霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 光(ひかり)と熱(ねつ)〔一一七七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第2篇 月明清楓 よみ(新仮名遣い):げつめいせいふう
章:第8章 光と熱 よみ(新仮名遣い):ひかりとねつ 通し章番号:1177
口述日:1922(大正11)年12月08日(旧10月20日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台:山口の森 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
ここは大自在天を祀った祠であったが、いつとはなしに山神の祠と称えられるようになり、火災にあって再建する者もないままになっていた。
万公と晴公は言霊の効用について言い争いを始めた。晴公は万公にからかわれてやっきとなり、山口の森の夜の暗さを晴らそうと言霊を発したが、何も起こらなかった。
治国別は自分がひとつ神様に願ってみようと音吐朗々と天津祝詞を奏上し言霊を発すると、真っ黒な闇は薄らいで朧月夜のような明かりが漂った。治国別は言霊の効用があったことについて、神に感謝をささげた。
治国別は道(ことば)は万物の根源、造物主だと弟子たちに説いて聞かせた。万公の請いにより、治国別は言霊の詳細を道歌で示した。
高天原の天国に住む天人は、智性(神真の神智)と意志(神の善、神愛)とを有する。天人の生命は神の善である熱から来ている。信真の光と、愛善の熱が、天人の智性と意志、生命を形造っているのである。
信真の光と愛善の熱は、神界の光と熱に、それぞれ相応している。このことは、地上を守っている光と熱のはたらきを見ても、その道理を悟ることができるのである。光と熱は地上の万物を啓発し、残るくまなく生育するのである。
春と夏は、熱と光が相和す時期である。光も、熱がなければ万物を活動させることはできない。光のみで熱が和していない冬を見れば、そのことがわかる。高天原の天界は、熱と光の相応がある。これは地上の春季に当たる。
天地の太初に道(ことば)があった。道は神と共にあった。道はすなわち神である。万物はこれによって造られたのである。
道には清き生命があった。生命は人の光である。道は肉体となってわれらの間に宿っている。
道(ことば)というのは、聖言である。聖言は神真である。これは主神から来た光である。高天原において一切の力を保持するのは神真である。天人は神力を所受するのみならず、神力を治める器でもある。
天人はこの神力を有ゆえに、高天原の神光によって地獄界までをも制御することができるのである。
神真の中に力があって、すべてのものが造られた。かくも尊い神力が、神真のうちにあるのである。人間の中にある善と真の力、太陽の光と熱の力を見れば、この神の稜威を悟り得られるのである。
万公はこの道歌の意味を了解するにはもっと詳しく教えてほしいと請うが、治国別は、この歌を繰り返し繰り返し霊魂にしみこませれば、読書百遍おのずから通じると諭した。またあまり一時に与えると霊魂が食傷して腹痛下痢を起こすから、やめておこうと述べた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-01-21 15:47:21 文字数:5853 OBC :rm4408
愛善世界社版:99頁 八幡書店版:第8輯 174頁 修補版: 校定版:103頁 普及版:44頁 初版: ページ備考:
001天王星(てんわうせい)の精霊(せいれい)より
002降(くだ)り玉(たま)ひし自在天(じざいてん)
003大国彦(おほくにひこ)を主神(しゆしん)とし
004霊主(れいしゆ)体従(たいじう)の御教(みをしへ)を
005普(あまね)く宇内(うだい)に輝(かがや)かし
006世人(よびと)を救(すく)ひ守(まも)らむと
007計(はか)りて立(た)てるバラモンの
008教(をしへ)は元(もと)より悪(あし)からず
009さは去(さ)り乍(なが)ら現幽(げんいう)の
010真理(しんり)を知(し)らず徒(いたづら)に
011軽生(けいせい)重死(ぢうし)の道(みち)を説(と)き
012有言(ゆうげん)不実行(ふじつかう)に陥入(おちい)りて
013地上(ちじやう)の人(ひと)は艱難(かんなん)に
014耐(た)へ忍(しの)びつつ生血(いきち)をば
015出(いだ)して神(かみ)に供物(そなへもの)
016なす時(とき)や神(かみ)の御心(みこころ)に
017叶(かな)ふものぞと誤解(ごかい)して
018知(し)らず知(し)らずに曲(まが)つ神(かみ)
019八岐(やまたの)大蛇(をろち)に迷(まよ)はされ
