霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 唖忿(あふん)〔一一九六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻 篇:第2篇 恵の松露 よみ(新仮名遣い):めぐみのしょうろ
章:第6章 唖忿 よみ(新仮名遣い):あふん 通し章番号:1196
口述日:1922(大正11)年12月11日(旧10月23日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
魔我彦が松姫に呼ばれて行ったあと、お寅も文助に呼ばれて広前に行ってしまった。後に残った文助は松彦たちと話をするうち、蠑螈別が探している本当の義理天上の身魂・高姫が、今は三五教の斎苑館に仕えていることを知った。
そこへお寅が戻ってきて、松彦に上義姫の身魂・松姫にどうしても会うようにと促した。そこへ折よくお千代がやってきて、松彦を松姫館に連れて行った。
お寅は蠑螈別が高姫の話を立ち聞きしていたことを知って、また蠑螈別に手荒いことをする。一同はお寅に追い払われてしまう。後には蠑螈別とお寅は何事かぶつぶつ話をしているのみであった。
そこへ松姫に振られてしょんぼりとした魔我彦が帰ってきて一同にからかわれる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-02-23 19:51:37 OBC :rm4506
愛善世界社版:95頁 八幡書店版:第8輯 286頁 修補版: 校定版:99頁 普及版:39頁 初版: ページ備考:
001 魔我彦(まがひこ)義理(ぎり)天上(てんじやう)()()(かみ)生宮(いきみや)がお千代(ちよ)(みちび)かれ上義姫(じやうぎひめ)(やかた)()つた(あと)には、002松彦(まつひこ)一行(いつかう)と、003(とら)()アさま、004(きく)(はち)(にん)(ちや)()果物(くだもの)なぞを頬張(ほほば)つて(みち)(はなし)(ふけ)つて()る。005其所(そこ)受付(うけつけ)文助(ぶんすけ)(ぢい)さまが、006ノソリノソリとやつて()て、
007文助(ぶんすけ)『もしお(とら)さま、008広前(ひろまへ)(はう)から貴女(あなた)()(いただ)()いと、009大変(たいへん)矢釜(やかま)しう()つて()ました。010(きやく)さまの(なかば)()まないが一寸(ちよつと)()つて()(くだ)さいな。011(わたし)がそれ(まで)相手(あひて)して()ますから』
012(とら)(また)狂人(きちがひ)信者(しんじや)が、013(あば)()したのだらう、014あゝ仕方(しかた)がない、015(ひと)(しづ)めて()てやりませう。016末代(まつだい)(さま)一寸(ちよつと)失礼(しつれい)します。017落滝(おちたき)(ひこ)がその(かは)(はなし)のお相手(あひて)になりますから』
018松彦(まつひこ)()苦労(くらう)です、019どうぞゆつくり()つて()(くだ)さい、020ここで(わたし)はゆつくりと(やす)まして(いただ)いて()りますから』
021万公(まんこう)『おい五三公(いそこう)022蠑螈別(いもりわけ)さまは、023(おれ)(さつ)する(ところ)024(さけ)(くら)()つて(おく)()()()るのだよ。025それに(ちが)ひないわ。026そして()のお(とら)()アさまと痴話(ちわ)喧嘩(げんくわ)をやつたのだ。027キツトそれに()まつて()るよ』
028五三(いそ)(なん)でも高姫(たかひめ)々々(たかひめ)()つて()られたぢやないか。029三五教(あななひけう)高姫(たかひめ)さまと(なに)関係(くわんけい)があるのだらうかなア』
