霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 守衛(しゆゑい)(ささやき)〔一一七二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第44巻 舎身活躍 未の巻 篇:第1篇 神示の合離 よみ:しんじのごうり
章:第3章 守衛の囁 よみ:しゅえいのささやき 通し章番号:1172
口述日:1922(大正11)年12月07日(旧10月19日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年8月18日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
バラモン軍は浮木が原に陣営を張り、ランチ将軍、片彦将軍、久米彦将軍が数多の軍勢を集めている。陣営の表門にはハル、テルの両人が守衛をしながら雑談にふけっている。
ハルとテルはこんな人殺しの子分として現世に罪を重ねさせられ、苦行で死んだ修行者の骨を崇めるバラモン教の矛盾をあげつらっている。両人は雑談のうちに、バラモン教を脱出して三五教に降参しようかと他愛もなく笑っている。
そこへ片彦将軍の近侍のヨルがやってきて、二人がバラモン教の悪口を言っていたことを怒鳴りつけた。二人はヨルに酒を飲ませてごまかそうとする。
ヨルは酔って本音を表し、実は自分もバラモン教に嫌気がさしており、三人で三五教に投降しようと持ちかけた。三人は駕籠を持ち出し、酔っ払ったヨルをテルとハルがかついで陣営を抜け出し、河鹿峠を登って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4403
愛善世界社版:32頁 八幡書店版:第8輯 151頁 修補版: 校定版:33頁 普及版:15頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎著作集 > 第二巻「変革と平和」 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 守衛の囁
001 浮木(うきき)(はら)陣営(ぢんえい)にはランチ将軍(しやうぐん)002片彦(かたひこ)003久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)が、004数多(あまた)軍勢(ぐんぜい)(あつ)め、005幔幕(まんまく)()(まは)し、006治国別(はるくにわけ)進路(しんろ)(えう)して、007手具脛(てぐすね)()いて()つて()る。008俄作(にはかづく)りの陣営(ぢんえい)表門(おもてもん)にはテル、009ハル両人(りやうにん)守衛(しゆゑい)(やく)(つと)めて()る。010()はだんだんと()(わた)雨嵐(あめあらし)(こゑ)(はげ)しく、011立番(たちばん)(やうや)()きが()て、012パノラマ(しき)門側(もんがは)一間(ひとま)()り、013ポートワインの(つめ)()きながら雑談(ざつだん)(はじ)めた。
014『オイ、015ハル(こう)016(おも)へば(おも)へば人生(じんせい)(いや)になつたぢやないか、017(わづか)三百年(さんびやくねん)寿命(じゆみやう)(たも)(ため)に、018こンなしやつちもない人殺(ひとごろし)乾児(こぶん)使(つか)はれ、019()ンで地獄(ぢごく)成敗(せいばい)()ける準備(じゆんび)ばかりして()るやうな(こと)では(こま)つたものぢや、020(ちつと)(かんが)へねばなるまいぞ』
021(なに)022吾々(われわれ)は、023(あめ)八衢(やちまた)(まよ)うて()るようなものだよ。024()(とほ)(あらし)(あめ)(はげ)しい(こと)025人生(じんせい)行路(かうろ)暗示(あんじ)して()る。026ハルも(なん)とか()()(かた)(かんが)へたらよからう。027(しか)(なが)死後(しご)世界(せかい)吾々(われわれ)()()らないのだから、028()るとも()いとも(わか)らないワ、029そンな(たよ)りない(こと)(おも)つて宗教心(しうけうしん)()すと、030一日(いちにち)(この)()(おそ)ろしうて()(こと)出来(でき)ないわ。031まあワインでも()ンで、032空元気(からげんき)でもつけるのぢやなア』
