霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 不眠症(ふみんしやう)〔一一七四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第1篇 神示の合離 よみ(新仮名遣い):しんじのごうり
章:第5章 不眠症 よみ(新仮名遣い):ふみんしょう 通し章番号:1174
口述日:1922(大正11)年12月07日(旧10月19日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台:祠の森 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
祠の前で見張りをしていた五十公は、イル、イク、サールたちがヨル、テル、ハルの新顔を連れてきたので治国別を起こした。治国別は早くも、バラモン教の落ち武者であろうと察している。
治国別は新客の三人に目通りするために、寝所を離れて祠の前にやってきた。ヨルは酔った勢いで調子に乗ってバラモン教を抜け出したいきさつを語り始める。テルとハルは治国別に投降と帰順を申し出た。治国別は三人の帰順を許した。
道公と伊太公は物音に目をさまし、祠の様子を見に行こうと掛け合いを始めた。純公、万公も目をさまし、治国別が行ったのだから大丈夫だと安眠を勧めた。五十子姫、玉国別も歌を歌い、ふたたび眠りについた。そうするうちに夜は明けてきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-01-18 12:34:39 OBC :rm4405
愛善世界社版:57頁 八幡書店版:第8輯 160頁 修補版: 校定版:58頁 普及版:28頁 初版: ページ備考:
001 治国別(はるくにわけ)002玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)(ほこら)(まへ)立出(たちい)で、003上方(じやうはう)以前(いぜん)(もり)(かげ)(おのおの)(みの)()野宿(のじゆく)なしゐる。004そこへ(ほこら)(まへ)見張(みは)りをさして()いた五三公(いそこう)はいそいそとして(はし)(きた)り、
005五三公『もしもし、006治国別(はるくにわけ)先生(せんせい)007(にはか)にお(きやく)さまが()えました。008どう(いた)しませうか』
009 (この)(こゑ)治国別(はるくにわけ)不図(ふと)()()まし、
010治国別(この)(やま)(なか)でお(きやく)さまを(むか)へた(ところ)仕方(しかた)がない。011(しか)(なが)(その)(きやく)()ふのは如何(いか)なる(ひと)か。012大方(おほかた)バラモン(けう)落武者(おちむしや)であらうなア』
013五三公『ハイ、014(さつ)しの(とほ)りバラモン(けう)先生(せんせい)(さん)(にん)やつて()ました。015さうして()()いた(やつ)沢山(たくさん)葡萄酒(ぶだうしゆ)山籠(やまかご)一杯(いつぱい)つめ()()()りますぜ。016大方(おほかた)(どく)でも(はい)つてゐるのかと(おも)ひ、017(つめ)をとつて()つて()(をとこ)毒味(どくみ)をさして()ましたが大丈夫(だいぢやうぶ)です。018(なん)でも一人(ひとり)(あたま)(ひか)つた若年寄(わかどしより)()(やう)なテルと()(やつ)019(ひと)つは(あふぎ)をパツと(ひら)いた(やう)(うへ)ほど(あたま)のハルと()(やつ)020一人(ひとり)(あし)のヨボヨボしたヨロとかヨルとか()(やつこ)さまで(ござ)いますわい。021それはそれは(おつ)(こと)()ひますぜ。022(ひと)()つてやつて(くだ)さいませな』
023治国別『チツと(しづ)かにものを()はぬか。024(みな)さまがお(やす)みの邪魔(じやま)になるぢやないか。025さうして如何(いか)なる要件(えうけん)か、026それを()いたぢやらうな』
