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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第44巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 神示の合離
第1章 笑の恵
第2章 月の影
第3章 守衛の囁
第4章 滝の下
第5章 不眠症
第6章 山下り
第7章 山口の森
第2篇 月明清楓
第8章 光と熱
第9章 怪光
第10章 奇遇
第11章 腰ぬけ
第12章 大歓喜
第13章 山口の別
第14章 思ひ出の歌
第3篇 珍聞万怪
第15章 変化
第16章 怯風
第17章 罵狸鬼
第18章 一本橋
第19章 婆口露
第20章 脱線歌
第21章 小北山
余白歌
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(B)
(N)
山下り >>>
第五章
不眠症
(
ふみんしやう
)
〔一一七四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻
篇:
第1篇 神示の合離
よみ(新仮名遣い):
しんじのごうり
章:
第5章 不眠症
よみ(新仮名遣い):
ふみんしょう
通し章番号:
1174
口述日:
1922(大正11)年12月07日(旧10月19日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年8月18日
概要:
舞台:
祠の森
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
祠の前で見張りをしていた五十公は、イル、イク、サールたちがヨル、テル、ハルの新顔を連れてきたので治国別を起こした。治国別は早くも、バラモン教の落ち武者であろうと察している。
治国別は新客の三人に目通りするために、寝所を離れて祠の前にやってきた。ヨルは酔った勢いで調子に乗ってバラモン教を抜け出したいきさつを語り始める。テルとハルは治国別に投降と帰順を申し出た。治国別は三人の帰順を許した。
道公と伊太公は物音に目をさまし、祠の様子を見に行こうと掛け合いを始めた。純公、万公も目をさまし、治国別が行ったのだから大丈夫だと安眠を勧めた。五十子姫、玉国別も歌を歌い、ふたたび眠りについた。そうするうちに夜は明けてきた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-18 12:34:39
OBC :
rm4405
愛善世界社版:
57頁
八幡書店版:
第8輯 160頁
修補版:
校定版:
58頁
普及版:
28頁
初版:
ページ備考:
001
治国別
(
はるくにわけ
)
、
002
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
を
立出
(
たちい
)
で、
003
上方
(
じやうはう
)
の
以前
(
いぜん
)
の
森
(
もり
)
の
蔭
(
かげ
)
に
各
(
おのおの
)
蓑
(
みの
)
を
敷
(
し
)
き
野宿
(
のじゆく
)
なしゐる。
004
そこへ
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
へ
見張
(
みは
)
りをさして
置
(
お
)
いた
五三公
(
いそこう
)
はいそいそとして
走
(
はし
)
り
来
(
きた
)
り、
005
五三公
『もしもし、
006
治国別
(
はるくにわけ
)
の
先生
(
せんせい
)
、
007
俄
(
にはか
)
にお
客
(
きやく
)
さまが
見
(
み
)
えました。
008
どう
致
(
いた
)
しませうか』
009
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
治国別
(
はるくにわけ
)
は
不図
(
ふと
)
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まし、
010
治国別
『
此
(
この
)
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
でお
客
(
きやく
)
さまを
迎
(
むか
)
へた
処
(
ところ
)
で
仕方
(
しかた
)
がない。
011
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
其
(
その
)
客
(
きやく
)
と
云
(
い
)
ふのは
如何
(
いか
)
なる
人
(
ひと
)
か。
012
大方
(
おほかた
)
バラモン
教
(
けう
)
の
落武者
(
おちむしや
)
であらうなア』
013
五三公
『ハイ、
014
お
察
(
さつ
)
しの
通
(
とほ
)
りバラモン
教
(
けう
)
の
先生
(
せんせい
)
が
三
(
さん
)
人
(
にん
)
やつて
来
(
き
)
ました。
015
さうして
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
奴
(
やつ
)
で
沢山
(
たくさん
)
な
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
を
山籠
(
やまかご
)
に
一杯
(
いつぱい
)
つめ
込
(
こ
)
み
来
(
き
)
て
居
(
を
)
りますぜ。
016
大方
(
おほかた
)
毒
(
どく
)
でも
入
(
はい
)
つてゐるのかと
思
(
おも
)
ひ、
017
詰
(
つめ
)
をとつて
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
た
男
(
をとこ
)
に
毒味
(
どくみ
)
をさして
見
(
み
)
ましたが
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
です。
018
何
(
なん
)
でも
一人
(
ひとり
)
は
頭
(
あたま
)
の
光
(
ひか
)
つた
若年寄
(
わかどしより
)
見