030万公(まんこう)(なん)とも()れないなア、031(しか)高姫(たかひめ)さまは(むかし)馴染(なじみ)だと()つて東野別(あづまのわけの)(みこと)一生(いつしやう)懸命(けんめい)になり、032()(まで)()つて自転倒(おのころ)(じま)から遥々(はるばる)斎苑(いそ)(やかた)(まで)()しになつて()るぢやないか。033此処(ここ)蠑螈別(いもりわけ)さまの()高姫(たかひめ)同名(どうめい)異人(いじん)だらうよ』
034五三(いそ)『さうだらうかな。035(おな)()世界(せかい)には沢山(たくさん)あるから、036さうかもしれないなア。037(しか)(たか)()()のつく(をんな)には随分(ずゐぶん)惚手(ほれて)(おほ)いと()えるねえ』
038文助(ぶんすけ)(みな)さま、039(いま)高姫(たかひめ)さまが斎苑(いそ)(やかた)()らつしやると()はれましたなア、040それは本当(ほんたう)ですかい』
041万公(まんこう)『ハイ本当(ほんたう)ですよ、042(なん)でもウラナイ(けう)とかを(ひら)いて()(かた)だと(ほのか)()きました。043随分(ずゐぶん)口喧(くちやかま)しい宣伝使(せんでんし)ですよ』
044文助(ぶんすけ)『ハテナ、045そんなら大方(おほかた)蠑螈別(いもりわけ)教祖(けうそ)(さま)(たづ)ねて(ござ)高姫(たかひめ)さまかも()れない』
046五三(いそ)高姫(たかひめ)さまと()ふのは黒姫(くろひめ)()弟子(でし)があつたやうですよ。047そして黒姫(くろひめ)には高山彦(たかやまひこ)といふ(あたま)(なが)いハズバンドがあつたと()(こと)です』
048文助(ぶんすけ)『それ()(うへ)蠑螈別(いもりわけ)(さま)(たづ)ねて(ござ)高姫(たかひめ)さまに(ちが)ひない、049(いま)斎苑(いそ)(やかた)()られますかなア』
050五三(いそ)『ハイ()られます。051高姫(たかひめ)さまも此処(ここ)教主(けうしゆ)(なに)(ふか)(みたま)因縁(いんねん)があつたのですかなア』
052文助(ぶんすけ)『あつたともあつたとも(みたま)()夫婦(ふうふ)だから、053どしても高姫(たかひめ)(さま)(ござ)らねば蠑螈別(いもりわけ)(さま)行状(ぎやうじやう)(なほ)らないのだ。054蠑螈別(いもりわけ)さまを改心(かいしん)さすのは高姫(たかひめ)さまのお(やく)だ、055義理(ぎり)天上(てんじやう)(さま)生宮(いきみや)だ』
056五三(いそ)『ヘー、057魔我彦(まがひこ)さまが義理(ぎり)天上(てんじやう)()出神(でのかみ)(ちが)ひますかな。058さう二人(ふたり)もあつてはどちらが(しん)()(わか)らぬぢやありませぬか』
059文助(ぶんすけ)(じつ)(ところ)高姫(たかひめ)(さま)所在(ありか)(わか)り、060此処(ここ)へお(むか)へする(まで)061(いち)(にち)()くてはならぬ義理(ぎり)天上(てんじやう)さまだから魔我彦(まがひこ)さまがそれ(まで)代理(だいり)(つと)めて(ござ)るのだ。062魔我彦(まがひこ)さまの本当(ほんたう)のお(みたま)道成(だうじやう)行成(ゆきなり)さまぢやぞえ』
063万公(まんこう)(なん)自由(じいう)のきく(かみ)(さま)ぢやなア』
064 蠑螈別(いもりわけ)(つぎ)()(さけ)()(つぶ)れ、065(とら)(なぐ)られた(あたま)(いた)さをこらへ(なが)ら、066高姫(たかひめ)(はなし)(みみ)()れるや(いな)や、067(にはか)(よひ)もさめ、068(ふすま)(みみ)をあて、069一言(いちごん)()らさじと()いて()た。070そこへお(とら)()アさまがスタスタと(かへ)つて()て、