027五三公『まだ()いては()りませぬが、028委細(ゐさい)はイル、029イク、030サールの(さん)(にん)承知(しようち)してゐる(はず)です。031彼奴(あいつ)引張(ひつぱ)つて()たのですからな。032滅多(めつた)裏返(うらかへ)気遣(きづか)ひはありますまい、033()づイル、034イク、035サールの(さん)(にん)信用(しんよう)してやつて(くだ)さいませ』
036治国別()(かく)もここで()ふと(みな)さまの安眠(あんみん)妨害(ばうがい)になるから、037(ほこら)(まへ)(まで)出張(しゆつちやう)することにしようかな』
038五三公『ハイ、039()苦労(くらう)(なが)(よろ)しくお(ねが)(いた)します』
040()ふより(はや)五三公(いそこう)(よる)山坂道(やまさかみち)飛鳥(ひてう)(ごと)()(くだ)り、041(ほこら)(まへ)()つてゐる(ろく)(にん)(むか)ひ、042ハアハアと(いき)(はづ)ませ、
043五三公『おい、044イル、045イク、046サール、047テル、048ハル、049ヨル、050半打(はんダース)人間(にんげん)さま、051五三公(いそこう)さまの交渉(かうせふ)委員(ゐゐん)大成功(だいせいこう)だよ。052治国別(はるくにわけ)(さま)特別(とくべつ)(もつ)てお()にブラ(さが)つてやらうと仰有(おつしや)るのだ。053さア(いま)にも此処(ここ)()出張(しゆつちやう)になるのだから(えり)(ただ)し、054(からだ)(なほ)して(つつし)みてお(むか)へをするが()いぞ』
055ヨル『それは(まこと)早速(さつそく)()承知(しようち)056有難(ありがた)い、057ヨルの()うな(もの)にも()つて(くだ)さいますか、058これと()ふのも(まつた)(かみ)(さま)のお(かげ)だ』
059五三公(これ)()ふのも幾分(いくぶん)かは五三公(いそこう)さまのお(かげ)だと()つた(ところ)で、060あまり(もと)のきれる(はなし)ぢやないがな、061アハヽヽヽ』
062 ()(わら)(ところ)静々(しづしづ)足許(あしもと)()をつけ(なが)(しち)(にん)(まへ)(あら)はれたのは治国別(はるくにわけ)である。
063治国別『バラモンからお(いで)になつたお(きやく)さまとは、064(まへ)さまのことかな』
065 ヨルは(おそ)(おそ)(まへ)(すす)み、066(あたま)(ふた)()()(なが)ら、
067ヨル『ハイ、068(わたし)はランチ将軍(しやうぐん)恩顧(おんこ)()けてゐるヨルと(まを)(もの)(ござ)いますが、069(じつ)(ところ)は、070(おほい)(かん)ずる(ところ)があつて三五教(あななひけう)貴方(あなた)(さま)にお(ねが)ひの(すぢ)があつて遥々(はるばる)(まゐ)りました』
071治国別(ねが)ひの(すぢ)とは何事(なにごと)(ござ)るか』
072ヨル(じつ)(わたし)玉山峠(たまやまたうげ)(おい)三五教(あななひけう)言霊(ことたま)敬服(けいふく)(いた)し、073(また)もやクルスの(もり)(おい)ても言霊(ことたま)威力(ゐりよく)遁走(とんそう)し、074片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)先鋒隊(せんぽうたい)(また)(もろ)くも打破(うちやぶ)られたと()(こと)()くより、075信仰(しんかう)基礎(どだい)がぐらつき()し、076これやどうしても吾々(われわれ)(しん)ずる(かみ)宇宙(うちう)根本(こんぽん)(かみ)でない。077(かみ)のために(はたら)戦争(いくさ)(これ)()負続(まけつづ)けては、078(なに)かの原因(げんいん)がなくてはならぬ。