霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 大挙(たいきよ)出発(しゆつぱつ)〔二〇二二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第80巻 天祥地瑞 未の巻 篇:第3篇 天地変遷 よみ(新仮名遣い):てんちへんせん
章:第18章 大挙出発 よみ(新仮名遣い):たいきょしゅっぱつ 通し章番号:2022
口述日:1934(昭和9)年07月30日(旧06月19日) 口述場所:関東別院南風閣 筆録者:白石恵子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年12月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
水上山の執政・巌ケ根は、高光山以西を視察するために派遣した四男の冬男、三男の秋男一行がいつまで待っても戻ってこないため、さらに自分の子を派遣して調査させようかと事を図っていた。
すると、東南の方に火炎山は轟然として爆発し、水上山まで振動が伝わってくるほどであった。
そのため、巌ケ根は意を決して長男・春男、次男・夏男に命じ、執政の水音、瀬音を補佐に数多の従者を引き連れさせて、調査に向かうこととした。
巌ケ根は出発に際して斎主となり、調査の旅の無事を祈念する祝詞を宣り上げた。
一同はそれぞれ出発の述懐歌を歌うと、木枯らしが吹きすさぶ野路を東南に向かって進んだ。それぞれ行軍歌を歌いながら進発し、茂みの森影で一夜を明かすことになった。
そのあたりは火炎山が陥落したために、猛獣や毒蛇が集まってきている場所であったため、辺りには怪しい鳴き声が響き、不快な空気が漂っていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm8018
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 386頁 修補版: 校定版:354頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 水上山(みなかみやま)神館(かむやかた)執政(しつせい)(つと)むる(いは)()は、002高光山(たかみつやま)以西(いせい)国形(くにがた)視察(しさつ)せしむべく、003第四男(だいよんなん)冬男(ふゆを)一人(ひとり)(つか)はしけるが、004数多(あまた)(つき)(けみ)して(なん)消息(せうそく)もなきままに、005(やや)不安(ふあん)(ねん)(おこ)し、006水音(みなおと)007瀬音(せおと)重臣(ぢゆうしん)(とも)に、008鳩首(きうしゆ)謀議(ぼうぎ)結果(けつくわ)009第三男(だいさんなん)秋男(あきを)に、010(まつ)011(たけ)012(うめ)013(さくら)四柱(よはしら)従者(じうしや)(したが)へ、014冬男(ふゆを)在処(ありか)国形(くにがた)視察(しさつ)()ねて出発(しゆつぱつ)(めい)じたりしが、015これまた弓弦(ゆづる)(はな)れし()(ごと)く、016()つたまま(なん)消息(せうそく)もなく、017(ふたた)水上山(みなかみやま)神館(かむやかた)(うれ)ひに(しづ)み、018三度(みたび)御子(みこ)()して調査(てうさ)せしめむと事議(ことはか)(をり)しもあれ、019東南(とうなん)(かた)(あた)つて、020(よる)火光(くわくわう)(ひやく)()地上(ちじやう)(てら)したる火炎山(くわえんざん)は、021轟然(がうぜん)として爆発(ばくはつ)したる(その)物音(ものおと)に、022水上山(みなかみやま)(やかた)まで地鳴(ぢなり)震動(しんどう)(はなは)だしく、023人心(じんしん)兢々(きやうきやう)たりける。
024 (ここ)(いは)()(はじ)重臣(ぢゆうしん)(たち)は、025二人(ふたり)御子(みこ)安否(あんぴ)(うれ)ひ、026大挙(たいきよ)して(その)消息(せうそく)(さぐ)るべく、027春男(はるを)028夏男(なつを)(はじ)め、029水音(みなおと)030瀬音(せおと)(その)()供人(ともびと)数多(あまた)()()れ、031第三回(だいさんくわい)()調査(てうさ)(むか)ふべく決定(けつてい)したり。
