霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 幽貝(いうかひ)〔一四二四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻 篇:第3篇 玉置長蛇 よみ(新仮名遣い):たまきちょうだ
章:第16章 幽貝 よみ(新仮名遣い):ゆうかい 通し章番号:1424
口述日:1923(大正12)年03月04日(旧01月17日) 口述場所:竜宮館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
四人の修験者たちはシメジ峠の南麓に着いた。一通りなき、昼なお暗い坂道を、四人は宣伝歌を歌いながら登っていく。
シメジ峠の頂上に達し、四人は松の根に腰かけてしばし息を休め、述懐の歌を歌った。そして今度は峠の坂を降って行く。
四人はビクの国へは立ち寄らず、山道を分けて照国山の谷間の清めの滝に向かって進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-05-27 16:29:23 文字数:2940 OBC :rm5516
愛善世界社版:204頁 八幡書店版:第10輯 109頁 修補版: 校定版:215頁 普及版:91頁 初版: ページ備考:
001鬼春別(おにはるわけ)の治道(ちだう)居士(こじ)
002道貫(だうくわん)素道(そだう)求道(きうだう)居士(こじ)
003此(この)四柱(よはしら)の修験者(しうげんじや)
004北(きた)の森(もり)をば立出(たちい)でて
005ブーブーブーと法螺(ほら)の貝(かひ)
006吹(ふ)き立(た)て山野(さんや)の木精(こだま)をば
007響(ひび)かせ乍(なが)らスタスタと
008杖(つゑ)を力(ちから)に進(すす)み行(ゆ)く。
009 治道(ちだう)居士(こじ)は北(きた)の森(もり)を立出(たちい)で、010三(さん)人(にん)と共(とも)にシメジ峠(たうげ)の南麓(なんろく)に着(つ)いた。011これから先(さき)は非常(ひじやう)な難所(なんしよ)が処々(ところどころ)にある。012人通(ひとどほ)りさへなき昼(ひる)猶(なほ)暗(くら)き樹木(じゆもく)の茂(しげ)る坂道(さかみち)を喘(あへ)ぎ喘(あへ)ぎ登(のぼ)り乍(なが)ら足拍子(あしびやうし)をとり歌(うた)ひ行(ゆ)く。
013治道居士『猪倉山(ゐのくらやま)の峰続(みねつづ)き
014此処(ここ)は名(な)におふシメジ坂(ざか)
015駒(こま)も通(かよ)はぬ阪道(さかみち)を
016神(かみ)の手綱(たづな)に曳(ひ)かれつつ
017沙門(しやもん)の姿(すがた)に身(み)を変(か)へて
018至善(しぜん)至上(しじやう)の神(かみ)の道(みち)
019治(をさ)めて世人(よびと)を救(すく)はむと
020心(こころ)の駒(こま)に鞭撻(むちう)つて
021吾々(われわれ)四(よ)人(にん)は登(のぼ)り行(ゆ)く
022ハアハアハアハアきつい阪(さか)
023御(ご)一同(いちどう)気(き)をつけ成(な)されませ
024もしも転落(てんらく)した時(とき)は
025折角(せつかく)神(かみ)に許(ゆる)された
026照国山(てるくにやま)の荒行(あらぎやう)も
027サツパリ駄目(だめ)になりまする
028ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
029昨日(きのふ)に変(かは)る今日(けふ)の空(そら)
030ハアハアハアハア ウンウンウン
031実(げ)に騒(さわ)がしき蝉(せみ)の声(こゑ)
032そのひぐらしの杣人(そまびと)も
033容易(ようい)に渡(わた)らぬ此(この)阪(さか)を
034登(のぼ)るは苦(くる)しき様(やう)なれど
035山(やま)と積(つ)みてし罪科(つみとが)を
036神(かみ)の御水火(みいき)に祓(はら)はれて