020人(ひと)を救(すく)はむ其(その)為(ため)に
021却(かへつ)て人(ひと)を根(ね)の国(くに)や
022底(そこ)の国(くに)へとおとしゆく
023其(その)惨状(さんじやう)を憐(あはれ)みて
024高天原(たかあまはら)の主(す)の神(かみ)と
025現(あら)はれ玉(たま)ふ厳御霊(いづみたま)
026国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)は
027天上(てんじやう)地上(ちじやう)の別(わか)ちなく
028大御宝(おほみたから)の霊(みたま)をば
029永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)に救(すく)ひ上(あ)げ
030慈愛(じあい)と信仰(まこと)の正道(まさみち)に
031導(みちび)き恩頼(みたまのふゆ)をば
032与(あた)へむものと日(ひ)に夜(よる)に
033心(こころ)を配(くば)らせ玉(たま)ふこそ
034実(げ)に有難(ありがた)き次第(しだい)なり
035常世彦(とこよひこ)神(かみ)常世姫(とこよひめ)
036これ亦(また)悪魔(あくま)に魅(み)せられて
037ウラルの教(をしへ)を建設(けんせつ)し
038盤古(ばんこ)神王(しんわう)を主(しゆ)の神(かみ)と
039仰(あふ)いで世界(せかい)を開(ひら)き行(ゆ)く
040其(その)勢(いきほ)ひの凄(すさま)じさ
041至仁(しじん)至愛(しあい)の大神(おほかみ)は
042いかでか許(ゆる)し玉(たま)はむや
043神(かみ)の御子(みこ)たる人草(ひとぐさ)の
044身魂(みたま)を清(きよ)く美(うる)はしく
045洗(あら)ひ清(きよ)めて天国(てんごく)の
046御苑(みその)を開(ひら)かせ玉(たま)はむと
047厳(いづ)の御霊(みたま)の神柱(かむばしら)
048瑞(みづ)の御霊(みたま)の御柱(みはしら)を
049此(この)世(よ)に降(くだ)し玉(たま)ひつつ
050いろいろ雑多(ざつた)に変化(へんげ)して
051埴安彦(はにやすひこ)や埴安姫(はにやすひめ)
052神(かみ)の命(みこと)と現(あら)はれつ
053三五教(あななひけう)を建設(けんせつ)し
054黄金山(わうごんざん)は云(い)ふも更(さら)
055ウブスナ山(やま)や万寿山(まんじゆざん)
056コーカス山(ざん)や霊鷲山(りやうしうざん)
057自凝島(おのころじま)に渡(わた)りては
058綾(あや)の聖地(せいち)に天国(てんごく)の
059姿(すがた)を映(うつ)し玉(たま)ひつつ
060世人(よびと)を誠(まこと)の大道(おほみち)に
061救(すく)はせ玉(たま)ふぞ有難(ありがた)き
062瑞(みづ)の御霊(みたま)とあれませる
063神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大神(おほかみ)は
064現幽神(げんいうしん)の三界(さんかい)の
065身魂(みたま)を残(のこ)らず救(すく)はむと
066尊(たふと)き御(おん)身(み)を世(よ)に下(くだ)し
067千座(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)はせつつ
068天(あめ)が下(した)をば隅(くま)もなく
069人(ひと)の姿(すがた)と現(あら)はれて
070沐雨(もくう)櫛風(しつぷう)氷雪(ひようせつ)を
071凌(しの)ぎて此(この)世(よ)の熱(ねつ)となり
072光(ひかり)ともなり塩(しほ)となり
073みのりの花(はな)と現(あら)はれて
074暗(やみ)に迷(まよ)へる諸々(もろもろ)の
075身魂(みたま)を救(すく)ひ玉(たま)ふこそ
076実(げ)にも尊(たふと)き限(かぎ)りなれ
077神(かみ)の教(をしへ)の宣伝使(せんでんし)
078治国別(はるくにわけ)の一行(いつかう)は
079厳(いづ)の御言(みこと)を蒙(かうむ)りて
080元(もと)つ御神(みかみ)の祭(まつ)りたる
081斎苑(いそ)の館(やかた)を後(あと)にして
082荒風(あらかぜ)すさぶ荒野原(あれのはら)
083険(けは)しき山坂(やまさか)乗越(のりこ)えて
084祠(ほこら)の森(もり)に到着(たうちやく)し
085玉国別(たまくにわけ)の一行(いつかう)に
086思(おも)ひ掛(がけ)なく出会(しゆつくわい)し
087茲(ここ)に二夜(ふたや)を明(あ)かしつつ
088別(わか)れて程(ほど)経(へ)し弟(おとうと)の
089松公(まつこう)其(その)他(た)に巡(めぐ)り会(あ)ひ
090驚喜(きやうき)の涙(なみだ)抑(おさ)へつつ
