霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一六章 ()(みづうみ)〔二〇二〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻 篇:第3篇 天地変遷 よみ(新仮名遣い):てんちへんせん
章:第16章 火の湖 よみ(新仮名遣い):ひのみずうみ 通し章番号:2020
口述日:1934(昭和9)年07月30日(旧06月19日) 口述場所:関東別院南風閣 筆録者:谷前清子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年12月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
秋男一行が猛獣の悪魔たちに噴火口に投げ入れられて命を落とした後、半時ほどして火炎山はたちまち大鳴動を始め、前後左右上下に振動すると大爆発を起こした。
高い山影は跡形もなくなり、代わりに大きな湖水が出現し、中央の小さな小島が残るのみであった。猛獣毒蛇、水奔鬼たちは大部分が全滅し、中央の小島には、秋男たちの精霊と、朝霧ら国津神の娘たちの水奔鬼が残り、秋男の精霊は島の主となった。
秋男たちは、未だに残る少数の猛獣毒蛇を滅ぼして、ここに精霊の安全地帯を作ろうと苦心していたが、身体を失った精霊の身では猛獣毒蛇に対抗する力がなく、天地の神に祈願して救いを待つのみであった。
高光山の朝霧比女の神一行は、火炎山が大爆発を起こしたことを知り、協議の結果、朝空男の神、国生男の神二柱が、天の鳥船を作って予讃の国に向かい、様子をうかがってくることとなった。
朝空男の神、国生男の神は述懐の歌を歌いながら鳥船を操り、予讃の国の雲をかき分けて地上に降り、かつて笑い婆の棲家であった忍ケ丘の平地に降り立った。
火炎山は大きな湖になってしまったが、その湖水が忍ケ丘の一里ほど近くまで展開していた。二柱の神々が丘の上で感謝の歌を捧げていると、かつて笑い婆に命を奪われて、精霊となって忍ケ丘を守っていた冬男たちが現れ来て、両神にこれまでの経緯と、降臨への感謝を歌った。
神々は、冬男たちが精霊の身で水奔鬼の鬼婆を追い出したと聞いて、その魂の強さに感心した。両神は、精霊たちを安堵させると、その夜は忍ケ丘の冬男の館に休息を取った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm8016
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 374頁 修補版: 校定版:309頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 秋男(あきを)(はじ)め、002(まつ)003(たけ)004(うめ)005(さくら)一行(いつかう)()(にん)が、006猛獣(まうじう)主共(ぬしども)(くは)へられ、007火炎山(くわえんざん)(だい)噴火口(ふんくわこう)()()まれ、008身体(からだ)白骨(はくこつ)となりて中空(ちうくう)(たか)(のぼ)り、009(ふたた)山上(さんじやう)落下(らくか)したるが、010(やや)半時(はんとき)(ばか)()て、011火炎山(くわえんざん)(たちま)大鳴動(だいめいどう)(はじ)め、012前後(ぜんご)左右(さいう)上下(じやうげ)震動(しんどう)し、013(つひ)には大爆発(だいばくはつ)して、014()()るさしもに(たか)山影(やまかげ)跡形(あとかた)もなく大湖水(だいこすゐ)変化(へんくわ)し、015猛獣(まうじう)016毒蛇(どくじや)017水奔鬼(すゐほんき)大部分(だいぶぶん)全滅(ぜんめつ)(やく)()ひて、018その中央(ちうあう)(ちひ)さき小島(こじま)(のこ)すのみとはなりぬ。019この小島(こじま)(すく)はれたる精霊(せいれい)は、020秋男(あきを)一行(いつかう)(はじ)め、021朝霧(あさぎり)022夕霧(ゆふぎり)023秋風(あきかぜ)024野分(のわき)025秋雨(あきさめ)(およ)僅少(きんせう)なる水奔鬼(すゐほんき)(およ)猛獣(まうじう)026毒蛇(どくじや)小部分(せうぶぶん)なりけり。