071(とら)(みな)さま、072えらう()たせましたなア』
073文助(ぶんすけ)『これお(とら)さま、074(まへ)さま(おこ)つてはいけませぬよ。075(この)方々(かたがた)仰有(おつしや)るには、076あの蠑螈別(いもりわけ)さまの(さけ)(うへ)仰有(おつしや)高姫(たかひめ)さまが、077斎苑(いそ)(やかた)()()られるさうです』
078小声(こごゑ)(ささや)いた。079(とら)怪訝(けげん)(かほ)をして、
080(とら)『アヽ左様(さやう)か』
081()ひながら、
082(とら)末代(まつだい)(さま)(まこと)にお()たせ(いた)しました、083どうぞ、084上義姫(じやうぎひめ)(さま)一度(いちど)()つて(くだ)さい。085さうすると貴方(あなた)(みたま)因縁(いんねん)性来(しやうらい)がすつかり(わか)りますから』
086松彦(まつひこ)上義姫(じやうぎひめ)とか、087松姫(まつひめ)とかチヨイチヨイ()きますが、088どんな(かた)ですか』
089(とら)『エヽ素々(しらじら)しい、090さう(てら)すものぢやありませぬ。091これお(きく)や、092末代(まつだい)(さま)上義姫(じやうぎひめ)のお(やかた)(まで)()案内(あんない)(まを)しなさい』
093(きく)『ハイ、094さア末代(まつだい)(さま)095(わたし)()案内(あんない)(いた)しませう』
096松彦(まつひこ)(なに)はともあれ、097それではお()にかかりませう』
098()()()かうとする(ところ)へお千代(ちよ)(はし)(きた)り、
099千代(ちよ)『もし末代(まつだい)(さま)とやら上義姫(じやうぎひめ)(さま)大変(たいへん)()()ねです。100何卒(どうぞ)一人(ひとり)さま()らして(くだ)さいませ、101折入(をりい)つてお(はな)(まをし)たいとの(こと)(ござ)います』
102松彦(まつひこ)(しか)らば(うかが)つて()ませう。103(とら)さま、104(その)(ほか)()一同(いちどう)105一寸(ちよつと)失礼(しつれい)(いた)します』
106(とら)何卒(どうぞ)シツポリと(みづ)()らさぬ情約(じやうやく)締結(ていけつ)(あそ)ばしませ』
107(いや)らしく(わら)ふ。108松彦(まつひこ)合点(がてん)()かぬと(おも)ひながらお千代(ちよ)(みちび)かれ、109(この)()()つた。
110 お(とら)蠑螈別(いもりわけ)()気遣(きづか)ひ、111そつと(ふすま)()()けた。112()れば蠑螈別(いもりわけ)(ふすま)(きは)鉢巻(はちまき)しながら()つて()る。
113蠑螈(いもり)『ヤアお(とら)か、114吃驚(びつくり)した』
115(とら)『それや吃驚(びつくり)なさつたでせう。116高姫(たかひめ)(さま)所在(ありか)()()きして(ござ)つた(ところ)へ、117()()さぬお寅婆(とらばば)突然(とつぜん)(ふすま)をあけたものですから、118御尤(ごもつと)もです』
119()ひながら、120()(うで)(ちから)(いつ)ぱい(つめ)つた。121蠑螈別(いもりわけ)は、
122蠑螈(いもり)『エヽ馬鹿(ばか)にすない、123いつとても打擲(ちやうちやく)ばかりしよつて、124貴様(きさま)のお(かげ)生創(なまきづ)()えた()なしだ』
125(とら)『これ蠑螈別(いもりわけ)さま、126(にく)くつて(ひと)つも(つめ)られませうか』
127()うて(また)()める。
128蠑螈(いもり)『エヽ(いた)い、129(きやく)さまがあるぢやないか、130()つともない』
