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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第80巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 忍ケ丘
第1章 独り旅
第2章 行倒
第3章 復活
第4章 姉妹婆
第5章 三つ盃
第6章 秋野の旅
第2篇 秋夜の月
第7章 月見ケ丘
第8章 月と闇
第9章 露の路
第10章 五乙女
第11章 火炎山
第12章 夜見還
第13章 樹下の囁き
第14章 報哭婆
第15章 憤死
第3篇 天地変遷
第16章 火の湖
第17章 水火垣
第18章 大挙出発
第19章 笑譏怒泣
第20章 復命
第21章 青木ケ原
第22章 迎への鳥船
第23章 野火の壮観
余白歌
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第80巻(未の巻)
> 第1篇 忍ケ丘 > 第6章 秋野の旅
<<< 三つ盃
(B)
(N)
月見ケ丘 >>>
第六章
秋野
(
あきの
)
の
旅
(
たび
)
〔二〇一〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻
篇:
第1篇 忍ケ丘
よみ(新仮名遣い):
しのぶがおか
章:
第6章 秋野の旅
よみ(新仮名遣い):
あきののたび
通し章番号:
2010
口述日:
1934(昭和9)年07月27日(旧06月16日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
谷前清子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm8006
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 319頁
修補版:
校定版:
105頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
高光山
(
たかみつやま
)
以西
(
いせい
)
の
国形
(
くにがた
)
を
視察
(
しさつ
)
すべく
遣
(
つか
)
はしたる
冬男
(
ふゆを
)
は、
002
冬
(
ふゆ
)
去
(
さ
)
り
春夏
(
はるなつ
)
も
過
(
す
)
ぎ
秋
(
あき
)
の
初
(
はじ
)
めとなりけれども、
003
何
(
なん
)
の
消息
(
せうそく
)
もなきままに、
004
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
は
稍
(
やや
)
不安
(
ふあん
)
の
空気
(
くうき
)
に
満
(
みた
)
され、
005
重臣
(
ぢゆうしん
)
の
水音
(
みなおと
)
、
006
瀬音
(
せおと
)
を
招
(
まね
)
き、
007
且
(
か
)
つ
春男
(
はるを
)
、
008
夏男
(
なつを
)
、
009
秋男
(
あきを
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
と
共
(
とも
)
に、
010
執政所
(
しつせいしよ
)
に
集
(
あつま
)
り
鳩首
(
きうしゆ
)
謀議
(
ぼうぎ
)
を
凝
(
こ
)
らした。
011
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
は
歌
(
うた
)
もて
語
(
かた
)
る。
012
『
高光山
(
たかみつやま
)
以西
(
いせい
)
の
国形
(
くにがた
)
調査
(
しら
)
ぶべく
013
出
(
い
)
でにし
冬男
(
ふゆを
)
は
今
(
いま
)
に
帰
(
かへ
)
らず。
014
もしやもし
水奔草
(
すゐほんさう
)
の
中毒
(
ちうどく
)
に
015
冬男
(
ふゆを
)
は
身
(
み
)
亡
(
う
)
せたるにあらずや。
016
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
なにあやしき
夢
(
ゆめ
)
を
吾
(
われ
)
見
(
み
)
たり
017
心
(
こころ
)
にかかる
冬男
(
ふゆを
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
。
018
斯
(
か
)
くならば
再
(
ふたた
)
び
人
(
ひと
)
を
遣
(
つか
)
はして
019
冬男
(
ふゆを
)
の
所在
(
ありか
)
を
探
(
さが
)
させむと
思
(
おも
)
ふ』
020
水音
(
みなおと
)
は
答
(
こた
)
へて、
021
『
執政
(
しつせい
)
の
宣
(
の
)
り
言
(
ごと
)
宜
(
うべ
)
よ
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
022
朝夕
(
あさゆふ
)
心
(
こころ
)
にかかりけらしな。
023
音
(
おと
)
に
聞
(
き
)
く
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
水奔鬼
(
すゐほんき
)
024
旅
(
たび
)
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
を
損
(
そこな
)
ふと
聞
(
き
)
く。
025
水奔鬼
(
すゐほんき
)
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アは
道
(
みち
)
の
辺
(
べ
)
に
026
立
(
た
)
ちて
旅人
(
たびびと
)
を
誘
(
いざな
)
ひ
殺
(
ころ
)
すと』
027
瀬音
(
せおと
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
028
『
葭原
(
よしはら
)
や
水奔草
(
すゐほんさう
)
の
根
(
ね
)
にひそむ
029
湿虫
(
いぢち
)
の
害
(
がい
)
は
恐
(
おそ
)
ろしと
聞
(
き
)
く。
030
案
(
あん
)
ずるに
湿虫
(
いぢち
)
その
他
(
た
)
の
毒虫
(
どくむし
)
に
031
冬男
(
ふゆを
)
の
君
(
きみ
)
は
損
(
そこな
)
はれけむ。
032
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
高光山
(
たかみつやま
)
に
人
(