091又(また)もや神(かみ)の御(ご)宣示(せんじ)に
092五(ご)人(にん)の伴(とも)を引(ひ)きつれて
093河鹿(かじか)峠(たうげ)の峻坂(しゆんぱん)を
094世(よ)にも目出度(めでた)き宣伝歌(せんでんか)
095歌(うた)ひてやうやう山口(やまぐち)の
096老樹(らうじゆ)茂(しげ)れる森(もり)かげに
097安全(あんぜん)無事(ぶじ)に着(つ)きにけり
098あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
099神(かみ)の御霊(みたま)の幸(さち)はひて
100治国別(はるくにわけ)の一行(いつかう)は
101神(かみ)の使命(しめい)を恙(つつが)なく
102実行(じつかう)なして復(かへ)り言(ごと)
103神(かみ)の御前(みまへ)に申(まを)すべく
104守(まも)らせ玉(たま)へと瑞月(ずゐげつ)が
105旭(あさひ)の光(ひかり)を浴(あ)び乍(なが)ら
106竜宮館(りうぐうやかた)に横臥(わうぐわ)して
107東枕(ひがしまくら)に述(の)べ立(た)つる
108あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
109尊(たふと)き神(かみ)の御恵(みめぐみ)に
110此(この)物語(ものがたり)遅滞(ちたい)なく
111進(すす)ませ玉(たま)へ天地(あめつち)の
112元(もと)つ御祖(みおや)と現(あ)れませる
113国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)や
114豊国姫(とよくにひめ)の大御神(おほみかみ)
115神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大神(おほかみ)の
116御前(みまへ)に謹(つつし)み願(ね)ぎまつる。
117 治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)は老樹(らうじゆ)鬱蒼(うつさう)たる河鹿山(かじかやま)の南麓(なんろく)山口(やまぐち)の森(もり)に黄昏時(たそがれどき)漸(やうや)く到着(たうちやく)し、118昼(ひる)猶(なほ)暗(くら)き此(この)森(もり)に一夜(いちや)を明(あ)かす事(こと)とはなりぬ。119茲(ここ)には古(ふる)き社殿(しやでん)の跡(あと)が礎石(そせき)計(ばか)り残(のこ)つてゐる。120昔(むかし)は山神(やまかみ)の祠(ほこら)と云(い)つて、121大山祇(おほやまづみの)神(かみ)が祀(まつ)られてあつた。122自然(しぜん)の風雨(ふうう)に晒(さ)らされ荒廃(くわうはい)に任(まか)され、123乞食(こじき)の焚(た)き火(び)の為(ため)に祝融子(しゆくゆうし)の災(わざはひ)にかかりしまま、124再建(さいこん)するの機会(きくわい)もなく、125又(また)熱心(ねつしん)なる信仰者(しんかうしや)もなく、126憐(あは)れ果(は)かなき残骸(ざんがい)を止(とど)めてゐたのである。127それ故(ゆゑ)に此(この)森(もり)は何神(なにがみ)の祀(まつ)られありしやを知(し)る者(もの)は殆(ほと)ンどなかつた。128併(しか)し乍(なが)ら此(この)森(もり)は相当(さうたう)に広(ひろ)く足(あし)を踏(ふ)み入(い)れた者(もの)はない。129もし誤(あやま)つて森林(しんりん)深(ふか)く進(すす)み入(い)りし者(もの)は、130再(ふたた)び帰(かへ)り来(く)ることなきを以(もつ)て、131一名(いちめい)魔(ま)の森(もり)とも称(とな)へてゐた。132何(なん)でも巨大(きよだい)なる蛇(へび)潜(ひそ)み居(を)りて、133人(ひと)を呑(の)むとさへ称(とな)へられ人々(ひとびと)に恐(おそ)れられてゐた。
134 河鹿(かじか)峠(たうげ)の祠(ほこら)の森(もり)は、135実際(じつさい)は大自在天(だいじざいてん)を祀(まつ)つたものであるが、136いつとはなしに山神(やまかみ)の祠(ほこら)と称(とな)へらるるやうになつた。137それは此(この)山口(やまぐち)の森(もり)の神(かみ)と混同(こんどう)されて了(しま)つたのである。138すべて古(ふる)き神社(じんじや)の祭神(さいじん)の不明(ふめい)になるのは、139右様(みぎやう)の理由(りいう)に依(よ)るものが甚(はなは)だ多(おほ)いやうである。
140 万公(まんこう)は鼻(はな)をつままれても分(わか)らぬ様(やう)な暗(くら)さに、141空(そら)を打仰(うちあふ)ぎ、142梢(こづゑ)をすかして星(ほし)の半片(はんぺん)だも見(み)えざるやと、143憧憬(あこがれ)の心(こころ)を以(もつ)て、144上方(じやうはう)を眺(なが)めて居(ゐ)る。
