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開祖伝
はしがき
(歌)
01 誕生
02 幼女の頃
03 子守奉公
04 出口家へ入籍
05 夫政五郎さん
06 八人の子宝
07 浮かれ節
08 病床の夫
09 紙屑買い
10 身だしなみ
11 政五郎さんの帰幽
12 重なる災厄
13 霊夢
14 帰神の発端
15 開祖の自己審神
16 算盤師の占い
17 世人の誤解
18 お筆先の発端
19 お筆先の内容
20 出牢後の宣伝
21 贈られた土塊
22 聖師綾部へ
23 厳瑞二霊
24 冠島開き
25 沓島開き
26 鞍馬山参り
27 元伊勢お水の御用
28 出雲大社お火の御用
29 弥仙山お籠もり
30 沓島における平和祈願
31 二つの性格
32 水洗礼
33 恭倹
34 御日常
35 昇天
36 祈りとまこと
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二六
鞍馬山
(
くらまやま
)
参り
インフォメーション
題名:
26 鞍馬山参り
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100600c26
001
明治三十三年閏八月八日
[
※
新10月1日
]
午前一時、
002
開祖様は六十五才の御老体をお厭いもなく、
003
聖師様、
004
二代様、
005
四方
(
しかた
)
春三氏を従えられ、
006
菅の小笠に蓑、
007
ござ、
008
草鞋
(
わらじ
)
、
009
脚絆
(
きゃはん
)
の御扮装にて、
010
神命のまにまにどこを当ともなく御出修されることとなりました。
011
前日よりこのことを知って集まった役員信者らは、
012
各々お袖にすがってお供を願い出で、
013
しきりに同行を嘆願し、
014
はては、
015
016
「どうぞ途中までなりとお見送りさせてください」
017
と涙ながらに頼みましたが、
018
開祖様は神様のお許しなきため、
019
頑としてお許しにならず、
020
開祖様は梅の杖、
021
聖師様は雄松の杖、
022
二代様は雌松の杖、
023
四方春三氏は竹の杖を突きながら、
024
須知山
(
しゅちやま
)
峠の峻坂を登り、
025
枯木峠を踏み越えて榎木峠の頂上にさしかかれますと、
026
福林安之助氏が、
027
あまたの信者を出し抜いてソッと旅装を整え、
028
梅の杖まで用意し、
029
先へ回って焚火をして開祖様御一行を待っていました。
030
そして一行の姿を見るや否や大地にひれ伏して、
031
032
「特別を以てお伴をお許しください」
033
としきりに懇願致しましたが、
034
開祖様は、
035
036
「何事も神様の御命令なれば、
037
この三人の外にはいかなる事情があるとも随行して貰う訳にはゆきません」
038
と頑としてお許しになりません。
039
福林氏は
詮方
(
せんかた
)
なく、
040
腹の底より湧き出る涙と共に嘆願し、
041
042
「今ここでたとえ死ぬともこのまま家へは帰りません」
043
と容易に初心を変ずる気色がありませんので、
044
聖師様はその真心を推し量られ、
045
いろいろと取りなされまして、
046
047
「今度にかぎり破格を以って随行と言わず、
048
荷物持ちとして連れて行ってあげたらどうでしょうか」
049
と特別にお頼みになりますと、
050
開祖様もついにその誠意と熱心とに感じられまして、
051
ようやく随行を許されることになり、
052
福林氏は天にも昇るごとく喜び勇んで四人の荷物をかつぎ、
053
一行の後について行くことになりました。
054
途中一行は木崎の川原町で休憩され、
055
さらに八木の会合所・福島家へお立寄りになって御一泊されました。
056
前述の通りこの度は御出発以来御目的地が判っておりません。
057
ただ御神命のまにまにここまで進んで来られたのですが、
058
翌九日朝、
059
聖師様が神前に御祈願をこらされ、
060
行途の如何と御用のおもむきを伺われましたところ、
061
大神様は聖師様の御手を通して、
062
063
世の中の人の心のくらま山
064
神の
霊火
(
ひかり
)
に開くこの道
065
という神歌を出されましたので、
066
初めて行途が、
067
鞍馬山であることが判りました。
068
御一行は途中、
069
北野神社に詣でられ、
070
開祖様の御訓話によって国祖大神様の御永苦をしのび奉り、
071
いよいよ鞍馬山へ急がれました。
072
鞍馬山に到着された御一行は、
073
その夜はお宮の前でお通夜をされ、
074
翌日京都から園部へ出で八木で一泊され、
075
無事綾部に帰着されました。
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