(
み
)
た
様
(
やう
)
なテルと
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
、
019
一
(
ひと
)
つは
扇
(
あふぎ
)
をパツと
開
(
ひら
)
いた
様
(
やう
)
な
上
(
うへ
)
ほど
頭
(
あたま
)
のハルと
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
、
020
も
一人
(
ひとり
)
は
足
(
あし
)
のヨボヨボしたヨロとかヨルとか
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつこ
)
さまで
厶
(
ござ
)
いますわい。
021
それはそれは
乙
(
おつ
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひますぜ。
022
一
(
ひと
)
つ
会
(
あ
)
つてやつて
下
(
くだ
)
さいませな』
023
治国別
『チツと
静
(
しづ
)
かにものを
言
(
い
)
はぬか。
024
皆
(
みな
)
さまがお
寝
(
やす
)
みの
邪魔
(
じやま
)
になるぢやないか。
025
さうして
如何
(
いか
)
なる
要件
(
えうけん
)
か、
026
それを
聞
(
き
)
いたぢやらうな』
027
五三公
『まだ
聞
(
き
)
いては
居
(
を
)
りませぬが、
028
委細
(
ゐさい
)
はイル、
029
イク、
030
サールの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
承知
(
しようち
)
してゐる
筈
(
はず
)
です。
031
彼奴
(
あいつ
)
が
引張
(
ひつぱ
)
つて
来
(
き
)
たのですからな。
032
滅多
(
めつた
)
に
裏返
(
うらかへ
)
る
気遣
(
きづか
)
ひはありますまい、
033
先
(
ま
)
づイル、
034
イク、
035
サールの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
信用
(
しんよう
)
してやつて
下
(
くだ
)
さいませ』
036
治国別
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
もここで
会
(
あ
)
ふと
皆
(
みな
)
さまの
安眠
(
あんみん
)
の
妨害
(
ばうがい
)
になるから、
037
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
迄
(
まで
)
出張
(
しゆつちやう
)
することにしようかな』
038
五三公
『ハイ、
039
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
乍
(
なが
)
ら
宜
(
よろ
)
しくお
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します』
040
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
五三公
(
いそこう
)
は
夜
(
よる
)
の
山坂道
(
やまさかみち
)
を
飛鳥
(
ひてう
)
の
如
(
ごと
)
く
跳
(
と
)
び
下
(
くだ
)
り、
041
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
待
(
ま
)
つてゐる
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
に
向
(
むか
)
ひ、
042
ハアハアと
息
(
いき
)
を
喘
(
はづ
)
ませ、
043
五三公
『おい、
044
イル、
045
イク、
046
サール、
047
テル、
048
ハル、
049
ヨル、
050
半打
(
はんダース
)
の
人間
(
にんげん
)
さま、
051
五三公
(
いそこう
)
さまの
交渉
(
かうせふ
)
委員
(
ゐゐん
)
は
大成功
(
だいせいこう
)
だよ。
052
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
が
特別
(
とくべつ
)
を
以
(
もつ
)
てお
目
(
め
)
にブラ
下
(
さが
)
つてやらうと
仰有
(
おつしや
)
るのだ。
053
さア
今
(
いま
)
にも
此処
(
ここ
)
に
御
(
ご
)
出張
(
しゆつちやう
)
になるのだから
襟
(
えり
)
を
正
(
ただ
)
し、
054
体
(
からだ
)
を
直
(
なほ
)
して
謹
(
つつし
)
みてお
迎
(
むか
)
へをするが
宜
(
よ
)
いぞ』
055
ヨル
『それは
誠
(
まこと
)
に
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
、
056
有難
(
ありがた
)
い、
057
ヨルの
如
(
や
)
うな
者
(
もの
)
にも
逢
(
あ
)
つて
下
(
くだ
)
さいますか、
058
これと
云
(
い
)
ふのも
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
だ』
059
五三公
『
之
(
これ
)
と
云
(
い
)
ふのも
幾分
(
いくぶん
)
かは
五三公
(
いそこう
)
さまのお
蔭
(
かげ
)
だと
云
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で、
060
あまり
元
(
もと
)
のきれる
話
(
はなし
)
ぢやないがな、
061
アハヽヽヽ』
062
斯
(
か
)
く
笑
(
わら
)
ふ
処
(
ところ
)
へ
静々
(
しづしづ
)
と
足許
(
あしもと
)
に
気
(
き
)
をつけ
乍
(
なが
)
ら
七
(
しち
)
人
(
にん
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれたのは
治国別
(
はるくにわけ
)
である。
063
治国別
『バラモンからお
出
(
いで
)
になつたお
客
(
きやく
)
さまとは、
064
お
前
(
まへ
)
さまのことかな』
065
ヨルは
恐
(
おそ
)
る
恐
(
おそ
)
る
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み、
066
頭
(
あたま
)
を
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
撫
(
な
)
で
乍
(
なが
)
ら、
067
ヨル
『ハイ、
068
私
(
わたし
)
はランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
恩顧
(
おんこ
)
を
受
(
う
)
けてゐるヨルと
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
069
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
は、
070
大
(
おほい
)
に
感
(
かん
)
ずる
処
(
ところ
)
があつて
三五教
(
あななひけう
)
の
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
にお
願
(
ねが
)
ひの
筋
(
すぢ
)
があつて
遥々
(
はるばる
)
参
(
まゐ
)
りました』
071
治国別
『
願
(
ねが
)
ひの
筋
(
すぢ
)
とは
何事
(
なにごと
)
で
厶
(
ござ
)
るか』
072
ヨル
『
実
(
じつ
)
は
私
(
わたし
)
は
玉山峠
(
たまやまたうげ
)
に
於
(
おい
)
て
三五教
(
あななひけう
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
敬服
(
けいふく
)
致
(
いた
)
し、
073
又
(
また
)
もやクルスの
森
(
もり
)
に
於
(
おい
)
ても
言霊
(
ことたま
)
の
威力
(
ゐりよく
)
に
遁走
(
とんそう
)
し、
074
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
先鋒隊
(
せんぽうたい
)
亦
(
また
)
脆
(
もろ
)
くも
打破
(
うちやぶ
)
られたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
くより、
075
信仰
(
しんかう
)
の
基礎
(
どだい
)
がぐらつき
出
(
だ
)
し、
076
これやどうしても
吾々
(
われわれ
)
の
信
(
しん
)
ずる
神
(
かみ
)
は
宇宙
(
うちう
)
根本
(
こんぽん
)
の
神
(
かみ
)
でない。
077
神
(
かみ
)
のために
働
(
はたら
)
く
戦争
(
いくさ
)
が
之
(
これ
)
丈
(
だ
)
け
負続
(
まけつづ
)
けては、
078
何
(
なに
)
かの
原因
(
げんいん
)
がなくてはならぬ。
079
ここは
大
(
おほ
)
いに
考
(
かんが
)
ふべき
処
(
ところ
)
だと
沈思
(
ちんし
)
黙考
(
もくかう
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
080
三五教
(
あななひけう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
することに
決
(
き
)
めたので
厶
(
ござ
)
ります。
081
それについてバラモン
教
(
けう
)
のランチ
将軍
(
しやうぐん
)
の
部下
(
ぶか
)
に、
082
最
(
もつと
)
もバラモンに
熱心
(
ねつしん
)
にして
且
(
か
)
つ
頑固
(
ぐわんこ
)
の
身霊
(
みたま
)
の
聞
(
きこ
)
えあるテル、
083
ハルの
両人
(
りやうにん
)
を
帰順
(
きじゆん
)
させ、
084
之
(
これ
)
を
私
(
わたし
)
のお
土産
(
みやげ
)
として
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
に
添
(
そ
)
へて
引
(
ひ
)
き
摺
(
ず
)
つて
参
(
まゐ
)
りました。
085
何卒
(
どうぞ
)
この
功
(
こう
)
に
免
(
めん
)
じて
今迄
(
いままで
)
三五教
(
あななひけう
)
に
抵抗
(
ていかう
)
した
罪
(
つみ
)
をお
赦
(
ゆる
)
しの
上
(
うへ
)
、
086
貴方
(
あなた
)
のお
弟子
(
でし
)
に
加
(
くは
)
へて
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
いもので
厶
(
ござ
)
ります』
087
治国別
『
三五教
(
あななひけう
)
が
負
(
まけ
)
るのも
勝
(
か
)
つのも、
088
バラモン
教
(
けう
)
が
負
(
まけ
)
るのも
勝
(
か
)
つのも
皆
(
みんな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
摂理
(
せつり
)
だ。
089
一度
(
いちど
)
や
二度
(
にど
)
の
軍
(
いくさ
)
の
勝負
(
しようぶ
)
によつて
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
すと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
僣越
(
せんえつ
)
の
沙汰
(
さた
)
でせう。
090
それ
位
(
くらゐ
)
薄弱
(
はくじやく
)
な
基礎
(
きそ
)
の
下
(
もと
)
に
入信
(
にふしん
)
するやうの
人
(
ひと
)
ならば、
091
此
(
この
)
先
(
さき
)
三五教
(
あななひけう
)
が
不幸
(
ふかう
)
にして
負
(
まけ
)