033『それでも、034バラモン(けう)大黒主(おほくろぬし)(さま)は、035死後(しご)世界(せかい)(おそ)ろしいから現在(げんざい)(おい)難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)()み、036未来(みらい)楽園(らくゑん)(たの)しめと仰有(おつしや)るぢやないか、037大黒主(おほくろぬし)(さま)仰有(おつしや)るのだから(けつ)して間違(まちが)ひはあるまい。038吾々(われわれ)仮令(たとへ)この肉体(にくたい)現在(げんざい)此処(ここ)()くとも、039霊魂(みたま)故郷(こきやう)なる天国(てんごく)浄土(じやうど)復活(ふくくわつ)し、040永遠無窮(ゑいゑんむきう)生命(せいめい)(たも)ち、041無限(むげん)歓喜(くわんき)(あぢ)はひたいからバラモン(けう)のためだと(おも)うて、042テルもこんな人殺(ひとごろし)軍人(いくさびと)使(つか)はれて()るのだが、043こンな(こと)やつて()ても天国(てんごく)()けるだらうか、044テルは(その)(てん)()にかかつてならないのぢや、045大雲山(たいうんざん)(あら)はれたまふ、046大自在天(だいじさいてん)大国彦命(おほくにひこのみこと)(さま)御気勘(ごきかん)(かな)うだらうかなあ』
047()(なか)には(うら)もあれば(おもて)もあるよ。048()()つて()へば大雲山(たいうんざん)荘厳(さうごん)無比(むひ)神聖(しんせい)なる神様(かみさま)霊場(れいぢやう)だが、049(しか)内実(ないじつ)(おそ)るべき地獄(ぢごく)のやうな(ところ)で、050いろいろと難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)(しひ)られ(ほね)(くだ)()(やぶ)り、051荒行(あらげう)結果(けつくわ)中途(ちうと)()ンだやつは(みな)骨堂(こつだう)(ほね)(まつ)られて()るぢやないか。052あの骨堂(こつだう)()(がた)がつて(をが)みに()くやつの()()れないぢやないか。053バラモン(けう)骨堂(こつだう)修業場(しうげふば)とお(ふだ)(じつ)印度人(いんどじん)のために大恐怖(だいきようふ)源泉(げんせん)だよ。054(ちから)(よわ)無知識(むちしき)人間(にんげん)に、055()()恐怖心(きようふしん)をもたせて(せい)自由(じいう)束縛(そくばく)して()るのだ、056大雲山(たいうんざん)(また)はハルナの(みやこ)大黒主(おほくろぬし)所謂(いはゆる)神権(しんけん)存在(そんざい)するのは、057これあるがためだよ。058()かる虚偽的(きよぎてき)空漠(くうばく)権威(けんゐ)をもつて、059無知識(むちしき)なる人間(にんげん)(こころ)をとらへ、060さうして、061宗閥(しうばつ)062宣伝使(せんでんし)一統(いつとう)は、063多数(たすう)人民(じんみん)膏血(かうけつ)(しぼ)手段(しゆだん)として()るのだ。064バラモンのお(ふだ)宗教界(しうけうかい)不換紙幣(ふくわんしへい)とも()ふべきものだ。065バラモン(けう)恐怖(きようふ)をもつて人類(じんるゐ)膏血(かうけつ)をしぼる(おそ)るべき社会(しやくわい)地獄(ぢごく)()ふものだ。066印度(いんど)国民(こくみん)一人(ひとり)(のこ)らず、067この地獄(ぢごく)陥落(かんらく)して()るのだ。068それだから三五教(あななひけう)()ふやうな(まこと)救世教(きうせいけう)(おこ)つて()たのだ。069大黒主(おほくろぬし)大雲山(たいうんざん)骨堂(こつだう)(ひと)しい牢獄(らうごく)とお(ふだ)(ひと)しい不換紙幣(ふくわんしへい)をもつて絶対(ぜつたい)権威(けんゐ)維持(ゐぢ)につとめて()るのだから、070矢張(やつぱり)八岐大蛇(やまたのをろち)再来(さいらい)()はれても仕方(しかた)がないわい。071そこを三五教(あななひけう)看破(かんぱ)して()るのだから(えら)いものだよ。072河鹿峠(かじかたうげ)言霊戦(ことたません)()つた(とき)には(わづ)三人(さんにん)(てき)(たい)して三四百(さんしひやく)騎馬隊(きばたい)潰散(くわいさん)した(こと)(おも)へば、073到底(たうてい)バラモン(けう)(など)三五教(あななひけう)(てき)()(こと)明白(めいはく)だ、074俺等(おれたち)はこンな()(はな)しの野営(やえい)門番(もんばん)をさせられて()るが、075もしや治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)()めて()たら一番(いちばん)正面(しやうめん)衝突(しようとつ)をするのは、076貴様(きさま)(おれ)だ。