霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一〇章 奇遇(きぐう)〔一一七九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第2篇 月明清楓 よみ(新仮名遣い):げつめいせいふう
章:第10章 奇遇 よみ(新仮名遣い):きぐう 通し章番号:1179
口述日:1922(大正11)年12月08日(旧10月20日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台:山口の森 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
女は自分は楓という名であり、父は珍彦、母は静子、別れた兄は俊というと明かした。治国別は、女の両親はきっと生きていて無事であろうと安堵させた。
晴公は楓の身の上話を聞いてふさぎ込んでいる。万公に問い詰められた晴公は、自分が楓の兄の俊であることを明かした。
兄妹は再会を果たし、二人はうれし涙に暮れた。楓は兄たち三五教の宣伝使一行に、両親を助けてくれるように頼みこんだ。
治国別は二人の再会を祝福し、両親の無事と再会を祈る宣伝歌を歌った。楓と晴公はそれぞれ述懐の歌を歌い、その他の供人たちも二人を励ます歌を歌った。治国別一行はふたたび眠りに就いたが、晴公と楓の兄妹は一睡もせずに涙と共にこれまでの物語を語り明かそうと森の外に立って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-02-11 15:49:50 OBC :rm4410
愛善世界社版:130頁 八幡書店版:第8輯 185頁 修補版: 校定版:135頁 普及版:58頁 初版: ページ備考:
001 万公(まんこう)002晴公(はるこう)003竜公(たつこう)はやつと(むね)()(おろ)し、004(おこり)()ちたやうな(かほ)をして(をんな)(かほ)不思議(ふしぎ)さうに見守(みまも)つて()る。005松彦(まつひこ)(なに)(くれ)となく親切(しんせつ)(をんな)(いたは)り、006いろいろと慰安(ゐあん)言葉(ことば)(あた)へて()る。007治国別(はるくにわけ)()(どく)さに(あたま)()れ、008()(しばたた)(なみだ)をそつと(ぬぐ)ひながら、
009治国別(うけたま)はれば貴女(あなた)家庭(かてい)には悲惨(ひさん)(まく)()りたものですなア。010そして黄金姫(わうごんひめ)(さま)(かみ)(さま)(はなし)()かして(いただ)三五教(あななひけう)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)して()たために、011バラモンに(とら)へられなさつたとは(じつ)()(どく)(こと)だ。012(しか)(なが)()安心(あんしん)なさいませ。013キツと貴女(あなた)両親(りやうしん)(いのち)別条(べつでう)ありませぬよ。014これから(わたし)(なん)とかして(すく)()して貴女(あなた)にお(わた)(いた)しませう』
015 (をんな)は、016(うれ)(なみだ)(ぬぐ)ひながら、
017女(楓)『ハイ()親切(しんせつ)によう()つて(くだ)さいました、018あり(がた)(ござ)います。019(かみ)(さま)()ふたやうに(ぞん)じます。020何卒(どうぞ)(あは)れな(わたし)境遇(きやうぐう)021(たす)(くだ)さいませ。022両親(りやうしん)はキツと(たす)かりませうかなア』
023治国別『キツと(たす)けてみせませう。024()心配(しんぱい)なさいますな。025さうして貴女(あなた)両親(りやうしん)()(なん)()ひますかな』
026女(楓)『ハイ(ちち)()珍彦(うづひこ)027(はは)静子(しづこ)(まを)します。028そして(わたし)()(かへで)(まを)します』
029治国別『さうしてお(まへ)(たづ)ぬる(あに)()(なん)()ふのかなア』
