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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第80巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 忍ケ丘
第1章 独り旅
第2章 行倒
第3章 復活
第4章 姉妹婆
第5章 三つ盃
第6章 秋野の旅
第2篇 秋夜の月
第7章 月見ケ丘
第8章 月と闇
第9章 露の路
第10章 五乙女
第11章 火炎山
第12章 夜見還
第13章 樹下の囁き
第14章 報哭婆
第15章 憤死
第3篇 天地変遷
第16章 火の湖
第17章 水火垣
第18章 大挙出発
第19章 笑譏怒泣
第20章 復命
第21章 青木ケ原
第22章 迎への鳥船
第23章 野火の壮観
余白歌
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>
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第80巻(未の巻)
> 第2篇 秋夜の月 > 第11章 火炎山
<<< 五乙女
(B)
(N)
夜見還 >>>
第一一章
火炎山
(
くわえんざん
)
〔二〇一五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻
篇:
第2篇 秋夜の月
よみ(新仮名遣い):
しゅうやのつき
章:
第11章 火炎山
よみ(新仮名遣い):
かえんざん
通し章番号:
2015
口述日:
1934(昭和9)年07月28日(旧06月17日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
谷前清子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-24 20:27:34
OBC :
rm8011
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 348頁
修補版:
校定版:
213頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
秋男
(
あきを
)
の
一行
(
いつかう
)
は
毒草
(
どくさう
)
の
生
(
お
)
ひ
茂
(
しげ
)
る
野
(
の
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
分
(
わ
)
けながら、
002
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に
次
(
つ
)
いで
前進
(
ぜんしん
)
し、
003
三日目
(
みつかめ
)
の
黄昏時
(
たそがれどき
)
、
004
漸
(
やうや
)
く
火炎山
(
くわえんざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
きぬ。
005
火炎山
(
くわえんざん
)
は
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
大火山
(
だいくわざん
)
にして、
006
夜
(
よる
)
は
大火光
(
だいくわくわう
)
百
(
ひやく
)
里
(
り
)
に
亘
(
わた
)
り、
007
時
(
とき
)
ありて
焼石
(
やけいし
)
を
降
(
ふ
)
らし、
008
人獣
(
にんじう
)
を
害
(
がい
)
すること
甚
(
はなはだ
)
し。
009
葭原
(
よしはら
)
の
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
は
一名
(
いちめい
)
地獄山
(
ぢごくやま
)
と
称
(
とな
)
へて
恐
(
おそ
)
れてゐる。
010
この
山
(
やま
)
はあらゆる
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
の
棲処
(
すみか
)
にして、
011
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
本拠
(
ほんきよ
)
なり。
012
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
にて
思
(
おも
)
はぬ
不覚
(
ふかく
)
をとりたる
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
も、
013
ここに
逃
(
に
)
げ
来
(
きた
)
り
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
館
(
やかた
)
に
身
(
み
)
をまかせて、
014
霊身
(
れいしん
)
の
傷
(
きず
)
を
癒
(
いや
)
して
居
(
ゐ
)
た。
015
秋男
(
あきを
)
は
国内
(
こくない
)
に
繁茂
(
はんも
)
せる
葭草
(
よしぐさ
)
や
水奔草
(
すゐほんさう
)
を、
016
火山
(
くわざん
)
の
火
(
ひ
)
をとりて
風
(
かぜ
)
に
乗
(
じやう
)
じ
焼
(
や
)
きはらひ、
017
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
を
悉
(
ことごと
)
く
焼
(
や
)
きつくさむと
考
(
かんが
)
へ、
018
一先
(
ひとま
)
づここに
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
れるなりき。
019
黄昏時
(
たそがれどき
)
とは
言
(
い
)
へ
山頂
(
さんちやう
)
より
噴出
(
ふんしゆつ
)
する
火光
(
くわくわう
)
に
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
く
明
(
あか
)
く、
020
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
