ)両人(りやうにん)はハツとばかりに(うれ)(なみだ)(むせ)(かしら)得上(えあ)げず大地(だいち)(しやが)みて俯向(うつむ)()る。
234(みな)さまに御免(ごめん)(かうむ)つて治国別(はるくにわけ)其方(そなた)(わか)れし(のち)のアーメニヤの状況(じやうきやう)(くは)しく()かして()れないか。235さうして其方(そなた)如何(どう)()手続(てつづ)きでバラモン(けう)這入(はい)つたのか。236その動機(どうき)()かして(もら)()い』
237兄上様(あにうへさま)がアーメニヤの神都(しんと)より宣伝使(せんでんし)となつて竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)られた(のち)238バラモン(けう)一派(いつぱ)(おそ)はれ刹帝利(せつていり)239浄行(じやうぎやう)(はじ)毘舎(びしや)240首陀(しゆだ)四族(しぞく)四方(しはう)散乱(さんらん)()()てられぬ大惨事(だいさんじ)突発(とつぱつ)しました。241大宜津姫(おほげつひめ)(さま)がコーカス(ざん)から敗亡(はいばう)(てい)()(かへ)つて()られてから()もない疲弊(ひへい)(きず)()()らない(ところ)だから、242(たちま)神都(しんと)防禦力(ばうぎよりよく)(うしな)常世(とこよ)(くに)へウラル(ひこ)243ウラル(ひめ)(さま)一族(いちぞく)(その)姿(すがた)(かく)(たま)諸司百官(しよしひやくくわん)庶民(しよみん)住宅(ぢうたく)()(ほろ)ぼされ、244ウラル(がは)(ほと)りに武士(ぶし)(やかた)(すこ)(ばか)(のこ)されたのみ。245離々(りり)たる原上(げんじやう)(くさ)246累々(るゐるゐ)たる白骨(はくこつ)(くさむら)(まと)はれて、247ありし(むかし)(みやこ)(おもかげ)()えず蓮府槐門(れんぷくわいもん)貴勝(きしよう)(はじ)毘舎(びしや)(ぞく)(いた)るまでウラル(がは)()(とう)じて水屑(みくづ)となつたものも沢山(たくさん)にあり、248(なか)には遠国(ゑんごく)()()田夫野人(でんぷやじん)(いや)しきに()()(あるひ)山奥(やまおく)片田舎(かたいなか)(しの)(かく)れて桑門竹扉(さうもんちくひ)詫住居(わびずまゐ)する貴勝(きしよう)()果敢(はか)なさ。249(よる)(ころも)(うす)くして(あかつき)(しも)(つめ)たく朝餉(あさげ)(けぶり)()えて首陽(しゆやう)()する(ひと)(すくな)からず。250その(なか)にも(わたし)父母(ふぼ)兄弟(きやうだい)生別(いきわか)れ、251死別(しにわか)れの憂目(うきめ)()ひ、252(ひろ)天下(てんか)当所(あてど)もなく漂流(へうりう)する(うち)バラモン(けう)片彦(かたひこ)見出(みいだ)され、253(こころ)ならずも兄様(にいさま)所在(ありか)(さぐ)るを唯一(ゆゐいつ)目的(もくてき)として今日(けふ)まで()(おく)つて(まゐ)りました。254アヽ有難(ありがた)大神様(おほかみさま)御引合(おひきあは)せ、255コンナ(うれ)しい(こと)(ござ)りませぬ』
256(そで)(なみだ)(しぼ)る。
257 一同(いちどう)松公(まつこう)物語(ものがたり)()(かん)()たれてすすり()きするものさへありき。258()段々(だんだん)()(わた)り、259(つき)黒雲(こくうん)(つつ)まれ、260(たちま)四面(しめん)暗黒(あんこく)(とばり)(ふか)()ろされぬ。261山猿(やまざる)(さけ)(こゑ)262彼方(かなた)此方(こなた)谷間(たにま)より消魂(けたたま)しく(ひび)(きた)る。
263大正一一・一二・七 旧一〇・一九 北村隆光録)
   
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