077オイここは(ひと)相談(さうだん)だが大将(たいしやう)(みな)気楽(きらく)()()るだらうから、078(いま)(うち)脱営(だつえい)して治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)帰順(きじゆん)(いのち)(たす)けて(もら)(はう)余程(よつぽど)当世流(たうせいりう)だよ。079(ひと)つしかない(いのち)()てた(ところ)が、080大黒主(おほくろぬし)(さま)国妾(こくせふ)養成所(やうせいじよ)国妾(こくせふ)学校(がくかう)立派(りつぱ)にするやうなものだ。081(じつ)馬鹿(ばか)らしいぢやないか、082エーン』
083『オイ ハル(こう)084国妾(こくせふ)学校(がくかう)()(こと)があるかい、085あれは国立(こくりつ)女学校(ぢよがくかう)()ふのだ、086(りつ)(ぢよ)貴様(きさま)(ひと)つに()むから国妾(こくせふ)なぞと()めるのだよ。087余程(よほど)文盲(もんまう)代物(しろもの)だなア』
088『それだから文盲省(もんもうしやう)許可(きよか)()けて()てて()るのぢやないか、089(せふ)もない(こと)()ふない。090大黒主(おほくろぬし)大将(たいしやう)幾十人(いくじふにん)とも()れぬ(ほど)沢山(たくさん)(をんな)をかかへ、091(あさ)から(ばん)まで糸竹管弦(しちくくわんげん)(ひびき)心腸(しんちやう)(とろ)かし酒池肉林(しゆちにくりん)(たの)しみに(ふけ)利己主義(りこしゆぎ)発揮(はつき)して()るぢやないかい、092テル(こう)
093『そりや仕方(しかた)がないさ、094カビライ(こく)浄飯王(じやうばんわう)悉達太子(しつたたいし)でさへも美姫(びき)三千人(さんぜんにん)(はべ)らしたと()ふぢやないか、095大黒主(おほくろぬし)五十人(ごじふにん)六十人(ろくじふにん)女房(にようばう)もつたつて(なに)がそれ(ほど)不思議(ふしぎ)なのだい。096今頃(いまごろ)(をんな)一人前(いちにんまへ)女房(にようばう)にする(をんな)()いから、097数十人(すうじふにん)(あつ)めて(はじ)めて一人(ひとり)仕事(しごと)をさすのだ。098第一(だいいち)寝間(ねま)(とぎ)をする(やつ)099炊事(すゐじ)(つかさど)(やつ)100裁縫(さいほう)(つかさど)(やつ)101(はた)()(やつ)102会計(くわいけい)(つかさど)(やつ)103下僕(しもべ)()(まは)(やつ)()ふやうに、104(いま)(をんな)は、105専門的(せんもんてき)だから到底(たうてい)一人(ひとり)女房(にようばう)本職(ほんしよく)(つく)せぬからだ。106現代(げんだい)博士(はかせ)だつてさうぢやないか、107部分的(ぶぶんてき)専門学(せんもんがく)より()らないのだからなア、108理学(りがく)なら理学(りがく)109文学(ぶんがく)なら文学(ぶんがく)110法学(はふがく)なら法学(はふがく)111(ただ)それ(ひと)つを(つかま)へて(あさ)から(ばん)まで(あたま)(いた)め、112書物(しよもつ)(くび)()きで()るものだから(つひ)頭脳(づなう)変調(へんてう)(きた)し、113やつと博士(はかせ)馬鹿士(ばかせ)になるのぢやないか、114(すべ)()(なか)はこンなものだよ、115ハル(こう)
116『オイ貴様(きさま)()はテルなり、117(おれ)()はハルなり照国別(てるくにわけ)118治国別(はるくにわけ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)頭字(かしらじ)()つて()るのだから、119(なに)因縁(いんねん)があるのに(ちが)ひない。120キツと此処(ここ)()()して()けば(ゆる)して()れるに相違(さうゐ)ないから()かうぢやないか、121()くなら(いま)(うち)だからなア』
122『ハル(こう)123貴様(きさま)余程(よほど)御幣(ごへい)(かつ)ぎになつたと()えるな、124大雲山(たいうんざん)余程(よほど)こたへたと()えるわい、125あゝ(なん)だかタンクが破裂(はれつ)しさうだ、126売買契約(ばいばいけいやく)破棄(はき)をやつて()うかなア』
