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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第80巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 忍ケ丘
第1章 独り旅
第2章 行倒
第3章 復活
第4章 姉妹婆
第5章 三つ盃
第6章 秋野の旅
第2篇 秋夜の月
第7章 月見ケ丘
第8章 月と闇
第9章 露の路
第10章 五乙女
第11章 火炎山
第12章 夜見還
第13章 樹下の囁き
第14章 報哭婆
第15章 憤死
第3篇 天地変遷
第16章 火の湖
第17章 水火垣
第18章 大挙出発
第19章 笑譏怒泣
第20章 復命
第21章 青木ケ原
第22章 迎への鳥船
第23章 野火の壮観
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第80巻(未の巻)
> 第2篇 秋夜の月 > 第13章 樹下の囁き
<<< 夜見還
(B)
(N)
報哭婆 >>>
第一三章
樹下
(
じゆか
)
の
囁
(
ささや
)
き〔二〇一七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻
篇:
第2篇 秋夜の月
よみ(新仮名遣い):
しゅうやのつき
章:
第13章 樹下の囁き
よみ(新仮名遣い):
じゅかのささやき
通し章番号:
2017
口述日:
1934(昭和9)年07月28日(旧06月17日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年12月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
よみがえった5人一行は、火炎山の麓の樹の陰に息を休ませながら、これまでの述懐を歌に歌った。
秋男は、一同の勇気を鼓舞し、松、竹を先頭に、壁の切り立ったうねうねとした坂道を一足刻みに上っていった。
秋男一行は歌いながら進んでいくが、一向に火炎の山が近づいてこないことに気づき、悪魔の仕業ではないかと秋男は天之数歌を歌い始めた。
すると、こもり樹のこずえの方から、笑い婆が秋男たちを罵り笑う声が聞こえてきた。秋男は婆に歌い返すが、今度は譏り婆の声が秋男たちを脅し、身の毛もよだつ恐ろしい声で降伏の勧告をしてきた。
一行五人はここぞと一生懸命に天之数歌を奏上していた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm8013
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 358頁
修補版:
校定版:
251頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
蘇
(
よみがへ
)
りたる
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
一行
(
いつかう
)
は、
002
火炎山
(
くわえんざん
)
の
麓
(
ふもと
)
の
籠
(
こも
)
り
樹
(
ぎ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
ませながら、
003
辺
(
あた
)
りの
風光
(
ふうくわう
)
を
見
(
み
)
やりつつ、
004
朝明
(
あさあ
)
けの
空
(
そら
)
に
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
005
『
秋
(
あき
)
の
日
(
ひ
)
の
旅
(
たび
)
を
重
(
かさ
)
ねて
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
006
あしたの
露
(
つゆ
)
の
光
(
ひか
)
れるを
見
(
み
)
つ。
007
いろいろの
鬼婆
(
おにばば
)
たちにさやられて
008
わが
魂
(
たましひ
)
の
雄猛
(
をたけ
)
びやまずも。
009
うるはしき
朝
(
あさ
)
の
眺
(
なが
)
めに
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
は
010
よみがへりつつ
雄猛
(
をたけ
)
びするも。
011
鬼婆
(
おにばば
)
の
醜
(
しこ
)
のたくみも
何
(
なに
)
かあらむ
012
昇
(
のぼ
)
る
朝日
(
あさひ
)
に
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せぬれば。
013
曲津見
(
まがつみ
)
は
光
(
ひかり
)
を
恐
(
おそ
)
れ
闇
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
014
たのみて
伊猛
(
いたけ
)
るはあはれなるかな。
015
赫々
(
かくかく
)
と
輝
(
かがや
)
き
給
(
たま
)
ふ
朝津日
(
あさつひ
)
の
016
光
(
かげ
)
に
亡
(
ほろ
)
びぬ
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
群
(
むれ
)
。
017
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
うれ
)
露
(
つゆ
)
を
浴
(
あ
)
びつつ
瑠璃光
(
るりくわう
)
の
018
光