037栄(さか)え久(ひさ)しき天国(てんごく)に
038上(のぼ)りて行(ゆ)かむ首途(かどいで)と
039思(おも)ひまはせばハアハアハア
040何程(なにほど)阪(さか)は峻(けは)しとも
041如何(いか)でか怯(ひる)まむ惟神(かむながら)
042進(すす)めば広(ひろ)き平地(へいち)あり
043此(この)難関(なんくわん)を乗(の)り越(こ)えて
044花(はな)爛漫(らんまん)と開(ひら)きたる
045神(かみ)の御園(みその)に進(すす)みなば
046今(いま)絞(しぼ)り出(だ)す汗脂(あせあぶら)
047苦(く)もなくここに拭(ふ)き取(と)られ
048神(かみ)の御国(みくに)のエンゼルと
049此(この)世(よ)ながらに健(まめ)やかに
050仕(つか)へて神(かみ)と道(みち)のため
051世人(よびと)のために面白(おもしろ)き
052尊(たふと)き余生(よせい)を送(おく)り得(え)む
053悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)の軍人(いくさびと)
054今(いま)は心(こころ)も和(やは)らぎて
055大慈(だいじ)大悲(だいひ)の弥勒神(みろくしん)
056恵(めぐみ)の露(つゆ)を蒙(かがぶ)りつ
057ビクの神国(みくに)を指(さ)して行(ゆ)く
058ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
059神(かみ)の恵(めぐみ)の深(ふか)くして
060吾(わが)行(ゆ)く道(みち)に曲(まが)もなく
061悪(あ)しき獣(けもの)の災(わざはひ)も
062あらずに進(すす)ませ玉(たま)へかし
063駒(こま)曳(ひ)きつれて此(この)阪(さか)を
064下(くだ)りし時(とき)のハアハアハア
065吾(わが)勢(いきほひ)に比(くら)ぶれば
066今(いま)は天地(てんち)の相違(さうゐ)あり
067悪鬼(あくき)羅刹(らせつ)は忽(たちま)ちに
068仁慈(じんじ)無限(むげん)のエンゼルと
069変化(へんくわ)したるも三五(あななひ)の
070神(かみ)の司(つかさ)の御賜物(みたまもの)
071仰(あふ)げば高(たか)し久方(ひさかた)の
072天津(あまつ)御空(みそら)に照(て)り渡(わた)る
073月日(つきひ)の恵(めぐみ)いと清(きよ)く
074四方(よも)の草木(くさき)はスクスクと
075茂(しげ)り栄(さか)えて天国(てんごく)の
076姿(すがた)を写(うつ)す楽(たの)しさよ
077ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
078神(かみ)のまにまに進(すす)む身(み)は
079いづくの空(そら)に至(いた)るとも
080如何(いか)でか恐(おそ)れむ敷島(しきしま)の
081大和心(やまとごころ)の照(て)る限(かぎ)り
082心(こころ)も身(み)をも筑紫潟(つくしがた)
083高砂島(たかさごじま)の果(は)て迄(まで)も
084進(すす)みて行(ゆ)かむ神(かみ)の道(みち)
085守(まも)らせ玉(たま)へ惟神(かむながら)
086ウントコドツコイ ドツコイシヨ
087天地(てんち)の主(ぬし)と現(あれ)ませる
088皇(すめ)大神(おほかみ)の御(おん)前(まへ)に
089慎(つつし)み畏(かしこ)み願(ね)ぎ奉(まつ)る』
090 エミシの求道(きうだう)居士(こじ)は汗(あせ)をタラタラ流(なが)し乍(なが)ら一行(いつかう)の前(さき)に立(た)つて元気(げんき)よく歌(うた)ひ乍(なが)ら上(のぼ)り行(ゆ)く。
091求道(きうだう)『春(はる)は花(はな)咲(さ)き鳥(とり)歌(うた)ひ
092草木(くさき)の末(すゑ)も青々(あをあを)と
093茂(しげ)り栄(さか)ゆる夏(なつ)の日(ひ)も
094いつしか越(こ)えて秋(あき)の風(かぜ)