030『ハイ、031(あに)()(とし)(まを)しました。032(その)(あに)(めぐ)()ひたいばかりに、033親子(おやこ)(さん)(にん)(ひろ)いフサの(くに)彷徨(さまよ)ひ、034(やうや)くライオン(がは)(ほとり)まで(まゐ)つて……両親(りやうしん)()い、035(あし)(あゆ)みも、036はかばかしくないので、037つひそこへ住居(ぢうきよ)(さだ)めて()たので(ござ)います』
038 晴公(はるこう)(この)(をんな)物語(ものがたり)()き、039(ふと)(いき)をつき、040(くち)をへの()(むす)び、041()(ふさ)いで、042(しき)りにウンウンと溜息(ためいき)()きながら、043(なに)(ふか)(かんが)へに(しづ)ンで()る。
044 万公(まんこう)(いきほ)ひよく、
045万公『オイ晴公(はるこう)046(なん)だい、047こくめい(かほ)をしよつて、048貴様(きさま)()ンだナイスぢやないか。049仕様(しやう)もない言霊(ことたま)()して鬼女(きぢよ)()ンだと(おも)へば(なん)(こと)はない、050天下(てんか)無双(むさう)のナイスだ。051ちつと(はしや)がぬかい、052こンな(とき)こそ貴様(きさま)威張(ゐば)(とき)だよ。
053(おも)ひきや鬼女(きぢや)(おも)ひし(その)(かげ)
054(たと)(かた)なきナイスなりとは
055だ。056本当(ほんたう)貴様(きさま)今夜(こんや)言霊戦(ことたません)殊勲者(しゆくんしや)だ。057この(をんな)発見(はつけん)して(ひと)()がかりを()058ランチ将軍(しやうぐん)陣営(ぢんえい)根底(こんてい)より(くつが)へし神力(しんりき)(あら)はす機運(きうん)()いたのだ。059(なに)をウンウンと溜息(ためいき)をつくのだ。060ちつと(しつか)りせぬかい、061エーン』
062 晴公(はるこう)(ちから)なげに、
063晴公『アヽ()まぬ。064如何(どう)したらよからうかなア』
065()ひながら(まめ)のやうな(なみだ)をパラパラと()らして()る。066(をり)から十八夜(じふはちや)(つき)は、067河鹿山(かじかやま)をかすめて(のぼ)(はじ)めた。068(もり)(なか)とは()全体(ぜんたい)(てき)にホンノリと四辺(あたり)(あか)くなつて()た。069蝋燭(らふそく)()はつぎ()へられた。
070 万公(まんこう)元気(げんき)よく、
071万公(なん)晴公(はるこう)072貴様(きさま)()いて()るのだな。073三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(たまご)(なん)だ、074メソメソと吠面(ほえづら)をかわくと()(こと)があるかい。075(おれ)(ひと)(くわつ)()れてやらう(しつか)りせい』
076()ひながら(こぶし)(かた)めて(ふた)()晴公(はるこう)()をつづけ()ちにした。
077晴公(いま)あの(かへで)()つた(あに)()ふのは(おれ)だよ、078この晴公(はるこう)だよ』
079万公(なに)080(まへ)があのナイスの兄貴(あにき)か、081ヨウさう()くと、082どこともなしに()よつた(ところ)があるやうだ。083もし先生(せんせい)(めう)(こと)があるものですな。084これもやつぱり(かみ)(さま)のお()(あは)せでせう。085晴公(はるこう)がしやうもない言霊(ことたま)()もせずに()げて()つたのを()怪体(けたい)(をとこ)だと(あや)しみながら()()ましたが、086矢張(やつぱ)(むし)()らしたので()られなかつたのですな。087兄妹(きやうだい)霊魂(れいこん)交通(かうつう)したのでせうかな。088ヤア晴公(はるこう)さまお目出度(めでた)う。089(かへで)さまお目出度(めでた)う。090(いは)(まを)します。091(わたし)先生(せんせい)もこの松彦(まつひこ)さまと(ひさ)()りで兄弟(きやうだい)()対面(たいめん)なさつたのだ、092(なん)人間(にんげん)運命(うんめい)(わか)らぬものだなア、093先生(せんせい)094本当(ほんと)不思議(ふしぎ)ぢや御座(ござ)いませぬか』