131(つぶや)く。132(とら)狂気(きやうき)のやうになつて、
133(とら)『エヽ()つともないとは()くも()へたものだ。134あまり馬鹿(ばか)にしなさるな。135この(とら)だつて馬鹿(ばか)ぢやありませぬよ。136(ちつと)性根(しやうね)もありますからな』
137蠑螈(いもり)()れやもう今日(けふ)(かぎ)りに此処(ここ)()()く、138(あと)何分(なにぶん)(たの)む』
139(とら)『エヽ(なん)仰有(おつしや)る、140いやな(わたし)()()てて夜鷹(よたか)のやうな高姫(たかひめ)(ところ)()くのでせう、141そんなら()きなさい。142(わか)れに()(とほ)り』
143()(なが)ら、144(ちから)(いつ)ぱい剛力(がうりき)(まか)せて(はな)をねぢあげた。145蠑螈別(いもりわけ)はフラフラと()(くら)み、146ドスンと(その)()()(たふ)れた。
147 (この)物音(ものおと)(おどろ)いて、148万公(まんこう)149五三公(いそこう)150アク、151テク、152タクの()(にん)はバラバラと一室(ひとま)駆込(かけこ)み、
153五三(いそ)『これこれお(ばあ)さま、154(かみ)(さま)(みち)()ながら(なん)()手荒(てあら)(こと)をするのだ』
155(とら)『ほんの些細(ささい)内証事(ないしようごと)156さう(みな)さまに()(もら)ふやうな(こと)ではありませぬ。157どうぞ彼方(あちら)で、158ゆつくりとお(ちや)(あが)つて(くだ)さいませ』
159(きく)『お(かあ)さま、160蠑螈別(いもりわけ)さまは()(まわ)して()られるぢやありませぬか』
161アク『(なん)手荒(てあら)(ばあ)さまぢやなア』
162タク『本当(ほんたう)に』
163テク『ひどいなア、164こんな(こと)(おも)ふと(をんな)はもう(おそ)ろしくなつたわ』
165五三(いそ)『オイ万公(まんこう)166随分(ずゐぶん)(まへ)義理(ぎり)(おや)侠客(けふかく)だけあつて(つよ)いものぢやなア』
167(とら)『ホヽヽヽヽ、168猪喰(ししく)つた(いぬ)は、169どこかに(ちが)(ところ)がありませうがな。170サア彼方(あちら)()きなさい。171蠑螈別(いもりわけ)さまはチヨコチヨコかう()病気(びやうき)があるのだ。172これから(わたし)(くわつ)()れて()(いけ)()げますから、173あまり大勢(おほぜい)ドヤドヤとして()ると(みたま)中有(ちうう)(まよ)うて(もと)(さや)(をさ)まらぬと迷惑(めいわく)だから』
174万公(まんこう)()()はお(とら)さまに(まか)して、175(おれ)(たち)(つぎ)()でお(ちや)でも(いただ)かうかい』
176一同(いちどう)『ウンそんならさうしようかなア』
177(つぎ)()()つて()く。
178(とら)『オイお(きく)179(まへ)小供(こども)だてらこんな(ところ)にジツとしてゐるものぢやない、180蠑螈別(いもりわけ)さまは(わたし)介抱(かいほう)してあげるから』
181(きく)『あまり手荒(てあら)(こと)はしないやうにして(くだ)さいな』
182(とら)()うしようと、183()うしようと此方(こちら)勝手(かつて)だ。184小供(こども)だてら差出口(さしでぐち)をするものぢやない。185サア彼方(あちら)()きなさい』
186(きく)『それでも心配(しんぱい)でならないわ』
187(とら)『エヽ(しつ)こい』
188()()す、189(きく)(なみだ)ぐみながら(おもて)()して(いで)()く。190蠑螈別(いもりわけ)(やうや)(いき)()(かへ)し、191(なに)かハツキリは(きこ)えないが、192(とら)二人(ふたり)でブツブツと(はな)しをやつて()る。