079ここは(おほ)いに(かんが)ふべき(ところ)だと沈思(ちんし)黙考(もくかう)結果(けつくわ)080三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)することに()めたので(ござ)ります。081それについてバラモン(けう)のランチ将軍(しやうぐん)部下(ぶか)に、082(もつと)もバラモンに熱心(ねつしん)にして()頑固(ぐわんこ)身霊(みたま)(きこ)えあるテル、083ハルの両人(りやうにん)帰順(きじゆん)させ、084(これ)(わたし)のお土産(みやげ)として葡萄酒(ぶだうしゆ)()へて()()つて(まゐ)りました。085何卒(どうぞ)この(こう)(めん)じて今迄(いままで)三五教(あななひけう)抵抗(ていかう)した(つみ)をお(ゆる)しの(うへ)086貴方(あなた)のお弟子(でし)(くは)へて(もら)()いもので(ござ)ります』
087治国別三五教(あななひけう)(まけ)るのも()つのも、088バラモン(けう)(まけ)るのも()つのも(みんな)(かみ)(さま)()摂理(せつり)だ。089一度(いちど)二度(にど)(いくさ)勝負(しようぶ)によつて(かみ)(ちから)(ため)すと()(こと)僣越(せんえつ)沙汰(さた)でせう。090それ(くらゐ)薄弱(はくじやく)基礎(きそ)(もと)入信(にふしん)するやうの(ひと)ならば、091(この)(さき)三五教(あななひけう)不幸(ふかう)にして(まけ)(とき)矢張(やつぱり)バラモン(けう)(かみ)(はう)(えら)いと()つて、092(くびす)(かへ)逆転(ぎやくてん)せなくてはなりますまい。093そンなに()(かは)るお(かた)三五教(あななひけう)には()りませぬからな』
094ヨル(なん)とまア、095(むつ)かしい(をしへ)(ござ)りますな。096(けつ)してさう()軽佻(けいてう)浮薄(ふはく)吾々(われわれ)では(ござ)りませぬ。097これにはいろいろの動機(どうき)(ござ)ります。098(ただ)戦争(せんそう)(はなし)をしたのは()参考(さんかう)のために、099一部分(いちぶぶん)理由(りいう)申上(まをしあ)げたに()ぎませぬ。100第一(だいいち)テル、101ハルの(ごと)没暁漢(わからずや)改心(かいしん)させたのを証拠(しようこ)何卒(どうぞ)102入信(にふしん)のお(ゆる)しを(ねが)ひます』
103治国別『ハア……』
104テル『モシ宣伝使(せんでんし)(さま)105(この)ヨルの()(こと)(あて)になりませぬよ。106(じつ)(ところ)(この)ハルと(わたし)両人(りやうにん)守衛(しゆゑい)(つと)めテルと、107あまり(さむ)うて退屈(たいくつ)なので職務(しよくむ)不忠実(ふちうじつ)とは(おも)(なが)一寸(ちよつと)一杯(いつぱい)聞召(きこしめ)して()(ところ)へ、108(こは)(かほ)して(この)ヨルさまが見廻(みまは)りにやつて()て「こりやこりやその(はう)(たち)両人(りやうにん)は、109バラモン(がみ)大黒主(おほくろぬし)(さま)(おん)(こと)(わる)(まを)し、110三五教(あななひけう)()めて()つたぢやないか。111()しからぬ代物(しろもの)だから、112これから両人(りやうにん)面縛(めんばく)して片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)面前(めんぜん)引立(ひきた)ててくれむ」と威猛高(ゐたけだか)になり、113それはそれは大変(たいへん)(にら)(かた)(ござ)りました。114そこを吾々(われわれ)両人(りやうにん)がうまく(さけ)()()み、115(どろ)()かして()れば、116此奴(こいつ)矢張(やつぱり)(こころ)(そこ)三五教(あななひけう)天国(てんごく)(ひら)けて()ると()え、117(よひ)がまはるにつけバラモン(けう)をこき()ろすので、118此奴(こいつ)大丈夫(だいぢやうぶ)だと、119ヘベレケに()うたズブ(ろく)さまを駕籠(かご)()せて、120ここ(まで)(あが)つて()たので(ござ)ります。121このテルだつて(けつ)してヨルの()(やう)(わる)人間(にんげん)では(ござ)りませぬ。122(また)123それほどバラモンに熱心(ねつしん)なものでも(ござ)りませぬから、124()安心(あんしん)なすつて(くだ)さいませ。125なア、126ハル、127それに間違(まちがひ)ないな』