027 ここに秋男(あきを)(この)(しま)精霊界(せいれいかい)(ぬし)となりけるが、028(いま)肉体(にくたい)(いう)する猛獣(まうじう)029毒蛇(どくじや)(のこ)れるを如何(いか)にもして全滅(ぜんめつ)し、030ここに精霊(せいれい)安全(あんぜん)地帯(ちたい)(つく)らむと、031八方(はつぱう)辛苦(しんく)(かさ)()たりける。032(しか)りと(いへど)秋男(あきを)最早(もは)精霊(せいれい)なれば、033肉体(にくたい)()猛獣(まうじう)034毒蛇(どくじや)対抗(たいかう)すべき(ちから)なく、035(ただ)天地(てんち)神明(しんめい)祈願(きぐわん)し、036(すく)ひの(かみ)()降臨(かうりん)()つより(ほか)すべもなかりける。
037 ()高光山(たかみつやま)天降(あも)りませる朝霧(あさぎり)比女(ひめ)(かみ)038大御照(おほみてらし)(かみ)039朝空男(あさぞらを)(かみ)040国生男(くにうみを)(かみ)041子心(こごころ)比女(ひめ)(かみ)は、042高光山(たかみつやま)(いただき)なる巌窟(がんくつ)宝座(ほうざ)(あつま)り、043(はるか)西方(せいはう)(あた)大爆音(だいばくおん)(きこ)え、044火炎山(くわえんざん)(てん)(ちう)する火焔(くわえん)は、045跡形(あとかた)もなく()()せ、046(ただ)黒雲(こくうん)(みなぎ)れるを望見(ばうけん)し、047葭原(よしはら)国土(くに)一部(いちぶ)天変(てんぺん)地異(ちい)のありたるを(うれ)(たま)ひながら、048こと(はか)(たま)ふ。049朝霧(あさぎり)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
 
050(註)天祥(てんしやう)地瑞(ちずゐ)物語中(ものがたりちう)051神々(かみがみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふとあるは、052御言葉(みことば)()なり。053神代(かみよ)現代人(げんだいじん)(ごと)不成立(ふせいりつ)なる言語(げんご)なく、054(たがひ)天地(てんち)音律(おんりつ)()へる三十一(みそひと)文字(もじ)(もち)(たま)ひしが、055所謂(いはゆる)今日(こんにち)和歌(わか)となれるものにして、056(うた)(たま)ふと()ふは、057(まを)(たま)(また)(あふ)(たま)ふ、058(かた)(たま)ふ、059()(たま)ふの意義(いぎ)()るべし。060神代(かみよ)(かみ)言葉(ことば)を、061現代人(げんだいじん)(すべ)(うた)として(あつか)へるを()るべし。
062見渡(みわた)せば火炎(くわえん)(やま)天地(あめつち)
063(ゆる)がしにつつ()()せにけり。
064久方(ひさかた)(そら)をなめたる()(した)
065(いま)(まつた)()えずなりけり。
066葭原(よしはら)国土(くに)曲神(まがみ)言向(ことむ)くる
067(めぐみ)御火(みひ)()()せにけり。
068いかにしてこの葭原(よしはら)()らさむや
069(かみ)(たから)御火(みひ)()えぬれば。
070()(かく)火炎(くわえん)(やま)()()せぬ
071(うみ)となりしか(こころ)もとなや』
072 大御照(おほみてらし)(かみ)(うた)ふ。
073(われ)(また)火炎(くわえん)(やま)爆発(ばくはつ)
074(おも)へば(こころ)(くも)らひにけり。
075葭草(よしぐさ)水奔草(すゐほんさう)()(はら)
076しぐみの(うち)()()えにけり。
077葭原(よしはら)(しま)のことごと(よる)されば