に
潜
(
ひそ
)
む
虫
(
むし
)
の
影
(
かげ
)
さへ
明瞭
(
めいれう
)
に
見
(
み
)
ゆるばかりなり。
021
秋男
(
あきを
)
は
噴火
(
ふんくわ
)
の
荘厳
(
さうごん
)
なる
様
(
さま
)
を
見
(
み
)
て、
022
芝生
(
しばふ
)
に
腰
(
こし
)
打
(
う
)
ち
下
(
おろ
)
し
歌
(
うた
)
ふ。
023
『
火炎山
(
くわえんざん
)
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
焔
(
ほのほ
)
の
光
(
ひか
)
りにて
024
これのあたりは
夜
(
よる
)
なかりける。
025
濛々
(
もうもう
)
と
黒煙
(
こくえん
)
のぼる
間
(
ま
)
を
縫
(
ぬ
)
ひて
026
紅蓮
(
ぐれん
)
の
舌
(
した
)
は
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
せり。
027
この
山
(
やま
)
の
火種
(
ひだね
)
を
取
(
と
)
りて
葭原
(
よしはら
)
の
028
国土
(
くに
)
の
醜草
(
しこぐさ
)
焼
(
や
)
き
払
(
はら
)
ふべし。
029
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
数多
(
あまた
)
棲
(
す
)
むてふこの
山
(
やま
)
を
030
いかに
登
(
のぼ
)
らむ
噴火口
(
ふんくわこう
)
まで。
031
大空
(
おほぞら
)
の
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
の
褪
(
あ
)
するまで
032
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
する
火炎
(
くわえん
)
の
焔
(
ほのほ
)
よ。
033
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
棲処
(
すみか
)
と
思
(
おも
)
へば
肝
(
きも
)
向
(
むか
)
ふ
034
心
(
こころ
)
固
(
かた
)
めて
山登
(
やまのぼ
)
りせむ。
035
火
(
ひ
)
の
種
(
たね
)
の
一
(
ひと
)
つありせば
葭原
(
よしはら
)
の
036
国土
(
くに
)
を
拓
(
ひら
)
くはたやすかるべし。
037
連日
(
れんじつ
)
の
旅
(
たび
)
に
疲
(
つか
)
れて
吾
(
わが
)
足
(
あし
)
は
038
動
(
うご
)
かずなりぬ
暫
(
しば
)
し
休
(
やす
)
まむ』
039
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
040
『
音
(
おと
)
に
聞
(
き
)
く
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
噴煙
(
ふんえん
)
は
041
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
にとどくかと
思
(
おも
)
ふ。
042
黒煙
(
こくえん
)
の
中
(
なか
)
に
紅蓮
(
ぐれん
)
の
舌
(
した
)
見
(
み
)
えて
043
もの
凄
(
すご
)
きかな
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
は。
044
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
配下
(
はいか
)
は
如何程
(
いかほど
)
あるとても
045
一
(
ひと
)
つの
火種
(
ひだね
)
に
焼
(
や
)
き
亡
(
ほろ
)
ぼさむ。
046
鬼婆
(
おにばば
)
の
棲処
(
すみか
)
を
焼
(
や
)
きて
冬男君
(
ふゆをぎみ
)
の
047
仇
(
あだ
)
を
報
(
むく
)
うと
思
(
おも
)
へば
勇
(
いさ
)
まし。
048
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
の
虫
(
むし
)
の
声々
(
こゑごゑ
)
さわやかに
049
聞
(
きこ
)
え
来
(
く
)
るなり
地獄
(
ぢごく
)
の
山
(
やま
)
にも。
050
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
は
見
(
み
)
えねども
051
昼
(
ひる
)
にまさりて
明
(
あか
)
き
国原
(
くにはら
)
。
052
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
この
高山
(
たかやま
)
の
巌窟
(
がんくつ
)
に
053
住
(
す
)
むと
思
(
おも
)
へば
恐
(
おそ
)
ろしき
奴
(
やつ
)
。
054
恐
(
おそ
)
ろしく
心
(
こころ
)
汚
(
きたな
)
くしぶときは
055
婆
(
ばば
)
アにまさるものなかるらむ。
056
婆
(
ばば
)
と
言
(
い
)
ふ
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
くさへも
何
(
なん
)
となく
057
いまはしき
心
(
こころ
)
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
でにけり。
058
殊更
(
ことさら
)
に
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
曲言葉
(
まがことば
)
059
聞
(
き
)
くさへ
胸
(
むね
)
が
悪
(
わる
)
くなるなり』
060
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
061
『
火炎山
(
くわえんざん
)