128 ハルは(あと)()いで、
129ハル『テル(こう)()つた(とほ)一分(いちぶ)一厘(いちりん)相違(さうゐ)(ござ)りませぬ。130貴方(あなた)もヤンチヤの氏子(うぢこ)()えたと(おも)つて何卒(どうぞ)大目(おほめ)()(ひろ)()げて(くだ)さいませえな』
131治国別(はるくにわけ)敵味方(てきみかた)(かき)(つく)りて(あらそ)ふは
132(とり)(けだもの)仕業(しわざ)なるらむ。
133天地(あめつち)(つく)(たま)ひし皇神(すめかみ)
134()(なほ)すらむ(しこ)枉事(まがこと)
135三五(あななひ)(みち)(たづ)ねて()(ひと)
136つれなくやらふ(みち)しなければ。
137()(きた)るテル、ハル、ヨルの三柱(みはしら)
138生言霊(いくことたま)()(つた)へせむ。
139(いま)よりは(まこと)(かみ)(うぢ)()
140なりて(つく)せよ世人(よびと)()めに』
141ヨル『有難(ありがた)(こころ)(はな)(ひら)くなる
142治国別(はるくにわけ)(いづ)言霊(ことたま)
143今日(けふ)よりは(こころ)(あか)()(はら)
144(やす)(たの)しく(みち)(つか)へむ』
145テル『(かぎ)りなき(めぐ)みの(つゆ)四方(よも)(くに)
146(うるほ)(わた)るテルの神国(かみくに)
147テルと()ふは(そら)(かがや)日月(じつげつ)
148(ひかり)ばかりか(わが)(かしら)もてる』
149ハル『ハル()ぎて(なつ)()(あき)(また)()ぎて
150みたまの(ふゆ)(かかぶ)りにける。
151皇神(すめかみ)恩頼(みたまのふゆ)()けむとて
152(つゆ)生命(いのち)(なが)らへてけり』
153イル『大神(おほかみ)(すく)ひの(みち)(すす)みイル
154(われ)(たの)しき身魂(みたま)なりけり』
155サール『腹帯(はらおび)(いま)やしつかり()(なほ)
156世人(よびと)のために(まこと)(つく)さむ。
157()(みだ)(まが)もサールの神言(かみごと)
158言向和(ことむけやは)(きみ)(たふと)き。
159清春(きよはる)(やま)(とりで)にさし(こも)
160(さと)()たりし三五(あななひ)(みち)
161松公(まつこう)竜公(たつこう)さまの御教(みをしへ)
162バラモン(ぐも)()(わた)りける』
163治国別(はるくにわけ)(われ)(いま)八岐(やまた)大蛇(をろち)(すく)いたる
164ハルナに()かむ(みち)()にこそ。
165さり(なが)らハルナの(くに)はいと(とほ)
166(もも)山河(やまかは)(よこ)たはりあれば』
167ヨル『夜昼(よるひる)(こころ)(かぎ)()(かぎ)
168(まが)とは()らず(つく)()にけり。
169今日(けふ)よりは(こころ)(こま)()(なほ)
170(すめ)大神(おほかみ)正道(まさみち)()る』
171 (はなし)(かは)つて(もり)木蔭(こかげ)(やす)ンでゐた道公(みちこう)172伊太公(いたこう)二人(ふたり)()()まし()(あが)り、
173伊太公『オイ、174道公(みちこう)さま、175(ほこら)(まへ)には(また)もや活劇(くわつげき)悠々(いういう)(はじ)まつてるのぢやあるまいかな。176(ひと)つそつと()つて()たらどうだらう』
177道公『さうだな伊太公(いたこう)178(なん)とはなしに(さわ)がしい(やう)だ。179(しか)吾々(われわれ)(たい)急用(きふよう)があれば先生(せんせい)()ンで(くだ)さるだらうよ。180まアじつくりとしたが()からう』