032 出発(しゆつぱつ)(のぞ)み、033(いは)()斎主(さいしゆ)となり、034(その)()(しりへ)(したが)ひて、035天津(あまつ)(かみ)(まつ)りたる神殿(しんでん)(ぬか)づき、036種々(くさぐさ)美味物(うましもの)(たてまつ)太祝詞言(ふとのりとごと)()りける。037その祝詞(のりと)()ふ。
 
038掛巻(かけまく)(あや)(かしこ)き、039高日(たかひ)(みや)(しづ)まりいます()大御神(おほみかみ)040高鉾(たかほこ)(かみ)041神鉾(かむほこ)(かみ)三柱(みはしら)大御前(おほみまへ)に、042水上山(みなかみやま)(やかた)執政(しつせい)(いは)()は、043ここに(つつ)しみ(ゐやま)ひ、044(かしこ)(かしこ)みも()(まを)さく。
045(そもそ)(これ)葭原(よしはら)神国(みくに)は、046御樋代(みひしろ)(かみ)朝霧(あさぎり)比女(ひめ)(かみ)永久(とこしへ)(しづ)まりまして(をさ)(たま)神国(みくに)にして、047(いや)しき(われ)()高光山(たかみつやま)(かぎ)りとして、048予讃(よさ)国原(くにはら)(をさ)むべく、049御樋代(みひしろ)(がみ)神言(みこと)かかぶりて、050()()(くに)(やす)かれと(こころ)(つく)()(つく)し、051(くに)政治(まつりごと)(つか)(まつ)りける。
052予讃(よさ)国土(くに)(つち)(いま)(わか)く、053種々(くさぐさ)(もの)(まつた)調(ととの)はず浮脂(うきあぶら)(ごと)くあれば、054国形(くにがた)()せしめむと第四(だいよん)御子(みこ)冬男(ふゆを)(つか)はしけるに、055数多(あまた)(つき)(けみ)すと(いへど)(いま)復命(かへりごと)(まを)さず、056()しや()大御神(おほみかみ)御心(みこころ)(かな)はずて、057(みち)隈手(くまで)にさやる曲津(まがつ)(かみ)()りて(そこな)ひたるにやと、0571(こころ)(こころ)ならず058各自(おのもおのも)(つかさ)(たち)事議(ことはか)り、059神前(みまへ)()(まを)して、060第三男(だいさんなん)秋男(あきを)に、061(まつ)062(たけ)063(うめ)064(さくら)四柱(よはしら)()へ、065(ふたた)国形(くにがた)視極(みきは)め、066冬男(ふゆを)在処(ありか)(あき)らめむと、067()ぐる()(この)(やかた)()()でけるに、068(いま)におきて(なん)復命(かへりごと)もなさず、069(つかさ)(たち)(こころ)(なや)(まつ)(をり)もあれ、070予讃(よさ)(くに)真秀良場(まほらば)(そばだ)てる火炎山(くわえんざん)は、071天地(あめつち)をどよもして、072(いただき)より(ふもと)まで()(やぶ)れけるにや、073(あさ)(ゆふ)なに(のぞ)みてし(その)(かげ)()えず、074(ひかり)()()せければ、075尋常(ただごと)ならじと(おも)(まつ)るが(ゆゑ)に、076三度(みたび)(ここ)事議(ことはか)りて、077二人(ふたり)御子(みこ)在処(ありか)(さが)(もと)め、078国形(くにがた)()るべく、079春男(はるを)080夏男(なつを)水音(みなおと)081瀬音(せおと)(つかさ)(したが)へさせ、082百神(ももがみ)たちを(ひき)ゐて、083今日(けふ)吉日(よきひ)吉時(よきとき)に、084神国(みくに)(ため)(たび)()かむとす。
085(あふ)(ねが)はくば、086()大御神(おほみかみ)087𪫧怜(うまら)委曲(つばら)聞食(きこしめ)(たま)ひて、088今日(けふ)出立(いでた)ちは(みち)隈手(くまで)(つつが)なく、089()なく(こと)なく、090最速(いとすみや)かに復命(かへりごと)(まを)させ(たま)へと、091海川(うみかは)山野(やまぬ)種々(くさぐさ)御幣帛(みてぐら)百取(ももとり)(つくゑ)横山(よこやま)(ごと)置足(おきたら)はして(たてまつ)るさまを、092(たひら)けく(やす)らけく聞食(きこしめ)せと、093鹿児自(かこじ)(もの)膝折伏(ひざをりふ)せ、094宇自物(うじもの)頸根(うなね)突貫(つきぬ)きて、095(かしこ)(かしこ)みも()(まつ)らくと(まを)す。096惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)097惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
 
098 ()奏上(そうじやう)(をは)り、099(うやうや)しく礼拝(れいはい)し、100神殿(しんでん)(くだ)り、101(ふたた)一同(いちどう)執政殿(しつせいでん)(あつま)り、102首途(かどで)(しゆく)(かつ)事議(ことはか)りける。
