霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 万巌(まんがん)〔一四二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第55巻 真善美愛 午の巻 篇:第4篇 法念舞詩 よみ(新仮名遣い):ほうねんぶし
章:第17章 万巌 よみ(新仮名遣い):まんがん 通し章番号:1425
口述日:1923(大正12)年03月04日(旧01月17日) 口述場所:竜宮館 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
玉置村のテームスは屋敷や山林田畑を開放し村人の共有となし、新しい村を経営することになった。治国別は神勅により、しばらくテームス宅に止まっていた。
仮宮に大神を鎮座する祭典に、数百人の老若男女が喜び勇んで集まり列した。治国別は祭主となって神殿に向かって祝詞くづしの宣伝歌を奏上した。
村人たちは千引の岩を神前に奉ろうと大綱を握り歌を歌って進んでくる。社の傍らに添えられた千引の岩は、この岩石が腐るまで心を変えずに神に尽くす、という赤心の供え物であった。
万公は村人と同じく捻鉢巻をして運んできた石を場に据えようと、槌を振り上げて大地を固め、杭を打って歌いながら作業に励んでいる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-05-29 19:16:19 文字数:3647 OBC :rm5517
愛善世界社版:219頁 八幡書店版:第10輯 114頁 修補版: 校定版:231頁 普及版:95頁 初版: ページ備考:
001 玉置(たまき)の村(むら)のテームスは治国別(はるくにわけ)の教(をしへ)を聞(き)いて今(いま)迄(まで)の貪欲心(どんよくしん)や執着心(しふちやくしん)を弊履(へいり)を捨(す)つるが如(ごと)くに脱却(だつきやく)し、002広(ひろ)き邸(やしき)を開放(かいはう)し村人(むらびと)の共有(きよういう)とし、003且(か)つ山林(さんりん)田畑(でんばた)を村内(そんない)に提供(ていきよう)して共有(きよういう)となし、004茲(ここ)に一団(いちだん)となつて新(あたら)しき村(むら)を経営(けいえい)する事(こと)となつた。005先(ま)づ大神(おほかみ)の神殿(しんでん)を造営(ざうえい)すべく村人(むらびと)は今(いま)迄(まで)テームスの持(も)ち山(やま)たりし遠近(をちこち)の山(やま)に分(わ)け入(い)つて木(き)を切(き)り板(いた)を挽(ひ)き、006日夜(にちや)赤心(まごころ)を尽(つく)し、007漸(やうや)くにして一(いつ)ケ月(げつ)を経(へ)たる後(のち)仮宮(かりみや)を造営(ざうえい)し、008大神(おほかみ)を鎮座(ちんざ)する事(こと)となつた。009治国別(はるくにわけ)は村人(むらびと)に教(をしへ)を伝(つた)ふべく、010又(また)この神館(かむやかた)の完成(くわんせい)する迄(まで)神勅(しんちよく)に依(よ)つて待(ま)つ事(こと)とした。011数百(すうひやく)人(にん)の老若(らうにやく)男女(なんによ)は悦(よろこ)び勇(いさ)みて社前(しやぜん)に集(あつ)まり、012この盛大(せいだい)なる盛典(せいてん)に列(れつ)した。013治国別(はるくにわけ)は祭主(さいしゆ)となり、014神殿(しんでん)に向(むか)つて祝詞(のりと)くづしの宣伝歌(せんでんか)を奏上(そうじやう)した。
 
015治国別(はるくにわけ)『久方(ひさかた)の天津(あまつ)御空(みそら)の高天原(たかあまはら)に、016鎮(しづ)まり居(ゐ)ます大国常立(おほくにとこたち)の大神(おほかみ)、017神(かむ)伊邪那岐(いざなぎ)の大神(おほかみ)伊邪那美(いざなみ)の大神(おほかみ)、018厳(いづ)の御霊(みたま)の大神(おほかみ)瑞(みづ)の御霊(みたま)の大神(おほかみ)を初(はじ)め奉(まつ)り、019天津(あまつ)神(かみ)国津(くにつ)神(かみ)八百万(やほよろづ)の神(かみ)達(たち)の御前(みまへ)に、020三五教(あななひけう)の神司(かむつかさ)治国別(はるくにわけ)の命(みこと)、021清(きよ)き尊(たふと)き珍(うづ)の御前(みまへ)に慎(つつし)み敬(ゐやま)ひ、022畏(かしこ)み畏(かしこ)みも申(まを)さく、023高天原(たかあまはら)の月(つき)の御国(みくに)を知(しろ)し召(め)す、024瑞(みづ)の御霊(みたま)の大御神(おほみかみ)、025日(ひ)の神国(かみくに)を知(しろ)し召(め)す、026厳(いづ)の御霊(みたま)の大神(おほかみ)は、027現身(うつそみ)の世(よ)の曇(くも)り汚(けが)れ罪(つみ)過(あやまち)を、028科戸(しなど)の風(かぜ)に吹(ふ)き払(はら)ひ、029速川(はやかは)の瀬(せ)に流(なが)し捨(す)て、030清(きよ)き麗(うるは)しきミロクの御代(みよ)に立直(たてなほ)さむと、031神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大御神(おほみかみ)に、032千座(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)はせたまひ、033産土山(うぶすなやま)の聖場(せいぢやう)に、034斎苑(いそ)の館(やかた)を立(た)て給(たま)ひ、035千代(ちよ)の住所(すみか)と定(さだ)めつつ、036神(かみ)の御言(みこと)を畏(かしこ)みて、037遠近(をちこち)の国々(くにぐに)に珍(うづ)の教(をしへ)を完全(まつぶさ)に、038開(ひら)かせ給(たま)ふ有難(ありがた)さ、039百(もも)の司(つかさ)を初(はじ)めとし、040四方(よも)の国人(くにびと)達(たち)は、041皇(すめ)大御神(おほみかみ)の大御恵(おほみめぐみ)を、042喜(よろこ)び仰(あふ)ぎ奉(たてまつ)り、043早風(はやて)の如(ごと)く潮(うしほ)の打寄(うちよ)する事(こと)の如(ごと)く、044神(かみ)の御前(みまへ)に伊寄(いよ)り集(つど)ひて、045神(かみ)の賜(たま)ひし村肝(むらきも)の心(こころ)を錬(ね)り鍛(きた)へ、046百(もも)の罪(つみ)汚(けが)れ過(あやまち)を、047払(はら)ひ清(きよ)めて天地(あめつち)の、048神(かみ)の柱(はしら)と生(あ)れ出(い)でたる人(ひと)の身(み)の務(つと)めを、049完全(うまら)に委曲(つばら)に尽(つく)し終(を)へむと、050励(いそ)しみ仕(つか)ふる勇(いさ)ましさ、051掛巻(かけまく)も畏(かしこ)き皇(すめ)大神(おほかみ)の領有(うしは)ぎ給(たま)ふ、052豊葦原(とよあしはら)の千五百(ちいほ)秋(あき)の瑞穂(みづほ)の国(くに)は、053生言霊(いくことたま)の幸(さち)はふ御国(みくに)、054生言霊(いくことたま)の助(たす)くる御国(みくに)、055生言霊(いくことたま)の生(い)ける御国(みくに)にましませば、056天(あめ)の下(した)に生(い)きとし生(い)ける民草(たみぐさ)は、057日(ひ)に夜(よ)に心(こころ)を研(みが)き身(み)を謹(つつし)み、058神(かみ)の賜(たま)ひし珍(うづ)の言霊(ことたま)を祝(の)り上(あ)げ奉(まつ)り、059仮(かり)にも人(ひと)を罵(ののし)らず、060譏(そし)らず嫉(ねた)まず憎(にく)みなく、061睦(むつ)び親(した)しみ兄弟(はらから)の如(ごと)く、062現世(うつしよ)に生永(いきなが)らへて、063日々(ひび)の生業(なりはひ)を楽(たの)しみ仕(つか)へ奉(まつ)り、064神(かみ)の依(よ)さしの大御業(おほみわざ)に、065仕(つか)へ奉(まつ)るべき者(もの)にしあれば、066三五教(あななひけう)の御教(みをしへ)を、067夢(ゆめ)にも忘(わす)るる事(こと)なく、068朝(あさ)な夕(ゆふ)なに省(かへり)みて、069神(かみ)の御国(みくに)の幸(さちは)ひを、070完全(うまら)に委曲(つばら)に受(う)けさせ給(たま)へと、071皇(すめ)大神(おほかみ)の大前(おほまへ)に、072謹(つつし)み敬(ゐやま)ひ願(ね)ぎ奉(まつ)る、073下(した)つ岩根(いはね)に千木(ちぎ)高(たか)く、074仕(つか)へまつりし此(この)宮(みや)の、075いとも広(ひろ)くいとも清(きよ)けきが如(ごと)く、076いや永久(とこしへ)に、077いづの玉置(たまき)の村人(むらびと)は、078テームスの村司(むらつかさ)を親(おや)と崇(あが)め、079各自(おのもおのも)の生業(なりはひ)を、080いそしみ勤(つと)めて大神(おほかみ)の、081御前(みまへ)に勲功(いさを)を奉(たてまつ)り、082家内(やぬち)は睦(むつ)び親(した)しみて、083恵良(ゑら)々々(ゑら)に歓(ゑら)ぎ賑(にぎは)ひ、084茂(しげ)り栄(さか)えしめ給(たま)へ、085ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)、086御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