た
時
(
とき
)
は
矢張
(
やつぱり
)
バラモン
教
(
けう
)
の
神
(
かみ
)
の
方
(
はう
)
が
偉
(
えら
)
いと
云
(
い
)
つて、
092
踵
(
くびす
)
を
返
(
かへ
)
し
逆転
(
ぎやくてん
)
せなくてはなりますまい。
093
そンなに
気
(
き
)
の
変
(
かは
)
るお
方
(
かた
)
は
三五教
(
あななひけう
)
には
居
(
を
)
りませぬからな』
094
ヨル
『
何
(
なん
)
とまア、
095
六
(
むつ
)
かしい
教
(
をしへ
)
で
厶
(
ござ
)
りますな。
096
決
(
けつ
)
してさう
云
(
い
)
ふ
軽佻
(
けいてう
)
浮薄
(
ふはく
)
な
吾々
(
われわれ
)
では
厶
(
ござ
)
りませぬ。
097
これにはいろいろの
動機
(
どうき
)
が
厶
(
ござ
)
ります。
098
只
(
ただ
)
戦争
(
せんそう
)
の
話
(
はなし
)
をしたのは
御
(
ご
)
参考
(
さんかう
)
のために、
099
一部分
(
いちぶぶん
)
の
理由
(
りいう
)
を
申上
(
まをしあ
)
げたに
過
(
す
)
ぎませぬ。
100
第一
(
だいいち
)
テル、
101
ハルの
如
(
ごと
)
き
没暁漢
(
わからずや
)
を
改心
(
かいしん
)
させたのを
証拠
(
しようこ
)
に
何卒
(
どうぞ
)
、
102
入信
(
にふしん
)
のお
許
(
ゆる
)
しを
願
(
ねが
)
ひます』
103
治国別
『ハア……』
104
テル
『モシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
105
此
(
この
)
ヨルの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
当
(
あて
)
になりませぬよ。
106
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
は
此
(
この
)
ハルと
私
(
わたし
)
と
両人
(
りやうにん
)
守衛
(
しゆゑい
)
を
勤
(
つと
)
めテルと、
107
あまり
寒
(
さむ
)
うて
退屈
(
たいくつ
)
なので
職務
(
しよくむ
)
不忠実
(
ふちうじつ
)
とは
思
(
おも
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
一寸
(
ちよつと
)
一杯
(
いつぱい
)
聞召
(
きこしめ
)
して
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
へ、
108
恐
(
こは
)
い
顔
(
かほ
)
して
此
(
この
)
ヨルさまが
見廻
(
みまは
)
りにやつて
来
(
き
)
て「こりやこりやその
方
(
はう
)
等
(
たち
)
両人
(
りやうにん
)
は、
109
バラモン
神
(
がみ
)
や
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
の
御
(
おん
)
事
(
こと
)
を
悪
(
わる
)
く
申
(
まを
)
し、
110
三五教
(
あななひけう
)
を
褒
(
ほ
)
めて
居
(
を
)
つたぢやないか。
111
怪
(
け
)
しからぬ
代物
(
しろもの
)
だから、
112
これから
両人
(
りやうにん
)
を
面縛
(
めんばく
)
して
片彦
(
かたひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
面前
(
めんぜん
)
へ
引立
(
ひきた
)
ててくれむ」と
威猛高
(
ゐたけだか
)
になり、
113
それはそれは
大変
(
たいへん
)
な
睨
(
にら
)
み
方
(
かた
)
で
厶
(
ござ
)
りました。
114
そこを
吾々
(
われわれ
)
両人
(
りやうにん
)
がうまく
酒
(
さけ
)
で
釣
(
つ
)
り
込
(
こ
)
み、
115
泥
(
どろ
)
を
吐
(
は
)
かして
見
(
み
)
れば、
116
此奴
(
こいつ
)
も
矢張
(
やつぱり
)
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
に
三五教
(
あななひけう
)
の
天国
(
てんごく
)
が
開
(
ひら
)
けて
居
(
ゐ
)
ると
見
(
み
)
え、
117
酔
(
よひ
)
がまはるにつけバラモン
教
(
けう
)
をこき
下
(
お
)
ろすので、
118
此奴
(
こいつ
)
ア
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だと、
119
ヘベレケに
酔
(
よ
)
うたズブ
六
(
ろく
)
さまを
駕籠
(
かご
)
に
乗
(
の
)
せて、
120
ここ
迄
(
まで
)
上
(
あが
)
つて
来
(
き
)
たので
厶
(
ござ
)
ります。
121
このテルだつて
決
(
けつ
)
してヨルの
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
悪
(
わる
)
い
人間
(
にんげん
)
では
厶
(
ござ
)
りませぬ。
122
又
(
また
)
、
123
それほどバラモンに
熱心
(
ねつしん
)
なものでも
厶
(
ござ
)
りませぬから、
124
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
なすつて
下
(
くだ
)
さいませ。
125
なア、
126
ハル、
127
それに
間違
(
まちがひ
)
ないな』
128
ハルは
跡
(
あと
)
を
次
(
つ
)
いで、
129
ハル
『テル
公
(
こう
)
の
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り
一分
(
いちぶ
)
一厘
(
いちりん
)
の
相違
(
さうゐ
)
も
厶
(
ござ
)
りませぬ。
130
貴方
(