(
ひかり
)
保
(
たも
)
てり
朝日
(
あさひ
)
のかげに。
019
黒雲
(
くろくも
)
を
起
(
おこ
)
してわれを
艱
(
なや
)
めてし
020
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アのかげいづらなる。
021
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
もよだつばかりの
嫌
(
いや
)
らしさ
022
譏
(
そし
)
り
声
(
ごゑ
)
出
(
だ
)
す
醜
(
しこ
)
の
鬼婆
(
おにばば
)
。
023
心地
(
ここち
)
よき
秋
(
あき
)
のあしたの
山風
(
やまかぜ
)
を
024
浴
(
あ
)
みつつ
楽
(
たの
)
し
曲津
(
まが
)
の
棲処
(
すみか
)
も。
025
さやさやに
千花
(
ちばな
)
百花
(
ももばな
)
吹
(
ふ
)
きて
行
(
ゆ
)
く
026
風
(
かぜ
)
の
音
(
ね
)
清
(
きよ
)
くわが
魂
(
たま
)
栄
(
さか
)
ゆる。
027
白萩
(
しらはぎ
)
の
所
(
ところ
)
せきまで
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
028
此
(
この
)
山
(
やま
)
もとに
不思議
(
ふしぎ
)
や
鬼
(
おに
)
棲
(
す
)
む。
029
澄
(
す
)
みきらふ
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
かも
山肌
(
やまはだ
)
の
030
草木
(
くさき
)
の
色
(
いろ
)
は
青
(
あを
)
みだちたり。
031
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
032
生言霊
(
いくことたま
)
に
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
さむ。
033
大空
(
おほぞら
)
に
黒雲
(
くろくも
)
起
(
おこ
)
し
荒
(
すさ
)
びたる
034
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アのはてあはれなる。
035
高
(
たか
)
くとも
登
(
のぼ
)
り
了
(
おほ
)
せむ
山
(
やま
)
の
上
(
へ
)
の
036
火種
(
ひだね
)
をとりて
国土
(
くに
)
を
定
(
さだ
)
めむ。
037
血
(
ち
)
の
川
(
かは
)
の
側
(
そば
)
に
立
(
た
)
ちたる
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
て
038
鬼
(
おに
)
のたくみの
深
(
ふか
)
きを
悟
(
さと
)
りぬ。
039
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
御空
(
みそら
)
に
清
(
きよ
)
く
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
040
今朝
(
けさ
)
の
休
(
やす
)
らひ
清
(
すが
)
しきろかも。
041
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
のかげ
浴
(
あ
)
びながら
042
われは
進
(
すす
)
まむ
頂
(
いただき
)
さして。
043
鳥
(
とり
)
の
声
(
こゑ
)
清
(
すが
)
しくなりて
山
(
やま
)
の
袖
(
そで
)
044
吹
(
ふ
)
く
秋風
(
あきかぜ
)
は
涼
(
すず
)
しかりけり。
045
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
の
御旨
(
みむね
)
に
従
(
したが
)
ひて
046
登
(
のぼ
)
らむ
山
(
やま
)
に
曲津
(
まが
)
のあるべき。
047
西
(
にし
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
にあふられ
山袖
(
やまそで
)
の
048
尾花
(
をばな
)
は
地
(
つち
)
に
靡
(
なび
)
き
伏
(
ふ
)
したり。
049
奴婆玉
(
ぬばたま
)
の
闇
(
やみ
)
に
伊猛
(
いたけ
)
る
鬼婆
(
おにばば
)
を
050
生言霊
(
いくことたま
)
の
剣
(
つるぎ
)
に
放
(
はふ
)
らむ』
051
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
052
『
野
(
の
)
に
山
(
やま
)
に
咲
(
さ
)
く
白萩
(
しらはぎ
)
の
花
(
はな
)
見
(
み
)
れば
053
鬼
(
おに
)
の
心
(
こころ
)
か
風
(
かぜ
)
にみだるる。
054
優
(
やさ
)
しかる
姿
(
すがた
)
ながらも
白萩
(
しらはぎ
)
の
055
花
(
はな
)
の
乱
(
みだ
)
れを
見
(
み
)
るは
憂
(
う
)
れたし。
056
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
にもろく
散
(
ち
)
りゆく
白萩
(
しらはぎ
)
の
057
花
(
はな
)
にも
似
(
に
)
たる