095木枯(こがらし)荒(すさ)む冬(ふゆ)の空(そら)
096満天(まんてん)忽(たちま)ち雪雲(ゆきぐも)に
097包(つつ)まれ月日(つきひ)を隠(かく)せども
098軈(やが)て一陽(いちやう)来復(らいふく)の
099再(ふたた)び春(はる)が来(く)る時(とき)は
100又(また)もや山野(さんや)は爛漫(らんまん)と
101いと美(うる)はしき花(はな)ぞ咲(さ)く
102世(よ)の有様(ありさま)を眺(なが)むれば
103これの地上(ちじやう)に生(うま)れたる
104人(ひと)の身魂(みたま)も何時(いつ)しかに
105移(うつ)り変(かは)らぬ事(こと)やある
106バラモン軍(ぐん)のカーネルと
107数多(あまた)の軍兵(ぐんぴやう)指揮(しき)なして
108威張(ゐば)り散(ち)らした此(この)エミシ
109今(いま)は全(まつた)くハアハアハア
110神(かみ)の教(をしへ)に目(め)を覚(さ)まし
111執着心(しふちやくしん)を放擲(はうてき)し
112現幽(げんいう)神界(しんかい)一体(いつたい)の
113救(すく)ひの道(みち)に進(すす)み入(い)り
114至善(しぜん)至上(しじやう)の御教(みをしへ)を
115体得(たいとく)したる嬉(うれ)しさよ
116朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
117月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
118地異(ちい)天変(てんぺん)は起(おこ)るとも
119神(かみ)に任(まか)せし此(この)体(からだ)
120如何(いか)でか初心(しよしん)をドツコイシヨ
121翻(ひるがへ)さむや惟神(かむながら)
122神(かみ)に任(まか)せし此(この)体(からだ)
123照国山(てるくにやま)の谷間(たにあひ)で
124百日(ももか)百夜(ももよ)の行(ぎやう)修(をさ)め
125神(かみ)の御徳(みとく)を身(み)に享(う)けて
126世人(よびと)を救(すく)ふ比丘(びく)となり
127月照彦(つきてるひこ)の大神(おほかみ)の
128守(まも)らせ玉(たま)ふ月(つき)の国(くに)
129いや永久(とこしへ)に開(ひら)くべし
130ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
131御霊(みたま)幸(さちは)ひましませよ』
132 かく歌(うた)ひ乍(なが)らシメジ峠(たうげ)の頂上(ちやうじやう)に達(たつ)した。133風(かぜ)に曝(さら)されて洒落(しやれ)きつた面白(おもしろ)い松(まつ)の木(き)が六七本(ろくしちほん)並(なら)んでゐる。134四(よ)人(にん)は松(まつ)の根(ね)に腰打掛(こしうちか)け汗(あせ)を拭(ぬぐ)ひ乍(なが)ら少時(しばし)息(いき)を休(やす)めてゐる。
135治道(ちだう)『見渡(みわた)せば四方(よも)の山々(やまやま)青葉(あをば)して
136心(こころ)も清(きよ)く晴(は)れ渡(わた)るなり』
137道貫(だうくわん)『ライオンの川(かは)の流(なが)れは弥遠(いやとほ)く
138帯(おび)の如(ごと)くに見(み)えにけるかな』
139素道(そだう)『見渡(みわた)せば何処(いづこ)も同(おな)じ天国(てんごく)の
140姿(すがた)なるらむ青々(あをあを)として』
141求道(きうだう)『大空(おほぞら)も大地(だいち)の上(うへ)も青々(あをあを)と
142綾(あや)を翳(かざ)して塵(ちり)もとどめず。
143年(とし)老(お)いし松(まつ)の木蔭(こかげ)に休(やす)らひて
144汗(あせ)拭(ふ)き払(はら)ふ峰(みね)の夏風(なつかぜ)』
145治道(ちだう)『吹(ふ)く風(かぜ)は天津(あまつ)神国(みくに)の神人(かみびと)の
146御水火(みいき)なるらむいとも涼(すず)しき』