145万公『何(なん)とマア暗(くら)いと云(い)つてもこれ位(ぐらゐ)暗(くら)い森(もり)はありませぬなア。146月(つき)も星(ほし)も太陽(たいやう)も、147一(ひと)つも残(のこ)らず、148大蛇(だいじや)の様(やう)に呑(の)ンで了(しま)つたと見(み)えますワイ。149此奴(こいつ)ア山口(やまぐち)の森(もり)といふから、150山(やま)位(くらゐ)呑(の)むのは何(なん)でもないと見(み)える。151天(てん)の星(ほし)さへ一個(いつこ)も残(のこ)らず呑(の)ンで了(しま)うといふ怪(あや)しい森(もり)だからなア。152オイ、153晴公(はるこう)、154気(き)をつけないと、155此(この)森(もり)の奴(やつ)、156俺(おれ)達(たち)の身体(からだ)も一緒(いつしよ)に呑(の)みよるか知(し)れぬぞ。157万公(まんこう)が気(き)を付(つ)けるぞよ』
158晴公『ナアニ、159曇(くも)つてゐるのだよ。160やがて此(この)晴(はる)さまがお這入(はい)りになつたのだから、161すぐに空(そら)が晴(は)るるのは受合(うけあ)ひだ』
162松公『そら何(なに)を言(い)ふ。163何程(なにほど)晴(は)れたつて、164此(この)密樹(みつじゆ)の蔭(かげ)をすかして、165如何(どう)して人間(にんげん)の目(め)で、166天(てん)の星(ほし)が見(み)えるものかい』
167晴公『ナアニ松公(まつこう)さま、168心配(しんぱい)御(ご)無用(むよう)だよ。169晴公(はるこう)の生言霊(いくことたま)の神力(しんりき)に依(よ)りて、170大蛇(をろち)も悪魔(あくま)も千(せん)里(り)の外(そと)に卻(しりぞ)け、171天津(あまつ)御空(みそら)を水晶(すゐしやう)の如(ごと)く晴(は)らして御覧(ごらん)に入(い)れる、172さうすればお前(まへ)も疑(うたがひ)を晴(は)らすだろ』
173万公『お前(まへ)の言霊(ことたま)も怪(あや)しいものだ。174先生(せんせい)の言霊(ことたま)はすぐに神力(しんりき)が現(あら)はれるが晴公(はるこう)の言霊(ことたま)と云(い)つたら、175ダミ声(ごゑ)の皺枯(しわが)れ声(ごゑ)、176晴(は)れる所(どころ)か俺(おれ)達(たち)の心(こころ)迄(まで)陰欝(いんうつ)になり、177耳(みみ)が痛(いた)くつて、178根底(ねそこ)の国(くに)へ落(お)ちるやうな気分(きぶん)がするよ、179この万公(まんこう)さまにはよ』
180晴公『ナアニ、181先生(せんせい)の言霊(ことたま)だつて、182晴公(はるこう)さまの言霊(ことたま)だつて、183言霊(ことたま)に違(ちがひ)があるか、184信仰(しんかう)に古(ふる)い新(あたら)しの区別(くべつ)がないと、185神(かみ)さまは仰有(おつしや)るぢやないか』
186万公『それなら一(ひと)つ言霊(ことたま)を以(もつ)て、187万(まん)よく此(この)暗(やみ)をチツとでも明(あ)かくしてみたらどうだ、188それが現実(げんじつ)の証拠(しようこ)だから、189それ見(み)た上(うへ)で万公(まんこう)さまも満足(まんぞく)するからナ』
190晴公『先生(せんせい)がアオウエイと仰有(おつしや)る言葉(ことば)も、191晴公(はるこう)さまのアオウエイと云(い)ふ言葉(ことば)も別(べつ)に違(ちが)ひはないぢやないか、192言霊(ことたま)といふものは円満(ゑんまん)清朗(せいろう)スラスラと楽(らく)に出(で)さへすれば、193天地(てんち)の神明(しんめい)が感動(かんどう)遊(あそ)ばすのだ、194俺(おれ)達(たち)は百遍(ひやつぺん)位(くらゐ)言霊(ことたま)を繰返(くりかへ)してもチツとも苦(くる)しうないが、195かう云(い)ふと先生(せんせい)にお目玉(めだま)を頂戴(ちやうだい)するか知(し)らぬが、196此(この)間(あひだ)も先生(せんせい)がアオウエイの言霊(ことたま)を発射(はつしや)された時(とき)、197ズツポリと汗(あせ)をかき、198半巾(はんけち)を以(もつ)てソツと顔(かほ)を拭(ふ)いてゐらつしやつたぞ。199年(とし)が老(よ)るとヤツパリ腹(はら)に力(ちから)がないと見(み)えるワイ。200なア先生(せんせい)、201さうでしたねエ』