103 (いは)()(うた)ふ。
104二柱(ふたはしら)御子(みこ)(かへ)らずなりにけり
105(かみ)御旨(みむね)(かな)はざりしか。
106(おい)()(ちから)(たの)二人(ふたり)()
107行方(ゆくへ)(おも)へば(こころ)さわぐも。
108(おと)()水奔草(すゐほんさう)()(みち)
109(しげ)りて(ひと)(そこな)ふとかや。
110水奔草(すゐほんさう)(あた)りて()せし水奔鬼(すゐほんき)
111(わざはひ)なすと()くぞ忌々(ゆゆ)しき。
112一年(ひととせ)()ぐれど冬男(ふゆを)(かへ)()
113(こころ)もとなきわが(おも)ひかな。
114()ぐる(あき)(ふたた)秋男(あきを)言依(ことよ)さし
115国形(くにがた)()るべく旅立(たびだ)たせけり。
116(ふゆ)(ちか)木枯(こがらし)()けどわが御子(みこ)
117便(たよ)りのなきは()れたかりけり。
118(まつ)(たけ)(うめ)(さくら)四柱(よはしら)()ひながら
119(いま)便(たよ)りのなきはいぶかし。
120火炎山(くわえんざん)爆発(ばくはつ)したるか天地(あめつち)
121どよみて(やま)(かげ)()せたり。
122火炎山(くわえんざん)変動(へんどう)()るより一入(ひとしほ)
123わが(たましひ)はなやましきかな。
124かくならば春男(はるを)夏男(なつを)(はじ)めとし
125水音(みなおと)瀬音(せおと)()きて調(しら)べよ』
126 水音(みなおと)(うた)ふ。
127(うべ)ようべ巌根(いはね)(きみ)御言葉(みことば)
128如何(いか)(そむ)かむ(いそ)(たび)()かむ。
129(ふたた)びの使(つかひ)復命(かへりごと)あらず
130(こころ)もとなきこれの(やかた)よ。
131水奔鬼(すゐほんき)(ため)生命(いのち)果敢(はか)なくも
132()(たま)ひしか(こころ)もとなし。
133葭草(よしぐさ)(まじ)りて(しげ)水奔草(すゐほんさう)
134(わざはひ)(おほ)しと(われ)()きつる。
135湿(しめ)()(しげ)れる葭草(よしぐさ)醜草(しこぐさ)
136隙間(すきま)()めるイヂチの害虫(がいちう)
137草枕(くさまくら)(たび)()(ひと)(あし)()みて
138(たふ)すイヂチの(おほ)しとぞ()く。
139()(かく)もかくてあるべき(とき)ならず
140(いそ)(すす)まむ御後(みあと)たづねて』
141 瀬音(せおと)(うた)ふ。
142執政(しつせい)(きみ)(しば)しを()たせ(たま)
143国形(くにがた)()つつ御後(みあと)調(しら)べむ。
144(なに)かしら(こころ)()ちゐぬ今日(けふ)()
145(かみ)(いの)りて旅立(たびだ)ちせむかな。
146葭原(よしはら)彼方(あなた)此方(こなた)(をか)()
147水奔鬼(すゐほんき)()むと(つた)()()り。
148如何(いか)ならむ(なや)(きた)るも(この)(たび)
149(かみ)(めぐみ)()(やぶ)()かむ。
150わが()かば(さび)しかるべし(いは)()
151(かみ)(いの)りて(やす)()しませ』
152 春男(はるを)(うた)ふ。
153父上(ちちうへ)御言(みこと)(かしこ)()()かむ
154(もも)(つかさ)をわれ(ともな)ひて。
155火炎山(くわえんざん)跡形(あとかた)もなく()()せぬ
156予讃(よさ)国原(くにはら)さやぎてあらむ。
157()(かく)予讃(よさ)国原(くにはら)(をさ)むべき
158(つと)めを()てる水上(みなかみ)(やかた)よ。
159御樋代(みひしろ)(かみ)神言(みこと)(むく)ふべく
160如何(いか)なる(なや)みも(しの)(すす)まむ。
161(おとうと)水奔鬼(すゐほんき)または曲鬼(まがおに)
162生命(いのち)(うば)はれたるにあらずや。
163よしやよし(おとうと)生命(いのち)あらずとも
164(われ)(すす)まむ高光(たかみつ)(やま)まで。
165高光(たかみつ)(やま)(すす)みて(この)(さま)
166御樋代(みひしろ)(がみ)(つぶさ)(つた)へむ』
167 夏男(なつを)(うた)ふ。
168木枯(こがらし)()(すさ)()()けて()
169(われ)()(たび)(さち)あれと(いの)る。
170父君(ちちぎみ)(わか)れを()げて()でて()