095治国別『さうだなア、096不思議(ふしぎ)(こと)もあればあるものだ。097(いづ)宣伝使(せんでんし)になるものは(おや)兄弟(きやうだい)()(わか)れたり、098(ふたた)()()()からざる運命(うんめい)(おちい)つた(もの)ばかりが(かみ)(めぐみ)(すく)はれて御用(ごよう)をして()るのだから、099(たれ)だつて(その)来歴(らいれき)(あら)(さら)せば、100(みな)悲惨(ひさん)(もの)ばかりだよ。101人間心(にんげんごころ)()(かへ)つて(かんが)()した(くらゐ)なら(いち)()(こころ)(やす)むずる(こと)出来(でき)ないのだが、102(あい)(しん)(かみ)(さま)光明(くわうみやう)()らされて地上(ちじやう)()さを(わす)れて()るのだからなア』
103悄然(せうぜん)として首垂(うなだ)れる。104万公(まんこう)涙声(なみだごゑ)(わざ)元気(げんき)らしく、
105万公先生(せんせい)貴方(あなた)からそう悄気(しよげ)(もら)つては、106吾々(われわれ)如何(どう)するのです。107(ひと)心霊(しんれい)歓喜(くわんき)のために存在(そんざい)すると何時(いつ)仰有(おつしや)つたぢやありませぬか。108どうやら貴方(あなた)歓喜(くわんき)()つて悲哀(ひあい)(きた)ると()状態(じやうたい)ですよ。109ちつと(しつか)りして(くだ)さいな』
110治国別『イヤわしは歓喜(くわんき)(あま)つての悲哀(ひあい)だ。111つまり有難涙(ありがたなみだ)()れて()るのだ。112(かみ)(さま)()(めぐみ)今更(いまさら)(ごと)感謝(かんしや)して()随喜(ずいき)(なみだ)だからさう心配(しんぱい)をして()れるな』
113万公(わたし)歓喜(くわんき)(なみだ)がアンアンアン(こぼ)れますわい。114オンオンオンオイ晴公(はるこう)115いや(とし)さま、116(まへ)(うれ)(なみだ)(こぼ)れるだらう。117歓喜(くわんき)(なみだ)なら堤防(ていばう)(くづ)れる(ところ)(まで)(なが)したらよからう。118アンアンアン(あま)(うれ)しくて()堪能(たんのう)仕度(した)いわい』
119 晴公(はるこう)(また)涙声(なみだごゑ)にて、
120晴公治国別(はるくにわけ)先生(せんせい)(さま)()(がた)(ござ)います。121何卒(どうぞ)(いもうと)()(うへ)(よろ)しくお(ねが)(いた)します』
122治国別『ウン(わたし)満足(まんぞく)だが、123(まへ)(さぞ)満足(まんぞく)だらう』
124『あなたは兄上(あにうへ)(ござ)いましたか、125(わたし)(かへで)(ござ)ります。126ようまあ無事(ぶじ)()(くだ)さいました。127どうぞお(とう)さまやお(かあ)さまの(いのち)(すく)うて(くだ)さいませ。128貴兄(あなた)にこの(こと)さへ()らして()けば(かへで)(この)(まま)()すとも(この)()(おも)ひは(のこ)りませぬ、129あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
130晴公(いもうと)随分(ずゐぶん)苦労(くらう)をしたであらうなア、131(おれ)だとて親兄妹(おやきやうだい)(こと)(いち)()(わす)れた(こと)はない。132(あめ)(あした)(かぜ)(ゆふべ)アーメニヤの(そら)(なが)め、133両親(りやうしん)如何(いか)に、134(いもうと)如何(いか)にと、135(なみだ)(たね)がつきる(ほど)どれ(だけ)()()らしたか()れない。136治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(ひろ)はれて(かみ)(さま)のお(みち)()り、137歓喜(くわんき)(あめ)(よく)し、138「かへらぬ(こと)(おも)ふまい」といつも(こころ)(まぎ)らし、139馬鹿口(ばかぐち)ばかりたたいて浮世(うきよ)三分(さんぶ)五厘(ごりん)表面(へうめん)()らして()るものの、140恩愛(おんあい)(きづな)はどうしても()(こと)出来(でき)ぬ。141(いもうと)142(おれ)()ひたかつた』