147素道(そだう)『苦(くる)しみて漸(やうや)くここに登(のぼ)り見(み)れば
148涼(すず)しき風(かぜ)の吾(われ)を待(ま)ちぬる』
149道貫(だうくわん)『いざさらば此(この)阪道(さかみち)を下(くだ)るべし
150つづかせ玉(たま)へ神司(かむつかさ)等(たち)』
151求道(きうだう)『これよりは愈(いよいよ)下(くだ)り阪(ざか)となる
152されど身魂(みたま)は神国(みくに)に上(のぼ)る』
153 かく歌(うた)ひ乍(なが)ら、154四(よ)人(にん)は危(あやふ)き阪道(さかみち)を一歩(ひとあし)々々(ひとあし)注意(ちうい)しつつ下(くだ)り行(ゆ)く。
155 道貫(だうくわん)は又(また)歌(うた)ふ。
156道貫(だうくわん)『バラモン教(けう)の久米彦(くめひこ)と
157世(よ)に謳(うた)はれし将軍(しやうぐん)も
158時世(ときよ)時節(じせつ)の力(ちから)にて
159心(こころ)の駒(こま)を立(た)て直(なほ)し
160自(みづか)ら鞭撻(むちう)つ膝栗毛(ひざくりげ)
161ビクビクビクとビクの国(くに)
162比丘(びく)の姿(すがた)に身(み)を窶(やつ)し
163心(こころ)の鑑(かがみ)も照国(てるくに)の
164山(やま)の谷間(たにま)に立向(たちむか)ひ
165谷間(たにま)を落(お)ちる岩清水(いはしみづ)
166鼓(つづみ)の滝(たき)に身(み)を打(う)たせ
167汚(けが)れ果(は)てたる垢離(くり)をとり
168霊肉(れいにく)ともに清浄(しやうじやう)に
169立直(たちなほ)したるその上(うへ)で
170ビクトル山(さん)の神殿(しんでん)に
171参拝(さんぱい)なして今(いま)迄(まで)の
172犯(おか)せし罪(つみ)を悉(ことごと)く
173謝(あやま)り詫(わ)びてビクトリヤ
174王(わう)の御前(みまへ)に参向(さんかう)し
175過(す)ぎにし春(はる)の無礼(ぶれい)をば
176拝謝(はいしや)しまつり三五(あななひ)の
177誠(まこと)の道(みち)の教(をし)へ子(ご)と
178仕(つか)へまつらむ吾(わが)心(こころ)
179守(まも)らせ玉(たま)へ惟神(かむながら)
180国治立(くにはるたち)の大神(おほかみ)の
181御前(みまへ)に慎(つつし)み願(ね)ぎ奉(まつ)る
182朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
183月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
184仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
185誠(まこと)の力(ちから)は世(よ)を救(すく)ふ
186今(いま)まで悪(あく)を尽(つく)したる
187心(こころ)の暗(くら)き久米彦(くめひこ)も
188忽(たちま)ち日出(ひので)の守護(しゆご)となり
189吾(わが)精霊(せいれい)は天国(てんごく)に
190上(のぼ)りて神(かみ)の栄光(えいくわう)に
191仕(つか)ふる身(み)とはなりにけり
192ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
193神(かみ)の恵(めぐ)みを慎(つつし)みて
194喜(よろこ)び感謝(かんしや)し奉(たてまつ)る』
195 素道(そだう)は阪(さか)を下(くだ)り漸(やうや)く平地(へいち)に着(つ)いて元気(げんき)を恢復(くわいふく)し、196人並(ひとなみ)に歌(うた)はねばならぬと思(おも)つたか、197妙(めう)な皺枯(しわが)れ声(ごゑ)を出(だ)して一歩(ひとあし)々々(ひとあし)拍子(ひやうし)をとり歌(うた)ひ始(はじ)めたり。
198素道居士『三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)