ひと
)
を
派
(
は
)
し
033
冬男
(
ふゆを
)
の
安否
(
あんぴ
)
を
探
(
さぐ
)
るにしかず』
034
ここに
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
協議
(
けふぎ
)
により、
035
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
は
第三男
(
だいさんなん
)
の
秋男
(
あきを
)
を
首領
(
しゆりやう
)
とし、
036
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
従者
(
じうしや
)
を
従
(
したが
)
へて、
037
高光山
(
たかみつやま
)
に
至
(
いた
)
る
大原野
(
だいげんや
)
を
探
(
さが
)
させしむべく、
038
水上山
(
みなかみやま
)
の
館
(
やかた
)
を
出立
(
しゆつたつ
)
せしむる
事
(
こと
)
となりぬ。
039
秋男
(
あきを
)
は
松
(
まつ
)
、
040
竹
(
たけ
)
、
041
梅
(
うめ
)
、
042
桜
(
さくら
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
従者
(
じうしや
)
を
従
(
したが
)
へ、
043
水上山
(
みなかみやま
)
を
立出
(
たちい
)
で、
044
弟
(
おとうと
)
冬男
(
ふゆを
)
のとりし
道
(
みち
)
を
避
(
さ
)
け、
045
南方
(
なんばう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
046
高光山
(
たかみつやま
)
の
方面
(
はうめん
)
に
進
(
すす
)
まむと
決心
(
けつしん
)
の
臍
(
ほぞ
)
を
固
(
かた
)
め、
047
神殿
(
しんでん
)
に
出立
(
しゆつたつ
)
の
祈願
(
きぐわん
)
をこめ、
048
父
(
ちち
)
の
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
に
向
(
むか
)
つて
言葉
(
ことば
)
静
(
しづか
)
に
歌
(
うた
)
もて
宣
(
の
)
る。
049
『ちちのみの
父
(
ちち
)
の
御言
(
みこと
)
を
被
(
かがふ
)
りて
050
吾
(
われ
)
は
高光山
(
たかみつやま
)
に
進
(
すす
)
まむ。
051
いかならむ
悩
(
なや
)
みありとも
国
(
くに
)
の
為
(
ため
)
と
052
吾
(
われ
)
は
恐
(
おそ
)
れじたとへ
死
(
し
)
すとも。
053
弟
(
おとうと
)
の
所在
(
ありか
)
を
探
(
たづ
)
ねあくまでも
054
父母
(
ふぼ
)
の
心
(
こころ
)
を
安
(
やす
)
んじ
奉
(
まつ
)
らむ。
055
葭原
(
よしはら
)
の
国土
(
くに
)
を
閉
(
とざ
)
せる
葭草
(
よしぐさ
)
や
056
水奔草
(
すゐほんさう
)
を
刈
(
か
)
りて
放
(
はふ
)
らむ。
057
悪神
(
あくがみ
)
は
水奔草
(
すゐほんさう
)
の
野辺
(
のべ
)
に
潜
(
ひそ
)
み
058
行手
(
ゆくて
)
の
人
(
ひと
)
に
災
(
わざはひ
)
すといふ。
059
さりながら
吾
(
われ
)
には
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りあり
060
如何
(
いか
)
なる
曲津
(
まが
)
も
恐
(
おそ
)
れず
進
(
すす
)
まむ。
061
父上
(
ちちうへ
)
も
母
(
はは
)
も
心
(
こころ
)
を
安
(
やす
)
んじませ
062
吾
(
われ
)
は
一人
(
ひとり
)
の
旅
(
たび
)
にあらねば』
063
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
は
涙
(
なみだ
)
をふるひながら、
064
表面
(
うはべ
)
は
元気
(
げんき
)
さうに
歌
(
うた
)
ふ。
065
『
弟
(
おとうと
)
の
冬男
(
ふゆを
)
の
行方
(
ゆくへ
)
わかるまで
066
汝
(
なれ
)
は
帰
(
かへ
)
らず
国見
(
くにみ
)
して
来
(
こ
)
よ。
067
弟
(
おとうと
)
の
消息
(
せうそく
)
判
(
わか
)
ればすみやかに
068
知
(
し
)
らせ
来
(
きた
)
れよ
桜
(
さくら
)
に
仰
(
あふ
)
せて』
069
秋男
(
あきを
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
070
『
父上
(
ちちうへ
)
の
厳
(
いづ
)
の
御言葉
(
みことば
)
謹
(
つつし
)
みて
071
吾
(
われ
)
はあくまで力つくさむ』
072
水音
(
みなおと
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
073
『
勇
(
いさ
)
ましき
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちを
074
送
(
おく
)
る
水音
(
みなおと
)
の
心
(
こころ
)
はかなしも。
075
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
風
(
かぜ
)
の
響
(
ひびき
)
も
気遣
(
きづか
)
はる
076
君
(
きみ
)
の
旅路
(
たびぢ
)
の
安
(
やす
)
くあれよと。
077
野路
(
のぢ
)
を
越
(
こ
)
え
川
(
かは
)
を
渡
(
わた
)
りて
出
(
い
)
でてゆく
078
君
(
きみ
)
の
雄々
(
をを
)
しき
姿
(
すがた
)
を
送
(
おく
)
らむ』
079
瀬音
(
せおと
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
080
『
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
父
(
ちち
)
の
御言
(
みこと
)
に
従
(
したが
)
ひて
081
神国
(
みくに
)
守
(
まも
)
れば
安
(
やす
)
く
出
(
い
)
でませ。
082
御館
(
みやかた
)
に
心
(
こころ
)
残
(
のこ
)