202治国別『ウン、203俺(おれ)も若(わか)い時(とき)や、204言霊(ことたま)の百遍(ひやつぺん)や千遍(せんべん)言(い)つた所(ところ)で、205チツともエライとも苦(くる)しいとも思(おも)はなかつたが、206此(この)頃(ごろ)はお前(まへ)の言(い)ふ通(とほ)り年(とし)の為(せい)か、207天津(あまつ)祝詞(のりと)を一回(いつくわい)奏上(そうじやう)しても、208身体中(からだぢう)が厳寒(げんかん)の日(ひ)でもビシヨぬれになるのだ。209併(しか)し乍(なが)ら、210若(わか)い時(とき)の千遍(せんべん)よりも今(いま)の一遍(いつぺん)の方(はう)が効能(かうのう)があるのだから、211不思議(ふしぎ)だよ』
212万公『オイ、213晴公(はるこう)、214お前(まへ)の言霊(ことたま)は暗(やみ)に鉄砲(てつぽう)だ。215的(まと)の方向(はうかう)も知(し)らずに、216安玉(やすだま)を乱射(らんしや)してゐるのだらう。217一寸(ちよつと)涼(すず)し相(さう)な浪花節(なにはぶし)のやうな声(こゑ)を出(だ)しよるが、218根(ね)つから利(き)いたことはないぢやないか、219きくといふのは俺(おれ)達(たち)の耳(みみ)丈(だけ)だ。220チツトも言霊(ことたま)の功能(こうのう)が現(あら)はれて来(こ)ぬのだから、221何(なん)と云(い)つても、222ヤツパリ木(こ)つ端(ぱ)武者(むしや)は木(こ)つ端(ぱ)武者(むしや)だよアツハヽヽ』
223 晴公(はるこう)は躍気(やくき)となり、224少(すこ)しく鼻息(はないき)を荒(あら)くし乍(なが)ら、
225晴公『コレヤ万州(まんしう)、226余(あま)り馬鹿(ばか)にするない。227人(ひと)は見(み)かけによらぬ者(もの)だ。228どンな隠芸(かくしげい)があるか分(わか)つたものぢやないぞ。229待(ま)て待(ま)て一(ひと)つ言霊(ことたま)の神力(しんりき)を現(あら)はして、230万公(まんこう)の奴(やつ)に万々々(まんまんまん)と驚異(きやうい)の歎声(たんせい)を連発(れんぱつ)さしてやらう。231捻鉢巻(ねぢはちまき)をして頭(あたま)のわれぬやうに、232臍(へそ)の宿替(やどがへ)をせぬやうに、233腹帯(はらおび)をしつかりしめて居(を)れ。234四十八(しじふはち)珊(サンチ)の巨砲(きよはう)を打出(うちだ)したやうな言霊(ことたま)だから、235聴音器(ちやうおんき)を破損(はそん)せぬやうに用意(ようい)をしておけよ。236サア、237いよいよ言霊(ことたま)発射(はつしや)の筒開(つつびら)きだ。238一(いち)二(に)三(さ)ン』
239と言(い)ひ乍(なが)ら、240臍下(せいか)丹田(たんでん)に息(いき)をつめ、241左右(さいう)の手(て)で、242帯(おび)のあたりをグツと握(にぎ)り、243身体(からだ)を直立(ちよくりつ)になし、
244晴公『烏羽玉(うばたま)の暗(やみ)打(う)ち払(はら)ふ吾(われ)なるぞ
245御空(みそら)を晴(は)らせ天津(あまつ)神(かみ)たち。
246ウ…………ン』
247万公『アハヽヽヽ。248暗(くら)がりで雪隠(せんち)へ行(い)つた様(やう)な按配(あんばい)式(しき)だ、249何(なん)だウンウンと、250きばり糞(ぐそ)をたれるやうな、251蛮声(ばんせい)をこき出(だ)しよつて、252チーツとも明(あ)かくならぬぢやないか。253万公(まんこう)さまの目(め)にはだんだん暗黒(あんこく)の度(ど)が増(ま)して来(き)た様(やう)だよ』
254晴公『天(てん)の神(かみ)様(さま)にも準備(じゆんび)がある。255今(いま)いうて今(いま)といふ事(こと)があるかい。256明(あ)かくなる前(まへ)には一旦(いつたん)暗(くら)くなるものだ、257光明(くわうみやう)の前(まへ)の暗黒(あんこく)だ。258ウラル教(けう)ぢやないが……一寸先(いつすんさき)や暗夜(やみよ)、259暗(やみ)の後(あと)には月(つき)が出(で)るのだからマア二時(ふたとき)計(ばか)り待(ま)つてゐよ、260さうすれば俺(おれ)の言霊(ことたま)で月(つき)がパツと東天(とうてん)から輝(かがや)いて来(く)るワ、261それを証拠(しようこ)に疑(うたがひ)を晴(は)らすのだよ』
262万公『アハヽヽ今夜(こんや)は十八(じふはち)日(にち)、263四(よ)ツ時(どき)になれば月(つき)の上(あが)るのはきまつてゐるワイ。264貴様(きさま)の言(い)ひ草(ぐさ)は春(はる)になつたら花(はな)を咲(さ)かしてやろと云(い)ふやうなものだ。265サツパリ言霊戦(ことたません)も零敗(ゼロはい)だ。266アハヽヽヽヽ、267さすがの万公(まんこう)さまも呆(あき)れ返(かへ)るよ』