181伊太公『まづ(おれ)偵察(ていさつ)()つて()るから道公(みちこう)(まへ)はここに()つてゐてくれぬか』
182道公『そいつは御免(ごめん)だ。183(また)(この)(あひだ)(やう)清春山(きよはるやま)につれて()かれちや(おれ)(たち)迷惑(めいわく)だから……もし(この)道公(みちこう)が、184(あや)しいものだつたら独特(どくとく)哄笑器(こうせうき)()して(この)(あひだ)のやうに(わら)()らしてやるのだ。185まア()つてくれ。186(おれ)()つて()る』
187伊太公(わら)()らしたと(おも)へば宣伝使(せんでんし)(さま)(おとうと)ぢやなかつたか。188そンな他愛(たあい)もない(こと)なら、189伊太公(いたこう)だつて一旦(いつたん)痛手(いたで)()うた(うへ)充分(じゆうぶん)注意(ちうい)をして()るから大丈夫(だいぢやうぶ)だよ。190(おれ)でも(わら)()らし(くらゐ)出来(でき)るよ』
191道公『そンなら道公(みちこう)道案内(みちあんない)をしてやらう。192貴様(きさま)はどうしても捕虜(ほりよ)身魂(みたま)()いて()るから駄目(だめ)だ。193三間(さんげん)ばかり(あと)から(おれ)()いて()い。194もし(あや)しい(こと)でもあつたら一生(いつしやう)懸命(けんめい)(はし)つて()るのだ』
195伊太公大変(たいへん)信用(しんよう)(おと)したものだな。196(しか)(かみ)(さま)には信用(しんよう)()けて()るのだから安心(あんしん)だ。197(ひと)つここから、198治国別(はるくにわけ)(さま)(ちが)ひないから、199呶鳴(どな)つて()たらどうだらう』
200道公馬鹿(ばか)()ふない。201(おほ)きな(こゑ)()しちや(みな)()()めるぞ。202治国別(はるくにわけ)(さま)が、203道公(みちこう)()()まして()いて()れば(おれ)(やす)ンで()るものと(おも)ひ、204五三公(いそこう)一緒(いつしよ)にひそひそと(はな)して()られたが、205(なん)でも何々(なになに)何々(なになに)()()るのかも()れぬぞ』
206伊太公『さうすると道公(みちこう)(やす)ンでゐる(やう)(かほ)して()きて()たのだな』
207道公(おれ)(この)(ごろ)流行(はや)不眠症(ふみんしやう)とかに(かか)つてゐるのだが、208(よる)になると()()えて神経(しんけい)興奮(こうふん)して一寸(ちよつと)や、209そつとには(ねむ)られぬのだよ。210道公(みちこう)(じつ)ふびんなものだ。211アハヽヽヽ』
212純公『オイ両人(りやうにん)213そつと()かぬといかないぞ。214純公(すみこう)さまが()()ましちや()(どく)だからな』
215伊太公『アハヽヽヽ(なに)()ふのだ。216()()ましておりやこそ(しやべ)つて()るのぢやないか』
217純公純公(すみこう)肉体(にくたい)()()るが、218(おれ)一寸(ちよつと)(ゆめ)()てゐるのだ』
219伊太公(ゆめ)だか(うつつ)だか、220馬鹿(ばか)だか、221悧巧(りかう)だか、222一寸(ちよつと)測量(そくりやう)出来(でき)ない代物(しろもの)だな』
223純公国治立(くにはるたちの)(みこと)(さま)ぢやないが、224スになりましてすみきり(たま)ふと()立派(りつぱ)身魂(みたま)だから、225人間(にんげん)(ぐらゐ)智慧(ちゑ)純公(すみこう)さまの智慧(ちゑ)がどうして測量(そくりやう)する(こと)出来(でき)るものかい。226人間(にんげん)測量(そくりやう)出来(でき)(やう)なものは最早(もはや)(かみ)でも(なん)でもない。227チヤンときまりきつた相場(さうば)がついてゐるのだ。228馬鹿(ばか)とも阿呆(あはう)とも(わか)らぬ(ところ)に、229純公(すみこう)さまの神格(しんかく)縦横(じうわう)無尽(むじん)活躍(くわつやく)してるのだよ。230それだから(この)純公(すみこう)さまは(すみ)にも()けないと、231何時(いつ)だつたかな、232五十子(いそこ)(ひめ)さまがお()(あそ)ばした(こと)があるよ』