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
焔
(
ほのほ
)
を
眺
(
なが
)
むれば
062
吾
(
われ
)
勇
(
いさ
)
ましく
心
(
こころ
)
ときめく。
063
頂
(
いただき
)
に
駆
(
か
)
け
登
(
のぼ
)
りつつ
火
(
ひ
)
の
種
(
たね
)
を
064
取
(
と
)
りて
帰
(
かへ
)
れば
国土
(
くに
)
定
(
さだ
)
まらむ。
065
如何
(
いか
)
にしても
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
頂上
(
いただき
)
を
066
極
(
きは
)
めずに
吾
(
われ
)
帰
(
かへ
)
るべしやは。
067
幾万
(
いくまん
)
の
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
群
(
むれ
)
来
(
きた
)
るとも
068
生言霊
(
いくことたま
)
に
追
(
お
)
ひ
退
(
しりぞ
)
けむ。
069
武士
(
もののふ
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
はもえ
立
(
た
)
ちぬ
070
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
焔
(
ほのほ
)
の
如
(
ごと
)
くに。
071
傷
(
きず
)
つきて
呻吟
(
うめ
)
きゐるらむ
此
(
この
)
山
(
やま
)
の
072
醜
(
しこ
)
の
主
(
あるじ
)
の
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アは。
073
言霊
(
ことたま
)
のいたく
濁
(
にご
)
れる
鬼婆
(
おにばば
)
の
074
譏
(
そし
)
り
言葉
(
ことば
)
は
吾
(
わが
)
耳
(
みみ
)
汚
(
けが
)
せり。
075
はてしなき
大野
(
おほの
)
ケ
原
(
はら
)
を
渉
(
わた
)
り
来
(
き
)
て
076
今日
(
けふ
)
は
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
にやすらふ。
077
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
もなまぬるくして
心地
(
ここち
)
悪
(
あ
)
し
078
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
群
(
むれ
)
窺
(
うかが
)
へるにや。
079
水奔鬼
(
すゐほんき
)
浮塵子
(
うんか
)
の
如
(
ごと
)
く
寄
(
よ
)
するとも
080
大丈夫
(
ますらを
)
吾
(
われ
)
はびくとも
動
(
うご
)
かず。
081
大丈夫
(
ますらを
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
の
切先
(
きつさき
)
に
082
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
鬼
(
おに
)
を
突
(
つ
)
き
伏
(
ふ
)
せて
見
(
み
)
む。
083
いさましく
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
する
火焔
(
くわえん
)
にも
084
まさりて
雄々
(
をを
)
しき
吾
(
わが
)
みたまなり。
085
おもしろしああ
勇
(
いさ
)
ましし
今
(
いま
)
よりは
086
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
棲処
(
すみか
)
を
突
(
つ
)
かむ』
087
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
088
『
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
で
日々
(
かが
)
なべて
089
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
に
漸
(
やうや
)
く
来
(
き
)
つるも。
090
火炎山
(
くわえんざん
)
の
噴煙
(
ふんえん
)
見
(
み
)
れば
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
は
091
天
(
てん
)
にのぼるが
如
(
ごと
)
く
栄
(
さか
)
ゆる。
092
昼
(
ひる
)
の
如
(
ごと
)
明
(
あか
)
るき
野辺
(
のべ
)
の
風景
(
ふうけい
)
は
093
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
火光
(
くわくわう
)
のたまもの。
094
夜
(
よる
)
されど
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
灯
(
ともしび
)
に
095
闇
(
やみ
)
は
来
(
きた
)
らじ
戦
(
たたかひ
)
によし。
096
黒煙
(
こくえん
)
の
中
(
なか
)
より
赤
(
あか
)
き
火
(
ひ
)
の
舌
(
した
)
は
097
北
(
きた
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
になびきゐるかも』
098
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
099
『この
山
(
やま
)
に
冬
(
ふゆ
)
はなからむほのぼのと
100
麓
(
ふもと
)
の
風
(
かぜ
)
さへ
暖
(
あたた
)
かなれば。
101
木
(
き
)
も
草
(
くさ
)
も
見
(
み
)
えわかぬ
迄
(
まで
)
茂
(
しげ
)
りたる
102
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