さずとくとくと
083
神国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
に
出
(
い
)
でませ
君
(
きみ
)
よ。
084
君
(
きみ
)
行
(
ゆ
)
かばこの
御館
(
みやかた
)
は
淋
(
さび
)
しけれど
085
神国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
と
思
(
おも
)
へば
詮
(
せん
)
なし。
086
曲津
(
まが
)
神
(
かみ
)
の
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
大野原
(
おほのはら
)
087
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へ
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
に』
088
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
089
『ありがたし
君
(
きみ
)
の
誠
(
まこと
)
はどこまでも
090
忘
(
わす
)
れず
力
(
ちから
)
と
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くべし。
091
いざさらば
吾
(
われ
)
は
進
(
すす
)
まむ
四柱
(
よはしら
)
の
092
友
(
とも
)
と
力
(
ちから
)
を
組合
(
くみあは
)
せつつ。
093
秋
(
あき
)
さりて
野辺
(
のべ
)
に
百草
(
ももくさ
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ひ
094
旅
(
たび
)
ゆく
吾
(
われ
)
を
迎
(
むか
)
へ
送
(
おく
)
りす。
095
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
に
包
(
つつ
)
まれてゆく
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
の
096
吾
(
わが
)
旅立
(
たびだ
)
ちは
清
(
すが
)
しかるべし。
097
弟
(
おとうと
)
の
所在
(
ありか
)
探
(
さぐ
)
れば
直様
(
すぐさま
)
に
098
桜
(
さくら
)
を
帰
(
かへ
)
して
知
(
し
)
らせ
奉
(
まつ
)
らむ。
099
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
拓
(
ひら
)
かむと
出
(
い
)
でてゆく
100
吾
(
われ
)
に
力
(
ちから
)
を
添
(
そ
)
へさせ
給
(
たま
)
へ。
101
住
(
す
)
みなれし
水上山
(
みなかみやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
を
102
去
(
さ
)
らむと
思
(
おも
)
へば
涙
(
なみだ
)
ぐまるる。
103
吾
(
わが
)
涙
(
なみだ
)
歎
(
なげ
)
きの
涙
(
なみだ
)
にあらずして
104
旅
(
たび
)
ゆく
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
なるぞや。
105
女郎花
(
をみなへし
)
桔梗
(
ききやう
)
刈萱
(
かるかや
)
匂
(
にほ
)
ふ
野
(
の
)
を
106
松
(
まつ
)
、
竹
(
たけ
)
、
梅
(
うめ
)
、
桜
(
さくら
)
伴
(
ともな
)
ひてゆく』
107
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
108
秋男
(
あきを
)
は
勇
(
いさ
)
ましく
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
供人
(
ともびと
)
と
共
(
とも
)
に、
109
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
の
父
(
ちち
)
の
館
(
やかた
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でにける。
110
『
水上山
(
みなかみやま
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
111
国形
(
くにがた
)
見
(
み
)
むと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
112
吾
(
わが
)
旅立
(
たびだ
)
ちのいさましさ
113
大川
(
おほかは
)
小川
(
をがは
)
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
114
進
(
すす
)
めば
床
(
ゆか
)
し
百草
(
ももぐさ
)
桔梗
(
ききやう
)
115
艶
(
えん
)
を
競
(
きそ
)
ひて
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
116
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
行手
(
ゆくて
)
を
賑
(
にぎ
)
はせり
117
弟
(
おとうと
)
冬男
(
ふゆを
)
は
今
(
いま
)
いづこ
118
処
(
ところ
)
せきまで
茂
(
しげ
)
りたる
119
水奔草
(
すゐほんさう
)
の
災
(
わざはひ
)
に
120
生命
(
いのち
)
捨
(
す
)
てしにあらざるか
121
何
(
なん
)
とはなしに
気
(
き
)
にかかる
122
約
(
やく
)
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
のその
間
(
あひだ
)
123
何
(
なん
)
の
便
(
たよ
)
りも
夏
(
なつ
)
の
風
(
かぜ
)
124
漸
(
やうや
)
く
秋
(
あき
)
も
来向
(
きむか
)
ひて
125
野辺
(
のべ
)
の
千花
(
ちばな
)
はプンプンと
126
あたりに
芳香
(
はうかう
)
放
(
はな
)
つなり
127
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
128
ありとほのかに