127『テル、128貴様(きさま)軍人(ぐんじん)()ながら、129内職(ないしよく)をやつて()るのか、130そんな(こと)(きこ)えたら大変(たいへん)だぞ』
131貴様(きさま)薄野呂(うすのろ)には(おれ)感心(かんしん)した、132売買契約(ばいばいけいやく)破棄(はき)()(こと)小便(せうべん)すると()(こと)だよ、133ハル(こう)
134『アハヽヽ、135それなら(たい)ウン(ざん)と、136キツパリ(ことわ)つて()い、137その(はう)大便(だいべんり)かも()れないぞ、138()のやうな理屈(りくつ)をブツブツたれて()(ところ)でつまらぬぢやないか、139何程(なにほど)偉相(えらさう)()つたところが、140暗黒無明(あんこくむみやう)世界(せかい)()いた人間(にんげん)よ、141余程(よつぽど)142智者(ちしや)ぢや学者(がくしや)ぢやと()つた(ところ)俺達(おれたち)百万倍(ひやくまんばい)智慧(ちゑ)のある人間(にんげん)でもやつぱり人間(にんげん)人間(にんげん)だ、143人間(にんげん)(くら)知識(ちしき)では一匹(いつぴき)(いなご)一瞬間(いつしゆんかん)生命(いのち)(あた)へる(こと)すら出来(でき)ないのだ、144放屁(はうひ)(ひと)つでさへ、145自分(じぶん)()らうと(おも)(とき)註文(ちうもん)(どほ)()(こと)出来(でき)ない不都合(ふつがふ)(きは)まる人間(にんげん)だからなア、146アハヽヽヽ』
147『ウフヽヽヽ』
148 かく両人(りやうにん)が、149他愛(たあい)もなく(わら)つて()る。150そこへやつて()たのは片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)のお近侍(そばづき)のヨルである。151ヨルは雨嵐(あめあらし)(おと)(あつ)する(やう)蛮声(ばんせい)で、
152『これやこれや両人(りやうにん)153守衛(しゆゑい)(いた)さず勝手気儘(かつてきまま)(さけ)(くら)(なに)(しやべ)つて()たのだ。154これから片彦(かたひこ)(さま)のお(みみ)()れるから覚悟(かくご)(いた)せ』
155声高(こわだか)(ののし)るにぞ、156テル(こう)(あたま)()きながら、
157『ハイ、158一寸(ちよつと)小便(せうべん)(はなし)をやつて()つたところです。159(ついで)大便(だいべん)放屁(はうひ)話頭(わとう)(のぼ)りましたが、160(べつ)にそれ以外(いぐわい)(むつ)ケしい(はなし)(ござ)いませぬ、161なあハル(こう)162さうぢやつたぢやないか』
163『ウンその(とほ)りその(とほ)り、164いやもう、165糞食時(くそくひどき)(めし)(はなし)をしられて、166いやどつこい小便呑(せうべんの)(どき)(さけ)(はなし)をしられて、167イヤもう気分(きぶん)(わる)(こと)ぢやわい、168エヘヽヽヽ』
169『これやこれや両人(りやうにん)170(おれ)(なん)心得(こころえ)()るか、171全軍(ぜんぐん)監督(かんとく)ぢやぞ』
172監督(かんとく)はよく(わか)つて()りますわい、173燗徳利(かんどくり)ぢやとよろしいが、174こいつはポートワインだから、175冷徳利(ひやとくり)だ。176(しか)しそンな(むつ)()(かほ)をせずに(ひと)召上(めしあ)がつてはどうですか、177テルが(しやく)をしませう、178いや()みやがつたらどうですか、179御神酒(おみき)(あが)らぬ(かみ)はないと()ひますぜ』
180 ヨルは()みたくて(たま)らぬのを(こら)へて、181(わざ)声高(こわだか)に、
182(その)(はう)(さけ)をもつて(この)(はう)をたぶらかし、183悪事(あくじ)露顕(ろけん)(ふせ)がうと(いた)す、184(につ)くき門番(もんばん)185そンな(はなし)ぢやなからう。186国妾(こくせふ)学校(がくかう)について大変(たいへん)な、187酷評(こくひやう)をして()たぢやないか、188(こと)にヨルと貴様(きさま)(くび)(あぶ)ないぞ』
189『それだからテルとハルの(くび)のある(うち)一杯(いつぱい)でも()ンで()かねば(そん)ですからなア、190まあ(ひと)聞召(きこしめ)せ、191随分(ずゐぶん)()はんなり(いた)しますよ』