199治国別(はるくにわけ)に助(たす)けられ
200誠(まこと)の道(みち)を悟(さと)りてゆ
201今(いま)迄(まで)つづけし罪業(ざいごふ)が
202いと恐(おそ)ろしくなり来(きた)り
203死後(しご)の生涯(しやうがい)ある事(こと)を
204思(おも)へば短(みじか)き現世(げんせ)にて
205小(ちひ)さき欲(よく)に踏(ふ)み迷(まよ)ひ
206名利(めいり)の奴隷(どれい)となるよりも
207一切(いつさい)万事(ばんじ)執着(しふちやく)の
208衣(きぬ)脱(ぬ)ぎ棄(す)てて比丘(びく)となり
209生(うま)れ赤児(あかご)となり変(かは)り
210此(この)世(よ)を捨(す)てし修験者(しうげんじや)
211本来(ほんらい)此(この)世(よ)は無東西(むとうざい)
212何処有(かしよう)南北(なんぼく)是宇宙(これうちう)
213色即(しきそく)是空(ぜくう)の世(よ)の習(なら)ひ
214空即(くうそく)是色(ぜしき)の真諦(しんたい)を
215漸(やうや)く悟(さと)り吾々(われわれ)は
216剣(つるぎ)を棄(す)てて言霊(ことたま)の
217神(かみ)の依(よ)さしの御剣(みつるぎ)に
218持(も)ち直(なほ)したる嬉(うれ)しさよ
219ブーブーブーと法螺(ほら)の貝(かひ)
220吹(ふ)き鳴(な)らし行(ゆ)く嬉(うれ)しさは
221此(この)世(よ)に生(い)きて人欲(にんよく)に
222囚(とら)はれ居(ゐ)たる人(ひと)の身(み)の
223転迷(てんめい)開悟(かいご)の声(こゑ)聞(き)いて
224目(め)を覚(さ)ましたる鬨(とき)の声(こゑ)
225そも法螺貝(ほらがひ)と云(い)ふ奴(やつ)は
226生(いき)たる時(とき)は声(こゑ)もなし
227死(し)んで死骸(しがい)となりし時(とき)
228生言霊(いくことたま)の息(いき)により
229大(だい)なる声(こゑ)を張(は)り上(あ)げて
230遠(とほ)き近(ちか)きの山彦(やまびこ)を
231驚(おどろ)かし行(ゆ)く健気(けなげ)さよ
232吾(われ)も現世(げんせ)に住(す)まひては
233いとも小(ちひ)さきものにして
234呼(よ)ばはる国(くに)は四方(よも)の国(くに)
235轟(とどろ)く術(すべ)もなけれども
236此(この)世(よ)を去(さ)りて霊界(れいかい)に
237復活(ふくくわつ)したる其(その)時(とき)は
238此(この)法螺貝(ほらがひ)ぢやなけれども
239其(その)言霊(ことたま)は弥高(いやたか)く
240高天原(たかあまはら)に鳴(な)り渡(わた)り
241中有界(ちううかい)や地獄界(ぢごくかい)
242彷徨(さまよ)ひ苦(くる)しむ身魂(みたま)をば
243いとも尊(たふと)き天国(てんごく)へ
244導(みちび)き悟(さと)す瑞祥(ずゐしやう)と
245喜(よろこ)び勇(いさ)み吹(ふ)き立(た)てる
246プープープープー プツプツプツ
247ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
248御霊(みたま)幸(さちは)ひましませよ』
249 かく歌(うた)ひ乍(なが)ら四(よ)人(にん)は列(れつ)を正(ただ)しうしてビクの国(くに)へは立寄(たちよ)らず、250直(ただ)ちに荊棘(けいきよく)茂(しげ)る山道(やまみち)を分(わ)けて照国山(てるくにやま)の谷間(たにま)、251清(きよ)めの滝(たき)に向(むか)つて一目散(いちもくさん)に進(すす)み行(ゆ)く。
 
252 死(し)んでから大(いか)い声(こゑ)出(だ)す法螺(ほら)の貝(かひ)
253 改心(かいしん)の言霊(ことたま)を吹(ふ)く法螺(ほら)の貝(かひ)
 
254(大正一二・三・四 旧一・一七 於竜宮館 北村隆光録)
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