あなた
)
もヤンチヤの
氏子
(
うぢこ
)
が
殖
(
ふ
)
えたと
思
(
おも
)
つて
何卒
(
どうぞ
)
大目
(
おほめ
)
に
見
(
み
)
て
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げて
下
(
くだ
)
さいませえな』
131
治国別
(
はるくにわけ
)
『
敵味方
(
てきみかた
)
垣
(
かき
)
を
造
(
つく
)
りて
争
(
あらそ
)
ふは
132
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
の
仕業
(
しわざ
)
なるらむ。
133
天地
(
あめつち
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひし
皇神
(
すめかみ
)
は
134
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
すらむ
醜
(
しこ
)
の
枉事
(
まがこと
)
。
135
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
来
(
く
)
る
人
(
ひと
)
を
136
つれなくやらふ
道
(
みち
)
しなければ。
137
招
(
ま
)
ぎ
来
(
きた
)
るテル、ハル、ヨルの
三柱
(
みはしら
)
に
138
生言霊
(
いくことたま
)
の
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
へせむ。
139
今
(
いま
)
よりは
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
氏
(
うぢ
)
の
子
(
こ
)
と
140
なりて
尽
(
つく
)
せよ
世人
(
よびと
)
の
為
(
た
)
めに』
141
ヨル『
有難
(
ありがた
)
し
心
(
こころ
)
の
花
(
はな
)
も
開
(
ひら
)
くなる
142
治国別
(
はるくにわけ
)
の
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
。
143
今日
(
けふ
)
よりは
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
を
拭
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
144
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しく
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へむ』
145
テル『
限
(
かぎ
)
りなき
恵
(
めぐ
)
みの
露
(
つゆ
)
は
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
に
146
潤
(
うるほ
)
ひ
渡
(
わた
)
るテルの
神国
(
かみくに
)
。
147
テルと
云
(
い
)
ふは
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
日月
(
じつげつ
)
の
148
光
(
ひかり
)
ばかりか
吾
(
わが
)
頭
(
かしら
)
もてる』
149
ハル『ハル
過
(
す
)
ぎて
夏
(
なつ
)
去
(
さ
)
り
秋
(
あき
)
も
亦
(
また
)
過
(
す
)
ぎて
150
みたまの
冬
(
ふゆ
)
を
蒙
(
かかぶ
)
りにける。
151
皇神
(
すめかみ
)
の
恩頼
(
みたまのふゆ
)
を
受
(
う
)
けむとて
152
露
(
つゆ
)
の
生命
(
いのち
)
を
存
(
なが
)
らへてけり』
153
イル『
大神
(
おほかみ
)
の
救
(
すく
)
ひの
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
みイル
154
吾
(
われ
)
は
楽
(
たの
)
しき
身魂
(
みたま
)
なりけり』
155
サール『
腹帯
(
はらおび
)
を
今
(
いま
)
やしつかり
締
(
し
)
め
直
(
なほ
)
し
156
世人
(
よびと
)
のために
誠
(
まこと
)
を
尽
(
つく
)
さむ。
157
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
す
枉
(
まが
)
もサールの
神言
(
かみごと
)
に
158
言向和
(
ことむけやは
)
す
君
(
きみ
)
ぞ
尊
(
たふと
)
き。
159
清春
(
きよはる
)
の
山
(
やま
)
の
砦
(
とりで
)
にさし
籠
(
こも
)
り
160
悟
(
さと
)
り
得
(
え
)
たりし
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
。
161
松公
(
まつこう
)
や
竜公
(
たつこう
)
さまの
御教
(
みをしへ
)
に
162
バラモン
雲
(
ぐも
)
は
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りける』
163
治国別
(
はるくにわけ
)
『
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
棲
(
すく
)
いたる
164
ハルナに
行
(
ゆ
)
かむ
道
(
みち
)
の
上
(
へ
)
にこそ。
165
さり
乍
(
なが
)
らハルナの
国
(
くに
)
はいと
遠
(
とほ
)
し
166
百
(
もも
)
の
山河
(
やまかは
)
横
(
よこ
)
たはりあれば』
167
ヨル『
夜昼
(
よるひる
)
に
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
168
曲
(
まが
)
とは
知
(
し
)
らず
尽
(
つく
)
し
来
(
き
)
にけり。
169
今日
(
けふ
)
よりは