268晴公『貴様(きさま)が交(まぜ)つ返(かへ)すものだから、269晴公(はるこう)と思(おも)つた空(そら)が段々(だんだん)曇(くも)つて来(く)る。270余程(よほど)神(かみ)様(さま)の御(ご)機嫌(きげん)を損(そこ)ねたとみえるワイ。271コレ見(み)ろ、272俺(おれ)の言霊(ことたま)が逆(ぎやく)に利(き)いていよいよ益々(ますます)暗(くら)くなつて来(き)た、273偉(えら)いものだろう、274兎(と)も角(かく)どちらなりと変化(へんくわ)さへあれば言霊(ことたま)の利(き)いた印(しるし)だよ』
275万公『先生(せんせい)、276斯(か)うなつちやたまらぬぢやありませぬか、277どうぞ貴郎(あなた)の言霊(ことたま)で面影(おもかげ)位(ぐらゐ)見(み)えるやうにして下(くだ)さいな。278暗(くら)くなつた計(ばか)りか、279何(なん)となく陰鬱(いんうつ)の気(き)が漂(ただよ)ひ、280鬼哭(きこく)愁々(しうしう)墓場(はかば)の如(ごと)き感(かん)がするぢやありませぬか』
281治国別『さうだなア。282余(あま)り言霊(ことたま)が利(き)き過(す)ぎたと見(み)える。283そンなら私(わたし)が一(ひと)つ神(かみ)様(さま)に願(ねが)つて見(み)やうかな』
284と云(い)ひつつ恭(うやうや)しく拍手(はくしゆ)をなし、285臍下(さいか)丹田(たんでん)に水火(いき)をつめ、286無我(むが)無心(むしん)の境(きやう)に入(い)つて、287音吐(おんと)朗々(らうらう)と天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し終(をは)つて、
288治国別『面影(おもかげ)も見分(みわ)けかねたる暗(やみ)の森(もり)を
289晴(は)らさせ玉(たま)へ天地(あめつち)の神(かみ)』
290と歌(うた)ひ了(を)はるや、291真黒(まつくろ)なる暗(やみ)の帳(とばり)はうすらいで朧月夜(おぼろづきよ)の如(ごと)き明(あ)かりが漂(ただよ)ふた。292治国別(はるくにわけ)は再(ふたた)び神言(かみごと)を奏上(そうじやう)し、293吾(わが)言霊(ことたま)の神力(しんりき)の言下(げんか)に現(あら)はれし事(こと)を神(かみ)に向(むか)つて感謝(かんしや)した。
294万公『何(なん)とマア黒白(こくびやく)の違(ちがひ)といふのは此(この)事(こと)だなア。295先生(せんせい)、296エヽ神(かみ)さまの聖言(せいげん)に、297初(はじめ)に道(ことば)あり、298道(ことば)は神(かみ)也(なり)、299神(かみ)は道(ことば)と共(とも)にあり、300万(よろづ)の物(もの)之(これ)に依(よ)つて造(つく)らる云々(うんぬん)と云(い)ふことがありましたなア。301実(じつ)にことばといふものは不可思議(ふかしぎ)力(りよく)を持(も)つたものですなア』
302治国別『ウン、303道(ことば)は万物(ばんぶつ)の根元(こんげん)だ。304造物主(ざうぶつしゆ)だよ』
305万公『併(しか)し乍(なが)ら先生(せんせい)、306言葉(ことば)で万物(ばんぶつ)が出来(でき)るのならば、307貴方(あなた)が今(いま)茲(ここ)で、308人間(にんげん)一人(ひとり)生(うま)れよと仰有(おつしや)つたら、309茲(ここ)に現(あら)はれ相(さう)なものですなア。310それが現(あら)はれないことを思(おも)へば、311何(ど)うも言葉(ことば)の正体(しやうたい)が万公(まんこう)には解(げ)しかねます。312詳細(しやうさい)の説明(せつめい)を承(うけたま)はりたいものですなア』
313 治国別(はるくにわけ)は歌(うた)を以(もつ)て之(これ)に答(こた)へける。
314治国別『高天原(たかあまはら)の天国(てんごく)に
315住(す)む天人(てんにん)は人(ひと)の如(ごと)
316智性(ちせい)と意志(いし)とを皆(みな)有(いう)す
317智性(ちせい)的(てき)生涯(しやうがい)を作(つく)り出(だ)す
318ものは天界(てんかい)の光(ひかり)なり
319そはこの光(ひかり)は神真(しんしん)の
320中(うち)より出(い)づる神智(しんち)ぞや
321その意志(いし)的(てき)生涯(しやうがい)作(つく)り出(だ)す
322ものは天界(てんかい)の熱(ねつ)と知(し)れ
323そもこの熱(ねつ)は神(かみ)の善(ぜん)
324これより神愛(しんあい)出(いづ)る也(なり)
325○
326扨(さ)て天人(てんにん)の生命(せいめい)は
327神(かみ)の善(ぜん)なる熱(ねつ)よりす
328生命(いのち)の熱(ねつ)より来(く)ることは
329熱(ねつ)なきものは生命(せいめい)の
330亡(ほろ)ぶを見(み)ても明(あきら)けし
331無愛(むあい)の真(しん)と無善真(むぜんしん)
332これ亦(また)生命(せいめい)亡(ほろ)ぶべし
333真(しん)は信真(しんしん)の光(ひかり)にて