192()(なが)(はな)(さき)につきつくれば、193ヨルは(はら)(むし)がクウクウと催促(さいそく)をする。
194『これやこれや(ちつと)心得(こころえ)ぬか、195戦陣(せんぢん)(さけ)禁物(きんもつ)だぞ。196さうして貴様(きさま)(たち)は、197照国別(てるくにわけ)198治国別(はるくにわけ)帰順(きじゆん)しようと(はな)して()たではないか。199その(はう)隠謀未遂罪(いんぼうみすゐざい)だから、200これから片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(まへ)()()てる、201神妙(しんめう)()(まは)せ』
202承知(しようち)(いた)しました。203何時(いつ)でも()(あし)(まは)しませう。204今晩(こんばん)はどうせテルの(かさ)(だい)()ぶのだから、205冥土(めいど)土産(みやげ)に、206一杯(いつぱい)()まして(くだ)さい。207そして貴方(あなた)生別死別(せいべつしべつ)(さかづき)をして(くだ)さいな』
208『その(はう)が、209この()(わか)れとあれば役目(やくめ)とは()(なが)()ンでやるのも(ひと)つの(なさけ)ぢや。210よし差支(さしつかへ)ない、211いや(くる)しうない、212()がして(つか)はす』
213 ヨルの(のど)はクウクウと二人(ふたり)(みみ)(きこ)える(ほど)催促(さいそく)をして()る。214二人(ふたり)(びん)のキルクを(わざ)とに(ひま)()れて()いて()る。215ヨルは()みたくて(たま)らず、216(ひと)()らねば()びつきたい(ほど)になつて()る。
217『これやこれや、218(なに)をグヅグヅ(いた)して()るか、219(はや)(つめ)()らないか』
220『そんな殺生(せつしやう)(こと)()つて(くだ)さるな、221たつた(いま)(くび)()人間(にんげん)ぢやありませぬか。222素盞嗚尊(すさのをのみこと)(さま)かなんぞのやうに(つめ)()るなぞとそんな二重(にぢゆう)成敗(せいばい)をするものぢやありませぬよ』
223つめ()ると()(こと)(はや)くキルクを()けと(まを)(こと)ぢや』
224『たうとう時節(じせつ)到来(たうらい)225酒瓶(さけびん)(くび)がキルクと()けよつた。226サアサアお(あが)(あそ)ばせ、227随分(ずゐぶん)いい(あぢ)がしますよ』
228(はや)()がないか、229ヨル監督(かんとく)(たい)しては、230(べつ)礼式(れいしき)(なに)もいつたものぢやない、231こんな戦陣(せんぢん)にあつては上下(じやうげ)障壁(しやうへき)()り、232何事(なにごと)簡単(かんたん)手取(てつと)(ばや)くやるものぢや』
233『そんなら、234この(まま)ラツパ(のみ)とお()かけになつたらどうですか』
235戦陣(せんぢん)にあつてラツパのみとはこいつは面白(おもしろ)い、236ラツパの一声(いつせい)三軍(さんぐん)自由自在(じいうじざい)(うご)かすのだからなア、237武道(ぶだう)達人(たつじん)葡萄酒(ぶだうしゆ)()むのは()つたり(かな)つたりだ』
238()ひながら、239ハルがキルクを()いた酒瓶(さけびん)(いち)ダースばかりつづけざまに()()して仕舞(しま)つた。240(たちま)ちヨルは(あし)(うしな)ひヨロヨロとしながら二人(ふたり)(まへ)にドスンと(たふ)れ、
241『あゝ、242そこらがなンとはなしにポーとして()た。243これだからポーとワインと()ふのだなア、244(なん)(さけ)()ふものは怪体(けつたい)代物(しろもの)だナ、245(おれ)はもう軍人(ぐんじん)(いや)になつた。246オイ、247テル、248ハル、249このヨルさま()がヨルに(まぎ)れて(この)()テル250そしてハルバルと、251斎苑(いそ)(やかた)帰順(きじゆん)(まゐ)らうぢやないか、252エーン(なん)だか(この)(ごろ)(おれ)(じつ)(ところ)はバラモン(けう)がいやになつた。253三五教(あななひけう)三人(さんにん)四人(よにん)宣伝使(せんでんし)言霊(ことたま)()()され人馬(じんば)諸共(もろとも)()()るとは(じつ)(なさけ)なくなつて()た。254これを(おも)へば、255(じつ)三五教(あななひけう)神様(かみさま)(てん)のミロク(さま)256バラモン(けう)神様(かみさま)大蛇(をろち)乾児(こぶん)(さま)(くらゐ)(ちが)ひないよ、257こンな(こと)をして()ると(しまひ)には地獄(ぢごく)釜炙(かまいり)ぢや。258テル、259ハル貴様(きさま)同意見(どういけん)だらう』