087 斯(か)かる所(ところ)へ村(むら)の若(わか)い衆(しう)と見(み)えて赤鉢巻(あかはちまき)を締(し)め乍(なが)ら、088鐘(かね)や太鼓(たいこ)を叩(たた)きつつ、089千引(ちびき)の岩(いは)を車(くるま)に載(の)せ、090神(かみ)の御前(みまへ)に奉(たてまつ)らむと、091大綱(おほづな)を老若(らうにやく)男女(なんによ)が握(にぎ)り乍(なが)ら汗(あせ)をタラタラ流(なが)しつつ、092歌(うた)を唄(うた)つて進(すす)み来(く)る其(その)勇(いさ)ましさ。093(以下(いか)( )内(ない)はワキ)
094『(エンヤラヤー、エンヤラヤア)
095三五教(あななひけう)の神司(かむつかさ)
096治国別(はるくにわけ)の宣伝使(せんでんし)
097(ヨーイヨーイ、エンヤラヤア)
098天津(あまつ)御空(みそら)の雲(くも)別(わ)けて
099玉置(たまき)の村(むら)に下(くだ)りまし
100(ヨーイトセー、ヨーイトセー)
101(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
102欲(よく)に抜目(ぬけめ)のない爺(おやぢ)
103テームスさまを説(と)きつけて
104(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
105も一(ひと)つそこらで(エンヤラヤア)
106(ヨーイヨーイ ヨーイトナ)
107皆(みな)さま揃(そろ)うてモ一(ひと)つぢや
108昔(むかし)の昔(むかし)の先祖(せんぞ)から
109欲(よく)をかはいて溜(た)めおいた
110山(やま)も田地(でんち)もすつかりと
111(ヨーイヨーイ、エンヤラヤ)
112玉置(たまき)の村(むら)へ放(はふ)り出(だ)して
113上下(うへした)なしに安楽(あんらく)な
114生活(くらし)をせよと云(い)はしやつた
115時節(じせつ)は待(ま)たねばならぬもの
116(ヨーイヨーイ、エンヤラヤア)
117皆(みな)さま揃(そろ)うてモ一(ひと)つぢや
118(ヨーイヨーイ、ヨーイトセ)
119広(ひろ)き邸(やしき)を開放(かいはう)して
120尊(たふと)き神(かみ)の宮(みや)を建(た)て
121老若(らうにやく)男女(なんによ)が睦(むつ)び合(あ)ひ
122今日(けふ)は目出度(めでた)い宮遷(みやうつ)し
123(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
124(ヨーイトセ、ヨーイトセ)
125皆(みな)さまそこらで一気張(ひときば)り
126(ヨーイヨーイ ヨーイヤナ)
127これから玉置(たまき)の村人(むらびと)は
128今度(こんど)新(あらた)にお出(いで)ました
129万公(まんこう)さまの若主人(わかしゆじん)に
130心(こころ)の底(そこ)から服従(ふくじゆう)し
131上下(うへした)揃(そろ)うて神(かみ)様(さま)の
132御用(ごよう)を励(はげ)み日々(にちにち)の
133野良(のら)の仕事(しごと)や山仕事(やましごと)
134喜(よろこ)び勇(いさ)んで務(つと)めませう
135(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
136(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
137皆(みな)さまここらで一気張(ひときば)り
138千引(ちびき)の岩(いは)は重(おも)くとも
139大勢(おほぜ)が心(こころ)を一(ひと)つにし
140力(ちから)限(かぎ)りに曳(ひ)くならば
141何程(なにほど)甚(ひど)い阪(さか)だとて
142神(かみ)の守(まも)りに安々(やすやす)と
143苧殻(をがら)を曳(ひ)くよに上(あが)るだらう
144(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
145(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
146抑々(そもそも)玉置(たまき)の村人(むらびと)は
147昔(むかし)の昔(むかし)の神世(かみよ)から
148この神村(かみむら)を住所(すみか)とし
149ウラルの神(かみ)の御教(みをしへ)を
150守(まも)り来(きた)りし人(ひと)ばかり
151(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
152(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
153ウラルの神(かみ)さまどうしてか
154幾何(いくら)信心(しんじん)したとても
155些(ちつ)ともお蔭(かげ)を下(くだ)さらぬ
156テームスさまが唯一人(ただひとり)
157お蔭(かげ)を横取(よこどり)許(ばか)りして