334善(ぜん)は愛善(あいぜん)の熱(ねつ)ぞかし
335これ等(ら)の事物(じぶつ)は神界(しんかい)の
336熱(ねつ)と光(ひか)りに相応(さうおう)する
337一定(いつてい)不変(ふへん)の力(ちから)なり
338地上(ちじやう)を守(まも)る熱(ねつ)または
339光(ひかり)を見(み)れば明瞭(めいれう)に
340これ等(ら)の道理(だうり)を覚(さと)り得(え)む
341世間(せけん)の熱(ねつ)は光(ひかり)と和(わ)し
342地上(ちじやう)の万物(ばんぶつ)を啓発(けいはつ)し
343残(のこ)る隅(くま)無(な)く成育(せいいく)す
344熱(ねつ)と光(くわう)とが相和(あひわ)すは
345春夏(しゆんか)の両期(りやうき)に在(あ)るものぞ
346熱(ねつ)なき光(ひかり)は万物(ばんぶつ)を
347活動(くわつどう)せしむることを得(え)ず
348却(かへつ)て死滅(しめつ)に到(いた)らしむ
349冬期(とうき)は熱(ねつ)と光(くわう)との和合(わがふ)なく
350光(ひかり)のみにて熱(ねつ)はなし
351高天原(たかあまはら)の天界(てんかい)を
352楽園(らくゑん)なりと唱(とな)ふるは
353熱光(ねつくわう)の相応(さうおう)あればなり
354真(しん)と善(ぜん)とが相合(あひがつ)し
355信(しん)と愛(あい)との合(がつ)するは
356地上(ちじやう)の春期(しゆんき)に当(あた)るとき
357光熱(くわうねつ)和合(わがふ)する如(ごと)し
358○
359天地(てんち)の太初(はじめ)に道(ことば)あり
360道(ことば)は神(かみ)と共(とも)にあり
361道(ことば)は即(すなは)ち神(かみ)なるぞ
362万物(ばんぶつ)これにて造(つく)らるる
363造(つく)られたるもの一(いつ)として
364之(これ)に由(よ)らずして造(つく)られし
365ものは尠(すこ)しもあらじかし
366之(これ)には清(きよ)き生命(いのち)あり
367生命(いのち)は人(ひと)の光(ひかり)なり
368かれ世(よ)に在(ゐ)まし世(よ)は彼(かれ)に
369全(まつた)く造(つく)り上(あ)げられぬ
370蓋(けだ)し道(ことば)は肉体(にくたい)と
371なりて吾曹(われら)の間(あひ)に宿(やど)る
372吾(われ)その光栄(くわうえい)を見(み)たりてふ
373聖者(せいじや)の道(ことば)は主(す)の神(かみ)の
374力(ちから)を意味(いみ)するものぞかし
375如何(いかん)となればそは道(ことば)
376肉体(にくたい)となれりと云(い)ふに由(よ)る
377されど道(ことば)は殊更(ことさら)に
378何(なに)を表(あら)はすものなるか
379知(し)るもの更(さら)に無(な)かるべし
380これより進(すす)むで亀彦(かめひこ)は
381いと細(こま)やかに説示(せつじ)せむ
382道(ことば)といふは聖言(せいげん)ぞ
383聖言(せいげん)即(すなは)ち神真(しんしん)ぞ
384この神真(しんしん)は主(す)の神(かみ)に
385存(そん)し玉(たま)へば主神(すしん)より
386現(あら)はれ来(きた)る光(ひかり)なり
387光(ひかり)は主神(すしん)の神真(しんしん)ぞ
388高天原(たかあまはら)にて一切(いつさい)の
389力(ちから)を有(たも)つは神真(しんしん)ぞ
390神真(しんしん)なくば力(ちから)無(な)し
391故(ゆゑ)に一切(いつさい)の天人(てんにん)を
392呼(よ)びて力(ちから)と称(たた)ふなり
393実(げ)に天人(てんにん)は神力(しんりき)の
394所受者(しよじゆしや)なるのみならずして
395神力(ちから)を収(をさ)むべき器(うつは)なり
396如上(によじやう)の如(ごと)く観(くわん)ずれば
397天人(てんにん)即(すなは)ち力(ちから)なり
398此(この)神力(しんりき)を有(たも)つ故(ゆゑ)
399地獄界(ぢごくかい)まで制裁(せいさい)し
400それに反抗(はんかう)するものを
401全(まつた)く制禦(せいぎよ)し得(え)らる也(なり)
402たとひ数万(すまん)の叛敵(はんてき)の
403現(あら)はれ来(きた)る事(こと)あるも
404高天原(たかあまはら)の神光(しんくわう)と
405称(たた)へまつれる神真(しんしん)ゆ
406かがやき来(きた)る一道(いちだう)の
407光明(くわうみやう)に遭(あ)ひしその時(とき)は
408直(ただち)に戦慄(せんりつ)するものぞ
409以上(いじやう)の如(ごと)く天人(てんにん)の
410天人(てんにん)たるは神真(しんしん)を
411清(きよ)けく摂受(せつじゆ)し得(う)る故(ゆゑ)に
412全天界(ぜんてんかい)の根元(こんげん)を