聞
(
き
)
きつれど
129
吾
(
われ
)
は
道
(
みち
)
をば
南
(
みなみ
)
して
130
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
の
東面
(
とうめん
)
に
131
巡
(
めぐ
)
りて
弟
(
おとうと
)
の
消息
(
せうそく
)
を
132
探
(
さぐ
)
り
査
(
しら
)
べむその
上
(
うへ
)
に
133
吾
(
わが
)
方針
(
はうしん
)
を
定
(
さだ
)
むべし
134
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
めよ、いざ
進
(
すす
)
め
135
悪竜
(
あくりう
)
毒蛇
(
どくじや
)
は
繁
(
しげ
)
くとも
136
神
(
かみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
言霊
(
ことたま
)
に
137
言向
(
ことむ
)
けやはし
打
(
う
)
ちきため
138
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
恙
(
つつが
)
なく
139
いと
安々
(
やすやす
)
と
進
(
すす
)
むべし
140
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
141
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしのこの
旅出
(
たびで
)
142
さやらむものは
世
(
よ
)
にあらじ
143
松
(
まつ
)
、
竹
(
たけ
)
、
梅
(
うめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
144
桜
(
さくら
)
と
名告
(
なの
)
る
供人
(
ともびと
)
よ
145
必
(
かなら
)
ず
恐
(
おそ
)
るること
勿
(
なか
)
れ
146
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
147
神
(
かみ
)
にまかせし
上
(
うへ
)
からは
148
いかなる
曲津
(
まが
)
も
恐
(
おそ
)
れむや
149
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
め、いざ
進
(
すす
)
め』
150
従神
(
じうしん
)
の
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
151
『ああ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
152
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
の
武者
(
むしや
)
振
(
ぶ
)
りに
153
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
心
(
こころ
)
も
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
154
無人
(
むじん
)
の
野辺
(
のべ
)
をゆく
如
(
ごと
)
く
155
障
(
さや
)
らむ
曲津
(
まが
)
は
悉
(
ことごと
)
く
156
斬
(
き
)
り
伏
(
ふ
)
せ
薙
(
な
)
ぎ
伏
(
ふ
)
せ
驀地
(
まつしぐら
)
157
高光山
(
たかみつやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
158
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
をいただきて
159
進
(
すす
)
みゆくこそ
楽
(
たの
)
しけれ
160
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
161
百花
(
ももばな
)
千花
(
ちばな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
162
山
(
やま
)
の
辺
(
べ
)
野中
(
のなか
)
縫
(
ぬ
)
ひてゆく
163
今日
(
けふ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ち
勇
(
いさ
)
ましし
164
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
165
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
旅
(
たび
)
に
御幸
(
みさち
)
あれ』
166
従神
(
じうしん
)
の
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
167
『
水上山
(
みなかみやま
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
168
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
を
169
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
170
進
(
すす
)
みゆくこそ
楽
(
たの
)
しけれ
171
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
も
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
172
いかなる
曲津
(
まが
)
のさやるとも
173
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
大丈夫
(
ますらを
)
の
174
堅
(
かた
)
き
心
(
こころ
)
は
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
の
175
君
(
きみ
)
が
仰
(
あふ
)
せを
守
(
まも
)
りつつ
176
悪魔
(
あくま
)
の
征途
(
きため
)
に
上
(
のぼ
)
るなり
177
水奔草
(
すゐほんさう
)
は
茂
(
しげ
)
くとも
178
悪魔
(
あくま
)
の
力
(
ちから
)
は
強
(
つよ
)
くとも
179
勇猛心
(
ゆうまうしん