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
かも。
058
秋山
(
あきやま
)
の
草木
(
くさき
)
はいづれも
紅葉
(
もみぢ
)
して
059
北
(
きた
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
打
(
う
)
ちふるふなり。
060
果敢
(
はか
)
なきは
風
(
かぜ
)
に
散
(
ち
)
り
行
(
ゆ
)
く
病葉
(
わくらば
)
の
061
すがたに
似
(
に
)
たる
鬼婆
(
おにばば
)
なるかも。
062
穂薄
(
ほすすき
)
は
何
(
なに
)
を
招
(
まね
)
くか
力
(
ちから
)
弱
(
よわ
)
く
063
秋
(
あき
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
倒
(
たふ
)
されにつつ』
064
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
065
『
鬼婆
(
おにばば
)
の
館
(
やかた
)
に
会
(
あ
)
ひし
五人
(
ごにん
)
乙女
(
をとめ
)
の
066
行方
(
ゆくへ
)
はいづこ
聞
(
き
)
かまほしけれ。
067
精霊
(
せいれい
)
の
身
(
み
)
にしあれどもわが
旅路
(
たびぢ
)
068
守
(
まも
)
ると
言
(
い
)
ひし
事
(
こと
)
は
忘
(
わす
)
れじ。
069
火炎山
(
くわえんざん
)
焔
(
ほのほ
)
は
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
すれど
070
此
(
この
)
山裾
(
やますそ
)
は
秋風
(
あきかぜ
)
そよぐ。
071
時々
(
ときどき
)
は
唸
(
うな
)
りをたてて
焼石
(
やけいし
)
を
072
四方
(
よも
)
に
降
(
ふ
)
らせる
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
かな。
073
火
(
ひ
)
の
種
(
たね
)
の
手
(
て
)
に
入
(
い
)
るまでは
此
(
この
)
山
(
やま
)
を
074
われ
等
(
ら
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
離
(
はな
)
れじと
思
(
おも
)
ふ。
075
此
(
この
)
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれぬ
076
悪獣
(
あくじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
の
集
(
つど
)
ひ
居
(
ゐ
)
るにや』
077
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
078
『
女郎花
(
をみなへし
)
風
(
かぜ
)
にゆらげるさま
見
(
み
)
れば
079
貴
(
うづ
)
の
乙女
(
をとめ
)
のよそほひ
思
(
おも
)
ふ。
080
萩
(
はぎ
)
桔梗
(
ききやう
)
紫
(
むらさき
)
匂
(
にほ
)
ふ
山裾
(
やますそ
)
に
081
朝日
(
あさひ
)
をあびて
憩
(
いこ
)
ふ
楽
(
たの
)
しさ。
082
来
(
き
)
てみれば
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
は
083
いよいよ
遥
(
はろ
)
けくいよいよ
高
(
たか
)
し。
084
もろもろの
曲神
(
まがかみ
)
集
(
つど
)
ふ
此
(
この
)
山
(
やま
)
は
085
心
(
こころ
)
して
行
(
ゆ
)
け
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
りつつ』
086
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
087
『
鬼婆
(
おにばば
)
の
縄張
(
なはばり
)
といふこの
山
(
やま
)
は
088
怪
(
け
)
しき
事
(
こと
)
のみ
次々
(
つぎつぎ
)
起
(
おこ
)
るも。
089
さはあれど
誠心
(
まことごころ
)
に
進
(
すす
)
みなば
090
如何
(
いか
)
なる
艱
(
なや
)
みも
安
(
やす
)
くのぼらむ。
091
火炎山
(
くわえんざん
)
火種
(
ひだね
)
の
一
(
ひと
)
つ
持
(
も
)
つならば
092
此
(
この
)
国原
(
くにはら
)
は
安
(
やす
)
けかるべし。
093
はろばろと
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
094
今日
(
けふ
)
は
魔神
(
まがみ
)
の
軍
(
いくさ
)
に
向
(
むか
)
ふも。
095
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
と
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アのその
上
(
うへ
)
に
096
瘧婆
(
おこりばば
)
アの
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
しかな。
097
婆
(