143人目(ひとめ)(かま)はず(かへで)(からだ)(いだ)きかかへ、144一言(ひとこと)(はつ)()()(くづ)れて()る。145(いさ)みをつけむと治国別(はるくにわけ)()(あが)(こゑ)(すず)しく(うた)()しぬ。
146治国別朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
147(つき)()つとも()くるとも
148仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
149曲津(まがつ)(かみ)(すさ)ぶとも
150(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
151(をしへ)(みち)()(すく)
152(かみ)(おもて)(あら)はれて
153善神(ぜんしん)邪神(じやしん)()()ける
154(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
155(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
156(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
157直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
158()(わざはひ)()(なほ)
159天地(てんち)(つく)りたまひたる
160(まこと)(かみ)のます(かぎ)
161(しん)(あい)との(そな)はりし
162(まこと)氏子(うぢこ)()(うへ)
163(まも)りたまはぬ(こと)やある
164晴公(はるこう)(かへで)両人(りやうにん)
165(こころ)(やす)けく(たひ)らけく
166(かみ)(まか)せよ千早(ちはや)()
167(たふと)(かみ)御恵(みめぐみ)
168親子(おやこ)兄妹(きやうだい)(めぐ)()
169天国(てんごく)浄土(じやうど)(たの)しみを
170摂受(せつじゆ)()るは()のあたり
171治国別(はるくにわけ)三五(あななひ)
172(かみ)(ちから)(たよ)りつつ
173(なんぢ)()二人(ふたり)(のぞ)みをば
174(かなら)(かな)(あた)ふべし
175(かみ)(なんぢ)(とも)にあり
176(われ)()(かみ)()(かみ)(みや)
177(かみ)(まか)せし()(うへ)
178如何(いか)悪魔(あくま)(すさ)ぶとも
179如何(いか)でか(おそ)れむ敷島(しきしま)
180大和心(やまとごころ)()(おこ)
181四方(よも)醜草(しこぐさ)薙払(なぎはら)
182天地(てんち)(ふさ)がる叢雲(むらくも)
183生言霊(いくことたま)神力(しんりき)
184()(はら)ひつつ(あま)つたふ
185(つき)(ひかり)(きよ)きごと
186天津(あまつ)()かげの()(ごと)
187()神力(しんりき)(かがや)かし
188バラモン(けう)曲神(まがかみ)
189言向(ことむ)(やは)歓楽(くわんらく)
190(うみ)真如(しんによ)日月(じつげつ)
191(うか)べて歓喜(くわんき)小波(さざなみ)
192(この)()(わた)(のり)(ふね)
193(こころ)(やす)けくおぼされよ
194いざこれよりは曲神(まがかみ)
195(いくさ)(とりで)()(むか)
196天津(あまつ)御神(みかみ)(たま)ひてし
197生言霊(いくことたま)()()して
198天地(てんち)清浄(しやうじやう)山川(やまかは)
199木草(きくさ)(はし)(いた)るまで
200歓喜(くわんき)(あめ)(よく)せしめ
201(すく)ひて()かむ惟神(かむながら)
202(かみ)御前(みまへ)亀彦(かめひこ)
203治国別(はるくにわけ)(あら)はれて