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
170
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
正道
(
まさみち
)
に
入
(
い
)
る』
171
話
(
はなし
)
変
(
かは
)
つて
森
(
もり
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
寝
(
やす
)
ンでゐた
道公
(
みちこう
)
、
172
伊太公
(
いたこう
)
二人
(
ふたり
)
は
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まし
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
173
伊太公
『オイ、
174
道公
(
みちこう
)
さま、
175
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
には
又
(
また
)
もや
活劇
(
くわつげき
)
が
悠々
(
いういう
)
と
初
(
はじ
)
まつてるのぢやあるまいかな。
176
一
(
ひと
)
つそつと
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
たらどうだらう』
177
道公
『さうだな
伊太公
(
いたこう
)
、
178
何
(
なん
)
とはなしに
騒
(
さわ
)
がしい
様
(
やう
)
だ。
179
然
(
しか
)
し
吾々
(
われわれ
)
に
対
(
たい
)
し
急用
(
きふよう
)
があれば
先生
(
せんせい
)
は
呼
(
よ
)
ンで
下
(
くだ
)
さるだらうよ。
180
まアじつくりとしたが
宜
(
よ
)
からう』
181
伊太公
『まづ
俺
(
おれ
)
が
偵察
(
ていさつ
)
に
行
(
い
)
つて
来
(
く
)
るから
道公
(
みちこう
)
お
前
(
まへ
)
はここに
待
(
ま
)
つてゐてくれぬか』
182
道公
『そいつは
御免
(
ごめん
)
だ。
183
又
(
また
)
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
の
様
(
やう
)
に
清春山
(
きよはるやま
)
につれて
行
(
ゆ
)
かれちや
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
迷惑
(
めいわく
)
だから……もし
此
(
この
)
道公
(
みちこう
)
が、
184
怪
(
あや
)
しいものだつたら
独特
(
どくとく
)
の
哄笑器
(
こうせうき
)
を
出
(
だ
)
して
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
のやうに
笑
(
わら
)
ひ
散
(
ち
)
らしてやるのだ。
185
まア
待
(
ま
)
つてくれ。
186
俺
(
おれ
)
が
行
(
い
)
つて
来
(
く
)
る』
187
伊太公
『
笑
(
わら
)
ひ
散
(
ち
)
らしたと
思
(
おも
)
へば
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
の
弟
(
おとうと
)
ぢやなかつたか。
188
そンな
他愛
(
たあい
)
もない
事
(
こと
)
なら、
189
伊太公
(
いたこう
)
だつて
一旦
(
いつたん
)
痛手
(
いたで
)
を
負
(
お
)
うた
上
(
うへ
)
は
充分
(
じゆうぶん
)
の
注意
(
ちうい
)
をして
居
(
を
)
るから
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だよ。
190
俺
(
おれ
)
でも
笑
(
わら
)
ひ
散
(
ち
)
らし
位
(
くらゐ
)
は
出来
(
でき
)
るよ』
191
道公
『そンなら
道公
(
みちこう
)
が
道案内
(
みちあんない
)
をしてやらう。
192
貴様
(
きさま
)
はどうしても
捕虜
(
ほりよ
)
の
身魂
(
みたま
)
が
憑
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
るから
駄目
(
だめ
)
だ。
193
三間
(
さんげん
)
ばかり
後
(
あと
)
から
俺
(
おれ
)
に
踉
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い。
194
もし
怪
(
あや
)
しい
事
(
こと
)
でもあつたら
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
走
(
はし
)
つて
来
(
く
)
るのだ』
195
伊太公
『
大変
(
たいへん
)
に
信用
(
しんよう
)
を
落
(
おと
)
したものだな。
196
併
(
しか
)
し
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
には
信用
(
しんよう
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
るのだから
安心
(
あんしん
)
だ。
197
一
(
ひと
)
つここから、
198
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
に
違
(
ちが
)
ひないから、
199
呶鳴
(
どな
)
つて
見
(
み
)
たらどうだらう』
200
道公
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
ふない。
201
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
しちや
皆
(
みな
)
が
目
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めるぞ。
202