ばば
)
といふ
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
くさへも
忌
(
いま
)
はしく
098
汚
(
けが
)
らはしくも
思
(
おも
)
はれにける』
099
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
100
『
大丈夫
(
ますらを
)
の
弥猛心
(
やたけごころ
)
を
引
(
ひ
)
き
立
(
た
)
てて
101
いざや
登
(
のぼ
)
らむ
火炎
(
くわえん
)
の
山頂
(
さんちやう
)
』
102
と
歌
(
うた
)
ひながら、
103
松
(
まつ
)
、
104
竹
(
たけ
)
を
先頭
(
せんとう
)
に、
105
梅
(
うめ
)
、
106
桜
(
さくら
)
を
殿
(
しんがり
)
とし、
107
壁立
(
かべた
)
つ
羊腸
(
やうちやう
)
の
坂道
(
さかみち
)
を、
108
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
刻
(
きざ
)
みつつ
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
109
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
110
『ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
111
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
はさかしとも
112
悪魔
(
あくま
)
の
猛
(
たけ
)
びは
強
(
つよ
)
くとも
113
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ
大丈夫
(
ますらを
)
の
114
固
(
かた
)
き
心
(
こころ
)
を
発揮
(
はつき
)
して
115
此
(
この
)
急坂
(
きふはん
)
を
登
(
のぼ
)
るなり
116
尾花
(
をばな
)
は
靡
(
なび
)
き
百花
(
ももばな
)
は
117
わが
行
(
ゆ
)
く
足
(
あし
)
の
右
(
みぎ
)
左
(
ひだり
)
118
清
(
きよ
)
く
匂
(
にほ
)
ひて
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
も
119
いとさやさやに
聞
(
きこ
)
ゆなり
120
ああ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
121
天地
(
あめつち
)
開
(
ひら
)
けし
始
(
はじ
)
めより
122
例
(
ためし
)
もあらぬ
山登
(
やまのぼ
)
り
123
魍魎
(
まうりやう
)
毒蛇
(
どくじや
)
は
潜
(
ひそ
)
むとも
124
生言霊
(
いくことたま
)
の
剣
(
つるぎ
)
もて
125
斬
(
き
)
り
放
(
はふ
)
らひつ
葭原
(
よしはら
)
の
126
神国
(
みくに
)
の
基礎
(
きそ
)
を
固
(
かた
)
むべく
127
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
火口
(
くわこう
)
まで
128
進
(
すす
)
まにやおかぬ
大和魂
(
やまとだま
)
129
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
め、いざ
進
(
すす
)
め
130
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
はいや
高
(
たか
)
し
131
地上
(
ちじやう
)
を
伏
(
ふ
)
して
眺
(
なが
)
むれば
132
黄金
(
こがね
)
の
野辺
(
のべ
)
は
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
133
光
(
ひか
)
りを
浴
(
あ
)
びてきらきらと
134
目路
(
めぢ
)
の
限
(
かぎ
)
りを
光
(
ひか
)
るなり
135
わが
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
は
遠
(
とほ
)
けれど
136
いつかは
登
(
のぼ
)
らむ
火炎山
(
くわえんざん
)
137
その
頂
(
いただき
)
に
輝
(
かがや
)
ける
138
火種
(
ひだね
)
を
一
(
ひと
)
つ
戴
(
いただ
)
きて
139
世人
(
よびと
)
を
普
(
あまね
)
く
救
(
すく
)
ふべし
140
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
141
わが
一行
(
いつかう
)
に
幸
(
さち
)
あれや
142
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
たち
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
143
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
たち
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
144
