霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 肱鉄(ひぢてつ)〔一一九五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻 篇:第2篇 恵の松露 よみ(新仮名遣い):めぐみのしょうろ
章:第5章 肱鉄 よみ(新仮名遣い):ひじてつ 通し章番号:1195
口述日:1922(大正11)年12月11日(旧10月23日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
松彦たちはお寅たちの身魂の因縁話の迷信にあきれていると、一人の娘がやってきて、義理天上日の出神の生き宮である魔我彦に、上義姫が用があるからちょっと来てくれと促した。
別館に居る松姫は、元は高城山のウラナイ教団を率い高姫の片腕として活躍していたあの凄腕の松姫である。三五教に帰順し、玉照彦を奉迎して帰った三五教の殊勲者でもある。
蠑螈別がウラナイ教の残党を集めて小北山に根拠を構えて邪教を宣伝し始めたので、言依別命は松姫に命じてウラナイ教に潜入させた。松姫はたちまち小北山の実権を握り、蠑螈別やお寅たちは表面上は蠑螈別を教祖としていたが、松姫の言にしたがっていた。
魔我彦はかねてから松姫に想いを寄せてあからさまに言い寄っていたが、松姫はわざわざ魔我彦を呼んで、改めてきっぱりと断りを入れた。
魔我彦は、松姫の侍女のお千代にも馬鹿にされ、気分を害して松姫の館を去っていく。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-02-22 17:09:43 OBC :rm4505
愛善世界社版:81頁 八幡書店版:第8輯 281頁 修補版: 校定版:85頁 普及版:33頁 初版: ページ備考:
001(おも)はず(さけ)()ひつぶれ
002前後(ぜんご)()らず(しやべ)()
003つひ脱線(だつせん)(その)挙句(あげく)
004(とら)(まへ)でうつかりと
005高姫(たかひめ)(こひ)しい(こひ)しいと
006()つた言葉(ことば)聞咎(ききとが)
007(さけ)つぎ()たるお(とら)さまは
008烈火(れつくわ)(ごと)(いきどほ)
009胸倉(むなぐら)とつて(おさ)へつけ
010前後(ぜんご)()らぬ正宗(まさむね)
011(にく)(みや)をば()ちたたき
012義理天(ぎりてん)さまの()をかつて
013(おく)一間(ひとま)()()んで
014布団(ふとん)(うへ)()させおき
015(この)()(つくろ)可笑(をか)しさよ
016末代(まつだい)さまと(あが)めたる
017松彦(まつひこ)一行(いつかう)(この)居間(ゐま)
018(みだ)()てたる有様(ありさま)
019(なが)めて不審(ふしん)(まゆ)ひそめ
020(その)入口(いりぐち)(たたず)みて
021魔我彦(まがひこ)さまが棕櫚箒(しゆろばうき)
022()つて掃除(さうぢ)()(あひだ)
023阿呆待(あほま)ちし(なが)らやうやうに
024一間(ひとま)()りて()につけば
025(となり)(きこ)ゆる(うな)(ごゑ)
026(とら)()さまはひどい(やつ)
027高姫(たかひめ)殿(どの)(こひ)しいと
028囈言(うさごと)ばかり(なら)()
029夢中(むちう)になつて(うな)()
030(とら)(まなじり)つり()げて
031(つら)(ふく)らす折柄(をりから)
032万公(まんこう)さまが()()んで
033(にはか)(よそほ)神懸(かむがか)
034ウンウンウンウンドスドスン
035(いつ)(しやく)ばかりも()(あが)
036両手(りやうて)をキチンと(むね)()
037(この)(はう)(たがや)大神(だいじん)