193タク『アク、194(なん)とまア、195ウラナイ(けう)手荒(てあら)(こと)をする(をんな)()るものぢやなア。196バラモン(けう)だつてあんな(ひど)(こと)は、197まだしたのを()(こと)はないがなア。198最前(さいぜん)もウラナイ(けう)天下(てんか)泰平(たいへい)上下(じやうげ)一致(いつち)和合(わがふ)(をしへ)だ。199三五教(あななひけう)200ウラル(けう)201バラモン(けう)のやうに喧嘩(けんくわ)(ばか)りして()(をしへ)(しん)ぜず、202ウラナイ(けう)(はい)れと(えら)さうに()ひよつたが、203薩張(さつぱり)204(くち)(おこな)ひとは裏表(うらおもて)だ』
205テク『それだから()(なか)(まこと)(もの)目薬(めぐすり)(ほど)()いと(かみ)(さま)仰有(おつしや)るのだよ』
206タク『本当(ほんたう)だねえ』
207万公(まんこう)(うは)べから()れば(たふと)神司(かむつかさ)
208(その)内幕(うちまく)には大蛇(をろち)()むなり』
209五三(いそ)本当(ほんたう)愛想(あいさう)()きたウラナイの
210(かみ)(みち)にもやはり(うら)あり』
211アク『あきれたよお(とら)()さまの(いきほ)ひに
212蠑螈別(いもりわけ)捻伏(ねぢふ)せた(とこ)
213タク『それやさうぢや女白浪(をんなしらなみ)ばくちうち
214夜叉(やしや)のやうなるお(とら)()さまだ』
215テク『テクテクと(きつ)山道(やまみち)(のぼ)()
216(おも)ひもよらぬ喧嘩(けんくわ)()るかな。
217あの(ばば)唯者(ただもの)ならじと(おも)うたら
218白浪(しらなみ)(をんな)のなれの()てなる。
219あの(ひと)がウラナイ(けう)教祖(けうそ)かと
220(おも)へばたまげて(もの)()はれぬ。
221小北山(こぎたやま)(しこ)(あらし)()(すさ)
222丑寅(うしとら)()さまが(すさ)(くる)へる。
223ユラリ(ひこ)ユラリの(ひめ)御校正本・愛世版では「ユラリの姫」だが、校定版・八幡版では「上義の姫」になっている。小北山に「ユラリ姫」という祭神はここ以外には登場しないので、「上義姫」の間違いだと校定版の編者が判断したのであろう(まつ)つたる
224小北(こぎた)(やま)(こひ)埃捨(ごみす)て。
225埃溜(ごみため)千歳(ちとせ)(つる)()りたよな
226松彦(まつひこ)さまのお()ましあはれ。
227寅婆(とらばば)(なん)ぢやかんぢやと口先(くちさき)
228喧嘩(けんくわ)()せよと()れて()たのか』
229五三(いそ)『やきもちをやいて(おれ)()()()ふと
230一生(いつしやう)懸命(けんめい)にやつて()るのだ。
231(いぬ)さへも()はない(やう)喧嘩(けんくわ)して
232()せつけるとはこいつアたまらぬ。
233悋気(りんき)して()ぬの(はし)るの(ひま)くれと
234(ぬか)(かか)よりひどい(ばば)うき』
235アク『アク(まで)(こひ)意地(いぢ)をば()(とほ)
236小北(こぎた)(やま)がこはれる(まで)()く。
237あのやうなアク性女(しやうをんな)(みい)られて
238蠑螈別(いもりわけ)(さぞ)(こま)るだらう』
239テク『それやさうぢや丑寅(うしとら)()さまと()ふぢやないか
240悋気(りんき)(つの)をふるは当然(たうぜん)
241こいつア(また)怪体(けたい)(とこ)()たものぢや
242()ぬに()なれず()るに()られず。
243松彦(まつひこ)(つかさ)(なに)して(ござ)るだろ