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
145
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
146
ウントコドツコイ、ドツコイシヨ』
147
と
歌
(
うた
)
ひながら
秋男
(
あきを
)
は
急坂
(
きふはん
)
をものともせず、
148
雄々
(
をを
)
しく
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
149
松
(
まつ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
150
『
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
けば
頂
(
いただき
)
ますます
遠
(
とほ
)
く
見
(
み
)
えて
151
心
(
こころ
)
もとなき
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
かも。
152
不思議
(
ふしぎ
)
なる
山
(
やま
)
にもあるか
行
(
ゆ
)
けど
行
(
ゆ
)
けど
153
はてしも
知
(
し
)
らぬ
高
(
たか
)
き
峰
(
みね
)
なり。
154
悪神
(
あくがみ
)
の
妨
(
さまた
)
げなせるか
吾
(
わが
)
足
(
あし
)
は
155
重
(
おも
)
たくなりて
開
(
ひら
)
きかねつつ。
156
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
此処
(
ここ
)
に
息
(
いき
)
をば
休
(
やす
)
めつつ
157
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
かむか
秋男
(
あきを
)
若君
(
わかぎみ
)
』
158
と
言
(
い
)
ひつつ、
159
地上
(
ちじやう
)
より
一
(
いつ
)
尺
(
しやく
)
ばかり
頭
(
あたま
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
し
覗
(
のぞ
)
ける
岩
(
いは
)
にどつかと
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
け、
160
ハアハアと
息
(
いき
)
をはづませ
居
(
ゐ
)
る。
161
一行
(
いつかう
)
はこれに
倣
(
なら
)
ひて、
162
萱草
(
かやぐさ
)
の
上
(
うへ
)
にどつかと
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
し、
163
荒
(
あら
)
き
鼻息
(
はないき
)
を
止
(
と
)
めむとして
居
(
ゐ
)
る。
164
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
165
『
行
(
ゆ
)
けど
行
(
ゆ
)
けど
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
此
(
この
)
山
(
やま
)
は
166
不思議
(
ふしぎ
)
なるかな
追々
(
おひおひ
)
遠
(
とほ
)
のく。
167
魔
(
ま
)
の
山
(
やま
)
か
地獄
(
ぢごく
)
の
山
(
やま
)
か
知
(
し
)
らねども
168
次第
(
しだい
)
に
遠
(
とほ
)
のくいぶかしの
山
(
やま
)
。
169
曲神
(
まがかみ
)
のまたもや
罠
(
わな
)
にかかりしか
170
心
(
こころ
)
もとなきこの
山登
(
やまのぼ
)
り』
171
竹
(
たけ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
172
『
若君
(
わかぎみ
)
の
仰
(
あふ
)
せ
宜
(
うべ
)
なり
此
(
この
)
山
(
やま
)
は
173
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
棲処
(
すみか
)
なりせば。
174
怪
(
あや
)
しきは
此
(
この
)
山登
(
やまのぼ
)
りいつまでも
175
同
(
おな
)
じ
所
(
ところ
)
を
行
(
ゆ
)
きつ
戻
(
もど
)
りつ。
176
まなかひは
眩
(
くら
)
みたるらし
村肝
(
むらきも
)
の
177
心
(
こころ
)
焦
(
いら
)
てど
道
(
みち
)
捗
(
はかど
)
らず』
178
梅
(
うめ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
179
『わが
眼
(
まなこ
)
こすりこすりてよく
見
(
み
)
れば
180
わが
身
(
み
)
の
位置
(
ゐち
)
は
少
(
すこ
)
しも
変
(
かは
)
らず。
181
籠
(
こも
)
り
樹
(
ぎ
)
のかげに
佇
(
たたず
)
み
足
(
あし
)
ばかり
182
われらは
動
(
うご
)
かし
居
(
ゐ
)
たりけむかも』
183
桜
(
さくら
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
184
『
如何
(
いか
)
にしてわれ
登
(
のぼ
)
らむと
思
(
おも
)
へども
185
曲津
(
まが
)
の
猛
(
たけ
)
びの