158吾(われ)等(ら)一同(いちどう)の汗膏(あせあぶら)
159絞(しぼ)つて楽(らく)に日(ひ)を暮(くら)し
160栄耀(ええう)栄華(えいぐわ)にやつて居(ゐ)た
161(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
162(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
163それをば黙(だま)つて見(み)て厶(ござ)る
164ウラルの彦(ひこ)の神(かみ)さまは
165此(この)頃(ごろ)盲(めくら)になつたのか
166但(ただし)は聾(つんぼ)になつたのか
167村(むら)の難儀(なんぎ)を知(し)らぬ顔(かほ)
168(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
169(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
170皆(みな)さま揃(そろ)うて一気張(ひときば)り
171(ヨーイヨーイ エンヤラヤア)
172此(この)度(たび)救(すく)ひの神(かみ)様(さま)が
173天(あま)の河原(かはら)に棹(さを)さして
174治国別(はるくにわけ)と名(な)を変(か)へて
175玉置(たまき)の村(むら)に下(くだ)りまし
176吾(われ)等(ら)一同(いちどう)を救(すく)はむと
177仁慈(じんじ)無限(むげん)の御教(みをしへ)を
178宣(の)らせ給(たま)ひし嬉(うれ)しさよ
179(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
180(エンヤラヤーのエンヤラヤア)
181これから玉置(たまき)の村人(むらびと)は
182飢(うゑ)に苦(くる)しむ人(ひと)も無(な)く
183凍(こご)えて死(し)ぬる人(ひと)もなし
184上下(うへした)運否(うんぷ)のないやうに
185ミロクの御代(みよ)が築(きづ)かれて
186喜(よろこ)び勇(いさ)んで暮(くら)すだらう
187(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
188(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
189此(この)神殿(しんでん)に祭(まつ)りたる
190救(すく)ひの神(かみ)は厳御霊(いづみたま)
191瑞(みづ)の御霊(みたま)の神柱(かむばしら)
192柱(はしら)も清(きよ)く棟(むね)高(たか)く
193御殿(ごてん)も宏(ひろ)く風景(ふうけい)は
194勝(すぐ)れて絶佳(ぜつか)の御(おん)場所(ばしよ)よ
195(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
196(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
197捻鉢巻(ねぢはちまき)の若(わか)い衆(しう)よ
198早(はや)階段(かいだん)に近付(ちかづ)いた
199もう一気張(ひときば)り一気張(ひときば)り
200お声(こゑ)を揃(そろ)へてヨーイヤナ
201(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
202(エンヤラヤーのエンヤラヤー)』
203と唄(うた)ひ乍(なが)ら方形(はうけい)の大岩石(だいがんせき)を社(やしろ)の傍(かたはら)に据(す)ゑたり。204これは村人(むらびと)が……此(この)岩石(がんせき)の腐(くさ)る迄(まで)は心(こころ)を堅(かた)く変(か)へませぬ、205何処(どこ)迄(まで)も御神(みかみ)の為(ため)に尽(つく)します……と云(い)ふ赤心(まごころ)の供(そな)へ物(もの)である。
206 万公(まんこう)は村人(むらびと)と同(おな)じく捻鉢巻(ねじはちまき)をし、207運(はこ)んで来(き)た石(いし)を適当(てきたう)の場所(ばしよ)に据(す)ゑむとして二三(にさん)人(にん)の部下(しもべ)と共(とも)に槌(つち)を振(ふ)り上(あ)げ、208大地(だいち)をドンドンと固(かた)め、209杭(くひ)を打(う)つて石(いし)のにえ込(こ)まないやうと勤(つと)めて居(ゐ)る。210相方(さうはう)が交互(たがひちがひ)に歌(うた)を唄(うた)ひ乍(なが)ら拍子(ひやうし)をとつて居(ゐ)る。
211万公(まんこう)『神(かみ)と神(かみ)との引(ひ)き合(あは)せ
212(ドーン、ドーン、ドンドンドン)
213玉置(たまき)の村(むら)の里庄(りしやう)なる
214テームスさまの若主人(わかしゆじん)