038潮時(しほどき)(ねら)つて(ささや)けば
039(とら)吃驚(びつくり)仰天(ぎやうてん)
040万公(まんこう)さまの肉宮(にくみや)
041矢張(やつぱ)(たがや)大神(だいじん)
042そんなら(みたま)因縁(いんねん)
043(きく)婿(むこ)になるお(かた)
044あゝ有難(ありがた)有難(ありがた)
045なぞと(しき)りに()(あは)
046蠑螈別(いもりわけ)腹立(はらだ)ちを
047ケロリと(わす)れたあどけなさ
048松彦(まつひこ)(はじ)一同(いちどう)
049(この)()有様(ありさま)打眺(うちなが)
050()迷信(めいしん)集団(しふだん)
051(あき)()てたる(をり)もあれ
052一人(ひとり)(むすめ)(あら)はれて
053これこれもうし義理(ぎり)天上(てんじやう)
054日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)さま
055上義姫(じやうぎひめ)さまがお(まへ)さまに
056(にはか)(よう)出来(でき)(ゆゑ)
057(きやく)(さま)()失礼(しつれい)して
058一寸(ちよつと)でよいから()()れと
059仰有(おつしや)いましたよ逸早(いちはや)
060()いでなされと()(つか)
061(はな)せば魔我彦(まがひこ)()(あが)
062(みな)さま失礼(しつれい)(いた)します
063(とら)()さまやお(きく)さま
064末代(まつだい)(さま)皆様(みなさま)
065大切(たいせつ)にもてなし()されませ
066(しばら)くしたら(また)此処(ここ)
067(かへ)つて()ますと()(なが)
068使(つか)ひの(むすめ)諸共(もろとも)
069(はな)れの(やかた)へスタスタと
070(かた)(いか)らして(すす)()く。
071 (べつ)(やかた)には松姫(まつひめ)居間(ゐま)があり()(せま)けれど三間作(みまづく)り、072(かざ)りもなく白木作(しらきづく)りで()ザツパリした(いへ)である。073松姫(まつひめ)千代(ちよ)()十二三(じふにさん)小娘(こむすめ)小間使(こまづかひ)として此処(ここ)引籠(ひきこも)りウラナイ(けう)実権(じつけん)(にぎ)つて()る。074表面(へうめん)からは蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)なれど実力(じつりよく)(この)松姫(まつひめ)にあつた。075それ(ゆゑ)蠑螈別(いもりわけ)もお寅婆(とらばあ)さまも一目(いちもく)()いて内部(ないぶ)では全部(ぜんぶ)(その)頤使(いし)(あま)んじて()た。076無論(むろん)(この)松姫(まつひめ)はもとウラナイ(けう)取次(とりつぎ)高城山(たかしろやま)教主(けうしゆ)をやつて()(がう)(をんな)である。077さうして三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)玉照彦(たまてるひこ)奉迎(ほうげい)して(かへ)つた殊勲者(しゆくんしや)である。078松姫(まつひめ)蠑螈別(いもりわけ)一派(いつぱ)がウラナイ(けう)残党(ざんたう)(あつ)小北山(こぎたやま)霊場(れいぢやう)(ひら)邪教(じやけう)宣伝(せんでん)しウラル教式(けうしき)(さかん)発揮(はつき)してゐたので、079言依別(ことよりわけの)(みこと)(とく)松姫(まつひめ)(めい)じウラナイ(けう)差遣(さしつか)はし、080教理(けうり)根本(こんぽん)(てき)改正(かいせい)せしめむとなし(たま)うたのである。081それ(ゆゑ)松姫(まつひめ)特別(とくべつ)神力(しんりき)(そな)はり流石(さすが)蠑螈別(いもりわけ)一歩(いつぽ)(ゆづ)(いたづら)教祖(けうそ)虚名(きよめい)(あま)んじ、082(あさ)から(ばん)まで(かみ)のお出入(でいり)(しよう)して(さけ)(ひた)高姫(たかひめ)行衛(ゆくゑ)(たづ)(もと)めつつ(さけ)()つて悶々(もんもん)(じやう)()して()たのである。