妨
(
さまた
)
げ
強
(
つよ
)
し。
186
皇神
(
すめかみ
)
のわれにたまひし
数歌
(
かずうた
)
を
187
うたひうたひて
登
(
のぼ
)
りたく
思
(
おも
)
ふ。
188
数歌
(
かずうた
)
にうたれて
逃
(
に
)
げし
鬼婆
(
おにばば
)
よ
189
これに
勝
(
まさ
)
りし
武器
(
ぶき
)
はあらじな』
190
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
191
『さもあらむ
吾
(
われ
)
はこれより
言霊
(
ことたま
)
の
192
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
うたひ
登
(
のぼ
)
らむ。
193
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
六
(
むゆ
)
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
百
(
もも
)
千
(
ち
)
万
(
よろづ
)
194
八千万
(
やちよろづ
)
の
神
(
かみ
)
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ。
195
言霊
(
ことたま
)
の
厳
(
いづ
)
の
力
(
ちから
)
に
助
(
たす
)
けられ
196
登
(
のぼ
)
り
了
(
おほ
)
せむ
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
』
197
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
198
籠
(
こも
)
り
樹
(
ぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
方
(
はう
)
より、
199
『アツハハハハハ
200
イツヒヒヒヒヒ
201
ウツフフフフフ
202
うつけ
者
(
もの
)
、
203
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
りたか、
204
吾
(
われ
)
こそは
忍
(
しのぶ
)
ケ
丘
(
をか
)
に
年
(
とし
)
古
(
ふる
)
く
棲
(
す
)
みし
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
司
(
つかさ
)
、
205
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アぞや、
206
よくものめのめと
吾
(
わが
)
棲処
(
すみか
)
へ
迷
(
まよ
)
うてうせたな。
207
もう
斯
(
か
)
くなればこつちのもの、
208
てもさてもいぢらしいものだワイ。
209
イツヒヒヒヒヒ
210
厳
(
いか
)
めしい
姿
(
すがた
)
致
(
いた
)
して、
211
偉
(
えら
)
さうに
鬼
(
おに
)
を
征服
(
せいふく
)
するなどとは、
212
をこがましや、
213
あた
阿呆
(
あほ
)
らしや、
214
とても
叶
(
かな
)
はずきつぱりと
降参
(
かうさん
)
致
(
いた
)
すか、
215
首
(
くび
)
でも
吊
(
つ
)
つて
往生
(
わうじやう
)
するか、
216
返答
(
へんたふ
)
如何
(
いか
)
に。
217
ウツフフフフフ
218
かねてわがたくみ
置
(
お
)
きたる
計略
(
けいりやく
)
の
219
罠
(
わな
)
にかかりし
愚者
(
おろかもの
)
かな。
220
さてもさても
憐
(
あは
)
れな
者
(
もの
)
よ
此
(
この
)
餓鬼
(
がき
)
は
221
火炎
(
くわえん
)
の
山
(
やま
)
の
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
ゆべし。
222
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
と
霊魂
(
たま
)
の
生命
(
いのち
)
をば
223
共
(
とも
)
に
砕
(
くだ
)
きて
苦
(
くる
)
しめ
悩
(
なや
)
めむ。
224
今日
(
けふ
)
の
如
(
ごと
)
く
心地
(
ここち
)
よき
日
(
ひ
)
はなかるべし
225
冬男
(
ふゆを
)
の
餓鬼
(
がき
)
の
恨
(
うら
)
み
晴
(
は
)
らせば』
226
秋男
(
あきを
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
227
『どこまでもわれに
仇
(
あだ
)
なす
曲津見
(
まがつみ
)
を
228
征討
(
きた
)
めでやむべき
大丈夫
(
ますらを
)
われは。
229
かくならば
一歩
(
いつぽ
)
も
退
(
ひ
)
かじ
巌
(
いは
)
ケ
根
(
ね
)
の
230
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御子
(
みこ
)
にしあれば。
231
祖先
(
おやおや
)
の
恥
(
はぢ
)
と
思
(
おも
)
へば
一歩
(
ひとあし
)
も
232
曲津
(
まが
)
の
棲処
(
すみか
)
は
退
(
しりぞ
)
かざらむ。
233
曲神
(
まがかみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