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
が、
203
道公
(
みちこう
)
が
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まして
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
れば
俺
(
おれ
)
が
寝
(
やす
)
ンで
居
(
を
)
るものと
思
(
おも
)
ひ、
204
五三公
(
いそこう
)
と
一緒
(
いつしよ
)
にひそひそと
話
(
はな
)
して
居
(
を
)
られたが、
205
何
(
なん
)
でも
何々
(
なになに
)
が
何々
(
なになに
)
に
来
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
るのかも
知
(
し
)
れぬぞ』
206
伊太公
『さうすると
道公
(
みちこう
)
は
寝
(
やす
)
ンでゐる
様
(
やう
)
な
顔
(
かほ
)
して
起
(
お
)
きて
居
(
ゐ
)
たのだな』
207
道公
『
俺
(
おれ
)
は
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
流行
(
はや
)
る
不眠症
(
ふみんしやう
)
とかに
罹
(
かか
)
つてゐるのだが、
208
夜
(
よる
)
になると
目
(
め
)
が
冴
(
さ
)
えて
神経
(
しんけい
)
が
興奮
(
こうふん
)
して
一寸
(
ちよつと
)
や、
209
そつとには
寝
(
ねむ
)
られぬのだよ。
210
道公
(
みちこう
)
も
実
(
じつ
)
に
ふびん
なものだ。
211
アハヽヽヽ』
212
純公
『オイ
両人
(
りやうにん
)
、
213
そつと
行
(
ゆ
)
かぬといかないぞ。
214
純公
(
すみこう
)
さまが
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
ましちや
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だからな』
215
伊太公
『アハヽヽヽ
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふのだ。
216
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
ましておりやこそ
喋
(
しやべ
)
つて
居
(
を
)
るのぢやないか』
217
純公
『
純公
(
すみこう
)
の
肉体
(
にくたい
)
は
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るが、
218
俺
(
おれ
)
や
一寸
(
ちよつと
)
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
てゐるのだ』
219
伊太公
『
夢
(
ゆめ
)
だか
現
(
うつつ
)
だか、
220
馬鹿
(
ばか
)
だか、
221
悧巧
(
りかう
)
だか、
222
一寸
(
ちよつと
)
も
測量
(
そくりやう
)
の
出来
(
でき
)
ない
代物
(
しろもの
)
だな』
223
純公
『
国治立
(
くにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
ぢやないが、
224
スになりましてすみきり
給
(
たま
)
ふと
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
身魂
(
みたま
)
だから、
225
人間
(
にんげん
)
位
(
ぐらゐ
)
の
智慧
(
ちゑ
)
で
純公
(
すみこう
)
さまの
智慧
(
ちゑ
)
がどうして
測量
(
そくりやう
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るものかい。
226
人間
(
にんげん
)
に
測量
(
そくりやう
)
出来
(
でき
)
る
様
(
やう
)
なものは
最早
(
もはや
)
神
(
かみ
)
でも
何
(
なん
)
でもない。
227
チヤンときまりきつた
相場
(
さうば
)
がついてゐるのだ。
228
馬鹿
(
ばか
)
とも
阿呆
(
あはう
)
とも
分
(
わか
)
らぬ
処
(
ところ
)
に、
229
純公
(
すみこう
)
さまの
神格
(
しんかく
)
が
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
活躍
(
くわつやく
)
してるのだよ。
230
それだから
此
(
この
)
純公
(
すみこう
)
さまは
隅
(
すみ
)
にも
置
(
お
)
けないと、
231
何時
(
いつ
)
だつたかな、
232
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
さまがお
褒
(
ほ
)
め
遊
(
あそ
)
ばした
事
(
こと
)
があるよ』
233
伊太公
『それは
大方
(
おほかた
)
夢
(
ゆめ
)
だつたらう。
234
なア
道公
(
みちこう
)
、
235
こンな
男
(
をとこ
)
を
褒
(
ほ
)
めるとは、
236
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
さまも
一寸
(
ちよつと
)
如何
(
どう
)
かしてるぢやないか。
237
さうぢやなければ
純公
(
すみこう
)
さまが
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たのかも
知
(
し
)
れぬぜ』
238
純公
『
人間
(
にんげん
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
で
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
てゐるのだよ。
239
そんな
事