078(あか)るかりしを(いま)是非(ぜひ)なし。
079濛々(もうもう)(てん)黒雲(くろくも)ふさがりて
080火炎(くわえん)(やま)()えずなりけり。
081曲津(まが)(かみ)数多(あまた)()まひし(やま)なれば
082御火(みひ)()(わざ)をためらひ()りしに。
083ためらひてある()御火(みひ)()えにけり
084この国原(くにはら)如何(いか)(をさ)めむ。
085今日(けふ)よりは御火(みひ)()ゆれど言霊(ことたま)
086水火(いき)(てら)して()(をさ)めませ』
087 御樋代(みひしろ)(がみ)(うた)(たま)ふ。
088(なれ)こそは大御照(おほみてらし)(かみ)なれば
089(やみ)(あか)せよ生言霊(いくことたま)に。
090曲津見(まがつみ)のその大方(おほかた)天地(あめつち)
091変異(へんい)()すれど()なきが()しき』
092 大御照(おほみてらし)(かみ)(うた)ふ。
093(わが)(きみ)御言葉(みことば)(かしこ)今日(けふ)よりは
094(たに)(くだ)りて(みそぎ)なすべし。
095(わが)(みそぎ)(かみ)(こころ)にかなふまで
096(ちから)(かぎ)りに(つと)めはげまむ』
097 御樋代(みひしろ)(がみ)(うた)(たま)ふ。
098(きみ)(うた)()きて(わが)(たま)(よみがへ)
099天地(あめつち)(ひら)けし心地(ここち)するかも』
100 朝空男(あさぞらを)(かみ)(うた)ふ。
101葭原(よしはら)国土(くに)にも(たか)きこの(やま)
102国形(くにがた)()れば()(やま)(さか)き。
103(さか)しかりし火炎(くわえん)(やま)(たちま)ちに
104(うみ)となりしか姿(すがた)()えなく。
105曲津(まがつ)(かみ)数多(あまた)()まひしこの(やま)
106(かみ)経綸(しぐみ)()()りにける。
107()にもあれ予讃(よさ)国原(くにはら)さやぐらむ
108(ゆる)させ(たま)へば(われ)()()かむ。
109(いは)()(かみ)(ちから)()へながら
110予讃(よさ)国原(くにはら)(よみがへ)らせむ』
111 国生男(くにうみを)(かみ)(うた)ふ。
112(われ)(また)朝空男(あさぞらを)(かみ)諸共(もろとも)
113予讃(よさ)国原(くにはら)(すす)みたく(おも)ふ。
114御樋代(みひしろ)(かみ)(ゆる)しませ国生男(くにうみを)
115(わが)()ぎごとを𪫧怜(うまら)委曲(つばら)に。
116葭原(よしはら)国土(くに)()(もの)(ことごと)
117(なや)みてあらむ(すす)ませ(たま)へ』
118 朝霧(あさぎり)比女(ひめ)(かみ)(うた)(たま)ふ。
119国生男(くにうみを)(かみ)(ねが)ひを(うべな)ひて
120予讃(よさ)御国(みくに)(ため)(つか)はさむ。
121大御照(おほみてらし)子心(こごころ)比女(ひめ)二柱(ふたはしら)
122(わが)(みぎ)(ひだり)(つか)(まつ)れよ。
123朝空男(あさぞらを)国生男(くにうみを)(かみ)鳥船(とりふね)
124(はや)(つく)りて(すす)()でませ』
125 ()(うた)ひて奥殿(おくでん)(ふか)()らせ(たま)ひ、126大御照(おほみてらし)(かみ)子心(こごころ)比女(ひめ)(かみ)は、127巌窟(がんくつ)(くち)()(ひか)へて国形(くにがた)看守(みまも)(たま)(こと)となり、128朝空男(あさぞらを)129国生男(くにうみを)二柱(ふたはしら)大峡(おほがひ)小峡(をがひ)()()り、130(あま)鳥船(とりふね)七日(なぬか)七夜(ななよ)日数(ひかず)(かさ)ねて(やうや)くに(つく)()(たま)ひ、131両神(りやうしん)はこの鳥船(とりふね)()りて中空(ちうくう)(つばさ)をうちながら、132予讃(よさ)国原(くにはら)さして(すす)ませ(たま)ふ。