言
(
い
)
へる
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
234
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アを
征討
(
きた
)
めて
止
(
や
)
まむ』
235
樹上
(
じゆじやう
)
より
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
再
(
ふたた
)
び
聞
(
きこ
)
えて、
236
『ギヤツハハハハハ
237
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
月見
(
つきみ
)
ケ
丘
(
をか
)
にて、
238
其方
(
そち
)
たちを
悩
(
なや
)
めし
水奔鬼
(
すゐほんき
)
の
司
(
つかさ
)
、
239
笑
(
わら
)
ひ
婆
(
ばば
)
アが
妹
(
いもうと
)
の
善事
(
よごと
)
曲事
(
まがこと
)
一切
(
いつさい
)
を
譏
(
そし
)
り
婆
(
ばば
)
アの
曲鬼
(
まがおに
)
様
(
さま
)
だ。
240
しつかりと
耳
(
みみ
)
を
浚
(
さら
)
へて
聞
(
き
)
け。
241
もうかうなる
上
(
うへ
)
は
遁
(
のが
)
しはせぬ、
242
覚悟
(
かくご
)
極
(
きは
)
めて
婆
(
ばば
)
アが
軍門
(
ぐんもん
)
に
降
(
くだ
)
れ。
243
いづれ
保
(
たも
)
てぬ
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
生命
(
いのち
)
、
244
綺麗
(
きれい
)
さつぱり
此
(
この
)
方
(
はう
)
に
奉
(
たてまつ
)
り、
245
わが
幕下
(
ばくか
)
となつて
忠実
(
ちうじつ
)
に
悪
(
あく
)
を
働
(
はたら
)
け。
246
それに
背
(
そむ
)
くとあれば
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
247
汝
(
なんぢ
)
が
身体
(
からたま
)
霊魂
(
みたま
)
を
捻
(
ひね
)
り
潰
(
つぶ
)
し、
248
踏
(
ふ
)
み
砕
(
くだ
)
き、
249
無限
(
むげん
)
の
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れむ、
250
ワツハハハハハ、
251
ワツハハハハハ』
252
と
砕
(
くだ
)
ける
如
(
ごと
)
き
婆
(
ばば
)
アの
声
(
こゑ
)
の
嫌
(
いや
)
らしさ、
253
身体
(
からだ
)
一面
(
いちめん
)
に
粟
(
あは
)
を
生
(
しやう
)
ずるばかりなりける。
254
秋男
(
あきを
)
は
不審
(
ふしん
)
の
念
(
ねん
)
晴
(
は
)
れやらず、
255
ふと
大空
(
おほぞら
)
を
仰
(
あふ
)
げば、
256
今
(
いま
)
まで
煌々
(
くわうくわう
)
たる
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
光
(
かげ
)
は
跡形
(
あとかた
)
もなく、
257
満天
(
まんてん
)
黒雲
(
くろくも
)
塞
(
ふさ
)
がり、
258
陰鬱
(
いんうつ
)
の
気
(
き
)
四方
(
よも
)
を
鎖
(
とざ
)
し、
259
次々
(
つぎつぎ
)
怪
(
あや
)
しき
物音
(
ものおと
)
高
(
たか
)
まり
来
(
きた
)
る。
260
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はここぞ
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
と、
261
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
奏上
(
そうじやう
)
しつつありける。
262
曲神
(
まがかみ
)
のまたもや
罠
(
わな
)
に
陥
(
おちい
)
りて
263
あはれ
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
闇
(
やみ
)
に
包
(
つつ
)
まる。
264
悪神
(
あくがみ
)
の
計略
(
たくみ
)
は
深
(
ふか
)
し
七重
(
ななへ
)
八重
(
やへ
)
265
黒雲
(
くろくも
)
の
幕
(
まく
)
包
(
つつ
)
みて
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
る。
266
急坂
(
きふはん
)
を
登
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
し
樹
(
き
)
のかげの
267
同
(
おな
)
じ
所
(
ところ
)
にうろつき
居
(
ゐ
)
たりし。
268
(
昭和九・七・二八
旧六・一七
於関東別院南風閣
白石恵子
謹録)
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【第13章 樹下の囁き|第80巻|天祥地瑞|霊界物語|/rm8013】
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