空蝉の世人を生かさむ神心今や積りて世に出でにけり〈第1章(初版)〉
現世の総ての人に幽界の様教へむと出でし神はも〈第5章(初版)〉
幽界の事は猶更現し世の事さへ知らぬ神の子いぢらし〈第6章(初版)〉
如何にして知らさむ由も無いじやくり鳴く郭公神の心根〈第6章(初版)〉
海月なす漂ふ国を修理固成し神と人とを生ませる常立〈第7章(初版)〉
海陸の在らむ限りは艮の神の治むる世となりにけり〈第7章(初版)〉
千早振る神世も聞かぬ神言を詳細に諭す常立の神〈第7章(初版)〉
帰神雲井の上に鳴り渡る音も美はしき天の石笛〈第8章(初版)〉
温泉を占領せむと村長が吾意志具さに伺ひ来にけり〈第8章(三版)〉
湯本館の温泉は神恵なるが故に人の言葉に吾は動かじ〈第8章(三版)〉
千早振る神代ながらの神業を学ぶ神の子神になれなれ〈第11章(初版)、〉
神憑教へさとすも空蝉の人の心を照らさむがため〈第12章(初版)〉
魂鎮教へさとすも世の人の心清むる神の心ぞ〈第12章(初版)〉
常磐木のいや栄えゆく足御代を神の心は松ばかりなる〈第16章(初版)〉
神人の夢にも知らぬ立替は生ける昔の神の勲功〈第17章(初版)〉
しとしとと夜来の雨に風寒み狩野の流れは水量ましけり〈第17章(三版)〉
寒雨に霰交りて湯ケ嶋の湯泉の宿にふりそそぐなり〈第17章(三版)〉
冬の日の狩野の濁流ながめつつ筆持つ窓に瀬々良岐高し〈第20章(三版)〉
このたびの世の立替は万世にただ一度の経綸なりけり〈第21章(初版)〉
八百万神は在れども世を照らす神は月日が艮め刺すなり〈第21章(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]