215万公司(まんこうつかさ)も現(あら)はれて
216今日(けふ)の目出度(めでた)いお祭(まつ)りを
217力(ちから)限(かぎ)りに祝(いは)ひませう
218(ドーン ドーン、ドンドンドン)
219打(う)てよ打(う)て打(う)て確(しつか)り打(う)てよ
220地獄(ぢごく)の釜(かま)の割(わ)れる迄(まで)
221今(いま)打(う)つ槌(つち)は神(かみ)の槌(つち)
222槌(つち)が土(つち)うつ面白(おもしろ)さ
223(ドーン ドーン、ドンドンドン)
224玉置(たまき)の村(むら)の皆(みな)さまが
225キールの谷(たに)から千引岩(ちびきいは)
226毛綱(けづな)に括(くく)つて引(ひ)き来(きた)り
227尊(たふと)きお宮(みや)の御(おん)前(まへ)に
228信(しん)と真(しん)との光(ひかり)をば
229現(あら)はし給(たま)うた目出度(めでた)さよ
230(ドーン ドーン、ドンドンドン)
231大神(おほかみ)様(さま)の御(ご)利益(りやく)で
232テームス館(やかた)は云(い)ふも更(さら)
233此(この)村人(むらびと)は永久(とこしへ)に
234尊(たふと)き此(この)世(よ)を楽(たの)しんで
235堅磐(かきは)常磐(ときは)に玉(たま)の緒(を)の
236命(いのち)を保(たも)ち心安(うらやす)く
237家(いへ)も豊(ゆたか)に栄(さか)えませう
238(ドーン ドーン、ドンドンドン)
239これから村中(むらぢう)心(こころ)をば
240一(ひと)つに合(あは)して田(た)を作(つく)り
241山(やま)には木苗(きなへ)を植付(うゑつ)けて
242(ドーン ドーン、ドンドンドン)
243共有(きよういう)財産(ざいさん)沢山(どつさり)と
244造(つく)つて子孫(しそん)の末(すゑ)迄(まで)も
245(ドーン ドーン、ドンドンドン)
246宝(たから)を残(のこ)し身(み)を治(をさ)め
247心(こころ)を清(きよ)めて神(かみ)様(さま)の
248尊(たふと)き教(をしへ)に心従(しんじゆう)し
249此(この)世(よ)を安(やす)く頼(たの)もしく
250(ドーン ドーン、ドンドンドン)
251千引(ちびき)の岩(いは)の御霊(みたま)もて
252悪魔(あくま)を払(はら)ひいつ迄(まで)も
253ビクとも動(うご)かぬ鉄石(てつせき)の
254信仰(しんかう)励(はげ)もぢやないかいな
255(ドーン ドーン、ドンドンドン)
256どうやら準備(じゆんび)が出来(でき)たよだ
257皆(みな)さまモ一(ひと)つ頼(たの)むぞや
258(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
259(エンヤラヤーのエンヤラヤア)
260力(ちから)の強(つよ)い若(わか)い衆(しう)は
261挺(てこ)をば四五本(しごほん)持(も)つて来(き)て
262千引(ちびき)の岩(いは)を此(この)上(うへ)に
263何卒(なにとぞ)据(す)ゑて下(くだ)されよ
264万公別(まんこうわけ)が頼(たの)みます
265(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
266(エンヤラヤーのエンヤラヤア)
267朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
268轟(とどろ)き渡(わた)る滝(たき)の水(みづ)
269洗(あら)ひ晒(さら)した此(この)身体(からだ)
270神(かみ)の御前(みまへ)に奉(たてまつ)り
271舎身(しやしん)供養(くやう)を励(はげ)みませう
272ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
273(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
274(エンヤラヤーのエンヤラヤー)
275神(かみ)の御心(みこころ)畏(かしこ)みて
276村人(むらびと)心(こころ)を一(ひと)つにし
277今日(けふ)の祭(まつり)を恙(つつが)なく
278済(す)ませた事(こと)の嬉(うれ)しさよ
279玉置(たまき)の村(むら)は万世(よろづよ)に
280玉置(たまき)の宮(みや)と諸共(もろとも)に
281栄(さか)え尽(つ)きせぬ事(こと)だらう
282喜(よろこ)び祝(いは)へ諸人(もろびと)よ
283(ヨーイヨーイ エンヤラヤ)
284(エンヤラヤーのエンヤラヤア)』
285(大正一二・三・四 旧一・一七 於竜宮館 加藤明子録)
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