133 朝空男(あさぞらを)(かみ)鳥船(とりふね)()をまかせながら、134中空(ちうくう)()けりつつ、1341御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
135七日(なぬか)七夜(ななよ)()もやらず
136国生男(くにうみを)(がみ)諸共(もろとも)
137大峡(おほがひ)小峡(をがひ)()()りて
138目出度(めでた)くここに鳥船(とりふね)
139(つく)()へたる(うれ)しさよ
140(われ)(そら)ゆく(とり)なれや
141下界(げかい)(はるか)見下(みおろ)せば
142葭原(よしはら)国土(くに)広々(ひろびろ)
143あなたこなたに(やま)()
144(きり)(おもて)(うか)びゐる
145下界(げかい)はたしかに()えねども
146(きり)海原(うなばら)(そこ)(ふか)
147(もも)人草(ひとぐさ)(おに)大蛇(をろち)
148(むし)(けだもの)(くさ)()
149火炎(くわえん)(やま)爆発(ばくはつ)
150(なや)みくるしみをののきて
151()きたる心地(ここち)もなかるらむ
152火炎(くわえん)(やま)(とほ)くとも
153御空(みそら)(はし)鳥船(とりふね)
154(はや)(つばさ)(すす)みなば
155一日(ひとひ)(うち)(いた)るべし
156御樋代(みひしろ)(がみ)天降(あも)らしし
157(あめ)八重雲(やへくも)(くら)ぶれば
158地上(ちじやう)()つる(うれ)ひなく
159安全(あんぜん)無事(ぶじ)(そら)(たび)
160ああさりながらさりながら
161()()(かぜ)(つばさ)をば
162()られて鳥船(とりふね)(さかさま)
163地上(ちじやう)()つる(こと)もがな
164行手(ゆくて)(とほ)(くも)(うへ)
165ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
166()大神(おほかみ)御恵(みめぐみ)
167(やす)平穏(おだひ)(すす)ませ(たま)
168心安(うらやす)らかに(すす)ませ(たま)
169(ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)
170(もも)()(よろづ)八千万(やちよろづ)
171天津神(あまつかみ)(たち)国津(くにつ)(かみ)
172(まも)らせ(たま)へと()(まつ)る』
173 国生男(くにうみを)(かみ)(うた)ふ。
174(われ)国生男(くにうみを)(かみ)
175(はるか)(たか)(くも)(うへ)
176西(にし)西(にし)へと(すす)みゆく
177この鳥船(とりふね)鳳凰(ほうわう)
178(つばさ)(つよ)真鶴(まなづる)
179(こころ)(そら)()れやかに
180国形(くにがた)()むと(すす)()
181今日(けふ)(たび)こそ(たの)しけれ
182御樋代(みひしろ)(がみ)神言(みこと)もて
183()大神(おほかみ)(おん)稜威(みいづ)
184(うなじ)()けて(すす)みゆく
185(われ)()御幸(みさち)あれよかし
186(われ)()(ひか)りあれよかし
187(とほ)下界(げかい)見渡(みわた)せば
188黒雲(くろくも)白雲(しらくも)交々(こもごも)
189地上(ちじやう)(つつ)みて(くさ)()
190(ひと)(けもの)()()かず
191漂渺(へうべう)千里(せんり)海原(うなばら)
192(わた)るが(ごと)心地(ここち)かな
193(いま)まで(そら)(てら)したる
194火炎(くわえん)(やま)(かげ)もなし
195目標(めじるし)さへもなき(そら)
196(すす)(われ)こそ雄々(をを)しけれ
197()大神(おほかみ)()(かぎ)
198(あやま)つことなく(すす)()
199ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
200恩頼(みたまのふゆ)をたまへかし』