は
凄
(
すご
)
し。
103
頂上
(
いただき
)
の
火種
(
ひだね
)
を
一
(
ひと
)
つ
拾
(
ひろ
)
ひ
来
(
き
)
て
104
これの
裾野
(
すその
)
を
焼
(
や
)
かむと
思
(
おも
)
ふ。
105
おもしろき
夕
(
ゆふべ
)
なりけり
地
(
つち
)
は
鳴
(
な
)
り
106
木草
(
きぐさ
)
はどよみ
山
(
やま
)
は
火
(
ひ
)
を
吐
(
は
)
く。
107
目路
(
めぢ
)
の
限
(
かぎ
)
り
水奔草
(
すゐほんさう
)
と
葭草
(
よしぐさ
)
の
108
広野
(
ひろの
)
は
隈
(
くま
)
なく
明
(
あか
)
く
見
(
み
)
ゆめり』
109
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
110
いづくともなく
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
、
111
『アハハハハハハ
112
イヒヒヒヒヒヒ
113
ウフフフフフフ
114
エヘヘヘヘヘヘ
115
オホホホホホホ
面白
(
おもしろ
)
や
116
オホホホホホホ
面白
(
おもしろ
)
や
117
わが
計略
(
けいりやく
)
にくたばりし
冬男
(
ふゆを
)
の
兄
(
あに
)
の
秋男
(
あきを
)
なるか。
118
吾
(
われ
)
こそは
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
長
(
なが
)
く
棲
(
す
)
み
居
(
ゐ
)
し
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
の
水奔鬼
(
すゐほんき
)
ぞ。
119
よくもまあ
迷
(
まよ
)
ふてうせた。
120
討
(
う
)
つは
今
(
いま
)
この
時
(
とき
)
、
121
冬男
(
ふゆを
)
の
恨
(
うら
)
みを
兄
(
あに
)
の
秋男
(
あきを
)
に
報
(
むく
)
うてくれむ。
122
ヤアヤア手下ども、
123
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
餓鬼
(
がき
)
どもを片つ端からふん
縛
(
じば
)
り、
124
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
火口
(
くわこう
)
に
投
(
ほ
)
り
込
(
こ
)
め、
125
アハハハハハハハハ
心地
(
ここち
)
よやな』
126
と、
127
さも
憎々
(
にくにく
)
しげなる
高声
(
たかごゑ
)
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る。
128
秋男
(
あきを
)
はこの
声
(
こゑ
)
に
足
(
あし
)
の
疲
(
つか
)
れも
忘
(
わす
)
れ、
129
すつくと
立上
(
たちあが
)
り、
130
『
弟
(
おとうと
)
の
消息
(
せうそく
)
今
(
いま
)
や
悟
(
さと
)
りけり
131
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アに
謀
(
はか
)
られ
死
(
し
)
せしか。
132
吾
(
われ
)
こそは
珍
(
うづ
)
の
武士
(
もののふ
)
いかにして
133
弟
(
おとうと
)
の
仇
(
あだ
)
を
報
(
むく
)
はであるべき。
134
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アの
棲処
(
すみか
)
とは
135
知
(
し
)
れどここに
会
(
あ
)
ふとは
思
(
おも
)
はざりしよ。
136
あらためて
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アに
言問
(
ことと
)
はむ
137
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
棲処
(
すみか
)
はいづれぞ』
138
『アハハハハハハ、
139
イヒヒヒヒヒヒ
140
馬鹿
(
ばか
)
なことを
申
(
まを
)
すな。
141
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
はこの
方
(
はう
)
の
妹
(
いもうと
)
、
142
今
(
いま
)
ここに
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
るのが
汝
(
そち
)
の
目
(
め
)
には
分
(
わか
)
らぬか、
143
盲
(
めくら
)
ども、
144
もうかうなる
上
(
うへ
)
は
網
(
あみ
)
にかかつた
魚
(
うを
)
も
同然
(
どうぜん
)
、
145
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
手下
(
てした
)
を
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
め、
146
心
(
こころ
)
のままに
嬲
(
なぶ
)
り
殺
(
ごろ
)
し、
147
てもさてもあはれなものだワイ。
148
イヒヒヒヒヒヒ、
149
オホホホホホホ』
150
松
(
まつ
)
は
怒
(
いか
)
り
心頭
(
しんとう
)
に
達
(
たつ
)
し、
151
声
(
こゑ
)
もあらあらしく、
152
『おもしろし
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アに
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
153
只一討
(
ただひとうち
)
に
亡
(
ほろ
)
ぼして
見
(
み
)
む
154
吾
(
わが
)
敵
(
てき
)
はここに
集
(
あつま
)
りゐると
聞
(
き
)
く
155
手間暇
(
てまひま