204(ひとへ)(ねが)(たてまつ)
205あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
206御霊(みたま)(さち)はへましませよ。
207(いま)のぼる(つき)御光(みひかり)(おや)()
208()行末(ゆくすゑ)(まも)らせたまへ。
209(いま)(しば)(とき)をまたせよ楓姫(かへでひめ)
210珍彦(うづひこ)静子(しづこ)(おや)()はさむ。
211たらちねの(おや)(めぐみ)日月(じつげつ)
212(そら)(かがや)(ひかり)なるかも。
213七里(ななさと)()らすと()へる垂乳根(たらちね)
214(おや)(ひかり)ぞめでたかりけり。
215治国別(はるくにわけ)(かみ)(みこと)村肝(むらきも)
216(こころ)(かぎ)(なれ)をたすけむ』
217 (かへで)(うた)ふ。
218『たまちはふ(すく)ひの(かみ)()ひしごと
219(われ)(こころ)(いさ)()にけり。
220有難(ありがた)(かみ)(めぐみ)()らされて
221(わが)父母(ちちはは)()()()たるる。
222(わが)(あに)(おも)はぬ(ところ)(めぐ)()
223(うれ)(なみだ)のとめどなきかな。
224三五(あななひ)(かみ)(うら)みし(われ)こそは
225()(おろか)さを(いま)()いぬる。
226垂乳根(たらちね)(おや)如何(いか)にと朝夕(あさゆふ)
227(むね)(せま)りつつ神詣(かみまう)でせし。
228父母(ちちはは)(うば)()りたる曲神(まがかみ)
229(にく)みしあまり醜業(しこわざ)せしかな。
230大空(おほぞら)()らして(のぼ)月影(つきかげ)
231()るにつけてもうら(はづ)かしき』
232晴公(はるこう)三五(あななひ)(めぐみ)(つゆ)(よく)しつつ
233浮世(うきよ)(ゆめ)(さま)しけるかな。
234(いもうと)()くより(こころ)()()ちて
235()きつきたくぞ(おも)ひけるかな。
236バラモンに(とら)へられたる父母(ちちはは)
237()行末(ゆくすゑ)()かなくぞ(おも)ふ。
238さりながら(かみ)(めぐみ)垂乳根(たらちね)
239()(くま)もなく(まも)りたまはむ。
240垂乳根(たらちね)(ちち)珍彦(うづひこ)(はは)(きみ)
241(いま)兄妹(きやうだい)(すく)ひまつらむ。
242さは()へどか(よわ)きわれの(ちから)ならず
243産土山(うぶすなやま)(かみ)(めぐ)みに。
244治国別(はるくにわけ)(かみ)(つかさ)(たす)けられ
245(わが)垂乳根(たらちね)(すく)(うれ)しさ。
246曲神(まがかみ)如何(いか)(ほど)せまり(きた)るとも
247(かみ)(ちから)におひ退()けやらむ。
248(いもうと)(こころ)(やす)かれ三五(あななひ)
249(かみ)(われ)()見捨(みす)てたまはじ』
250(かへで)有難(ありがた)(あに)(みこと)(こと)()
251(むね)にたたみて(まも)りとやせむ。
252アーメニヤ(こひ)しき(いへ)をふり()てて
253(さまよ)ひし親子(おやこ)()(はか)なさよ。
254黄金姫(わうごんひめ)(かみ)(つかさ)(たす)けられ
255またもやここに(すく)はれにけり。
256何事(なにごと)(みな)(かみ)(さま)(おん)経綸(しぐみ)
257見直(みなほ)()れば()(こと)もなし。
258()(こと)のなほ(この)(うへ)(つも)るとも
259(なに)(おそ)れむ(かみ)のまにまに』
260松彦(まつひこ)(つき)()大空(おほぞら)()()(なか)
261(まが)のかくらふ(すき)はあらまし。
262ランチてふ(いくさ)(つかさ)(まへ)()
263生言霊(いくことたま)をたむけてや()む。
264愛信(あいしん)(まこと)(つるぎ)()りかざし
265(まが)のとりでを()りはふりなむ。
266面白(おもしろ)しあゝ(いさ)ましき門出(かどで)かな
267(かみ)(つか)へし軍司(いくさづかさ)の』