171われも神国(みくに)(ため)なればなり。
172葭原(よしはら)国形(くにがた)()つつ(おとうと)
173行方(ゆくへ)(さが)今日(けふ)(たび)かな。
174水上山(みなかみやま)()()尾花(をばな)(なび)きつつ
175わが旅立(たびだ)ちを()しむがに()ゆ。
176山萩(やまはぎ)桔梗(ききやう)()りて(さび)しげに
177尾花(をばな)(かぜ)(なび)きけるかも。
178(むし)()もかすかになりて野路(のぢ)()
179(かぜ)(やうや)()(わた)りけり。
180いざさらば(かみ)(めぐみ)(まも)られて
181()()()かむこれの(やかた)を』
182 (いは)()両眼(りやうがん)(なみだ)(うか)べながら(うた)ふ。
183(いさ)ましや春男(はるを)夏男(なつを)旅立(たびだ)ちを
184国土(くに)(かた)めと(おも)へば(うれ)しき。
185水音(みなおと)瀬音(せおと)(つかさ)(はる)(なつ)
186二人(ふたり)(まも)(やす)()きませ。
187木枯(こがらし)(かぜ)(つめ)たき冬空(ふゆぞら)
188()けて(すす)ます(きみ)雄々(をを)しき。
189水上(みなかみ)(やかた)(こころ)かけずして
190(すす)ませ(たま)司々(つかさつかさ)()
191 水音(みなおと)(こゑ)(くも)らせながら、
192『いざさらば(きみ)(わか)れむ(くに)(ため)
193曲津(まがつ)(すさ)荒野(あらの)をさして』
194 瀬音(せおと)(うた)ふ。
195村肝(むらきも)(こころ)なやまし(たま)ふまじ
196大丈夫(ますらを)(われ)()行手(ゆくて)(さち)ならむ。
197御樋代(みひしろ)(かみ)神言(みこと)(むく)いむと
198()()(みち)曲津(まが)のあるべき』
199(うた)(をは)り、200一行(いつかう)()(にん)数多(あまた)供人(ともびと)(とも)に、201木枯(こがらし)()(すさ)野路(のぢ)を、202東南(とうなん)進路(しんろ)をとり(いさ)(すす)んで()()きぬ。
203 春男(はるを)木枯(こがらし)(すさ)葭原(よしはら)を、204(みぎ)(ひだり)()けながら、205折々(をりをり)水上山(みなかみやま)(やかた)()りかへり()りかへり行進歌(かうしんか)(うた)ふ。
206(あき)(やうや)()()てて
207(ふゆ)(はじ)めとなりにけり
208水上山(みなかみやま)屹然(きつぜん)
209(わが)()(しりへ)(かがや)けり
210(こひ)しき(ちち)如何(いか)にして
211いますか()らず吾々(われわれ)
212()()(あん)じわづらひつ
213天津(あまつ)御神(みかみ)(おん)(まへ)
214(いの)らせ(たま)ふか(たふと)しや
215(あき)(やうや)くつきはてぬ
216木枯(こがらし)(さむ)(ふゆ)()
217(むか)へて(すす)(さび)しさよ
218秋男(あきを)冬男(ふゆを)()(うへ)
219(おも)へばなほも(さび)しけれ
220(てん)(そび)えて(かがや)きし
221火炎(くわえん)(やま)(かげ)もなく
222夜半(よは)(てら)せし大火光(だいくわくわう)
223(いま)(まつた)()えはてぬ
224葭草(よしぐさ)醜草(しこぐさ)()(しげ)
225野路(のぢ)()くわれは(つゆ)をだも
226(いと)心地(ここち)()でて()
227ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
228わが旅立(たびだ)ちに(さち)あれや
229わが()(みち)(ひかり)あれ
230如何(いか)悪魔(あくま)(たけ)るとも
231毒虫(どくむし)しげくさやるとも
232(かみ)(ひかり)(ちから)とし
233(たゆ)まず(くつ)せず(すす)むべし
234(ちち)御言(みこと)をかがふりて
235国形(くにがた)()むと()でて()
236高光山(たかみつやま)(さか)しくも
237葭原国(よしはらぐに)(ひろ)くとも
238月日(つきひ)(かさ)ねて(すす)みなば
239いと(やす)からむ惟神(かむながら)
240(かみ)のまにまに(すす)むべし
241(われ)()(かみ)()(かみ)(みや)
242如何(いか)(おそ)れむ大丈夫(ますらを)
243弥猛心(やたけごころ)一筋(ひとすぢ)
244初心(しよしん)(つらぬ)大前(おほまへ)
245復命(かへりごと)せむ(この)旅路(たびぢ)
246(まも)らせ(たま)天津(あまつ)(かみ)