083魔我(まが)上義姫(じやうぎひめ)(さま)084(いま)千代(ちよ)さまを(もつ)(わたし)をお()びなさいましたのは(なん)御用(ごよう)(ござ)りますか』
085松姫(まつひめ)(べつ)折入(をりい)つて(よう)()(こと)はありませぬが、086(まへ)さま、087(わたし)(こと)今日(こんにち)(かぎ)()はない(やう)にして(もら)はないと(こま)りますから、088一寸(ちよつと)()(もら)つたのです』
089魔我(まが)(わたし)貴女(あなた)(たい)し、090(なん)ぞお邪魔(じやま)になる(こと)(まをし)ましたか』
091松姫(まつひめ)貴方(あなた)いつでも(わたし)(むか)つて、092いやらしい(こと)仰有(おつしや)るぢやないか。093今日(けふ)(まで)(いち)(にち)のばしに色々(いろいろ)()つてお(まへ)さまの(こひ)鋭鋒(えいほう)()けて()ましたが、094今日(けふ)はお(まへ)さまに、095とつくり()うておかねばならぬ。096(いま)のお客様(きやくさま)松彦(まつひこ)(さま)()ふお(かた)でせうがな、097松彦(まつひこ)(さま)誰方(どなた)生宮(いきみや)だと(おも)つてゐますか』
098魔我(まが)末代(まつだい)()王天(わうてん)大神(おほかみ)(さま)生宮(いきみや)ぢやありませぬか』
099松姫(まつひめ)『さうでせう。100さうだから末代(まつだい)(さま)とは()うしても夫婦(ふうふ)にならねばならぬ因縁(いんねん)があるので、101義理(ぎり)天上(てんじやう)さまは(わたし)(こと)只今(ただいま)(かぎ)りスツパリと(あきら)めて(もら)()いのだ』
102魔我(まが)(むかし)(かみ)(さま)末代(まつだい)さまと上義姫(じやうぎひめ)さまと夫婦(ふうふ)だつたでせう。103(しか)(なが)今日(けふ)(みたま)とお()(あそ)ばし(にく)(みや)(ちが)つて()るのだから貴女(あなた)(わたし)夫婦(ふうふ)になつた(ところ)滅多(めつた)(ばち)(あた)りますまい。104(なん)仰有(おつしや)つても(わたし)(これ)まで(かげ)になり日向(ひなた)になり苦労(くらう)をして()たのだから、105(やぶ)から(ぼう)をつき()した(やう)に、106そんな(こと)仰有(おつしや)つても仲々(なかなか)承知(しようち)(いた)しませぬぞや』
107松姫(まつひめ)『これ義理(ぎり)天上(てんじやう)さま、108(かげ)になり日向(ひなた)になり(わたし)のために(つく)したとは、109どんな(こと)をして(くだ)さつたの。110(れい)(まを)さねばなりませぬから一寸(ちよつと)()かして(くだ)さい』
111魔我(まが)義理(ぎり)天上(てんじやう)生宮(いきみや)だけあつて(わたし)義理固(ぎりがた)いものですよ。112(まへ)さまが三五教(あななひけう)であり(なが)ら、113うまく()けて這入(はい)つて(ござ)つたのは(ひやく)(せん)(わたし)承知(しようち)してゐるのだ。114蠑螈別(いもりわけ)さまも「彼奴(あいつ)(あや)しい、115ヒヨツとしたら爆裂弾(ばくれつだん)となつて()たのだらうから(さけ)にでも()(つぶ)して(かた)づけてやらうか」と、116(とら)()アさまと(わたし)(さん)(にん)(ところ)でソツと相談(さうだん)をなさつた(こと)がある。