260『そいつは(なん)とも明言(めいげん)()ねますわい、261(ひと)(こころ)(わか)りませぬからな、262ウツカリした(こと)()へませぬぜ、263ヨルさまお(まへ)さまは俺達(おれたち)二人(ふたり)をとつ(つか)まへて片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)(まへ)につき()手柄(てがら)をする心算(つもり)だらう、264(しか)(いや)しい(さけ)(くら)ひよつて身体(からだ)自由(じいう)にならないものだからそンな(こと)をいつて俺達(おれたち)機嫌(きげん)()つて()るのだらう。265そンな(こと)にチヨロまかされるやうなテル、266ハルさまぢやありませぬぞえ』
267『さう貴様(きさま)(うたが)へば仕方(しかた)がない、268(しか)(なが)(おれ)(けつ)して、269()うては()るが酒呑(さけの)本性(ほんしやう)(たが)はずと()うて(うそ)()はない、270貴様(きさま)(たち)二人(ふたり)をとらまへようと(おも)へば(なん)でもない(こと)ぢや、271(おれ)(ふところ)にもつて()合図(あひづ)(ふえ)さへ()けば、272何十人(なんじふにん)でも(この)()()()るのだから』
273『さうすると、274矢張(やつぱ)本音(ほんね)()きよつたのだな、275ヨシヨシ ヨルも矢張(やつぱ)()がテル(たう)()だ。276これで三人(さんにん)(そろ)うた。277天地人(てんちじん)278日地月(につちげつ)279霊力体(れいりよくたい)だ、280御三体(ごさんたい)神様(かみさま)だ。281三人世(さんにんよ)(もと)282結構(けつこう)々々(けつこう)こンな結構(けつこう)()にあらうか、283どうだ三角(さんかく)同盟(どうめい)成立(せいりつ)した(いはひ)土堤切(どてつき)発動(はつどう)して()ようぢやないか』
284『そいつは一寸(ちよつと)()つて()れ。285こンな(ところ)(さわ)いで()ては()つかつては大変(たいへん)だ。286オイ(いま)(うち)此処(ここ)にあるだけの(さけ)()()ひ、287(よる)(まぎ)れて(ほこら)(もり)(まで)()つて()ようぢやないか。288グヅグヅして()ると大変(たいへん)だからのう』
289『テルの()からは、290ヨルさま、291(まへ)(その)足許(あしもと)であの山路(やまみち)()けるかい、292(あぶ)ないものだぞ』
293(おれ)(うご)けなくても(かま)はないぢやないか、294貴様(きさま)(たち)二人(ふたり)(あし)さへ達者(たつしや)であれば、295山駕籠(やまかご)()せて()ついで()けばよいのだ。296(さいはひ)ここに山駕籠(やまかご)四五挺(しごちやう)ある、297これを一挺(いつちやう)何々(なになに)して(おれ)()せるのだなア』
298(なん)(うま)(こと)仰有(おつしや)るわい、299(しか)しながら()()すのは今晩(こんばん)(かぎ)る、300仕方(しかた)がない、301オイ、302テルさま ヨルさまを()ついで(よる)山道(やまみち)(のぼ)つて()かうぢやないか、303河鹿峠(かじかたうげ)()けば最早(もはや)安全(あんぜん)地帯(ちたい)だからなア』
304 ここに三人(さんにん)一挺(いつちやう)駕籠(かご)(ぬす)()し、305ヨルを()せテル、306ハルの両人(りやうにん)面白(おもしろ)可笑(をか)しき(うた)小声(こごゑ)(しやべ)りながら、307ソツと浮木(うきき)(はら)陣営(ぢんえい)脱出(だつしゆつ)し、308河鹿峠(かじかたうげ)(ほこら)(もり)をさして(すす)()く。309(つき)黒雲(くろくも)(とばり)(やぶ)つて三人(さんにん)頭上(づじやう)をニコニコ(わら)ひながら(のぞ)かせたまふ。
310大正一一・一二・七 旧一〇・一九 加藤明子録)
311(昭和九・一二・二一 王仁校正)
   
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