247国津(くにつ)御神(みかみ)(おん)(まへ)
248(かしこ)(かしこ)()(まつ)る』
249 夏男(なつを)(うた)ふ。
250秋男(あきを)冬男(ふゆを)(いま)何処(いづこ)
251(いち)(ねん)(あま)りを()たる今日(けふ)
252(なん)便(たよ)りもなくばかり
253(たづ)()()はぼんやりと
254(ところ)(さだ)めぬ(さび)しさよ
255(ふゆ)(やうや)来向(きむか)ひて
256(もも)木草(きぐさ)紅葉(もみぢ)なし
257(むし)()さへも(ほそ)りけり
258(よし)枯葉(かれは)(くら)きまで
259大地(だいち)(つつ)毒草(どくさう)
260水奔草(すゐほんさう)()れはてて
261根元(ねもと)(ひそ)毒虫(どくむし)
262次第(しだい)々々(しだい)()えて()
263(ふゆ)(たび)こそ(さび)しけれ
264(かみ)(めぐみ)のあらざれば
265如何(いか)一歩(いつぽ)(すす)めむや
266(まも)らせ(たま)天地(あめつち)
267(かみ)御樋代(みひしろ)(かみ)(さま)
268神国(みくに)(ため)(すす)()
269われ()(みち)(くま)もなく
270()なく(すす)ませ(たま)へかし
271ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
272恩頼(みたまのふゆ)()(まつ)る』
273 水音(みなおと)(うた)ふ。
274(ふゆ)さり()れば山川(やまかは)
275水音(みなおと)さへも(こゑ)(ひそ)
276(あた)(さび)しく()()()
277裸木(はだかぎ)諸所(しよしよ)(ふる)ふなり
278御空(みそら)(つき)白々(しろじろ)
279(こほ)るが(ごと)(ふゆ)()
280(しも)()()けて(すす)()
281枯野(かれの)(はら)物凄(ものすご)
282火炎(くわえん)(やま)()()せて
283あやめも()かぬ(よる)(みち)
284最早(もはや)一歩(いつぽ)(すす)()
285(さいは)ひこれの(もり)かげに
286一夜(いちや)(つゆ)宿(やど)りして
287豊栄(とよさか)のぼる天津(あまつ)()
288(ひか)りを(ちから)(すす)むべし
289猛獣(まうじう)毒蛇(どくじや)のはびこれる
290これの原野(げんや)殊更(ことさら)
291(あや)ふからむを方々(かたがた)
292御心(みこころ)如何(いか)にすくすくと
293(こた)へを()らせ(たま)へかし
294ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
295(かみ)御前(みまへ)()(まつ)る』
296 瀬音(せおと)(うた)ふ。
297水上(みなかみ)(やま)()()(ふゆ)()
298繁樹(しげき)(もり)にたそがれにけり。
299火炎山(くわえんざん)(ひか)りなければ()むを()
300(この)(もり)かげに一夜(いちや)(あか)さむ。
301(なん)となくうら(さわ)がしき(ゆふべ)なり
302如何(いか)なる曲津(まが)(おそ)()るにや。
303二柱(ふたはしら)御子(みこ)(たづ)ねて(すす)()
304今日(けふ)(かな)しき(たび)なりにけり。
305木枯(こがらし)()(わた)()(おと)()けば
306(ふゆ)(こころ)(さび)しかりけり。
307月舟(つきふね)御空(みそら)にふるひ(むし)()
308(くさ)()()(ふゆ)夕暮(ゆふぐれ)
309(さび)しきは(ふゆ)(ゆふべ)旅衣(たびごろも)
310(そで)()()(なみだ)(あめ)なり』
311 (ここ)一行(いつかう)(しげ)みの森蔭(もりかげ)()()り、312(さび)しき木枯(こがらし)()かれながら()一所(ひとところ)(あつ)め、313明日(あす)旅立(たびだ)ちの(こと)など(こころ)(うち)(おも)(なや)みながら、314(やうや)(しん)()きける。
315 (この)(あた)りは火炎山(くわえんざん)陥落(かんらく)により、316猛獣(まうじう)毒蛇(どくじや)(きず)つけるもの数多(あまた)(あつま)(きた)れる場所(ばしよ)なりければ、317()もすがら(いや)らしき呻吟声(うめきごゑ)と、318異様(いやう)不快(ふくわい)なる空気(くうき)(ただよ)ひにける。
319昭和九・七・三〇 旧六・一九 於関東別院南風閣 白石恵子謹録)

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