117それでも()魔我彦(まがひこ)はお(まへ)さまが可愛(かあい)いものだから、118(なん)とか()つて(たす)けておけば否応(いやおう)なしにウンと()ふだらうと(おも)つたものだからいろいろと弁解(べんかい)してヤツとの(こと)蠑螈別(いもりわけ)やあのえぐい寅婆(とらばあ)さまを納得(なつとく)させ、119(いま)ではお(まへ)さまがウラナイ(けう)第一(だいいち)権威者(けんゐしや)となり、120蠑螈別(いもりわけ)だつてお(とら)さまだつて貴方(あなた)内証(ないしよう)先生(せんせい)(あふ)ぎ、121何事(なにごと)(みな)貴女(あなた)神勅(しんちよく)()けて処置(しよち)する(やう)にならしやつたのも(みな)魔我彦(まがひこ)斡旋(あつせん)(こう)(ござ)りますよ。122(この)魔我彦(まがひこ)()なかつたら貴女(あなた)生命(いのち)は、123とうの(むかし)になくなつてゐるのだ。124さア(これ)でもいやと仰有(おつしや)いますか。125松彦(まつひこ)(さま)成程(なるほど)末代(まつだい)()(わう)(さま)(ござ)りませう。126(しか)(なが)らそれは(みたま)()夫婦(ふうふ)127(わたし)貴女(あなた)肉体(にくたい)夫婦(ふうふ)(えん)(むす)んで(いただ)かねば(この)魔我彦(まがひこ)(をとこ)()ちませぬ。128さあキツパリと返答(へんたふ)()かして(くだ)さい。129返答(へんたふ)によつては(この)魔我彦(まがひこ)にも(かんが)へがありますから』
130松姫(まつひめ)『ホヽヽヽヽ(かんが)へがあるとは如何(どう)しようと()ふの。131(まへ)さまに(かんが)へがあれば此方(こちら)にも(また)(かんが)へがある。132サア(その)(かんが)へを()かして(もら)ひませう』
133 魔我彦(まがひこ)言葉(ことば)につまり、
134魔我(まが)『エ…………(その)(かんがへ)()ふのは(すなは)感慨(かんがい)無量(むりやう)だと()ふのです』
135松姫(まつひめ)『ホヽヽヽヽ感慨(かんがい)無量(むりやう)如何(どう)したと()ふの。136可笑(をか)しい(こと)仰有(おつしや)るぢや(あり)ませぬか』
137魔我(まが)『こんな問答(もんだふ)はぬきにして手取(てつと)(ばや)条約(でうやく)成立(せいりつ)をさして(くだ)さいな』
138松姫(まつひめ)(なん)条約(でうやく)です。139治外(ちぐわい)法権(はふけん)140内地(ないち)雑居(ざつきよ)141条約(でうやく)改正(かいせい)142機会(きくわい)均等(きんとう)流行(はや)()(なか)窮屈(きうくつ)条約(でうやく)(むす)()くはありませぬ。143(すべ)国家(こくか)でも相互(さうご)(あひだ)危険(きけん)(せま)つた(とき)条約(でうやく)成立(せいりつ)するものだ。144天津(てんしん)条約(でうやく)だとて、145華府(くわふ)会議(くわいぎ)条約(でうやく)だとて、146(けつ)して天下(てんか)太平(たいへい)のために(むす)ばれたのぢやありませぬ。147貴方(あなた)(わたし)との(あひだ)(べつ)危険(きけん)要素(えうそ)(ふく)まれて()るのぢやなし、148(なん)(ため)条約(でうやく)ですか。149(また)(その)条文(でうぶん)(おもむき)()んな(こと)問題(もんだい)になつて()りますか。150それを()いた(うへ)でなければ、151さうやすやすと条約(でうやく)締結(ていけつ)批准(ひじゆん)交換(かうくわん)出来(でき)ぬぢやありませぬか』
152魔我(まが)貴女(あなた)仰有(おつしや)条約(でうやく)(でう)(わたし)仰有(おつしや)情約(じやうやく)(じやう)とは(じやう)(おい)天地(てんち)霄壌(せうじやう)相違(さうゐ)があります。153貴女(あなた)(でう)はスヂと()()154(わたくし)(じやう)(あを)(こころ)()(じやう)ですよ』