(
こと
)
を
大体
(
だいたい
)
、
240
本当
(
ほんたう
)
に
見
(
み
)
てゐるのが
馬鹿
(
ばか
)
だ。
241
人
(
ひと
)
の
正邪
(
せいじや
)
賢愚
(
けんぐ
)
が
分
(
わか
)
るものかい。
242
况
(
ま
)
して
落
(
お
)
ちた
真珠
(
しんじゆ
)
に
氷
(
こほり
)
が
張
(
は
)
つた
様
(
やう
)
な
肉眼
(
にくがん
)
では
外面
(
ぐわいめん
)
だけでも
観察
(
くわんさつ
)
する
事
(
こと
)
は
不可能
(
ふかのう
)
だ。
243
况
(
いは
)
ンや
身内
(
しんない
)
に
於
(
お
)
ける
清浄
(
せいじやう
)
無垢
(
むく
)
有為
(
いうゐ
)
の
精神
(
せいしん
)
に
於
(
おい
)
てをやだ』
244
万公
『オイ、
245
ガラクタ
共
(
ども
)
、
246
何
(
なに
)
を
八釜
(
やかま
)
しく
云
(
い
)
ふのだい。
247
いい
加減
(
かげん
)
に
寝
(
やす
)
まないかい、
248
万公
(
まんこう
)
さまの
俺
(
おれ
)
は
第一
(
だいいち
)
、
249
晴公
(
はるこう
)
さまは
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
250
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
251
今子姫
(
いまこひめ
)
様
(
さま
)
、
252
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
迷惑
(
めいわく
)
だ。
253
さアさア
寝
(
ね
)
たり
寝
(
ね
)
たり。
254
治国別
(
はるくにわけ
)
さまが
御
(
ご
)
出張
(
しゆつちやう
)
になつてゐるのだから
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だよ。
255
吾々
(
われわれ
)
如
(
ごと
)
き
小童子
(
こつば
)
武者
(
むしや
)
が
起
(
お
)
きて
居
(
を
)
つても
何
(
なん
)
になるものか。
256
起床
(
きしやう
)
喇叭
(
ラツパ
)
が
鳴
(
な
)
るまで
神妙
(
しんめう
)
に
就寝
(
しうしん
)
するのだな』
257
伊太公
『いや
仕方
(
しかた
)
がない。
258
それもさうだ、
259
道公
(
みちこう
)
、
260
純公
(
すみこう
)
、
261
万公
(
まんこう
)
寝
(
ね
)
やうかい。
262
もう
夜明
(
よあ
)
けに
間
(
ま
)
もあるまいし、
263
只今
(
ただいま
)
と
云
(
い
)
ふ
此
(
この
)
時間
(
じかん
)
は
万劫
(
まんご
)
末代
(
まつだい
)
取返
(
とりかへ
)
す
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬのだから、
264
思
(
おも
)
ひきつて
寝
(
やす
)
まうぢやないか、
265
伊太公
(
いたこう
)
も
眠
(
ねむ
)
いからのう』
266
五十子
(
いそこ
)
姫
(
ひめ
)
『
玉国別
(
たまくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
のいたづきも
267
早
(
は
)
や
鎮
(
しづ
)
まりて
月
(
つき
)
は
輝
(
かがや
)
く。
268
皇神
(
すめかみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
を
浴
(
あ
)
び
乍
(
なが
)
ら
269
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
寝
(
い
)
ぬる
嬉
(
うれ
)
しさ』
270
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まし、
271
玉国別
『
大空
(
おほぞら
)
に
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
玉
(
たま
)
を
272
国別
(
くにわ
)
け
渡
(
わた
)
らし
進
(
すす
)
む
尊
(
たふと
)
さ。
273
治国別
(
はるくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
は
雄々
(
をを
)
しくも
274
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
を
教
(
をし
)
へ
居
(
ゐ
)
ますか。
275
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
選
(
えら
)
まれて
276
来
(
きた
)
りし
上
(
うへ
)
は
救
(
すく
)
はでおくべき。
277
右
(
みぎ
)
の
目
(
め
)
の
吾
(
わが
)
いたづきも
止
(
と
)
まりけり
278
月
(
つき
)
の
御神
(
みかみ
)
の
光
(
かげ
)
浴
(
あ
)
びしより』
279
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふうちに
十七夜
(
じふしちや
)
の
月
(
つき
)
は
西天
(
せいてん
)
に
色褪
(
いろあ
)
せ、
280
鵲
(
かささぎ
)
の
声
(
こゑ
)
はカアカアと
清
(
きよ
)
く
響
(
ひび
)
き、
281
百鳥
(
ももどり
)
は
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
囀
(
さへづ
)
り
初
(
はじ
)
めた。
282
(
大正一一・一二・七
旧一〇・一九
北村隆光
録)
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