)
いらぬ
今宵
(
こよひ
)
の
戦
(
たたか
)
ひ』
156
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
157
『
水奔鬼
(
すゐほんき
)
いかに
群
(
むら
)
がり
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
とも
158
弥猛心
(
やたけごころ
)
に
突
(
つ
)
き
亡
(
ほろ
)
ぼさむ』
159
斯
(
か
)
く
言
(
い
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
160
不思議
(
ふしぎ
)
なるかな、
161
火炎山
(
くわえんざん
)
の
噴火
(
ふんくわ
)
はピタリと
止
(
と
)
まり、
162
四辺
(
あたり
)
は
真
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
、
163
秋男
(
あきを
)
の
一行
(
いつかう
)
は
進退
(
しんたい
)
維谷
(
これきは
)
まり、
164
大地
(
だいち
)
にどつかと
坐
(
ざ
)
し、
165
双手
(
もろて
)
をくんで
暫
(
しば
)
し
思案
(
しあん
)
にくれて
居
(
ゐ
)
たり。
166
暗
(
くら
)
がりの
中
(
なか
)
より
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
は、
167
顔
(
かほ
)
の
輪廓
(
りんくわく
)
ハツキリと
現
(
あらは
)
れ
来
(
きた
)
り、
168
長
(
なが
)
き
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
しながら
秋男
(
あきを
)
の
前
(
まへ
)
近
(
ちか
)
く
寄
(
よ
)
り
来
(
きた
)
り、
169
『アハハハハハハ、
170
イヒヒヒヒヒヒ
171
もうかうなればこつちのもの、
172
覚悟
(
かくご
)
致
(
いた
)
して
毒茶
(
どくちや
)
を
飲
(
の
)
め、
173
さあ
喜
(
よろこ
)
んで
喰
(
くら
)
へ』
174
と
言
(
い
)
ひながら、
175
大
(
おほ
)
いなる
瓶
(
かめ
)
より
毒茶
(
どくちや
)
を
秋男
(
あきを
)
の
面上
(
めんじやう
)
に
注
(
そそ
)
ぎかくる。
176
秋男
(
あきを
)
はたまりかねて
両手
(
りやうて
)
を
以
(
もつ
)
て
面
(
おも
)
を
覆
(
おほ
)
ひ
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
にて、
177
『
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
六
(
むゆ
)
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
178
百
(
もも
)
千
(
ち
)
万
(
よろづ
)
千万
(
ちよろづ
)
の
神
(
かみ
)
179
守
(
まも
)
り
給
(
たま
)
へ
救
(
すく
)
ひ
給
(
たま
)
へ』
180
と
奏上
(
そうじやう
)
するや、
181
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
の
面
(
おも
)
は
忽
(
たちま
)
ち
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ、
182
遥
(
はるか
)
の
方
(
かた
)
よりいやらしき
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
聞
(
きこ
)
ゆるばかりなり。
183
後方
(
こうほう
)
より
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
声
(
こゑ
)
、
184
『ギヤハハハハハハ、
185
ギユフフフフフフ
186
腰
(
こし
)
ぬけ
野郎
(
やらう
)
の
秋男
(
あきを
)
の
一行
(
いつかう
)
ども、
187
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
つたか、
188
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
のお
手並
(
てなみ
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り、
189
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
は
何程
(
なにほど
)
もがくも
泣
(
な
)
くも
追
(
お
)
ひつくまい、
190
さてもさても
小気味
(
こぎみ
)
のよい
事
(
こと
)
だワイ。
191
ギユフフフフフフフこの
婆
(
ばば
)
は
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
中
(
うち
)
でも
最
(
もつと
)
も
力
(
ちから
)
のある
御
(
お
)
方
(
かた
)
ぞや。
192
それに
何
(
なん
)
ぞや、
193
小
(
ちひ
)
さき
人間
(
にんげん
)
の
身
(
み
)
として、
194
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
を
征伐
(
せいばつ
)
するとは
片腹痛
(
かたはらいた
)
い。
195
もうかくなる
上
(
うへ
)
はこつちの
自由
(
じいう
)
、
196
てもさてもあはれな
腰
(
こし
)
ぬけ
野郎
(
やらう
)
だな』
197
秋男
(
あきを
)
は
無念
(
むねん
)
やる
方
(
かた
)
なく、
198
生命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
声
(
こゑ
)
