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開祖伝
はしがき
(歌)
01 誕生
02 幼女の頃
03 子守奉公
04 出口家へ入籍
05 夫政五郎さん
06 八人の子宝
07 浮かれ節
08 病床の夫
09 紙屑買い
10 身だしなみ
11 政五郎さんの帰幽
12 重なる災厄
13 霊夢
14 帰神の発端
15 開祖の自己審神
16 算盤師の占い
17 世人の誤解
18 お筆先の発端
19 お筆先の内容
20 出牢後の宣伝
21 贈られた土塊
22 聖師綾部へ
23 厳瑞二霊
24 冠島開き
25 沓島開き
26 鞍馬山参り
27 元伊勢お水の御用
28 出雲大社お火の御用
29 弥仙山お籠もり
30 沓島における平和祈願
31 二つの性格
32 水洗礼
33 恭倹
34 御日常
35 昇天
36 祈りとまこと
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一 誕生
インフォメーション
題名:
1 誕生
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100600c01
001
天保七年・八年
[
※
1836・37年
]
という年は大飢饉の年であって、
002
連日の土砂降り雨で作物はことごとく水浸しとなり茎は腐り葉はただれ、
003
収穫皆無という悲惨な状態で、
004
およそ食べられそうなものはみな食い尽くされて、
005
しまいには畳の表までも煮て喰ったほどです。
006
金銭を持っていても買うべき食物がないので、
007
みすみす小判をくわえたり、
008
千両箱を枕にしたまま餓死するものがあったということです。
009
この大飢饉は日本全国にわたったもので、
010
ために諸方の農民が蜂起し、
011
大阪では、
012
かの大塩平八郎の乱が引き起こされました。
013
それが天保八年二月の出来事です。
014
徳川時代の末期は風俗
紊乱
(
びんらん
)
し無秩序な性の享楽からくる「
減児
(
へしご
)
」が公然と行われていました。
015
この堕胎行為に対する正しい判断力が麻痺していた上に、
016
打ち続く水害凶作にブッつかったこととて、
017
おびただしい可憐な赤子が闇から闇へと葬られました。
018
丹波の国
福知山
(
ふくちやま
)
[
※
綾部の西隣の町
]
に桐村
五郎
(
ごろ
)
三郎
(
さぶろう
)
さんという方があって、
019
家伝の大工を業としておられました。
020
以前は苗字帯刀御免の
御上
(
おかみ
)
大工、
021
郷宿
(
ごうやど
)
を兼ねて立派に暮らしておられましたが、
022
五郎三郎さんの代になって不幸つづきのため家屋敷は売り払い、
023
小さな家に住まっておられました。
024
この五郎三郎さんの夫人は綾部町の出口
惣右衛門
(
そうゑもん
)
さんの娘おソヨさんという方で、
025
夫婦の中に二人の男の子が生まれ、
026
天保七年の飢饉の真最中に三人目の子が懐胎しました。
027
「こんな時に子供が生まれては乳も思うように出ないだろうし、
028
みすみす子供を餓死させるようなものだから、
029
可哀想ではあるが、
030
背に腹は代えられぬ、
031
いっそこの際堕胎した方がよかろう」
032
という話が夫婦の間にひそびそ相談されていたところが、
033
たまたまこの話が隣室におられた姑のタケ子さんの耳に入りました。
034
タケ子さんは非常に腹を立てられ、
035
036
「折角神様から授った子供を
生計
(
くらし
)
ができぬからとて、
037
闇から闇へと
堕胎
(
おろ
)
すというのは実に浅間しことだ。
038
昔から非常の時に生まれる子は出世をすると云い伝えられているし、
039
こういう年にお産をするのもきっと何かの因縁であろう。
040
老先きの短いこの婆が身に代えても育てるから、
041
その話はどうか思いたってもらいたい」
042
と熱心に反対されたので、
043
堕胎の一件は中止となりました。
044
呪われた天保七年も暮れんとする十二月十六日の朝。
045
丹波の山々が曙の光りにほんのりと染め出された頃、
046
開祖・出口直子
刀自
(
とじ
)
は元気な産声をあげられました。
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開祖伝
> 01 誕生
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『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
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】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
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【霊界物語ネット】
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を掲載しました。
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