201 朝空男(あさぞらを)(かみ)鳥船(とりふね)より(うた)ふ。
202見下(みおろ)せば黒雲(くろくも)白雲(しらくも)(むらが)りて
203荒海原(あらうなばら)(すす)むに()たり。
204(あめ)(つち)中空(なかぞら)をゆく鳥船(とりふね)
205とりつく(しま)()えぬ(たび)かな。
206西(にし)(ひがし)(みなみ)(きた)()()かぬ
207(そら)(うみ)ゆく鳥船(とりふね)あはれ。
208(わが)伊行(いゆ)(そら)(たか)ければ(かぜ)もなく
209(あめ)(した)より()(あが)るなり。
210()(うへ)(しこ)曲事(まがこと)(あらは)れしか
211(そら)のぼり()(くも)はにごれり』
212 国生男(くにうみを)(かみ)(うた)ふ。
213国津(くにつ)(かみ)(けもの)(なげ)(つた)はるか
214(くも)(あや)しき(こゑ)のふくめる。
215(たか)(こゑ)(あつま)(かた)目的(めあて)にて
216(くだ)()かむかこの鳥船(とりふね)を。
217宇宙間(うちうかん)何物(なにもの)()えず(ただ)(ひと)
218(わが)鳥船(とりふね)のあるのみぞかし。
219御樋代(みひしろ)(かみ)のまします高光(たかみつ)
220(やま)姿(すがた)()えずなりけり。
221()(かみ)(はじ)めて宇宙(うちう)()れませる
222(とき)もかくやと(しの)ばるるかな。
223葭原(よしはら)国土(くに)(ひろ)ければ二夜(ふたよ)三夜(みよ)
224(はし)るも万里(まで)(うみ)には(いた)らず。
225万里(まで)(うみ)(なか)にも(ひろ)葭原(よしはら)
226国津(くにつ)御空(みそら)(さだ)まらぬかな』
227 両神(りやうしん)空中(くうちう)(うた)ひながら、228予讃(よさ)国土(くに)(そら)(しづか)八重雲(やへくも)かき()(くだ)らせ(たま)へば、229(わら)(ばば)()()たりし(しのぶ)(をか)平地(へいち)鳥船(みふね)安々(やすやす)()きにける。
230 火炎山(くわえんざん)一帯(いつたい)(やく)百余(ひやくよ)()()大湖水(だいこすゐ)(くわ)したれども、231(しのぶ)(をか)(さいは)ひその圏外(けんぐわい)()かれて、232(やく)(いち)()(ちか)くまで湖水(こすゐ)展開(てんかい)()たりける。233二神(にしん)(この)(をか)()()ち、234天地(てんち)神霊(しんれい)(むか)つて、235感謝(かんしや)言霊(ことたま)奏上(そうじやう)数歌(かずうた)をうたはせ(たま)ふ。
236 朝空男(あさぞらを)(かみ)(うた)ふ。
237久方(ひさかた)(あした)(そら)雄々(をを)しくも
238(わた)()にけり鳥船(とりふね)()りて。
239(くも)()けて(くだ)りて()れば(しのぶ)(をか)
240(おも)ひがけなき休所(やすど)なりしよ。
241(あたら)しき火炎(くわえん)(うみ)間近(まぢか)ければ
242この(をか)よりはたしに()ゆるも』
243 国生男(くにうみを)(かみ)(うた)ふ。
244(わづら)ひし(こころ)(やみ)()(はな)
245(われ)(つつが)なく(をか)()()りぬ。
246見渡(みわた)せば火炎(くわえん)(うみ)広々(ひろびろ)
247ほのかに(きり)立昇(たちのぼ)()ゆ。
248今日(けふ)よりはこの(をか)()(いへ)(つく)
249予讃(よさ)国土(くに)をば()かさむと(おも)ふ』
250 ()(うた)(をり)しも、251(わら)(ばば)生命(いのち)(うば)はれし精霊(せいれい)なる国津(くにつ)(かみ)末子(ばつし)冬男(ふゆを)は、252熊公(くまこう)253虎公(とらこう)(およ)(やま)254(かは)255(うみ)三女(さんぢよ)精霊(せいれい)(とも)に、256(おそ)(おそ)()(きた)り、257(かすか)(こゑ)にて両神(りやうしん)(むか)感謝(かんしや)真心(まごころ)(うた)ふ。