する
方
(
はう
)
に
向
(
むか
)
つて
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
め
飛
(
と
)
びつく
途端
(
とたん
)
、
199
闇
(
やみ
)
の
落
(
おと
)
し
穴
(
あな
)
にどつとばかり
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みにける。
200
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
は
又
(
また
)
もや
大声
(
おほごゑ
)
にて、
201
『ギアハハハハハハ、
202
てもさても
小気味
(
こぎみ
)
よし、
203
秋男
(
あきを
)
の
野郎
(
やらう
)
はこの
方
(
はう
)
の
計略
(
けいりやく
)
にかかり、
204
もろくも
生命
(
いのち
)
を
落
(
おと
)
しよつた。
205
それでも
俺
(
おれ
)
の
輩下
(
けらい
)
が
一人
(
ひとり
)
殖
(
ふ
)
えたと
申
(
まを
)
すもの、
206
後
(
あと
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
餓鬼
(
がき
)
どもはさアどう
致
(
いた
)
す、
207
降参
(
かうさん
)
致
(
いた
)
して
俺
(
おれ
)
の
部下
(
ぶか
)
となるかどうだ、
208
返答
(
へんたふ
)
いたせ、
209
ギアハハハハハハ、
210
よもや
手向
(
てむか
)
ひよう
致
(
いた
)
す
力
(
ちから
)
はあるまい』
211
松
(
まつ
)
、
212
竹
(
たけ
)
、
213
梅
(
うめ
)
、
214
桜
(
さくら
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は、
215
一斉
(
いつせい
)
に
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
声
(
こゑ
)
する
方
(
はう
)
へ
突進
(
とつしん
)
する
途端
(
とたん
)
、
216
あはれや
一度
(
いちど
)
に
闇
(
やみ
)
の
奈落
(
ならく
)
に
墜落
(
ついらく
)
し、
217
惜
(
あた
)
ら
現身
(
うつそみ
)
の
生命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
ひける。
218
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
は
再
(
ふたた
)
び
噴煙
(
ふんえん
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し、
219
火光
(
くわくわう
)
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
し、
220
さも
物凄
(
ものすご
)
き
光景
(
くわうけい
)
なりける。
221
秋男
(
あきを
)
の
一行
(
いつかう
)
は
闇
(
やみ
)
の
落
(
おと
)
し
穴
(
あな
)
に
墜落
(
つゐらく
)
し、
222
果敢
(
はか
)
なくも
現身
(
うつそみ
)
の
生命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
ひけるが、
223
その
精霊
(
せいれい
)
は
不老
(
ふらう
)
不死
(
ふし
)
にしてここに
復活
(
ふくくわつ
)
し、
224
五
(
ご
)
人
(
にん
)
一度
(
いちど
)
に
首
(
くび
)
を
鳩
(
あつ
)
め、
225
婆
(
ばば
)
の
奸策
(
かんさく
)
にかかりしことを
恨
(
うら
)
み
居
(
ゐ
)
る。
226
秋男
(
あきを
)
はかすかに
歌
(
うた
)
ふ。
227
『
思
(
おも
)
ひきや
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
に
辿
(
たど
)
り
来
(
き
)
て
228
かかる
歎
(
なげ
)
きに
今
(
いま
)
遭
(
あ
)
はむとは。
229
斯
(
か
)
くなれば
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
も
同
(
おな
)
じ
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
230
群
(
むれ
)
に
入
(
い
)
りしか
思
(
おも
)
へばくやしき。
231
水奔鬼
(
すゐほんき
)
にたとへなるとも
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
232
彼
(
か
)
の
鬼婆
(
おにばば
)
をきためで
置
(
お
)
くべき。
233
汝
(
なれ
)
も
亦
(
また
)
吾
(
われ
)
と
同
(
おな
)
じく
鬼婆
(
おにばば
)
に
234
玉
(
たま
)
の
生命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれけるよ。
235
この
上
(
うへ
)
は
五
(
ご
)
人
(
にん
)
力
(
ちから
)
を
一
(
ひと
)
つにし
236
二人
(
ふたり
)
の
婆
(
ばば
)
を
打
(
う
)
ち
亡
(
ほろ
)
ぼさばや』
237
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
238
『
吾
(
わが
)
君
(
きみ
)
の
仰
(
あふ
)
せ
畏
(
かしこ
)
しこの
恨
(
うら
)
み
239
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
はむくはで
止
(
や
)
むべきならず。
240
悪神
(
あくがみ
)
の
謀計
(
たくみ
)
の
罠
(
わな
)
に
陥
(
おちい
)
りて
241