413組織(そしき)するものは神真(しんしん)の
414光(ひかり)に決(けつ)して外(ほか)ならず
415そは天界(てんかい)を組織(そしき)する
416ものは天人(てんにん)なればなり
417○
418神真中(しんしんちう)に斯(こ)の如(ごと)く
419偉大(ゐだい)無限(むげん)の神力(しんりき)の
420潜(ひそ)み居(ゐ)るとは現界(げんかい)の
421真理(しんり)を以(もつ)て只(ただ)思想(しさう)
422又(また)は言語(げんご)に外(ほか)なしと
423思(おも)ふ学者(がくしや)の中々(なかなか)に
424信(しん)じ能(あた)はぬ所(ところ)なり
425思想(しさう)や言語(げんご)は自身(じしん)にて
426力(ちから)を有(いう)するものならず
427主神(すしん)の命(めい)に従(したが)ひて
428活動(くわつどう)する時(とき)始(はじ)めてぞ
429力(ちから)を生(しやう)ずるものとなす
430されど神真(しんしん)はその中(うち)に
431自(おのづか)らなる力(ちから)ありて
432天界(てんかい)こそは造(つく)られぬ
433地上(ちじやう)の世界(せかい)もその中(うち)の
434万物(ばんぶつ)併(あは)せて悉(ことごと)く
435之(これ)にて造(つく)られたるものぞ
436斯(か)くも尊(たふと)き神力(しんりき)の
437神真(しんしん)の中(うち)にあることは
438二個(ふたつ)の茲(ここ)に比証(ひしよう)あり
439即(すなは)ち人間(にんげん)にある善(ぜん)と
440真(しん)との力(ちから)その次(つぎ)に
441世間(せけん)よりする太陽(たいやう)の
442光(ひかり)と熱(ねつ)との力(ちから)にて
443神(かみ)の稜威(みいづ)を明(あきら)かに
444覚(さと)り得(え)らるるものぞかし
445アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
446神(かみ)のまにまに答(こた)へおく』
447万公『イヤどうも有難(ありがた)う御座(ござ)いました。448万公(まんこう)マンマン満足(まんぞく)致(いた)しました』
449治国別『万公(まんこう)、450お前(まへ)、451本当(ほんたう)に私(わし)の云(い)ふことが分(わか)つたのか』
452万公『マンマン、453半解(はんかい)位(くらゐ)なものですなア。454併(しか)し乍(なが)ら半開(はんかい)の花(はな)はキツと満開(まんかい)します。455与(あた)ふるに時間(じかん)を以(もつ)てして下(くだ)さい。456万公(まんこう)の了解(れうかい)した時(とき)が、457即(すなは)ち花(はな)の満開(まんかい)ですからなア。458モウ少(すこ)し、459細(こま)かく分解(ぶんかい)的(てき)に仰有(おつしや)つて貰(もら)へますまいかナ』
460治国別『此(この)事(こと)が略(ほぼ)了解(れうかい)がついた上(うへ)で、461又(また)教(をしへ)ることにしよう。462此(この)解決(かいけつ)をお前(まへ)達(たち)の兼題(けんだい)としておくから次(つぎ)が聞(きき)たくば、463此(この)歌(うた)を繰返(くりかへ)し繰返(くりかへ)し霊魂(れいこん)に浸(し)み込(こ)ますが良(よ)い、464読書(どくしよ)百遍(ひやくぺん)意(い)自(おのづか)ら通(つう)ずと云(い)ふからな、465余(あま)り一(いち)時(じ)に餌(ゑ)を与(あた)へると霊魂(れいこん)が食傷(しよくしやう)し、466腹痛(ふくつう)下痢(げり)を起(おこ)しちや、467俺(おれ)も厄介(やくかい)だから、468モウチツとといふ所(ところ)で止(や)めておかう。469腹(はら)に一杯(いつぱい)与(あた)へては、470折角(せつかく)の御(ご)馳走(ちそう)が御(ご)馳走(ちそう)にならぬからなア。471アハヽヽヽ』
472万公『サア、473一同(いちどう)の方々(かたがた)、474万公(まんこう)が導師(だうし)で之(これ)から天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)致(いた)しませう』
475晴公『其(その)次(つぎ)に天地(あめつち)の神(かみ)、476其(その)次(つぎ)に神言(かみごと)の奏上(そうじやう)といふ段取(だんどり)だな、477オイ万公(まんこう)、478人(ひと)の真似(まね)ならこの晴公(はるこう)さまでも出来(でき)るよ。479ウツフヽヽヽ』
480(大正一一・一二・八 旧一〇・二〇 松村真澄録)
481(昭和九・一二・二七 王仁校正)
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