155松姫(まつひめ)上義姫(じやうぎひめ)(じやう)とは(ちが)ひますな』
156魔我(まが)『そりや全然(ぜんぜん)正反対(せいはんたい)です』
157松姫(まつひめ)肝腎(かんじん)(でう)正反対(せいはんたい)なれば条約(でうやく)したつて成立(せいりつ)せぬぢやありませぬか。158無条件(むでうけん)(いな)無情漢(むじやうかん)だと(おも)はずに、159こんな提案(ていあん)(すみやか)撤回(てつくわい)して(くだ)さい。160末代(まつだい)()(わう)(さま)(いま)にお()しになつたら(しか)られますからな。161ホヽヽヽヽ、162あの末代(まつだい)さまは()うして(ござ)るのだらう。163エーじれつたい。164()きは(きた)らず(いや)(きた)る、165本当(ほんたう)()(なか)(おも)(やう)には()かぬものだわ。166これ千代(ちよ)さま、167(まへ)()苦労(くらう)だが(はや)末代(まつだい)さまに別館(べつくわん)()(くだ)さる(やう)(まね)(まを)して()(くだ)さい』
168千代(ちよ)『はい、169只今(ただいま)()つて(まゐ)ります』
170魔我(まが)『これ、171千代(ちよ)さま、172一寸(ちよつと)()つてくれ、173(いま)()つて(もら)つては(おほい)(こま)る。174()つてもいい(やう)になつたら(この)義理(ぎり)天上(てんじやう)さまが指図(さしづ)をするから』
175千代(ちよ)『いえいえ、176(わたし)魔我彦(まがひこ)さまの召使(めしつか)ひぢやありませぬ。177上義姫(じやうぎひめ)(さま)家来(けらい)ですから貴方(あなた)仰有(おつしや)(こと)()義務(ぎむ)はありませぬ。178(わたし)()主人(しゆじん)(さま)全権(ぜんけん)委員(ゐゐん)(まか)されたのですから、179自分(じぶん)権利(けんり)執行(しつかう)すれば()いのです。180阿呆(あはう)天上(てんじやう)さま、181(おほ)きに(はばか)りさま』
182()(なが)らツツと()(あが)(ひだり)(あし)でポンと(たたみ)(おびや)かしスタスタと(おもて)()()かうとする。
183魔我(まが)『こりやこりやお千代(ちよ)殿(どの)184何故(なぜ)長上(ちやうじやう)()(こと)(きき)ませぬか。185子供(こども)(くせ)()(つよ)い』
186千代(ちよ)()(きみ)(いづ)言葉(ことば)如何(いか)にして
187魔我彦(まがひこ)さまにまげらるべしやは。
188村肝(むらきも)(こころ)(こし)魔我彦(まがひこ)
189(こひ)魔神(まがみ)にとらはれてゐる。
190義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)とはおとましや
191(あか)(かほ)して(ほのほ)()きつつ』
192魔我(まが)『こりやお千代(ちよ)193そりや(なに)(ぬか)す。194義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)(なん)心得(こころえ)()るか。195世界(せかい)根本(こつぽん)根本(こつぽん)から(なに)もかも()りぬいた(まこと)(ひと)つの大和(やまと)(だましひ)生粋(きつすゐ)生宮(いきみや)さまだぞ』
196千代(ちよ)『ホヽヽヽヽ不義理(ふぎり)天上(てんじやう)197上義姫(じやうぎひめ)(さま)(はじ)かれて()から()()(かみ)(さま)198(こころ)(こし)(まが)つた魔我彦(まがひこ)(さま)199よう、200まアそんな馬鹿(ばか)(こと)仰有(おつしや)られたものですわ』