)
を
発揮
(
はつき
)
して
180
撓
(
たゆ
)
まず
恐
(
おそ
)
れず
進
(
すす
)
みゆく
181
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
一行
(
いつかう
)
に
幸
(
さち
)
あれや
182
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
もほの
見
(
み
)
えぬ
183
いざや
進
(
すす
)
まむ
大野原
(
おほのはら
)
184
百草
(
ももぐさ
)
匂
(
にほ
)
ふ
山
(
やま
)
の
辺
(
べ
)
を
185
渉
(
わた
)
りて
行
(
ゆ
)
けば
秋
(
あき
)
の
風
(
かぜ
)
186
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
面
(
おも
)
を
吹
(
ふ
)
きつけて
187
涼
(
すず
)
しさ
添
(
そ
)
ふる
夕
(
ゆふ
)
まぐれ
188
仰
(
あふ
)
ぎ
御空
(
みそら
)
を
眺
(
なが
)
むれば
189
白々
(
しろじろ
)
かかる
昼月
(
ひるづき
)
の
190
御顔
(
みかほ
)
かすかに
笑
(
ゑ
)
ませたり
191
吾
(
わが
)
一行
(
いつかう
)
に
幸
(
さち
)
ありと
192
知
(
し
)
らせ
給
(
たま
)
ふかありがたし
193
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
194
生言霊
(
いくことたま
)
に
力
(
ちから
)
あれ
195
吾
(
わが
)
一行
(
いつかう
)
に
幸
(
さち
)
あれよ』
196
従神
(
じうしん
)
の
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
197
『ああ
楽
(
たの
)
もしや
楽
(
たの
)
もしや
198
秋男
(
あきを
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
199
進
(
すす
)
むも
嬉
(
うれ
)
し
大野原
(
おほのはら
)
200
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
も
近
(
ちか
)
づきて
201
何
(
なに
)
か
心
(
こころ
)
の
勇
(
いさ
)
むなり
202
草葉
(
くさば
)
の
蔭
(
かげ
)
に
鳴
(
な
)
く
虫
(
むし
)
も
203
梢
(
こずゑ
)
に
囀
(
さへづ
)
る
百鳥
(
ももどり
)
の
204
声
(
こゑ
)
も
清
(
すが
)
しくなりぬれど
205
陽
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
西
(
にし
)
に
黄昏
(
たそが
)
れて
206
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
も
見
(
み
)
えずなりにけり
207
さはさりながら
君命
(
くんめい
)
は
208
尊
(
たふと
)
く
重
(
おも
)
く
背
(
そむ
)
かれず
209
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
まで
210
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも
進
(
すす
)
むべし
211
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
212
吾
(
わが
)
一行
(
いつかう
)
に
幸
(
さち
)
あれや』
213
従神
(
じうしん
)
の
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
214
『
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
清
(
すが
)
しき
秋
(
あき
)
の
空
(
そら
)
215
陽
(
ひ
)
は
西山
(
せいざん
)
にかたむきて
216
いよいよ
冴
(
さ
)
ゆる
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
217
星
(
ほし
)
満天
(
まんてん
)
にきらめきて
218
わが
足下
(
あしもと
)
は
明
(
あか
)
くなりぬ
219
悪鬼
(
あくき
)
毒獣
(
どくじう
)
せめるとも
220
吾
(
われ
)
は
恐
(
おそ
)
れじ
言霊
(
ことたま
)
の
221
剣
(
つるぎ
)
を
高
(
たか
)
くかざしつつ
222
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
現
(
あ
)
れませる
223
高光山
(
たかみつやま
)
を
目
(
め
)
あてとし
224
真心
(
まごころ
)
もちて
進
(
すす
)
むべし
225
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
226
恩頼
(
みたまのふゆ
)
を
賜
(
たま
)
へかし』
227
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひつつ
前進
(
ぜんしん
)
する
事
(
こと
)
一時
(
ひととき
)
ばかり、
228
ふと
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
りたる
小
(
ちひ
)
さき
丘
(
をか
)
あり。
229
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はこの
丘
(
をか
)
に
攀
(
よ
)
ぢ
登
(
のぼ
)
り、
230
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
の
月
(
つき
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
231
しばらく
旅
(
たび
)
の
疲労
(
つかれ
)
を
休
(
やす
)
め
居
(
ゐ
)
る。
232
(
昭和九・七・二七
旧六・一六
於関東別院南風閣
谷前清子
謹録)
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