268万公(まんこう)()(なか)(わが)()(まさ)(たから)なし
269珍彦(うづひこ)静子(しづこ)(こころ)しのばゆ。
270珍彦(うづひこ)静子(しづこ)(ひめ)()てしばし
271(すくひ)(かみ)(あら)はれゆかむ。
272ゆくりなく(めぐ)()ひたる山口(やまぐち)
273(もり)(むす)びの(かみ)にますらむ』
274竜公(たつこう)常暗(とこやみ)(もり)()らして(すす)()
275(あや)しき(かげ)(おどろ)きしかな。
276さりながら()にも(まれ)なるナイスぞと
277(さと)りし(とき)(こころ)(やす)けさ。
278(いま)となり()(おろ)かさを(かへり)みて
279(かほ)(いろ)さへ(あか)くなりぬる。
280(わが)(むね)(しこ)曲津(まがつ)(ひそ)むらむ
281(ただ)しき(ひと)をおぢ(おそ)れけり。
282村肝(むらきも)(こころ)(ひそ)曲神(まがかみ)
283(はら)はせたまへ三五(あななひ)(かみ)
284治国別(はるくにわけ)(かみ)(つかさ)(したが)ひて
285言霊戦(ことたまいくさ)(むか)(うれ)しさ』
286治国別(はるくにわけ)山口(やまぐち)(もり)(やす)らひ兄妹(おとどひ)
287名乗(なの)りあげたる(こと)(ゆか)しさ。
288片彦(かたひこ)やランチ将軍(しやうぐん)何者(なにもの)
289(かれ)(ひと)()(ひと)()なれば。
290(われ)こそは(かみ)御子(みこ)なり(かみ)(みや)
291いかで(おそ)れむ(ひと)御子(みこ)らに。
292さりながら(こころ)(たか)ぶる(こと)(なか)
293言霊戦(ことたません)(むか)人々(ひとびと)
294たらちねの親子(おやこ)兄妹(きやうだい)(めぐ)()
295(いだ)(よろこ)(とき)()たるる。
296()()けぬ(つき)御空(みそら)(のぼ)りましぬ
297いざいねませよ(もも)(ひと)(たち)
298晴公(はるこう)神司(かむづかさ)()らせたまへる(こと)()
299(まも)るよしなき今日(けふ)(うれ)しさ。
300村肝(むらきも)(こころ)(いさ)みて(もり)()
301()けゆく(そら)()ちあぐむなり』
302(かへで)『なつかしき(あに)(みこと)治国別(はるくにわけ)
303(かみ)(つかさ)御言(みこと)(まも)りませ
304さりながら(わらは)(こころ)(いさ)()
305ねるに()られぬ今宵(こよひ)ばかりは』
306治国別(はるくにわけ)兄妹(きやうだい)(こころ)はさもやあるべしと
307直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)しおく
308いざさらば万公(まんこう)五三公(いそこう)竜公(たつこう)
309松彦(まつひこ)(とも)(ひと)ねむりせよ』
310松彦(まつひこ)(わが)(あに)言葉(ことば)にならひ人々(ひとびと)
311よくねむりませ(とら)(こく)まで』
312 ()(うた)ひて治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)は、313やすやすと(ねむ)りについた。314晴公(はるこう)315(かへで)兄妹(きやうだい)(うれ)しさの(あま)一睡(いつすゐ)もせず(あた)りを(はばか)り、316ひそびそと長物語(ながものがたり)(なみだ)とともに(かた)()かさむと(この)()立出(たちい)兄妹(きやうだい)月光(げつくわう)()びて(もり)(そと)逍遥(せうえう)する真夜中(まよなか)317初冬(しよとう)(つき)皎々(かうかう)として満天(まんてん)(かがや)き、318(この)(もり)外面(ぐわいめん)(しろ)(ひか)つて()る。
319大正一一・一二・八 旧一〇・二〇 加藤明子録)
320(昭和九・一二・二七 王仁校正)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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