果敢
(
はか
)
なくなりし
吾
(
われ
)
はくやしも』
242
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
243
『
地獄山
(
ぢごくやま
)
麓
(
ふもと
)
の
穴
(
あな
)
に
陥
(
おちい
)
りて
244
玉
(
たま
)
の
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てにけらしな。
245
身体
(
からたま
)
はよし
失
(
う
)
するとも
精霊
(
せいれい
)
の
246
生命
(
いのち
)
は
長
(
なが
)
し
恨
(
うら
)
みをむくいむ。
247
武士
(
もののふ
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
も
斯
(
か
)
くならば
248
暫
(
しば
)
しは
詮
(
せん
)
すべなからむと
思
(
おも
)
ふ』
249
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
250
『
力
(
ちから
)
よわきことを
宣
(
の
)
らすな
精霊
(
せいれい
)
と
251
言
(
い
)
へども
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
雄々
(
をを
)
しき
大丈夫
(
ますらを
)
。
252
大丈夫
(
ますらを
)
の
堅
(
かた
)
き
心
(
こころ
)
はよしやよし
253
生命
(
いのち
)
死
(
し
)
すともひるまざるべし。
254
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
にあれます
御
(
おん
)
父
(
ちち
)
は
255
歎
(
なげ
)
かせ
給
(
たま
)
はむ
二人
(
ふたり
)
をとられて。
256
吾
(
わが
)
父
(
ちち
)
も
母
(
はは
)
も
歎
(
なげ
)
かむ
火炎山
(
くわえんざん
)
の
257
鬼
(
おに
)
に
生命
(
いのち
)
をとられしと
聞
(
き
)
きて。
258
さりながら
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
259
醜
(
しこ
)
の
鬼婆
(
おにばば
)
平
(
たひら
)
げて
見
(
み
)
む』
260
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
261
『
思
(
おも
)
はざる
不覚
(
ふかく
)
を
取
(
と
)
りて
主従
(
しゆじう
)
は
262
あたら
生命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
ひにけり。
263
さりながら
吾
(
わが
)
精霊
(
せいれい
)
はかくの
如
(
ごと
)
264
生
(
い
)
きてありせば
恐
(
おそ
)
るるに
足
(
た
)
らず。
265
どこ
迄
(
まで
)
も
婆
(
ばば
)
アの
生命
(
いのち
)
取
(
と
)
らざれば
266
大丈夫
(
ますらを
)
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
意気地
(
いくぢ
)
は
立
(
た
)
たず。
267
八千尋
(
やちひろ
)
の
深
(
ふか
)
き
穴底
(
あなそこ
)
に
落
(
おと
)
されて
268
生命
(
いのち
)
亡
(
う
)
せしと
思
(
おも
)
へば
恨
(
うら
)
めし。
269
この
恨
(
うら
)
みやがてはらさむ
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
270
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
首
(
くび
)
引
(
ひ
)
きぬきて』
271
斯
(
か
)
く
主従
(
しゆじう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は、
272
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
くあたら
生命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれたるを
怒
(
いか
)
り
且
(
か
)
つ
歎
(
なげ
)
き、
273
仇
(
あだ
)
を
報
(
はう
)
ずべきを
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ひつつ、
274
千尋
(
ちひろ
)
の
深
(
ふか
)
き
穴
(
あな
)
の
底
(
そこ
)
に
佇
(
たたず
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
275
時
(
とき
)
こそあれ、
276
いづくともなく、
277
いやらしき
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
の
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
、
278
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
の
破鐘
(
われがね
)
の
声
(
こゑ
)
、
279
物凄
(
ものすご
)
く
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る。
280
(
昭和九・七・二八
旧六・一七
於関東別院南風閣
谷前清子
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
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夜見還 >>>
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