233伊太公『それは大方(おほかた)(ゆめ)だつたらう。234なア道公(みちこう)235こンな(をとこ)()めるとは、236五十子(いそこ)(ひめ)さまも一寸(ちよつと)如何(どう)かしてるぢやないか。237さうぢやなければ純公(すみこう)さまが(ゆめ)()たのかも()れぬぜ』
238純公人間(にんげん)(ゆめ)(なか)(ゆめ)()てゐるのだよ。239そんな(こと)大体(だいたい)240本当(ほんたう)()てゐるのが馬鹿(ばか)だ。241(ひと)正邪(せいじや)賢愚(けんぐ)(わか)るものかい。242()して()ちた真珠(しんじゆ)(こほり)()つた(やう)肉眼(にくがん)では外面(ぐわいめん)だけでも観察(くわんさつ)する(こと)不可能(ふかのう)だ。243(いは)ンや身内(しんない)()ける清浄(せいじやう)無垢(むく)有為(いうゐ)精神(せいしん)(おい)てをやだ』
244万公『オイ、245ガラクタ(ども)246(なに)八釜(やかま)しく()ふのだい。247いい加減(かげん)(やす)まないかい、248万公(まんこう)さまの(おれ)第一(だいいち)249晴公(はるこう)さまは(まを)すに(およ)ばず、250五十子(いそこ)(ひめ)(さま)251今子姫(いまこひめ)(さま)252玉国別(たまくにわけ)(さま)()迷惑(めいわく)だ。253さアさア()たり()たり。254治国別(はるくにわけ)さまが()出張(しゆつちやう)になつてゐるのだから大丈夫(だいぢやうぶ)だよ。255吾々(われわれ)(ごと)小童子(こつば)武者(むしや)()きて()つても(なん)になるものか。256起床(きしやう)喇叭(ラツパ)()るまで神妙(しんめう)就寝(しうしん)するのだな』
257伊太公『いや仕方(しかた)がない。258それもさうだ、259道公(みちこう)260純公(すみこう)261万公(まんこう)()やうかい。262もう夜明(よあ)けに()もあるまいし、263只今(ただいま)()(この)時間(じかん)万劫(まんご)末代(まつだい)取返(とりかへ)(こと)出来(でき)ぬのだから、264(おも)ひきつて(やす)まうぢやないか、265伊太公(いたこう)(ねむ)いからのう』
266五十子(いそこ)(ひめ)玉国別(たまくにわけ)(かみ)(みこと)のいたづきも
267()(しづ)まりて(つき)(かがや)く。
268皇神(すめかみ)(めぐみ)(つゆ)()(なが)
269(かぜ)()かれて()ぬる(うれ)しさ』
270 玉国別(たまくにわけ)()()まし、
271玉国別大空(おほぞら)(かがや)(わた)(つき)(たま)
272国別(くにわ)(わた)らし(すす)(たふと)さ。
273治国別(はるくにわけ)(かみ)(みこと)雄々(をを)しくも
274(しこ)(つかさ)(をし)()ますか。
275(われ)(また)(かみ)(つかさ)(えら)まれて
276(きた)りし(うへ)(すく)はでおくべき。
277(みぎ)()(わが)いたづきも()まりけり
278(つき)御神(みかみ)(かげ)()びしより』
279 ()(うた)ふうちに十七夜(じふしちや)(つき)西天(せいてん)色褪(いろあ)せ、280(かささぎ)(こゑ)はカアカアと(きよ)(ひび)き、281百鳥(ももどり)(こゑ)(かぎ)りに(さへづ)(はじ)めた。
282大正一一・一二・七 旧一〇・一九 北村隆光録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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