258冬男(ふゆを)久方(ひさかた)天津(あまつ)御空(みそら)天降(あも)りましし
259二柱(ふたはしら)(かみ)(たふと)かりけり。
260葭原(よしはら)予讃(よさ)御国(みくに)曲津(まがつ)(かみ)
261伊猛(いたけ)(くる)ひて(さわ)がしかりけり。
262火炎山(くわえんざん)爆発(ばくはつ)によりて曲津(まが)(かみ)
263その大方(おほかた)(ほろ)()せたり。
264(われ)こそは(いは)()末子(ばつし)冬男(ふゆを)なり
265(いま)はこの()(もの)にあらねど。
266水奔鬼(すゐほんき)(わら)(ばば)アにはかられて
267(うつつ)生命(いのち)(うば)はれし(われ)
268(おん)(まへ)()()すこれの友垣(ともがき)
269(みな)精霊(せいれい)となりにけらしな。
270二柱(ふたはしら)天降(あも)(たま)ひし今日(けふ)よりは
271精霊界(せいれいかい)(やす)くあるべし』
272 (くま)(うた)ふ。
273(われ)(また)(いは)()(きみ)(つか)へたる
274下僕(しもべ)なれども現身(うつそみ)はなし。
275虎公(とらこう)もこの(さん)(にん)乙女(をとめ)()
276みな精霊(せいれい)よあはれみ(たま)へ』
277 朝空男(あさぞらを)(かみ)(うた)ふ。
278『かねて()水奔鬼(すゐほんき)()(さと)
279いづれにあるや(つぶさ)(かた)らへ』
280 冬男(ふゆを)(うた)ふ。
281水奔鬼(すゐほんき)(つかさ)(わら)ひの()アさんが
282()みにし(をか)はここなりにけり。
283吾々(われわれ)(ちから)(おそ)(わら)(ばば)
284火炎(くわえん)(やま)をさして()げたり。
285火炎山(くわえんざん)湖水(こすゐ)となりし(うへ)からは
286(わら)(ばば)アも(ほろ)びしなるらむ』
287 国生男(くにうみを)(かみ)
288(めづら)しき(われ)(はなし)()きにけり
289(わら)(ばば)アを()ひやりしとは。
290精霊(せいれい)といへども冬男(ふゆを)のたましひの
291(つよ)(ちから)(われ)はあきれし』
292 (やま)(うた)ふ。
293(われ)こそは冬男(ふゆを)(つま)精霊(せいれい)
294(まも)らせ(たま)二柱(ふたはしら)(かみ)
295御樋代(みひしろ)(かみ)神言(みこと)天降(あも)りましし
296(たふと)(かみ)()ふぞ(うれ)しき。
297()くならば葭原(よしはら)国土(くに)(やす)からむ
298現界(げんかい)神界(しんかい)幽界(いうかい)なべて』
299 (かは)(うた)ふ。
300水奔鬼(すゐほんき)(わら)(ばば)アの謀計(たくらみ)
301みたまとなりし(かは)(われ)なり。
302虎公(とらこう)精霊(せいれい)(つま)(われ)なりて
303(しのぶ)(をか)(とし)をふりけり。
304二柱(ふたはしら)(たふと)(かみ)()でましに
305精霊(せいれい)(われ)(よみがへ)りたり』
306 (うみ)(うた)ふ。
307虎公(とらこう)精霊(せいれい)(つま)(われ)(うみ)
308(たふと)(かみ)(まへ)()つかな。
309今日(けふ)よりは(われ)()(あは)れみ(たま)ひつつ
310曲津神(まがつかみ)()をきため(たま)はれ。
311()()ちし御樋代(みひしろ)(がみ)(おん)使(つか)
312(しのぶ)(をか)天降(あも)りましけり』
313 朝空男(あさぞらを)(かみ)(うた)ふ。
314(われ)()二神(にしん)ここに(くだ)りし(うへ)からは
315(こころ)(やす)かれ永久(とは)(まも)らむ』
316 ()(たがひ)(うた)ひつつ、317その()(しのぶ)(をか)冬男(ふゆを)(やかた)(いき)(やす)めける。
318昭和九・七・三〇 旧六・一九 於関東別院南風閣 谷前清子謹録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→