244心許(こころもと)なし小北(こぎた)山風(やまかぜ)
245 ()かる(ところ)蒼青(まつさを)(かほ)してブラリブラリと(はい)つて()たのは魔我彦(まがひこ)であつた。
246万公(まんこう)『よう魔我彦(まがひこ)さま、247()つと顔色(かほいろ)(わる)いぢやありませぬか、248(なに)(また)ナイスに(あぶら)()られたのでせう』
249魔我(まが)『チヨツ、250イヤ(なん)でもありませぬ、251(おそ)ろしいものでありますわい。252本当(ほんたう)にチヨツ、253ふげたの(わる)い、254もう(いや)になつて仕舞(しま)つた。255エヽもどかしい、256(ぢれ)つたい、257胸糞(むねくそ)(わる)い、258チヨツしんごく()259エヽかんあかん、260チヨツ因縁(んねん)づくだ。261ンザリして仕舞(しま)つた。262チヨツ、263(まま)よ、264れもチヨツもう自暴自棄(やけ)だ。265カヽヽヽヽ(かま)うものかい、266チヨツ、267()()はぬ、268チヨツ、269ヽヽヽヽ(くそ)餓鬼(がき)()270チヨツ、271ヽヽヽヽ()(たい)(わる)いわ、272ヽヽヽヽころりとやられて()た。273チヨツ、274らしやがつたな、275んごくど()276チヨツ、277()かんたらしい、278ヽヽ雪隠虫(せんちむし)め。279チヨツ、280あゝ、281ろそろと寝間(ねま)へでも(はい)つて(やす)まうかな、282ヽヽ(たちま)ちだ、283(おぼ)えてけつかれツとは(しやう)があるぞ、284チヨツ、285()しやがつてヽてれ(くさ)い、286ツととんぼり(かへ)りをさせやがつたな、287チヨツ、288(なさけ)ない、289チヨツ、290ヽにくらしい、291ヽヽヌツと()()やがつて、292ヽヽ()つから()つからぞみが(たつ)しさうにもなしドい()()はしやがつた。293チヨツ、294(ふと)(こと)()でやつてけつかるのだらう、295ヽほんまに、296(よく)熊鷹(くまたか)だ。297ヽヽヽまたが()けるぞ、298ヽヽ()てけつかれ、299無茶(むちや)でも、300()をかけた以上(いじやう)は、301ヽもう(ゆる)さぬぞ』
302五三(いそ)『コレコレ魔我彦(まがひこ)さま、303(なに)(ひと)(ごと)()つて()るのだ、304テンと(わけ)(わか)らないぢやないか。305ヽややこしいキサツが、306ウルサイ(ほど)307湧出(ゆうしゆつ)して()るのだろ、308遠慮(ゑんりよ)なく五三公(いそこう)さまにヽよく()らして()ヽらちもない(こと)()ければ、309立派(りつぱ)理由(りいう)を、310縷述(るじゆつ)して(かた)をつけたらよいぢやないか。311大方(おほかた)恋愛(れんあい)失策(しつさく)だらう。312ヽローマンスがあるのぢやないか、313(わが)()(ちから)()(こと)なら、314ヽいかなる(こと)でも()()うて(えん)(むす)び、315(をさ)めてやろか、316ホヽヽヽヽ』
317魔我(まが)五三公(いそこう)さま、318(じつ)(ところ)はパリぢや、319パリはパリだが、320サツパリだ』
321五三(いそ)『ヘーン』
322一同(いちどう)『ウフヽヽヽ、323ワハヽヽヽ、324(なに)(なん)だか(わけ)(わか)らぬやうになつて()たワイ、325(わか)らいでも矢張(やつぱり)をかしいワイ、326ウハヽヽヽヽ、327イヒヽヽヽ』
328大正一一・一二・一一 旧一〇・二三 加藤明子録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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