201松姫(まつひめ)相生(あひおひ)(まつ)(みどり)高砂(たかさご)
202(みき)根元(ねもと)荒浪(あらなみ)がうつ。
203相生(あひおひ)(まつ)(みどり)千代(ちよ)かけて
204(さか)(さか)えて(まが)(こと)なし。
205魔我彦(まがひこ)何程(なにほど)()()(かみ)だとて
206(この)(まつ)のみは(かげ)もささせぬ。
207松彦(まつひこ)松姫(まつひめ)二人(ふたり)(なら)ばして
208(まつ)神世(かみよ)千代(ちよ)(ことほ)ぐ』
209魔我(まが)今日(けふ)明日(あす)か、何時(いつ)吉日(きちにち)(きた)るやと
210まつ甲斐(かひ)もなき魔我彦(まがひこ)(むね)
211さり(なが)()()(かみ)魔我彦(まがひこ)
212()()()げても(とほ)さなおかぬ。
213義理(ぎり)()(こと)()るなら上義姫(じやうぎひめ)
214(わが)心根(こころね)もちとは()ませよ』
215松姫(まつひめ)(やま)()(そこ)にも()れぬ水鏡(みづかがみ)
216()みとり(がた)きふり釣瓶(つるべ)かな』
217魔我(まが)『ふり釣瓶(つるべ)いかにピンピン(かへ)るとも
218()んで()ようぞ天上(てんじやう)車井(くるまゐ)
219松姫(まつひめ)義理(ぎり)天上(てんじやう)(くるま)釣瓶(つるべ)はかかるとも
220片方(かたはう)()めど片方(かたはう)からから。
221(なら)べては(すこ)しも()めぬ(やま)()
222釣瓶(つるべ)如何(いか)()らす(よし)なし』
223千代(ちよ)義理(ぎり)天上(てんじやう)(こひ)(やぶ)れた(かな)しさに
224(くび)をつる()とおなり(あそ)ばせ。
225ホヽヽヽヽ釣瓶(つるべ)おろしにかけられて
226(しづ)(たま)へり(こひ)深井(ふかゐ)に』
227魔我(まが)『まだ(とし)()かぬ(くせ)して魔我彦(まがひこ)
228(なに)をつるつる水臭(みづくさ)(こと)()ふ』
229千代(ちよ)如何(どう)しても末代(まつだい)さまの(おん)(まへ)
230()かねばならぬ魔我(まが)左様(さやう)なら』
231魔我(まが)『まて(しば)し、そんな(こと)なら(おれ)()
232子供(こども)()()(まく)でないぞや』
233松姫(まつひめ)義理(ぎり)天上(てんじやう)()()(かみ)生宮(いきみや)
234今日(けふ)(あらた)一言(ひとこと)(まを)す。
235松彦(まつひこ)(この)松姫(まつひめ)がその(むかし)
236相知(あひし)()うた(うづ)恋人(こひびと)
237恋人(こひびと)()いて(おどろ)(たま)ふまじ
238(かみ)(ゆる)せし夫婦(ふうふ)なりせば』
239魔我(まが)(なん)とまア悪性(あくしやう)(こと)になつて()
240こんな(こと)なら(すく)ふぢやなかつたに』
241松姫(まつひめ)村肝(むらきも)(こころ)(そこ)()られける
242(まが)のすくひし魔我彦(まがひこ)(つかさ)を』
243 魔我彦(まがひこ)双手(もろて)()み、
244魔我彦『エーエ、245雪隠(せんち)火事(くわじ)だ』
246松姫(まつひめ)『オホヽヽヽ』
247千代(ちよ)『イヒヽヽヽ、248阿呆(あはう)阿呆(あはう)阿呆(あはう)
249魔我(まが)『エー、250コメツチヨの(くせ)八釜(やかま)しいわい。251キヽヽヽヽ気色(きしよく)(わる)いわい。252サツパリ杓子(しやくし)だ。253源助(げんすけ)だ、254アーア』
255大正一一・一二・一一 旧一〇・二三 北村隆光録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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